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JP2018058727A - 水系耐火目地モルタル - Google Patents

水系耐火目地モルタル Download PDF

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翔平 前野
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Abstract

【課題】金属Al含有粉末を配合した水系耐火目地モルタルにおいて、簡単な手法で金属Al含有粉末の水和反応を抑制しつつ、耐食性を向上させる。【解決手段】耐火材料に対して外掛けで、金属Al含有粉末を0.1〜10質量%、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを0.01〜2質量%配合した。ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つが金属Al含有粉末の周りに保護コロイドを形成し、金属Al含有粉末の水和反応を抑制する。【選択図】なし

Description

本発明は、製鉄業、産廃処理業などで使用される各種窯炉に好適に使用される水系耐火目地モルタルに関する。なお、水系耐火目地モルタルとは、混練時に水を使用する耐火目地モルタルのことをいう。
従来、溶銑鍋、溶鋼取鍋、DH、RH、焼却炉などの窯炉用耐火物としては、定形耐火物、特に炭素含有定形耐火物が多用されている。この炭素含有定形耐火物には、強度及び耐食性の改善を目的として、耐火物配合中に、金属Al粉末、あるいは金属Al−Si粉末、金属Al−Mg粉末などの金属Al合金粉末が配合されることは、既によく知られているところである(本明細書では金属Al粉末と金属Al合金粉末を総称して金属Al含有粉末という。)。そして、これらの金属Al含有粉末の配合による性能改善の作用機構は、以下のとおりであると考えられている。
(a)使用中の高温雰囲気下で炭化アルミニウム(Al)の強化組織(ボンド)を生成する。
(b)金属Al含有粉末が高温雰囲気下で酸化されることにより、耐火物のマトリックスを緻密にする。
(c)金属Al含有粉末が炭素より優先的に酸化され、炭素の酸化防止剤として働く。
一方、定形耐火物を窯炉に内張りする際、一般的に耐火目地モルタルが使用される。ところが、従来の耐火目地モルタルは定形耐火物よりも耐食性に劣るため、その耐火目地モルタル部が先行溶損し、窯炉全体の寿命を低下させるという問題があった。
そこで、耐火目地モルタルにおいても前述の炭素含有定形耐火物と同様に金属Al含有粉末を配合し、前述の(a)〜(c)の作用機構により耐食性を向上させることが考えられる。
しかしながら、水系耐火目地モルタルの場合、単に金属Al含有粉末を配合しても、十分な耐食性の向上効果は得られない。なぜなら、水系耐火目地モルタルの場合、ほとんど水を使用せずにプレス成形をする定形耐火物と異なり、混練時に水を使用するため、金属Al含有粉末が水と激しく反応(水和反応)し、水素ガスを発生するからである。
ここで、特許文献1には、水系耐火目地モルタルに金属Al含有粉末を配合することで、耐食性が向上することが示されている。しかし、水系耐火目地モルタルの実際的な使用状況としては、施工日より前の日に水と混練されて放置される場合もあるため、この場合、金属Al含有粉末は長時間にわたって水と接触する。その結果、金属Al含有粉末はこの放置時に激しく熱を伴いながら水和反応により水素ガスを発生させてしまい、耐火目地モルタルとして重要な特性である流動性を消失させてしまう。さらに、夏場などの暑い時期に放置されれば、前記水和反応は顕著に生じ、水素ガスによる爆発事故も起こりうるという点ではなはだ危険である。
また、特許文献2には、金属Al粉末の水との水和反応の抑制に、ホウ酸、ホウ酸塩、ケイ酸塩などが効果的であるとする記載がある.しかし、特許文献2は、キャスタブルの爆裂防止を目的として、そのキャスタブルに爆裂防止剤として金属Al粉末を添加するという主旨の内容であって、キャスタブルには自硬化性をもたせなければならないという都合上、凝膠剤(アルミン酸石灰:アルミナセメント)が添加されているような状況下で、最終的に金属Al粉末は水素ガスの発生を伴いながら発熱することによって当該文献の目的である爆裂防止剤として機能するものである。すなわち、特許文献2では、最終的には金属Al粉末を水和反応させて水素ガスを発生させることを前提としている。しかるに、金属Al粉末が水和反応により水酸化アルミニウムへ変化してしまうと、前述の(a)〜(c)の作用機構はもはや得られない。
このようなことから、特許文献3には、金属Al粉末の表面にベーマイト層を形成し、ベーマイト層の上に燐酸塩被覆膜を形成することで、水和反応を抑制して水素ガスの発生を抑える旨が記載されている。
しかし、この特許文献3の手法ではベーマイト層を形成する工程を必要とするため、実用化に時間とコストを要するという問題があった。
特開平8−283074号公報 特開昭53−66917号公報 特許第2909582号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属Al含有粉末を配合した水系耐火目地モルタルにおいて、簡単な手法で金属Al含有粉末の水和反応を抑制しつつ、耐食性を向上させることにある。
本発明者らは、金属Al含有粉末を配合した水系耐火目地モルタルにおいて、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを適量配合することによって、金属Al含有粉末の水和反応をほぼ完全に防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、次の(1)〜(4)の水系耐火目地モルタルが提供される。
(1)耐火材料に対して外掛けで、金属Al含有粉末を0.1〜10質量%、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを0.01〜2質量%配合している水系耐火目地モルタル。
(2)前記耐火材料に塩基性酸化物原料を含む、(1)に記載の水系耐火目地モルタル。
(3)前記耐火材料に中性酸化物原料を含む、(1)に記載の水系耐火目地モルタル。
(4)前記耐火材料に炭素原料及び炭化珪素原料の少なくとも1つを1〜20質量%含む、(1)から(3)のいずれかに記載の水系耐火目地モルタル。
本発明によれば、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを配合するという簡単な手法で金属Al含有粉末の水和反応を抑制することができ、これにより、金属Al含有粉末による前述の(a)〜(c)の作用機構をいかんなく発揮させ、耐食性を向上させることができる。
耐食性を評価するための回転侵食試験に供した供試試料を概念的に示す。 回転侵食試験後の侵食量を概念的に示す。
本発明の水系耐火目地モルタルは、耐火材料に対して外掛けで、金属Al含有粉末を0.1〜10質量%、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを0.01〜2質量%配合してなる。このようにホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを適量配合することによって、前述のとおり、金属Al含有粉末の水和反応をほぼ完全に防止できる。具体的には、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つが金属Al含有粉末の周りに保護コロイドを形成し、金属Al含有粉末の水和反応を抑制する。
本発明の水系耐火目地モルタルは、マグクロれんがが内張りされるRHなど二次精錬容器などのモルタルとして使用されるほか、炭素原料を配合したモルタルは、とりわけ炭素含有れんがの目地モルタルとして、優れた性能を発揮する。例えば、溶銑、溶鋼取鍋のMgO−C質れんが、MgO−Al−C質れんが、あるいはまた、混銑車などに内張りされるAl−SiC−Cれんがなどの炭素含有れんがの目地モルタルとして、好適である。
以下、本発明で使用する耐火原料、及び耐火原料に外掛けで配合する配合原料の具体例とその適切な配合割合などについて説明する。
本発明で耐火原料に使用する塩基性酸化物原料は、典型的にはマグネシア原料であって、焼結品、電融品のいずれかを用い、純度的に90%以上であれば、マグネサイトなど天然品でも良い。また、粒度的には、従来のモルタルと同様、作業性などを阻害しないように、0.3mm以下に調整することが好ましい。塩基性酸化物原料は、耐火材料中に65〜99質量%含有するのが好ましい。
本発明で耐火原料に使用する中性酸化物原料は、典型的にはアルミナ原料であって、焼結品、電融品のいずれかを用い、純度的に90%以上であれば、ボーキサイトなど天然品でも良い。また、粒度的には、従来のモルタルと同様、作業性などを阻害しないように、0.3mm以下に調整することが好ましい。中性酸化物原料は、耐火材料中に65〜99質量%含有するのが好ましい。
本発明で耐火原料に使用する炭素原料は、カーボンブラックのほか、人造黒鉛、コークス、土状黒鉛、鱗状黒鉛などであるが、おおむね純度が90%以上の炭素原料であれば良い。また、その粒子径は0.3mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。また、本発明で耐火原料に使用する炭化珪素原料は、純度が90%以上の炭化珪素原料であれば問題なく使用でき、その粒子径は0.3mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。これら炭素原料及び炭化珪素原料は、スラグの浸潤などを防止して耐食性を向上させる点から、耐火材料中に1〜20質量%含有するのが好ましい。
本発明の水系耐火目地モルタルの耐火原料には前述の各原料のほか、通常のモルタルと同様に耐火粘土を使用する。耐火粘土とは、木節粘土、ボールクレー、ベントナイト等の可塑性粘土であり、施工時の鏝伸びなど、作業性付与のためにも有用である。また、メカニズムは定かではないが、耐火粘土の共存下において、前述のとおりホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを配合することにとり、これらのホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つが金属Al含有粉末の周りに保護コロイドを形成し、金属Al含有粉末の水和反応を抑制する効果が顕著に現れる。
本発明で耐火原料に対して外掛けで配合するホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸のうち、ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられるが、オルトホウ酸が好ましい。ホウ酸塩は、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などの塩の総称であるが、ホウ砂などの天然品でも良い。また、カルボン酸は、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸などのカルボキシル基を有する化合物であり、特にクエン酸が好ましい。
これらホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の配合量は、前述の水和反応を抑制する効果を発揮するには0.01質量%以上が必要で、2質量%超であると、モルタルの主原料成分と反応して低融物を生成し、耐食性が低下してしまう。なお、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の好ましい配合量は、耐火材料に塩基性酸化物原料を使用する場合は0.2〜0.5質量%、耐火材料に中性酸化物原料を使用する場合は0.05〜0.3質量%である。
本発明で耐火原料に対して外掛けで配合する金属Al含有粉末は、前述の(a)〜(c)の作用機構を発揮し、特に、高温域での自身の酸化あるいはモルタルの主原料成分と反応し、その反応により緻密化する機能と、炭素原料が共存した場合の酸化防止機能を発揮し、結果的に、耐食性の向上に寄与する。なお、金属Al含有粉末とは前述のとおりAl合金粉末を含む概念であり、Al合金には、Al−Mg合金、Al−Si合金、Al−Mg−Si合金、Al−Mg−Ca合金などがある。また、金属Al含有粉末の粒子径は0.3mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。金属Al含有粉末の配合量としては、0.1質量%以下では、その効果が確認できず、10質量%を超えると耐食性の低下を招くとともにコストアップの要因となる.金属Al含有粉末の好ましい配合量は、0.5〜5質量%である。
これらのほか、本発明の水系耐火目地モルタルには、酸化防止剤として、炭化ホウ素(BC)、ホウ化ジルコニウム(ZrB)など、ホウ酸及びホウ酸塩以外のホウ素化合物を耐火材料に対して外掛けで配合してもよく、本発明の効果を阻害するものではない。また、作業付与剤として、デキストリン、アラビアゴム、CMC、リグニンスルフォン酸ソーダなどを適宜選択使用してもよい。
一方、本発明の水系耐火目地モルタルには、アルミナセメントなどの結合剤は配合しない。
表1及び表2に示す各例の水系耐火目地モルタルについて、次の要領で発ガス状態及び耐食性を評価し、これらの評価結果に基づき総合評価を行った。
発ガス状態
表1及び表2に示す各例の配合に対して適量(外掛けで15〜35質量%程度)の施工水を添加して混練し、この混練物(モルタル)を円筒の容器中に詰め、20℃の条件下において1日放置し、ガス発生の有無を目視観察して評価した。
耐食性試験
耐食性は、回転侵食試験にて評価した。具体的には、表1及び表2に示す各例の配合に対して適量(外がけで15〜35質量%程度)の施工水を添加して混練し、この混練物(モルタル)を稼動面に対して垂直に25φ×35mmの円柱状の孔を空けた定形耐火物(表1に記載の例ではMgO−Cれんがを、また、表2に記載の例ではAl−SiC−Cれんがを使用)へ鋳込み、供試試料とした(図1)。なお、本来は実際的な使用状況を模擬するため、混練後、1日放置した後のモルタルを使用したかったが、比較例に示したホウ酸無添加系では前述のように水素ガスの発生によって流動性が消失して鋳込むことが不可能であったことから、前述のとおり流動性を有している混練直後のモルタルを定形耐火物に鋳込み、20℃の条件下において1日放置した後に、ガスの発生によって水平面から盛り上がった部分をそぎ落とし、乾燥させて図1の供試試料とした。
これらの供試試料を水平の回転軸を有するドラムの内面にライニングし、スラグを投入、加熱してモルタル表面を侵食させた。加熱源は酸素−プロパンバーナーとし、試験温度は1500℃、スラグ組成はCaO/SiO=1.0、FeO=1.5質量%とし、スラグの排出、投入を30分毎に10回繰り返した。
試験終了後、試料を中央で切断し、各モルタルの最大溶損部の寸法を計測して侵食量を算出し(図2)、塩基性酸化物原料(焼結マグネシア粉末)を主とした表1の各例の場合は表1中の「比較例1」の侵食量を100とする溶損指数で表示した(表1の溶損指数=100×各例の侵食量(cm)/比較例1の侵食量(cm))。また、中性酸化物原料(焼結アルミナ粉末)を主とした表2の各例の場合は表2中の「比較例11」の侵食量を100とする溶損指数で表示した(表2の溶損指数=100×各例の侵食量(cm)/比較例11の侵食量(cm))。この溶損指数は数値の小さいものほど耐食性に優れることを示す。
総合評価
発ガス状態の評価でガス発生無であって、かつ溶損指数が90未満の場合を○(良好)、発ガス状態の評価でガス発生有又は溶損指数が90以上の場合を×(不良)とした。
表1の各例は、耐火原料に塩基性酸化物原料(焼結マグネシア粉末)を使用したものである。以下、表1を(1−1)〜(1-4)に分けて説明する。
(1−1)
比較例2は、金属Al粉末を配合していない比較例1に対し金属Al粉末を配合した例であるが、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸のいずれも配合していないため、金属Al粉末から水素ガスが発生し、気孔率が大きくなった結果、耐食性が著しく低下した。これに対して実施例1〜3では、ホウ酸、ホウ酸塩又はカルボン酸を配合しているため、比較例2と異なり水素ガスの発生がなく、気孔率が大きくならないので、耐食性は大幅に向上した。
(1−2)
比較例3はホウ酸の配合量が少なすぎる例で、金属Al粉末からの水素ガスの発生を招き、気孔率が大きくなってしまうので耐食性は低下した。一方、比較例4はホウ酸の配合量が多すぎる例で、金属Al粉末から水素ガスは発生しないものの、ホウ酸自身あるいは焼結マグネシア粉末と反応して低融物を生成してしまうため、耐食性の向上は認められなかった。これに対して、ホウ酸の配合量が本発明の範囲にある実施例4、5では、水素ガスの発生がなく、かつ、低融物の生成も少ないため耐食性が向上した。
(1−3)
比較例5は金属Al粉末の配合量が少なすぎる例で、金属Al粉末による耐食性の向上効果は見られなかった。一方、比較例6は金属Al粉末の配合量が多すぎる例で、金属Al粉末が焼結マグネシア粉末と反応して過剰なスピネルを生成し、成分的な関係から耐食性は低下した。これに対して、金属Al粉末の配合量が本発明の範囲にある実施例6、7では、熱間で金属Al粉末がボンドを形成して緻密化し、過剰なスピネルも生成することがないので、耐食性は向上した。
(1−4)
比較例7は耐火原料に炭化珪素粉末(炭化珪素原料)及び土状黒鉛粉末(炭素原料)を使用した例であるが、耐食性は殆んど向上しなかった。また、比較例8は比較例7の耐火原料に金属Al粉末を配合した例で、金属Al粉末の配合により耐食性が向上すると思いきや、発ガスの影響で気孔率が大きくなって、むしろ劣化した。これに対して、実施例8〜10では、ホウ酸、ホウ酸塩又はカルボン酸を配合しているため、比較例8と異なり水素ガスの発生がなく、気孔率が大きくならないことに加え、炭素原料の十分な酸化防止効果とマトリクス部の緻密化効果が得られ、耐食性は大きく向上した。
表2の各例は、耐火原料に中性酸化物原料(焼結アルミナ粉末)を使用したものである。以下、表2を(2−1)〜(2-4)に分けて説明する。
(2−1)
比較例12は、金属Al粉末を配合していない比較例11に対し金属Al粉末を配合した例であるが、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸のいずれも配合していないため、金属Al粉末から水素ガスが発生し、気孔率が大きくなった結果、耐食性が著しく低下した。これに対して実施例11〜13では、ホウ酸、ホウ酸塩又はカルボン酸を配合しているため、比較例12と異なり水素ガスの発生がなく、気孔率が大きくならないので、耐食性は大幅に向上した。
(2−2)
比較例13はホウ酸の配合量が少なすぎる例で、金属Al粉末からの水素ガスの発生を招き、気孔率が大きくなってしまうので耐食性は低下した。一方、比較例14はホウ酸の配合量が多すぎる例で、金属Al粉末から水素ガスは発生しないものの、ホウ酸自身あるいは焼結アルミナ粉末と反応して低融物を生成してしまうため、耐食性の向上は認められなかった。これに対して、ホウ酸の配合量が本発明の範囲にある実施例14、15では、水素ガスの発生がなく、かつ、低融物の生成も少ないため耐食性が向上した。
(2−3)
比較例15は金属Al粉末の配合量が少なすぎる例で、金属Al粉末による耐食性の向上効果は見られなかった。一方、比較例16は金属Al粉末の配合量が多すぎる例で、耐食性の向上効果はみられなかった。これに対して、金属Al粉末の配合量が本発明の範囲にある実施例16、17では、熱間で金属Al粉末がボンドを形成して緻密化し、耐食性は向上した。
(2−4)
比較例17は耐火原料に炭化珪素粉末(炭化珪素原料)及び土状黒鉛粉末(炭素原料)を使用した例であるが、耐食性は殆んど向上しなかった。また、比較例18は比較例17の耐火原料に金属Al粉末を配合した例で、金属Al粉末の配合により耐食性が向上すると思いきや、発ガスの影響で気孔率が大きくなって、むしろ劣化した。これに対して、実施例18〜20では、ホウ酸、ホウ酸塩又はカルボン酸を配合しているため、比較例18と異なり水素ガスの発生がなく、気孔率が大きくならないことに加え、炭素原料の十分な酸化防止効果とマトリクス部の緻密化効果が得られ、耐食性は大きく向上した。

Claims (4)

  1. 耐火材料に対して外掛けで、金属Al含有粉末を0.1〜10質量%、ホウ酸、ホウ酸塩及びカルボン酸の少なくとも1つを0.01〜2質量%配合している水系耐火目地モルタル。
  2. 前記耐火材料に塩基性酸化物原料を含む、請求項1に記載の水系耐火目地モルタル。
  3. 前記耐火材料に中性酸化物原料を含む、請求項1に記載の水系耐火目地モルタル。
  4. 前記耐火材料に炭素原料及び炭化珪素原料の少なくとも1つを1〜20質量%含む、 請求項1から3のいずれかに記載の水系耐火目地モルタル。
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