【発明の詳細な説明】
二酸化炭素中のカチオン重合
関連出願
本願は、1994年4月18日に申請された同時係属の米国出願番号第08/292,424号
の部分継続出願である。
技術範囲
本発明は、モノマーの重合、特に二酸化炭素中のカチオン重合に関連する。
技術分野
およそ1984年以前には、カルベニウムイオン(carbenium ion)を介して進行す
るカチオン重合は、カルベニウムイオンの反応性が高いため調節不能と考えられ
ていた。現在行われている種々のモノマー系の重合を可能にする対応するアニオ
ン、温度、溶媒条件を決定するために、多大な努力が払われてきた。ここに使用
される「カチオン」重合という言葉は、開始剤とモノマーの反応から生じる正電
荷を帯びた(カチオン性)重合鎖を指す。
カチオン重合に適切な開始剤を選択することは、ポリマーの生成に不可欠であ
る。逆に適切なカチオン重合開始剤の選択は、重合されるモノマーによって異な
る。Kennedy et al.,Polymer Bulletin 15:317(1986)は、n-ヘキサン中のク
ロロメタン、塩化メチレン、クロロエタン、塩素化溶媒混合物中の第三エステル
を伴う三塩化ホウ素を含む開始系を用いるイソブチレンのカチオン重合を報告し
た。Hagashimura et al.,Macromolecules 22(3):1009(1989)は、n-ヘキサ
ン溶液中の弱い求核試薬とルイス塩基を使用するビニルエーテルのカチオン重合
を提案している。しかしながら、生成ポリマーの特性を調節しながら、多様なモ
ノマーをカチオン重合する方法が、本技術において今なお必要とされている。
前記の観点から、生成されるポリマーの粒子の大きさと形態を調節しつつ、環
境に無害な溶媒の中でモノマーをカチオン重合する方法を提供することが本発明
の第一の目的である。
発明の概要
本発明は、二酸化炭素中のモノマーのカチオン重合法を提供する。この方法は
、(a)二酸化炭素と、モノマーと、触媒と、カチオン重合開始剤とを含む反応
混合物であって、該カチオン重合開始剤が該モノマーのカチオン重合を開始でき
る反応混合物を提供する工程と、(b)該反応混合物中の該モノマーを重合しポ
リマーを形成する工程とを含む。
溶媒媒質としての二酸化炭素は、多くの重要な利点を重合系に提供する。従来
、カチオン重合は、乾性の不活性な溶液を分散する媒質、典型的には有機溶媒ま
たは塩素化有機溶媒中で実施される。ここでは、カチオン重合のための環境に無
害な代替溶媒、すなわち二酸化炭素について報告する。さらに、二酸化炭素は反
応試験管から簡単に排出できるので、反応終了時点で二酸化炭素溶媒(連続相)
からポリマーを容易に分離できる。第二に、その圧縮性により広い条件範囲で二
酸化炭素の密度と粘度を特に超臨界相において変えることができ、従ってポリマ
ーの粒子サイズと形態を調節できる。
De Simone et al.の米国特許第5,312,882号は、疎水性モノマーの不均一重合
に適した溶媒として超臨界二酸化炭素の使用を開示している。さらに、PCT特許
出願No.PCT/US93/01626(WO93-20116)は、フルオロモノマーの均一重合に適し
た溶媒として超臨界二酸化炭素の利用も開示している。
本発明の前記およびその他の目的と側面を下記の明細書に詳細に説明する。
発明の詳細な説明
本発明のカチオン重合は、均一(homogeneously)にも不均一(heterogeneously)
にも起こり得る。ここで使用される「不均一重合」という言葉は、少なくとも2
つの分かれた分離相(すなわち連続相と分散相)を生じる媒質を使用する事によ
って実施される重合を指す。これに反して、ここで使用される「均一重合」とい
う言葉は、2相以上を生じない、かつ透明に見えることによって確認される媒質
を利用することによって実行される重合反応を指す。不均一重合は、開始剤が分
散相に溶解されている懸濁液重合や、開始剤が連続相に溶解されているエマルジ
ョン重合、最初は均一重合反応であるが、核粒子が溶液から沈殿し不均一重合を
形成する分散及び沈殿重合が含まれる。
本発明は、二酸化炭素中の多様なモノマーのカチオン重合を実施する方法を指
向している。本方法は、(a)二酸化炭素と、1種類以上のモノマーと、触媒と
、カチオン重合開始剤とを含む反応混合物であって、該カチオン重合開始剤が該
モノマーのカチオン重合を開始できる反応混合物を提供し、(b)この反応混合
物中のモノマーを重合させることからなる方法である。
二酸化炭素は、液体、気体、超臨界相で使用できる。ここに使用されている「
超臨界」という言葉は、液体媒質が圧により液化できないほど十分高温にあるこ
とを意味する。二酸化炭素の熱力学的特性は、Hyatt,J.Org.Chem.49:5097(
1984)に報告されており、この中で二酸化炭素の超臨界温度は約31℃であると記
載されている。液体二酸化炭素を使用する場合には、反応温度は約31℃である。
好ましくは、二酸化炭素は液相である。反応温度は、望ましくない副生成物を生
じることなく重合を開始し、進行させるのに十分な熱エネルギーを提供する反応
温度を選択しなくてはならない。好ましくは、反応温度が−50℃と200℃の間で
あり、−50℃と31℃の間がさらに好ましい。
広範囲のモノマーを本発明の方法に使用できる。本方法は単一のモノマーの重
合または2つ以上のモノマーの重合またはブロック重合に使用できる。モノマー
は、置換、非置換,飽和または不飽和、直鎖または分岐、環式または芳香族が可
能である。下記の様に、使用されるモノマーの選択は、カチオン重合開始剤の選
択に影響する。適切なモノマーは、本技術に精通する者にとってカチオン重合が
可能であることが公知である多様なモノマーから選択できる。モノマーの例とし
て、ビニルエーテルモノマー、環式エーテルモノマー、オキザゾリンモノマー、
炭化水素オレフィンモノマー、環式炭酸塩モノマー、ホルムアルデヒドが挙げら
れる。更に、ジエンコモノマーも重合系に使用できる。
適切なビニルエーテルモノマーには、メチルビニルエーテル及びイソブチルビ
ニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが含まれる。適切な環式エーテルモ
ノマーには、
〔式中R1およびR2は、H、アルキル好ましくはC1〜C8のアルキル、アルコキシ好
ましくはC1〜C9のアルコキシ、化学式(CH2O(CH2)mCxF2X+1)(式中mは1〜3、
Xは1〜8)のハロアルキルアルコキシ、アミン、アミド、および化学式(CH2)zN
F2(式中zは1〜3)のアルキルハロアミンからなるグループから独立して選択さ
れ、nは1から5の数である。]からなるグループから選択される一般式で示される
アルキル、アルコキシおよびハロ置換環式エーテルが含まれる。本発明において
使用に適した環式エーテルモノマーには、3,3-(ビスエトキシメチル)オキセタ
ン、3-(1',1'-ジヒドロヘプタフルオロブトキシメチル)-3-メチルオキセタン
、テトラヒドロフラン、トリオキサン、エチレンオキシドが挙げられる。環式エ
ーテルは従来、ニトロメタン、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素、ハロ
ゲン化芳香族炭化水素中でカチオン重合されていた。引用する事により本明細書
の一部をなすものとするManserの米国特許第4,393,199号とE.Goethals,Makrom
ol.Chem.,Macromol.Symp 42/43:51(1991)を参照。環式エーテルモノマーは
、Ma
nser et al.の米国特許第5,210,153号およびH.Mark,et al.,Encyclopedia o
f Polymer Science and Engineering,第2版 10:654(1985)等の本技術に精通
する者にとって公知の従来の方法を用いて調製できる。これらは、引用する事に
より本明細書の一部をなすものとする。
適切なオキサゾリンモノマーには、一般式
〔式中R3およびR4は、独立してH、アルキル好ましくはC1〜C8のアルキル、アル
コキシ好ましくはC1〜C9のアルコキシ、化学式(CH2O(CH2)mCxF2x+1)(式中m
は1〜3、Xは1〜8)のハロアルキルアルコキシ、化学式(CH2)zNF2(式中zは1〜
3)のアミン、アミドおよびアルキルハロアミンからなるグループから選択され
、nは1から5の数である〕で示されるアルキル、アルコキシおよびハロ置換オキ
サゾリンが含まれる。本発明において使用に適した環式エーテルモノマーの例と
して、2-エチルオキサゾリン、2-メチルオキサゾリン、2-(1,1,2,2-テトラヒド
ロパーフルオロオクタン)オキサゾリンが挙げられる。
適切な炭化水素オレフィンモノマーは、p-メトキシスチレン等の置換または非
置換スチレン、イソブチレンおよびプロペン等のアルキレンモノマー等である。
適切な環式炭酸塩モノマーには、一般式
〔式中R5およびR6は、独立してH、アルキル好ましくはC1〜C8のアルキル、アル
コキシ好ましくはC1〜C9のアルコキシ、化学式(CH2O(CH2)mCxF2x+1)(式中m
は1〜3、Xは1〜8)のハロアルキルアルコキシからなるグループから選択される
〕で示される化合物が含まれる。
適切なジエンコモノマーとしてブタジエンとイソプレンが挙げられる。
カチオン重合は、典型的には1種類以上のカチオン重合触媒を加えることによ
って触媒される。触媒は、その他の反応物とは無関係に供給でき、あるいは開始
剤と予め混合する事も、結合することもできる。適切な触媒は、重合が行われる
特定の重合系(すなわち、モノマーと開始剤)によって異なる。
ビニルエーテルモノマーの重合に適したカチオン重合触媒にはエチルアルミニ
ウムジクロリドが含まれる。好ましい一実施例によれば、エチルアルミニウムジ
クロリド触媒と開始剤は、触媒/開始剤結合体の形態で反応系に供給される。好
ましくは、ビニルエーテルモノマーと反応させる前に、触媒と開始剤をあらかじ
め混合し、結合させる。
環式エーテルとオキサゾリンの重合に適したカチオン重合触媒には、三フッ化
ホウ素テトラヒドロフラノエート(boron trifluoride tetrahydrofuranoate)が
含まれる。
炭化水素オレフィンの重合に適したカチオン重合触媒には、三塩化スズ、三塩
化チタン、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素が含まれる。
環式炭酸塩とホルムアルデヒドの重合に適したカチオン重合触媒には、三フッ
化ホウ素が含まれる。
重合は、カチオン重合開始剤を添加する事によって開始される。適切なカチオ
ン重合開始剤の選択は、重合されるモノマーと、それらの二酸化炭素との適合性
に必然的に依存している。ビニルエーテルモノマーの重合は、典型的には、エス
テル開始剤とルイス塩基不活剤から成るカチオン重合開始剤を添加することによ
って開始される。エステル開始剤は、酢酸とイソブチルビニルエーテルの付加体
(アダクト)を含む。適切なルイス塩基不活性化剤には酢酸エチルが含まれる。
環式エーテルモノマーの重合は、典型的には、強酸、ルイス酸、またはプレ開
始剤を含むカチオン重合開始剤の添加により開始される。環式エーテルのカチオ
ン重合開始剤として使用するのに適した強酸の例には、triflic acidが含まれる
。適切なルイス酸開始剤には、三フッ化ホウ素が含まれる。適切なプレ開始剤に
は、水、アルコール、エーテル、エステルが含まれる。好ましいプレ開始剤は、
ブタンジオールである。
オキサゾリンモノマーの重合は、典型的には、強酸、ルイス酸、またはプレ開
始剤を含むカチオン重合開始剤の添加により開始される。強酸とルイス酸の例は
、上記に記載されている。更に、上記に記載されているプレ開始剤も含めること
ができる。
炭化水素オレフィンモノマーの重合は、典型的には、1-クロロ-1-フェニルエ
タン、2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタン、第三級エーテル、ルイス塩基また
は2-メトキシ-プロピルベンゼンからなるグループから選択されるカチオン重合
開始剤の添加により開始される。適切なルイス塩基には、硫化ジメチル、アセト
アミド、または酢酸エチルがある。開始剤は、塩化テトラブチルアンモニウムな
どの不活剤を含めてよい。好ましい一実施例によれば、スチレンは、1-クロロ−
1-フェニルエタンと塩化テトラブチルアンモニウムを開始剤として使用してカチ
オン重合される。もう1つの好ましい実施例によれば、2-クロロ-2,4,4-トリメ
チルペンタンを開始剤として使用し、イソブチレンをカチオン重合する。
環式炭酸塩モノマーの重合は、典型的には、メチルトリフレート(methyl trif
late)、ヨウ化メチル、臭化ベンジルから成るカチオン重合開始剤の添加により
開始される。環式炭酸塩モノマーのカチオン重合におけるこれらの開始剤の使用
は、引用する事により本明細書の一部を成す事とするT.Endo,et al.,J.of P
oly.Sci.:Part A: Poy.Chem.31:581(1993)に報告されている。
ホルムアルデヒドの重合は、典型的には、強酸又はルイス酸及びプレ開始剤か
ら成るカチオン重合開始剤の添加により開始される。適切な一強酸は、塩酸であ
る。適切なルイス酸は三フッ化ホウ素である。適切なプレ開始剤は、水である。
この開始系の使用は、炭化水素溶媒中のホルムアルデヒドの重合に関して、引用
する事によりその全体が本明細書の一部を成すものとされる、M.Stevens,Poly
mer Chemistry,2nd ed.,Oxford University Press,355-366(1990)に報告さ
れている。
反応混合物は、重合されるモノマーに応じて、均一あるいは不均一重合が行わ
れる。場合によっては、重合は分散重合となる。これは、反応混合物が最初は均
一であるが、ポリマー溶媒に不溶の粒子の核を形成するにつれて、不均一となる
ことを意味する。
重合反応混合物には、本技術に精通する者にとって公知のその他の添加剤及び
反応物質を含めることができる。例えば、好ましい一実施例において、本発明の
工程には、重合媒質中でモノマーとポリマーを安定化するための界面活性剤の添
加が含まれる。適切な界面活性剤は、引用する事により本明細書の一部を成す事
とする、DeSimone et al.の米国特許第5,312,882号に詳細に記載されている。
この様な界面活性剤は、二酸化炭素重合媒質とポリマーの間の界面活性を小さく
し、そのようにして分散相を形成する。界面活性剤は、一般に約0.001から約30
重量%の濃度で反応混合物中に存在する。界面活性剤は、重合時に非反応性でも
、反応性でそれによって生成ポリマーに含めることも可能である。例えば、反応
性界面活性剤の例としては、米国特許第4,592,933号と第4,429,666号を参照。
界面活性剤は、二酸化炭素に可溶性であるか、あるいは二酸化炭素中で界面活
性剤を示す部分を持たなくてはならない。CO2に親和性を持つ部分には、フルオ
ロポリマー又はフルオロポリマーのコポリマーに認められるフッ素含有部分、あ
るいはシロキサンポリマー又はシロキサンポリマーに認められるシロキサン含有
部分が含まれる。ここに使用される様に、「フルオロポリマー」という言葉は本
技術において通常の意味を持つ。例として挙げられるフルオロポリマーは、以下
より形成される:2-(N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチルア
クリレート(“EtFOSEA”)、2-(N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミ
ド)エチルメタクリレート(“EtFOSEMA”)、2-(N-メチルペルフルオロオクタ
ンスルホンアミド)エチルアクリレート(“MeFOSEA”)、2-(N-メチルペルフ
ルオロオクタンスルホンアミド)エチルメタクリレート(“MeFOSEMA”)、1,1-
ジヒドロペルフルオロオクチルアクリレート(“FOA”)、1,1-ジヒドロヘプタ
フルオロブトキシメチルオキセタン(p(FOX7)、および1,1-ジヒドロペルフル
オロオクチルアクリレート(“FOMA”)などのフルオロアクリレートモノマー;
テトラフルオロエチレン等のフルオロオレフィンモノマー、α−フルオロスチレ
ン、β-フルオロスチレン、α,β-ジフルオロスチレン、β,β-ジフルオロスチ
レン、α,β,β-トリフルオロスチレン,α-トリフルオロメチルスチレン、2,4,6
-トリス(-トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレ
ン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ-α-メチルスチレンおよび2,3,4,5,6−ペンタフ
ルオロ-β-メチルスチレン等のフルオロスチレンモノマー;ペルフルオロプロピ
レンオキシドおよびペルフルオロシクロヘキセンオキシド等のフルオロアルキレ
ンオキシドモノマー;フッ素化ビニルアルキルエーテルモノマー;および適切な
フッ素化されたあるいはされていないコモノマーとのそれらのコポリマー。シロ
キサンを含む化合物の例として、アルキル、フルオロアルキル、およびクロロア
ルキルシロキサンが含まれる。
より好ましくは、界面活性剤は、フルオロポリマーのような、CO2に可溶性の
基とともに「CO2に親和性を持たない」基を有する。CO2に親和性を持たない基は
、ポリスチレン基等の疎水基でもカルボン酸等の親水基でもよい。この様なコポ
リマーは、多くの形態をとりうる。形態の例としては、グラフトコポリマー、ラ
ンダムコポリマー、およびブロックコポリマーがある。
二酸化炭素中で表面活性を示すその他の適切な界面活性剤には、
(式中x=1〜30、y=1〜30)が含まれる。xとyの値は試薬の表面活性を調節する
ために、「CO2への親和性」と「CO2への非親和性」のバランスを調節するように
選択される。
シリコンを含む界面活性剤(即ち、シロキサンポリマーまたはコポリマー)の
例としては
が含まれる。この場合xとyの値は、「CO2への親和性」と「CO2への非親和性」の
バランスを調節するために変化させる。
本発明の重合工程は、本技術において公知の装置と条件を用いる重合方法によ
り実施できる。例えば、重合反応は、約24mLの約8000psiまでのオーダーの圧に
耐えられる適切な高圧反応容器内で実施される。反応容器は、典型的には、冷却
システムを含む。本発明に従って使用される反応容器の更なる特徴は、反応混合
物を加熱するための電気加熱炉の様な加熱手段、パドルスターラー、インペラー
スターラー、マルチステージインパルス逆流撹拌器またはへら等のスターラーを
含む。典型的には、反応容器を約31℃以下の温度に冷却する事によって、反応は
開始される。開始剤、モノマー、二酸化炭素を反応容器に加える。典型的には、
混合物を、約2ないし24時間で重合させ、好ましくは、反応が進行している間は
、混合物を撹拌する。反応終了時、二酸化炭素を排気するか、あるいは分別また
は分留の様な方法により、ポリマーを収集できる。分離後、ポリマーは従来の方
法により収集できる。更に、本発明のポリマーは、二酸化炭素中に保持でき、表
面にスプレイすることもできる。二酸化炭素と溶媒が蒸発すると、ポリマーは、
表面のコーティングを形成する。
本発明によって形成されたポリマーは、バルブ、瓶、フィルム、繊維、樹脂、
及び複合材料のマトリックス等の成形用品の形成にも使用できる。
本発明は、以下の例に詳細に説明されている。ここに使用される“M”はモル
濃度を、“NMR”は核磁気共鳴を、“MHz”はメガヘルツを、“GPC”は気相クロ
マトグラフィーを、“Å”はオングストロームを、“UV”は紫外線を、“g”は
グラムを、“mol”はモルを、“mL”はミリリットルを、“C”はセ氏温度を、“
S”は秒を、“h”は時間を、“psig”は1平方インチあたりのポンド数(ゲージ
)を、“Mn”は数平均分子量を、“MWD”は分子量分布を、“f”は官能性を、“
ppm”は100万分の1を、“Tg”はガラス遷移温度を、“nm”はナノメートルを、
“mg”はミリグラムを、“rpm”は1分間あたりの回転数を、“mmHG”は水銀柱
のミリメートルを、“psi”は平方インチあたりのポンド数を表す。これらの例
は、説明を目的としており、本発明を制限することを目的とするものではない。
例1
実験方法及び材料
イソブチルビニルエーテル、スチレン、3,3-ビスエトキシメチルオキセタンの
モノマーはAerojet Corp.のDr.Gerald Mansorによって提供された。ビスエトキ
シイメチルオキセタン(BEMO)は、5×10-2mmHgで真空蒸留し,54℃から57℃で分
留して、収集した。スチレンは、5×10-2mmHg、50℃で水素化カルシウムから真
空蒸留した。イソブチルビニルエーテルは、ほぼ大気圧のアルゴン大気下に82℃
の温度で水素化カルシウムから蒸留した。ともにルイス酸触媒であるエチルアル
ミニウムジクロリド(ヘキサン中に1.0M、Aldrichより入手)と三塩化スズ(Ald
richより入手)は、更に精製せずに使用した。ルイス酸触媒である三フッ化ホウ
素テトラヒドロフラノエート(BF3-THF)は、三フッ化ホウ素ジエチルエテレー
ト(Aldrichより入手)をあらかじめ冷却しておいたテトラヒドロフラン(Malin
ckrodtより入手)と共に25℃で2時間撹拌して調製した。アルゴン大気下、100℃
でBFC3-THFを蒸留精製し揮発分を除去し、続いて真空蒸留で分留により70℃で分
離した。酢酸/イソブチルビニルエーテルアダクトは、T.Hagashimura et al.
Macromolecules 22(3):1009(1989)に報告されている方法により調製した。
イソブチルビニルエーテル(IBVE)を酢酸により60℃で3時間大気圧下に処理し
、次いでアダクトを5×10-2mmHgの真空下で2回蒸留し中間留分を約60℃で蒸留し
、2回共収集してエーテル開始剤を調製した。
開始剤である1,4-ブタンジオール、2,2,2-トリフルオロエタノール、1-フェニ
ル-1-クロロエタン(Aldrichより入手)は更に精製せずに使用した。不活性化剤
である酢酸エチルはAldrichより入手し、アルゴン大気下にカルシウム水素化物
から2回蒸留した。シクロヘキサンはPhillips Petroleumから入手し、濃硫酸上
で2週間撹拌し、別の容器に移し、アルゴン大気下に金属ナトリウムから蒸留し
た。塩化メチレンは、Mallinckrodtから入手し、アルゴン大気下にカルシウム水
素化物から2回蒸留した。二酸化炭素は、Mathesonから入手し、99.99%を微量の
酸素を除去するために銅酸化物触媒カラムを通過させ、次に、3オングストロー
ムの分子フルイを通過させ微量の湿気を除去した。高圧反応装置は、Haynes Int
ernationalから入手したが、Hastelloy C-22から製造されたもので、容量は24mL
で、8000psiまでの圧に耐えられるものとした。
例2
エステル開始剤が存在しない場合のシクロヘキサンにおける重合
超臨界二酸化炭素中の重合反応を実施する前に、一連の重合反応をシクロヘキ
サン中で実施した。使用したモノマーはイソブチルビニルエーテルであった。
テフロン製の撹拌バーを備えゴム製の隔壁で密封された300mLのガラス製丸底
フラスコをアルゴン大気下に炎で乾燥させた。IBVE(10mL,7.68g)、酢酸エチ
ル(10mL)、シクロヘキサン(30mL)をフラスコ中で混合した。フラスコの温度
は温水浴を利用して40℃付近に維持し、撹拌プレートを利用して撹拌を行った。
重合反応を触媒するためにエチルアルミニウムジクロリド(EtAlCl2)(0.38mL,
0.38mmol)を開始剤として微量の水と共に、注射器を用いて加えた。12時間に
わたって反応させ、反応を終了させるためにエタノール中のナトリウムエトキシ
ドをフラスコに加えた。得られたポリマーをメタノール中に沈殿させ、一晩真空
乾燥した。重合条件、収率、分子量のデータを表1にまとめる。
例3
エステル開始剤が存在しない場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(3mL)とEtAlCl2(0.46mL,0.46mmol)をアルゴン大気下にシリン
ジを用いて高圧セルに加えた。セルにテフロンコーティングした撹拌バーを備え
付け、40℃に加熱した。高圧シリンジを用いて二酸化炭素をセルに加え、セルの
圧を4500psiとした。高圧シリンジを用いてIBVE(3mL、2.304g)をセルに加えた
。反応を14時間継続し、同時に圧は3683psiに下がった。反応過程で、ポリマー
が形成され、二酸化炭素流体から沈殿するのが認められた。
重合終了時、二酸化炭素をゆっくりと排出し、セル内にポリマーを残した。ナ
トリウムエトキシドのエタノール溶液を用いて反応を終了させた。次にポリマー
をシクロヘキサンまたはシクロヘキサン/テトラヒドロフラン溶液に溶解し、過
剰量のメタノールの中に沈殿させ、濾過し、一晩真空乾燥した。ポリ(イソブチ
ルビニルエーテル)(1.997g)を回収した。(収率=87%)。
特性:1H NMRスペクトルは、予想されたパターンを示し、モノマーのビニルプ
ロトンピークは認められず、ポリマー骨格内への二酸化炭素の取り込みは示さな
かった。FTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製される対応するホモポリマ
ーと一致しており、カルボニルピークは存在しない。ゲル浸透クロマトグラフィ
ー(GPC)分析は、Mn=1.51×105、Mw=5.99×105、MWD=4.0を示した。
例4
エステル開始剤が存在しない場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(4mL)とエチルアルミニウムジクロリド(0.25mL、0.25mmol)を
高圧セルに加えた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とイソブチルビニルエ
ーテル(4mL、3.702g)を加え、最終圧を4200psiとした。40℃で22時間反応を進
行させ、その間セル内の圧は、3860psiに下がった。ポリ(IBVE)(2.211g)が
回収される。(収率=72%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製される対応するホ
モポリマーと一致している。GPCは、Mn=8.0×104、Mw=5.2×105、MWD=6.5を示し
た。
例5
エステル開始剤が存在しない場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(4mL)とエチルアルミニウムジクロリド(0.5mL、0.5mmol)を高
圧セルに加えた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とイソブチルビニルエー
テル(4mL、3.702g)を加え、最終圧を4200psiとした。40℃で23時間反応を進行
させた。ポリ(IBVE)(1.277g)が回収される。(収率=44%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=5.2×104、Mw=2.8×105、MWD=5.4を示した。
例6
比較例:エステル開始剤が存在する場合の
シクロヘキサン中の重合
テフロン製の撹拌バーを備えゴム製の隔壁で密封された300mLのガラス製丸底
フラスコをアルゴン大気下に炎で乾燥させた。IBVE(10mL,7.68g)、酢酸エチ
ル(9.8mL)、エステル開始剤(0.06mL,0.31mmol)、シクロヘキサン(100mL)
をフラスコ中で混合した。フラスコの温度は温水浴を利用して40度付近に維持し
、撹拌プレートを利用して撹拌を行った。重合反応を触媒するためにエチルアル
ミニウムジクロリド(EtAlCl2)(0.40mL,0.40mmol)を注射器を用いて加えた
。24時間にわたって反応させ、反応を終了させるためにエタノール中のナトリウ
ムエトキシドをフラスコに加えた。得られたポリマーをメタノール中に沈殿させ
、一晩真空乾燥した。ポリ(IBVE)(3.35g)が回収される。(収率=44%)
特性:GPCは、Mn=7.0×103、Mw=8.1×103、MWD=1.15を示した。
例7
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.4mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL
, 0.23mmol)をセルに合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE(
3mL、2.304g)を加え、最終圧を4800psiとした。40℃で13時間反応を進行させ、
その間セル内の圧は3800psiに下がった。ポリ(IBVE)(2.11g)が回収される。
(収率=91%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=6.7×103、Mw=1.2×104、MWD=1.8を示した。
例8
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.4mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.01mL
,0.06mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBV
E(3mL、2.304g)を加え、最終圧を5000psiとした。12時間反応を進行させ、そ
の間セル内の圧は4041psiに下がった。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。
例9
エステル開始剤が存在する場合の液体二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.4mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL
, 0.23mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加え、最終圧を5200psiとした。30℃で12時間反応を進行させ
、その間セル内の圧は3236psiに下がった。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=1.4×104、Mw=2.0×104、MWD=1.4を示した。
例10
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.4mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL
, 0.23mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加え、最終圧を5000psiとした。60℃で12時間反応を進行させ
、その間セル内の圧は4200psiに下がった。ポリ(IBVE)(2.043g)が回収され
る。(収率=92%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=1.4×104、Mw=2.0×104、MWD=1.4を示した。
例11
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(1.2mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL
, 0.23mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加えた。40℃で12時間反応を進行させた。ポリ(IBVE)(1.9
94g)が回収される。(収率=87%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=2.3×104、Mw=8.7×104、MWD=3.9を示した。
例12
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(4.8mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL
, 0.23mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加え、最終圧を5000psiとした。40℃で12時間反応を進行させ
、その間セル内の圧は4050psiに下がった。ポリ(IBVE)(1.063g)が回収され
る。(収率=46%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=3.4×103、Mw=4.8×103、MWD=1.4を示した。
例13
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
EtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.04mL,0.23mmol)をセル内
で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE(3mL、2.304g)を加
え、最終圧を5000psiとした。40℃で12時間反応を進行させ、その間セル内の圧
は3300psiに下がった。ポリ(IBVE)(1.614g)が回収される。(収率=70%)
。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=1.3×104、Mw=3.9×104、MWD=2.9を示した。
例14
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.4mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.02mL
, 0.12mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加え、最終圧を4500psiとした。40℃で12時間反応を進行させ
た。ポリ(IBVE)(2.245g)が回収される。(収率=93%)。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、Mn=1.4×104、Mw=2.0×104、MWD=1.4を示した。
例15
エステル開始剤が存在する場合の超臨界二酸化炭素中の
イソブチルビニルエーテル(IBVE)の重合
酢酸エチル(2.0mL)とEtAlCl2(0.2mL、0.2mmol)とエステル開始剤(0.02mL
, 0.12mmol)をセル内で合わせた。例3と同じ手順に従って、二酸化炭素とIBVE
(3mL、2.304g)を加え、最終圧を4955psiとした。60℃で12時間反応を進行させ
、その間圧は3957psiに下がった。
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、シクロヘキサン中で調製されるホモポリマ
ーと一致している。GPCは、双峰分子量分布を示した。
例16
比較例:塩化メチレン中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタンの重合
3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)のポリマーを塩化メチレン
中で調製した。テフロン製の撹拌バーを備えゴム製の隔壁で密封された300mLの
ガラス製丸底フラスコをアルゴン大気下に炎で乾燥させた。BEMO(4mL,3.99g)
と塩化メチレン(20mL)をフラスコ内に合わせた。シクロヘキサン(30mL)をフ
ラスコ中で混合した。外部からのプロトン源(即ち開始剤)が添加されない場合
には、プロトン源として水を加えた。氷浴を利用してフラスコの温度を10℃付近
に維持し、撹拌プレートを利用して撹拌を行った。重合を触媒するために、触媒
三フッ化ホウ素テトラヒドロフラノエート(BF3-THF)(0.38mL,0.38mmol)を
、開始剤とし微量の水と共に、注射器を用いて加えた。4時間にわたって反応さ
せ、反応を終了させるために水酸化ナトリウム水溶液をフラスコに加えた。得ら
れたポリマーをメタノール中に沈殿させ、濾過し、一晩真空乾燥した。塩化メチ
レン中で得られた結果を表2にまとめる。
例17
液体二酸化炭素中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
高圧セルに、二酸化炭素の前にモノマーと触媒を添加できるようにHastelloyC
-22ディッシュを備え付け、あらかじめ混合することはしない。BEMO(4.8mL,4.
8g)をアルゴン大気下にシリンジを用いて高圧セルの本体に加え、BF3-THF(0.2
8mL,0.69mmol)をアルゴン大気下にシリンジを用いてHastelloyディッシュに加
えた。セルに撹拌バーを取り付け、塩化ナトリウム/氷浴を利用してフラスコの
温度を-10℃付近に維持した。ISCOTM高圧シリンジポンプを利用して、セルに二
酸化炭素を加え、圧を4300psiとした。4時間にわたって反応させ、その間、圧は
3500psiに下がった。二酸化炭素をゆっくりと排出し、水酸化ナトリウムを用い
て反応を終了させた。ポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、メタノール中に
沈殿させ、濾過し、希塩酸と水で洗浄し、次いで一晩真空乾燥した。ポリ(BEMO
)(3.210g)が回収された。(収率=67%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=8.1×103、Mw=2.2×104、MWD=2.7を示した。
例18
液体二酸化炭素中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
反応は、例17に記載されている方法に従って実施した。二酸化炭素を加え、圧
を4800psiとした。ポリ(BEMO)(1.484g)が回収された。(収率=31%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=9.0×103、Mw=2.8×104、MWD=3.1を示した。
例19
液体二酸化炭素中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
BEMO(4.8mL,4.8g)と1,4-ブタンジオール(0.06mL,0.69mmol)をセルに加
えた。例17に記載されている方法に従って、BF3-THF(0.15mL,1.38mmol)をセ
ルに加えた。二酸化炭素を加え、初期圧を4800psiとした。ポリ(BEMO)(2.08g
)が回収された。(収率=43%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=7.3×103、Mw=1.2×104、MWD=1.6を示した。
例20
液体二酸化炭素中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
二酸化炭素の初期圧を3000psiとした以外は、例17に記載されている方法に従
って反応を実施した。ポリ(BEMO)(0.74g)が回収された。(収率=16%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=1.0×104、Mw=1.6×104、MWD=1.6を示した。
例21
液体二酸化炭素中の3,3'-(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
1,4-ブタンジオオールをBF3-THFとあらかじめ混合し、次いで反応ディッシュ
に注入した以外は、例19に記載されている方法に従って反応を実施した。BEMOを
セルの本体に加えた。BDO/BF3-THF溶液(0/22mL,0/69mmol)をセル内のディッ
シュに注入した。二酸化炭素を加え圧を4200psiとした。ポリ(BEMO)(0.840g
)が回収された。(収率=18%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=1.2×104、Mw=2.0×104、MWD=1.7を示した。
例22
比較例:塩化メチレン中のスチレンの重合
T.Higashiyama et al.,Macromolecules 26:744(1993)に概説されている方
法に従って、塩化メチレン中のスチレンのポリマーを調製した。
テフロン製の撹拌バーを備えゴム製の隔壁で密封された300mLのガラス製丸底
フラスコをアルゴン大気下に炎で乾燥させた。スチレン(4mL,3.64g)、1-クロ
ロ-フェニルエタン(0.5mL,0.70mmol)、不活剤塩化テトラブチルアンモニウム
(2.4mL,1.40mmol)、塩化メチレン(20mL)をシリンジを用いてフラスコに注
入した。氷浴を利用してフラスコの温度を-10℃付近に維持し、撹拌プレートで
撹拌した。触媒三塩化スズ(0.7mL,3.49mmol)を、注射器を用いてセルに加え
た。-10℃で3時間にわたって反応させ、メトキシドナトリウムとメタノールを加
えて反応を終了させた。得られたポリマーをメタノール中に沈殿させ、濾過し、
一晩真空乾燥した。ポリ(スチレン)(2.817g)が回収された。(収率=77%)
特性:GPCは、Mn=4.2×103、Mw=4.2×103、MWD=1.17を示した。
例23
液体二酸化炭素中のスチレンの重合
高圧セルに、あらかじめ混合せずに二酸化炭素の前にモノマーと触媒を添加で
きるHastelloy C-22ディッシュを備え付けた。スチレン(5.0mL,4.55g)、1-ク
ロロ-1-フェニルエタン(0.1mL,0.87mmol)、塩化テトラブチルアンモニウム(
1.9mL,1.7mmol)をアルゴン大気下にシリンジを用いて高圧セルの本体に加えた
。三塩化スズ(0.9mL,4.41mmol)をアルゴン大気下にシリンジを用いてHastell
oyディッシュに加えた。セルに撹拌バーを取り付け、冷蔵ユニットを備えたNESL
ABTM循環浴と冷却剤として水とエチレングリコールの溶液塩化ナトリウム/氷浴
を利用してフラスコの温度を0℃付近に維持した。ISCOTM高圧シリンジポンプを
利用して、セルに二酸化炭素を加え、圧を4500psiとした。数分以内に、反応容
器内の溶液からポリマーが形成され沈殿するのを観察することができる。重合反
応は約0℃で3時間にわたって進行し、その間圧は約4000psiに下がった。次に二
酸化炭素をゆっくりと排出し、メトキシドナトリウムとナトリウムの溶液を用い
て反応を終了させた。ポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、メタノール中に
沈殿させ、濾過し、一晩真空乾燥した。ポリ(スチレン)(2.3838g)が回収さ
れた。(収率=52%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=4.4×103、Mw=1.1×103、MWD=2.58を示した。
例24
液体二酸化炭素中のスチレンの重合
以下の変更を加え、例23に記載されている方法に従って、反応を実施した。塩
化テトラブチルアンモニウムは加えない。1-クロロ-1-フェニルエタンをセルの
本体の代わりに、Hastelloy C-22ディッシュに加え、三塩化スズとあらかじめ混
合させた。ポリ(スチレン)(1.9903g)が回収された。(収率=44%)
特性:1H NMRとFTIRスペクトルは、塩化メチレン中で調製されるホモポリマー
と一致している。GPCは、Mn=2.8×103、Mw=5.3×103、MWD=1.9を示した。
例25
液体二酸化炭素中のイソブチレンのカチオン重合
上記例23の方法により、イソブチレンを、2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタ
ン(TMPCI)/三塩化チタン(TiCl4)/ルイス塩基を含む開始系を用いて重合した
。この場合、ルイス塩基は液体及び超臨界二酸化炭素中にジメチルスルホキシド
、アセトアミドまたは酢酸エチルを含む、このモノマーは、従来塩化メチルのよ
うな液体溶媒中で重合されていた。M.Sawamoto,Prog.Po1ym.Sci.16:111(1
991)を参照。
例26
二酸化炭素中のスチレンとイソブチレンのカチオン共重合
1点の変更を加えて上記例23の方法により、ジ-t-ブチルピリジンの存在下に2
-メトキシ-2-プロピルベンゼンと三塩化チタンを用いて、スチレンをイソブチレ
ンと共重合した。イソブチレンが反応に使用されたら直ちに、高圧シリンジを用
いて第二のモノマー(スチレン)をセルに加えた。これら2つのモノマーは、塩
化メチル/シクロヘキサンメチルの混合溶媒系中でカチオン重合によりコポリマ
ーを形成できることは公知である。J.Kennedy,et al.,Makromol.Chem.,Sym
p.51:1269(1991)を参照。
例27
イソブチレンとメチルビニルエーテルのブロック共重合
例26に記載されている方法により、液体及び超臨界二酸化炭素中で塩化テトラ
エチルアンモニウムメチレンの存在下に、例25に記載されているTMPCI/TiCl4開
始系を用いて、イソブチレンをメチルビニルエーテルとカチオンブロック共重合
した。この場合、メチルビニルエーテルが第二のモノマーである。これら2つの
モノマーは、塩化メチレン/n-ヘキサンまたは塩化メチレン/n-ヘキサンのような
混合溶媒系中でカチオンブロック共重合体を形成できることは公知である。J.K
ennedy,et al., Macromolecules 25:1642(1992)を参照。
例28
イソブチレンとイソプレンのカチオン共重合
例26に記載されている方法により、液体及び超臨界二酸化炭素中で酢酸クメニ
ルまたは三塩化ホウ素を用いて、イソブチレンをイソプレンとカチオンブロック
共重合した。イソプレンが第二のモノマーである。これら2つのモノマーは、塩
化メチレン中でカチオンブロック共重合体を形成できることは公知である。J.K
ennedy,et al.,Macromolecules 25:1771(1992)を参照。
例29
環式炭酸塩のカチオン重合
上記例17に記載されている方法に従い、液体及び超臨界二酸化炭素中で、meth
yl triflate、ヨウ化メチルまたは臭化ベンジルを用いて環式炭酸塩をカチオン
重合した。
例30
二酸化炭素中のオキセタンのカチオン重合
上記例17に記載されている方法に従い、液体及び超臨界二酸化炭素中で、強酸
、またはルイス酸、およびアルコール、エーテル、エステルなどのプレ開始剤を
用いてオキセタンをカチオン重合した。
例31
オキセタンと環式炭酸塩のカチオン共重合
1点を除き、上記例17に記載されている方法に従い、液体及び超臨界二酸化炭
素中で、methyl triflateまたは三フッ化ホウ素ジエチルエテレートを用いて、
オキセタンを環式炭酸塩とカチオン共重合した。オキセタンと環式炭酸塩をセル
に同時に加えた。オキセタンモノマーが消費されるまで、初期セル温度を0℃に
維持した。それから温度を30℃に上げ、その間に環式炭酸塩が消費された。塩化
メチルとジューテロ化クロロホルム中でこれらのモノマーを共重合できることは
以前より公知である。T.Endo,et al.,Macromolecules 26: 7106(1993)を参
照。
例32
その他の環式モノマーのカチオン共重合
上記例17に記載されている方法に従い、液体及び超臨界二酸化炭素中で、(1)t
riflic acidまたは(2)ルイス酸と水またはアルコールなどのプロトン源を用い
て、オキシラン、テトラヒドロフラン、トリオキサン及びオキサゾリンなどの環
式モノマーをカチオン重合した。ニトロメタン、塩化メチル、四塩化炭素などの
溶媒中でこれらのモノマーを共重合できることは以前より公知である。E.Gaeth
als,Macromol.Chem.,Macromol.Symp.42/43:51(1991)。
例33
二酸化炭素中のホルムアルデヒドのカチオン重合
上記例17に記載されている方法に従い、液体及び超臨界二酸化炭素中で、塩酸
または三フッ化ホウ素や水等のルイス酸を用いてホルムアルデヒドをカチオン重
合した。
例34
界面活性剤が存在する場合の液体二酸化炭素中の3,3'-
(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
高圧セルに、あらかじめ混合せずに二酸化炭素の前にモノマーと触媒を添加で
きるHastelloy C-22ディッシュを備え付けた。ポリ(1,1-ジヒドロヘプタフル
オロブトキシメチルオキセタン)(P(FOX7))(0.9902g)をセルに加えた。BE
MO(4.8mL、4.8g)をアルゴン大気下にシリンジを用いて高圧セルの本体に加え
た。三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン(BF3-THF)(0.28mL、0.69mmol)をア
ルゴン大気下にシリンジを用いてセルの本体に加えた。セルに機械的スターラー
を取り付け反応中内容物を激しく揺り動かし、循環浴とセルの周囲に冷却コイル
を使用して、温度を5℃に維持した。ISCOTM高圧シリンジポンプを利用して、セ
ルに二酸化炭素を加え、圧を4267psiとした。反応は6時間にわたって進行し、そ
の間溶液は透明から不透明に、すなわち「乳白色の」分散に変化した。分散を脱
酸素脱イオン水中に排出し、セル内に2mLの水を注入することによって反応を停
止させた。ポリマーを収集し、一晩真空乾燥した。ポリ(BEMO)(3.1731g)が
回収された。(収率=66%)
特性:GPCは、Mn=1.7×103g/mol、Mw=5.4×103g/mol、MWD=3.1を示した。
例35
界面活性剤が存在する場合の液体二酸化炭素中の3,3'-
(ビスエトキシメチル)オキセタン(BEMO)の重合
ポリ(FOX7)の代わりに界面活性剤としてポリ(1,1-ジヒドロペルフルオロオ
クチルアクリレート)を使用した以外は、例34に記載されている方法で反応を実
施した。二酸化炭素を加え4200psiの圧とした。4時間後撹拌を停止し,25分間が
経過した。撹拌終了後、例34に報告された「乳白色の」分散は沈殿しなかった。
総反応時間4時間35分後に脱酸素メタノール中に排出し、減圧したセルに4mLの
脱酸素メタノールを加えることによって反応を停止させた。ポリ(BEMO)(3.04
3g)が回収された。(収率=63%)
特性:GPCは、Mn=1.4×104/mol、Mw=4.6×104g/mol、MWD=3.3を示した。
例36
界面活性剤が存在する場合の液体二酸化炭素中のイソブチレンの重合
P(FOA)(0.8403g)を高圧反応装置に加えた。三塩化スズ(0.05mL、0.43mmo
l)をアルゴン大気下にシリンジを用いてセルに加えた。例34に記載されている
方法に従ってセルに二酸化炭素を加え、圧を1285psiとした。高圧シリンジポン
プを用いて、イソブチレン(3.4g,0.06mol)をゆっくりと加え、最終セル圧を415
0psiとした。反応は透明で開始されたが、反応が進むにつれ徐々に不透明となっ
た。反応は22時間進行し、その時点でセル内容物を脱酸素メタノールの中に入れ
て減圧し、セル内に3mLの脱酸素メタノールを注入することによって反応を停止
させた。界面活性剤とともに生成ポリマーを、安定な懸濁液としてフェロン-113
の中に再分散することができる。ポリ(イソブチレン)(0.57g)が回収された
。(収率=17%)
特性:GPCは、ピーク分子量が1.8×103g/molと3.9×103g/molの双峰分子量の
生成物を示した。
前記は、本発明を説明するものであり、これを制限することを目的としていな
い。本発明は、以下の請求の範囲とその中に含まれる請求項と等価なものにより
定義される。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年8月21日
【補正内容】
択に影響する。適切なモノマーは、本技術に精通する者にとってカチオン重合が
可能であることが公知である多様なモノマーから選択できる。モノマーの例とし
て、ビニルエーテルモノマー、環式エーテルモノマー、オキザゾリンモノマー、
炭化水素オレフィンモノマー、環式炭酸塩モノマー、ホルムアルデヒドが挙げら
れる。更に、ジエンコモノマーも重合系に使用できる。
適切なビニルエーテルモノマーには、メチルビニルエーテル及びイソブチルビ
ニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが含まれる。適切な環式エーテルモ
ノマーには、
〔式中R1およびR2は、H、アルキル好ましくはC1〜C8のアルキル、化学式(CH2O
(CH2)mCxF2x+1)(式中mは1〜3、Xは1〜8)のハロアルキルアルコキシ、アミ
ン、アミド、および化学式(CH2)zNF2(式中zは1〜3)のアルキルハロアミンか
らなるグループから独立して選択され、nは1から2の数であり、そして、R7およ
びR8は、アルキル、アルコキシ、化学式(CH2O(CH2)mCxF2x+1)のハロアルキルア
ルコキシメチル、化学式CH2N3のアジド、ハロがF,Cl,BrまたはIである化学式C
H2haloのアルキルハロ、アルキルヒドロキシ、アルキルアルコキシからなるグル
ープから独立して選択される。]からなるグループから選択される一般式で示さ
れるアルキル、アルコキシおよびハロ置換環式エーテルが含まれる。本発明にお
いて使用に適した環式エーテルモノマーには、3,3-(ビスエトキシメチル)オキ
セタン、3-(1',1'-ジヒドロヘプタフルオロブトキシメチル)-3-メチルオキセ
タン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、エチレンオキシドが挙げられる。環
式エーテルは従来、ニトロメタン、塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素、
ハロゲン化芳香族炭化水素中でカチオン重合されていた。引用する事により本明
細書の一部をなすものとするManserの米国特許第4,393,199号とE.Goethals,Ma
kromol.Chem.,Macromol.Symp 42/43:51(1991)を参照。環式エーテルモノマ
ーは、Ma
号およびH.Mark,et al.,Encyclopedia of Polymer Science and Engineering
, 第2版 10:654(1985)等の本技術に精通する者にとって公知の従来の方法を用
いて調製できる。これらは、引用する事により本明細書の一部をなすものとする
。
環式炭酸塩とホルムアルデヒドの重合に適したカチオン重合触媒には、三フッ
化ホウ素が含まれる。
重合は、カチオン重合開始剤を添加する事によって開始される。適切なカチオ
ン重合開始剤の選択は、重合されるモノマーと、それらの二酸化炭素との適合性
に必然的に依存している。ビニルエーテルモノマーの重合は、典型的には、エス
テル開始剤とルイス塩基不活剤から成るカチオン重合開始剤を添加することによ
って開始される。エステル開始剤は、酢酸とイソブチルビニルエーテルの付加体
(アダクト)を含む。適切なルイス塩基不活性化剤には酢酸エチルが含まれる。
環式エーテルモノマーの重合は、典型的には、強酸、ルイス酸、または任意で
プレ開始剤を含むカチオン重合開始剤の添加により開始される。環式エーテルの
カチオン重合開始剤として使用するのに適した強酸の例には、triflic acidが含
まれる。適切なルイス酸開始剤には、三フッ化ホウ素が含まれる。適切なプレ開
始剤には、水、アルコール、エーテル、エステルが含まれる。好ましいプレ開始
剤は、ブタンジオールである。
オキサゾリンモノマーの重合は、典型的には、強酸、ルイス酸、または任意で
プレ開始剤を含むカチオン重合開始剤の添加により開始される。強酸とルイス酸
の例は、上記に記載されている。更に、上記に記載されているプレ開始剤も含め
ることができる。
炭化水素オレフィンモノマーの重合は、典型的には、1-クロロ-1-フェニルエ
タン、2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタン、第三級エーテル、ルイス塩基また
は2-メトキシープロピルベンゼンからなるグループから選択されるカチオン重合
開始剤とともに、上記の触媒により行われる。適切なルイス塩基には、硫化ジメ
チル、アセトアミド、または酢酸エチルがある。開始剤は、塩化テトラブチルア
ンモニウムなどの不活剤を含めてよい。好ましい一実施例によれば、スチレンは
、1-クロロ−1-フェニルエタンと塩化テトラブチルアンモニウムを開始剤として
使用してカチ
請求の範囲(補正)
1.(a)二酸化炭素と、環式エーテルモノマーとオキサゾリンモノマーと環
式炭酸塩モノマーとからなるグループから選択されるモノマーと、触媒と、カチ
オン重合開始剤とを含む反応混合物であって、該カチオン重合開始剤が該モノマ
ーのカチオン重合を開始できる反応混合物を提供することと、
(b)前記反応混合物中の前記モノマーを重合させポリマーを形成するこ
とと、
を含んでなる、二酸化炭素中のモノマーのカチオン重合を実施する方法。
2.前記反応混合物が、不均一反応混合物からなる、請求項1記載の方法。
3.前記反応混合物が、均一反応混合物からなる、請求項1記載の方法。
4.前記二酸化炭素が液体二酸化炭素である、請求項1記載の方法。
5.前記二酸化炭素が超臨界二酸化炭素である、請求項1記載の方法。
6.前記重合工程に続いて前記溶液から前記ポリマーを分離することを更に含
む、請求項1記載の方法。
7.前記分離工程に続いて前記溶液からの前記ポリマー収集を更に含む、請求
項1記載の方法。
8.(a)環式エーテルモノマーと、オキサゾリンモノマーと、環式炭酸塩モ
ノマーとからなるグループから選択される少なくとも1種類のモノマーと、
(b)二酸化炭素と、
(c)触媒と、
(d)前記ポリマーのカチオン重合を開始できるカチオン重合開始剤と
を含む、二酸化炭素中でカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合に有用な
反応混合物。
9.前記二酸化炭素が液体二酸化炭素である、請求項8記載の反応混合物。
10.前記二酸化炭素が超臨界二酸化炭素である、請求項8記載の反応混合物
。
11.(a)少なくとも1種類のカチオン重合ポリマーと、
(b)二酸化炭素と、
(c)触媒と、
(d)前記ポリマーのカチオン重合を開始できるカチオン重合開始剤と
、
を含んでなる、環式エーテルモノマーとオキサゾリンモノマーと環式炭酸塩モノ
マーとからなるグループから選択されるモノマーのカチオン重合により生成され
るカチオン重合反応混合物。
12.前記二酸化炭素が液体二酸化炭素である、請求項11記載の反応混合物
。
13.前記二酸化炭素が超臨界二酸化炭素である、請求項11記載の反応混合
物。
14.前記重合工程が界面活性剤の存在下に実施される、請求項1記載の方法
。
15.界面活性剤を更に含む、請求項8記載の反応混合物。
16.界面活性剤を更に含む、請求項11記載の反応混合物。
17.(a)二酸化炭素と、モノマーと、触媒と、該モノマーのカチオン重合
を開始できるカチオン重合開始剤と、CO2親和性の部分を有する界面活性剤とを
含む反応混合物を提供することと、
(b)前記反応混合物中の前記モノマーを重合させポリマーを形成するこ
とと
を含んでなる、二酸化炭素中のモノマーのカチオン重合を実施する方法。
18.前記モノマーが、置換または非置換ビニルエーテルモノマー、環式エー
テルモノマー、オキサゾリンモノマー、炭化水素オレフィンモノマー、環式炭酸
塩モノマーおよびホルムアルデヒドから成るグループから選択される、請求項1
7記載の方法。
19.(a)少なくとも1種類のカチオン重合が可能なポリマーと、
(b)二酸化炭素と、
(c)触媒と、
(d)前記ポリマーのカチオン重合を開始できるカチオン重合開始剤と
、
(e)CO2親和性の部分を有する界面活性剤と、
を含んでなる、二酸化炭素中でカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合に
有用な反応混合物。
20.前記モノマーが、置換または非置換ビニルエーテルモノマー、環式エー
テルモノマー、オキサゾリンモノマー、炭化水素オレフィンモノマー、環式炭酸
塩モノマーおよびホルムアルデヒドから成るグループから選択される、請求項1
9記載の反応混合物。
21.(a)少なくとも1種類のカチオン重合ポリマーと、
(b)二酸化炭素と、
(c)触媒と、
(d)CO2親和性の部分を有する界面活性剤と、
を含んでなる、二酸化炭素中でカチオン重合が可能なモノマーのカチオン重合に
より生成されたカチオン重合反応混合物。
22.前記モノマーが、置換または非置換ビニルエーテルモノマー、環式エー
テルモノマー、オキサゾリンモノマー、炭化水素オレフィンモノマー、環式炭酸
塩モノマーおよびホルムアルデヒドから成るグループから選択される、請求項2
1記載の反応混合物。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C08G 64/02 C08G 64/02
65/26 65/26
73/02 73/02
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,
TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 クラーク,マイケル・アール
アメリカ合衆国、27516 ノース・キャロ
ライナ、チャペル・ヒル、コロニー・アパ
ートメンツ、アパートメント・エム14