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JPH10133316A - ハロゲン化銀写真感光材料、画像形成ユニット、x線画像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料、画像形成ユニット、x線画像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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Publication number
JPH10133316A
JPH10133316A JP28513196A JP28513196A JPH10133316A JP H10133316 A JPH10133316 A JP H10133316A JP 28513196 A JP28513196 A JP 28513196A JP 28513196 A JP28513196 A JP 28513196A JP H10133316 A JPH10133316 A JP H10133316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
halide photographic
processing
sensitive material
phosphor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28513196A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Adachi
仁 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP28513196A priority Critical patent/JPH10133316A/ja
Publication of JPH10133316A publication Critical patent/JPH10133316A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低補充で超迅速処理を行っても帯電防止性、
現像性、定着性に優れるハロゲン化銀写真感光材料及び
それを用いるX線画像形成ユニット、X線画像形成方
法、及び処理方法の提供。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
写真感光材料において、該親水性コロイド層の少なくと
も一層に、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤
をそれぞれ少なくとも一種づつ含み、かつ、該界面活性
剤の少なくとも一種は少なくとも1個のポリオキシアル
キレン基を含み、更に、支持体上のハロゲン化銀乳剤層
を有する側に導電性物質を含有する層を有することを特
徴とするハロゲン化銀写真感光材料及びそれを用いるX
線画像形成ユニット、X線画像形成方法、及び処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料及びそれを用いるX線画像形成ユニット、X線画
像形成方法、及び処理方法に関し、詳しくは低補充で超
迅速処理を行っても帯電防止性、現像性、定着性に優れ
るハロゲン化銀写真感光材料及びそれを用いるX線画像
形成ユニット、X線画像形成方法、及び処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、レントゲン用感光材料の帯電防止
方法としては、表面にポリオキシアルキレン基を有する
ノニオン界面活性剤を用いてきたが、迅速処理化、超低
補充化の中で、ノニオン界面活性剤が現像槽や定着槽に
蓄積し、それが処理したフィルムに付着することによ
り、現像ムラや定着阻害を引き起こすという問題を生じ
た。そこで、処理中に処理槽に溶出しない帯電防止方法
としては、下引き層やゼラチン層に導電性物質を添加す
る方法が知られているが、下引き層に金属酸化物、特に
コロイド状酸化スズゾルを含有する方法が非常に有効で
あることを見出した。
【0003】しかし、下引き層だけで帯電防止を行おう
とした場合、酸化スズゾルの付き量が多く必要となり、
失透性の劣化やコストアップといった問題を生じ、好ま
しくない。
【0004】そこでフィルム表面に、どちらか一方にポ
リオキシアルキレン基を持ったアニオン活性剤とカチオ
ン活性剤を組み合わせて添加することで、電気的相互作
用によってフィルム表面に固定化して、処理中に溶出し
にくくしてやり、下引きの効果と併せて高い帯電防止性
と、超迅速、低補充処理した際にも画質の劣化が無い写
真感光材料が得られた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低補充で超迅速処理を行っても帯電防止性、現像
性、定着性に優れるハロゲン化銀写真感光材料及びそれ
を用いるX線画像形成ユニット、X線画像形成方法、及
び処理方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0007】(1) 支持体上に少なくとも1層のハロ
ゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料において、該親水性コロイド層の少
なくとも一層に、アニオン界面活性剤及びカチオン界面
活性剤をそれぞれ少なくとも一種づつ含み、かつ、該界
面活性剤の少なくとも一種は少なくとも1個のポリオキ
シアルキレン基を含み、更に、支持体上のハロゲン化銀
乳剤層を有する側に導電性物質を含有する層を有するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】(2) 前記導電性物質が金属酸化物であ
ることを特徴とする前記1記載のハロゲン化銀写真感光
材料。
【0009】(3) 前記金属酸化物がコロイド状酸化
スズゾルであり、かつ下塗り層中に含有することを特徴
とする前記1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0010】(4) 前記ハロゲン化銀乳剤層に含まれ
るハロゲン化銀粒子が、2つの平行な(100)面から
なる主平面を有する平板状であり、塩化銀含有率10モ
ル%以上であることを特徴とする前記1、2又は3記載
のハロゲン化銀写真感光材料。
【0011】(5) 支持体上の親水性バインダー量が
片面当たり1.0g/m2以上3.0g/m2以下である
ことを特徴とする前記1〜4の何れか1項記載のハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0012】(6) 片面当たりの銀付量が1.0g/
2以上2.0g/m2以下であることを特徴とする前記
1〜5の何れか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】(7) 前記1〜6の何れか1項記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、2枚の蛍光増感紙に挟んで
なる画像形成ユニット。
【0014】(8) 前記7記載の蛍光増感紙が、X線
エネルギーが80kVpのX線に対して45%以上の吸
収量を示し、蛍光体の充填率が68%以上で、かつ蛍光
体の厚みが135μm以上200μm以下であり、X線
照射を行うことで像様露光をすることを特徴とするX線
画像形成方法。
【0015】(9) 前記1〜6の何れか1項記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料を、現像,定着,水洗,乾燥の
工程を有する自動現像機で処理することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】(10) 固体処理剤を、処理槽に供給す
る機構を有する自動現像機で処理することを特徴とする
前記9記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0017】(11) 現像工程及び/又は定着工程に
補充する補充液量が、下記の式で表されることを特徴と
する前記9又は10記載のハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0018】1≦補充液量/感光材料による持ち出し量
≦5 (12) 全処理工程に要する処理時間(Dry to
Dry)が25秒以内であることを特徴とする前記9
〜11の何れか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0019】本発明を更に詳しく説明する。本発明に好
ましく用いられるアニオン界面活性剤としては下記一般
式(1)で表されるものが、またポリオキシエチレン基
を有する好ましいアニオン界面活性剤としては下記一般
式(2)で表されるものが挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】式中R1及びR2はアルキル基、アルケニル
基、又はアリール基を表し、同じでも異なっていてもよ
い。mは0又は1を表し、Mはカチオンを表す。
【0022】R1,R2及びMは具体的には例えば特開平
2−141739号公報記載のものと同様のものが挙げ
られる。以下本発明に好ましく用いられる一般式(1)
で表される化合物の具体的例示化合物を示すが本発明は
これらにより限定されるものではない。
【0023】
【化2】
【0024】及び特開平2−141739号公報第3頁
記載の例示化合物No.I−1〜I−9などが挙げられ
る。
【0025】一般式(2) R3−A(CH2CH2O)nB−D 式中R3は炭素原子数1〜30の置換又は無置換のアル
キル基、アルケニル基又はアリール基を、Aは−O−
基、−S−基、−COO−基、>N−R4基、−CO−
N(R4)−基、−SO2N(R4)−基(ここでR4は、
水素原子、置換又は無置換のアルキル基を示す。)を表
す。Bは置換又は無置換のアルキル基、アルケニル基又
はアリール基を表し、Dはアニオン基を表し、nは酸化
エチレンの平均重合度を表し、具体的には1〜50の数
である。
【0026】一般式(2)において、nは2〜10の範
囲の数であることが好ましく、Bは炭素原子数1〜6の
アルキレン基であることが好ましく、更に好ましくはメ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を
表すことが好ましい。Dは−COOM、−SO3M、−
O−SO3M、
【0027】
【化3】
【0028】であることが好ましい。ここでMは上記一
般式(1)と同義の基を表すが、好ましくは水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は低
級アルキルアミンである。またA,B及びR3はそれぞ
れ一般式(2)で定義したものと同義である。
【0029】これらの化合物は、米国特許第3,02
6,202号、同2,600,831号、同2,71
9,087号、同3,201,252号、同3,41
5,649号、特開昭54−98235号、特公昭40
−23747号、英国特許第1,178,546号、同
1,344,987号、米国特許第3,264,108
号、同2,600,831号等に記載されている。以下
に上記一般式(2)で表される化合物の具体的例示化合
物を示すが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】更に、本発明に好ましく用いられるアニオ
ン界面活性剤としては下記一般式(3)で表されるもの
が挙げられる。
【0034】一般式(3) (Cf)−(Y)n1 式中、Cfは少なくとも3個の弗素原子と少なくとも2
個の炭素原子を含むn1価の基で表し、Yは−COO
M、−SO3M、−OSO3M又は−P(=O)(OM)
2を表す。Mは一般式(1)で定義したMと同義の基
で、水素原子又はアルカリ金属もしくは第4級アンモニ
ウム塩の如きカチオンを表し、n1は1又は2である。
【0035】以下に上記一般式(3)で表される化合物
の具体的例示化合物を示すが、本発明はこれらにより限
定されるものではない。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】次に本発明に用いられるカチオン活性剤に
ついて述べる。本発明に好ましく用いられるカチオン活
性剤は下記一般式(4)で表される化合物が挙げられ
る。
【0042】一般式(4) Rf′−L−X+- 式中、Rf′は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表
し、少なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換され
ている。Lは化学結合手又は2価基を表す。X+はカチ
オン、Z-はカウンターアニオンを表す。
【0043】一般式(4)において、式中のRf′は炭
素数1〜20の炭化水素基を表し、少なくとも一つの水
素原子はフッ素原子で置換されているものが好ましい。
【0044】Rf′としては例えば−Ckk+1(k=1
〜20、特に3〜12が好ましい)、−Cm2m、−Cm
2m-1(m=2〜20、特に3〜12が好ましい)等を
挙げることができる。
【0045】Lの例としては−SO2N(R1)(C
2p−、−CON(R1)(CH2p−、−OASO2
N(R1)(CH2p−、−OACON(R1)(C
2p−、−OAO(CH2p−、−OA(CH2
p−、−O(CH2CH2O)q(CH2p−、−O(CH
2p−、−N(R1)(CH2p−、−SO2N(R1
(CH2pO(CH2r−、−CON(R1)(CH2
pO(CH2r−、−OASO2N(R1)(CHR1p
OA−、−(CH2p(CHOH)s(CH2r−等を
挙げることができる。尚、Aは、アルキレン基又はアリ
ーレン基を表す。
【0046】X+の例としては−N+(R13、−N
+(CH2CH2OCH33、−N+48O(R13、−
+(R1)(R2)(CH2CH2OCH3)、−N+5
5、−N+(R1)(R2)(CH2p65、−N
+(R1)(R2)(R2)等を挙げることができる。ここ
でR1及びR2は各々、水素原子又は炭素原子数1〜6の
アルキル基(置換基を有してもよい)を表し、p、r及び
sは各々0〜6、qは1〜20である。
【0047】Y-の例としてはI-、Cl-、Br-、CH
3SO3 -、CH3−C64−SO3 -等を挙げることができ
る。
【0048】以下に本発明に好ましく用いられるフッ素
系カチオン活性剤の具体例を挙げるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】本発明に使用されるカチオン活性剤とアニ
オン活性剤の合計使用量は1m2当たり0.1〜100
0mgがよく、好ましくは0.5〜300mg、更に好
ましくは1.0〜150mgがよい。
【0052】本発明のアニオン活性剤とカチオン活性剤
の添加割合は、モル比で1:10〜10:1が好まし
く、更には3:7〜7:3が好ましい。
【0053】本発明のアニオン活性剤及びカチオン活性
剤の添加場所は特に制限されないが、感光材料の表面保
護層であることが好ましい。
【0054】本発明において、ポリオキシアルキレン基
としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレ
ン基、ポリオキシブチレン基などが挙げられるが、ポリ
オキシエチレン基が好ましく使用される。
【0055】本発明に好ましく使用される導電性物質は
金属酸化物又は導電性ポリマーであるが、より好ましく
は金属酸化物である。
【0056】尚、導電性ポリマーとしては、例えば特開
平4−80744号等に記載の水溶性の導電性ポリマー
を挙げることができる。
【0057】本発明に好ましく用いられるコロイド状酸
化スズゾルについて述べる。ここでいうコロイド状とは
10-5〜10-7cmの直径の粒子の分散状態が安定であ
ることから、この大きさをコロイド次元と言い、コロイ
ド次元の大きさの粒子をコロイド粒子として、このコロ
イド粒子が分散している状態を本発明におけるコロイド
状と言う。
【0058】本発明に使用するコロイド状酸化スズゾル
の製造方法は、酸化スズ超微粒子を適当な溶媒に分散し
て製造する方法、溶媒に可溶なスズ化合物の溶媒中にお
ける分解反応から製造する方法等、何れの方法も採用で
きる。
【0059】酸化スズ超微粒子を用いる製造方法におい
ては、特に温度条件が重要で、高温の熱処理を伴う方法
は、一次粒子の成長や、結晶性が出現する等の理由で好
ましくなく、やむを得ず熱処理を行う場合は、300℃
以下、好ましくは200℃以下、更には150℃以下と
する。しかしながら、150〜250℃の範囲での加温
はバインダー中への分散にとっては好ましい。
【0060】また湿式法により製造されたスズ化合物を
電気炉中に噴霧する方法や、有機スズ化合物の高温熱分
解法等、酸化スズだけを単離する製造プロセスに引き続
き、酸化スズを溶媒中に再分散する方法は、再分散が大
変困難であったり、凝集粒子の発生を伴ったりして、写
真用帯電防止剤として用いるにはあまり適さない。
【0061】製造時の酸化スズゾル分散液の溶媒と、保
護コロイドバインダーとの相溶性が悪い時は、バインダ
ーに分散するのに好適な溶媒に置換するために、製造溶
媒と相溶性の良好な、又は酸化スズゾルを安定に分散せ
しめる化合物を適宜添加し、300℃以下、好ましくは
200℃以下、更には150℃以下に加温して添加した
化合物とともに酸化スズ超微粒子を乾燥分離して水中若
しくは他の溶媒を混合した水中に再分散する。
【0062】溶媒に可溶なスズ化合物の溶媒中における
分解反応から製造する方法に用いるスズ化合物として
は、K2SnO3・3H2Oの様なオキソ陰イオンを含む
化合物、SnCl4の様な水溶性ハロゲン化物、R′2
nR2、R3SnX、R2SnX2の構造を有する(C
33SnCl・(ピリジン)、(C492Sn(O
CC252等の有機金属化合物、Sn(SO42・2
2O等のオキソ塩を挙げることができる。
【0063】これらの溶媒に可溶なスズ化合物をその溶
媒に溶解後、加熱、加圧等の物理的方法、酸化、還元、
加水分解等の化学的方法等により酸化スズゾルを製造す
るか、若しくは中間体を経て酸化スズゾルを製造する。
例えば特公昭35−6616号にはSnCl4を100
倍容量の蒸留水に溶解し、水酸化第2スズを沈殿させ、
次いでアンモニア水を加えて弱アルカリ性にして沈殿を
溶解し、アンモニア臭がなくなるまで加温してコロイド
状酸化スズゾルを製造する方法が記載されている。
【0064】溶媒としては水の他に、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエー
テル溶媒、ヘキサン、へプタン等の脂肪族有機溶媒、ベ
ンゼン、ピリジン等の芳香族有機溶媒、などスズ化合物
に応じて様々な溶媒を用いることができるが好ましくは
水及びアルコール類である。
【0065】この方法によれば、製造途中に溶媒に可溶
なスズ化合物以外の元素を含む化合物の添加も可能であ
り、例えばフッ素含有化合物や3価若しくは5価の配位
数をとり得る金属化合物を導入できる。
【0066】上記のフッ素含有化合物としては、イオン
性フッ化物若しくは共有性フッ化物の何れでもよく、K
2TiF6、HF、KHF2Sb、F3MoF6等の金属フ
ッ化物、NH4MnF3、NH4BiF4等のフルオロ錯陰
イオンを生成する化合物、BrF3、SF4、SF6等の
無機分子性フッ化物、CF3I、CF3OOH、P(CF
33等の有機フッ素化合物を挙げることができ、更に溶
媒が水の場合はCaF2と硫酸との組み合わせの様に、
フッ素含有化合物と不揮発性酸との組み合わせも用いる
ことができる。
【0067】溶媒に可溶な3価若しくは5価の配位数を
とり得る金属化合物としては、AlGa、In、Tl等
のIII族元素若しくはP、As、Sb、Bi等のV族元
素、3価若しくは5価の配位数をとり得るNb、V、T
i、Cr、Mo、Fe、Co、Ni等の遷移金属を含む
化合物群である。
【0068】本発明のコロイド状酸化スズゾルは、支持
体の一方の側のみでも両側に添加されてもよく、片側面
あたりの付量は100mg/m2以上1000mg/m2
以下が好ましく、特に好ましくは200mg/m2以上
700mg/m2以下である。また、添加層は下塗り層
が好ましく、下塗り層にはコロイド状酸化スズゾルの
他、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、ゼラチンを含有
させ下塗り層を形成するのが一般的だが、更に界面活性
剤、硬膜剤などを含有させてもよい。
【0069】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、好まし
くは2つの平行する(100)面を主平面とする平板状
であり、アスペクト比が2.0以上、好ましくは15.
0未満のものである。ここでいう主平面は実質的に直方
体乳剤粒子を形成する結晶表面のうち、面積が最も大き
な平行する一組の面であり、またアスペクト比とは、主
平面間の厚みに対する粒子の主平面を形成する平均の縁
長さの比をいう。
【0070】主平面の平均の縁長さは、例えば該粒子を
電子顕微鏡で1万倍〜5万倍に拡大して撮影し、そのプ
リント上の粒子の縁長さ又は投影時の面積を実測するこ
とによって得られる。又、粒子厚みも同様に電子顕微鏡
写真を実測することによって得られる。
【0071】主平面が(100)面であることは電子回
折法やX線回折法により調べることができる。又、電子
顕微鏡写真の観察では、(100)主平面を有する粒子
は、その主平面が直交方形(正方形もしくは長方形)面
であることから調べることができる。
【0072】本発明に係るハロゲン化銀乳剤層が含有す
るハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上が本発明
の平板状ハロゲン化銀粒子であるが、好ましくは80%
以上である。
【0073】本発明に係るハロゲン化銀乳剤としては、
塩化銀含有率10モル%以上の沃塩化銀、塩沃臭化銀等
を用いることができ、好ましくは塩化銀含有率30モル
%以上70モル%以下、沃化銀含有率1.0モル%以下
(より好ましくは0.5モル%以下)のものである。
【0074】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子を有する
乳剤は、(a)分散媒体中に銀塩及びハロゲン化物塩を
導入し平板状粒子の核形成を行う工程、(b)核形成に
引き続き、平板状粒子の(100)主平面を維持する条
件下でオストワルド熟成を行う工程、(c)所望の粒
径、塩化銀含有率になるように、粒子成長を行う工程に
よって調製される。
【0075】核形成時の銀塩とハロゲン化物塩を反応さ
せる形式としてはダブルジェット法(同時混合法)を用
いることが好ましい。
【0076】粒子成長時にも同時混合法が用いられる
が、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、即ち、いわゆる
コントロールド・ダブルジェット法を用いることもでき
る。この方法によると結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0077】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、その粒
子形成時の一部又は全工程が微細なハロゲン化銀粒子を
供給することによる粒子形成工程であってもよい。
【0078】微粒子の粒子サイズはハライドイオンの供
給速度を支配するため、その好ましい粒子サイズはホス
トのハロゲン化銀粒子のサイズやハロゲン組成によって
変わるが、平均球相当直径が0.3μ以下のものが用い
られる。より好ましくは0.1μ以下である。微粒子が
ホスト粒子上に再結晶化によって積層するためには、こ
の微粒子サイズはホスト粒子の球相当直径より小さいこ
とが望ましく、更に好ましくは、この球相当直径の1/
10以下である。
【0079】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、ハロゲ
ン化銀粒子の成長の終了後に可溶性塩類を除去して化学
増感に適するAgイオン濃度にするためにヌーデル水洗
法、フロキュレーション沈降法などを用いてよく、好ま
しい水洗法としては例えば、特公昭35−16086号
記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂
を用いる方法、又は特開平2−7037号記載の高分子
凝集剤である例示G−3、G−8などを用いる脱塩法を
挙げることができる。又、リサーチ・ディスクロージャ
ー(RD)Vol.102、1972、10月号、It
em10208及びVol.131、1975、3月
号、Item13122に記載されている限外濾過法を
用いて脱塩を行ってもよい。
【0080】本発明に係るハロゲン化銀乳剤には化学熟
成を行うことができる。化学熟成の工程の条件、例えば
pH、pAg、温度、時間等については特に制限はな
く、当業界で一般に行われている条件で行うことができ
る。化学増感のためには、銀イオンと反応しうる硫黄を
含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン
化合物を用いるセレン増感法、テルル化合物を用いるテ
ルル増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その
他、貴金属を用いる貴金属増感法等を単独又は組み合わ
せて用いることができるが、なかでもセレン増感法及び
テルル増感法が好ましく用いられる。
【0081】本発明において、親水性バインダーとして
はゼラチンが特に好ましいが、ゼラチン以外の親水性バ
インダーとして例えばヒドロキシエチルセルロースなど
のセルロース誘導体、糖誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミドなどの単一又は共重合体などの合成親水性高
分子物を含有していても良い。
【0082】超迅速、低補充処理の観点から、できるだ
け親水性バインダーは減量して薄膜化することが好まし
い。しかし、余り薄膜化しすぎると耐圧性が劣化し、プ
レッシャーによりカブリが劣化してしまうことから、両
方の性能を満足しうる付量が要求され、本発明におい
て、親水性バインダーの片面当たりの付量は、1.5g
/m2以上2.5g/m2以下が好ましい。
【0083】本発明において片面当たりの銀付量として
は、1.2g/m2以上1.8g/m2以下が好ましい。
1.0g/m2未満では鮮鋭性や階調性といった、感光
材料、特にX線用感光材料に求められる画質を得ること
が難しい。また2.0g/m2以上では超迅速、低補充
処理適性が得られない。
【0084】本発明において、画像形成用ユニットと
は、本発明の感光材料を、X線照射により像様露光する
ために2枚の蛍光増感紙で両側から挟んでなるものをい
う。
【0085】医療用X線ラジオグラフィーに本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料を適用する場合には、例えば透
過性放射線曝射によって近紫外光ないし可視光を発生す
る蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用いられる。これ
を本発明の乳剤を両面に塗布してなる感光材料両面に密
着し露光する。ここでいう、透過性放射線とは、高エネ
ルギーの電磁波であってX線及びγ線を意味する。
【0086】蛍光増感紙に用いられる好ましい蛍光体と
しては、以下に示すものが挙げられる。
【0087】タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4
MgWO4、CaWO4:Pb等)、テルビウム賦活希土
類酸硫化物系蛍光体〔Y22S:Tb、Gd22S:T
b、La22S:Tb、(Y.Gd)22S:Tb、
(Y.Gd)O2S:Tb.Tm等〕、テルビウム賦活
希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:T
b、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキ
シハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOB
r:Tb.Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:T
b.Tm、LaOCl:Tb.Tm.LaOBr:Tb
GdOBr:TbGdOCl:Tb等)、ツリウム賦
活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:T
m、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体〔B
aSO4:Pb、 BaSO4:Eu2+、(Ba.S
r)SO4:Eu2+等〕、2価のユーロビウム賦活アル
カリ土類金属燐酸塩系蛍光体〔(Ba2PO42:Eu
2+、(Ba2PO42:Eu2+等〕、2価のユーロビウ
ム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体〔B
aFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:
Eu2+.Tb、BaFBr:Eu2+.Tb、BaF2
BaCl・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・Ba
Cl・KCl:Eu2+等〕、沃化物系蛍光体(CsI:
Na、 CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫化
物系蛍光体〔ZnS:Ag(Zn.Cd)S:Ag、
(Zn.Cd)S:Cu、(Zn.Cd)S:Cu.A
l等〕、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27:Cu
等)、但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定さ
れるものではなく、放射線の照射によって可視又は近紫
外領域の発光を示す蛍光体であれば使用できる。
【0088】本発明で用いる蛍光増感紙は、傾斜粒径構
造で蛍光体を充填することが好ましい。特に表面保護層
側に大粒径の蛍光体粒子を塗布し、支持体側に小粒径の
蛍光体粒子を塗布することが好ましく、小粒径のものは
0.5〜2.0μmで、大粒径のものは10〜30μm
の範囲が好ましい。
【0089】蛍光増感紙の製造は、 結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する工
程、前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤
の軟化温度もしくは融点以上の温度で、圧縮しながら前
記蛍光体シートを支持体に接着する工程で製造するのが
好ましい。
【0090】の蛍光増感紙の蛍光体層となる蛍光体シ
ートは、結合剤溶液中に蛍光体を均一に分散せしめた塗
布液を蛍光体シート形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥
した後、仮支持体から剥離することで製造できる。即
ち、まず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を添
加し、撹拌混合して結合剤中に蛍光体が均一に分散した
塗布液を調製する。
【0091】結合剤としては、軟化温度又は融点が30
℃〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、或いは他
のバインダーと共に用いる。熱可塑性エラストマーは常
温で弾力を持ち、過熱されると流動性を持つようになる
ので、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損を防止するこ
とができる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリ
スチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソ
プレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴ
ム及びシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
1種の熱可塑性エラストマーが挙げられる。結合剤にお
ける熱可塑性樹脂の混合比は、10重量%以上、100
重量%以下であればよいが、結合剤はなるべく多くの熱
可塑性エラストマー、特に100重量%の熱可塑性エラ
ストマーからなっていることが好ましい。
【0092】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエステル、エチレングリコー
ルモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合
物を挙げることができる。
【0093】塗布液における結合剤と蛍光体の混合比
は、目的とする蛍光増感紙の特性、蛍光体の種類などに
より異なるが、一般には結合剤と蛍光体の混合比は1:
1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、特に
1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ま
しい。
【0094】なお、塗布液には塗布液中における蛍光体
の分散性を向上させるための分散剤、又は形成後の蛍光
体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤など種々の添加剤が混合されてもよ
い。
【0095】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げること
ができる。
【0096】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニー
ル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等の
フタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタルブチル等のグリコール酸
エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポ
リエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリエ
ステル等のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステル等を挙げることができる。
【0097】上記のようにして調製された蛍光体と結合
剤とを含有する塗布液を、シート形成用の仮支持体の表
面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。
【0098】この塗布手段としては、例えばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いること
により行うことができる。
【0099】仮支持体としては、例えばガラス、ウー
ル、コットン、紙、金属などの種々の素材から作られた
ものが使用され得るが、情報記録材料としての取り扱い
上可撓性のあるシート或いはロールに加工できるものが
好ましい。この点から、例えばセルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスティックフィルム、アルミニウム箔、ア
ルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及び例えば
写真用原紙、コート紙、もしくはアート紙のような印刷
用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第
784,615号明細書に記載されているようなポリサ
ッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなど
の顔料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコールで
サイジングした紙等の加工紙が特に好ましい。
【0100】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布
し乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光増感紙の蛍光
体層となる蛍光体シートとする。従って仮支持体の表面
は、予め剥離剤を塗布しておき、形成された蛍光体シー
トが仮支持体から剥離し易い状態にしておくのが好まし
い。
【0101】について説明する。上記により形成され
た蛍光体をセットするためのシートを用意する。この支
持体は前記仮支持体で挙げた材料から任意に選ぶことが
できる。
【0102】蛍光増感紙は、支持体と蛍光体層の結合を
強化するため支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を
塗布して接着性を付与する下塗り層を設けたり、感度、
画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるために二酸化チ
タンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカ
ーボンブラックなどの光吸収物質からなる光吸収層など
が設けられてよい。
【0103】本発明に用いる蛍光増感紙においても、こ
れら各種の層を設けることができ、それらの構成は所望
の蛍光増感紙の目的、用途等に応じて任意に選択するこ
とができる。
【0104】によって得られた蛍光体シートを支持体
上に載せ、結合剤の軟化温度又は融点以上の温度で圧縮
しながら蛍光体シートとを支持体上に接着する。
【0105】このようにして、蛍光体シート支持体上に
予め固定することなく圧着する方法を利用することによ
りシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷を
防ぐだけでなく、シートを固定して加圧する場合に比較
して同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることができ
る。
【0106】圧縮処理のために用いられる圧縮装置の例
としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般的
に知られているものを挙げることができる。例えばカレ
ンダーロールによる圧縮処理は、支持体上にによって
得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度又は融点以
上に加熱したローラの間を一定の速度で通過させること
により行われる。圧縮の際の圧力は、50kg/cm2
以上であるのが好ましい。
【0107】通常、蛍光増感紙は、前述した支持体に接
する側と反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理
的、化学的に保護するための透明な保護膜が設けられ
る。このような透明保護膜は、本発明の蛍光増感紙につ
いても設置することが好ましい。保護膜の膜厚は一般に
0.1〜20μの範囲にある。
【0108】透明保護層は例えば酢酸セルロース、ニト
ロセルロースなどのセルロース誘導体、或いはポリメチ
ルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボ
ネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポ
リマーなどの合成高分子物質を適当な溶剤に溶解して調
製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成
することができる。
【0109】或いはポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート、及
び透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に調製
して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するな
どの方法で形成することができる。
【0110】本発明において、蛍光増感紙で用いられる
保護層としては、特に有機溶媒に可溶性の弗素系樹脂を
含む塗布膜により形成された膜が好ましい。弗素系樹脂
とは、弗素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の
重合体、もしくは弗素を含むオレフィンを共重合体成分
として含む共重合体をいう。弗素系樹脂の塗布膜により
形成された膜は架橋されていてもよい。弗素系樹脂によ
る保護膜は、他の材料やX線フィルムなどの接触時にフ
ィルムなどから出る可塑剤などの汚れが保護膜内部に染
み込みにくいので、拭き取りなどによって容易に汚れを
除去することができる利点がある。
【0111】保護膜形成材料としては、有機溶媒可溶性
弗素系樹脂を用いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶
解して調製した。即ち、保護膜は有機溶媒可溶性の弗素
系樹脂を含有する保護膜形成材料塗布液をドクターブレ
ードなどを用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを
乾燥することで形成する。この保護膜の形成は同時重層
塗布によって蛍光体の形成と同時に行われてよい。
【0112】弗素系樹脂としては、弗素を含むオレフィ
ン(フルオロオレフィン)の重合体もしくは弗素を含む
オレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体及びフルオロオレイン−ビニルエーテ
ル共重合体などを例として挙げることができる。
【0113】弗素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶であ
るがフルオロオレフィンを共重合体成分として含む共重
合体は、共重合するフルオロオレフィン以外の構成単位
によって有機溶媒可溶性になるため、該樹脂を適当な溶
媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥
することで容易に保護層を形成することができる。この
ような共重合体の例としては、フルオロオレフィン−ビ
ニルエーテル共重合体を挙げることができる。また、ポ
リテトラフルオロエチレン及びその変性体もパーフルオ
ロ溶媒のような適当な弗素系有機溶媒に対して可溶性で
あるので、上記フルオロオレフィンを共重合体成分とし
て含む共重合体と同様に塗布によって保護膜を形成する
ことができる。
【0114】保護膜は弗素系樹脂以外の樹脂が含まれて
いてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含まれ
てもよい。しかしながら、前記した目的を充分達成する
ためには、保護膜中に弗素系樹脂の含有量は30重量%
以上であることが好ましく、更に好ましくは50重量%
以上、最も好ましくは70重量%以上である。
【0115】保護膜に含まれる弗素系樹脂以外の樹脂と
しては、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロ
ース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0116】また、本発明で用いられる蛍光増感紙の保
護膜は、ポリシロキサン骨格含有オリゴマーもしくはパ
ーフルオロアルキル基含有オリゴマーの何れか一方、或
いは両方を含む塗布膜から形成してもよい。
【0117】ポリシロキサン骨格含有オリゴマーは、例
えばジメチルポリシロキサン骨格を有するものであり、
少なくとも一つの官能基、例えば水酸基を有するもので
あることが好ましく、また分子量500〜100000
の範囲にあることが好ましい。特に分子量が1000〜
100000の範囲になることが好ましく、更に好まし
くは3000〜10000の範囲である。また、パーフ
ロロアルキル基、例えばテトラフルオロエチレン基など
を含有するオリゴマーは、分子中に少なくとも一つの官
能基、例えば水酸基を含むものであることが望ましく、
分子量500〜100000の範囲にあることが好まし
い。特に分子量は1000〜100000の範囲にある
ことが好ましく、更に100〜100000の範囲にあ
ることが好ましい。
【0118】オリゴマーに官能基が含まれているものを
用いれば、保護膜形成時にオリゴマーと保護層膜形成樹
脂との間で架橋反応が発生し、オリゴマーが膜形成樹脂
の分子構造に取り入れられるため、蛍光増感紙の長期の
繰り返し使用、或いは保護膜表面のクリーニングなどの
操作によってもオリゴマーが保護膜から取り去られるこ
とがなく、オリゴマーの添加効果が長期にわたり有効と
なるため、官能基を有するオリゴマーの使用が有利であ
る。オリゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量%の
量で含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重量
%含まれていることが好ましい。
【0119】保護層中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末もしくはシリコン樹脂粉末が含まれてもよい。パ
ーフルオロオレフィン樹脂粉末、もしくはシリコン樹脂
粉末としては、平均粒径0.1〜10μmの範囲にある
ものが好ましく、特に好ましくは平均粒径0.3〜5μ
mの範囲である。これらのパーフルオロオレフィン樹脂
粉末もしくはシリコン樹脂粉末は、保護膜中に保護膜重
量当たり0.5〜30重量%の量で含まれていることが
好ましく、更に2〜20重量%の量で含まれるのが好ま
しく、最も好ましくは5〜15重量%の量である。
【0120】蛍光増感紙の保護膜は、蛍光体層上に塗布
形成された厚さ5μm以下の透明な合成樹脂層であるこ
とが好ましい。このような薄い保護層を用いることによ
り、蛍光増感紙の蛍光体からハロゲン化銀乳剤までの距
離が短くなるため、得られるX線画像の鮮鋭度の向上に
寄与することになる。
【0121】本発明で言う蛍光体の充填率は、蛍光増感
紙の保護層を剥離除去し、メチルエチルケトンを用いて
蛍光体層を溶出し、濾過、乾燥し電気炉を使って600
℃1時間焼成して表面の樹脂を除去した蛍光体の重量を
Og、蛍光体層膜厚をPcm、溶出に使用したスクリー
ン面積Qcm2、蛍光体密度をRg/cm3としたとき、 蛍光体充填率=〔O÷(P×Q×R)〕×100 によって計算した値を言う。
【0122】本発明においては、固有濾過がアルミニウ
ム2.2mm相当のX線発生装置でのX線エネルギーが
80kVpのX線に対して45%以上、更には50%以
上の吸収量を示す蛍光増感紙を使用することが好まし
い。蛍光増感紙のX線吸収量は以下の方法で測定でき
る。
【0123】三相の電力供給で80kVpで運転される
タングステン・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3
mmのアルミニウム板を透過させ、ターゲット管のタン
グステン・アノードから200cmの位置に固定した試
料の蛍光増感紙に到達させ、次いでその蛍光増感紙を透
過したX線の量を、蛍光増感紙の蛍光体層から50cm
後の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量
を求める。なお、基準としては蛍光増感紙を透過させな
いで測定した上記測定位置でのX線量を用いることがで
きる。
【0124】蛍光体の厚みは、135〜200μm、こ
のときの蛍光体の充填率を68%以上にすることが好ま
しい。
【0125】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、例
えばRDNo.17643のXX〜XXI、29〜30頁、
同308119のXX〜XXI、1011〜1012頁に記
載されている様な処理液による処理を行うことができ
る。
【0126】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(ハイドロキノン等)、3−ピラゾリ
ドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン等)、アミノ
フェノール類(N−メチル−アミノフェノール等)等を
単独又は併用で用いることができる。又、現像液には保
恒剤、アルカリ剤、pH緩衝剤、カブリ防止剤、硬膜
剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、色調剤、硬水軟
化剤、溶解助剤、粘性付与剤等を必要に応じて用いるこ
とができる。
【0127】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩等
の定着剤が用いられ、更に硬膜剤として硫酸アルミニウ
ムやカリ明礬等の水溶性のアルミニウム塩を含んでもよ
く、更に保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤等を含んでも
よい。
【0128】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
するのに有利な、処理槽に固体処理剤を供給する機構を
有する自動現像機について述べる。処理剤供給手段とし
ては、固体処理剤が錠剤である場合、実開昭63−13
7783号、同63−97522号、実開平1−857
32号等の記載を参照でき、また顆粒や粉末である場合
は、実開昭62−81964号,同63−84151
号,特開平1−292375号等に記載の重力落下方式
や実開昭63−105159号,同63−195345
号等に記載のスクリュー又はネジによる方式を参照でき
るが、これらに限定されるものではない。固体処理剤を
投入する箇所は処理槽中であるが、好ましくは、感光材
料を処理する処理部と連通し、該処理部との間を処理液
が流動しているところであり、更には処理部との間に一
定の処理液循環量があり溶解した成分が処理部に移動す
る構造が好ましい。又、固体処理剤は温調されている処
理液中に投入されることが好ましい。
【0129】本発明の処理方法に用いられる現像剤中に
は、現像主薬として、ジヒドロキシベンゼン類、アミノ
フェノール類、ピラゾリドン類の他にレダクトン類も用
いられる。ピラゾリドン類としては4位が置換されたも
のが水溶性や固体処理剤自身の経時による変化が少なく
好ましい。
【0130】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
するにあたり、現像工程に下記一般式(A)で表される
化合物を存在せしめると処理性が向上して好ましい。
【0131】
【化14】
【0132】一般式(A)において、R11及びR12は各
々独立に、ヒドロキシ基、−OM1(M1はアルカリ金属
原子又はアンモニウム基を表す。)、アミノ基(置換基
としてメチル基、エチル基、n−ブチル基、ヒドロキシ
エチル基等の炭素数1〜10のアルキル基を有するもの
を含む。)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベン
ゾイルアミノ基等)、アルキルスルホニルアミノ基(メ
タンスルホニルアミノ基等)、アリールスルホニルアミ
ノ基(ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスル
ホニルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基
(メトキシカルボニルアミノ基等)、メルカプト基、ア
ルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)を表
し、好ましくはヒドロキシ基、アミノ基、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基である。
Xは−O−、−C(R13)(R14)−、−C(R15
=、−C(=O)−、−N(R16)−、−N=等、好ま
しくは炭素原子、酸素原子又は窒素原子であって、R11
及びR12が置換している2つのビニル炭素及びカルボニ
ル炭素と共同で5〜6員環を構成する。ここにR13〜R
16は各々独立に水素原子、置換基(ヒドロキシ基、カル
ボキシ基、スルホ基等)を有してもよい炭素数1〜10
のアルキル基、置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等)を有してもよ
い炭素数6〜15のアリール基、ヒドロキシ基、カルボ
キシ基を表す。構成する5〜6員環には飽和或いは不飽
和の縮合環を形成してもよく、ジヒドロフラノン環、ジ
ヒドロピロン環、ピラノン環、シクロペンテノン環、シ
クロヘキセノン環、ピロリノン環、ピラゾリドン環、ピ
リドン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環等が挙
げられ、好ましくはジヒドロフラノン環、シクロペンテ
ノン環、シクロヘキセノン環、ピラゾリドン環、アザシ
クロヘキセノン環、ウラシル環である。
【0133】以下に一般式(A)で表される化合物の具
体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
【0134】
【化15】
【0135】
【化16】
【0136】
【化17】
【0137】
【化18】
【0138】一般式(A)で表される化合物は現像液1
l当たり0.005〜0.5モル程度、好ましくは0.
02〜0.4モルで用いる。
【0139】現像剤には保恒剤として亜硫酸塩の他、有
機還元剤を用いることができ、その他キレート剤や硬膜
剤の重亜硫酸塩付加物を用いることができる。また銀ス
ラッジ防止剤、特開平1−124853号に記載のシク
ロデキストリン化合物、米国特許第4,269,929
号に記載のアミン化合物を添加するのも好ましい。
【0140】現像剤には緩衝剤を用いることが必要で、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重
炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウ
ム、リン酸2カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウ
ム、4硼酸ナトリウム(硼酸)、4硼酸カリウム、o−
ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウ
ム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチ
ル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香
酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げ
ることができる。
【0141】現像促進剤としては、特公昭37−160
88号、同37−5987号、同38−7826号、同
44−12380号、同45−9019号及び米国特許
第3,813,247号等に記載のチオエーテル系化合
物、特開昭52−49829号及び同50−15554
号に記載のp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭5
0−137726号、特公昭44−30074号、特開
昭56−156826号及び同52−43429号等に
記載の4級アンモニウム塩類、米国特許第2,610,
122号及び同4,119,462号に記載のp−アミ
ノフェノール類、米国特許第2,482,546号、同
2,494,903号、同2,596,926号、同
3,128,182号、同3,582,346号、同
4,230,796号、同3,253,919号、特公
昭41−11431号等に記載のアミン系化合物、特公
昭37−16088号、同41−11431号、同42
−23883号、同42−25201号、米国特許第
3,128,183号、同3,532,501号等に記
載のポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−
3−ピラゾリドン類、ヒドロジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じ
て添加することができる。
【0142】カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及びベンゾトリアゾール,
6−ニトロベンズイミダゾール,5−ニトロイソインダ
ゾール,5−メチルベンゾトリアゾール,5−ニトロベ
ンゾトリアゾール,5−クロロ−ベンゾトリアゾール,
2−チアゾリル−ベンズイミダゾール,2−チアゾリル
メチル−ベンズイミダゾール,インダゾール,ヒドロキ
シアザインドリジン,アデニン等の有機カブリ防止剤が
使用できる。
【0143】更に現像剤組成物には、メチルセロソル
ブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シ
クロデキストリン化合物、特公昭47−33378号、
同44−9509号に記載の化合物を現像主薬の溶解度
を上げるための有機溶剤として使用することができ、そ
の他ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤
も用いることができる。
【0144】定着剤には、定着主薬やキレート剤、pH
緩衝剤、硬膜剤、保恒剤等公知の化合物を採用すること
ができ、例えば特開平4−242246号第4頁や同5
−113632号第2〜4頁に記載のものが使用でき
る。
【0145】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターは固体化して添加することが好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0146】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、自
動現像機を用いて全処理時間(Dry to dry)
5〜45秒で処理されるのが好ましいが、10〜25秒
で処理される時にもなんら変わりなく、好ましく処理さ
れる。ここに、処理される感光材料の先端が自動現像機
の現像タンク液に浸漬してから次工程の定着タンク液に
接するまでの時間を“現像時間”、同様に定着タンク液
に浸漬してから水洗タンク液(安定化液)に接するまで
の時間を“定着時間”、水洗タンク液に浸漬している時
間を“水洗時間”、自動現像機の乾燥ゾーンに入ってい
る時間を“乾燥時間”とするとき、現像時間3〜15秒
(更には2〜10秒)、現像温度25〜50℃(更には
30〜40℃)、定着時間2〜12秒(更には1〜10
秒)、定着温度20〜50℃(更には30〜40℃)、
水洗(安定化)時間3〜15秒(更には1〜8秒)、水
洗(安定化)温度0〜50℃(更には15〜40℃)、
乾燥時間3〜12秒(更には2〜8秒)、乾燥温度35
〜100℃(更には40〜80℃)が好ましい。本発明
のハロゲン化銀写真感光材料は現像、定着及び水洗(又
は安定化)を経て、スクイズローラーで水分を絞ってか
ら乾燥される。
【0147】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を自動
現像機で処理するにあたり、乾燥工程に熱源により外周
が加熱された搬送ローラー(ヒートローラー)を有する
自動現像機を採用するのが乾燥効率の点から好ましい。
また該搬送ローラーはローラー内部に熱源を有するもの
が好ましい。
【0148】本発明において、補充液量とは、感光材料
を4ツ切1枚通した時に現像槽及び定着槽にそれぞれ補
充される補充液の量をいう。また、感光材料による持ち
出し量とは、現像処理工程を終えたところの、現像液を
含んだ感光材料の重量から処理前の感光材料の重量を差
し引いた量を言い、定着工程においても同様で、何れの
値も1≦補充液量/感光材料による持ち出し量≦3とな
るのが好ましい。1未満では補充量に対して持ち出し量
が上回ってしまい、処理槽中の処理液が減少し続けてし
まうため、実用上実施できない。また5より大きくても
性能上の問題点は無いのだが、処理廃液低減の点から好
ましくない。本発明のハロゲン化銀写真感光材料は現像
液及び定着液の補充量を感光材料1m2当たり4〜21
6mlと低減して処理することができる。
【0149】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0150】実施例1 (六角平板状種乳剤の調製)以下の方法により純臭化銀
の六角平板状種乳剤Em−1を作成した。
【0151】 A1液 オセインゼラチン 60.2g 蒸留水 20.0l HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17− (CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 10%メタノール水溶液 5.6ml KBr 26.8g 10%H2SO4 144ml B1液 硝酸銀 1487.5g 蒸留水で 3500mlにする C1液 KBr 1050g 蒸留水で 3500mlにする D1液 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 35℃において、特公昭58−58288号明細書に示
される混合撹拌機を用いて、A1液にB1液及びC1液
の各々64.1mlを同時混合法により2分の時間を要
して添加し、核形成を行った。
【0152】B1液及びC1液の添加を停止した後、6
0分の時間を要してA1液の温度を60℃に上昇させ、
再びB1液とC1液を同時混合法により、各々68.5
ml/minの流量で50分間添加した。この間の銀電
位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択
電極で測定)をD1液を用いて+6mVになるように制
御した。添加終了後3%KOHによってpHを6に合わ
せ、直ちに脱塩、水洗を行い種乳剤Em−1とした。こ
のように作成した種乳剤Em−1は、ハロゲン化銀粒子
の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜
2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板の平均厚さ
0.07μ、平均直径(円直径換算)は0.5μ、変動
係数は25%であることが電子顕微鏡観察により判明し
た。
【0153】(本発明の純臭化銀乳剤EM−1の調製)
以下の4種類の溶液を用いて平板状純臭化銀乳剤を作成
した。
【0154】 A2液 オセインゼラチン 29.4g HO−(CH2CH2O)n−[CH(CH3)CH2O]17− (CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 10%メタノール水溶液 1.25ml 種乳剤Em−1 2.65モル相当 蒸留水で 3000mlとする B2液 3.50N AgNO3水溶液 1760ml C2液 KBr 737g 蒸留水で 1760mlにする D2液 1.75N KBr水溶液 下記銀電位制御量 60℃において、特公昭58−58288号明細書に示
される混合撹拌機を用いて、A2液にB2液及びC2液
の全量を同時混合法(ダブルジェット法)により添加終
了時の流速が添加開始時の流速の3倍になるように11
0分の時間を要し添加成長を行った。この間の銀電位は
D2液を用いて+40mVになるように制御した。
【0155】添加終了後、過剰な塩類を除去するため
に、デモール(花王アトラス社製)水溶液及び硫酸マグ
ネシウム水溶液を用いて沈澱脱塩を行った。
【0156】得られた乳剤EM−1の約3000個を電
子顕微鏡により観察・測定し形状を分析したところ、平
均円相当直径0.59μm、平均厚さ0.17μmの六
角平板状粒子であり、変動係数は24%であった。
【0157】(塩化銀含有率30モル%のAgBrCl
(100)平板状乳剤EM−2の調製) 溶液A3 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g KBr 23.6g NaCl 5.0g 蒸留水で 7500mlとする 溶液B3 硝酸銀 1500g 蒸留水で 2500mlとする 溶液C3 KI 4g KBr 200g NaCl 42g 蒸留水で 684mlとする 溶液D3 KBr 535g NaCl 113g 蒸留水で 1816mlとする 40℃において、特公昭58−58288号、同58−
58289号明細書に示される混合撹拌機中のA3に、
B3の684mlとC3の全量を1分間かけて添加し
た。EAgを220mVに調整し、20分間オストワル
ド熟成した後にB3の残り全量とD3の全量を40分か
けて添加した。その間、EAgは220mVに制御し
た。
【0158】添加終了後、過剰な塩類を除去するため、沈
澱脱塩を行った後、ゼラチン液を加え分散させ、乳剤E
M−2とした。
【0159】得られた乳剤EM−2の約3000個を電
子顕微鏡により観察・測定し形状を分析したところ、平
均円相当直径0.8μm、平均厚さ0.1μmの(10
0)面を主平面とした平板状粒子であり、変動係数は2
0%であった。
【0160】(塩化銀含有率70モル%のAgBrCl
(100)平板状乳剤EM−3の調製) 溶液A4 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g KBr 16.8g NaCl 8.3g 蒸留水で 7500mlとする 溶液B4 硝酸銀 1500g 蒸留水で 2500mlとする 溶液C4 KI 4g KBr 143g NaCl 70g 蒸留水で 684mlとする 溶液D4 KBr 382g NaCl 188g 蒸留水で 1816mlとする 上記添加剤A4〜D4を用いて、EM−2と同様の方法
により乳剤EM−3を得た。
【0161】得られた乳剤EM−3の約3000個を電
子顕微鏡により観察・測定し形状を分析したところ、平
均円相当直径0.8μm、平均厚さ0.1μmの(10
0)面を主平面とした平板状粒子であり、変動係数は2
0%であった。
【0162】(純塩化銀(100)平板状乳剤EM−4
の調製) 溶液A5 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g NaCl 16.5g 蒸留水で 7500mlとする 溶液B5 硝酸銀 1500g 蒸留水で 2500mlとする 溶液C5 KI 4g NaCl 140g 蒸留水で 684mlとする 溶液D5 NaCl 375g 蒸留水で 1816mlとする 上記添加剤A5〜D5を用いて、EAgを150mVに
調整する以外はEM−2と同様の方法により乳剤EM−
4を得た。
【0163】得られた乳剤EM−4の約3000個を電
子顕微鏡により観察・測定し形状を分析したところ、平
均円相当直径0.8μm、平均厚さ0.1μmの(10
0)面を主平面とした平板状粒子であり、変動係数は2
0%であった。
【0164】(沃化銀微粒子の調製) A6 オセインゼラチン 100g KI 8.5g 蒸留水で 2000mlにする B6 AgNO3 360g 蒸留水で 605mlにする C6 KI 352g 蒸留水で 605mlにする 反応容器に溶液A6を加え、40℃に保ち撹拌しなが
ら、溶液B6及び溶液C6を同時混合法により30分を
要して定速で添加した。
【0165】添加中のpAgは常法のpAg制御手段で
13.5に保った。生成した沃化銀は平均粒径0.06
μmのβ−AgIとγ−AgIの混合物であった。
【0166】この乳剤を沃化銀微粒子乳剤と呼ぶ。
【0167】(分光増感色素の固体微粒子分散物の調製)
下記分光増感色素(A)及び(B)を100:1の比率
で予め27℃に調温した水に加え、高速撹拌機(ディゾ
ルバー)で3,500rpmにて30〜120分間にわ
たって撹拌することによって、分光増感色素の固体微粒
子状の分散物を得た。このとき増感色素(A)の濃度が
2%になるように調整した。
【0168】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキ
サカルボシアニン塩 無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニン−ナトリウ
ム塩 無水物 (セレン増感)乳剤EM−1〜EM−4を以下の方法で
分光増感及び化学増感を施すことによって、化学増感乳
剤EM−A〜EM−Dを得た。
【0169】乳剤を60℃にした後、増感色素(A)が
銀1モル当たり460mgになるように、上記固体微粒
子分散物を加えた後に、チオシアン酸アンモニウム塩を
銀1モル当たり7.0×10-4モルを加え、塩化金酸カ
リウムとチオ硫酸ナトリウム及びトリフェニルフォスフ
ィンセレナイドを銀1モル当たり3.0×10-6モル、
添加して最適に化学熟成を行い、上記沃化銀微粒子乳剤
を3×10-3モル/Ag1モル添加後、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
(TAI)3×10-2モルで安定化した。
【0170】(コロイド状酸化スズゾル分散液の合成例
1)塩化第二スズ水和物65gを水溶液2000ccに
溶解し均一溶液を得た。次いでこれを煮沸し共沈澱物を
得た。生成した沈澱物をデカンテーションにより取り出
し、蒸留水にて沈澱を何度も水洗する。沈澱を洗浄した
蒸留水中に硝酸銀を滴下し塩素イオンの反応がないこと
を確認する。この沈殿物を蒸留水1000cc中に添加
して分散後、全量を2000ccとする。更に30%ア
ンモニア水を40cc加え、水浴中で加温すると、Sn
2ゾル溶液が生成する。塗布液として用いるときに
は、このゾル溶液へアンモニアを吹き込みながら濃度約
8%に濃縮して用いる。また、このゾル溶液に含まれる
粒子の体積固有抵抗については、ゾル溶液を用いてシリ
カガラス上に薄膜を形成し、四端子法で測定した値を粒
子の体積固有抵抗値とした。測定された体積固有抵抗は
3.4×104Ωcmであった。
【0171】(コロイド状酸化スズゾル分散液の合成例
2)塩化第二スズ水和物65gと三塩化アンチモン1.
0gを水溶液2000ccに溶解し均一溶液を得た。次
いでこれを煮沸し共沈澱物を得た。生成した沈澱物をデ
カンテーションにより取り出し、蒸留水にて沈澱を何度
も水洗する。沈澱を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下し
塩素イオンの反応がないことを確認する。この沈殿物を
蒸留水1000cc中に添加して分散後、全量を200
0ccとする。更に30%アンモニア水を40cc加
え、水浴中で加温すると、SnO2ゾル溶液が生成す
る。このゾル溶液を400℃に加熱した電気炉中に噴霧
し導電性粉末を合成した。得られた粉末を錠剤成型器に
て成形後、4端子法で測定された体積固有抵抗は1.5
×101Ωcmであった。
【0172】この導電性粉末をpH10のアンモニア水
に濃度8wt%となるように分散した。
【0173】(比較用下引き済み支持体1の作成)次
に、濃度0.170に青色着色したX線用のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムベース(厚み175μm)の
両側に、0.5kV・A・min/m2のコロナ放電処
理を施した後、下記(L−2)で示す下塗りラテックス
液を乾燥後の膜厚が0.2μmになるように、下記(L
−1)を乾燥後の膜厚が0.053μmになるように順
次塗布して123℃で2分間乾燥した。この支持体を支
持体1とする。
【0174】(L−1) Ph−CH2−CH2−CH(X)−CH2−Y 式中、XはCOOH又はCOONa、YはCOONa又
はCOOCH2CF2CF2H (L−2)n−ブチルアクリレート10重量%、t−ブ
チルアクリレート35重量%、スチレン27重量%及び
2−ヒドロキシエチルアクリレート28重量%の共重合
体ラテックス液(固形分30%)。
【0175】(本発明の酸化スズゾル下引き済み支持体
2の作成)同じベースの一方の側には支持体1と同様の
下引きを設け、もう一方の側の下層には(合成例1)で
合成したSnO2ゾル、前記(L−2)液及び下記(L
−4)液を容量比で35:15:50で混合した塗布液
を、乾燥後の膜厚0.12μm、ゾル成分の付き量40
0mg/m2になるように、上層には前記(L−1)及
び下記(L−3)液を容量比で70:30で混合した塗
布液を乾燥後の膜厚0.053μmになるように同時に
塗布し、120℃で1分間乾燥した。塗布前には、0.
5kV・A・min/m2のコロナ放電処理をした。こ
の支持体を支持体2とする。
【0176】(L−3)テレフタル酸ジメチル34.0
2重量部、イソフタル酸ジメチル25.52重量部、5
−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩12.97
重量部、エチレングリコール47.85重量部、1,4
−シクロヘキサンジメタノール18.95重量部、酢酸
カルシウム1水塩0.065重量部、酢酸マンガン4水
塩0.022重量部を窒素気流下において170〜22
0℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行
った後、リン酸トリメチル0.04重量部、重縮合触媒
として3酸化アンチモン0.04重量部及び1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸15.08重量部を加え、2
20〜235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエ
ステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間か
けて減圧、昇温し最終的に280℃、1mmHg以下で
約1時間重縮合を行い、ポリエステル重合体を得た(固
有粘度0.35)。
【0177】得られたポリエステル重合体の水溶液73
00gに、スチレン30g、ブチルメタクリレート30
g、グリシジルメタクリレート20g、アクリルアミド
20g及び過硫酸アンモニウム1.0gを投入して80
℃で5時間反応させ、室温に冷却して固形分を10重量
%に調整し塗布液を得た。
【0178】(L−4)n−ブチルアクリレート40重
量%、スチレン20重量%、グリシジルメタクリレート
40重量%の共重合体ラテックス液。
【0179】(複合ラテックスFGの合成)1000m
lの4つ口フラスコに攪拌器、温度計、滴下ロート、窒
素導入管、環流冷却器を取り付け、窒素ガスを導入して
脱酸素を行いつつ、蒸留水360cc、30重量%のコ
ロイダルシリカ分散物126gを加え、内部の温度が8
0℃となるまで加熱した。下記化19で示される界面活
性剤1.3gを添加し、開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.023gを添加し、次いでピバリン酸ビニル8.
0gと酢酸ビニル4.6gを同時添加して、4時間反応
させた。その後冷却し水酸化ナトリウム溶液でpHを6
に調整して複合ラテックスFGを得た。
【0180】
【化19】
【0181】(本発明の感光材料の作成)表2に記載の
ように、支持体1及び2の両面にそれぞれ、下記の横断
光遮断層と乳剤層塗布液と保護層塗布液を下記の所定の
塗布量になるように同時重層塗布し、乾燥した。なお、
以後の添加量は感光材料1m2当たりの量で示してあ
る。
【0182】 第1層(横断光遮光層) ゼラチン 0.2g 固体微粒子分散体染料(AH) 20mg ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg コロイダルシリカ(平均粒径0.014μ) 10mg 第2層(乳剤層) 上記で得た乳剤EM−A〜Dに下記の各種添加剤を加え
た。
【0183】 ゼラチン(乳剤EM−A〜D中の分も含める) 1.2g 化合物(G) 0.5mg 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5 −トリアジン 5mg t−ブチル−カテコール 5mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 20mg スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg トリメチロールプロパン 350mg ジエチレングリコール 50mg ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 1mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 50mg 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg 化合物(H) 0.5mg n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 20mg 化合物(M) 5mg 化合物(N) 5mg コロイダルシリカ 0.5g ラテックス(L) 0.5g 複合ラテックス(FG) 1.0g デキストラン 0.5g 第3層(保護層下層) ゼラチン 0.3g ジオクチルフタレート 0.2g 第4層 ゼラチン 0.3g ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μ) 27mg ホルムアルデヒド 20mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg ラテックス(L) 0.2g 複合ラテックス(FG) 0.2g ポリシロキサン(SI) 50mg 表2記載の種類と量の界面活性剤 なお、素材の付量は片面分であり、塗布銀量は片面分と
して1.5g/m2になるように調整した。
【0184】
【化20】
【0185】
【化21】
【0186】 (蛍光増感紙1の製造) 蛍光体 Gd22S:Tb(平均粒径1.8μm) 200g 結合体ポリウレタン系熱可塑性エラストマー:デモラックTPKL−5 −2625固形分40%(住友バイエルウレタン(株)製) 20g ニトロセルローズ (消化度11.5%) 2g 上記にメチルエチルケトン溶媒を加え、プロペラ型ミキ
サーで分散させて粘度25ps(25℃)の蛍光体層形
成用塗布液を(結合剤/蛍光体比=1/22)調製し
た。
【0187】また、別途に下塗層形成用塗布液として軟
質アクリル樹脂固形分90g、ニトロセルロース50g
をメチルエチルケトンを加えて分散、混合して粘度3〜
6ps(25℃)の分散液を調製した。
【0188】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレートベース(支持体)をガラ
ス板上に水平に置き、上記下塗り層形成用塗布液をドク
ターブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、25
℃から100℃に徐々に上昇させて塗布膜の乾燥を行い
支持体上に下塗り層を形成した。塗布膜の厚さは15μ
mであった。
【0189】この上に上記の蛍光体層形成用塗布液をド
クターブレードを用いて膜厚240μmで均一に塗布乾
燥し、次いで圧縮を行った。圧縮はカレンダーロールを
用いて800kgw/cm2の圧力、80℃の温度で行
った。この圧縮後、特開平6−75097号の実施例
[1]記載の方法で厚さ3μmの透明保護膜を形成し
た。
【0190】以上のようにして支持体、下塗層、蛍光体
層、透明保護膜からなる蛍光増感紙1を製造した。
【0191】(蛍光増感紙2の製造)蛍光増感紙1の製
造において蛍光体層形成用塗布液の膜厚を150μmで
塗布し、圧縮を全く行わない以外は蛍光増感紙1と同様
にして支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜からなる
蛍光増感紙2を製造した。
【0192】(蛍光増感紙の特性の測定) 1)感度の測定 イーストマン・コダック社製MRE片面ハロゲン化銀写
真感光材料に測定対象の蛍光増感紙をX線源に対して前
面に感光材料、その後に蛍光増感紙を接触状態に配置し
て、距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.
15の幅でステップ露光した。露光したハロゲン化銀写
真感光材料を後述するハロゲン化銀写真感光材料の特性
の測定に記載した方法で現像処理した方法で現像処理を
行い測定試料を得た。
【0193】測定試料について、可視光にて濃度測定を
行い特性曲線を得た。感度はDmin+濃度1.0を得
るX線露光量の逆数で表し、蛍光増感紙1を100(基
準値)とした相対感度で表した。結果を表1に示した。
【0194】2) X線吸収量の測定 三相の電力供給で80kVpで運転される固有濾過がア
ルミニウム2.2mm相当のタングステン・ターゲット
管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニウム板を透
過させ、ターゲット管のタングステン・アノードから2
00cmの位置に固定した試料蛍光増感紙に到達させ、
次いでその増感紙を透過したX線量を蛍光増感紙の蛍光
体層から50cm後ろの位置で電離型線量計を用いて線
量測定し、X線の吸収量を求めた。なお、基準として蛍
光増感紙を透過させないで測定した上記測定位置でのX
線量を用いた。
【0195】得られたそれぞれの蛍光増感紙のX線吸収
量の測定値を表1に示す。
【0196】
【表1】
【0197】(現像補充用錠剤の作成)以下の操作
(A),(B)に従って現像補充用錠剤を作製した。
【0198】操作(A) 現像主薬のエリソルビン酸ナトリウム12500gを市
販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕
する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム2000g、ジメ
ゾンS(1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メ
チル−3−ピラゾリドン)2700g、DTPA(ジエ
チレントリアミン5酢酸5ナトリウム)1250g、5
−メチルベンゾトリアゾール12.5g、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール4g、N−アセチル−
D,L−ペニシラミン60gを加えミル中で30分間混
合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30
mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流
動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。このようにして調製した造粒物に
ポリエチレングリコール#6000を1670g、マン
ニット1670gを25℃、40%RH以下に調湿され
た部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得
られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を8.747gにして圧縮打錠を行い、2500個
の現像補充用錠剤A剤を作成した。
【0199】操作(B) 炭酸カリウム4000g、マンニット2100g、ポリ
エチレングリコール#6000の2100gを操作
(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は30.0
mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られた混
合物を前出の打錠機により1錠当たりの充填量を3.2
8gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠
剤B剤を作成した。
【0200】(定着補充用錠剤の作成)次に以下の操作
(C)、(D)で定着補充用錠剤を作成した。
【0201】操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/3
0重量比)14000g、亜硫酸ナトリウム1500g
を(A)と同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合
する。水の添加量は500mlとし、造粒後、造粒物を
60℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。このようにして調製した造粒物に、N−ラウロ
イルアラニンナトリウム4gを添加し、25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分間混合
する。次に得られた混合物を前出の打錠機により1錠当
たりの充填量を6.202gにして圧縮打錠を行い、2
500個の定着補充用錠剤C剤を作成した。
【0202】操作(D) ほう酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩150
0g、酢酸水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウムを
等モル混ぜ乾燥させたもの)3000g、酒石酸200
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
100mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造
粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして調製
したものに、N−ラウロイルアラニンナトリウム4gを
添加し、3分間混合した後、得られた混合物を前出の打
錠機により1錠当たりの充填量を4.562gにして圧
縮打錠を行い、1250個の定着補充用錠剤D剤を作成
した。
【0203】現像液 スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 水を加えて1Lとした。
【0204】現像液の処理開始(ランニング開始)時に
は現像補充用錠剤のA剤及びB剤各々434個を希釈水
で希釈調製した現像液16.5Lに対してスターター3
30mlを添加した液をスタート液として現像槽を満た
して処理を開始した。尚、スターターを添加した現像液
のpHは10.45であった。
【0205】また定着開始液は定着補充用錠剤のC剤を
298g相当、D剤を149g相当希釈水で希釈調製し
た定着液11.0Lをスタート液として定着槽を満たし
た。
【0206】先に調製した感光材料に現像処理後の光学
濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを行
った。ランニング中は現像液には感光材料0.62m2
あたり上記A,B剤が各4個と水を150ml添加して
行った。A,B剤を各20mlの水に溶解したときのp
Hは10.70であった。定着液には感光材料0.62
2あたり上記C剤を4個,D剤を2個及び水を150
ml添加した。各処理剤1個に対して水の添加速度は処
理剤の添加とほぼ同時に開始し処理剤の溶解速度におよ
そ比例して10分間等速で添加した。
【0207】<センシトメトリーの評価>得られた感光
材料試料を蛍光増感紙1で挟み、ペネトロメータB型
(コニカメディカル(株)製)を介してX線照射後、コ
ニカ(株)製自動現像機SRX−701に固体処理剤の
投入部材をとりつけ、上記固体処理剤を用いて現像温度
35℃で全処理時間30秒の処理を行った。感度は試料
1が最低濃度+1.0の濃度を得るのに必要なX線露光
量の逆数を100とした相対値で示した。結果を表3に
示す。
【0208】現像時間:8秒 定着時間:6.2秒 水洗時間:4秒 水洗−乾燥間(スクイズ):3.2秒 乾燥時間:8.6秒 全処理時間:30秒。
【0209】<オイルスラッジによる定着不良の評価>
大角サイズをランニングフィルムとして用い、濃度0.
9になるように露光してから1000枚連続処理を行っ
た。ランニング処理後、6時間放置してから未露光フィ
ルムを10枚処理した。この10枚の処理済みフィルム
を観察し、下記の5段階で評価した。結果を表3に示
す。
【0210】5:全く定着不良は認められない 4:フィルム処理後、端1cmの範囲に僅かに定着不良
が発生 3:ローラーのピッチ状の定着不良が部分的に薄く観察
され、評価基準2の1/10程度で発生 2:ローラーのピッチに沿って筋状の定着不良が全面に
発生 1:5cm2内に20箇所以上で全面に定着不良が発
生。
【0211】<スタチックマーク発生度の評価>4cm
×30cmに裁断した未露光試料を温度25℃、湿度2
0%RHで2時間調湿し、ネオプレンゴムローラーで5
往復こすった後、前述の現像処理を行って、以下の基準
で評価した。結果を表3に示す。
【0212】A:全くスタチックマークの発生が無い B:僅かに小さなスタチックマークが発生 C:数は少ないが全面に小さなスタチックマークが発生 D:全試料面積の1/3程度にスタチックマークが発生
している E:全試料面積の1/2以上にスタチックマークが発生
している。
【0213】<超迅速処理性の評価>センシトメトリー
の評価と同様に各試料を蛍光増感紙1で挟んでX線照射
後、SRX−701に固体処理剤の投入部材をつけたも
のを、以下の処理時間になるように改造して上記の固体
処理剤を用いて調製した処理液にて現像温度35℃で処
理を行った。処理液の補充量は現像液、定着液ともに表
4に記載の量を補充しながら処理した。結果を表4に示
す。
【0214】現像時間:4秒 定着時間:3.1秒 水洗時間:2秒 水洗−乾燥間(スクイズ):1.6秒 乾燥時間:4.3秒 全処理時間:15秒
【0215】
【表2】
【0216】
【化22】
【0217】
【表3】
【0218】表3から、本発明の試料は、オイルスラッ
ジ、スタチックマークにおいて、優れた効果を示すこと
がわかる。
【0219】
【表4】
【0220】表4から、本発明の試料は、低補充で超迅
速処理を行っても感度低下が少ないことがわかる。
【0221】
【発明の効果】本発明により、低補充で超迅速処理を行
っても帯電防止性、現像性、定着性に優れるハロゲン化
銀写真感光材料及びそれを用いるX線画像形成ユニッ
ト、X線画像形成方法、及び処理方法を提供することが
できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/17 G03C 5/17 5/26 5/26 520 520 5/31 5/31 5/395 5/395 G21K 4/00 G21K 4/00 B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
    写真感光材料において、該親水性コロイド層の少なくと
    も一層に、アニオン界面活性剤及びカチオン界面活性剤
    をそれぞれ少なくとも一種づつ含み、かつ、該界面活性
    剤の少なくとも一種は少なくとも1個のポリオキシアル
    キレン基を含み、更に、支持体上のハロゲン化銀乳剤層
    を有する側に導電性物質を含有する層を有することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記導電性物質が金属酸化物であること
    を特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物がコロイド状酸化スズゾ
    ルであり、かつ下塗り層中に含有することを特徴とする
    請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロ
    ゲン化銀粒子が、2つの平行な(100)面からなる主
    平面を有する平板状であり、塩化銀含有率10モル%以
    上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 支持体上の親水性バインダー量が片面当
    たり1.0g/m2以上3.0g/m2以下であることを
    特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 片面当たりの銀付量が1.0g/m2
    上2.0g/m2以下であることを特徴とする請求項1
    〜5の何れか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料を、2枚の蛍光増感紙に挟んでなる
    画像形成ユニット。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の蛍光増感紙が、X線エネ
    ルギーが80kVpのX線に対して45%以上の吸収量
    を示し、蛍光体の充填率が68%以上で、かつ蛍光体の
    厚みが135μm以上200μm以下であり、X線照射
    を行うことで像様露光をすることを特徴とするX線画像
    形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6の何れか1項記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料を、現像,定着,水洗,乾燥の工程
    を有する自動現像機で処理することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理方法。
  10. 【請求項10】 固体処理剤を、処理槽に供給する機構
    を有する自動現像機で処理することを特徴とする請求項
    9記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  11. 【請求項11】 現像工程及び/又は定着工程に補充す
    る補充液量が、下記の式で表されることを特徴とする請
    求項9又は10記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。 1≦補充液量/感光材料による持ち出し量≦5
  12. 【請求項12】 全処理工程に要する処理時間(Dry
    to Dry)が25秒以内であることを特徴とする
    請求項9〜11の何れか1項記載のハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法。
JP28513196A 1996-10-28 1996-10-28 ハロゲン化銀写真感光材料、画像形成ユニット、x線画像形成方法及びハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 Pending JPH10133316A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040128A (en) * 1998-09-24 2000-03-21 Eastman Kodak Company Processes of preparing radiation-sensitive silver halide emulsions

Cited By (1)

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