JPH10507087A - 発酵による高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンaを産生するベクターおよびその方法 - Google Patents
発酵による高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンaを産生するベクターおよびその方法Info
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Abstract
(57)【要約】
組換え体DNA技術を用いて高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを産生する方法を開示する。エリスロマイシンC−12およびC−6ヒドロキシラーゼを欠くエリスロマイシン産生株Sac.erythraeaは、6,12−ジデオキシエリスロマイシンAと、前駆体分子である6−デオキシエリスロマイシンDとの混合物を産生する。前駆体を最終生成物に変換することを達成させるために、eryGの第2のコピーがSac.erythraea染色体の非必須領域に挿入され、それにより高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを得る。
Description
【発明の詳細な説明】発酵による高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを産生するベクター およびその方法
本出願は、1995年6月8日に提出された米国仮出願第60/123,45
6号の利益を主張する。
技術分野
本発明は、エリスロマイシン誘導体の製造に関する。特に、本発明は産生生物
の遺伝子操作を通して高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを生成す
ることに関する。
発明の背景
エリスロマイシンAは、グラム陽性細菌、Saccharopolyspor
a erythraea(Sac.erythraea)により産生される、臨
床的に有用で、広範なスペクトラムを有するマクロライド系抗生物質である。新
しい医薬品を設計し開発する上で有用な可能性のあるエリスロマイシン生合成の
中間体は、Sac.erythraeaにより微量に生成され、他のエリスロマ
イシン誘導体との混合物としてこれらの化合物の化学的修飾を絡ませながら産生
される。
この技術分野で教示されるとおり、(Donadioら、
Genetics and Molecular Biology of In
dustrial Microorganisms、C.L.Hershber
ger、S.W.QueenerおよびG.Hegeman編、1989、Am
erican society for Microbiology、ワシント
ン、DC 20005参照)、Sac.erythraeaによるエリスロマイ
シンAの生合成は、図1に示される提示の右手の経路にしたがって達成される。
14員マクロラクトンである6−デオキシエリスロノリドB(6-deoxyerythrono
lide B)は、初めプロピオニルと2−メチルマロニルのチオエステル類から作ら
れ、そしてその後C−6位をヒドロキシル化してエリスロノリドBを形成する。
グルコースから糖類ミカロースおよびデソサミンが合成され、そしてエリスロノ
リドBに加えられてエリスロマイシンDになる。提示経路での次の段階は、(い
ずれかの順で)C−12位でエリスロマイシンDをヒドロキシル化すること(結
果としてエリスロマイシンCを形成する)、またはC−3”位をメチル化するこ
と(結果としてエリスロマイシンBを形成する)である。その後のエリスロマイ
シンBのヒドロキシル化またはエリスロマイシ
ンCのメチル化によりエリスロマイシンAが生成する。
エリスロマイシンの生合成に関与する遺伝子についての我々の現在の理解、お
よびSac.erythraea中の遺伝子を不活化する技術により、エリスロ
マイシンAの前駆体および誘導体を製造するために上記経路の管理された操作が
可能である。エリスロマイシンBおよびエリスロマイシンDのようなエリスロマ
イシンAの天然に生じる前駆体は、これらの方法により容易に生成される。しか
し、in vivoでのエリスロマイシンAの高度に純粋な誘導体を作る他の試
みは、特に生合成の後半の段階で作用する酵素の基質を変える場合では、常に成
功するというものではない。そのような場合は、さらなる遺伝子修飾が必要とさ
れうる。
発明の要旨
本発明の方法は、エリスロマイシン産生微生物の遺伝子修飾を包含し、それに
より該エリスロマイシン産生微生物は、高純度3”−O−メチル化エリスロマイ
シン誘導体を産生する株に形質転換される。特に、染色体DNAの非必須領域が
、エリスロマイシン3”−O−メチルトランスフェラーゼを産生し、且つ、通常
エリスロマイシンDおよびCをそれぞれエリスロマイ
シンBおよびAに変換するeryGの第2のコピーを挿入することにより遺伝的
に修飾される。
本発明を具体化する微生物は、水性培地での培養で、式:
で表される高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを産生するSac.
erythraeaの新規株である。
エリスロマイシンを産生する微生物を6,12−ジデオキシエリスロマイシン
Aを産生する株に形質転換するのは、突然変異誘発技術によりそして特に、相同
的組換えによる遺伝子置換を通して達成される。この方法を用いて、それぞれC
−6およびC−12位でエリスロマイシンをヒドロキシル化するのに必須のシト
クロムP−450酵素をコードするeryFおよびeryK遺伝子は、これらの
遺伝子に欠失を担持する組込みプラスミドにより置換される。欠失コピーによる
野生型遺伝子の
置換の結果として、C−6及びC−12のいずれの位置もヒドロキシル化されな
い。図1の左手側に理論的に示されるとおり、eryF遺伝子での欠失が、6−
デオキシエリスロノリドBがエリスロノリドBに変換するのを防ぎ、糖基の添加
は、その後6−デオキシエリスロマイシンDを形成させる。第2の欠失変異、す
なわちeryK遺伝子での変異は、6−デオキシエリスロマイシンDが6−デオ
キシエリスロマイシンCにヒドロキシル化されることを防ぐ。したがって、機能
性eryK遺伝子の不存在下で、6−デオキシエリスロマイシンDのメチル化に
より、直接的に6,12−ジデオキシエリスロマイシンA(6−デオキシエリス
ロマイシンBとしても示される)が形成される。
しかし、6,12−ジデオキシエリスロマイシンA産生株の形成を困難なもの
とする因子は、6−デオキシエリスロマイシンDが、基質を6,12−ジデオキ
シエリスロマイシンAに変換するエリスロマイシン3”−O−メチルトランスフ
ェラーゼに対する基質として不十分なことである。これにより、前駆体である6
−デオキシエリスロマイシンDに対する所望の6,12−ジデオキシエリスロマ
イシンA生成物の比が低くなる。したがって、高純度6,12−ジデオキシエリ
スロマイシンA
を生成するためにさらに必要なことは、3”−O−メチルトランスフェラーゼを
コード化する遺伝子eryGの第2のコピーを産生生物に導入することにある。
本発明のこの特定の具体例では、ermE*プロモーターによって作動するer
yGの第2のコピーを相同的組換えを介してSac.erythraeaの染色
体の非必須領域に挿入し、そしてSac.erythraea株に安定に保持さ
せるプラスミドが構築される。
図面の簡単な説明
本発明は、付随の図面により十分に理解される。ここで、
図1は、エリスロマイシンA(右手側で)およびSac.erythraea
中の6,12−ジデオキシエリスロマイシンA(左手側で)の生合成についての
提示された代謝経路である。
図2は、pDPE4の構築を描写する流れ図である。
図3は、pGM504の構築を描写する流れ図である。
図4は、pDPE35の構築を描写する流れ図である。
図5は、Sac.erythraeaでの遺伝子置換の概略表示である。
図6は、ER720−KFの発酵の生成物の薄相クロマトグ
ラフィである。
図7は、ER720−KFG+の発酵の生成物の薄相クロマトグラフィである
。
図8aは、遺伝子工学的に製造されたSac.erythraea株ER72
0−KFで産生される6,12−ジデオキシエリスロマイシンAと6−デオキシ
エリスロマイシンDとの量を例示する。
図8bは、遺伝子工学的に製造されたSac.erythraea株ER72
0−KFG+により産生される6,12−ジデオキシエリスロマイシンAと6−
デオキシエリスロマイシンDとの量を例示する。
図9は、pKAS37の構築を描写する流れ図である。
図10は、pKAS37の制限地図を描写する。
図11は、pKASI37の構築を描写する流れ図である。
図12は、pKASI37の制限地図を描写する。
図13は、第2部位領域の範囲内に含まれるDNAの断片の一本鎖DNA配列
を描写する。
発明の詳細な説明
本発明は、分子の3”位がO−メチル化された高度に純粋な
エリスロマイシン誘導体を産生させることができるエリスロマイシン産生微生物
の遺伝的修飾のための方法を提供する。本発明の化合物は、構造式:
で表される6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを包含する。
この化合物は、遺伝的に修飾されたエリスロマイシン産生微生物を液体培地で
育成し、その後培養培地から化合物を抽出することにより得られた。該化合物は
、発酵中で優勢なエリスロマイシン誘導体として発見された。
本発明は、エリスロマイシン産生株を所望の化合物を産生する変異株に形質転
換することを含む、高度に純粋な3”−O−メチル化エリスロマイシン誘導体を
製造するための方法を提供する。本発明の1つの具体例で、エリスロマイシン産
生微生物
は細菌Sac.erythraeaである。遺伝子操作を行って得られた形質転
換体は、eryFおよびeryKによりコードされるシトクロムP−450酵素
に欠陥があるのみならず、エリスロマイシン3”−O−メチルトランスフェラー
ゼをコードするeryGのさらなるコピーを含有する。eryGのこの第2のコ
ピーの存在により、6−デオキシエリスロマイシンDを6,12−ジデオキシエ
リスロマイシンAに十分に変換させることが可能であり、図8aおよび8bで示
されるとおりエリスロマイシンの混合物よりむしろ高純度最終産物を産生するS
ac.erythraeaの株が提供される。
本発明は、一例として、相同的組換えにより、染色体の非必須領域のある部位
を、チオストレプトン耐性マーカーおよびermE*プロモーターの制御下にあ
るeryGの第2のコピーを組み込んで含む同様の領域のコピーで置換すること
を含む、eryGの第2のコピーをSac.erythraea染色体の非必須
領域に導入する特定の方法をも提供する。
本発明の方法は、サッカロポリスポラ種(Saccharopolyspor
a species)、ストレプトマイセス・グリセオプラヌス(Strept
omyces griseo
planus)、ノカルデイア種(Nocardia sp.)、マイクロモノ
スポラ種(Micromonospora sp.)、アルスロバクター種(A
rthrobacter sp.)およびストレプトマイセス・アンチバイオテ
ィクス(Streptomyces antibioticus)を含むがそれ
に限定されないエリスロマイシン産生微生物に広範に使用できる。これらの内、
Sac.erythraeaが最も好ましい。もちろん、異なる微生物の非必須
領域で相同な第2の部位の特定の配列は、Sac.erythraeaについて
の配列番号:1で示されるものからいくぶん変化しうるが、このような部位を同
定する方法は、この技術を習熟した者の通常の技術の範囲にある。
C−6およびC−12両方のヒドロキシル化は、それぞれeryFおよびer
yK遺伝子によりコードされるシトクロムP−450酵素により触媒される。こ
れらの2つの活性を欠くエリスロマイシン産生Sac.erythraea株は
、6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを産生することが予測される。これ
らのヒドロキシル化反応を排除する1つの方法は、シトクロムP−450モノオ
キシゲナーゼ系の操作に必要とさ
れる細胞性遺伝子の不能状態の突然変異による。これは、これらの遺伝子を、欠
失を含むコピーで置換することにより達成され、それにより遺伝子は非機能性で
非可逆性になる。エリスロマイシン生合成でのヒドロキシル化段階を破壊させる
、相同的組換えによる遺伝子置換のために設計された全てのプラスミドが利用で
きる。さらに、本発明の方法は、エリスロマイシンのC−6およびC−12ヒド
ロキシル化で不完全な突然変異体を作るために遺伝子置換を使用することになん
ら制限されない。遺伝子破壊、トランスポゾン突然変異生成、あるいは化学的ま
たは光誘導突然変異生成のようなヒドロキシラーゼ系を破壊する他の系は、微生
物の所望の遺伝的修飾を作るために使用できる。このような代替手段は、当業界
で通常に習熟した者によく知られている。
外来DNAをプラスミドに挿入して遺伝子置換プラスミドを形成するいくつか
の方法は、当業界で知られているが、本発明によって好ましい方法が、図2およ
び3に概略的に示され、以下の実施例で例示される。本発明での好ましい具体例
で、(a)その各々がストレプトマイセスで機能性がある、抗生物質チオストレ
プトンに対する耐性を付与するDNAの断片及び複製起
点を含むプラスミドpIJ702またはpIJ486の断片(tsr)、(b)
その各々がE.Coliで機能性がある、抗生物質アンピシリンに対する耐性を
付与するDNA断片および複製起点(amp)、および(c)その各々がゲノム
由来のプラスミドのプラスミド組込みおよびその後の切除の認識配列として作用
する能力がある、突然変異した(すなわち、欠失した)目的の遺伝子、および当
該突然変異した遺伝子の両側に隣接する少なくとも約1kbの隣接DNAを含む
Sac.erythraea染色体由来のDNA断片、を含む択可能なDNAプ
ラスミドが構築される。切除が組込みの起こる側と反対側の欠失の側で起こる場
合、図5に略図で例示されるとおり野生型遺伝子は欠失したものに置換される。
実施例1および図2は、eryKに欠失を作る為に構築されたプラスミドの例で
ある。実施例2および図3は、eryFに欠失を作る為に構築されたプラスミド
の例である。
上記で同定された特定の抗生物質耐性遺伝子および機能性複製起点は、所望の
組換え体プラスミドを選択および複製させる場合にのみ必要である。他の機能性
マーカーおよび複製起点も、本発明の実施に使用できる。同様に、遺伝子を突然
変異コピー
で置換するために、組換え体プラスミドが目的の遺伝子に隣接するゲノムの一部
に組込まれるようにし、そして目的の遺伝子の他の側で切除できるようにする全
ての認識配列が使用できる。さらに、本発明のプラスミドは、上述の例のように
、部分的ゲノム消化を用いることなく構築されうる。その代わりに、eryFお
よびeryKに隣接する領域の配列が知られている場合、認識配列は、新たに(
例えばポリメラーゼ連鎖反応により)合成し、必要な起点および耐性断片とライ
ゲートして遺伝子置換プラスミドを形成することができる。
実施例4で、Sac.erythraeaのエリスロマイシン産生株は、エリ
スロマイシンC−6およびC−12ヒドロキシラーゼに欠陥があるように遺伝的
に修飾された。これは、最初に(C−12ヒドロキシラーゼをコードする)er
yKの野生型コピーを実施例1に記載されたプラスミドpDPE4を用いて欠失
したコピーで置換することにより達成された。エリスロマイシン生合成の提示さ
れた経路から予測されるとおり、いくらかのエリスロマイシンDも発酵の初期に
産生しつつ、変異株はエリスロマイシンBを産生した。この突然変異株の(C−
6ヒドロキシラーゼをコードする)eryF遺伝子は、その後
実施例2に記載されたプラスミドpGM504を用いて遺伝子の欠失コピーで置
換された。この2重に欠失した株の予測される生成物である6,12−ジデオキ
シエリスロマイシンAが作られたか、この株は、図6に示されるとおり6日間の
発酵を通して大量の6−デオキシエリスロマイシンDも産生した。6−デオキシ
エリスロマイシンDは1日目から6日目まで優勢な誘導体であった。
高度に純粋な6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを産生するために、e
ryGの余剰のコピーがSac.erythraea染色体の非必須領域に導入
された。eryGの産生物はエリスロマイシンDおよびCをそれぞれエリスロマ
イシンBおよびAに標準的に変換する3”−O−メチルトランスフェラーゼであ
る。eryGの第2のコピーをSac.erythraea染色体に加えるため
の遺伝子置換プラスミドを構築する好ましい方法は、図4で略図で示され、実施
例3で記載されている。本発明の好ましい具体例で、(a)ストレプトマイセス
およびサッカロポリスポラで機能性がある複製起点を含むプラスミドpCD1の
断片、(b)その各々がE.Coliで機能性がある、抗生物質アンピシリンに
対する耐性を付与するDN
A断片及び複製起点、および(c)未知であるが、プラスミド組込みおよび切除
の認識部位として作用する能力のある必須でない機能を有するac.eryth
raea染色体のある領域から得られるDNA断片、を含む択可能なDNAプラ
スミドが構築される。(以降、未知であって非必須機能のこのDNA断片は、「
第2部位」領域と呼ぶ。図13は第2部位領域の部分であるおよそ1kbの一本
鎖DNA配列を描写する。)「第2部位」領域の範囲内に組み込まれるのは、e
rmE*プロモーターに操作可能に結合した3”−O−メチルトランスフェラー
ゼをコードする第1の断片、及び抗生物質チオストレプトンに対する耐性を付与
するプラスミドpWHM3(本明細書においてpCS5とも呼ばれる)由来の第
2の断片の、2つの追加DNA断片である。pDPE35と称される本発明を具
体化するプラスミドを含有するE.Coli DH5αの培養は、イリノイ州、
ペオリアのアグリカルチュラル・リサーチ・カルチャー・コレクション(Agr
icultural Research Culture Collectio
n)に寄託され、受託番号NRRL B−21486が与えられた。
先の実施例にあるように、土記で同定された特定の抗生物質
耐性遺伝子および機能性複製起点は、所望の組換え体プラスミドの選択および複
製をさせる場合にのみ必要である。他のマーカーおよび複製起点が使用できる。
同様に、Sac.erythraea染色体の非必須領域に相同である全てのD
NA断片は、eryGおよびtsr遺伝子を取り囲む組込み/切除認識配列とし
て使用できる。実施例5には、eryKおよびeryFで先に欠失され、そして
現在eryGの余剰のコピーを含む、Sac.erythraeaの株の構築に
pDPE35を使用することが記載されている。図7に示されるとおり、ery
Gのこの余剰のコピーは、高純度6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを少
なくとも4日間の発酵期間にわたって生成させる。本明細書において株ER72
0−KFG+として示されるeryKおよびeryFに欠失を有するSac.e
rythraea株は、イリノイ州、ペオリアのアグリカルチュラル・リサーチ
・カルチャー・コレクションに寄託され、受託番号NRRL 21484が与え
られた。
A.定義
以下に示す語および語句は、以下に記載される意味を示す。
ここで使用される場合に「シトクロムP−450モノオキシ
ゲナーゼ系」の語は、Sac.erythraeaで一緒に機能してエリスロマ
イシンBまたはその誘導体をヒドロキシ化するタンパク質の一群(2つのフラボ
タンパク質、鉄−硫黄タンパク質、およびC−6またはC−12ヒドロキシラー
ゼ酵素)に相当する。「シトクロムP−450酵素」の語は、シトクロムP−4
50モノオキシゲナーゼ系のC−6またはC−12ヒドロキシラーゼ酵素に相当
する。
ここで使用される場合に「エリスロマイシン誘導体」の語は、抗生物質活性お
よび/またはプロキネチック(prokinetic)活性を示すエリスロマイシン様化合
物に相当する。エリスロマイシン様化合物は、エリスロマイシンA、B、Cおよ
びDで見られるような14員マクロラクトン環および2つのO結合糖分子を有す
ることで一般的に特徴づけられる。「エリスロマイシン誘導体」は、それらが3
”−O−メチルトランスフェラーゼの基質として作用するという条件で、マクロ
ラクトン環および/または糖部分に修飾および/または置換基を有するエリスロ
マイシン様化合物を含むことが意図される。例えば、一般に知られた修飾として
は、
4”−デオキシエリスロマイシン、
6−デオキシエリスロマイシンD、
6,9−エポキシエリスロマイシン、
6−O−メチルエリスロマイシン、
4”−アミノ−6,4”−ジデオキシエリスロマイシンA、
9,4”−ジアミノ−6,9,4”−トリデオキシエリスロマイシンA、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシエリスロマイシンA−6,9−ヘミケタ
ール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシエリスロマイシンB−6,9−ヘミケタ
ール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−デスメチルエリスロマイシ
ンA−6,9−ヘミケタール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−デスメチル−3’−N−エ
チルエリスロマイシンA−6,9−ヘミケタール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−プロパルギルエリスロマイ
シンA−6,9−ヘミケタール ブロミド、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−デスメチルエリスロマイシ
ンB−6,9−ヘミケタール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−デスメチル−(3’−N−
エチルエリスロマイシンB−6,9−ヘミケタール、
8,9−アンヒドロ−4”−デオキシ−3’−N−プロパルギルエリスロマイ
シンB−6,9−ヘミケタール ブロミド、
9−デオキソ−4”,6−ジデオキシ−8−エピ−6,9−エポキシエリスロ
マイシンA、
9−デオキソ−3’−N−デスメチル−4”,6−ジデオキシ−8−エピ−6
,9−エポキシエリスロマイシンA、
9−デオキソ−3’−N−デスメチル−4”,6−ジデオキシ−8−エピ−3
’−N−エチル−6,9−エポキシエリスロマイシンA、
9−デオキソ−4”,6−ジデオキシ−8−エピ−6,9−エポキシ−3’−
N−プロパルギルエリスロマイシンA ブロミド、
9−デオキソ−4”,6−ジデオキシ−6,9−エポキシエリスロマイシンA
、
9−デオキソ−3’−N−デスメチル−4”,6−ジデオキシ−6,9−エポ
キシエリスロマイシンA、
9−デオキソ−3’−N−デスメチル−4”,6−ジデオキシ−6,9−エポ
キシ−3’−N−エチルエリスロマイシンA、
および
9−デオキソ−4”,6−ジデオキシ−6,9−エポキシ−3’−N−プロパ
ルギルエリスロマイシンA ブロミド
が挙げられる。
ここで使用される場合に「発現」の語は、ポリペプチドを産生する構造遺伝子
のようなコーディングDNA分子によってなされる転写および翻訳を含めた細胞
内プロセスの組合せに相当する。
ここで使用される場合に「相同的組換え」の語は、同一のまたは同一に近い配
列を含むDNA鎖の間の相補的塩基対および乗換えに相当する。
ここで使用される場合に「複製起点」の語は、宿主細胞中のプラスミドまたは
他のベクターの複製および維持を制御し且つ行なわせる、DNA配列に相当する
。
ここで使用される場合に「操作可能に結合された」の語は、構造遺伝子の転写
の開始をこえてプロモーターにより及ぼされる制御に相当する。
ここで使用される場合に「プロモーター」の語は、構造遺伝子の発現制御エレ
メントを提供し、RNAポリメラーゼが特異的に結合し、その遺伝子のRNA合
成(転写)を開始するDNA配列またはDNA配列の群での認識部位に相当する
。
ここで使用される場合に「制限断片」の語は、1つまたはそれ以上の制限酵素
の作用により生成された全ての線状DNAに相当する。
構造遺伝子の語は、発現してポリペプチドを生成する遺伝子に相当する。
ここで使用される場合に「形質転換」の語は、外因性DNA配列(例えばベク
ター、組換え体DNA分子)を、その外因性DNAが染色体に組み込まれるかま
たは自律複製をすることができる細胞またはプロトプラストに導入するプロセス
に相当する。
ここで使用される場合に「ベクター」の語は、宿主細胞で複製をすることが可
能なDNA分子、および/または別のDNAセグメントが操作可能に結合して、
当該結合セグメントを複製できるDNA分子に相当する。プラスミドは典型的ベ
クターである。
B.細菌株、プラスミドベクターおよび増殖培地
本発明の以下の実施例を行うのに使用されたエリスロマイシン産生微生物は、
Sac.erythraea ER720(DeWitt,J.P.、J.Ba
cteriol.164:969(1985))であった。E.Coli由来プ
ラスミドの増殖のための宿主株は、メリーランド、Gaithersburgの
Bethesda Research Laboratories(BRL)か
ら得たDH5αであった。
プラスミドpUC18、pUC19およびpBR322はBRLから得ること
ができる。プラスミドpCS5はSac.erythraeaの組込み形質転換
用の多機能ベクターである。(プラスミドpCS5はVaraら、J.Bact
eriol.171(11):5872(1989)により記載され、そしてp
WHM3として最初に称された。)プラスミドpIJ702(Katzら、J.
Gen.Microbiol.129:2703(1983))およびpIJ4
070がJohn Innes Instituteから得られた。プラスミド
pCD1は、Claude Dery、University of Sher
brook、Quebec、カナダ
から得た。制限地図分析および部分的配列決定は、このプラスミドがDoull
J.L.ら、FEMS Microbiol.Lett.16:349(19
83)に記載されたpJV1に関連していることを示した。
Sac.erythraeaは、50mlのSGGP培地(Yamamoto
ら、J.Antibiot.39:1304(1986))で、適切であればプ
ラスミド選択のために10マイクログラム/ミリリットル(μg/mL)のチオ
ストレプトンを補足して、プロトプラスト形質転換用および慣用の液体培養で増
殖させた。
C.試薬および一般的方法
市販の試薬は、アンピシリン、チオストレプトン、(Sigma Chemi
cal Co.,St.Louis、ミズーリから購入された)制限エンドヌク
レアーゼ、T4−DNAリガーゼ、および子牛腸アルカリ性ホスファターゼ(C
IAP)(New England Biolabs、Beverly、マサチ
ューセッツから購入された)を含めた、本発明の遺伝的変異体、プラスミド、化
合物を作るのに使用された。
標準分子生物学的手段(Maniatisら、Molecu
lar Cloning A Laboratory Manual、Cold
Spring Harbor Laboratory(1982))が、組込
みプラスミドの構築および特徴づけのために使用された。プラスミドDNAは、
アルカリ性溶菌法(Birnboim H.C.およびDoly J.のNuc
leic Acids Res.7:1513(1979))により慣用的に分
離された。制限フラグメントは、プレプ−エイ−ジーン(Prep−A−Gen
e)(BioRad、Hercules、カリフォルニア)またはジーン クリ
ーン(Gene Clean)II(Bio101、Vista、カリフォルニ
ア)のいずれかで、0.8−1%アガロースゲルから回収された。プラスミド構
築の各段階についてのライゲーションの生成物は、中間宿主E.Coli DH
5α(BRLから購入された)を形質転換するのに使用され、該E.ColiD
H5αは組換え体プラスミドを担持する宿主細胞を選択するためにアンピシリン
の存在下で培養された。X−galを用いた挿入DNAの存在についてのスクリ
ーニングが適切な場合には使用された。プラスミドDNAが、液体培養で増殖さ
れた個々の形質転換細胞から分離され、公知制限部位に
ついて特徴づけられた。
Sac.erythraeaプロトプラストの組込み形質転換、および慣用的
増殖および胞子形成が、DonadioらのScience115:97(19
91)、WeberおよびLosickのGene68:173(1988)お
よびYamamotoらのJ.Antibiot.39:1304(1986)
に記載された手段にしたがって行われた。
以下の略称は、本明細書を通して使用される。
a.TES:N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホ
ン酸
b.R3M:1リットル水溶液当たりに以下の成分を含有する増殖培地:830
mLのH2O中の、103gの蔗糖、0.25gのK2SO4、4gの酵母抽出物
、4gのカザアミノ酸、4gのトリプトン、22グラム寒天。その溶液をオート
クレーブにかけることにより殺菌する。殺菌後、以下の追加成分を添加する:2
0mLの2.5M MgCl2、20mLの50%グルコース、20mLの2.
5M CaCl2、12.5mLの2M トリス−HCl(pH7.0)、2m
Lの微量元素溶液(Hopwoodら、1985,Geneti
c Manipulation of Streptomyces A Lab
oratory Manual,The John Innes Instit
ute)、0.37mLの0.5M KH2PO4および2.5mLのNaOH。
c.PM:1リットル水溶液当たりに以下の成分を含有する緩衝液:890mL
のH2O中の、200グラム(g)の蔗糖、0.25gのK2SO4:更に、殺菌
後の追加成分として、100mLの0.25M TES(pH7.2)、2mL
の微量元素溶液(Hopwoodら、1985,Genetic Manipu
lation of Streptomyces A Laboratory
Manual,The John Innes Foundation)、0.
08mLの2.5M CaCl2、10mLの0.5%KH2PO4、2mLの2
.5M MgCl2。
d.A4Bf:1リットル水溶液当たりに、15gの大豆粉、50gのグルコー
ス、5gのNaCl、および1gのCaCO3を含有する増殖培地。
e.SCM:1リットル水溶液当たりに、20gのソイトン(soytone)
、15gの可溶性澱粉、10.5gの
MOPS、1.5gの酵母抽出物および0.1gのCaCl2を含有する増殖培
地。
以下の実施例に照らすことにより、先述のことがよりよく理解され得る。この
実施例は、本発明の実施を制限することなく例示するものとして提供される。以
下にそして明細書を通してともに、文献についての引用は参照として特に組み込
まれることを意味する。
実施例1
プラスミドpDPE4の構築
pDEP4は、図2に示される概略による組換え体DNA技術の標準法を用い
て構築された。eryKを含有し、ORF19およびORF21の部分に隣接す
る2.55kbのEcoRI−PstI断片を、pEVEH8から単離し、そし
て同じ酵素で切断されたpUC18とライゲートしてプラスミドpDPE1を作
った。その後、このプラスミドをEcoO1091で切断し、そして生成した3
つの断片の内の2つ(すなわち、0.9と4.3kbのサイズを示すもの)を単
離した。これらの2つの断片をライゲートして、eryK遺伝子の範囲内に小さ
な欠失を含むpDPE2を作った。その後、pDPE
2由来の2.1kb ECoRI−PstI断片を、同じ酵素で切断したpCS
5とライゲートしてpDPE3を得た。pEVEH8からORF19を含有する
0.765kb PstI断片を切除し、これをPstIで切断してCIAPで
処理したpDPE3にライゲートすることにより、追加の近接DNA配列をer
yKの下流に加えて、pDPE4を作った。制限分析により方向が確認された。
実施例2
プラスミドpGM504の構築
pGM504は、図3に示される概略による組換え体DNA技術の標準法を用
いて構築された。pUC18をSstIで切断し、このプラスミドをpIJ70
2のSstI部位にライゲートさせることによりストレプトマイセス−E.Co
liシャトルベクターであるpGM420を構築した。pUC18ポリリンカー
は、pIJ702のBglII、SphIおよびAsp718部位の近くに方向
づけられる。eryFを含有し、eryGの一部を含むDNAの近くに隣接する
Sac.erythraea DNAの5.3kb PstI断片をpGM42
0のPstI部位にクローン化して、pMW65を
得た。eryFで0.5kbのフレーム外欠失が、Asp718およびSstI
でpMW65の連続的部分消化により生じ、その後pol1Kを付着末端に満た
し、そしてライゲートしてpGM504を得た。
実施例3
プラスミドpDEP35の構築
pDPE35は、図4に示される概略による組換え体DNA技術の標準法を用
いて構築された。eryGを含有するコスミドp7A2(PaulusらのJ.
Bacteriol.172:2541(1990))由来の4.5kb Ec
oRI−BamHI断片を、同じ酵素で切断されたpBR322とライゲートし
て、pGM403を得た。その後、eryGを含有するpGM403のEcoR
I−SphI断片を、同じ酵素で切断されたpUC18にライゲートしてpDP
E8を作った。(pIJ4070から得たEcoRI−BamHI断片に担持さ
れた)ermE*プロモーターをpDPE8のEcoRI−BglII部位にe
ryGの上流に挿入し、pKAS2を作った。ermE*−eryG融合体を含
む1.5kb断片を単離するために、EcoRIで、その後部分的にNaeIで
、pK
AS2を完全に消化した。この断片を、EcoRIおよびHincIIで切断し
たpUC18とライゲートして、pKAS3を作った。pKAS3をSspIお
よびSphIで消化して3.4kb断片を得た。この断片を、eryGの下流に
EcoRI部位を加えるために同じ酵素で切断したpUC19の0.6kb断片
にライゲートして、pKAS4を得た。
以下の方法で、Sac.erythraea DNAの「第2部位」領域にe
ryG遺伝子を挿入した。Sac.erythraea染色体DNAの11kb
HindIII断片を、pBR322誘導体とライゲートしてpGM469を
作った。このHindIII断片は唯一のStuI部位を含み、その中にEco
RI−StuIリンカーを挿入して、pGM473を作った。このプラスミドを
EcoRIで消化し、CIAPで処理した。ermE*−eryG融合体を含む
pKAS4由来の1.6kb EcoRI断片を単離し、pGM473とライゲ
ートしてpKAS19を作った。その後、「第2部位」領域構築物を含むpKA
S19の14kb HindIII断片を、HindIIIで切断されCIAP
で処理されたpCD1とライゲートして、pKAS20を得た。
以下の方法で、チオストレプトン耐性遺伝子をeryGの下流に配置した。プ
ラスミドpCS5由来のtsr遺伝子を含有する1.1kb BclI断片を(
BamHIで切断し、CIAPで処理した)pUC19に挿入し、pDPE23
Aを作った。多重クローニング部位(multiple cloning si
te:MCS)をtsrの下流に挿入するために、このプラスミドをEcoRI
およびScaIで消化し、同様の酵素で切断したpUC18にライゲートして、
pDPE26を得た。その後、tsrを含有する1.1kb XbaI断片を、
pDPE26から単離し、そしてXbaIで切断し、CIAPで処理したpKA
S20とをライゲートして、pDPE34を作ることができた。
以下の方法でpDPE34からtsrの第2コピーの除去を行なった。Sac
.erythraeaの複製起点を含有するpCD1由来の3kb NdeI−
EcoRI断片を、同様の酵素で消化されたpUC19とライゲートして、プラ
スミドpDPE21を得た。その後、pDPE34由来のtsr、eryG、及
びermE*プロモーターを含有するSac.erythraea DNAの1
5kb HindIII断片
をpDPE21のHindIII部位にライゲートさせてプラスミドpDPE3
5を得た。
実施例4
Sac.erythraea eryK、eryF株の構築(ER720−KF
)
Sac.erythraea ER720細胞の野生型eryKおよびery
Fを、実施例1および2の組換え体プラスミドに担持されたこれらの遺伝子の欠
失変異で置換することにより、6,12−ジデオキシエリスロマイシンA産生微
生物の例を製造した。組込みによる形質転換および切開を以下の方法にしたがっ
て行った。Sac.erythraea ER720細胞を3日間32℃で50
mLのSGGP培地中で増殖し、そしてその後10mLの10.3%蔗糖で洗浄
した。細胞を1mg/mLリゾチームを含む10mLのPM緩衝液に再懸濁し、
そして菌糸体断片のほとんどが球形プロトプラストに変換されるまで、30℃で
15−30分間インキュベートした。プロトプラストをPMで1度洗浄し、そし
てその後−80℃で200mLアリコート中で貯蔵する為10%DMSOを含有
する同様の緩衝液3mLに再懸濁した。
プロトプラストのアリコートをすばやく解凍し、マイクロフュージ(micr
ofuge)で15秒間遠心分離し、上澄をデカントし、そして試験管に残るPM
中のプロトプラストを再懸濁すことにより、形質転換を行った。10μLのD
NA溶液を添加し(7μLのPM緩衝液中の、実施例1から得た約1μg/μL
のpDPE4DNAの3μL)、そして試験管を穏やかに軽くたたくことにより
プロトプラストと混合した。その後、T緩衝液(Hopwoodら、1985,
Genetic Manipulation of Streptomyces
A Laboratory Manual、The John Innes
Institute)中の25%PEG8000の1mLの10分の2を加え、
3度溶液をピペットで吸入することで混合し、そして懸濁液を乾燥R3Mプレー
トにすぐに広げた。プレートを30℃で20時間インキュベートし、100μg
/mLチオストレプトンを含有する2mLの水で覆い、短時間乾燥させ、そして
30℃であと4日インキュベートした。
組込み体(integrants)を選択するために、形質転換体を非選択的
R3M培地(すなわち、チオストレプトンな
しで)上のレプリカ平板法に付し、胞子形成をさせ、そしてその後10μg/m
Lチオストレプトンを含有するR3M培地上のレプリカ平板法に付した。チオス
トレプトンを含有するSGGPに10コロニーを接種した。これらの内、8つが
増殖し、そして組込み体として選択された。サザンハイブリダイゼーションによ
り、プラスミドDNAの組込みが確認され、そして8株全てがエリスロマイシン
Aを作ることがTLC分析により判った。
その後、8つの組込み体をR3M上で非選択的に増殖させ、胞子形成をさせた
。胞子を平板培養して、R3Mプレート上に個々のコロニーを得、その後チオス
トレプトンに対する感受性についてスクリーニングし、これにより染色体からの
プラスミド配列の損失が示された。8つのチオストレプトン感受性コロニーを選
択し、そしてサザンハイブリダイゼーションにより、そしてエリスロマイシンD
およびBの生成により、これらの内の2つが染色体にeryKの欠失コピーを含
むことが確認された。
eryK欠失株が(実施例2に記載された)pGM504の受容体として使用
される以外は、eryK欠失について上記で
記述されたとおりに、eryFの欠失コピーでの置換が行われた。サザン分析に
より組み込み及びSac.erythraea染色体からのプラスミドの切除が
モニタリングされた。そしてER720−KFと名付けられた得られた株が6,
12−ジデオキシエリスロマイシンAおよび6−デオキシエリスロマイシンDの
混合物を産生することが判った。
実施例5
Sac.erythraea eryK、eryFの構築「第2部位」::e
ryG+(ER720−KFG+)
本発明の6,12−ジデオキシエリスロマイシンA産生微生物の好ましい例は
、ER720−KF細胞を実施例3の組換え体プラスミド(すなわちpDPE3
5)で形質転換させて、6,12−ジデオキシエリスロマイシンAと6−デオキ
シエリスロマイシンDの混合物よりむしろ高度に純粋な6,12−ジデオキシエ
リスロマイシンAを産生する株を構築することにより作られた。組込みおよびS
ac.erythraea染色体からのpDPE35の切除後、ermE*プロ
モーターにより作動されるeryGの第2コピーを後に残すことが以下のとおり
行われた。実施例4で記載されたとおりER720−KF細胞の
プロトプラストをpDPE35で形質転換した。Sac.erythraea染
色体中の未知であるが非必須機能の相同な領域にプラスミドを組込むことにより
作られた重複を分割するために、そして結果としてこのプラスミドにより導入さ
れたeryGとチオストレプトン耐性マーカーを後に残すために、形質転換体を
チオストレプトンを含有するR3Mプレートで連続して2回ストリークした。チ
オストレプトンに2回通過させた後増殖できたそれらのコロニーは、サザン分析
により、染色体の「第2部位」領域に組込まれたeryGの第2コピーを含有す
ることが判った。この株は、ER720−KFG+と命名された。
実施例6
ER720−KFおよびER720KFG+の発酵、およびその2つの株により
産生された化合物の同定
実施例4および5で生成された組換え体Sac.erythraea株を、以
下の発酵手段を用いて培養した。ER720−KFおよびER720KFG+の
600mL種培養を綿栓付2リットルフラスコ中のA4Bf培地で、32℃、2
25rpmでそれぞれ48および72時間増殖させた。30リット
ルのSCM培地(ER720−KFG+については10μg/mLまで加えられ
たチオストレプトンを伴う)に含有する45リットルLH発酵槽(Incel
Tech,Hayward,カリフォルニア)に1.5リットルの種培養を接種
した。細胞を32℃、250rpm、5psiの上部圧で、そして0.7−1容
量のO2/培養の容量/分の通気率で増殖させた。最初に0.01%まで消泡剤
を添加し、そしてpHをプロピオン酸とKOHを用いて7.0に制御した。ER
720−KFについては、0、24、40、48、66、72および144時間
で、ER720KFG+については、24、40、48、66、72、88およ
び144時間で培養サンプルを採取した。
以下の手段により、エリスロマイシン誘導体を産生株の培養ブロスから分離し
た。1分間マイクロフュージで遠心分離することにより細胞を1.5mLの培養
から除去した。1mLの上清を別の試験管に取り、そして6μLのNH4OHを
添加することによりpHを9.0に調整した。0.5mLの酢酸エチルを添加し
、試験管を10秒間渦撹拌し、そしてその後およそ5分間遠心分離して相を分離
した。有機相を別の試験管に取り、そして水相を0.5mLの酢酸エチルで再抽
出した。2番目の
有機相を最初のものといっしよにプールし、そしてスピードバック(Speed
Vac.)で乾燥させた。残渣を11μLの酢酸エチルに取り出し、そして1
μLをTLC平板上にスボットした。プレートに適用された化合物の量が検量法
の直線の範囲にあることを保証するために、6,12−ジデオキシエリスロマイ
シンAの標準曲線も包含された。
シリカゲル薄相クロマトグラフィ平板(メルク60F−254)をイソプロピ
ルエーテル−メタノール−NH4OH(75:35:2)を用いて展開した。ア
ニスアルデヒド−硫酸−エタノール(1:1:9)をプレートに噴霧することに
より、化合物を可視化した。この試薬で、6,12−ジデオキシエリスロマイシ
ンAおよび6−デオキシエリスロマイシンDは青いスポットとして現れ、そして
さらにそれらは、標準のものとそれらのRf値(溶媒前線の移動に対するスポッ
トの移動の比率)を比較することにより同定される(図6および7参照)。
モレキュラー・ダイナミックス・パーソナル・デンシトメーター(Molec
ular Dynamics Personal Densitometer)
(PD−120レーザーベース透過型スキャナー)を用いて100μm分解能で
TLCス
ポットを測定することにより、遺伝子工学的に製造された株により産生された6
−デオキシエリスロマイシンDに対する6,12−ジデオキシエリスロマイシン
Aの比率を分析した。図8aは、6日間にわたるの発酵の間じゅう、C−6およ
びC−12ヒドロキシラーゼを欠く株が6,12−ジデオキシエリスロマイシン
Aを産生する一方で、非メチル化前駆体である6−デオキシエリスロマイシンD
も大量に蓄積されたことを例示する。しかし、図8bに示されるとおり、3”−
O−メチルトランスフェラーゼ遺伝子の余剰コピーがこの株の非必須領域に加え
られた場合、6−デオキシエリスロマイシンDの蓄積を圧倒することができ、そ
してこの前駆体を高度に純粋な6,12−ジデオキシエリスロマイシンAに変換
することができた。
実施例7
プラスミドpKAS37の構築
図9に示される概略による組換え体DNA技術の標準法を用いて、pKAS3
7を構築した。pIJ4070由来のermE*プロモーターをpUC19のB
amHI/EcoRI部位に挿入して、pKAS7を得た。KpnIからBgl
IIまでの部位を含むポリリンカーの領域をpIJ4070からpUC
19に移して、pKAS8を得た。pKAS7をSspI/BamHIで消化し
、そしてermE*プロモーター断片をSspI/BglII消化pKAS8に
挿入して、pKAS16を得た。PvuII部位を排除するために、プラスミド
pKAS16をNaeI/EcoO109で消化し、クレノウで充填(fill-in
)し、そしてライゲートしてpKAS17を得た。その後pKAS17をSsp
I/HindIIIで消化し、そしてermE*断片を同様に消化したpIJ4
070にライゲートしてpKAS18を得た。
BclI消化によりtsr遺伝子をから切除し、そしてCIAPで脱リン酸化
したBamHI消化pUC19にライゲートして、pDPE23Bを得た。その
後pDPE23BをSspI/NdeIで消化し、そしてermE*断片をSs
pI/ASeIで消化したpKAS18から単離し、そしてライゲートして、p
KAS23を作った。pKAS23をSstII/PvuIIで消化し、そして
pCS5由来の1.1kb SstII/SmaI断片をライゲートさせてpK
AS33を得た。
pDPE35をHindIII/KpnIで消化し、そして
pCD1レプリコン断片を、同様に消化したpGM469にライゲートしてpK
AS30を得た。pKAS30を、別々にHindIIIとKpnIで消化し、
且つ同時にクレノウで充填して、pKAS34を得た。pKAS34をStuI
で部分的に消化し、CIAPで脱リン酸化して、SspI/FspIで消化した
pKAS33由来のermE*およびtsr遺伝子を含有する断片をライゲート
してpKAS35(−)を作った。MluI/NdeIでpDPE21を消化し
、クレノウを充填し、そしてライゲートすることにより、pDPE36を作った
。pKAS35(−)をEcoRI/StuIで消化し、そして同様に消化した
pDPE36由来のpCD1レプリコンをライゲートしてpKAS36を作った
。pKAS36およびpKAS35(−)をSspI/EcoRIで消化してp
KAS37を作った。このプラスミドの詳細な制限地図を図10に示す。プラス
ミドpKAS37を含有するE.Coli DH5αの培養を上述のとおりアグ
リカルチュラル・リサーチ・カルチャー・コレクションに寄託し、受託番号NR
RLB−21485が付与された。
実施例8
プラスミドpKASI37の構築
図11に示される概略による組換え体DNA技術の標準法を用いて、pKAS
37の代替例であるpKASI37を構築した。pKASI37の「第2部位」
領域を得るために、Sac.erythraea ER720またはNRRL2
338の染色体DNAをHindIIIで消化し、そしておよそ12kbの断片
を0.7%アガロースゲルから単離する。この断片のプールを(同様にHind
IIIで消化された)pUC19にライゲートする。第2部位を担持するプラス
ミドについて、ミニプレプ(miniprep)DNAをBamHI、MluI
およびStuIで消化することにより、形質転換体をスクリーニングして、(B
amHIについては)6.8、5.6および2.1kb、(MluIについては
)11.3、3.3および0.3kb、(stuIについては)14.9kbの
予測された断片を作った。HindIII断片の適切な方向は、「第2部位」領
域の1方の末端でKpnI部位がpUC19ポリリンカーのKpnI部位に隣接
するので、KpnI消化により決定される。生じるプラスミドはpX1である。
その後、プラスミドpCD1をMluIで消化し、クレノウで処理し、そして
KpnIで消化する。Sac.erythraeaレプリコンを含有する約3k
bの得られた断片を、NdeI(クレノウを充填)、およびKpnIで消化した
pX1にライゲートして、プラスミドpX2を形成する。その後プラスミドpX
2をKpnIで消化し、クレノウで処理し、そして再ライゲートしてプラスミド
pX3を得る。pX3をHindIIIで消化し、クレノウで処理し、そして再
ライゲートしてプラスミドpX4を得る。
当該プラスミドの最終構築段階は、ermE*プロモーター、ポリリンカーお
よびtsr遺伝子の挿入を含む。プラスミドpIJ4070をKpnIで消化し
、クレノウで処理し、そして再ライゲートしてプラスミドpX5を形成する。そ
の後、アニーリングされた時に以下の制限部位:BglII−EcoRI−Kp
nI−XbaI−HindIII−BglII−BamHI−EcoRI−Ps
tI(合成ポリリンカー)を含む2つのオリゴヌクレオチドを合成する。この2
本鎖断片を、BamHIおよびPstIで消化したpX5中にライゲートして、
プラスミドpX6を得る。その後プラスミド
pCS5をBclIで消化し、得られた1kb tsr含有断片をpX6のBa
mHI部位中にライゲートしてプラスミドpX7を得る。その後pX7を、Ec
oRIで部分的に消化し、クレノウで処理し、そしてermE*プロモーター−
合成ポリリンカー−tsr遺伝子を含有する1.4kb DNA断片を、pX4
のSac.erythraea「第2部位」領域の唯一のstuI部位に挿入し
、プラスミドpKASI37を形成する。プラスミドpKASI37の詳細な制
限地図を図12に示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 マイン,グレゴリー・テイー
アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー
ニー、コンステイチユーシヨン・アベニユ
ー・5743
(72)発明者 ポスト,デイビツト・エイ
アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53142、
ケノシヤ、ハリソン・4914
(72)発明者 サター,マーク
アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53142、
ケノシヤ、シツクステイフアースト・アベ
ニユー・7099
【要約の続き】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.目的のDNA配列をエリスロマイシン産生宿主細胞の染色体に組込むため の組換え体DNAベクターであって、Saccharopolyspora e rythraea 染色体の非必須領域の第1のDNA配列、特定の宿主細胞で複 製を行うことができる第2のDNA配列および選択可能マーカー遺伝子をコード する第3のDNA配列を含むベクター。 2.前記第2のDNA配列がプラスミドpCD1に由来する請求項1に記載の DNAベクター。 3.さらに、ermE*プロモーター(ここで該ermE*プロモーターは、目 的の遺伝子に操作可能に結合している)をコードするDNA配列を含む請求項1 に記載のDNAベクター。 4.前記目的の遺伝子がeryG遺伝子である請求項3に記載のDNAベクタ ー。 5.さらに、多重なクローニング部位を含む請求項1に記載のDNAベクター 。 6.前記ベクターがプラスミドpKAS37である請求項1に記載のDNAベ クター。 7.さらに、eryG遺伝子を含む請求項6に記載のDNAベクター。 8.前記ベクターがプラスミドpDPE35である請求項1に記載のDNAベ クター。 9.実質的に純粋な3”−メチル化エリスロマイシン誘導体を作る方法であっ て、 a.eryG遺伝子を含有する組込み組換え体ベクターを宿主細胞(ここで、 該宿主細胞は該3”−メチル化エリスロマイシン誘導体および3”−非メチル化 エリスロマイシン誘導体の混合物を産生する)に導入すること、 b.該宿主細胞の安定な組込み体(ここで、該組込み体は、該組込み体の染色 体の非必須領域に安定に組み込まれた該eryG遺伝子を有する)を選択するこ と、 c.該安定な組込み体を培地で培養すること、および d.該3”−メチル化エリスロマイシン誘導体を該培地から単離すること、 を含む方法。 10.前記組込み組換え体DNAベクターが請求項1、4、6または8のベク ターである請求項9に記載の方法。 11.実質的に純粋な6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを作る方法で あって、 a.eryG遺伝子を含有する組込み組換え体ベクターを、該6,12−ジデ オキシエリスロマイシンAおよび6−デオキシエリスロマイシンDの混合物を産 生する宿主細胞に導入すること、 b.該宿主細胞の安定な組込み体(ここで、該組込み体は、該組込み体の染色 体の非必須領域に安定に組み込まれた該eryG遺伝子を有する)を選択するこ と、 c.該安定な組込み体を培地で培養すること、および d.該6,12−ジデオキシエリスロマイシンAを該培地から単離すること、 を含む方法。 12.前記組込み組換え体DNAベクターが請求項1、請求項4、請求項6ま たは8のベクターである請求項14に記載の方法。 13.3”−O−メチルトランスフェラーゼ活性のための少なくとも1つの基 質を産生する宿主細胞で3”−O−メチルトランスフェラーゼ活性を増加させる 方法であって、 a.eryG遺伝子(ここで、eryG遺伝子は該3”−O−メチルトランスフ ェラーゼ活性をコードする)を含有する組込み組換え体ベクターを,該宿主細胞 に導入すること、および b.該宿主細胞の安定な組込み体(ここで、該組込み体は、該組込み体の染色体 の非必須領域に安定に組み込まれた該eryG遺伝子を有する)を選択すること 、 を含む方法。 14.前記組込み組換え体DNAベクターが請求項1、4、6または8のベク ターである請求項19に記載の方法。 15.3”−O−メチルトランスフェラーゼ活性を増加させる様に修飾された デオキシエリスロマイシン産生宿主株を作る方法であって、 a.eryG遺伝子(ここで該eryG遺伝子は、該3”−O−メチルトラン スフェラーゼ活性をコードする)を含有する組込み組換え体ベクターを該宿主株 に導入すること、および b.該宿主株の安定な組込み体(ここで、該組込み体は、該組込み体の染色体 の非必須領域に安定に組み込まれた該eryG遺伝子を有する)を選択すること 、 を含む方法。 16.前記組込み組換え体DNAベクターが請求項1、4、6または8のベク ターである請求項24に記載の方法。 17.3”−O−メチルトランスフェラーゼ活性を過剰に産生するように修飾 されたエリスロマイシン誘導体産生宿主株であっで、該修飾が、該宿主株の染色 体の非必須領域に該3”−O−メチルトランスフェラーゼ活性をコードするer yG遺伝子の安定な組込みである、前記宿主株。
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