JPH0228989B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0228989B2 JPH0228989B2 JP57211037A JP21103782A JPH0228989B2 JP H0228989 B2 JPH0228989 B2 JP H0228989B2 JP 57211037 A JP57211037 A JP 57211037A JP 21103782 A JP21103782 A JP 21103782A JP H0228989 B2 JPH0228989 B2 JP H0228989B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nylon
- strength
- solution viscosity
- core
- gut
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000004804 winding Methods 0.000 claims description 20
- 229920002292 Nylon 6 Polymers 0.000 claims description 11
- 229920002302 Nylon 6,6 Polymers 0.000 claims description 6
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 10
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 10
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 7
- 238000006116 polymerization reaction Methods 0.000 description 7
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 6
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 6
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 6
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 6
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 6
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 6
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 239000000463 material Substances 0.000 description 5
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 4
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 4
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229920002994 synthetic fiber Polymers 0.000 description 4
- 239000012209 synthetic fiber Substances 0.000 description 4
- 229920000642 polymer Polymers 0.000 description 3
- 235000009854 Cucurbita moschata Nutrition 0.000 description 2
- 240000001980 Cucurbita pepo Species 0.000 description 2
- 235000009852 Cucurbita pepo Nutrition 0.000 description 2
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 2
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 2
- 235000020354 squash Nutrition 0.000 description 2
- QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N sulfuric acid Substances OS(O)(=O)=O QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 235000017166 Bambusa arundinacea Nutrition 0.000 description 1
- 235000017491 Bambusa tulda Nutrition 0.000 description 1
- 241000283153 Cetacea Species 0.000 description 1
- 241001465754 Metazoa Species 0.000 description 1
- ISWSIDIOOBJBQZ-UHFFFAOYSA-N Phenol Chemical compound OC1=CC=CC=C1 ISWSIDIOOBJBQZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 244000082204 Phyllostachys viridis Species 0.000 description 1
- 235000015334 Phyllostachys viridis Nutrition 0.000 description 1
- 239000003831 antifriction material Substances 0.000 description 1
- 239000011425 bamboo Substances 0.000 description 1
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 1
- 238000004090 dissolution Methods 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 239000012467 final product Substances 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 238000002074 melt spinning Methods 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 239000000178 monomer Substances 0.000 description 1
- 210000003205 muscle Anatomy 0.000 description 1
- 239000000047 product Substances 0.000 description 1
- 230000001846 repelling effect Effects 0.000 description 1
- 230000003252 repetitive effect Effects 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 239000011800 void material Substances 0.000 description 1
- 239000002023 wood Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
この発明は、バトミントン、スカツシユ、テニ
スなどに使用する合成繊維製ガツトに関する。 バトミントン、スカツシユなどの球技用に使う
ラケツトに張るガツトは、従来、動物繊維である
鯨筋が使用されていた。しかし、ナイロンをはじ
めとする合成繊維が出現し、その強靭性がすぐれ
ていること、さらに耐久性がすぐれていることな
どがガツト特性にフイツトする点が評価され、近
年、ナイロン製ガツトが急速に普及してきた。合
成繊維ガツトに対しては、球技自体の技術の高度
化と一般への普及に伴ない、競技面での要求特性
も多彩になつてきた。すなわち、打球感、反撥
力、コントロール性さらによりすぐれた耐久性な
どの実用性向上の要求が出るようになつてきた。
合成繊維は、加工の自由度が高いことから、これ
ら要求特性を逐次満たしつつ、競技技術の進歩向
上に対応してきた。 他方、ラケツトについても、新素材の出現によ
り、従来竹材、木材が主流であつたものが、最近
ではカーボンフアイバが用いられ始まるようにな
り、軽くしかも強靭性がすぐれていることから、
新素材の使用は大型ラケツトの誕生に結びつい
た。ところが、大型ラケツトの出現普及に伴な
い、ガツトに対する要求特性は以前にも増して厳
しくなつてきた。すなわち、競技のスピード化が
進み、従来のガツトでは風切り性が悪く、スピー
ドに対応しきれないことが分かつてきたからであ
る。そこで、細ゲージガツトの必要性が生じた。
すなわち、ラケツト素材の軽量化、強靭化が達成
されるに伴ない、このラケツトに張るガツトは、
細くしかも従来以上に強靭でなければ、プレーヤ
ーの要求を満足させることができないことになつ
てきたのである。 この発明の目的は、このような事情に鑑みて、
細ゲージタイプの高強力ガツトを提供するもので
ある。 すなわち、この発明は、芯糸に複数の巻線を巻
廻、接着した構造のガツトにおいて、芯糸に溶液
粘度3.80以上のナイロン6を使い、巻線に溶液粘
度2.80以上3.40未満のナイロン66を使用したこと
を特徴とする合成樹脂製の高強力ガツトを要旨と
する。 以下、この発明を図面に基いて詳しく述べる。 この発明に係るガツトは、第1図に示すよう
に、比較的太い合成樹脂製モノフイラメント1を
芯にして、その周囲に比較的細い合成樹脂製モノ
フイラメント2の複数本を巻廻し、適当な接着剤
3で芯糸と巻線とを接着した構造よりなる。 ところで、このような構造を有するガツトの構
成単位である芯糸および巻線は、従来、ナイロン
6を素材とし、溶液粘度が一般的に最も多く使用
されている範囲内である3.00〜3.60程度の重合体
を用いていた。そのため、ガツト直径をあまり小
さくすることができなかつた。しかし、従来の大
きさのラケツトであれば、1.40mm程度の太さのガ
ツトを使用することも何ら問題はなかつた。とこ
ろが、ラケツトの素材に軽量でしかも強靭なカー
ボンフアイバを使うことで従来よりも打球面を広
くした大型ラケツトに用いるガツトということに
なると、従来よりも細ゲージのガツトであること
が必要となる。そうすると、先に述べたような構
成の重合体を使用していたのでは、充分な強力を
具備した細ゲージガツトを作ることが困難であ
る。すなわち、大型ラケツトへの適合化は、ガツ
トの直径を細くすることであるが、従来の構成重
合体では細ゲージ化により強力が低下し、ラケツ
トにガツトを張る際の張り張力に耐えられないば
かりか、打球力にも耐えられないものとなるから
である。 この発明においては、ガツトを構成する各単量
体である芯糸および巻線に使用するナイロンの種
類および溶液粘度(重合度)を、以下に述べるよ
うに規定することにより、細ゲージであるにもか
かわらず高強力タイプのガツトを得ている。すな
わち、この発明のガツトは、細ゲージでありなが
ら、従来の1.40mm並の強力を有し、大型ラケツト
に適合した性質を有するものである。 この発明においては、ガツト構成単位の一方で
ある芯糸の合成樹脂として高重合度ナイロン6を
採用している。すなわち、溶液粘度3.80〜4.50好
ましくは4.00〜4.20のものを使用している。そし
て、他方の構成単位である巻線の合成樹脂として
普通重合度のナイロン66を採用している。すなわ
ち、溶液粘度2.80以上3.40未満好ましくは3.00〜
3.20のものを使用するようにしているのである。 このような芯および巻線を使いガツトを加工す
ることとすれば、高強力ガツトを得ることができ
る理由を、次に述べる。 通常このような芯一巻線接着タイプガツトは、
構成単位である各合成樹脂モノフイラメントの
個々の強力の和がガツト強力になるのではない。
使用する接着剤の影響による強力低下、構造に起
因する強力利用率の低下などのマイナス要因が作
用し、原糸のガツトに対する強力利用率が80〜90
%と低下するからである。そこで、これらマイナ
ス要因による強力低下の小さい方策を採る必要が
ある。すなわち、芯として使用する比較的太いナ
イロン6製モノフイラメントについては、高重合
度タイプの原料を使用することが好ましいのであ
る。溶液粘度で3.80〜4.50好ましくは4.00〜4.20
の高重合度ナイロンを使うことにより、高強力、
高タフネスと反復伸疲労の改善を計ることがで
き、従来品に比べ約5〜10%の強力利用率の改善
が達成できるのである。さらに、巻線として使用
する比較的細い合成樹脂製モノフイラメントの原
料に溶液粘度2.80以上3.40未満好ましくは3.00〜
3.20のナイロン66を使用することにより、接着剤
による溶解を伴なう強力低下がさけられ、さらに
衝撃性が改善でき、従来のナイロン6の場合に比
べ約5〜10%の強力利用率の改善が達成できるの
である。芯および巻線に使用する合成樹脂の種類
をこのように選択することにより、原糸の強力を
加工後のガツトに最大限生かすことができるので
ある。このようにして、最終製品であるガツトの
直径は従来並強力を保つた上で細ゲージ化でき
た。 この発明のガツトは、無色に限らず目的に応じ
て色付けし色彩を豊かにすることもできるし、耐
候剤、減磨剤などの添加もできる。さらに、芯糸
については、芯部に空隙を設けたいわゆる中空構
造のモノフイラメントを使用することもできる。
また、バトミントン、スカツシユ、テニスなどの
用途に応じてガツトを構成する芯および巻線の直
径は適宜選択できる。 この発明にかかるガツトは、上記のように構成
されているため、細径でありながら高強力となり
得る。 すなわち、一般的な合成樹脂製原糸の場合、樹
脂の重合度が高いほど直線的な引張強力が高くな
る。したがつて、細くて強いガツトを製造するに
は、芯糸および巻糸の何れにも、出来るだけ高重
合度すなわち溶液粘度の高い樹脂を用いればよい
ことになる。しかし、使用時にガツトに加わる荷
重は単純な直線的引張力ではなく、曲げや捩れも
加わつた複合的な力である。このような使用時の
荷重状態に近い状態でガツトの強さを評価する基
準のひとつに結節強力があり、この結節強力を、
前記溶液粘度の高い樹脂のみからなるガツトにつ
いて測定してみると、直線的な引張強力では優れ
た値を示したものが、結節強力については極端に
低下してしまうのである。すなわち、実用的には
強いガツトでは無くなるのである。 そこで、この発明では、芯糸には溶液粘度の高
い樹脂を用いると同時に、外周側で曲げや捩れに
よる変形が大きくなる巻線には、比較的溶液粘度
が低く変形し易い樹脂を用いることで、ガツト全
体の結節強力を大幅に向上させることが出来たの
である。すなわち、芯糸と巻線の溶液粘度範囲お
よびその材質を、前記のように特定したことによ
つて、実用上、極めて強靭で耐久性に優れたガツ
トを提供することができるのである。 したがつて、これを張つたカーボンフアイバ製
大型ラケツトは、実用性(スピード、反撥力、打
球感)の点ですぐれており、競技上必要な耐久性
も備えている。 実施例および比較例 東レ(株)製ナイロン6チツプM1021(溶液粘度
3.40)およびM1041(溶液粘度4.20)、ならびにナ
イロン66チツプM3001(溶液粘度3.00)を使用し、
それぞれを通常の溶融紡糸延伸法により第1表記
載の直径のモノフイラメントに製糸した。
スなどに使用する合成繊維製ガツトに関する。 バトミントン、スカツシユなどの球技用に使う
ラケツトに張るガツトは、従来、動物繊維である
鯨筋が使用されていた。しかし、ナイロンをはじ
めとする合成繊維が出現し、その強靭性がすぐれ
ていること、さらに耐久性がすぐれていることな
どがガツト特性にフイツトする点が評価され、近
年、ナイロン製ガツトが急速に普及してきた。合
成繊維ガツトに対しては、球技自体の技術の高度
化と一般への普及に伴ない、競技面での要求特性
も多彩になつてきた。すなわち、打球感、反撥
力、コントロール性さらによりすぐれた耐久性な
どの実用性向上の要求が出るようになつてきた。
合成繊維は、加工の自由度が高いことから、これ
ら要求特性を逐次満たしつつ、競技技術の進歩向
上に対応してきた。 他方、ラケツトについても、新素材の出現によ
り、従来竹材、木材が主流であつたものが、最近
ではカーボンフアイバが用いられ始まるようにな
り、軽くしかも強靭性がすぐれていることから、
新素材の使用は大型ラケツトの誕生に結びつい
た。ところが、大型ラケツトの出現普及に伴な
い、ガツトに対する要求特性は以前にも増して厳
しくなつてきた。すなわち、競技のスピード化が
進み、従来のガツトでは風切り性が悪く、スピー
ドに対応しきれないことが分かつてきたからであ
る。そこで、細ゲージガツトの必要性が生じた。
すなわち、ラケツト素材の軽量化、強靭化が達成
されるに伴ない、このラケツトに張るガツトは、
細くしかも従来以上に強靭でなければ、プレーヤ
ーの要求を満足させることができないことになつ
てきたのである。 この発明の目的は、このような事情に鑑みて、
細ゲージタイプの高強力ガツトを提供するもので
ある。 すなわち、この発明は、芯糸に複数の巻線を巻
廻、接着した構造のガツトにおいて、芯糸に溶液
粘度3.80以上のナイロン6を使い、巻線に溶液粘
度2.80以上3.40未満のナイロン66を使用したこと
を特徴とする合成樹脂製の高強力ガツトを要旨と
する。 以下、この発明を図面に基いて詳しく述べる。 この発明に係るガツトは、第1図に示すよう
に、比較的太い合成樹脂製モノフイラメント1を
芯にして、その周囲に比較的細い合成樹脂製モノ
フイラメント2の複数本を巻廻し、適当な接着剤
3で芯糸と巻線とを接着した構造よりなる。 ところで、このような構造を有するガツトの構
成単位である芯糸および巻線は、従来、ナイロン
6を素材とし、溶液粘度が一般的に最も多く使用
されている範囲内である3.00〜3.60程度の重合体
を用いていた。そのため、ガツト直径をあまり小
さくすることができなかつた。しかし、従来の大
きさのラケツトであれば、1.40mm程度の太さのガ
ツトを使用することも何ら問題はなかつた。とこ
ろが、ラケツトの素材に軽量でしかも強靭なカー
ボンフアイバを使うことで従来よりも打球面を広
くした大型ラケツトに用いるガツトということに
なると、従来よりも細ゲージのガツトであること
が必要となる。そうすると、先に述べたような構
成の重合体を使用していたのでは、充分な強力を
具備した細ゲージガツトを作ることが困難であ
る。すなわち、大型ラケツトへの適合化は、ガツ
トの直径を細くすることであるが、従来の構成重
合体では細ゲージ化により強力が低下し、ラケツ
トにガツトを張る際の張り張力に耐えられないば
かりか、打球力にも耐えられないものとなるから
である。 この発明においては、ガツトを構成する各単量
体である芯糸および巻線に使用するナイロンの種
類および溶液粘度(重合度)を、以下に述べるよ
うに規定することにより、細ゲージであるにもか
かわらず高強力タイプのガツトを得ている。すな
わち、この発明のガツトは、細ゲージでありなが
ら、従来の1.40mm並の強力を有し、大型ラケツト
に適合した性質を有するものである。 この発明においては、ガツト構成単位の一方で
ある芯糸の合成樹脂として高重合度ナイロン6を
採用している。すなわち、溶液粘度3.80〜4.50好
ましくは4.00〜4.20のものを使用している。そし
て、他方の構成単位である巻線の合成樹脂として
普通重合度のナイロン66を採用している。すなわ
ち、溶液粘度2.80以上3.40未満好ましくは3.00〜
3.20のものを使用するようにしているのである。 このような芯および巻線を使いガツトを加工す
ることとすれば、高強力ガツトを得ることができ
る理由を、次に述べる。 通常このような芯一巻線接着タイプガツトは、
構成単位である各合成樹脂モノフイラメントの
個々の強力の和がガツト強力になるのではない。
使用する接着剤の影響による強力低下、構造に起
因する強力利用率の低下などのマイナス要因が作
用し、原糸のガツトに対する強力利用率が80〜90
%と低下するからである。そこで、これらマイナ
ス要因による強力低下の小さい方策を採る必要が
ある。すなわち、芯として使用する比較的太いナ
イロン6製モノフイラメントについては、高重合
度タイプの原料を使用することが好ましいのであ
る。溶液粘度で3.80〜4.50好ましくは4.00〜4.20
の高重合度ナイロンを使うことにより、高強力、
高タフネスと反復伸疲労の改善を計ることがで
き、従来品に比べ約5〜10%の強力利用率の改善
が達成できるのである。さらに、巻線として使用
する比較的細い合成樹脂製モノフイラメントの原
料に溶液粘度2.80以上3.40未満好ましくは3.00〜
3.20のナイロン66を使用することにより、接着剤
による溶解を伴なう強力低下がさけられ、さらに
衝撃性が改善でき、従来のナイロン6の場合に比
べ約5〜10%の強力利用率の改善が達成できるの
である。芯および巻線に使用する合成樹脂の種類
をこのように選択することにより、原糸の強力を
加工後のガツトに最大限生かすことができるので
ある。このようにして、最終製品であるガツトの
直径は従来並強力を保つた上で細ゲージ化でき
た。 この発明のガツトは、無色に限らず目的に応じ
て色付けし色彩を豊かにすることもできるし、耐
候剤、減磨剤などの添加もできる。さらに、芯糸
については、芯部に空隙を設けたいわゆる中空構
造のモノフイラメントを使用することもできる。
また、バトミントン、スカツシユ、テニスなどの
用途に応じてガツトを構成する芯および巻線の直
径は適宜選択できる。 この発明にかかるガツトは、上記のように構成
されているため、細径でありながら高強力となり
得る。 すなわち、一般的な合成樹脂製原糸の場合、樹
脂の重合度が高いほど直線的な引張強力が高くな
る。したがつて、細くて強いガツトを製造するに
は、芯糸および巻糸の何れにも、出来るだけ高重
合度すなわち溶液粘度の高い樹脂を用いればよい
ことになる。しかし、使用時にガツトに加わる荷
重は単純な直線的引張力ではなく、曲げや捩れも
加わつた複合的な力である。このような使用時の
荷重状態に近い状態でガツトの強さを評価する基
準のひとつに結節強力があり、この結節強力を、
前記溶液粘度の高い樹脂のみからなるガツトにつ
いて測定してみると、直線的な引張強力では優れ
た値を示したものが、結節強力については極端に
低下してしまうのである。すなわち、実用的には
強いガツトでは無くなるのである。 そこで、この発明では、芯糸には溶液粘度の高
い樹脂を用いると同時に、外周側で曲げや捩れに
よる変形が大きくなる巻線には、比較的溶液粘度
が低く変形し易い樹脂を用いることで、ガツト全
体の結節強力を大幅に向上させることが出来たの
である。すなわち、芯糸と巻線の溶液粘度範囲お
よびその材質を、前記のように特定したことによ
つて、実用上、極めて強靭で耐久性に優れたガツ
トを提供することができるのである。 したがつて、これを張つたカーボンフアイバ製
大型ラケツトは、実用性(スピード、反撥力、打
球感)の点ですぐれており、競技上必要な耐久性
も備えている。 実施例および比較例 東レ(株)製ナイロン6チツプM1021(溶液粘度
3.40)およびM1041(溶液粘度4.20)、ならびにナ
イロン66チツプM3001(溶液粘度3.00)を使用し、
それぞれを通常の溶融紡糸延伸法により第1表記
載の直径のモノフイラメントに製糸した。
【表】
【表】
上記第2表において、ガツト乾引張強力をみれ
ば、この発明にかかる実施例よりも比較例2のほ
うが高い値を示しているが、ガツトの使用状態に
近いガツト乾結節強力の項をみれば、本願発明の
実施例は、何れの比較例に比べても明らかに高い
値を示しており、ガツトの実用上、優れた強靭性
や耐久性を発揮できることが実証された。なお、
比較例1は、芯糸の溶液粘度が低いとともに、巻
線に溶液粘度の高いナイロン6を用いており、比
較例2は、芯糸に溶液粘度の低いものを用いてお
り、比較例3は、巻線に溶液粘度の高いナイロン
6を用いている。 つぎに、これらのモノフイラメントを第2表の
ごとくに使用して、第1図に示すような芯一巻線
タイプのガツトに加工した。加工の際、芯一巻線
の接着剤はナイロンの溶剤であるフエノールを使
用した。さらに、ガツト表面にはナイロン樹脂液
でコーテイングを施した。 得られたガツトの直径と強力との関係を第2表
に示す。
ば、この発明にかかる実施例よりも比較例2のほ
うが高い値を示しているが、ガツトの使用状態に
近いガツト乾結節強力の項をみれば、本願発明の
実施例は、何れの比較例に比べても明らかに高い
値を示しており、ガツトの実用上、優れた強靭性
や耐久性を発揮できることが実証された。なお、
比較例1は、芯糸の溶液粘度が低いとともに、巻
線に溶液粘度の高いナイロン6を用いており、比
較例2は、芯糸に溶液粘度の低いものを用いてお
り、比較例3は、巻線に溶液粘度の高いナイロン
6を用いている。 つぎに、これらのモノフイラメントを第2表の
ごとくに使用して、第1図に示すような芯一巻線
タイプのガツトに加工した。加工の際、芯一巻線
の接着剤はナイロンの溶剤であるフエノールを使
用した。さらに、ガツト表面にはナイロン樹脂液
でコーテイングを施した。 得られたガツトの直径と強力との関係を第2表
に示す。
【表】
【表】
実施例で得られたガツトを大型ラケツトに張
り、試打したところ、反撥音力、反撥音、ボール
のコントロール性がすぐれており、ガツトのゆる
み、目ずれもなかつた。その点、比較例は良くな
かつた。 なお、ここで云う溶液粘度とは、98%濃硫酸に
1%の割合で合成樹脂を溶解し、オストワルド式
粘度計を用いて落下時間を測定し、98%濃硫酸単
独の落下時間で除した相対粘度である。 以上のごとく、この発明にかかるガツトは、芯
糸と巻線にそれぞれナイロン6とナイロン66を使
用し、これらの溶液粘度範囲を特定しているの
で、細径でありながら極めて強靭であり、これを
張つた大型ラケツトを、実用性(スピード、反発
力、打球感など)の点で優れ競技上必要な耐久性
を備えたものとすることが出来る。
り、試打したところ、反撥音力、反撥音、ボール
のコントロール性がすぐれており、ガツトのゆる
み、目ずれもなかつた。その点、比較例は良くな
かつた。 なお、ここで云う溶液粘度とは、98%濃硫酸に
1%の割合で合成樹脂を溶解し、オストワルド式
粘度計を用いて落下時間を測定し、98%濃硫酸単
独の落下時間で除した相対粘度である。 以上のごとく、この発明にかかるガツトは、芯
糸と巻線にそれぞれナイロン6とナイロン66を使
用し、これらの溶液粘度範囲を特定しているの
で、細径でありながら極めて強靭であり、これを
張つた大型ラケツトを、実用性(スピード、反発
力、打球感など)の点で優れ競技上必要な耐久性
を備えたものとすることが出来る。
第1図はこの発明に係る芯−巻線タイプガツト
の一部を断面であらわした部分的斜視図である。 1……芯糸、2……巻線、3……接着剤。
の一部を断面であらわした部分的斜視図である。 1……芯糸、2……巻線、3……接着剤。
Claims (1)
- 1 芯糸に複数の巻線を巻廻、接着した構造のガ
ツトにおいて、芯糸に溶液粘度3.80以上のナイロ
ン6を使い、巻線に溶液粘度2.80以上3.40未満の
ナイロン66を使用したことを特徴とする高強力ガ
ツト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57211037A JPS59101165A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 高強力ガツト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57211037A JPS59101165A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 高強力ガツト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59101165A JPS59101165A (ja) | 1984-06-11 |
JPH0228989B2 true JPH0228989B2 (ja) | 1990-06-27 |
Family
ID=16599318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57211037A Granted JPS59101165A (ja) | 1982-11-30 | 1982-11-30 | 高強力ガツト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59101165A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5145172A (en) * | 1989-05-05 | 1992-09-08 | Gosen Co., Ltd. | String for racket |
JP2644668B2 (ja) * | 1993-08-10 | 1997-08-25 | 株式会社ゴーセン | ラケット用ストリング及びこれを張設したラケット |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5628358B2 (ja) * | 1975-09-12 | 1981-07-01 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5628358U (ja) * | 1979-08-13 | 1981-03-17 |
-
1982
- 1982-11-30 JP JP57211037A patent/JPS59101165A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5628358B2 (ja) * | 1975-09-12 | 1981-07-01 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59101165A (ja) | 1984-06-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6460321B1 (en) | Racquet string | |
JPS5964073A (ja) | テニスラケツト用のガツト及びこれを備えたラケツト | |
US5145172A (en) | String for racket | |
JPS6222665A (ja) | ラケツトの弦構造 | |
US4860531A (en) | Racquet strings | |
FI83731C (fi) | Monofilament- eller multifilamentstraeng foer sportracketar. | |
JPH0228989B2 (ja) | ||
US6978593B2 (en) | Composite synthetic string for tennis racket | |
US4565061A (en) | String for rackets | |
JPH0350935Y2 (ja) | ||
JPH03205070A (ja) | ガットの製造法 | |
JPH03106382A (ja) | 合成樹脂製ガット | |
JP3581158B2 (ja) | ストリングス | |
JP2898228B2 (ja) | 合成ストリング及びその製造方法 | |
JPS6077776A (ja) | ガツト | |
EP0638339A1 (en) | Racket string and stringed rackets using the same | |
JP2548877B2 (ja) | ラケット用ストリング | |
CN214074948U (zh) | 一种聚酰胺纤维增强的网球线 | |
JP2003154039A (ja) | ストリング | |
JPH0374593B2 (ja) | ||
WO1994011064A1 (en) | Hybrid stringing arrangement of main and cross strings with enhanced performance characteristics for use in a sports racket | |
JP2766620B2 (ja) | テニスラケット用ガット | |
JPH0517085Y2 (ja) | ||
JP2002085599A (ja) | ラケット用ストリング | |
US20140329623A1 (en) | String for sports racquet and sports racquet with improved string |