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JPH10279371A - 黒鉛含有不定形耐火物 - Google Patents

黒鉛含有不定形耐火物

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Publication number
JPH10279371A
JPH10279371A JP9081131A JP8113197A JPH10279371A JP H10279371 A JPH10279371 A JP H10279371A JP 9081131 A JP9081131 A JP 9081131A JP 8113197 A JP8113197 A JP 8113197A JP H10279371 A JPH10279371 A JP H10279371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractory
graphite
aluminum
alumina
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9081131A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Haraoka
たかし 原岡
Masato Takagi
正人 高木
Keiichiro Isomura
敬一郎 磯村
Masato Kumagai
正人 熊谷
Katsufumi Kino
勝文 城野
Junichiro Mori
淳一郎 森
Yasunobu Toritani
恭信 鳥谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Refractories Corp
Original Assignee
Kawasaki Refractories Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Refractories Co Ltd, Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Refractories Co Ltd
Priority to JP9081131A priority Critical patent/JPH10279371A/ja
Publication of JPH10279371A publication Critical patent/JPH10279371A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】黒鉛含有不定形耐火物の耐用性と施工性とを改
善すること。 【解決手段】耐火物骨材、黒鉛、耐火物微粉、アルミナ
セメントおよび金属アルミニウムとその合金を含有する
耐火物粉に、アルミナおよびアルミナセメントの表面に
生成する水和物被覆用化合物と金属アルミニウムおよび
アルミニウム合金被覆用化合物とからなる水和防止剤を
添加してなる黒鉛含有不定形耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛含有不定形耐
火物に関し、とくに効果的な水和防止によって耐用性な
らびに施工性を改善した冶金用不定形耐火物を提供する
ために開発されたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、黒鉛含有不定形耐火物には、熱
間強度や耐スラグ性の向上および黒鉛の酸化防止を図る
ために、アルミニウム等の金属微粉末が添加されてい
る。ただし、水の使用を伴う流し込み用不定形耐火物に
ついては、アルミニウムやその合金を含有する場合は水
和防止処理が不可欠となる。その水和防止処理技術に
は、従来、以下のような各種の提案がある。 金属アルミニウムもしくはアルミニウムの合金粉末を
ピッチあるいはフェノール樹脂等の合成樹脂で被覆する
(特告昭58− 49511号公報、特告平2− 33666号公報、
特告昭62− 20153号公報、特開平2− 26816号公報、特
開平5− 43336号公報、特開平6− 49501号公報)。 金属アルミニウムもしくはアルミニウムの合金粉末を
酸化被膜処理する(特開昭59− 35068号公報)。 金属アルミニウムもしくはアルミニウムの合金粉末を
有機酸性リン酸エステル化合物で被覆する(特開平4−
139073号公報)。 アルミニウムを合金化することにより、水和反応性を
低下させる(特告昭62−20153号公報)。 水和反応抑制剤として、セメントからのカルシウムイ
オンの溶出を抑制するのに有効な物質を添加する(特開
平4− 16567号公報)。
【0003】これらの技術のうち、金属アルミニウムも
しくはアルミニウムの合金粉末表面に樹脂等を被覆する
方法や酸化被膜を生成させる方法(〜)では、被覆
する樹脂量が多すぎると、施工後の耐火物の乾燥時ある
いは耐火物使用前の昇温時に、被覆材の分解、蒸発によ
ってガスの発生が多くなるために耐火物施工体の割れや
剥離、気孔率の増大などを招くので望ましくない。一
方、被覆量が少ないと、粉末表面を均一に被覆すること
が難しくなり、どうしても被覆されない金属表面が残る
とともに、耐火物骨材および結合材、黒鉛などとの混合
時において被膜が損傷を受けやすくなることから、水和
反応抑制効果が不十分である。このような問題のため、
アルミニウム金属粉末の表面を樹脂等で被覆する技術は
満足できる状態でないのが実情である。
【0004】次に、より反応性の低いアルミニウムとシ
リコンとの合金を使用する技術の場合()も問題があ
る。例えば、合金はアルミナセメントを使用しない場合
においては水和反応を若干抑制するが、アルミナセメン
トが共存する場合には材料が強アルカリ性となるため、
アルミニウムとシリコンとの合金化による水和反応抑制
効果はほとんど認められなくなる。また、セメントから
のカルシウムイオンの溶出を抑制する物質を添加する場
合()には、もっとも水和反応の抑制効果が認められ
る。しかしながら、セメントヘの作用は、添加する添加
剤によっては極端な硬化遅延や硬化促進などを引き起こ
し施工性が極めて悪化することがあった。さらに、この
方法によっても合金粉末のわずかな水和を抑制するのは
困難であり、このために混練、流し込み後の成型体が水
和によって発生した水素ガスによって膨張するという問
題が完全には解決できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように上記各
従来技術については、とくにアルミナセメントを含む黒
鉛含有不定形耐火物中に金属アルミニウムもしくはアル
ミニウム合金の粉末を添加するにはなお多くの改良を必
要としているのが実情である。そこで本発明の目的は、
黒鉛含有不定形耐火物中に含まれる水酸化アルミニウム
と金属アルミニウムもしくはアルミニウム合金の粉末と
の間で起こる水和反応抑制に効果的な技術を開発し、も
って耐用性と施工性に優れた黒鉛含有不定形耐火物を提
案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題について鋭
意研究した結果、発明者らは、不定型耐火物中に、アル
ミナ、アルミナセメントと金属アルミニウムおよびその
合金が共存する場合には、その金属アルミニウムおよび
アルミニウムとシリコンとの合金の水和は水中の(OH
- )によって起こるのではなく、アルミナ、アルミナセ
メントの表面に生成する水和物の層と直接、固−固接触
することにより水和反応が著しく促進される(これはア
ルミナセメントの上澄液に金属アルミを浸漬しておいて
も水和反応がそれほど進まないことから推定される)こ
とを知見した。
【0007】そこで、発明者らは、アルミナ、アルミナ
セメントとアルミニウムあるいはアルミニウム合金との
接触を断つことができれば前記水和反応を防止すること
ができるものと考え、この両者を遮断することにした。
その方法として、前記遮断の効果をあげるために、アル
ミナ、アルミナセメントの表面で生成する水和物の方を
被覆する化合物および、金属アルミニウムやその合金の
方を被覆する化合物とからなる水和防止剤を同時に添加
するという方法を採用することにした。この理由は、ど
ちらか一方の粒子のみを遮断するだけでは被膜の破損で
遮断効果が薄れるのを両方を被覆することで防止するた
めである。
【0008】このような考え方の下に開発した本発明
は、主成分として少なくとも耐火物骨材、黒鉛および耐
火物微粉を含み、その他にアルミナセメントと金属アル
ミニウムもしくはその合金を含有する耐火物粉にさら
に、アルミナおよびアルミナセメントの表面に生成する
水和物被覆用化合物と金属アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金被覆用化合物とからなる水和防止剤を添加して
なる黒鉛含有不定形耐火物である。
【0009】また、本発明は、主成分として少なくとも
耐火物骨材、黒鉛および耐火物微粉を含み、その他にア
ルミナセメントと金属アルミニウムもしくはその合金を
含有する耐火物粉にさらに、糖類、糖アルコール類、オ
キシアルデヒド類、オキシカルボン酸類、ジカルボン酸
類およびケトカルボン酸類、またはそれらの塩の中から
選ばれるいずれか1種もしくは2種以上の化合物と、ア
ミノ酸類、トリアゾール類、チアゾール類、アルキルア
ミン類およびシクロヘキシルアミン類の中から選ばれる
いずれか1種もしくは2種以上の化合物とからなる水和
防止剤を添加してなる黒鉛含有不定形耐火物である。
【0010】なお、本発明において、上記水和防止剤の
添加量は、糖類、糖アルコール類、オキシカルボン酸
類、ジカルボン酸類、ケトカルボン酸類およびオキシア
ルデヒド類、またはそれらの塩の中から選ばれるいずれ
か1種もしくは2種以上の化合物を0.02〜1.00wt%、ア
ミノ酸類、トリアゾール類、チアゾール類、アルキルア
ミン類およびシクロヘキシルアミン類の中から選ばれる
いずれか1種もしくは2種以上の化合物を0.01〜0.50wt
%の範囲内で添加することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】上述したように黒鉛含有不定形耐
火物、とくに骨材としてアルミナを含むと同時に硬化剤
としてアルミナセメントを含む耐火物にさらに、金属成
分である金属アルミニウムもしくはアルミニウム−シリ
コン合金粉末を含有する不定形耐火物については、アル
ミナおよびアルミナセメントの表面に生成する水和物被
覆用化合物と金属アルミニウムおよびアルミニウム合金
被覆用化合物とからなる水和防止剤を添加することが有
効である。
【0012】すなわち、かかる水和防止剤のうちの第一
の化合物は、アルミナおよびアルミナセメントの表面に
生成する水和物被覆用化合物である。この化合物の例と
しては、糖類、糖アルコール類、オキシアルデヒド類、
オキシカルボン酸類、ジカルボン酸類、ケトカルボン酸
類およびそれらの塩から選ばれる1種もしくは2種以上
であり、特に、ソルビトール、マンニトール、グルコー
ス、マンノース、ガラクトース、フルクトース、酒石酸
およびその塩のいずれか1種もしくは2種以上のものが
好適に用いられる。
【0013】この第一の化合物添加の目的は、アルミ
ナ、アルミナセメントの表面に生成する水和物の層を被
覆することにあり、このことによって、該水和物層と金
属アルミニウムもしくはアルミニウム−シリコン合金と
が直接接触するのを防止し、ひいてはこの両者の接触に
伴う水和反応を抑制するものである。しかしながら、時
間の経過とともに、アルミナ、アルミナセメント表面の
水和物の結晶がさらに成長し、第一の化合物による被覆
層から結晶の一部が突き出てくることがある。これによ
って、水和物と金属アルミニウムもしくはアルミニウム
−シリコン合金とが接触するようになり、水和反応が再
び始まる結果となる。
【0014】そこで、本発明においては上記水和防止剤
として、第二の化合物を採用することにした。この化合
物の役割は、金属アルミニウムおよびアルミニウム合金
の表面を被覆するための化合物である。この化合物の例
としては、アミノ酸類、トリアゾール類、チアゾール
類、アルキルアミン類あるいはシクロへキシルアミン類
から選ばれる1種もしくは2種以上であり、特に、グリ
シン、アラニン、グルタミン酸およびそれらの塩、ベン
ゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、ベンゾト
リアゾールカルボン酸およびそれらの塩、ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、亜硝酸ジシク
ロへキシルアンモニウムのいずれか1種もしくは2種以
上のものが好適に用いられる。
【0015】この第二の化合物の作用についてはまだ不
明な点が多いが、次のように考えられる。第二の化合物
は、鉄、銅などの防錆剤として使用されるものであり、
金属とキレートを作る性質をもっている。つまり、この
ような性質により第一の化合物とは異なり、金属アルミ
ニウムもしくはアルミニウム−シリコン合金の表面に被
覆層を形成する。この被覆層によりアルミナ、アルミナ
セメント粒子表面に生成した水和物や水中の0H- イオン
と金属アルミニウムもしくはアルミニウム−シリコン合
金との直接接触を妨げ、第一の化合物だけでは防止しき
れない水和反応を抑制するものである(図5)。
【0016】アルミナおよびアルミナセメントの表面に
生成する水和物被覆用の上記化合物の不定形耐火物中へ
の添加量は、0.02〜1.00wt%の範囲内とする。好ましく
は0.10〜0.50wt%の範囲内とする。なお、上記添加量が
0.02wt%未満の場合には十分な水和反応抑制効果が得ら
れない。このことは、図1、2に示すように、1wt%を
超えると硬化性状(硬化時間、成形体膨張率)への影響
が大きくなるとともに、水和反応抑制効果が低下するた
めである。
【0017】なお、上記水和物被覆用化合物は、耐火物
中に配合されているアルミナセメント量との関係で決め
ることが望ましい。すなわち、アルミナセメントに対し
て1〜70wt%の範囲内で添加する。また、かかる不定形
耐火物が施工後に、強制的に乾燥される等の高温にさら
される可能性のある場合にはこの水和物被覆用化合物
を、硬化性状などに悪影響を与えない範囲で2〜5倍程
度多めに添加することが望ましい。
【0018】次に、金属アルミニウムおよびアルミニウ
ム合金被覆用の上記化合物は、上記水和物被覆用化合物
の添加によっては抑制されない僅かな水和によって発生
する成型体膨張などの悪影響を避けるために用いられる
ものであり、その添加量は0.01〜0.50wt%の範囲内とす
る。より好ましくは0.05〜0.30wt%の範囲内とする。こ
の添加量が0.01wt%未満の場合には十分な水和反応抑制
効果が得られず、図3、4に示すように、0.50wt%を越
えると硬化性状(硬化時間、成形体膨張率)への影響が
大きくなるからである。
【0019】本発明においては、主要成分を構成するも
のとして、骨材、黒鉛、耐火物微粉等を配合する。ま
ず、不定形耐火物の骨格を構成する骨材の例としては、
アルミナが代表である。もちろん、その他の、マグネシ
ア、スピネル、ジルコン、シリカ、ジルコニア、けい
石、ろう石、バン土頁岩、シャモット、炭化けい素など
も単独もしくはアルミナとともに使用することができ
る。なお、これらの骨材は、密充填組織が得られるよう
に粗粒、中粒、微粒、微粉とそれぞれの粒度に分けて調
製されたものを組み合わせて用いることが望ましい。
【0020】次に、黒鉛の例としては、天然りん片状黒
鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛、無煙炭などが使用可能で
ある。これらの黒鉛は単独で使用する他に数種を混合し
て使用してもよい。ただし、上記黒鉛は、充填嵩密度が
0.8g/cc以上のもの、より好ましくは1.Og/cc以上のも
のを用いることが好ましい。なぜなら、充填嵩密度が0.
8g/cc未満であった場合には、該黒鉛粒子を含有する耐
火物組成物のスラリーの流動性が低下し、流動牲を確保
するための混練水量を多くする必要が生じる。ところ
が、この混練水量の増加は、耐火物の緻密性を低下さ
せ、耐食性の低下を引き起こし好ましくない結果を生
む。一方で、その耐食性の過度の低下を避けるために必
要な混練水量としては10wt%以下であることが好まし
い。なお、上記充填嵩密度とは、粉体を硝子容器などに
自然落下させた後に上下震動(タップ)を 500回加えた
のちの粉体体積で粉体重量を除した値である。
【0021】上記黒鉛は、平均粒経が1〜50μmの範囲
内の大きさであることが好ましい。その理由は、平均粒
経が1μm未満の場合には粒子の凝集によって嵩密度が
低下するからであり、一方、50μmを超える場合には耐
火物の耐食性が低下するからである。
【0022】上記黒鉛の添加量は、4〜40wt%の範囲内
とすることが望ましい。添加量が4wt%未満であると黒
鉛のもつ高熱伝導率や耐スラグ性の効果が充分に得られ
ない。一方40wt%を超えると可塑水量を増加せざるをえ
ず、これによって耐火物施工体の耐酸化性、耐食性が却
って低下してしまう。
【0023】本発明においては、上記骨材の他にさらに
他の微粉成分(炭素粉を含む)や、ファイバー類や金属
粉を添加してもよい。これらは特に限定されるものでな
く、不定形耐火物において一般的に使用されるものであ
って、流動性、充填性、焼結性などを向上させる作用を
もつものを使用する。例えば、アルミナ、ジルコン、ジ
ルコニア、シリカ、粘土、カーボンブラックのうちから
選ばれるいずれか1種または2種以上の微粉が使用でき
る。
【0024】また、本発明にかかる不定形耐火物中に
は、上述した骨格成分の他に、硬化剤として、アルミナ
セメントを用いる。もちろん、このアルミナセメントの
他にも必要に応じてシリカゾル、アルミナゾルなどを併
用して使用することは可能である。この硬化剤としての
アルミナセメントの配合量は、外掛けで 0.5〜 5.0wt%
とする。この理由は、配合量が 0.5wt%に満たない場合
には硬化作用が不十分であり、配合量が 5.0wt%を超え
る場合には耐食性を低下させるからである。
【0025】さらに、本発明にかかる不定形耐火物は、
熱間強度、耐スラグ性向上および黒鉛の酸化防止を図る
ために、金属アルミニウムもしくはその合金、例えばア
ルミニウムーシリコン合金などを添加する。これらの金
属あるいは合金の添加量は耐火物に対し、外掛けで 0.1
〜10wt%配合するのが望ましい。 0.1wt%未満では所定
の効果が得られず、逆に10wt%を超えると金属酸化物生
成時の体積膨張によって耐火物に緩みが発生するなど、
かえって耐食性の低下をもたらす。
【0026】なお、本発明にかかる不定形耐火物中に
は、上述した配合成分の他に、必要とされる分散剤など
を含有させる。例えば、トリポリリン酸ソーダ、へキサ
メタン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性へキ
サメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダなどの
無機塩、,クエン酸ソーダ、酒石酸塩、ポリアクリル酸
ソーダ、スルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸ソー
ダなどの有機塩から選ばれる1種または2種以上が使用
できる。これらのうち、上述した水和反応抑制剤として
も使用可能なものは兼用してもなんら差し支えない。
【0027】金属アルミニウムあるいはアルミニウム合
金を添加した耐火物では、昇温、使用中に耐火物中のア
ルミニウムとカーボンとの反応でアルミニウムカーバイ
ドが生成する可能性があり、これは使用途中における補
修時において補修材に含まれる水分と反応して体積膨張
やガス発生など、好ましくない影響を及ぼすことがあ
る。この問題を回避するために、カーバイド生成自体を
抑制するほう素化合物の添加や、アルミニウムあるいは
アルミニウム合金粉末の形状をリン片状化することや、
カーバイドと水との反応性を低減するシリコンを添加す
ることなどの方法をとることも可能である。
【0028】
【実施例】この実施例に供試した不定形耐火物は、耐火
物骨材(アルミナ)、黒鉛(土状黒鉛、50%径26.7μ
m、充填密度0.90 g/cc)、硬化材(アルミナセメン
ト)、金属粉および水和防止剤とを混合し、その混合物
に十分な流動性が得られるよう水を添加して混練し、次
にその混練組成物を40×40× 160mmの型枠に流し込んで
成形体とした。表1〜4は、かかる供試成形体について
の、耐火物骨材、黒鉛、硬化材、合金、添加物、可塑水
量などの配合割合を示す。
【0029】上記各表には、その他に成形体の耐火物特
性についても示した。そのうち、成形体の硬化時間は、
比較例1を 100として指数化して示したものであり、数
字の大きいものほど硬化時間が長いことを示している。
また、成形体の体積変化率は、成形体を一晩室温で放置
した後に脱枠して 110℃で5時間乾燥させた後の変化率
である。ここで、数字のプラスは成形体が膨張し、マイ
ナスは収縮したことを示している。なお、図1〜図4
は、本発明例におけるソルビトールおよびグリシン添加
量と硬化時間および成形体膨張率との関係を示すもので
ある。さらに、耐食性試験は成形体を不活性雰囲気下で
1400℃にて焼成したものについて行ったものである。す
なわち、高周波炉を使用し、銑鉄15kg、高炉スラグ 0.2
kgを1580℃で溶融させ、上記成形体を5時間浸漬して成
形体の損耗(=スラグ侵透量)程度を測定し、比較例1
を 100として指数化したものであって、数字の大きいも
のほど損耗が大であることを示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表1〜4および図1〜4に示す結果から明
らかなように、 (1)表1の発明例1〜8および比較例2〜4は、アル
ミナ、アルミナセメント表面に生成する水和物被覆用化
合物の添加の量が適合、不適合の例であるが、本発明例
の方が、成形体体積膨張およびスラグ浸食量の指数とも
良好であることがわかる。 (2)表2の発明例9〜14に対し、比較例5〜7は金属
アルミニウムおよびアルミニウム合金被覆用化合物の添
加量が適合、不適合の例であるが、本発明例の方が硬化
時間が比較的短く、かつ成形体体積膨張およびスラグ浸
食量の指数が良好である。(3)表3は、アルミナ、ア
ルミナセメント表面に生成する水和物被覆用化合物とし
て他の化合物(マンニトール、グルコース、マンノー
ス、ガラクトース、フルクトース、酒石酸Na)を使用し
た発明例、また表4は金属アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金被覆用化合物として、BTA、5−M−BT
A、BTA−COOH、1−OH−BTA、3−アミノ
−トリアゾール、DICHAN、アラニン、グルタミン
酸ソーダを使用した例であるが、いずれも硬化時間、成
形体体積膨張およびスラグ浸食量の指数が良好であるこ
とが確認された。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、不
定形耐火物主成分中にアルミナ、アルミナセメント表面
に生成する水和物被覆用化合物、金属アルミニウムおよ
びアルミニウム合金被覆用化合物の2種の化合物からな
る水和防止剤を添加することにより、金属アルミニウム
もしくはアルミニウム−シリコン合金との間で起こる水
和反応を効果的に抑制することができるので、冶金用不
定形耐火物の耐用性と施工性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソルビトール添加量と成形体硬化時間との関係
を示すグラフ。
【図2】ソルビトール添加量と成形体体積膨張率との関
係を示すグラフ。
【図3】グリシン添加量と成形体硬化時間との関係を示
すグラフ。
【図4】グリシン添加量と成形体体積膨張率との関係を
示すグラフ。
【図5】水和のメカニズムを表す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 磯村 敬一郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 熊谷 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 城野 勝文 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 森 淳一郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 鳥谷 恭信 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分として少なくとも耐火物骨材、黒鉛
    および耐火物微粉を含み、その他にアルミナセメントと
    金属アルミニウムもしくはその合金を含有する耐火物粉
    にさらに、アルミナおよびアルミナセメントの表面に生
    成する水和物被覆用化合物と金属アルミニウムおよびア
    ルミニウム合金被覆用化合物とからなる水和防止剤を添
    加してなる黒鉛含有不定形耐火物。
  2. 【請求項2】主成分として少なくとも耐火物骨材、黒鉛
    および耐火物微粉を含み、その他にアルミナセメントと
    金属アルミニウムもしくはその合金を含有する耐火物粉
    にさらに、糖類、糖アルコール類、オキシアルデヒド
    類、オキシカルボン酸類、ジカルボン酸類およびケトカ
    ルボン酸類、またはそれらの塩の中から選ばれるいずれ
    か1種もしくは2種以上の化合物と、アミノ酸類、トリ
    アゾール類、チアゾール類、アルキルアミン類およびシ
    クロヘキシルアミン類の中から選ばれるいずれか1種も
    しくは2種以上の化合物とからなる水和防止剤を添加し
    てなる黒鉛含有不定形耐火物。
  3. 【請求項3】上記水和防止剤の添加量は、糖類、糖アル
    コール類、オキシカルボン酸類、ジカルボン酸類、ケト
    カルボン酸類およびオキシアルデヒド類、またはそれら
    の塩の中から選ばれるいずれか1種もしくは2種以上の
    化合物を0.02〜1.00wt%、アミノ酸類、トリアゾール
    類、チアゾール類、アルキルアミン類およびシクロヘキ
    シルアミン類の中から選ばれるいずれか1種もしくは2
    種以上の化合物を0.01〜0.50wt%の範囲内で添加するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の黒鉛含有不定形耐火
    物。
JP9081131A 1997-03-31 1997-03-31 黒鉛含有不定形耐火物 Pending JPH10279371A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9005577B2 (en) 2008-04-30 2015-04-14 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Substrate based PET imaging agents
JP2018058727A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 黒崎播磨株式会社 水系耐火目地モルタル
WO2018099853A1 (de) * 2016-11-29 2018-06-07 Rütgers Germany GmbH Verfahren zur herstellung kohlenstoffgebundener, feuerfester formkörper und feuerfester formkörper

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