JPH0121219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は出力軸に過大な負過が働いたとき、
この過負荷が入力軸側へ伝わることを防止するト
ルクリミツターに関するものである。

従来の技術 従来のトルクリミツターは例えば入力側回転体
と、出力側回転体の結合を動力伝達用ボールで行
なうことによつて、係脱時のシヨツクを少なく
し、かつ構造を簡単にしたもの、又は入力側回転
体と出力側回転体とのフランジ外周近くに相貫通
する孔又は一端を孔とし、他端を外方に開放した
溝としてシアピンを嵌合させたもの、或いは入力
側回転体と出力側回転体の外周に設けた支持面に
アタツチメントを夫々ボルト止めし、この両アタ
ツチメントに設けたピン孔に、両アタツチメント
を連結するシヤーピンを嵌装したものである。

考案が解決しようとする問題点 上記のような従来のトルクリミツターの場合、
入出力各回転体の平面状の支持面と、この支持面
に固定するアタツチメントはボルトのみにより結
合しているので、大きいトルクを伝達させようと
すると、アタツチメントがすべりを起こすおそれ
がある。従つて、アタツチメントやこれを支持面
に固定するボルトを大きくしなければならないの
で、トルクリミツターが大型化すると共に、複雑
化するにも拘らず信頼性に乏しいという問題があ
る。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、同心円状に配設した入力側
回転体と出力側回転体の外周に夫々設けた底部が
狭い倒立台形の係合溝に、上記係合溝と同形のシ
ヤーピンを係合させ、このシヤーピンの両端部に
設けた挿入孔に挿入した締付ボルトを該各係合溝
の底部に設けた螺孔にねじ込んでシヤーピンを直
接締付けたものである。

作 用 この考案のトルクリミツターは上記の構造であ
るから、シヤーピンは入力側回転体の溝と出力側
回転体の溝の両方に係合して締め付けられ、溝側
面に接合している。従つて、入出力各回転体とシ
ヤーピンはボルトのみでなくシヤーピンによつて
も結合しているから、重荷重用とした場合でも入
力側回転体に加わるトルクは総てシヤーピンに伝
達され、設定トルクに達するとシヤーピンが切断
して出力側回転体への回転力の伝達を阻止する。

実施例 第１図及び第２図に示す第１の実施例におい
て、１は入力側回転体、２は出力側回転体であ
る。入力側回転体１には入力軸３を固定し、該回
転体１と一体の筒状部４の外側には出力側回転体
２と一体の筒状部５を回転自在に嵌装し、筒状部
４の端部に固定したリング６により抜け止めと
し、筒状部５の外端にギヤー等の伝動部材７を固
定する。

該各回転体１，２は、夫々円板状であり、その
一部に夫々倒立台形の溝８，９が形成してある。
また、この各溝８，９の底部には夫々螺孔１０，
１１を形成する。

１２はシヤーピンで、このシヤーピンは第３図
のように中央に切断用の周溝１３を有し、その両
側は前記各溝８，９に適合する倒立台形の係合部
１４，１５とし、この各係合部１４，１５には
夫々挿入孔１６，１７を形成してある。

第１図、第２図のように、シヤーピン１２の係
合部１４，１５を入出力各回転体１，２の各溝
８，９に係合させ、各挿入孔１６，１７に夫々挿
入したボルト１８，１９を各螺孔１０，１１にね
じ込み、この各ボルトに夫々ナツト２０，２１を
ねじ込んで各係合部１４，１５を溝８，９に締め
込み、適宜の動力で入力軸３を駆動している状態
において、伝動部材７に過大な負荷が加わると、
シヤーピン１２が周溝１３の部分で切断して過大
な荷重が入力軸３側へ伝わることを防止する。

尚、実施例は、ボルト１８，１９とナツト２
０，２１を用いてシヤーピン１２を回転体に固定
してあるが、頭付きボルトを用いればナツトを省
略できる。また、図ではシヤーピン１２を一個所
しか示していないが、伝達トルクが大きくなれ
ば、溝８，９を複数個所に設けてこの各溝に夫々
シヤーピン１２を装着すればよい。

効 果 この考案は、上記のように入出力回転体の各溝
に、シヤーピンの両端部を係合させて、シヤーピ
ンにより両回転体を結合するとともに、シヤーピ
ンをボルトにより両回転体に直接結合することに
より、シヤーピンと回転体の結合を強化してある
から、シヤーピンを回転体に固定するボルトを細
くしても、シヤーピンが回転体に対してずれるよ
うなおそれはない。

従つて、伝達トルクを大きくしても、シヤーピ
ンを各回転体に固定するボルトを細くできるか
ら、従来品に比較して小型に製作できるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
２図は同上の縦断側面図、第３図はシヤーピンの
一例を示す斜面図である。 １……入力側回転体、２……出力側回転体、
８，９……溝、１３……周溝、１２……シヤーピ
ン、１６，１７……挿入孔、１８，１９……ボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同心円状に配置した入力側回転体と出力側回転
   体の外周に夫々設けた底部が狭い倒立台形の連通
   する係合溝に、上記係合溝と同形に形成したシヤ
   ーピンを係合させ、このシヤーピンの両端部に設
   けた挿入孔に挿入した締め付けボルトを各係合溝
   の底部に設けた螺孔にねじ込んでシヤーピンを直
   接締め付けたことを特徴とするトルクリミツタ
   ー。