JPH0347001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車用ドアウエザストリツプに
関する。

（従来の技術） 通常、自動車の車体には、ドア開口が形成さ
れ、このドア開口の車外側開口縁には雨等の水を
案内するドリツプチヤンネルが溶接により取り付
けられている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記従来構成では、ドリツプチヤン
ネルの溶接部における溶接痕が外観されるため、
この溶接痕がドア開口部における外観上の体裁を
低下させることとなつて好ましくない。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、ドア開口部における外観上の体裁が
低下しないようにし、しかも、この体裁の保持が
簡単な構成で達成されるようにすることを目的と
する。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、車体にドア開口を形成し、このドア
開口における車体側開口縁にドリツプチヤンネル
を溶接により取り付けたものにおいて、開口縁に
対するドリツプチヤンネルの溶接部を覆うリツプ
を、このドリツプチヤンネルに取り付けてあるウ
エザストリツプに一体成形した点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第２図と第３図において、１は自動車で、この
自動車１の車体２はその上部にルーフ３を有して
いる。また、上記車体２の上部前面にフロントウ
インド４が、前部側面にフロントドア５がそれぞ
れ設けられ、これらフロントウインド４とフロン
トドア５との間がフロントピラー６とされてい
る。

上記ルーフ３はその上面を構成するルーフパネ
ル７と、このルーフパネル７を補強するために設
けられるリーフサイドレール８とを有している。
上記ルーフパネル７の側端部が下方に向つて折り
曲げられ、これがルーフ側面板７ａとされる。ま
た、上記ルーフ側面板７ａの下端部が車体外方に
向つて水平に折り曲げられ、これがルーフフラン
ジ７ｂとされる。一方、上記ルーフサイドレール
８の外側面には水平方向に延びるフランジ部材１
０が突出し、上記ルーフフランジ７ｂとこのフラ
ンジ部材１０とを互いに溶接Ｗすることによりル
ーフパネル７とルーフサイドレール８とが連結さ
れている。また、上記ルーフフランジ７ｂ端とフ
ランジ部材１０との接合部における間隙を密封す
るため、この間隙を覆うようにボデイーシーラＳ
を充填してある。

第１図において、上記フロントウインド４はフ
ロントピラー６の前方に位置するフロントガラス
１１を有し、このフロントガラス１１を縁取るよ
うにモール１２を設けてある。

全図において、上記フロントドア５は車体２に
形成されたドア開口１４と、このドア開口１４の
前下部開口縁に図示しないヒンジにより枢支さ
れ、その回動で上記ドア開口１４を開閉するドア
１６とを有している。このドア１６はその上部に
ドア窓を有し、このドア窓はドアサツシユ１９と
このドアサツシユ１９内に設けられる窓ガラス２
０とで構成してある。

上記ドア開口１４の開口縁において、雨等の水
を案内するドリツプチヤンネル２２が設けられ
る。

第３図により、上記ドリツプチヤンネル２２の
うち、まず、上記ドア開口１４の上部開口縁にお
けるものについて説明すると、前記フランジ部材
１０の車外側端が車体外方に向つて延出されると
共に、この延出部が上方に向つて折り曲げられ、
これが折曲部１０ａとされる。そして、上記ドリ
ツプチヤンネル２２はルーフパネル７のルーフ側
面板７ａ、ルーフフランジ７ｂ及びフランジ部材
１０の折曲部１０ａとにより構成される。

次に、第１図によりドア開口１４の前上部開口
縁におけるドリツプチヤンネル２２について説明
すると、このドリツプチヤンネル２２は板金製で
Ｕ字状に一体成形されたもので、フロントピラー
６の車外側面に沿つて設けられ、このドリツプチ
ヤンネル２２は溶接Ｗにより上記ドア開口１４の
開口縁に取り付けられている。また、前記モール
１２の突出端１２ａはこのドリツプチヤンネル２
２内の前部を覆つている。

上記ドリツプチヤンネル２２の車外側端部には
嵌合によりウエザストリツプ２７が取り付けられ
る。このウエザストリツプ２７はドア１６の閉回
動でこのドア１６のドアサツシユ１９に対して弾
性的に接合するシールリツプ２９を有している。
また、上記ドリツプチヤンネル２２に沿つて延
び、かつ、上記開口縁１５とドリツプチヤンネル
２２との溶接Ｗ部を覆うように板状リツプ３０が
ウエザストリツプ２７に一体成形され、これは押
出成形によつて成形されている。この板状リツプ
３０の突出端は車体２の側面から見て前記モール
１２の突出端１２ａと重なり合うようになつてい
る。

上記ドア１６を開回動した場合（図中矢印Ａ図
示）、図中二点鎖線で示すようにこのドア１６が
上記ドア開口１４の開口縁１５から車体２外方に
向つて離れる。この場合、上記ドア開口１４の開
口縁に対するドリツプチヤンネル２２の各溶接Ｗ
部は板状リツプ３０により車体２外上方から覆わ
れているため、溶接Ｗにより発生している溶接痕
やボデイーシーラＳの外観が防止される。

また、上記の場合、ドリツプチヤンネル２２は
モール１２の突出端１２ａとウエザストリツプ２
７の板状リツプ３０とにより車体２外側方から覆
われているため、上記ドリツプチヤンネル２２自
体やその塗装色が車体２外側方から外観されるこ
とはない。この場合、ドリツプチヤンネル２２の
塗装色は車体２と同色であり、モール１２やウエ
ザストリツプ２７は黒色である。

一方、自動車１走行中には、走行風がドリツプ
チヤンネル２２内へ流入しようとする。この場
合、上記構成では、ドリツプチヤンネル２２の開
口部がモール１２の突出端１２ａと板状リツプ３
０により覆われているため、これらによつて上記
走行風がドリツプチヤンネル２２内へ流入するこ
とは阻止される。従つて、ドリツプチヤンネル２
２において上記走行風の流動する空間の断面積が
減少し、この結果、走行風が空間を流動すること
により生じる風切音や笛吹き音等の騒音を低減さ
せることができる。

（考案の効果） この考案によれば、ドア開口の開口縁に対する
ドリツプチヤンネルの溶接部を覆うリツプを設け
たため、溶接部が外観されることは防止される。
従つて、上記溶接部に発生する溶接痕が外観され
ることが防止され、これによつて、ドア開口部に
おける外観上の体裁が良好に保たれる。

また、上記リツプはドアと、ドア開口の開口縁
との間をシールするウエザストリツプを利用して
これに一対成形したものであるため、上記開口縁
に対してリツプを取り付けるための取付部材を別
途に設ける必要はなく、この結果、ドア開口部に
おける体裁の保持を簡単な構成で達成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は第２図
の−線矢視断面図、第２図は自動車の全体側
面図、第３図は第２図の−線矢視断面図であ
る。 １……自動車、２……車体、１４……ドア開
口、１６……ドア、２２……ドリツプチヤンネ
ル、２７……ウエザストリツプ、３０……板状リ
ツプ（リツプ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体にドア開口を形成すると共に、このドア開
   口を開閉するドアを設け、一方、上記ドア開口の
   車外側開口縁にドリツプチヤンネルを溶接により
   取り付け、上記ドアの閉回動でこのドアに圧接す
   るウエザストリツプを上記ドリツプチヤンネルに
   取り付けた自動車のドア開口部構造において、上
   記開口縁に対するドリツプチヤンネルの溶接部を
   覆うリツプをウエザストリツプに一体成形したこ
   とを特徴とする自動車用ドアウエザストリツプ。