JPH0321531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、嵌合用建築用板に、極めて簡易且つ
迅速に取付施工でき、しかも強固な取付ができる
受金具に関する。

〔従来の技術及びその問題点等〕

既に、出願人は、隣接する建築用板相互を嵌合
して葺成する屋根又は壁等の嵌合外囲体を良好な
る施工性等の面から種々研究，開発している。さ
らに、嵌合用建築用板と母屋等の構造材に固着し
た受金具との取付についても、簡単に嵌合できる
構成のものが種々開発されている。

その受金具と嵌合用建築用板との嵌合において
も、この嵌合力を強めようとすると、著しく挿入
しにくくなつて、施工が面倒となるし、或いは嵌
合しやすいようにその係合用段部の傾斜をより挿
入しやすい角度にしたり、或いはその係合部箇所
の引つ掛かり部を僅かにする形状にすると、今度
はその嵌合部が弱い負圧（風圧）でも簡単に外れ
てしまう重大な欠点があつた。

このようなことから、嵌合部の強度が弱い場合
には、新たにボルト等を固着して強度を増加させ
ている現状であり、施工性が良好で、しかも嵌合
の強度性が勝れた受金具が要望されている。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで考案者は、前記問題点等を解決すべく鋭
意，研究を重ねた結果、本考案を、両側に被係合
用段部を各々形成した被係合用山形状部を、底部
を介してこの両端に立設し、その被係合用山形状
部の上側より割り溝を形成し、その被係合用山形
状部が、弾性を有し、前記割り溝を境に互いに内
方に屈曲可能にした受金具としたことにより、嵌
合用建築用板に、極めて簡易且つ迅速に取付施工
でき、しかも強固な取付ができ、前記の問題点等
を解決したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図乃至第５図に基
づいて説明する。

Ａは金属製の受金具であつて、底部１の両端に
（第２図紙面において前後）、被係合用山形状部
２，２が対称的に設けられている。

この被係合用山形状部２は、両側に被係合用段
部２ａ，２ａが各々形成され、その被係合用山形
状部２の略中央個所の上側より、下側に向かつ
て、割り溝２ｂが形成されている。また、弾性を
有し、前記割り溝２ｂ個所を境に、互いに内方に
屈曲可能に設けられている。即ち、その両側の被
係合用段部２ａ，２ａが互いに近づくかの如く設
けられている（図面参照）。

また、受金具Ａの別の実施例では、第５図に示
すように、底部１の長さが長い場合で、その被係
合用山形状部２が、その底部１の長手方向に所定
の間隔をおいて、複数設けられている。これは、
被係合用山形状部２が所定間隔に複数設けられ
て、連続した受金具Ａである。

その被係合用山形状部２の被係合用段部２ａ個
所は、図面に示すように、その垂直片が略直角に
屈曲されて、板厚が薄くとも、被係合用段部２ａ
の厚みが厚くなるように形成されることが多い。

また、その割り溝２ｂは、単に垂下したものも
あるが（第５図参照）、垂下状部とこの下端に円
形部等とを一体化して、より屈曲し易いように構
成することもある。

また、その被係合用段部２ａは外方下向きの傾
斜状部と、内方に向かう水平状部とからなつて鉤
状に一体形成されている。

Ｂは長手方向に適宜の長さ又は長尺の金属製の
嵌合用建築用板で、主板３の一側（第１図におけ
る単位嵌合用建築用板Ｂの右側）に、幅方向が山
の半分のような半山形状部４が形成されている。
この半山形状部４の高さ方向の中間に内面側係合
用段部４ａが屈曲形成されている。その半山形状
部４は傾斜状部４ｂの上端より内方に内面側係合
用段部４ａが形成され、その上端より、外側上向
きの傾斜縁，及びこの外端より外方を向く端縁と
で上部縁４ｃが一体形成されている。この上部縁
４ｃの頂片がＬ字形端縁４ｄとして形成されてい
ることが多い（図面参照）。

また、主板３の他側（第１図における単位嵌合
用建築用板Ｂの左側）に山形状部５が一体的に設
けられている。この山形状部５の両側に外面側係
合用段部５ａ，５ａが各々形成されている。その
山形状部５は傾斜状部５ｂの上端より内方に外面
側係合用段部５ａが形成され、その上端より外方
に山形部５ｃが設けられ、この山形部５ｃの外端
より内方に外面側係合用段部５ａが一体形成さ
れ、この下端より傾斜状の端縁５ｄが必要に応じ
て設けられている。この端縁５ｄは、図面に示す
ように、断面略Ｃ字状に屈曲されることが多い。
また、その山形部５ｃの頂片には、第２図鎖線に
示すように、偏平Ｕ字状部５ｅが形成されている
こともある。

その嵌合用建築用板Ｂの一側（第１図における
単位嵌合用建築用板Ｂの右側）の半山形状部４
に、隣接の嵌合用建築用板Ｂの他側（第１図にお
ける単位嵌合用建築用板Ｂの左側）の山形状部５
が被嵌されてその内面側係合用段部４ａと外面側
係合用段部５ａとが相互が係合するように、嵌合
用建築用板Ｂの一側（第１図における単位嵌合用
建築用板Ｂの右側）の半山形状部４が、他側の山
形状部５よりも板厚分だけ小さくなるように形成
されている。

このように、内面側係合用段部４ａ，外面側係
合用段部５ａの内面側、外面側は葺成後の位置関
係の概念を示すようにしたものである。

前記主板３が広幅の場合には、第１図に示すよ
うに、必要に応じて中間山形状部６が膨出形成さ
れている。この中間山形状部６の断面も、前記山
形状部５の断面と略同等であり、その中間山形状
部４の両傾斜部箇所に係合用段部６ａ，６ａが屈
曲形成されている。また、前記半山形状部４山形
状部５、さらには中間山形状部６の高さが高く折
板状に形成されることもある。

前記受金具Ａが母屋，胴縁等の構造材７上に直
接、又はこの上に敷設した木毛板、発泡合成樹脂
板等の断熱板上に所定間隔にドリルビス，ボル
ト・ナツト等の固着具又は溶接にて固着され、嵌
合用建築用板Ｂが前記受金具Ａ，Ａ間に載置され
つつその半山形状部４が受金具Ａに被嵌され、内
面側係合用段部４ａと被係合用段部２ｂとが係合
され、次いで隣接の嵌合用建築用板Ｂの他側（第
１図における単位嵌合用建築用板Ｂの左側）の山
形状部５が、前位の嵌合用建築用板Ｂの一側の半
山形状部４及び受金具Ａ箇所に被嵌され、その外
面側係合用段部５ａと内面側係合用段部４ａと
が、外面側係合用段部５ａと被係合用段部２ｂと
がそれぞれ係合され、これらが順次繰り返されて
屋根又は壁等の嵌合外囲体が施工されている（第
１図参照）。

また、嵌合用建築用板Ｂの主板３の中間に中間
山形状部６が膨出形成されている場合には、第１
図に示すように、その受金具Ａの被係合用段部２
ｂ，２ｂが中間山形状部６の両側の係合用段部６
ａ，６ａに係合されている。

〔考案の効果〕

本考案においては、両側に被係合用段部２ａ，
２ａを各々形成した被係合用山形状部２を、底部
１を介してこの両端に立設し、その被係合用山形
状部２の上側より割り溝２ｂを形成し、その被係
合用山形状部２が、弾性を有し、前記割り溝２ｂ
を境に互いに内方に屈曲可能にした受金具とした
ことにより、これを使用することで、まず、第１
に屋根材又は壁材等の嵌合用建築用板Ｂの嵌合が
簡易かつ迅速にできるし、第２に強固な取付施工
ができるし、第３に構成が簡単で、安価に提供で
きる等の効果を奏する。

これらの効果について詳述すると、受金具Ａ
は、両側に被係合用段部２ａ，２ａを各々形成し
た被係合用山形状部２を、底部１を介してこの両
端に立設し、その被係合用山形状部２の上側より
割り溝２ｂを形成し、その被係合用山形状部２
が、弾性を有し、前記割り溝２ｂを境に互いに内
方に屈曲可能にしたことにより、係合用の段部を
形成した山形状部等を、その受金具Ａに嵌合する
ときに、被係合用段部２ａ，２ａを両側に形成し
た被係合用山形状部２が、割り溝２ｂを境にした
両側片が互いに窄まるように屈曲して（第３図実
線参照）、それぞれの係合又は嵌合が簡易かつ迅
速にできる。実際には、その嵌合は瞬時に行うこ
とができる大きな利点がある。

このようなことから、嵌合作業が極めて簡易か
つ迅速にできる。このことは、作業員による比較
的僅かな押圧力でも簡単に嵌合できる大きな効果
がある。

また、一旦嵌合すると、その弾性ある被係合用
山形状部２の存在にて、容易に外れにくくでき、
極めて強固なる嵌合外囲体を提供できる。このた
め、従来のように嵌合部の強度が弱い場合には新
たにボルト等を固着して強度を増加させるような
ことも一切解消できる。

さらに、本考案では、その被係合用段部２ａに
傾斜度を形成しなくとも、嵌合可能である。即
ち、被係合用山形状部２の両片が互いに内方に屈
曲するために、被係合用段部２ａの下片が傾斜し
ていなくても嵌合できるものである。このため、
従来のように、嵌合しやすいようにその係合用段
部の下辺の傾斜度をより挿入しやすい角度にした
り、或いはその係合部箇所の引つ掛かり部を僅か
にする形状にすると、今度はその嵌合部が弱い負
圧（風圧）でも簡単に外れてしまう重大な欠点が
あつたが、本考案では、これらの欠点を全て解消
できる。

また、本考案は、板材を、単にプレス加工する
ことのみで簡単に制作できる大きな利点がある。

なお、第５図に示すように、その被係合用山形
状部２を、所定の間隔をおいて複数設けるように
構成すれば、構造材７に、割りつけ等することが
不要となり、迅速な取付ができる効果がある。

さらに、その板材を薄くしても、被係合用段部
２ａ個所を、図面に示すように、その垂直辺に対
して略直角に屈曲して、被係合用段部２ａの厚み
が厚くなるように形成すれば、係合又は嵌合個所
の強度を著しく増加させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、そ
の第１図は本考案を使用した嵌合外囲体の斜視
図、第２図は第１図の受金具取付箇所の断面図、
第３図は本考案に嵌合用建築用板に取り付ける状
態を示す断面図、第４図は本考案の斜視図、第５
図は受金具の別の実施例の斜視図である。 １……底部、２……被係合用山形状部、２ａ…
…被係合用段部、２ｂ……割り溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側に被係合用段部を各々形成した被係合用山
   形状部を、底部を介してこの両端に立設し、その
   被係合用山形状部の上側より割り溝を形成し、そ
   の被係合用山形状部が、弾性を有し、前記割り溝
   を境に互いに内方に屈曲可能にしたことを特徴と
   した受金具。