JPH0241730A - 回転部材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、クランクシャフトなどの鍛造品の製造方法に
関するものである。

（従来の技術） 従来より、例えば、特開昭５９−２３２８４４号公報に
見られるように、エンジンのクランクシャフトのような
回転部材を鍛造によって製造し、また、その歩留りを向
上するために種々の技術が提案されている。

上記のような鍛造品の製造は、一般に、先ず、所定形状
の素材を複数段階の鍛造によって製品形状とし、これに
各部の機械加工を施し、最終的に回転部材としての回転
バランスを測定し、アンバランス量が大きいものではバ
ランス修正加工を施してクランクシャフトなどの回転部
材を得るものである。

一方、上記のような鍛造後のクランクシャフトなどの鍛
造品における規準工程での曲りの発生を防止するために
、鍛造品を矯正保持する治具を使用するようにした技術
が、特開昭Ｇｏ　−２７４２０号公報に見られるように
公知である。

（発明が解決しようとする課題） しかして、前記のような回転部材を鍛造によって製造す
る場合に、鍛造後に矯正処理（サイジング処理など）を
行っても、変形等に伴う回転アンバランス量が大きく、
最終段階での回転バランス測定に基づくバランス修正加
工では規定のバランス状態とならない不良品が発生する
場合がある。

このような不良品の発生に対し、その不良品に各種機械
加工を施すことはコスト的に大きな損失になると共に、
処理効率の向上および材料の歩留りを向上する点で不利
となるものである。

そこで、本発明は上記事情に鑑み、不良品の発生を低減
すると共に、不良品に対して不必要な機械加工を施すこ
とを回避するようにした鍛造品の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明の鍛造品の製造方法は、
クランクシャフトなどの回転部材の鍛造品に対し前段回
転バランス測定を行い、そのバランス状態がバランス修
正可能範囲内の良品か不良品か判定し、良品は各種加工
を施した後、最終的回転バランス測定に基づいてバラン
ス修正加工を施し製品を得る一方、不良品はサイジング
工程に送って鍛造品の曲りなどを矯正した後、再度上記
前段回転バランス測定を行うように構成したものである
。

上記製造方法における素材の鍛造工程は、例えば棒状素
材を加熱し、所定長さに切断した後、ロール加工によっ
て製品断面積量に対応した外径加工を行い、鍛造金型に
挿入して加圧プレスを複数段階施し、製品周囲に形成さ
れた余肉部分を分離して鍛造品を得るものであり、この
鍛造後に製品形状に対応した金型でプレスし、さらに鍛
造品の曲りなどを矯正するサイジング処理を必要に応じ
て行い、冷却する。

次に、上記のようにして得た鍛造品の前段回転バランス
測定を行うものであるが、従来公知の回転バランス測定
機を使用し、鍛造品を保持して回転駆動した状態でアン
バランス量を計測する。そして、このアンバランス量が
バランス修正可能範囲内の基準値以下の場合には、最終
段階でのバランス修正加工によってアンバランスの修正
が可能であると判定して、製品を得るためのドリル加工
、研削加工、研磨加工などの各種加工を施した後、最終
的に回転バランス測定を行って、そのアンバランス量が
所定範囲内となるようにバランス修正加工を施し、製品
を得るものである。

一方、前記鍛造品の回転バランス１ＴＩＩＩ定の結果、
アンバランス量が基準値を越えてバランス修正可能範囲
外の不良品となっている場合には、この鍛造品をサイジ
ング工程に送って、製品型でプレスすることなどによっ
て鍛造品の曲りなどを矯正した後、再度上記前段回転バ
ランス測定を行い、アンバランス量が基準値以下の良品
となると、前記と同様に製品を得るために各種加工を行
い、最終的に回転バランス測定、バランス修正加工を施
すものである。また、サイジング工程の後にもアンバラ
ンス量か基準値より大きく、最終段階でのバランス修正
加工によってアンバランスの修正が不能と判断された鍛
造品は、各種加工を施すことなく処分するものである。

（作用） 上記のような鍛造品の製造方法では、鍛造後の鍛造品に
製品加工を施す前に、予備的に回転バランス測定を行っ
て、鍛造品が最終段階でのバランス修正加工によって所
定のバランス状態とすることが可能な良品に対してのみ
、各種加工を行い、最終的に回転バランス測定、バラン
ス修正加工を施すようにしている。前記予備的な回転バ
ランス測定の結果、不良品に対してはサイジング工程に
よって矯正してから再度回転バランス測定を行って不良
品の発生率を低減すると共に、不良品に対する各種加工
を回避するようにしている。

（実施例） 以下、図面に沿って本発明の詳細な説明する。

第１図はエンジンのクランクシャフトの製造工程を示し
、第２図は最終製品の形状を示す。

まず、鍛造工程によって素材を製品形状に成形するもの
であるが、この鍛造工程は棒状素材１を所定温度まで加
熱し、製品となるクランクシャフトに対応した容積量に
基づいて棒状素材１を所定長さのビレット２に切断する
。そして、このビレット２をロール加工によって回転成
形し、製品クランクシャフトの各部の軸方向断面積量に
対応して軸径が変化した軸素材３を得る。

続いて、上記軸素材３を所定形状のキャビティが形成さ
れた鍛造用荒金型に挿入して加圧プレスし、第１段階の
荒成形を行って前段鍛造部材４とし、続いて、この前段
鍛造部材４を仕上金型に挿入して加圧プレスし、第２段
階の仕上成形を行って鍛造部材５を得る。この状態では
、製品部分６の外周骨に余剰素材が偏平状のバリ６ａと
して連接され、この鍛造部材５をトリム金型によって上
記バリ６ａの部分を打抜き、鍛造品６と分離する。

そして、サイジング工程に移行し、上記鍛造品６をサイ
ジング金型７でプレスし、該鍛造品６の曲りなどを矯正
して寸法精度を高める。上記サイジング処理を終了した
鍛造品は、放冷または空冷よって常温状態に冷却する。

上記のようにして鍛造品６を得た後には、検査工程を行
うものであるが、まず、ダイアルゲージなどによって鍛
造品の軸部もしくはピン部の外径、厚みなどを測定し、
基準寸法に成形されているか否かの検査を行う。続いて
、後述の第３図に示す回転バランス測定機によって回転
バランス測定、すなわち鍛造品を保持して回転駆動した
状態でアンバランス量を計測する。

上記前段回転バランス測定の結果、アンバランス量がバ
ランス修正可能範囲内の基準値以下の良品の場合には、
製品を得るための各種加工工程に移行する。この各種加
工としては、第２図に示すように、まず、クランクシャ
フト８の両端軸部８ａ、８ｂにセンタ穴９，１０を形成
し、この両端軸部８ａ、８ｂ％中間の各ジャーナル部８
ｃおよび各ピン部８ｄの外径と端面を上記センタ穴９゜
１０を基準に研削、研磨加工を行う。さらに、潤滑用オ
イル通路１１をドリル加工によって形成し、その開口部
に閉塞用のボール１２を装填し、クランクシャフト８と
して仕上げるものである。

上記のような各種加工を施した後、最終段階として後述
の第４図および第５図に示すような回転バランス修正装
置によって、製品クランクシャフト８としてのバランス
測定を行い、その測定結果に応じてアンバランスの発生
している部分のウェイト部８ｅにバランス調整穴１３を
形成するバランス修正工程を施し、製品を得るものであ
る。

一方、前記鍛造品６に対する前段回転バランス測定の結
果、アンバランス量が基準値より大きく、そのままでは
最終段階でのバランス修正加工によってアンバランスの
修正が不可能な不良品となっている場合には、この不良
鍛造品をサイジング工程に送って、製品型でプレスする
ことなどによって鍛造品の曲り、例えばピン位置、ウェ
イト形状などを矯正し、アンバランス量を改善する。そ
の後、再度前記回転バランス測定を行い、アンバランス
量が基準値以下となったか否かを測定し、良品となると
前記と同様に加工工程に移行して、製品を得るために各
種加工を行い、最終的に回転バランス修正装置で回転バ
ランス測定、バランス修正加工を施すものである。

また、サイジング工程の後にもアンバランス量が基準値
より大きい不良品の場合には、最終段階でのバランス修
正加工によってアンバランスの修正が不能であるから、
その不良鍛造品については各種加工を施すことなく処分
するものである。

第３図は鍛造品６の回転バランスを測定する回転バラン
ス測定機１５を示す。この回転バランス測定機１５は、
フレーム１６上の両側に支持部材１７．１７が立設され
、両側に支持軸１８．１９が進退移動可能に配設され、
支持軸１８．１９の各端部には鍛造品６の両端軸部６ａ
、６ｂを保持するチャック２０．２１を備えている。こ
のチャック２０．２１は、４方向からねじ部材２２を締
め付けて鍛造品６のワークセンターとチャックセンター
とを一致させて保持するものである。

一方の支持軸１８にはバランスユニット２３を介して駆
動装置２４からの回転駆動力が伝達されて鍛造品６を所
定回転数で駆動すると共に、この回転状態でバランスユ
ニット２３からバランス状態の検出信号が測定ユニット
２５に出力され、アンバランス量が測定される。

また、前記フレーム１６上には支持部材１７゜１７の間
に、セットリフター２６と位置決め治具２７が配設され
ている。位置決め治具２７は、鍛造品６の両端軸部６ａ
、６ｂを保持するＶ形溝２７ａを備え、この位置決め治
具２７上に載置された鍛造品６を位置決め保持する。セ
ットリフター２６は、昇降部材２８の両端部に鍛造品６
のジャーナル部６ｃを支持するＶ形溝２９ａか形成され
た金具２９が立設され、この昇降部材２８は両側のガイ
ド３０によって垂直方向に昇降移動可能に支持され、中
央下部に連結されたシリンダ３１によって昇降作動され
、前記位置決め治具２７上に載置された鍛造品６を前記
チャック２０．２１による保持位置に昇降移動するもの
である。

次に、第４図および第５図は、前記最終工程で使用する
回転バランス修正装置３３を示す。この回転／＜ランス
修正装置３３は、フレーム３４上の両側に支持部材３５
．３６が立設され、両側に支持軸３７．３８が進退移動
可能に配設されている。

この支持軸３７．３８の先端には、前記各種加工工程で
の加工を終了したクランクシャフト８のセンター穴９，
１０に係合して支持するテーパピン３７ａ、３８ａが設
置されている。

一方の支持軸３７にはバランスユニット３９を介して駆
動モータ４０からの回転駆動力が伝動ベルト４１を介し
て伝達され、この支持軸３７と一体に回転する係合部材
４２をクランクシャフト８のピン部８ｄなどに係合して
クランクシャフト８を所定回転数で駆動する。また、回
転駆動状態でバランスユニット３９からバランス状態の
検出信号が測定ユニット４３に出力され、アンバランス
量が測定される。上記測定ユニット４３からは支持状態
のクランクシャフト８の両側に配設されたドリル加工ユ
ニット４４にも出力され、アンバランスが発生している
位置と量に応じて自動的にクランクシャフト８の所定ウ
ェイト部８ｅにドリルでバランス調整穴１３を形成して
バランス修正を］　２ 行うものである、 上記のような実施例によれば、鍛造後で加工前の鍛造品
６に対して回転バランス測定を行い、そのアンバランス
量が修正可能範囲内の良品か範囲外の不良品かを測定し
、良品の場合には完成品とするために必要な各種加工を
施し、最終的には回転バランス測定とバランス修正加工
を施す。一方、不良品の場合には、サイジング工程で鍛
造品を矯正してから再度回転バランス測定を行い、良品
となった場合には完成品とするようにしてバランス修正
不能なりランクシャフトの発生を防止でき、歩留りを向
上できる。また、バランス修正不能な不良鍛造品に対す
る各種加工を削減でき、不必要な加工処理による処理能
率の低下、製造コストの増大を改善することができる。

なお、上記実施例では、最終工程での回転バランス測定
とバランス修正加工とを同一ステーションで行うように
しているが、これに替えて回転バランス測定とバランス
修正加工とを別々のステジョンで行っても良くまた、回
転バランス測定とバランス修正加工とを別々のステーシ
ョンでなおかつ交互に数回に分けて行うようにしても良
い。

なお、上記実施例ではクランクシャフトの例について示
したが、その他の回転部材を鍛造品によって構成する場
合にも適用可能である。

（発明の効果） 上記のような本発明によれば、鍛造後の鍛造品に製品加
工を施す前に、回転バランス測定を行って、鍛造品が最
終段階でのバランス修正加工によって所定のバランス状
態とすることが可能な良品か不良品かを測定し、良品に
対してのみ各種加工を行い、最終的に回転バランス測定
、バランス修正加工を施す一方、不良品に対してはサイ
ジング工程によって矯正してから再度回転バランス測定
を行うようにしているために、不良品の発生率を低減す
ることができると共に、不良品に対する各種加工を回避
して、不必要な加工処理の削減、材料の歩留りを向上す
ることができ、コスト面で有利となるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるクランクシャフト鍛
造品の製造工程を示す工程図、第２図は製品としてのク
ランクシャフトの要部断面図、 第３図は回転バランス測定機の概略正面図、第４図は回
転バランス修正装置の概略正面図、第５図は同側面図で
ある。 ６・・・・・・鍛造品、１５・・・・・・回転バランス
測定機、２３・・・・・・バランスユニット、２５・・
・・・・測定ユニット、３３・・・・・・回転バランス
修正装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）回転部材を鍛造工程によって所定形状に成形して
   鍛造品を得た後、上記鍛造品の前段回転バランス測定を
   行い、該鍛造品のバランス状態がバランス修正可能範囲
   内の良品か不良品か判定し、次に良品は各種加工を施し
   た後、最終的回転バランス測定に基づいてバランス修正
   加工を施す一方、不良品はサイジング工程に送って矯正
   し、再度上記前段回転バランス測定を行うことを特徴と
   する鍛造品の製造方法。