JPH10208228A - 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 - Google Patents
磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置Info
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- JPH10208228A JPH10208228A JP876697A JP876697A JPH10208228A JP H10208228 A JPH10208228 A JP H10208228A JP 876697 A JP876697 A JP 876697A JP 876697 A JP876697 A JP 876697A JP H10208228 A JPH10208228 A JP H10208228A
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- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摺動中に保護膜上のダングリングボンドや汚
染物に誘起される潤滑剤の分解を防ぎ、長期的な耐摺動
特性をもち、耐久性と耐候性に優れた磁気記録媒体を提
供することにある。 【構成】 ガラス基板6の上に、クロム下地膜5、磁気
記録膜4、非晶質炭素保護膜3を順次形成し、その上に
自己組織化単分子膜2、さらに有機物潤滑剤層1を形成
する。 【効果】 密に充填した自己組織化単分子膜がダングリ
ングボンドを隔離し、汚染物や吸着水を排除する。
染物に誘起される潤滑剤の分解を防ぎ、長期的な耐摺動
特性をもち、耐久性と耐候性に優れた磁気記録媒体を提
供することにある。 【構成】 ガラス基板6の上に、クロム下地膜5、磁気
記録膜4、非晶質炭素保護膜3を順次形成し、その上に
自己組織化単分子膜2、さらに有機物潤滑剤層1を形成
する。 【効果】 密に充填した自己組織化単分子膜がダングリ
ングボンドを隔離し、汚染物や吸着水を排除する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び
磁気記憶装置に係り、さらに詳細にはハードディスク、
フロッピーディスク、磁気テープ等のようにヘッドが一
時的あるいは定常的に接触するタイプの磁気記録媒体の
積層構造及び磁気記憶装置に関する。
磁気記憶装置に係り、さらに詳細にはハードディスク、
フロッピーディスク、磁気テープ等のようにヘッドが一
時的あるいは定常的に接触するタイプの磁気記録媒体の
積層構造及び磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば大型電子計算機、パーソナルコ
ンピュータ、ネットワークサーバ、ムービーサーバ等の
大容量記憶装置として使用される磁気記録ディスク(以
下、磁気ディスクと称する)は、非磁性基板の表面に記
録密度の高い強磁性薄膜がスパッタ法などにより形成さ
れる。また、その上に非晶質炭素から成る保護膜を形成
し、さらに、耐摺動性、耐食性を高めるために保護膜上
にフッ素系潤滑剤を塗布することなどが一般的に行われ
ている。
ンピュータ、ネットワークサーバ、ムービーサーバ等の
大容量記憶装置として使用される磁気記録ディスク(以
下、磁気ディスクと称する)は、非磁性基板の表面に記
録密度の高い強磁性薄膜がスパッタ法などにより形成さ
れる。また、その上に非晶質炭素から成る保護膜を形成
し、さらに、耐摺動性、耐食性を高めるために保護膜上
にフッ素系潤滑剤を塗布することなどが一般的に行われ
ている。
【0003】この場合、安定な潤滑特性を得るためには
熱的、化学的に安定で、耐飛散性に優れた潤滑剤を用い
る必要がある。また、経時的にこれらの潤滑特性を保つ
必要がある。さらに近年、記録密度を向上させるために
記録ヘッドと磁気ディスクの間隔を狭くする必要が生じ
ており、このことは磁気ディスクの摺動条件がさらに厳
しくなることを意味している。よって、磁気ディスクに
おいては、すでに航空宇宙機器の潤滑剤として実績のあ
る合成潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルが一般的
に用いられている。しかし、通常のパーフルオロポリエ
ーテルではヘッドとの摺動によって飛散したり、高温条
件下では潤滑剤が摺動面から消失して潤滑性能が低下す
る傾向があった。
熱的、化学的に安定で、耐飛散性に優れた潤滑剤を用い
る必要がある。また、経時的にこれらの潤滑特性を保つ
必要がある。さらに近年、記録密度を向上させるために
記録ヘッドと磁気ディスクの間隔を狭くする必要が生じ
ており、このことは磁気ディスクの摺動条件がさらに厳
しくなることを意味している。よって、磁気ディスクに
おいては、すでに航空宇宙機器の潤滑剤として実績のあ
る合成潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルが一般的
に用いられている。しかし、通常のパーフルオロポリエ
ーテルではヘッドとの摺動によって飛散したり、高温条
件下では潤滑剤が摺動面から消失して潤滑性能が低下す
る傾向があった。
【0004】このような問題を解決するために、たとえ
ば特開昭61−4727号公報に開示されるように、い
かり機能を持つ末端基を含むパーフルオロアルキルエー
テルのような潤滑剤を保護膜上に塗布する技術が提案さ
れている。また、IEEE Transactions on Magnetics,3
1卷2922〜2924頁(1995年)には、保護膜
上に厚さ3nmの金薄膜を形成し、その上に自己組織化
単分子膜を形成した磁気ディスクが報告されている。
ば特開昭61−4727号公報に開示されるように、い
かり機能を持つ末端基を含むパーフルオロアルキルエー
テルのような潤滑剤を保護膜上に塗布する技術が提案さ
れている。また、IEEE Transactions on Magnetics,3
1卷2922〜2924頁(1995年)には、保護膜
上に厚さ3nmの金薄膜を形成し、その上に自己組織化
単分子膜を形成した磁気ディスクが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術(I
EEE Transactions on Magnetics,31卷2922〜2
924頁(1995年))では、自己組織化単分子膜の
下の金薄膜が軟らかいために十分な耐摺動特性が得られ
なかったことが報告されている。また、自己組織化単分
子膜のみを形成しても、それ自体には潤滑性がないため
に摩擦係数は高く、いったん自己組織化単分子膜の破断
が起きれば、連鎖的な膜の破壊へと進行する。
EEE Transactions on Magnetics,31卷2922〜2
924頁(1995年))では、自己組織化単分子膜の
下の金薄膜が軟らかいために十分な耐摺動特性が得られ
なかったことが報告されている。また、自己組織化単分
子膜のみを形成しても、それ自体には潤滑性がないため
に摩擦係数は高く、いったん自己組織化単分子膜の破断
が起きれば、連鎖的な膜の破壊へと進行する。
【0006】さらに、前記した他の従来技術(特開昭6
1−4727号公報)では、潤滑剤の末端基が保護膜表
面にいかり機能によって付着し、優れた耐飛散性と耐摺
動性を発揮する。しかし、近年のヘッドの浮上量低下及
び回転速度の高速化に伴って耐摺動性が不足する傾向が
あった。潤滑膜の薄膜化も摺動による潤滑剤の消失に拍
車をかけることになった。それは化学的な潤滑剤分子の
破壊といわれるメカニズムによるものである。つまり、
通常スパッタ法あるいはCVD法によって形成されるア
モルファスカーボンには、必然的に末端が化学的に終端
されていない結合が多数存在する。これは、ダングリン
グボンドと呼ばれており、実験的にも検出されている。
そして、このダングリングボンドが潤滑剤の末端基の吸
着についての活性点となるが、その反面、ダングリング
ボンドが触媒的な作用をして、潤滑剤を分解することも
最近明らかになった。これは、ダングリングボンドと潤
滑剤分子が直接相互作用する場合もあれば、ダングリン
グボンドとその吸着作用で表面に吸着した水分子や炭化
水素系の汚染物が反応して、新たな活性中間種を生みだ
し、それが、潤滑剤分子を分解する場合もある。このよ
うなダングリングボンド起因の潤滑剤の分解過程は、浮
上量低下と粘着防止のために潤滑膜厚を薄くした最近の
磁気ディスクで特に顕著となっている。
1−4727号公報)では、潤滑剤の末端基が保護膜表
面にいかり機能によって付着し、優れた耐飛散性と耐摺
動性を発揮する。しかし、近年のヘッドの浮上量低下及
び回転速度の高速化に伴って耐摺動性が不足する傾向が
あった。潤滑膜の薄膜化も摺動による潤滑剤の消失に拍
車をかけることになった。それは化学的な潤滑剤分子の
破壊といわれるメカニズムによるものである。つまり、
通常スパッタ法あるいはCVD法によって形成されるア
モルファスカーボンには、必然的に末端が化学的に終端
されていない結合が多数存在する。これは、ダングリン
グボンドと呼ばれており、実験的にも検出されている。
そして、このダングリングボンドが潤滑剤の末端基の吸
着についての活性点となるが、その反面、ダングリング
ボンドが触媒的な作用をして、潤滑剤を分解することも
最近明らかになった。これは、ダングリングボンドと潤
滑剤分子が直接相互作用する場合もあれば、ダングリン
グボンドとその吸着作用で表面に吸着した水分子や炭化
水素系の汚染物が反応して、新たな活性中間種を生みだ
し、それが、潤滑剤分子を分解する場合もある。このよ
うなダングリングボンド起因の潤滑剤の分解過程は、浮
上量低下と粘着防止のために潤滑膜厚を薄くした最近の
磁気ディスクで特に顕著となっている。
【0007】本発明の目的は、これらダングリングボン
ド起因の潤滑剤分解反応を起こさないような、長期的な
良好な耐摺動特性を発揮する耐久性と信頼性に優れた磁
気記録媒体を提供することにある。本発明の他の目的
は、保護膜上に均一な分子膜が密に形成され、磁気ヘッ
ドと磁気ディスクが摺動中に真実接触点を生じないよう
な、磁気ヘッド低浮上化と磁気ディスク回転速度の高速
化に対応した磁気記録媒体を提供する。
ド起因の潤滑剤分解反応を起こさないような、長期的な
良好な耐摺動特性を発揮する耐久性と信頼性に優れた磁
気記録媒体を提供することにある。本発明の他の目的
は、保護膜上に均一な分子膜が密に形成され、磁気ヘッ
ドと磁気ディスクが摺動中に真実接触点を生じないよう
な、磁気ヘッド低浮上化と磁気ディスク回転速度の高速
化に対応した磁気記録媒体を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、少なくと
も磁気記録膜とその上に設けられた保護膜とを有し、保
護膜上に自己組織化単分子膜が形成されており、自己組
織化単分子膜上に有機物潤滑剤からなる薄膜を形成して
なる磁気記録媒体により達成される。
も磁気記録膜とその上に設けられた保護膜とを有し、保
護膜上に自己組織化単分子膜が形成されており、自己組
織化単分子膜上に有機物潤滑剤からなる薄膜を形成して
なる磁気記録媒体により達成される。
【0009】自己組織化単分子膜は、保護膜上に水平方
向の分子間隔が0.2nm以上1nm以下の実質的に一
定の間隔で並ぶ水平面並進対称性を持った単分子膜であ
ることが望ましい。形成のしやすさからは、自己組織化
単分子膜の水平面の分子間隔は、0.4nm〜0.6n
mの範囲にあることが望ましい。
向の分子間隔が0.2nm以上1nm以下の実質的に一
定の間隔で並ぶ水平面並進対称性を持った単分子膜であ
ることが望ましい。形成のしやすさからは、自己組織化
単分子膜の水平面の分子間隔は、0.4nm〜0.6n
mの範囲にあることが望ましい。
【0010】ここで、自己組織化単分子膜としては、イ
オウ原子を保護膜側に配向した、炭素数3以上30以下
のアルカンチオールなどから形成することが形成のしや
すさから望ましい。また、自己組織化単分子膜は、炭素
数の異なる2種類以上のアルカンチオールから形成して
もよい。
オウ原子を保護膜側に配向した、炭素数3以上30以下
のアルカンチオールなどから形成することが形成のしや
すさから望ましい。また、自己組織化単分子膜は、炭素
数の異なる2種類以上のアルカンチオールから形成して
もよい。
【0011】また、自己組織化単分子膜のアルカンチオ
ールの保護膜と反対側の終端のメチル基が水酸基、アミ
ノ基、フッ化メチル基のいずれか1つあるいは2つ以上
の基で置換されていてもよい。
ールの保護膜と反対側の終端のメチル基が水酸基、アミ
ノ基、フッ化メチル基のいずれか1つあるいは2つ以上
の基で置換されていてもよい。
【0012】さらにまた、自己組織化単分子膜のアルカ
ンチオールは、イオウ原子と反対側の終端がメチル基と
フッ化メチル基からなる2種類のアルカンチオールであ
り、フッ化メチル基を持つアルカンチオールの炭素数が
メチル基を持つアルカンチオールの炭素数より多いもの
とすることができる。この場合のフッ化メチル基を持つ
アルカンチオールの分子数は、自己組織化単分子膜の全
分子数の5%以上80%以下であることが望ましい。
ンチオールは、イオウ原子と反対側の終端がメチル基と
フッ化メチル基からなる2種類のアルカンチオールであ
り、フッ化メチル基を持つアルカンチオールの炭素数が
メチル基を持つアルカンチオールの炭素数より多いもの
とすることができる。この場合のフッ化メチル基を持つ
アルカンチオールの分子数は、自己組織化単分子膜の全
分子数の5%以上80%以下であることが望ましい。
【0013】フッ素含有有機物の潤滑剤としては、主鎖
構造がパーフルオロポリエーテル系高分子、炭化水素も
しくはフッ化炭素のいずれか、又はその2つ以上の混合
物から成ることが望ましい。この場合、フッ素含有有機
物の潤滑剤から成る薄膜の厚さは、0.2nmより薄い
と均一な膜にならず、また10nmより厚くするとメニ
スカスによる粘着の悪影響が生じるため、0.2nm以
上、10nm以下であることが望ましい。ただし、潤滑
剤は安定な摺動と耐久性のあるものならば他の有機系潤
滑剤や無機系潤滑剤を用いても良い。
構造がパーフルオロポリエーテル系高分子、炭化水素も
しくはフッ化炭素のいずれか、又はその2つ以上の混合
物から成ることが望ましい。この場合、フッ素含有有機
物の潤滑剤から成る薄膜の厚さは、0.2nmより薄い
と均一な膜にならず、また10nmより厚くするとメニ
スカスによる粘着の悪影響が生じるため、0.2nm以
上、10nm以下であることが望ましい。ただし、潤滑
剤は安定な摺動と耐久性のあるものならば他の有機系潤
滑剤や無機系潤滑剤を用いても良い。
【0014】保護膜としては、非晶質炭素、ケイ素含有
非晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭
素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び立方晶窒化ホウ
素のいずれかがよい。これら非晶質炭素保護膜の形成方
法には、グラファイトをターゲットとした不活性ガス
中、あるいは不活性ガスとメタンなどの炭化水素ガスの
混合ガス中のスパッタリングにより形成する方法や、炭
化水素ガス、アルコール、アセトン、アダマンタンなど
の有機化合物を単独あるいは水素ガス、不活性ガスなど
を混合して、プラズマCVDにより形成する方法、ある
いは有機化合物をイオン化して電圧をかけて加速し、基
板に衝突させて形成する方法などがある。
非晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭
素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び立方晶窒化ホウ
素のいずれかがよい。これら非晶質炭素保護膜の形成方
法には、グラファイトをターゲットとした不活性ガス
中、あるいは不活性ガスとメタンなどの炭化水素ガスの
混合ガス中のスパッタリングにより形成する方法や、炭
化水素ガス、アルコール、アセトン、アダマンタンなど
の有機化合物を単独あるいは水素ガス、不活性ガスなど
を混合して、プラズマCVDにより形成する方法、ある
いは有機化合物をイオン化して電圧をかけて加速し、基
板に衝突させて形成する方法などがある。
【0015】磁気記録媒体の基板には、たとえばアルミ
ニウム基板やガラス基板やグラファイト基板などの非磁
性基板が使用される。アルミニウム基板には表面をニッ
ケル・リンなどでめっきしてもよい。また、基板を回転
させながらダイヤモンド砥粒や研磨用テープを押し当て
ることにより基板上に同心円状の微細な溝を形成し、ヘ
ッドの浮上特性を改良したり、磁気異方性を制御するな
どのことも行われる。さらに、ガラス基板では強酸など
の薬品により表面を化学的にエッチングして微細な凹凸
をつけ、ヘッドと接触する面積を減らし、摺動時の接線
力を減少させても良い。これらは、保護膜表面を微細な
粒子でマスキングしてエッチングしても同様の効果が期
待できる。
ニウム基板やガラス基板やグラファイト基板などの非磁
性基板が使用される。アルミニウム基板には表面をニッ
ケル・リンなどでめっきしてもよい。また、基板を回転
させながらダイヤモンド砥粒や研磨用テープを押し当て
ることにより基板上に同心円状の微細な溝を形成し、ヘ
ッドの浮上特性を改良したり、磁気異方性を制御するな
どのことも行われる。さらに、ガラス基板では強酸など
の薬品により表面を化学的にエッチングして微細な凹凸
をつけ、ヘッドと接触する面積を減らし、摺動時の接線
力を減少させても良い。これらは、保護膜表面を微細な
粒子でマスキングしてエッチングしても同様の効果が期
待できる。
【0016】磁気記録媒体の基板上には、磁気記録膜を
成膜する前に記録膜の磁気特性を良好なものにするため
にクロムなどの下地膜をスパッタ法などで成膜しても良
い。基板上の磁気記録膜は、コバルト・ニッケル、コバ
ルト・クロム、コバルト・クロムにプラチナ、タンタ
ル、バナジウム、サマリウムなどを少量混ぜたものが使
われる。
成膜する前に記録膜の磁気特性を良好なものにするため
にクロムなどの下地膜をスパッタ法などで成膜しても良
い。基板上の磁気記録膜は、コバルト・ニッケル、コバ
ルト・クロム、コバルト・クロムにプラチナ、タンタ
ル、バナジウム、サマリウムなどを少量混ぜたものが使
われる。
【0017】また、前記磁気記録媒体と、これを記録方
向に駆動する駆動部と、電磁誘導型の記録部と磁気抵抗
効果型の再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁
気記録媒体に対して相対運動させる手段と、記録再生信
号処理手段等を用いて磁気記憶装置を構成することによ
り、1平方インチあたり3ギガビット以上の記録密度を
実現することができる。
向に駆動する駆動部と、電磁誘導型の記録部と磁気抵抗
効果型の再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁
気記録媒体に対して相対運動させる手段と、記録再生信
号処理手段等を用いて磁気記憶装置を構成することによ
り、1平方インチあたり3ギガビット以上の記録密度を
実現することができる。
【0018】本発明によると、保護膜上に自己組織化単
分子膜を形成し、自己組織化単分子膜の上に有機物潤滑
剤から成る薄膜を形成することによって、保護膜表面に
あるダングリングボンドが潤滑剤から隔離され、ダング
リングボンド起因の潤滑剤分子の分解反応を防ぐことが
できる。さらに、自己組織化単分子膜は、形成時に表面
の汚染物や吸着水を排除しながら密に詰まった単分子膜
を形成するので、保護膜表面から汚染物や水を除去する
ことが可能になる。このことにより、水や汚染物による
潤滑剤の劣化や粘性の劣化を防止することが可能にな
る。イオウ原子を保護膜側に配向した、炭素数3以上3
0以下のアルカンチオールは、自己組織力が強力で、こ
の目的に最も適している。
分子膜を形成し、自己組織化単分子膜の上に有機物潤滑
剤から成る薄膜を形成することによって、保護膜表面に
あるダングリングボンドが潤滑剤から隔離され、ダング
リングボンド起因の潤滑剤分子の分解反応を防ぐことが
できる。さらに、自己組織化単分子膜は、形成時に表面
の汚染物や吸着水を排除しながら密に詰まった単分子膜
を形成するので、保護膜表面から汚染物や水を除去する
ことが可能になる。このことにより、水や汚染物による
潤滑剤の劣化や粘性の劣化を防止することが可能にな
る。イオウ原子を保護膜側に配向した、炭素数3以上3
0以下のアルカンチオールは、自己組織力が強力で、こ
の目的に最も適している。
【0019】また、自己組織化単分子膜の上に潤滑性を
持つ有機薄膜を形成することによって、自己組織化単分
子膜のみでは実現できない表面潤滑性が得られる。すな
わち、下層の自己組織化単分子膜が規則性、平滑性、化
学的安定性の役割を負い、上層の有機潤滑膜が潤滑性能
を発揮するのである。
持つ有機薄膜を形成することによって、自己組織化単分
子膜のみでは実現できない表面潤滑性が得られる。すな
わち、下層の自己組織化単分子膜が規則性、平滑性、化
学的安定性の役割を負い、上層の有機潤滑膜が潤滑性能
を発揮するのである。
【0020】さらには、自己組織化単分子膜を炭素数の
異なる2種類以上のアルカンチオールによって形成する
と、結果的に表面に分子レベルの大きさの凹凸を形成す
ることができる。この凹凸は、混合するアルカンチオー
ルの比率や大きさのちがいによって自由に制御できる。
この凹凸を形成することによって、その上に塗布する潤
滑膜の溜具合を制御できるので、摩擦力を制御すること
が可能になる。さらにまた、この凹凸により回転による
潤滑剤の飛散を抑えることも可能となる。今まで、こう
いった潤滑剤の下の形状を変えることは、基板のテクス
チャ加工や、保護膜表面のエッチングによってなされて
いたが、いづれも凹凸の形状は、μmのオーダーであっ
て、しかもプロセス依存度が大きく、制御が難しかっ
た。自己組織化単分子膜は、表面の化学的性質と形状を
分子レベルで同時に制御できる始めての方法である。
異なる2種類以上のアルカンチオールによって形成する
と、結果的に表面に分子レベルの大きさの凹凸を形成す
ることができる。この凹凸は、混合するアルカンチオー
ルの比率や大きさのちがいによって自由に制御できる。
この凹凸を形成することによって、その上に塗布する潤
滑膜の溜具合を制御できるので、摩擦力を制御すること
が可能になる。さらにまた、この凹凸により回転による
潤滑剤の飛散を抑えることも可能となる。今まで、こう
いった潤滑剤の下の形状を変えることは、基板のテクス
チャ加工や、保護膜表面のエッチングによってなされて
いたが、いづれも凹凸の形状は、μmのオーダーであっ
て、しかもプロセス依存度が大きく、制御が難しかっ
た。自己組織化単分子膜は、表面の化学的性質と形状を
分子レベルで同時に制御できる始めての方法である。
【0021】自己組織化単分子膜のアルカンチオールの
保護膜と反対側の終端のメチル基が水酸基、アミノ基、
フッ化メチル基のいずれか1つあるいは2つ以上の基で
置換されると、より積極的な表面化学性質の制御とな
る。これらは、末端官能基を持ったタイプのパーフルオ
ロポリエーテルを潤滑剤として使用する場合に、潤滑剤
の表面の飛散性を制御することが可能である。
保護膜と反対側の終端のメチル基が水酸基、アミノ基、
フッ化メチル基のいずれか1つあるいは2つ以上の基で
置換されると、より積極的な表面化学性質の制御とな
る。これらは、末端官能基を持ったタイプのパーフルオ
ロポリエーテルを潤滑剤として使用する場合に、潤滑剤
の表面の飛散性を制御することが可能である。
【0022】さらには、自己組織化単分子膜のアルカン
チオールのイオウ原子と反対側の終端がメチル基とフッ
化メチル基からなる2種類のアルカンチオールにして、
なおかつフッ化メチル基を持つアルカンチオールの炭素
数がメチル基を持つアルカンチオールの炭素数より多く
すると、凸の部分が摩擦係数が小さく、凹の部分が自己
組織力を発揮するようになる。この場合のフッ化メチル
基を持つアルカンチオールの分子数は、自己組織化単分
子膜の全分子数の5%以上80%以下とすると、自己組
織力を損なわずに、凸部の摩擦係数を下げることができ
る。
チオールのイオウ原子と反対側の終端がメチル基とフッ
化メチル基からなる2種類のアルカンチオールにして、
なおかつフッ化メチル基を持つアルカンチオールの炭素
数がメチル基を持つアルカンチオールの炭素数より多く
すると、凸の部分が摩擦係数が小さく、凹の部分が自己
組織力を発揮するようになる。この場合のフッ化メチル
基を持つアルカンチオールの分子数は、自己組織化単分
子膜の全分子数の5%以上80%以下とすると、自己組
織力を損なわずに、凸部の摩擦係数を下げることができ
る。
【0023】また、本発明の磁気記録媒体と再生部に磁
気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドを組み合わせた場合
には、従来に比べ高い記録密度を有する信頼性の高い磁
気ディスク装置を実現することが可能となる。すなわ
ち、磁気抵抗効果型ヘッドは感度が高いが、静電破壊等
を防止するために、一般的に、スライダ面にカーボン等
の保護膜を形成する必要がある。このスライダ面に形成
される保護膜の厚みは通常10〜20nm程度である。
ヘッド浮上量を一定とした場合には、このスライダ面の
保護膜の厚みの分だけ媒体とヘッドの感磁部の距離が遠
くなるため出力が低下してしまい、高感度な磁気抵抗効
果型ヘッドの性能を十分に引き出すことは難しい。これ
に対し、媒体として自己組織化単分子膜の上に潤滑剤層
を有する本発明の磁気記録媒体を用いた場合には、ダン
グリングボンドによる潤滑剤の劣化が抑えられるため、
ヘッド浮上量を低くすることができ、高感度な磁気抵抗
効果型ヘッドの性能を十分に引き出し、高い記録密度を
実現することが可能となる。
気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドを組み合わせた場合
には、従来に比べ高い記録密度を有する信頼性の高い磁
気ディスク装置を実現することが可能となる。すなわ
ち、磁気抵抗効果型ヘッドは感度が高いが、静電破壊等
を防止するために、一般的に、スライダ面にカーボン等
の保護膜を形成する必要がある。このスライダ面に形成
される保護膜の厚みは通常10〜20nm程度である。
ヘッド浮上量を一定とした場合には、このスライダ面の
保護膜の厚みの分だけ媒体とヘッドの感磁部の距離が遠
くなるため出力が低下してしまい、高感度な磁気抵抗効
果型ヘッドの性能を十分に引き出すことは難しい。これ
に対し、媒体として自己組織化単分子膜の上に潤滑剤層
を有する本発明の磁気記録媒体を用いた場合には、ダン
グリングボンドによる潤滑剤の劣化が抑えられるため、
ヘッド浮上量を低くすることができ、高感度な磁気抵抗
効果型ヘッドの性能を十分に引き出し、高い記録密度を
実現することが可能となる。
【0024】なお、本発明の耐トライボ化学反応潤滑性
薄膜形成技術は、磁気ディスク、磁気テープ、磁気カー
ドなどの磁気記録媒体のほかに、ディスクと接触する可
能性のあるヘッドを使う場合に光ディスク、光磁気ディ
スクに適用することができ、さらに恒久的な潤滑性が要
求される各種機械部品、摺動部品などにも適用すること
ができる。
薄膜形成技術は、磁気ディスク、磁気テープ、磁気カー
ドなどの磁気記録媒体のほかに、ディスクと接触する可
能性のあるヘッドを使う場合に光ディスク、光磁気ディ
スクに適用することができ、さらに恒久的な潤滑性が要
求される各種機械部品、摺動部品などにも適用すること
ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、記録媒体としては、周知の
ように磁気ディスク(ハードディスク、フロッピーディ
スク)と磁気テープなどがあるが、以下の説明ではいず
れも磁気ディスクを代表例にした。
に基づいて説明する。なお、記録媒体としては、周知の
ように磁気ディスク(ハードディスク、フロッピーディ
スク)と磁気テープなどがあるが、以下の説明ではいず
れも磁気ディスクを代表例にした。
【0026】〔実施例1〕図1は、本発明の第1の実施
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。同図において、1は有機物潤滑剤からなる薄膜、2
は自己組織化単分子膜、3はスパッタ法で形成された非
晶質炭素保護膜、4はコバルト・ニッケル合金系磁気記
録膜、5はクロム膜、6はガラス製基板(直径2.5イ
ンチ)である。有機物潤滑剤は、パーフルオロメチレン
オキサイドとパーフルオロエチレンオキサイドのセグメ
ントの共重合体にアルコール官能基が末端基としてつい
た平均分子量3000のものである。
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。同図において、1は有機物潤滑剤からなる薄膜、2
は自己組織化単分子膜、3はスパッタ法で形成された非
晶質炭素保護膜、4はコバルト・ニッケル合金系磁気記
録膜、5はクロム膜、6はガラス製基板(直径2.5イ
ンチ)である。有機物潤滑剤は、パーフルオロメチレン
オキサイドとパーフルオロエチレンオキサイドのセグメ
ントの共重合体にアルコール官能基が末端基としてつい
た平均分子量3000のものである。
【0027】この構成の磁気ディスクは次に示すような
方法で製造した。まず、周知の連続スパッタ成膜装置に
より、基板6の上に厚さ20nmのクロム・チタン合金
下地膜5、厚さ25nmのコバルト・クロム・プラチナ
合金膜4、厚さ20nmの非晶質炭素保護膜3を順次形
成した。その後、磁気ディスクをスパッタ装置より取り
出して、ドデカンチオールのエタノール溶液(濃度:
0.001mol/l)に10分間浸漬し、その後、エ
タノール、純水の順でリンスし、自己組織化単分子膜2
を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶
液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成し
た。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤に前記パーフ
ルオロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/lず
つの濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸漬
し、0.5mm/秒の速度で引き上げた。
方法で製造した。まず、周知の連続スパッタ成膜装置に
より、基板6の上に厚さ20nmのクロム・チタン合金
下地膜5、厚さ25nmのコバルト・クロム・プラチナ
合金膜4、厚さ20nmの非晶質炭素保護膜3を順次形
成した。その後、磁気ディスクをスパッタ装置より取り
出して、ドデカンチオールのエタノール溶液(濃度:
0.001mol/l)に10分間浸漬し、その後、エ
タノール、純水の順でリンスし、自己組織化単分子膜2
を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶
液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成し
た。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤に前記パーフ
ルオロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/lず
つの濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸漬
し、0.5mm/秒の速度で引き上げた。
【0028】磁気ディスクの表面をFT−IR(フーリ
エ変換赤外吸収分光法)によって分析したところ、保護
膜表面に1nmの膜厚で前記のパーフルオロポリエーテ
ル潤滑膜が形成されていることが確認された。また、潤
滑膜の形成の前に磁気ディスク表面をエックス線光電子
分光法と走査型トンネル顕微鏡によって観察したとこ
ろ、図1のように密に自己組織化し、保護膜にイオウを
介して化学結合したドデカンチオールの単分子膜が形成
されていることが確認された。このドデカンチオールの
単分子膜の水平方向の分子間隔は約0.4nmである。
エ変換赤外吸収分光法)によって分析したところ、保護
膜表面に1nmの膜厚で前記のパーフルオロポリエーテ
ル潤滑膜が形成されていることが確認された。また、潤
滑膜の形成の前に磁気ディスク表面をエックス線光電子
分光法と走査型トンネル顕微鏡によって観察したとこ
ろ、図1のように密に自己組織化し、保護膜にイオウを
介して化学結合したドデカンチオールの単分子膜が形成
されていることが確認された。このドデカンチオールの
単分子膜の水平方向の分子間隔は約0.4nmである。
【0029】本実施例の磁気ディスクの動摩擦係数をア
ルミニウム・チタンカーバイド(AlTiC)製のスラ
イダーから成るヘッドを用いて測定した。測定時の磁気
ディスクの回転数は1rpm、荷重は1.5gfとし、
半径20mmの位置でヘッドにかかる接線方向の力を歪
ゲージセンサーで測定し、動摩擦係数を得た。その結
果、本実施例の磁気ディスクの動摩擦係数は、0.01
であった。
ルミニウム・チタンカーバイド(AlTiC)製のスラ
イダーから成るヘッドを用いて測定した。測定時の磁気
ディスクの回転数は1rpm、荷重は1.5gfとし、
半径20mmの位置でヘッドにかかる接線方向の力を歪
ゲージセンサーで測定し、動摩擦係数を得た。その結
果、本実施例の磁気ディスクの動摩擦係数は、0.01
であった。
【0030】耐摺動特性の評価には、コンタクト・スタ
ート・ストップ試験(以下、CSS試験という)を行っ
た。CSS試験は、周知のように、ディスク面にヘッド
を接触させた状態でディスクを回転させ、ヘッドを浮上
させた後、再びディスクを停止するというサイクルを一
定間隔で繰り返す試験である。回転立ち上がり時間は2
秒、定速高速回転時間は2秒、立ち下がり時間は2秒、
停止時間は2秒、高速回転時の回転数は10000rp
mであった。その結果、CSS繰り返し30万回後も磁
気ディスク表面に損傷が見られなかった。また、前述の
動摩擦係数をCSS繰り返し30万回後に測定したとこ
ろ、0.015であって、動摩擦係数の上昇が抑えられ
ていることが確認された。これは、とりもなおさず、潤
滑剤が自己組織化単分子膜によって保護膜表面にあるダ
ングリングボンドから隔離され、ヘッドとの摺動中に起
りやすいトライボ化学反応による分解が抑えられたこと
によるものである。
ート・ストップ試験(以下、CSS試験という)を行っ
た。CSS試験は、周知のように、ディスク面にヘッド
を接触させた状態でディスクを回転させ、ヘッドを浮上
させた後、再びディスクを停止するというサイクルを一
定間隔で繰り返す試験である。回転立ち上がり時間は2
秒、定速高速回転時間は2秒、立ち下がり時間は2秒、
停止時間は2秒、高速回転時の回転数は10000rp
mであった。その結果、CSS繰り返し30万回後も磁
気ディスク表面に損傷が見られなかった。また、前述の
動摩擦係数をCSS繰り返し30万回後に測定したとこ
ろ、0.015であって、動摩擦係数の上昇が抑えられ
ていることが確認された。これは、とりもなおさず、潤
滑剤が自己組織化単分子膜によって保護膜表面にあるダ
ングリングボンドから隔離され、ヘッドとの摺動中に起
りやすいトライボ化学反応による分解が抑えられたこと
によるものである。
【0031】本実施例の磁気ディスクの水に対する接触
角を測定したところ、107度であって、ポリテトラフ
ルオロエチレンと同等のはっ水性を示した。さらに、本
実施例の磁気ディスクを80℃、90%RHの恒温恒湿
環境で50時間放置するという実験を行ったところ、放
置後の磁気ディスク表面には全く腐食点は見られなかっ
た。これらの結果は、自己組織化単分子膜の形成時に保
護膜表面の有機物汚染物や吸着水が排除されて、潤滑層
の耐候性が向上した結果である。
角を測定したところ、107度であって、ポリテトラフ
ルオロエチレンと同等のはっ水性を示した。さらに、本
実施例の磁気ディスクを80℃、90%RHの恒温恒湿
環境で50時間放置するという実験を行ったところ、放
置後の磁気ディスク表面には全く腐食点は見られなかっ
た。これらの結果は、自己組織化単分子膜の形成時に保
護膜表面の有機物汚染物や吸着水が排除されて、潤滑層
の耐候性が向上した結果である。
【0032】〔実施例2〕図2は、本発明の第2の実施
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図2において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1は実施例1と同等のパーフ
ルオロポリエーテル潤滑膜、7は炭素数の異なる2種類
以上のアルカンチオール混合物からなる自己組織化単分
子膜である。
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図2において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1は実施例1と同等のパーフ
ルオロポリエーテル潤滑膜、7は炭素数の異なる2種類
以上のアルカンチオール混合物からなる自己組織化単分
子膜である。
【0033】本実施例では、実施例1と同じ連続成膜装
置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディスクを用
意した。その後、磁気ディスクをドデカンチオールとデ
カンチオールのエタノール溶液(濃度はそれぞれ0.0
005mol/l)に10分間浸漬し、引き上げた後エ
タノール、純水の順でリンスした。このようにして、保
護膜上に炭素数の異なる2種類以上のアルカンチオール
混合物からなる自己組織化単分子膜7を形成した。それ
から、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶液浸漬塗布法によ
って自己組織化単分子膜上に形成した。塗布条件として
は、フッ化炭素系溶剤に前記パーフルオロポリエーテル
潤滑剤を0.0005mol/lずつの濃度で溶解した
液に前記磁気ディスクを4分間浸漬し、0.5mm/秒
の速度で引き上げた。
置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディスクを用
意した。その後、磁気ディスクをドデカンチオールとデ
カンチオールのエタノール溶液(濃度はそれぞれ0.0
005mol/l)に10分間浸漬し、引き上げた後エ
タノール、純水の順でリンスした。このようにして、保
護膜上に炭素数の異なる2種類以上のアルカンチオール
混合物からなる自己組織化単分子膜7を形成した。それ
から、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶液浸漬塗布法によ
って自己組織化単分子膜上に形成した。塗布条件として
は、フッ化炭素系溶剤に前記パーフルオロポリエーテル
潤滑剤を0.0005mol/lずつの濃度で溶解した
液に前記磁気ディスクを4分間浸漬し、0.5mm/秒
の速度で引き上げた。
【0034】潤滑剤の塗布の前に磁気ディスク表面をエ
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、密に充填した自己組織化単分子膜の表面に2種類
のアルカンチオールの長さの差に相当する0.1nm程
度の凹凸が形成されていることが確認された。潤滑剤の
塗布後に実施例1と同様にFT−IRで潤滑膜の厚さを
測定すると、1nmであった。本実施例の磁気ディスク
の動摩擦係数を実施例1と同等のヘッド、測定条件で測
定したところ0.01であった。
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、密に充填した自己組織化単分子膜の表面に2種類
のアルカンチオールの長さの差に相当する0.1nm程
度の凹凸が形成されていることが確認された。潤滑剤の
塗布後に実施例1と同様にFT−IRで潤滑膜の厚さを
測定すると、1nmであった。本実施例の磁気ディスク
の動摩擦係数を実施例1と同等のヘッド、測定条件で測
定したところ0.01であった。
【0035】実施例1と同等のCSS試験30万回後の
動摩擦係数は0.016であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
動摩擦係数は0.016であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
【0036】本実施例の磁気ディスクの水に対する接触
角は、108度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
角は、108度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
【0037】〔実施例3〕図3は、本発明の第3の実施
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図3において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1は実施例1と同様のパーフ
ルオロポリエーテル潤滑膜、8は自己組織化単分子膜で
ある。ただし、この自己組織化単分子膜は、イオウの反
対側の終端がフッ化メチル基で置換されたアルキルチオ
ール(トリフルオロメチルウンデカンチオール)とデカ
ンチオールの2種類の分子から形成されている。
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図3において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1は実施例1と同様のパーフ
ルオロポリエーテル潤滑膜、8は自己組織化単分子膜で
ある。ただし、この自己組織化単分子膜は、イオウの反
対側の終端がフッ化メチル基で置換されたアルキルチオ
ール(トリフルオロメチルウンデカンチオール)とデカ
ンチオールの2種類の分子から形成されている。
【0038】本実施例においても実施例1と同等の連続
成膜装置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディス
クを用意した。その後、磁気ディスクをトリフルオロメ
チルウンデカンチオールとデカンチオールのエタノール
溶液(濃度はそれぞれ0.0005mol/l)に10
分間浸漬し、引き上げた後エタノール、純水の順でリン
スした。このようにして、保護膜上に自己組織化単分子
膜8を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜
を溶液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成
した。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤に前記パー
フルオロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/l
ずつの濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸
漬し、0.5mm/秒の速度で引き上げた。
成膜装置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディス
クを用意した。その後、磁気ディスクをトリフルオロメ
チルウンデカンチオールとデカンチオールのエタノール
溶液(濃度はそれぞれ0.0005mol/l)に10
分間浸漬し、引き上げた後エタノール、純水の順でリン
スした。このようにして、保護膜上に自己組織化単分子
膜8を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜
を溶液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成
した。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤に前記パー
フルオロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/l
ずつの濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸
漬し、0.5mm/秒の速度で引き上げた。
【0039】潤滑剤の塗布の前に磁気ディスク表面をエ
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、密に充填した自己組織化単分子膜の表面に2種類
のアルカンチオールの長さの差に相当する0.2nm程
度の凹凸が形成されていることが確認された。その割合
は、エックス線光電子分光法によるフッ素と炭素の表面
元素濃度の比較から1:1であることがわかった。ま
た、走査型トンネル顕微鏡と摩擦力顕微鏡の観察の比較
から、フッ化メチル基のほうが凸部にあることもわかっ
た。
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、密に充填した自己組織化単分子膜の表面に2種類
のアルカンチオールの長さの差に相当する0.2nm程
度の凹凸が形成されていることが確認された。その割合
は、エックス線光電子分光法によるフッ素と炭素の表面
元素濃度の比較から1:1であることがわかった。ま
た、走査型トンネル顕微鏡と摩擦力顕微鏡の観察の比較
から、フッ化メチル基のほうが凸部にあることもわかっ
た。
【0040】潤滑剤の塗布後に実施例1と同様にFT−
IRで潤滑膜の厚さを測定すると、1nmであった。本
実施例の磁気ディスクの動摩擦係数を実施例1と同等の
ヘッド、測定条件で測定したところ0.01であった。
IRで潤滑膜の厚さを測定すると、1nmであった。本
実施例の磁気ディスクの動摩擦係数を実施例1と同等の
ヘッド、測定条件で測定したところ0.01であった。
【0041】実施例1と同等のCSS試験30万回後の
動摩擦係数は0.017であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
動摩擦係数は0.017であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
【0042】本実施例の磁気ディスクの水に対する接触
角は、108度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
角は、108度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
【0043】〔実施例4〕図4は、本発明の第4の実施
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図4において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1はパーフルオロポリエーテ
ル潤滑膜、9は自己組織化単分子膜である。ただし、こ
の自己組織化単分子膜は、イオウの反対側の終端が水酸
基で置換されたアルキルチオール(ヒドロキシウンデカ
ンチオール)とウンデカンチオールの2種類の分子から
形成されている。
例に関わる磁気記録媒体の概略断面図を示したものであ
る。図4において、3はスパッタ法で形成された非晶質
炭素保護膜、4はコバルト・クロム・プラチナ合金系磁
気記録膜、5はクロム・チタン合金膜、6はガラス製基
板(直径2.5インチ)、1はパーフルオロポリエーテ
ル潤滑膜、9は自己組織化単分子膜である。ただし、こ
の自己組織化単分子膜は、イオウの反対側の終端が水酸
基で置換されたアルキルチオール(ヒドロキシウンデカ
ンチオール)とウンデカンチオールの2種類の分子から
形成されている。
【0044】本実施例においても実施例1と同等の連続
成膜装置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディス
クを用意した。その後、磁気ディスクをヒドロキシウン
デカンチオールとウンデカンチオールのエタノール溶液
(濃度はそれぞれ0.0005mol/l)に10分間
浸漬し、引き上げた後エタノール、純水の順でリンスし
た。このようにして、保護膜上に自己組織化単分子膜9
を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶
液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成し
た。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤にパーフルオ
ロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/lずつの
濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸漬し、
0.5mm/秒の速度で引き上げた。パーフルオロポリ
エーテル潤滑剤としては、主鎖構造がパーフルオロメチ
レンオキサイドとパーフルオロエチレンオキサイドの共
重合体(平均分子量2800)であり、両末端が、ピペ
ロニル官能基のものを用いた。
成膜装置、基板を使って保護膜まで形成した磁気ディス
クを用意した。その後、磁気ディスクをヒドロキシウン
デカンチオールとウンデカンチオールのエタノール溶液
(濃度はそれぞれ0.0005mol/l)に10分間
浸漬し、引き上げた後エタノール、純水の順でリンスし
た。このようにして、保護膜上に自己組織化単分子膜9
を形成した。それから、フッ素含有有機物の潤滑膜を溶
液浸漬塗布法によって自己組織化単分子膜上に形成し
た。塗布条件としては、フッ化炭素系溶剤にパーフルオ
ロポリエーテル潤滑剤を0.0005mol/lずつの
濃度で溶解した液に前記磁気ディスクを4分間浸漬し、
0.5mm/秒の速度で引き上げた。パーフルオロポリ
エーテル潤滑剤としては、主鎖構造がパーフルオロメチ
レンオキサイドとパーフルオロエチレンオキサイドの共
重合体(平均分子量2800)であり、両末端が、ピペ
ロニル官能基のものを用いた。
【0045】潤滑剤の塗布の前に磁気ディスク表面をエ
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、水酸基を表面に出したものとメチル基を表面に出
したものの2種類のアルカンチオールからなる密に充填
した自己組織化単分子膜が形成されていることが確認さ
れた。その割合は、エックス線光電子分光法による酸素
と炭素の表面元素濃度の比較から1:1であることがわ
かった。
ックス線光電子分光法と走査型トンネル顕微鏡で観察す
ると、水酸基を表面に出したものとメチル基を表面に出
したものの2種類のアルカンチオールからなる密に充填
した自己組織化単分子膜が形成されていることが確認さ
れた。その割合は、エックス線光電子分光法による酸素
と炭素の表面元素濃度の比較から1:1であることがわ
かった。
【0046】潤滑剤の塗布後に実施例1と同様にFT−
IRで潤滑膜の厚さを測定すると、1nmであった。本
実施例の磁気ディスクの動摩擦係数を実施例1と同等の
ヘッド、測定条件で測定したところ0.01であった。
IRで潤滑膜の厚さを測定すると、1nmであった。本
実施例の磁気ディスクの動摩擦係数を実施例1と同等の
ヘッド、測定条件で測定したところ0.01であった。
【0047】実施例1と同等のCSS試験30万回後の
動摩擦係数は0.018であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
動摩擦係数は0.018であって、2種類の長さの異な
るアルカンチオールによる自己組織化単分子膜によって
保護膜表面のダングリングボンドがマスクされ、ヘッド
との摺動を起因としたダングリングボンドによる潤滑剤
の分解反応が効果的に阻止されていることが確認され
た。
【0048】本実施例の磁気ディスクの水に対する接触
角は、106度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
角は、106度であった。実施例1と同条件で恒温恒湿
環境の放置試験では、腐食点は観測されなかった。
【0049】〔実施例5〕本実施例では、図1に断面構
造を略示する実施例1と同様の磁気ディスクを作製し
た。ただし、潤滑剤には、炭素数が20のポリブテンを
使用した。潤滑膜厚は、2nmである。
造を略示する実施例1と同様の磁気ディスクを作製し
た。ただし、潤滑剤には、炭素数が20のポリブテンを
使用した。潤滑膜厚は、2nmである。
【0050】実施例1と同様にして、AlTiC製のヘ
ッドを用いて動摩擦係数を測定すると、0.017であ
った。実施例1と同条件のCSS試験30万回後の動摩
擦係数の値は、0.024であった。本実施例の磁気デ
ィスクの水に対する接触角は、106度であった。ま
た、実施例1と同条件で行った恒温恒湿環境の放置試験
では、腐食点は観測されなかった。
ッドを用いて動摩擦係数を測定すると、0.017であ
った。実施例1と同条件のCSS試験30万回後の動摩
擦係数の値は、0.024であった。本実施例の磁気デ
ィスクの水に対する接触角は、106度であった。ま
た、実施例1と同条件で行った恒温恒湿環境の放置試験
では、腐食点は観測されなかった。
【0051】〔実施例6〕本実施例では、図1に断面構
造を略示する実施例1と同様の磁気ディスクを作製し
た。ただし、潤滑剤には、炭素数が16のフルオロエス
テルを使用した。潤滑膜厚は、1.5nmである。
造を略示する実施例1と同様の磁気ディスクを作製し
た。ただし、潤滑剤には、炭素数が16のフルオロエス
テルを使用した。潤滑膜厚は、1.5nmである。
【0052】実施例1と同様にして、AlTiC製のヘ
ッドを用いて動摩擦係数を測定すると、0.016であ
った。実施例1と同条件のCSS試験30万回後の動摩
擦係数の値は、0.020であった。本実施例の磁気デ
ィスクの水に対する接触角は、107度であった。ま
た、実施例1と同条件で行った恒温恒湿環境の放置試験
では、腐食点は観測されなかった。
ッドを用いて動摩擦係数を測定すると、0.016であ
った。実施例1と同条件のCSS試験30万回後の動摩
擦係数の値は、0.020であった。本実施例の磁気デ
ィスクの水に対する接触角は、107度であった。ま
た、実施例1と同条件で行った恒温恒湿環境の放置試験
では、腐食点は観測されなかった。
【0053】〔実施例7〕本発明による磁気記憶装置の
平面模式図及び縦断面模式図を図5(a)及び図5
(b)に示す。この装置は、磁気記録媒体10と、これ
を回転駆動する駆動部11と、磁気ヘッド12及びその
駆動手段13と、磁気ヘッドの記録再生信号処理手段1
4を有してなる周知の構成を持つ磁気記憶装置である。
平面模式図及び縦断面模式図を図5(a)及び図5
(b)に示す。この装置は、磁気記録媒体10と、これ
を回転駆動する駆動部11と、磁気ヘッド12及びその
駆動手段13と、磁気ヘッドの記録再生信号処理手段1
4を有してなる周知の構成を持つ磁気記憶装置である。
【0054】磁気ヘッドの構造を図6に示す。この磁気
ヘッドは基体21上に形成された記録用の電磁誘導型磁
気ヘッド、再生用の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを併せ持
つ複合型ヘッドである。前記記録用ヘッドはコイル18
を挟む上部記録磁極19と下部記録磁極兼上部シールド
層17からなり、記録磁極間のギャップ層厚は0.3μ
mとした。また、コイルには厚さ3μmのCuを用い
た。前記再生用ヘッドは磁気抵抗センサ15とその両端
の電極パタン20からなり、磁気抵抗センサは共に1μ
m厚の下部記録磁極兼上部シールド層と下部シールド層
16で挟まれ、前記シールド層間距離は0.25μmで
ある。尚、図6では記録磁極間のギャップ層、及びシー
ルド層と磁気抵抗センサとのギャップ層は省略してあ
る。
ヘッドは基体21上に形成された記録用の電磁誘導型磁
気ヘッド、再生用の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを併せ持
つ複合型ヘッドである。前記記録用ヘッドはコイル18
を挟む上部記録磁極19と下部記録磁極兼上部シールド
層17からなり、記録磁極間のギャップ層厚は0.3μ
mとした。また、コイルには厚さ3μmのCuを用い
た。前記再生用ヘッドは磁気抵抗センサ15とその両端
の電極パタン20からなり、磁気抵抗センサは共に1μ
m厚の下部記録磁極兼上部シールド層と下部シールド層
16で挟まれ、前記シールド層間距離は0.25μmで
ある。尚、図6では記録磁極間のギャップ層、及びシー
ルド層と磁気抵抗センサとのギャップ層は省略してあ
る。
【0055】図7に磁気抵抗センサの断面構造を示す。
磁気センサの信号検出領域22は、酸化Alのギャップ
層23上に横バイアス層24、分離層25、磁気抵抗強
磁性層26が順次形成された部分からなる。磁気抵抗強
磁性層には、20nmのNiFe合金を用いた。横バイ
アス層には25nmのNiFeNbを用いたが、NiF
eRh等の比較的電気抵抗が高く、軟磁気特性の良好な
強磁性合金であれば良い。横バイアス層は磁気抵抗強磁
性層を流れるセンス電流がつくる磁界によって、前記電
流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化され、磁気抵抗
強磁性層に横方向のバイアス磁界を印加する。これによ
って、媒体からの漏洩磁界に対して線形な再生出力を示
す磁気センサが得られる。磁気抵抗強磁性層からのセン
ス電流の分流を防ぐ分離層には、比較的電気抵抗が高い
Taを用い、膜厚は5nmとした。
磁気センサの信号検出領域22は、酸化Alのギャップ
層23上に横バイアス層24、分離層25、磁気抵抗強
磁性層26が順次形成された部分からなる。磁気抵抗強
磁性層には、20nmのNiFe合金を用いた。横バイ
アス層には25nmのNiFeNbを用いたが、NiF
eRh等の比較的電気抵抗が高く、軟磁気特性の良好な
強磁性合金であれば良い。横バイアス層は磁気抵抗強磁
性層を流れるセンス電流がつくる磁界によって、前記電
流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化され、磁気抵抗
強磁性層に横方向のバイアス磁界を印加する。これによ
って、媒体からの漏洩磁界に対して線形な再生出力を示
す磁気センサが得られる。磁気抵抗強磁性層からのセン
ス電流の分流を防ぐ分離層には、比較的電気抵抗が高い
Taを用い、膜厚は5nmとした。
【0056】信号検出領域の両端にはテーパー形状に加
工されたテーパー部27がある。テーパー部は、磁気抵
抗強磁性層を単磁区化するための永久磁石層28と、そ
の上に形成された信号を取り出すための一対の電極20
からなる。永久磁石層は保磁力が大きく、磁化方向が容
易に変化しないことが必要であり、CoCr,CoCr
Pt合金等が用いられる。
工されたテーパー部27がある。テーパー部は、磁気抵
抗強磁性層を単磁区化するための永久磁石層28と、そ
の上に形成された信号を取り出すための一対の電極20
からなる。永久磁石層は保磁力が大きく、磁化方向が容
易に変化しないことが必要であり、CoCr,CoCr
Pt合金等が用いられる。
【0057】磁気記録媒体10としては、実施例1で述
べた媒体を用いた。ここで磁気記録膜の特性として保磁
力Hcが2.7kOeの媒体を用いた。本実施例の磁気
記憶装置を用い、ヘッド浮上量35nm、線記録密度2
30kFCI、トラック密度13kTPIの条件で記録
再生特性を評価したところ4.5の装置S/Nが得られ
た。また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符号変調処
理を施すことにより、1平方インチあたり3ギガビット
の記録密度で記録再生することができた。しかも、内周
から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビットエラ
ー数は10ビット/面以下であり、MTBFで15万時
間が達成できた。
べた媒体を用いた。ここで磁気記録膜の特性として保磁
力Hcが2.7kOeの媒体を用いた。本実施例の磁気
記憶装置を用い、ヘッド浮上量35nm、線記録密度2
30kFCI、トラック密度13kTPIの条件で記録
再生特性を評価したところ4.5の装置S/Nが得られ
た。また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符号変調処
理を施すことにより、1平方インチあたり3ギガビット
の記録密度で記録再生することができた。しかも、内周
から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビットエラ
ー数は10ビット/面以下であり、MTBFで15万時
間が達成できた。
【0058】〔実施例8〕実施例7と同様な構成である
が、再生用ヘッドの磁気抵抗センサと記録媒体の膜構成
が異なる磁気記憶装置についての実施例を以下に示す。
磁気抵抗センサは図8に示す様に、酸化Alギャップ層
23上に、磁性層に(111)配向をとらせるためのT
aバッファ層29が5nm、7nmの第一の磁性層3
0、1.5nmのCu中間層31、3nmの第二の磁性
層32、10nmのFe−50at%Mn反強磁性合金
層33が順次形成された構造である。第一の磁性層には
Ni−20at%Fe合金を使用し、第二の磁性層には
Coを使用した。反強磁性層からの交換磁界により、第
二の磁性層の磁化は一方向に固定されている。これに対
し、第二の磁性層と非磁性層を介して接する第一の磁性
層の磁化の方向は、磁気記録媒体からの漏洩磁界により
変化するため、抵抗変化が生じる。このような二つの磁
性層の磁化の相対的方向の変化に伴う抵抗変化はスピン
バルブ効果と呼ばれるが、本実施例では再生用ヘッドに
この効果を利用したスピンバルブ型磁気ヘッドを使用し
た。テーパー部は実施例7の磁気センサと同一構成であ
る。
が、再生用ヘッドの磁気抵抗センサと記録媒体の膜構成
が異なる磁気記憶装置についての実施例を以下に示す。
磁気抵抗センサは図8に示す様に、酸化Alギャップ層
23上に、磁性層に(111)配向をとらせるためのT
aバッファ層29が5nm、7nmの第一の磁性層3
0、1.5nmのCu中間層31、3nmの第二の磁性
層32、10nmのFe−50at%Mn反強磁性合金
層33が順次形成された構造である。第一の磁性層には
Ni−20at%Fe合金を使用し、第二の磁性層には
Coを使用した。反強磁性層からの交換磁界により、第
二の磁性層の磁化は一方向に固定されている。これに対
し、第二の磁性層と非磁性層を介して接する第一の磁性
層の磁化の方向は、磁気記録媒体からの漏洩磁界により
変化するため、抵抗変化が生じる。このような二つの磁
性層の磁化の相対的方向の変化に伴う抵抗変化はスピン
バルブ効果と呼ばれるが、本実施例では再生用ヘッドに
この効果を利用したスピンバルブ型磁気ヘッドを使用し
た。テーパー部は実施例7の磁気センサと同一構成であ
る。
【0059】磁気記録媒体としては、実施例1で述べた
媒体を用いた。ここで磁気記録膜の特性として保磁力H
cが2.7kOeの媒体を用いた。本実施例の磁気記憶
装置を用い、ヘッド浮上量35nm、線記録密度230
kFCI、トラック密度13kTPIの条件で記録再生
特性を評価したところ4.5の装置S/Nが得られた。
また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符号変調処理を
施すことにより、1平方インチあたり3ギガビットの記
録密度で記録再生することができた。しかも、内周から
外周までのヘッドシーク試験5万回後のビットエラー数
は10ビット/面以下であり、MTBFで15万時間が
達成できた。
媒体を用いた。ここで磁気記録膜の特性として保磁力H
cが2.7kOeの媒体を用いた。本実施例の磁気記憶
装置を用い、ヘッド浮上量35nm、線記録密度230
kFCI、トラック密度13kTPIの条件で記録再生
特性を評価したところ4.5の装置S/Nが得られた。
また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符号変調処理を
施すことにより、1平方インチあたり3ギガビットの記
録密度で記録再生することができた。しかも、内周から
外周までのヘッドシーク試験5万回後のビットエラー数
は10ビット/面以下であり、MTBFで15万時間が
達成できた。
【0060】〔比較例1〕実施例1と同等の基板に同条
件で非晶質保護膜までを成膜した磁気ディスクに、実施
例1と同等のパーフルオロポリエーテル潤滑剤を1nm
の膜厚で溶液浸漬塗布したものを比較例1として作成し
た。
件で非晶質保護膜までを成膜した磁気ディスクに、実施
例1と同等のパーフルオロポリエーテル潤滑剤を1nm
の膜厚で溶液浸漬塗布したものを比較例1として作成し
た。
【0061】実施例1と同等の各種評価試験を行ったと
ころ、以下の結果を得た。 (1)動摩擦係数は0.02であった。 (2)CSS30万回後の動摩擦係数は0.8に上昇し
た。CSS30万回後の摺動トラックには摩耗痕が観測
された。 (3)水に対する接触角は107度であった。また、実
施例1と同条件の恒温恒湿環境試験後の磁気ディスク表
面にはごくわずかな変色が見られた。
ころ、以下の結果を得た。 (1)動摩擦係数は0.02であった。 (2)CSS30万回後の動摩擦係数は0.8に上昇し
た。CSS30万回後の摺動トラックには摩耗痕が観測
された。 (3)水に対する接触角は107度であった。また、実
施例1と同条件の恒温恒湿環境試験後の磁気ディスク表
面にはごくわずかな変色が見られた。
【0062】〔比較例2〕実施例4と同様の回転駆動す
る駆動部と、磁気ヘッド及びその駆動手段と、磁気ヘッ
ドの記録再生信号処理手段と、比較例1で述べた磁気記
録媒体とによって構成される磁気記憶装置を作成した。
ここで磁気記録膜の特性として保磁力Hcが3.2kO
eの媒体を用いた。
る駆動部と、磁気ヘッド及びその駆動手段と、磁気ヘッ
ドの記録再生信号処理手段と、比較例1で述べた磁気記
録媒体とによって構成される磁気記憶装置を作成した。
ここで磁気記録膜の特性として保磁力Hcが3.2kO
eの媒体を用いた。
【0063】本比較例の磁気記憶装置を用い、ヘッド浮
上量35nm、シールド層間隔0.35μm以下、線記
録密度230kFCI、トラック密度13kTPIの条
件で記録再生特性を評価したところ4.5の装置S/N
が得られた。また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符
号変調処理を施すことにより、1平方インチあたり3ギ
ガビットの記録密度で記録再生することができた。しか
し、内周から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビ
ットエラー数は800ビット/面以上であり、MTBF
は9万時間以下であった。
上量35nm、シールド層間隔0.35μm以下、線記
録密度230kFCI、トラック密度13kTPIの条
件で記録再生特性を評価したところ4.5の装置S/N
が得られた。また、磁気ヘッドへの入力信号を8−9符
号変調処理を施すことにより、1平方インチあたり3ギ
ガビットの記録密度で記録再生することができた。しか
し、内周から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビ
ットエラー数は800ビット/面以上であり、MTBF
は9万時間以下であった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によると、
磁気記録膜と保護膜とを有する磁気記録媒体において、
保護膜上に、自己組織化単分子膜を形成し、自己組織化
単分子膜の上に有機物潤滑剤から成る薄膜を形成するこ
とによって、潤滑剤が保護膜表面にあるダングリングボ
ンドや汚染物から隔離されるので、ヘッドとの摺動によ
るトライボ化学反応に誘起される潤滑剤の分解が抑えら
れて、潤滑性能が低下することなく、長期に安定した耐
摺動特性と耐候性を備えた磁気記録媒体を実現すること
ができる。
磁気記録膜と保護膜とを有する磁気記録媒体において、
保護膜上に、自己組織化単分子膜を形成し、自己組織化
単分子膜の上に有機物潤滑剤から成る薄膜を形成するこ
とによって、潤滑剤が保護膜表面にあるダングリングボ
ンドや汚染物から隔離されるので、ヘッドとの摺動によ
るトライボ化学反応に誘起される潤滑剤の分解が抑えら
れて、潤滑性能が低下することなく、長期に安定した耐
摺動特性と耐候性を備えた磁気記録媒体を実現すること
ができる。
【図1】本発明による磁気ディスクの一例の概略断面
図。
図。
【図2】本発明による磁気ディスクの他の例の概略断面
図。
図。
【図3】本発明による磁気ディスクの他の例の概略断面
図。
図。
【図4】本発明による磁気ディスクの他の例の概略断面
図。
図。
【図5】磁気記憶装置の概略図であり、(a)は平面模
式図、(b)はそのA−A’縦断面図。
式図、(b)はそのA−A’縦断面図。
【図6】磁気ヘッドの断面構造を示す立体模式図。
【図7】磁気ヘッドの磁気抵抗センサ部の断面構造の模
式図。
式図。
【図8】磁気ヘッドの磁気抵抗センサ部の断面構造の模
式図。
式図。
1…有機物潤滑剤からなる薄膜、2…自己組織化単分子
膜、3…非晶質炭素保護膜、4…磁気記録膜、5…クロ
ム膜、6…ガラス製基板、7…炭素数の異なる2種類以
上のアルカンチオールから成る自己組織化単分子膜、8
…異なる炭素数で異なる最表面化学種を2種以上含む自
己組織化単分子膜、9…最表面に異なる化学種を2種以
上含む自己組織化単分子膜、10…磁気記録媒体、11
…磁気記録媒体駆動部、12…磁気ヘッド、13…磁気
ヘッド駆動部、14…記録再生信号処理系、15…磁気
抵抗センサ、16…下部シールド層、17…上部シール
ド記録磁極兼用層、18…コイル、19…上部記録磁
極、20…導体層、21…基体、22…信号検出領域、
23…シールド層と磁気抵抗センサの間のギャップ層、
24…横バイアス層、25…分離層、26…磁気抵抗強
磁性層、27…テーパー部、28…永久磁石層、29…
バッファ層、30…第一の磁性層、31…中間層、32
…第二の磁性層、33…反強磁性層
膜、3…非晶質炭素保護膜、4…磁気記録膜、5…クロ
ム膜、6…ガラス製基板、7…炭素数の異なる2種類以
上のアルカンチオールから成る自己組織化単分子膜、8
…異なる炭素数で異なる最表面化学種を2種以上含む自
己組織化単分子膜、9…最表面に異なる化学種を2種以
上含む自己組織化単分子膜、10…磁気記録媒体、11
…磁気記録媒体駆動部、12…磁気ヘッド、13…磁気
ヘッド駆動部、14…記録再生信号処理系、15…磁気
抵抗センサ、16…下部シールド層、17…上部シール
ド記録磁極兼用層、18…コイル、19…上部記録磁
極、20…導体層、21…基体、22…信号検出領域、
23…シールド層と磁気抵抗センサの間のギャップ層、
24…横バイアス層、25…分離層、26…磁気抵抗強
磁性層、27…テーパー部、28…永久磁石層、29…
バッファ層、30…第一の磁性層、31…中間層、32
…第二の磁性層、33…反強磁性層
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも磁気記録膜とその上に設けら
れた保護膜とを有し、前記保護膜上に自己組織化単分子
膜が形成されており、前記自己組織化単分子膜上に有機
物潤滑剤からなる薄膜が形成されていることを特徴とす
る磁気記録媒体。 - 【請求項2】 少なくとも磁気記録膜とその上に設けら
れた保護膜とを有し、前記保護膜上に水平方向の分子間
隔が0.2nm以上1nm以下の実質的に一定の間隔で
並ぶ水平面並進対称性を持った自己組織化単分子膜が形
成されており、前記自己組織化単分子膜上に有機物潤滑
剤からなる薄膜が形成されていることを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項3】 前記自己組織化単分子膜がイオウ原子を
前記保護膜側に配向した、炭素数3以上30以下のアル
カンチオールから形成されてなることを特徴とする請求
項1及至2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記自己組織化単分子膜が炭素数の異な
る2種類以上のアルカンチオール混合物からなることを
特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項5】 前記自己組織化単分子膜のアルカンチオ
ールの保護膜と反対側の終端のメチル基が水酸基、アミ
ノ基、フッ化メチル基のいずれか1つあるいは2つ以上
の基で置換されてなることを特徴とする請求項3又は4
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 前記アルカンチオールはイオウ原子と反
対側の終端がメチル基とフッ化メチル基からなる2種類
のアルカンチオールであり、フッ化メチル基を持つアル
カンチオールの炭素数がメチル基を持つアルカンチオー
ルの炭素数より多く、フッ化メチル基を持つアルカンチ
オールの分子数が自己組織化単分子膜の全分子数の5%
以上80%以下であることを特徴とする請求項4記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項7】 前記有機物潤滑剤の主鎖構造がパーフル
オロポリエーテル系高分子、炭化水素もしくはフッ化炭
素のいずれか、又はその2つ以上の混合物から成ること
を特徴とする請求項1及至6記載の磁気記録媒体。 - 【請求項8】 前記有機物潤滑剤からなる薄膜の厚さが
0.2nm以上10nm以下であることを特徴とする請
求項1〜7のいずれか1項記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 前記保護膜が非晶質炭素、ケイ素含有非
晶質炭素、窒素含有非晶質炭素、ホウ素含有非晶質炭
素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム及び立方晶窒化ホウ
素から選ばれる少なくとも1つの材料で構成されて成る
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項10】 少なくとも磁気記録膜とその上に設け
られた保護膜とを有し、前記保護膜上に自己組織化単分
子膜が形成されており、前記自己組織化単分子膜上に有
機物潤滑剤からなる薄膜が形成されている磁気記録媒体
と、前記磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、
記録部と再生部とを備える磁気ヘッドと、前記磁気ヘッ
ドを前記磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、
記録再生信号処理手段とを有することを特徴とする磁気
記憶装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP876697A JPH10208228A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP876697A JPH10208228A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10208228A true JPH10208228A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11702041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP876697A Pending JPH10208228A (ja) | 1997-01-21 | 1997-01-21 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10208228A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002353436A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-06 | Japan Science & Technology Corp | シリコンナノパーティクルのパターニング方法及びこの方法に用いる有機分子 |
US7220482B2 (en) | 2001-01-24 | 2007-05-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Aligned fine particles, method for producing the same and device using the same |
JP2011003261A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Hitachi Ltd | 磁気記録媒体、磁気記録媒体製造方法、磁気記憶装置 |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP876697A patent/JPH10208228A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2002353436A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-06 | Japan Science & Technology Corp | シリコンナノパーティクルのパターニング方法及びこの方法に用いる有機分子 |
JP2011003261A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Hitachi Ltd | 磁気記録媒体、磁気記録媒体製造方法、磁気記憶装置 |
US8318332B2 (en) | 2009-06-22 | 2012-11-27 | Hitachi, Ltd. | Magnetic recording medium, method for fabricating the same, and magnetic storage device |
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