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JPH1023615A - 電気自動車の走行制御装置 - Google Patents

電気自動車の走行制御装置

Info

Publication number
JPH1023615A
JPH1023615A JP8171040A JP17104096A JPH1023615A JP H1023615 A JPH1023615 A JP H1023615A JP 8171040 A JP8171040 A JP 8171040A JP 17104096 A JP17104096 A JP 17104096A JP H1023615 A JPH1023615 A JP H1023615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
torque
vehicle
creep
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8171040A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Takeda
敏彦 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP8171040A priority Critical patent/JPH1023615A/ja
Publication of JPH1023615A publication Critical patent/JPH1023615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アクセル操作の無い車両停止時において確実に
車両停止状態を保持する。 【解決手段】車両にはバッテリ11からの給電により駆
動する走行モータ30が搭載されており、この走行モー
タ30はディファレンシャルギヤ及び駆動軸を介して車
輪に連結されている。車両は走行モータ30が発生する
駆動トルクにより走行する。電子制御装置50内のCP
U52は、車両の停車時において、走行モータ30の回
転情報(回転方向、回転数)を取得し、その回転情報か
ら正負いずれの方向にクリープトルクが必要であるかを
決定する。この場合、上り坂であれば正のクリープトル
ク、下り坂であれば負のクリープトルクにより走行モー
タ30を駆動させると共に、モータ回転の増加・減少の
反転に伴ないモータ駆動トルクの正負を方向転換させ
る。さらに、モータ回転数が目標回転数に達した時点で
モータ駆動トルクを現状維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行モータにより
車両の車輪を駆動する電気自動車に係り、当該電気自動
車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電気自動車では、走行モータが
発生する駆動トルクにより車輪が回転し、車両が走行す
る。また、同電気自動車では、車両停止時において走行
モータの回転数を略0にまで低下させることができるた
め、エンジンの駆動により走行する車両とは異なり、駆
動力の断続を行うためのクラッチが不要となる場合が多
い。一方で、坂道発進時における車両の後退を防止する
べく走行モータに微少トルクを発生させ、エンジン搭載
AT車のようなクリープ動作を行わせるようにした電気
自動車も提案されている(このクリープ動作時に必要な
トルクをクリープトルクと言う)。
【0003】上記のようなクリープ動作を行わせるよう
にした電気自動車の走行制御装置として、例えば特開平
7−184304号公報に開示された制御装置では、車
両のブレーキ操作が無い場合において予め設定されてい
る所定量のクリープトルクにより走行モータが駆動され
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報記
載の制御装置では、以下に示す問題を生じる。つまり、
上記従来技術では、車両のクリープ動作を予め設定され
ている所定量のクリープトルクで行わせるようにしてい
るため、車両が坂道で停車した際にはクリープトルクの
過不足を招き、車両が停止しないで動いてしまうという
事態を招く。また、運転者の意図に反した方向にクリー
プトルクが作用し、車両が加速される等の問題を招くお
それがあった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためのものであって、その目的とするところは、アクセ
ル操作の無い車両停止時において確実に車両停止状態を
保持するとができる電気自動車の走行制御装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、車両停止時における前記
走行モータの回転方向と回転数とを検出するモータ回転
情報検出手段と、前記モータ回転情報検出手段により検
出されたモータ回転情報に基づいてモータ駆動トルクが
正負いずれの方向に必要であるかを判定するトルク方向
判定手段と、前記モータ回転情報検出手段により検出さ
れたモータ回転情報に基づいて当該走行モータの必要ト
ルク量を求めると共に、該求めたトルク量と前記トルク
方向判定手段による判定結果とに基づいて前記走行モー
タを制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とし
ている。
【0007】要するに、車両が停車した路面が坂道であ
ると、車両が不用意に後退したり前進したりすることが
ある。しかし、上記構成によれば、車両停止時における
走行モータ(車両)の挙動に応じてモータ駆動トルク
(クリープトルク量)を適正に制御することができる。
この場合、モータ駆動トルクは、当該トルクを付与する
方向とその必要量とが路面状態に応じて制御され、路面
が上り坂であれば正転方向(車両が前進して上り坂を登
ろうとする方向)のモータ駆動トルクが付与され、路面
が下り坂であれば逆転方向(車両が後退して下り坂を登
ろうとする方向)のモータ駆動トルクが付与されること
となる。つまり、本発明では、モータの回転方向から間
接的に路面状態(路面の傾斜状態)を推測し、該路面状
態に基づいて走行モータのクリープトルク量を可変に制
御することができる。そのため、車両が坂道を下る方向
に動作したり、意図せぬ方向に動作したりする等の問題
が解消できる。その結果、クリープトルク量の過不足を
招くことがなく、アクセル操作の無い状態で車両を確実
に停止させることができる。また、坂道発進時において
車両が後退する等の不都合を招くことも無い。
【0008】なお、車両が停車した路面が平坦路であっ
て、その時のモータ回転数=0であれば、モータ駆動ト
ルク(クリープトルク量)を初期値の「0」に保持して
おくのが望ましい。この場合、必要以上のモータ駆動ト
ルクを発生させ、電力の余分な消費を抑制することがで
きる。
【0009】請求項2に記載の発明では、車両のクリー
プ動作開始当初におけるモータ回転方向が反転したこと
を検出する反転検出手段を備え、前記モータ制御手段
は、前記反転検出手段によりモータ回転方向の反転が検
出された後において、当初のモータ駆動トルクとは正負
逆方向のトルクを生じさせる。
【0010】つまり、車両が停車した路面が坂道である
場合において、正負いずれか一方向のみのモータ駆動ト
ルク(クリープトルク)で走行モータを制御したので
は、当該トルク方向に対し必要量を超えるトルクで走行
モータを駆動させてしまうおそれがある。しかし、前記
の如く、モータ回転の反転に伴ないモータ駆動トルクの
正負を方向転換させれば、上記のような不都合が解消さ
れる。
【0011】請求項3に記載の発明は、モータ駆動トル
クの正負を方向転換した後において、モータ回転数が目
標回転数に一致すればその際のモータ駆動トルクを維持
するようにしている。この場合、当該車両が停止した状
態を継続的に保持することができる。
【0012】上記請求項1〜3に記載では、車両が坂道
で停車した場合において、(1)坂道を登る方向に走行
モータのクリープトルク(モータ駆動トルク)を発生さ
せて当該車両をクリープ動作させ、(2)モータ回転が
反転すると、それに伴なってクリープトルクの方向(正
負の方向)を逆にし、(3)モータ回転数が目標回転数
に達した時点でクリープトルクを現状維持するようにし
た。これにより、車両停止状態における最適な車両制御
が実現できる。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記モータ回転
方向の反転が検出されてからモータ駆動トルク(クリー
プトルク)の正負を方向転換するまでにおいて、時間差
を設けている。この場合、クリープトルクはオーバーシ
ュート気味に変化することとなるが、このようなトルク
変化を与えることによってモータ回転数を目標回転数に
対していち早く収束させることができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、車両のクリープ
動作開始当初における加速度を推定する加速度検出手段
を備え、前記モータ制御手段は、前記推定された加速度
に基づき前記走行モータの必要トルク量を補正する。つ
まり、車両が停車した路面が坂道であれば、車両自体の
動作、若しくはモータ回転が加速度を伴なって変化す
る。この加速度は路面の傾斜が大きいほど大きくなる傾
向にある。従って、上記加速度に応じて走行モータの必
要トルク量(クリープトルク量)を制御すれば、路面状
態に合致したトルク制御が実現できる。具体的には、加
速度が大きいほど、クリープトルク量を大きくするのが
望ましい。
【0015】請求項6に記載の発明では、前記モータ制
御手段は、車両重量が大きいほど、前記走行モータの必
要トルク量の正側或いは負側への補正量を大きくする。
つまり、車両重量が大きくなると、坂道停車の車両の加
速度が大きくなる。そこで、本発明では、車両重量に応
じて必要トルク量(クリープトルク量)を補正し、より
一層正確なトルク制御を可能とする。
【0016】請求項7に記載の発明では、前記モータ制
御手段は、車両停止の状態からアクセル操作が行われた
際において、車両停止の状態で付与していたトルク量に
その時のアクセル操作量に応じた駆動トルク量を加算し
て当該加算結果により前記走行モータを制御すると共
に、当該アクセル操作の開始以降、前記車両停止の状態
で付与していたトルク量を徐々に減じさせるようにして
いる。
【0017】つまり、車両停止の状態からアクセル操作
状態への移行時において、その移行当初(走行開始当
初)は、路面の傾斜状態に応じたクリープトルク分が加
算又は減算(クリープトルク<0の時)された駆動トル
クにより走行モータが制御され、その後、走行時間の経
過に伴って前記トルクの加算又は減算分が徐々に削除さ
れる。より具体的には、路面が上り坂であれば、アクセ
ル操作の開始当初においてクリープトルク分だけ駆動ト
ルクが加算指令され、このトルクの加算指令は徐々に解
除される。また、路面が下り坂であれば、アクセル操作
の開始当初においてクリープトルク分だけ駆動トルクが
減算指令され、このトルクの減算指令は徐々に解除され
る。
【0018】この場合、坂道発進時であっても車両が不
用意に後退したり、加速したりすることはなく、路面の
傾斜状態に応じた適切なトルク制御が可能となる。ま
た、前記の如く加算又は減算されたクリープトルクは徐
々に減じられるため、当該クリープトルクが与える影響
は少しずつ低減される。従って、アクセル操作の開始当
初において過大なトルク変動により生じるショックや、
ドライバビリティの悪化を招くこともない。
【0019】なお、本明細書では、走行モータを車両前
進方向に駆動するためのトルクを「正のトルク」と言
い、走行モータを車両後退方向に駆動するためのトルク
を「負のトルク」と言うこととする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図2は、本実施の形態における電
気自動車の全体を示す概略構成図である。図2におい
て、車両1の四隅には前輪2a,2b及び後輪3a,3
bが配設され、各々に対向する車輪は車軸4,5により
連結されている。前輪2a,2bの車軸4中央部には、
ディファレンシャルギヤ6が配設されており、このディ
ファレンシャルギヤ6には、交流モータからなる走行モ
ータ30の駆動軸7が接続されている。つまり、走行モ
ータ30が駆動(回転)すると、その駆動力は駆動軸
7、ディファレンシャルギヤ6及び車軸4を介して前輪
2a,2bに直接的に伝達され、車両1が前進方向又は
後退方向に走行するようになっている。このとき、走行
モータ30の回転方向と車両1の進行方向とは常に一致
しており、本実施の形態では車両前進時の走行モータ3
0の回転方向を正転方向と言い、車両後退時の走行モー
タ30の回転方向を逆転方向と言う。
【0021】また、車両1には、400V(ボルト)程
度の高電圧を出力するバッテリ11(直流電源)が搭載
されており、同バッテリ11は本電気自動車の主電源の
役割をなす。さらに、車両1には、前記走行モータ30
の駆動トルクを制御して車両1を走行させるためのイン
バータ回路20及び電子制御装置50が搭載されてい
る。
【0022】次に、本実施の形態における電気自動車シ
ステムの電気的構成を図1を参照しながら説明する。図
1において、バッテリ11の直流出力電圧は、インバー
タ回路20によって3相交流に変換され、該変換された
U相、V相、及びW相の3相交流電流によって走行モー
タ30が駆動される。
【0023】一方、走行モータ30にはその出力軸に回
転センサ40が設けられ、同センサ40により検出され
たモータ回転数情報NMはマイクロコンピュータ等から
なる電子制御装置50に取り込まれる。この回転センサ
40としては、レゾルバのような誘導型素子やロータリ
エンコーダ等が用いられ、同センサ40がモータ回転情
報検出手段に相当する。
【0024】またこの電子制御装置50には、アクセル
ペダル60に設けられたアクセルセンサ61によって検
出されるアクセル位置情報ACLや、ブレーキペダル8
0に設けられたブレーキセンサ81によって検出される
ブレーキ位置信号BRKも併せ取り込まれる。そして、
電子制御装置50では、この取り込まれるアクセル位置
信号ACL等に対応したモータトルクが得られるよう、
上記モータ回転数情報NMを監視しつつ、上記インバー
タ回路20による直流−交流変換動作を制御する。
【0025】基本的にはこうした構成を有する電気自動
車にあって、走行モータ30の電流供給線31a,31
b,31cにはそれぞれ電流センサ70a,70b,7
0cが配設されており、これらセンサ70a〜70cは
それら供給される3相交流電流の電流レベルや電流位相
を検出する。そして、その検出された電流レベルや電流
位相を示す各相の電流情報IU,IV,IWはそれぞ
れ、電子制御装置50の入力処理回路51に取り込まれ
る。
【0026】インバータ回路20は、例えばIGBT
(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等からなるス
イッチング素子21a,21b,22a,22b,23
a,23bと、これらスイッチング素子を駆動するIG
BTゲート駆動回路24とを有して構成されている。こ
こで、IGBTゲート駆動回路24は、上記電子制御装
置50から付与されるパルス幅変調信号UU,UV,U
Wに基づいて上記スイッチング素子のスイッチング動作
(チョッパー動作)を制御する。
【0027】電子制御装置50のCPU52では、上記
インバータ回路20による直流−交流変換動作を制御す
る際、これら電流センサ70a〜70cによって検出さ
れる電流情報IU、IV、及びIWを併せモニタしつ
つ、その電流位相等についての更に木目の細かい制御を
実施する。この制御信号としては通常、パルス幅変調回
路(PWM回路)53により3相交流電流の各相に対応
したパルス幅変調信号UU,UV,UWが生成され、こ
れら各パルス幅変調信号UU,UV,UWが電子制御装
置50からインバータ回路20に対して付与される。
【0028】また、CPU52は、車両走行時及び車両
停止時における走行モータ30の要求トルク量を決定す
ると共に、このトルク量に相当する走行モータ30の要
求電流を算出する。そして、この要求電流と検出電流の
偏差が「0」になるように走行モータ30への印加電圧
指令をパルス幅変調回路53に出力する。メモリ54
は、周知のROM,RAM,バックアップRAM等から
構成されている。
【0029】次に、本実施の形態の作用を図3〜図9を
用いて説明する。図3は、本実施の形態における走行モ
ータ30のトルク制御手順を示すフローチャートであ
る。なお、本フローは、イグニッションキーのON操作
に伴いCPU52により実行される。
【0030】さて、図3のフローがスタートすると、C
PU52は、先ずステップ110で車両1の運転情報
(モータ回転数情報NM,アクセル位置信号ACL,ブ
レーキ位置信号BRK等)を読み込み、続くステップ1
20で今現在、車両1が走行中であるか否かを判別す
る。この走行判別は、モータ回転数情報NMに基づいて
実施され、モータ回転数が所定の回転数以上かどうかが
判別される。また、CPU52は、続くステップ130
で今現在のアクセル位置信号ACLが「0」でないか否
かを判別する。
【0031】このとき、ステップ120,130のいず
れかが肯定判別されれば(車両走行中であるか、或いは
アクセル操作の有る場合)、CPU52はステップ20
0に進み、後述する図4のサブルーチンを用いて車両走
行時のトルク制御を実施する。また、ステップ120,
130が共に否定判別されれば(車両走行中でなく、且
つアクセル操作の無い場合)、CPU52はステップ3
00に進み、後述する図5,図6のサブルーチンを用い
て車両停止時のクリープトルク制御を実施する。
【0032】ここで、車両走行時のトルク制御(図3の
ステップ200)を図4のルーチンを用いて説明する。
図4において、CPU52は、ステップ201でその時
のモータ回転数NMとアクセル位置信号ACLに基づい
て基本トルク値TRQBSを算出する。ここで、基本ト
ルク値TRQBSは、例えば図7に示すマップを用いて
算出される。
【0033】その後、CPU52は、ステップ202で
その時のクリープトルク値TRQCRの絶対値が「0」
を超える値であるか否かを判別する。ここで、クリープ
トルク値TRQCRは、車両停止時のクリープトルク制
御(図3のステップ300)で求められるものである。
そして、|TRQCR|>0であれば、CPU52はス
テップ203に進み、クリープトルク値TRQCRが
「0」に近づくよう当該TRQCRを徐々に減衰させ
る。より具体的に言えば、クリープトルク値TRQCR
>0の場合には、当該TRQCRを所定の微少値だけ減
算した値に更新し、クリープトルク値TRQCR<0の
場合には、当該TRQCRを所定の微少値だけ加算した
値に更新する。
【0034】さらに、CPU52は、続くステップ20
4で前記基本トルク値TRQBSとその時のクリープト
ルク値TRQCRとを加算し、その加算結果をトルク指
令値TRQとして出力RAMに格納して本ルーチンを終
了する(TRQ=TRQBS+TRQCR)。つまり、
図3のステップ300でクリープトルク値TRQCRが
設定されている場合には、アクセル操作の開始当初にお
いてクリープトルク値TRQCRだけ付加した駆動トル
クが生じるが、この駆動トルクの余剰分は走行時間の経
過と共に減じられる。
【0035】そして、前記ステップ203におけるクリ
ープトルク値TRQCRの減衰作用に伴い当該TRQC
Rが「0」になると、CPU52は、ステップ202を
否定判別してステップ205に進む。CPU52は、ス
テップ205で前記基本トルク値TRQBSをその時の
トルク指令値TRQとして出力RAMに格納して本ルー
チンを終了する。
【0036】次に、車両停止時のクリープトルク制御を
図5,図6のサブルーチンを用いて説明するさて、同ル
ーチンがスタートすると、CPU52は、先ずステップ
301で走行モータ30の回転方向が正転方向(正側の
方向)、逆転方向(負側の方向)のいずれの方向である
かを判別する。ここで、車両停止時の走行モータ30の
回転は、車両1のクリープ動作に伴って生ずるものであ
る。なお、走行モータ30の回転方向を判別するには、
回転センサ40に接続された電子制御装置50の入力ポ
ートがHレベル又はLレベルのいずれであるかを識別す
ることとし、例えば当該入力ポートがHレベルであれば
「正転」、Lレベルであれば「逆転」とする。この場
合、車両1が上り坂に停車しているとすれば走行モータ
30の回転方向が逆転方向となり、他方、車両1が下り
坂に停車しているとすれば走行モータ30の回転方向が
正転方向となる。
【0037】従って、車両1が上り坂に停車し走行モー
タ30の回転方向が逆転方向であると判別されれば、C
PU52はステップ302に進み、今現在のモータ回転
数NM(i)が予め設定されている負側の判定値K1
(例えば、−数rpm程度の微小回転数)よりも小さい
か否かを判別する。
【0038】また、CPU52は、続くステップ303
で今回のモータ回転数NM(i)から前回のモータ回転
数NM(i−1)を減算した値が「0」よりも小さいか
否かを判別する。つまり、ステップ303の処理は、モ
ータ回転数の変化が減少から増加に反転したか否かを判
別するものであって、同ステップ303が肯定判別され
ることは、モータ回転数NMの変化が負側に継続的に変
化していることを意味する。
【0039】この場合、ステップ302,303が共に
肯定判別されれば、CPU52はステップ304に進
み、現在のクリープトルク量が必要量よりも少ないとし
てクリープトルク値TRQCRを予め設定されている所
定値T1だけ正側に補正する。なお、車両1のクリープ
動作の開始当初において、クリープトルク値TRQCR
の初期値は「0」となっている。そして、CPU52
は、こうして算出したクリープトルク値TRQCRを走
行モータ30のトルク指令値TRQとして出力RAMへ
格納する(ステップ316)。このTRQCR補正は、
ステップ302,303のいずれかが否定判別されるま
で、繰り返し実施される。
【0040】その後、前記TRQCR補正に伴いモータ
回転数が減少から増加に反転するとステップ303が否
定判別され、CPU52は、ステップ305で当該モー
タ回転数の反転から所定時間(数十ms程度)が経過し
たか否かを判別する。そして、ステップ305が否定判
別されると、CPU52は前記ステップ304に進み、
クリープトルク値TRQCRを再び正側に補正する。
【0041】また、ステップ305が肯定判別される
と、CPU52はステップ306に進み、モータ回転数
NM(i)が目標回転数NMT(本実施の形態では、N
MT=0)に一致するか否かを判別する。そして、NM
(i)≠NMTであれば、CPU52は、ステップ30
7でクリープトルク値TRQCRが最適値より若干多め
であるとみなしてクリープトルク値TRQCRを予め設
定されている所定値T2だけ負側に補正する。また、C
PU52は、前記補正したクリープトルク値TRQCR
をトルク指令値TRQとして出力RAMへ格納する(ス
テップ316)。このステップ307の処理は、ステッ
プ306が成立するまで繰り返し実施される。
【0042】その後、モータ回転数NM(i)が目標回
転数NMTに一致してステップ306が肯定判別される
と、CPU52はステップ308に進み、その時のクリ
ープトルク値TRQCRを最適であるとみなして当該T
RQCRを現状のまま維持する。そして、CPU52
は、ステップ316でTRQCRをトルク指令値TRQ
として出力RAMに格納する。
【0043】一方、車両1が下り坂に停車しており走行
モータ30の回転方向が正転方向であると判別されれ
ば、CPU52は図6のステップ309に進み、今現在
のモータ回転数NM(i)が予め設定されている正側の
判定値K2(例えば、+数rpm程度の微小回転数)よ
りも大きいか否かを判別する。また、CPU52は、続
くステップ310で今回のモータ回転数NM(i)から
前回のモータ回転数NM(i−1)を減算した値が
「0」よりも大きいか否かを判別する。つまり、ステッ
プ310の処理は、モータ回転数の変化が増加から減少
に反転したか否かを判別するものであって、同ステップ
310が肯定判別されることは、モータ回転数NMの変
化が正側に継続的に変化していることを意味する。
【0044】この場合、ステップ309,310が共に
肯定判別されれば、CPU52はステップ311に進
み、現在のクリープトルク量が必要量よりも多いとして
クリープトルク値TRQCRを予め設定されている所定
値T3だけ負側に補正する。そして、CPU52は、こ
うして算出したクリープトルク値TRQCRをトルク指
令値TRQとして出力RAMへ格納する(図5のステッ
プ316)。このTRQCR補正は、ステップ309,
310のいずれかが否定判別されるまで、繰り返し実施
される。
【0045】その後、前記TRQCR補正に伴いモータ
回転数が増加から減少に反転するとステップ310が否
定判別され、CPU52は、ステップ312で当該モー
タ回転数の反転から所定時間(数十ms程度)が経過し
たか否かを判別する。そして、ステップ312が否定判
別されると、CPU52は前記ステップ311に進み、
クリープトルク値TRQCRを再び負側に補正する。
【0046】また、ステップ312が肯定判別される
と、CPU52はステップ313に進み、モータ回転数
NM(i)が目標回転数NMT(本実施の形態では、N
MT=0)に一致するか否かを判別する。そして、NM
(i)≠NMTであれば、CPU52は、ステップ31
4でクリープトルク値TRQCRが最適値より若干少な
めであるとみなしてクリープトルク値TRQCRを予め
設定されている所定値T4だけ正側に補正する。また、
CPU52は、前記補正したクリープトルク値TRQC
Rをトルク指令値TRQとして出力RAMへ格納する
(図5のステップ316)。このステップ314の処理
は、ステップ313が成立するまで繰り返し実施され
る。
【0047】その後、モータ回転数NM(i)が目標回
転数NMTに一致してステップ313が肯定判別される
と、CPU52はステップ315に進み、その時のクリ
ープトルク値TRQCRを最適であるとみなして当該T
RQCRを現状のまま維持する。そして、CPU52
は、図5のステップ316でTRQCRをトルク指令値
TRQとして出力RAMに格納する。
【0048】なお、上記図5,図6のルーチンでは、ス
テップ301がトルク方向判定手段に相当し、ステップ
303,310が反転検出手段に相当する。また、図5
のステップ304〜308,図6のステップ311〜3
15がモータ制御手段に相当する。
【0049】以上のように実施されるトルク制御につい
て、図8及び図9のタイムチャートを用いてより具体的
に説明する。なお、図8及び図9のタイムチャートは、
停止状態にある車両1が走行状態に移行するまでのモー
タ回転数NMの変化とトルク指令値TRQの変化とを示
すものであって、このうち図8は車両1が停車している
路面が上り坂である場合について示し、図9は車両1が
停車している路面が下り坂である場合について示す。
【0050】さて、図8では、時間t1で車両1のクリ
ープ動作が開始される。このとき、路面が上り坂である
ため、車両1が僅かに後退し、これによりモータ回転数
NMが負側(マイナス側)に変化する。なお、クリープ
動作の開始当初にはクリープトルク値TRQCRは
「0」になっている。
【0051】そして、モータ回転数NMが負側の判定値
K1を下回ると、正のクリープトルク値TRQCRが出
力される(前記図5のステップ304)。すなわち、車
両1が前進する方向にモータ駆動トルクが付与され、そ
のトルク値TRQCRは徐々に正側に増加される。
【0052】その後、時間t2でモータ回転数NMの変
化が減少から増加に反転すると、それから所定時間経過
後にクリープトルク値TRQCRが減少され始め(図5
のステップ307)、さらに、モータ回転数NMが目標
回転数(0rpm)に達した時点でクリープトルク値T
RQCRは最適値に維持される(図5のステップ30
8)。つまり、クリープトルク値TRQCRは、前記モ
ータ回転の反転から所定の時間差を持って増加から減少
に転じられ、これにより、当該TRQCRは最適値に対
し多少オーバーシュート気味に付与される。このとき、
オーバーシュート分の過剰なクリープトルクを走行モー
タ30に生じさせることにより、モータ回転数NMの収
束が早められる。
【0053】なお、上記の場合において、モータ回転数
NMをより一層早く目標回転数に収束させるには、クリ
ープトルク値TRQCRを増加させる補正値(図5のス
テップ304におけるT1)を、当該TRQCRを減少
させる補正値(図5のステップ307におけるT2)よ
りも大きく設定しておくのが望ましい(つまり、T1>
T2であるのが望ましい)。
【0054】その後、時間t3では、運転者によるアク
セル操作に伴ない車両1の走行が開始される。このと
き、図4のフローで既述したように、走行モータ30は
アクセル操作量に応じてその駆動トルク(トルク指令値
TRQ)が制御されるが、走行開始当初にはクリープト
ルク値TRQCRだけ多めにトルク指令値TRQが制御
される。なお、クリープトルク値TRQCRは、時間の
経過に伴なって徐々に減衰させられる。
【0055】また、図9では、時間t4で車両1のクリ
ープ動作が開始される。このとき、路面が下り坂である
ため、車両1が僅かに前進し、これによりモータ回転数
NMが正側(プラス側)に変化する。
【0056】そして、モータ回転数NMが正側の判定値
K2を上回ると、負のクリープトルク値TRQCRが出
力される(前記図6のステップ311)。すなわち、車
両1が後退する方向にモータ駆動トルクが付与され、そ
のトルク値TRQCRは徐々に負側に増加される。
【0057】その後、時間t5でモータ回転数NMの変
化が増加から減少に反転すると、それから所定時間経過
後にクリープトルク値TRQCRが増加され始め(図6
のステップ314)、さらに、モータ回転数NMが目標
回転数(0rpm)に達した時点でクリープトルク値T
RQCRは最適値に維持される(図6のステップ31
5)。つまり、かかる場合にもクリープトルク値TRQ
CRは、モータ回転の反転から時間差を持って逆転さ
れ、最適値に対し多少オーバーシュート気味に付与され
る。
【0058】なお、上記の場合において、モータ回転数
NMをより一層早く目標回転数に収束させるには、クリ
ープトルク値TRQCRを減少させる補正値(図6のス
テップ311におけるT3)を、当該TRQCRを増加
させる補正値(図6のステップ314におけるT4)よ
りも大きく設定しておくのが望ましい(つまり、T3>
T4であるのが望ましい)。
【0059】その後、時間t6では、運転者によるアク
セル操作に伴ない車両1の走行が開始される。このとき
にも、走行モータ30はアクセル操作量に応じてその駆
動トルク(トルク指令値TRQ)が制御されるが、走行
開始当初にはクリープトルク値TRQCRだ少なめにト
ルク指令値TRQが制御される。なお、クリープトルク
値TRQCRは時間の経過に伴なって徐々に減衰させら
れる。
【0060】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、車両停止時における走行モー
タ30の回転情報(回転方向と回転数)に基づいて、ク
リープトルクが正負いずれの方向に必要であるかを判定
すると共に、クリープトルク値TRQCRを求め、該T
RQCRにより走行モータ30の駆動を制御するように
した。
【0061】上記構成によれば、車両停止時における走
行モータ30(車両1)の挙動に応じてクリープトルク
量を適正に制御することができる。この場合、クリープ
トルク量は、当該トルクを付与する方向とその必要量と
が路面状態(路面の傾斜状態)に応じて可変に制御さ
れ、車両1が坂道を下る方向に動作したり、意図せぬ方
向に動作したりする等の問題が解消できる。その結果、
クリープトルク量の過不足を招くことがなく、車両停止
時において所望の状態で当該車両を制御することができ
る。また、不要なクリープ動作を抑制することができる
と共に、坂道発進時において車両が後退する等の不都合
を解消することができる。
【0062】(b)また、本実施の形態では、車両のク
リープ動作開始当初におけるモータ回転方向が反転した
際、当初のクリープトルクとは正負逆方向のトルクを生
じさせるようにした。つまり、車両1が停車した路面が
坂道である場合において、正負いずれか一方向だけのク
リープトルクで走行モータ30を制御したのでは、当該
トルク方向に対し必要量を超えるトルクで走行モータ3
0を駆動させるおそれがある。しかし、上記の如く、モ
ータ回転の反転に伴ないクリープトルクの正負を方向転
換させれば、上記のような不都合が解消される。
【0063】(c)さらに、クリープトルクの正負を方
向転換した後において、モータ回転数が目標回転数(0
rpm)に一致すればその際のクリープトルクを維持す
るようにした。この場合、当該車両1が停止した状態を
継続的に保持することができる。
【0064】(d)さらに、モータ回転方向の反転が検
出されてからクリープトルクの正負を方向転換するまで
において、時間差を設けた(図5のステップ305,図
6のステップ312)。この場合、クリープトルクはオ
ーバーシュート気味に変化することとなるが、このよう
なトルク変化を与えることによってモータ回転数を目標
回転数に対していち早く収束させることができる。
【0065】上記一連のモータトルク制御によれば、従
来技術のような問題を解消して車両停止状態における最
適な車両制御を実現し、本発明の目的を達成することが
できる。
【0066】(e)また、クリープトルクを付与する際
において、クリープ開始当初の補正量(図5のT1,図
6のT3)を当該クリープトルクの方向転換後の補正量
(図5のT2,図6のT4)よりも大きくするようにし
た。その結果、目標回転数に対するモータ回転数の収束
をより一層早めることができる。また、車両1の不用意
なクリープ動作をより早く終わらせることができる。
【0067】(f)併せて、本実施の形態では、車両停
止の状態(アクセル操作の無い状態)からアクセル操作
が行われた際において、車両停止の状態で付与していた
クリープトルクにその時のアクセル操作量に応じた駆動
トルクを加算してその加算結果により走行モータ30を
制御するようにした。また、当該アクセル操作の開始以
降、前記クリープトルクを徐々に減じさせるようにした
(図4のステップ202〜204)。
【0068】この場合、坂道発進時であっても車両1が
不用意に後退したり、加速したりすることはなく、路面
の傾斜状態に応じた適切なトルク制御が可能となる。ま
た、前記の如く加算又は減算されたクリープトルクは徐
々に減じられるため、当該クリープトルクが与える影響
は少しずつ低減される。従って、アクセル操作の開始当
初において過大なトルク変動により生じるショックや、
ドライバビリティの悪化を招くこともない。
【0069】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態について図10〜図12を用いて説
明する。但し、本実施の形態の構成において、上述した
第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同
一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、
以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明す
る。
【0070】図10は、本実施の形態における車両停止
時のクリープトルク制御サブルーチンであり、以下には
本ルーチンに従ってCPU52によるクリープトルクの
制御手順を説明する。なお、同ルーチンは第1の実施の
形態の図5,図6のルーチンに代わって実施されるもの
である。
【0071】さて、図10のルーチンがスタートする
と、CPU52は、先ずステップ401で走行モータ3
0の回転方向が正転方向(正側の方向)、逆転方向(負
側の方向)のいずれの方向であるかを判別する。ここ
で、車両停止時の走行モータ30の回転は、車両1のク
リープ動作に伴って生じ、車両1が上り坂に停車してい
るとすれば走行モータ30の回転方向が逆転方向とな
り、他方、車両1が下り坂に停車しているとすれば走行
モータ30の回転方向が正転方向となる。
【0072】従って、車両1が上り坂に停車し走行モー
タ30の回転方向が逆転方向であると判別されれば、C
PU52はステップ402に進み、モータ回転数変化量
ΔNM(i)が予め設定されている所定の判定値K3よ
りも小さいか否かを判別する。ここで、モータ回転数変
化量ΔNM(i)は、単位時間当たりのモータ回転数N
M(i)の変化量であって、モータ回転数の今回値NM
(i)から前回値NM(i−1)を減算して求められ
る。
【0073】そして、ΔNM(i)<K3であれば、C
PU52はステップ403に進み、モータ回転数変化量
ΔNM(i)に基づいて車両1の加速度係数KAを演算
する(KA=ΔNM(i)/T)。また、CPU52
は、続くステップ404で前記の通り算出した加速度係
数KAと別途算出した車重係数KWとを用いて最終的な
クリープトルク値TRQCRを算出し、そのTRQCR
を走行モータ30のトルク指令値TRQとして出力RA
Mに格納する(ステップ409)。
【0074】このとき、CPU52は、前記加速度係数
KA及び重量係数KWの乗算値にそれまでのクリープト
ルク値TRQCRを加算して、現在必要なクリープトル
ク値TRQCRを算出する(TRQCR=TRQCR+
KW・KA)。かかる場合、加速度が大きいほど、又は
車両重量が大きいほど、クリープトルク値TRQCRは
正側(車両前進側)に大きく増量補正されることとな
る。なお、重量係数KWは、例えば車両1のサスペンシ
ョンに設置された車高センサの検出値を用いて求められ
る係数である。
【0075】また、ΔNM(i)≧K3であれば、CP
U52はステップ405に進み、今現在のクリープトル
ク値TRQCRが最適値であるとみなして当該TRQC
Rを現状維持とする。そして、CPU52は、ステップ
409でTRQCRをトルク指令値TRQとして出力R
AMに格納する。
【0076】一方、車両1が下り坂に停車しており走行
モータ30の回転方向が正転方向であると判別されれ
ば、CPU52はステップ406に進み、モータ回転数
変化量ΔNM(i)が予め設定されている所定の判定値
K4よりも大きいか否かを判別する。そして、ΔNM
(i)>K4であれば、CPU52はステップ407に
進み、モータ回転数変化量ΔNM(i)に基づいて車両
1の加速度係数KAを演算する。さらに、CPU52
は、続くステップ408で前記加速度係数KAと別途算
出された車重係数KWとを用いて最終的なクリープトル
ク値TRQCRを算出する。そして、当該TRQCRを
トルク指令値TRQとして出力RAMに格納する(ステ
ップ409)。かかる場合、加速度が大きいほど、又は
車両重量が大きいほど、クリープトルク値TRQCRは
負側(車両後退側)に大きく増量補正されることとな
る。
【0077】また、ΔNM(i)≦K4であれば、CP
U52はステップ405に進み、今現在のクリープトル
ク値TRQCRが最適値であるとみなして当該TRQC
Rを現状維持とする。そして、CPU52は、ステップ
409でTRQCRをトルク指令値TRQとして出力R
AMに格納する。
【0078】なお、上記ルーチンでは、ステップ401
がトルク方向判定手段に相当し、ステップ403,40
7が加速度検出手段に相当する。また、ステップ40
4,405,408がモータ制御手段に相当する。
【0079】以上のように実施されるトルク制御につい
て、図11及び図12のタイムチャートを用いてより具
体的に説明する。なお、図11及び図12のタイムチャ
ートは、停止状態にある車両1が走行状態に移行するま
でのモータ回転数NMの変化とトルク指令値TRQの変
化とを示すものであって、このうち図11は車両1が停
車している路面が上り坂である場合について示し、図1
2は車両1が停車している路面が下り坂である場合につ
いて示す。
【0080】さて、図11では、時間t11で車両1の
クリープ動作が開始される。このとき、路面が上り坂で
あるため、車両1が僅かに後退し、これによりモータ回
転数NMが負側(マイナス側)に変化する。また、車両
1は、坂道の傾斜角度に応じた加速度で動作する。
【0081】そして、モータ回転数変化量ΔNMが判定
値K3を下回ったことが判定される時間t12では、車
両重量及び車両加速度に応じて正側のクリープトルク値
TRQCRが出力される(前記図10のステップ40
4)。すなわち、車両1が前進する方向にモータ駆動ト
ルクが付与される。それにより、モータ回転数NMが目
標回転数(図では、0rpm)になるようクリープトル
ク値TRQCRが最適値に維持される。
【0082】また、図12では、時間t13で車両1の
クリープ動作が開始される。このとき、路面が下り坂で
あるため、車両1が僅かに前進し、これによりモータ回
転数NMが正側(プラス側)に変化する。また、車両1
は、坂道の傾斜角度に応じた加速度で動作する。
【0083】そして、モータ回転数変化量ΔNMが判定
値K4を上回ったことが判定される時間t14では、車
両重量及び車両加速度に応じて負側のクリープトルク値
TRQCRが出力される(前記図10のステップ40
8)。すなわち、車両1が後退する方向にモータ駆動ト
ルクが付与され、そのトルク値TRQCRは徐々に減少
される。その後、モータ回転数NMが目標回転数(図で
は、0rpm)に達した時点でクリープトルク値TRQ
CRは最適値に維持される。
【0084】本第2の実施の形態によれば、上記第1の
実施の形態で既述した効果に加えて次に掲げる効果が得
られる。 (a)本実施の形態では、車両のクリープ動作開始当初
における加速度を推定し、その推定結果に基づきトルク
クリープ量を補正するようにした。つまり、車両1が停
車した路面が坂道であれば、車両1自体の動作、若しく
はモータ回転が加速度を伴なって変化する。この加速度
は路面の傾斜が大きいほど大きくなる傾向にある。従っ
て、上記加速度に応じて走行モータ30のクリープトル
ク量を制御すれば、路面状態に合致したトルク制御を実
現することができる。
【0085】(b)また、本実施の形態では、車両重量
が大きいほど、走行モータ30のトクリープルク量を正
側或いは負側に大きく補正するようにした。つまり、車
両重量が大きくなると、坂道停車の車両の加速度が大き
くなる。この場合、車両重量に応じてクリープトルク量
を補正することで、より一層正確なトルク制御が可能と
なる。
【0086】なお、本発明は、上記各実施の形態の他に
次の示す形態にて具体化することもできる。 (1)上記各実施の形態では、車両停止時のクリープト
ルク制御において(図5,図6のサブルーチン、図10
のサブルーチン)、走行モータ30の回転方向の判別に
際して正転方向か逆転方向化かの2つを判別したが、こ
れに加えて回転停止状態であるかの判別を追加してもよ
い。この場合、ルーチン開始当初に回転停止状態が判別
されれば、初めからクリープトルク値TRQCRの算出
処理を行わないようにする。それにより、CPU52の
演算負荷が軽減される。
【0087】(2)上記第1の実施の形態では、図5の
ルーチンにおいて、モータ回転の方向が反転した際にク
リープトルク値TRQCRの正負を方向転換させるよう
にしていたが(図5のステップ307,図5のステップ
314)、これを変更してもよい。例えばモータ回転の
方向が反転した際のクリープトルク値TRQCRをその
時の最大のトルク指令値又は最小のトルク指令値として
固定させ、その固定値をクリープトルク値TRQCRと
して与えるようにしてもよい。この場合、図5のステッ
プ305〜307、及び図6のステップ312〜314
の処理が削除できる。
【0088】(3)上記第1の実施の形態では、正のク
リープトルク量又は負のクリープトルク量を増減するに
際し、予め設定された所定の補正値(T1〜T4)を用
いたが、この補正値をその時々のモータ回転数と目標回
転数との偏差に応じて任意に設定するようにしてもよ
い。この場合、必要トルク量を適切に与えることがで
き、モータ回転数がより早く収束する(不要なクリープ
動作も抑制される)。
【0089】(4)車両走行中でなくとも、ブレーキ位
置信号BRKが100%の踏み込み操作を表す信号であ
れば、クリープトルク値TRQCRを「0」としてもよ
い。また、BRK≠100%の時において、ブレーキ位
置信号BRKに応じてクリープトルク値TRQCRを補
正するようにしてもよい。例えばブレーキ位置信号BR
Kが大きいほどクリープトルク値TRQCRを減量側に
補正する。この場合、必要最小限のクリープトルク値T
RQCRで車両1を停止状態で保持することができる。
【0090】(5)上記各実施の形態において、走行モ
ータ30は交流モータにて構成したが、これを直流モー
タに変更してもよく、かかる場合にも同等の効果が得ら
れる。
【0091】(6)上記各実施の形態では、走行モータ
により車輪を駆動する方式の電気自動車についてその具
体例を説明したが、走行モータと発電機とエンジンとを
直列又は並列に連結し、これら各駆動源の総合的な制御
で車輪を駆動する方式(いわゆる、ハイブリット方式)
の電気自動車に本発明を実用化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における車両制御システムの
電気的構成を示す図。
【図2】電気自動車の全体の構成を示す概略図。
【図3】走行モータのトルク制御手順を示すフローチャ
ート。
【図4】車両走行時のトルク制御サブルーチンを示すフ
ローチャート。
【図5】車両停止時のクリープトルク制御サブルーチン
を示すフローチャート。
【図6】図5に続くルーチンを示すフローチャート。
【図7】基本トルク値を算出するためのマップ。
【図8】第1の実施の形態における作用を具体的に説明
するためのタイムチャート。
【図9】第1の実施の形態における作用を具体的に説明
するためのタイムチャート。
【図10】第2の実施の形態における車両停止時のクリ
ープトルク制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図11】第2の実施の形態における作用を具体的に説
明するためのタイムチャート。
【図12】第2の実施の形態における作用を具体的に説
明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
1…車両、2a,2b…前輪(車輪)、3a,3b…後
輪(車輪)、30…走行モータ、40…モータ回転情報
検出手段としての回転センサ、50…電子制御装置、5
2…モータ回転情報検出手段,モータ方向判定手段,モ
ータ制御手段,反転検出手段,加速度検出手段を構成す
るCPU。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行モータが発生する駆動トルクにより走
    行する電気自動車の走行制御装置であって、 車両停止時における前記走行モータの回転方向と回転数
    とを検出するモータ回転情報検出手段と、 前記モータ回転情報検出手段により検出されたモータ回
    転情報に基づいてモータ駆動トルクが正負いずれの方向
    に必要であるかを判定するトルク方向判定手段と、 前記モータ回転情報検出手段により検出されたモータ回
    転情報に基づいて当該走行モータの必要トルク量を求め
    ると共に、該求めたトルク量と前記トルク方向判定手段
    による判定結果とに基づいて前記走行モータを制御する
    モータ制御手段とを備えることを特徴とする電気自動車
    の走行制御装置。
  2. 【請求項2】車両のクリープ動作開始当初におけるモー
    タ回転方向が反転したことを検出する反転検出手段を備
    え、 前記モータ制御手段は、前記反転検出手段によりモータ
    回転方向の反転が検出された後において、当初のモータ
    駆動トルクとは正負逆方向のトルクを生じさせることを
    特徴とする請求項1に記載の電気自動車の走行制御装
    置。
  3. 【請求項3】モータ駆動トルクの正負を方向転換した後
    において、モータ回転数が目標回転数に一致すればその
    際のモータ駆動トルクを維持することを特徴とする請求
    項2に記載の電気自動車の走行制御装置。
  4. 【請求項4】前記モータ回転方向の反転が検出されてか
    らモータ駆動トルクの正負を方向転換するまでにおい
    て、時間差を設けたことを特徴とする請求項2に記載の
    電気自動車の走行制御装置。
  5. 【請求項5】車両のクリープ動作開始当初における加速
    度を推定する加速度検出手段を備え、 前記モータ制御手段は、前記推定された加速度に基づき
    前記走行モータの必要トルク量を補正することを特徴と
    する請求項1に記載の電気自動車の走行制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の電気自動車の走行制御装
    置において、 前記モータ制御手段は、車両重量が大きいほど、前記走
    行モータの必要トルク量の正側或いは負側への補正量を
    大きくすることを特徴とする電気自動車の走行制御装
    置。
  7. 【請求項7】前記モータ制御手段は、車両停止の状態か
    らアクセル操作が行われた際において、車両停止の状態
    で付与していたトルク量にその時のアクセル操作量に応
    じた駆動トルク量を加算して当該加算結果により前記走
    行モータを制御すると共に、当該アクセル操作の開始以
    降、前記車両停止の状態で付与していたトルク量を徐々
    に減じさせる請求項1〜6のいずれかに記載の電気自動
    車の走行制御装置。
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