JPH10203921A - 皮膚外用剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 美白効果及びしみ、そばかす、くすみ防止効
果を有する皮膚外用剤を提供すること。 【構成】 糖蜜エキスとカミツレ抽出液とを含有するこ
とを特徴とする皮膚外用剤である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は皮膚外用剤に関す
る。さらに詳しくは、皮膚のしみ、そばかす、くすみを
防止する効果に優れた皮膚外用剤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】皮膚のしみ、そばかす、くすみを防止す
る薬剤としては、ビタミンＣまたはその誘導体、プラセ
ンタエキス、ハイドロキノンの誘導体、グルタチオンな
どがあり、その効果を期待してこれらの薬剤が皮膚外用
剤に配合されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の薬剤を配合した皮膚外用剤の多くは、しみ、そばか
す、くすみの原因であるメラニン生成を抑制する効果は
あるが、しみやそばかす、くすみを増悪させる紫外線を
抑制する効果はほとんどない。

【０００４】本発明者等は、上記事情に鑑み、美白効果
が高くかつ紫外線によるしみ、そばかす、くすみを防止
することに優れた皮膚外用剤を得るべく鋭意研究を重ね
た結果、糖蜜エキスとカミツレ抽出液とを併用して皮膚
外用剤に配合すると上記の目的を達成できることを見い
だし本発明を完成するに至った。

【０００５】本発明は、美白効果が高く、かつ紫外線に
よるしみ、そばかす、くすみを防止することに優れた皮
膚外用剤を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、糖
蜜エキスとカミツレ抽出液とを含有することを特徴とす
る皮膚外用剤を提供するものである。

【０００７】以下本発明の構成について詳述する。糖蜜
エキスとは黒砂糖から砂糖を製造する過程で得られるも
ので、黒砂糖または糖蜜からエタノールで抽出し濃縮後
脱色して得られるものである。本発明において用いる糖
蜜エキスは市販品を用いることができ、例えば、モラシ
ズリッキッドＳ（太陽化学株式会社製）などがある。

【０００８】本発明においては、上記糖蜜エキスの配合
量は、皮膚外用剤全量中０．００５％〜３０重量％、好
ましくは、０．０１〜２０重量％である。０．００５重
量％未満ではその効果は発揮されず、３０重量％を超え
ると製品の製造工程上好ましくない場合がある。

【０００９】本発明の必須成分であるカミツレ抽出液と
は、カミツレの花をエタノール／水混合液に浸漬し圧搾
分離した後濾過して得られるものである。本発明におい
て用いるカミツレ抽出液は市販品を用いることができ、
例えば、カミツレリッキッド（一丸ファルコス株式会社
製）などがある。

【００１０】本発明においては、上記カミツレ抽出液の
配合量は、皮膚外用剤全量中０．００５〜５重量％、好
ましくは０．１〜１重量％である。

【００１１】本発明の皮膚外用剤には上記した必須成分
の他に、通常、化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外
用剤に用いられる他の成分、例えばアボガド油、パーム
油、ピーナッツ油、牛脂、コメヌカ油、ホホバ油、マカ
デミアナッツ油、カルナバロウ、ラノリン、スクワラ
ン、流動パラフィン、オキシステアリン酸、パルミチン
酸イソステアリル、イソステアリルアルコール等の油
分、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコー
ル、ピロリドンカルボン酸およびその塩、コラーゲン、
ヒアルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸および
その塩等の保湿剤、パラジメチルアミノ安息香酸アミ
ル、ウロカニン酸、ジイソプロピルケイヒ酸エチル等の
紫外線吸収剤、エリソルビン酸ナトリウム、セージエキ
ス、パラヒドロキシアニソール、ビタミンＥおよびその
誘導体等の酸化防止剤、ステアリル硫酸ナトリウム、セ
チル硫酸ジエタノールアミン、セチルトリメチルアンモ
ニウムサッカリン、イソステアリン酸ポリエチレングリ
コール、アラキン酸グリセリル等の界面活性剤、エチル
パラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、オウバク、オウ
レン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、ビワ、
カミツレ等の抽出物、グリチルリチン酸誘導体、グリチ
ルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオー
ル、酸化亜鉛、アラントイン等の消炎剤、胎盤抽出物、
グルタチオン、ユキノシタ抽出物、アスコルビン酸誘導
体等の美白剤、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリ
ス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ等の抽出物、ロ
ーヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、各種ア
ミノ酸類等の賦活剤、サフラン、センキュウ、ショウキ
ョウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマリー、ニンニ
ク等の抽出物、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナ
トリウム、等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗
脂漏剤、香料、水、アルコール、カルボキシビニルポリ
マー等の増粘剤、チタンイエロー、カーサミン、ベニバ
ナ赤等の色剤等を必要に応じて適宜配合して常法により
製造することができる。

【００１２】本発明の皮膚外用剤は、化粧料（皮膚化粧
料、毛髪化粧料を含む）、医薬品、医薬部外品等とし
て、外皮に適用されるものを指し、例えば、軟膏、クリ
ーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等従来より皮
膚外用剤に用いられるものであればいずれでもよい。そ
の剤型も水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、油液
系、分散系、ゲル系、軟膏系、水−油２層系、水−油−
粉末３層系等、幅広い形態を取り得る。

【００１３】

【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさら
に詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるもの
ではない。配合量は重量％である。

【００１４】「実施例１、比較例１、２、３：クリー
ム」下記「表１」に示す処方のクリームにおいて、糖蜜
エキス（モラシズリッキッドＳ：太陽化学株式会社製）
を0.1重量％、カミレツ抽出液（カミツレリッキッド：
一丸ファルコス株式会社製）を0.1重量％を配合し、美
白効果について使用テストにより評価した。

【００１５】

【表１】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 成分 実施例１ 比較例１ 比較例２ 比較例３ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Ａ．油相 セタノール 0.5％ 0.5％ 0.5％ 0.5％ ワセリン 2.0 2.0 2.0 2.0 スクワラン 7.0 7.0 7.0 7.0 モノステアリン酸グリセリン 2.5 2.5 2.5 2.5 ポリオキシエチレンソルビタン モノステアリン酸エステル(20EO) 1.5 1.5 1.5 1.5 パントテニルエチルエーテル 0.5 0.5 0.5 0.5 ホホバ油 5.0 5.0 5.0 5.0 酢酸-ＤＬ-α-トコフェロール 0.1 0.1 0.1 0.1 γ-オリザノ−ル 0.1 0.1 0.1 0.1 コレステロール誘導体 0.1 0.1 0.1 0.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Ｂ．水相 プロピレングリコール 5.0 5.0 5.0 5.0 グリセリン 5.0 5.0 5.0 5.0 糖蜜エキス 0.1 − 0.1 − カミツレ抽出液 0.1 − 0.1 − アルギニン塩酸塩 0.3 − − 0.3 メリッサ抽出液 0.1 0.1 0.1 0.1 ヒオウギ抽出液 0.1 0.1 0.1 0.1 シクロデキストリン誘導体 0.1 0.1 0.1 0.1 水酸化カリウム 0.3 0.3 0.3 0.3 精製水 残余 残余 残余 残余 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ［製法］Ａ（油相）とＢ（水相）とをそれぞれ７０℃に
加熱し完全溶解する。ＡをＢに加えて、乳化機で乳化す
る。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを製造
した。

【００１６】しみ、そばかす、くすみのある女性専門パ
ネル３０名により、実施例１のクリ−ムと比較例１、
２、３のクリ−ムから２つのクリームを選ぶ６通りの組
合せでそれぞれを顔の右および左半分に４週間使用させ
た。各組み合わせは５名で独立判定させた。結果を「表
２」に示す。本発明のクリームは美白効果を有すること
が分かる。

【００１７】

【表２】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 美白効果 実施例１ 比較例１ 比較例２ 比較例３ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ［肌が非常に薄くなったと感じた人数］ 1 0 0 0 ［肌が薄くなったと感じた人数］ 6 1 3 1 ［肌がやや薄くなったと感じた人数］ 2 2 5 3 ［変化がないと感じた人数］ 1 7 2 6 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

【００１８】 「実施例２ クリ−ム」 Ａ．スクワラン 5.0％ ステアリン酸 10.0 ステアリルアルコ−ル 4.0 ステアリン酸ブチル 8.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0 ビタミンＥアセテ−ト 0.5 香料 0.2 防腐剤 適量 Ｂ．グリセリン 4.0 ジプロピレングリコ−ル 4.0 糖蜜エキス 0.1 カミツレ抽出液 0.1 ヒオウギ抽出液 0.1 メリッサ抽出液 0.05 アルギニン塩酸塩 0.2 エデト酸三ナトリウム 0.05 水酸化カリウム 0.4 精製水 残余 「製法」Ａの油相部とＢの水相部それぞれ７０℃に加熱
し完全溶解する。Ａ相をＢ相に加えて、乳化機で乳化す
る。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリ−ムを得
た。

【００１９】 「実施例３ クリ−ム」 Ａ．スクワラン 15.0％ ワセリン 7.0 セタノ−ル 4.0 イソプロピルミリステ−ト 8.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0 ＰＯＥ(20)ソルビタンモノステアレ−ト 2.0 ビタミンＥニコチネ−ト 2.0 香料 0.3 酸化防止剤 適量 防腐剤 適量 Ｂ．グリセリン 10.0 ジプロピレングリコ−ル 4.0 糖蜜エキス 0.2 カミツレ抽出液 0.2 ヒオウギ抽出液 0.05 ブナの芽抽出液 0.1 メリッサ抽出液 0.05 アルギニン塩酸塩 0.3 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 残余 「製法」実施例に準じてクリ−ムを得た。

【００２０】 「実施例４ 乳液」 Ａ．スクワラン 5.0％ オレイルオレ−ト 3.0 ワセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ＰＯＥオレイルエ−テル(20EO) 1.2 ビタミンＡ油 0.03 香料 0.2 防腐剤 適量 Ｂ．１．３ブチレングリコ−ル 4.5 糖蜜エキス 0.2 カミツレ抽出液 0.1 ヒオウギ抽出液 0.05 ヒアルロン酸ナトリウム 0.5 エタノ−ル 3.0 カルボキシビニルポリマ− 0.2 水酸化カリウム 0.1 へキサメタリン酸ナトリウム 0.05 精製水 残余 「製法」実施例１に準じて乳液を得た。

【００２１】 「実施例５ ファンデ−ション」 Ａ．ホホバ油 5.0％ セタノ−ル 3.5 脱臭ラノリン 4.0 ワセリン 2.0 スクワラン 6.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.5 ＰＯＥ(60) 硬化ヒマシ油 1.5 ＰＯＥ(20) セチルエ−テル 1.0 ピリドキシントリパルミテ−ト 0.1 香料 0.3 防腐剤 適量 Ｂ．プロピレングリコ−ル 10.0 糖蜜エキス 0.1 カミツレ抽出液 0.2 ブナの芽抽出液 0.05 調合粉末 12.0 エデト酸三ナトリウム 0.2 精製水 残余 「製法」実施例１に準じてファンデ−ションを得た。

【００２２】 「実施例６ 化粧水」 Ａ．エタノ−ル 5.0％ ＰＯＥオレイルアルコ−ルエ−テル 2.0 ２-エチルヘキシル-Ｐ-ジメチルアミノベンゾエ−ト 0.18 香料 0.05 Ｂ．１・３ブチレングリコ−ル 9.5 糖蜜エキス 0.3 カミツレ抽出液 0.1 ヒオウギ抽出液 0.1 ブナの芽抽出液 0.1 アルギニン塩酸塩 0.05 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5 ニコチン酸アミド 0.3 グリセリン 5.0 精製水 残余 「製法」Ａのアルコ−ル相をＢの水相に添加し、可溶化
して化粧水を得た。

【００２３】 「実施例７ 二層型化粧水」 Ａ．エタノ−ル 15.0 メチルパラベン 0.1 メント−ル 0.05 ジブチルヒドロキシトルエン 0.001 ピリドキシン 0.005 ＰＯＥ(60) グリセリルモノイソステアレ−ト 0.5 酢酸トコフェノ−ル 0.01 香料 0.05 Ｂ．プロピレングリコ−ル 4.0 糖蜜エキス 0.2 カミツレ抽出液 0.2 アラントイン 0.2 食塩 0.1 ベントナイト 1.0 タルク 0.5 セルロ−ス末 0.5 シリカ 1.0 酸化亜鉛 0.5 グァ−ガム 0.5 コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1 トリメチルグリシン 5.0 乳酸 0.05 乳酸ソ−ダ 0.1 ヒオウギ抽出液 0.1 ヒト゛ロキシメトキシヘ゛ンソ゛フェノンスルフォン酸ナトリウム 0.1 精製水 残余 「製法」Ａのアルコ−ル相を、よく撹拌分散したＢの水
相に加え撹拌混合して二層型化粧水を得た。

【００２４】 「実施例８ パック」 (１)ポロビニルアルコ−ル 10.0％ (２)ポリエチレングリコ−ル 0.4 (３)グリセリン 3.0 (４)糖蜜エキス 0.1 (５)カミツレ抽出液 0.1 (６)ヒオウギ抽出液 0.05 (７)ブナの芽抽出液 0.05 (８)アルギニン塩酸塩 0.05 (９)エタノ−ル（９５％） 8.0 (10)メリッサ抽出液 0.05 (11)イノシット 0.1 (12)防腐剤 適量 (13)香料 0.03 (14)精製水 残余 「製法」室温で(９)(12)(13)を混合溶解し、(１)(２)
(３)および(４)(５)(６)(７)(８)(10)(11)(14)を８０℃
で混合溶解した中に撹拌添加した後、室温まで冷却して
パックを得た。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、糖蜜エキスとカミツレ
抽出液とを配合することにより、美白効果及びしみ、そ
ばかす、くすみ防止効果を有する皮膚外用剤を提供出来
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 糖蜜エキスとカミツレ抽出液とを含有す
   ることを特徴とする皮膚外用剤。