Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPH0987040A - セラミックグリーン体 - Google Patents

セラミックグリーン体

Info

Publication number
JPH0987040A
JPH0987040A JP7253720A JP25372095A JPH0987040A JP H0987040 A JPH0987040 A JP H0987040A JP 7253720 A JP7253720 A JP 7253720A JP 25372095 A JP25372095 A JP 25372095A JP H0987040 A JPH0987040 A JP H0987040A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
ceramic
green body
ceramic green
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7253720A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoaki Hirokawa
清章 廣川
Shigeaki Tanaka
茂明 多中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP7253720A priority Critical patent/JPH0987040A/ja
Publication of JPH0987040A publication Critical patent/JPH0987040A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アクリル樹脂の有する良好な脱脂性を維持した
まま、優れた強度を有するセラミックグリーン体を提供
する。 【解決手段】窒化アルミニウム粉末等のセラミック粉末
100重量部およびアクリル樹脂とポリビニルブチラー
ルとからなるバインダー0.1〜30重量部よりなり、
該ポリビニルブチラールのバインダー中に占める割合が
0.1〜10重量%であるセラミックグリーン体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なセラミック
グリーン体に関する。詳しくは、アクリル樹脂の有する
良好な脱脂性を維持したまま、優れた強度を有するセラ
ミックグリーン体である。
【0002】
【従来の技術】セラミック焼結体を製造する方法とし
て、従来より、セラミック粉末を顆粒に造粒した後、乾
式プレスにより成形してプレス成形体を得、焼成する方
法やセラミック粉末を湿式成形してグリーンシートを
得、その後、所定の形状に打ち抜き加工した後、これを
焼成する方法等が一般に広く採用されている。
【0003】セラミックグリーン体の製造方法として、
前者のプレス成形体の製造では、セラミック粉末にバイ
ンダー、有機溶媒等を加えて混合し、スプレードライヤ
ー法等の公知の方法によりセラミック粉末を顆粒に造粒
した後、該セラミック顆粒を金型等の成形型の中に充填
し、プレス成形機で加圧成形してセラミックプレス成形
体を得る方法が知られている。
【0004】一方、後者におけるグリーンシートの製造
では、セラミック粉末にバインダー、有機溶媒等を加え
て混合し、ドクターブレード法等により成形を行った
後、得られたグリーンシートを所定の打ち抜き金型によ
り、特定の寸法形状に加工する方法が一般に採用されて
いる。
【0005】上記セラミック粉末としては、電子材料及
び構造材料等の用途に応じて、窒化アルミニウム、アル
ミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア等の各種のセラ
ミック粉末が使用されている。
【0006】上記のようにして得られるセラミックグリ
ーン体は焼結体の製造過程において、成分として含まれ
るバインダー成分を熱分解して除去する処理、いわゆる
脱脂処理が行われる。
【0007】この脱脂処理において、最近では、セラミ
ック本来の材料特性を最大限に引き出すことを目的とし
て、熱分解性に優れ、焼成後の残留カーボンの少ないア
クリル樹脂の使用が検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
アクリル樹脂をバインダーとして製造されたセラミック
グリーン体は、得られるセラミックグリーン体の強度が
弱いという欠点があり、かかる欠点をカバーするため
に、アクリル樹脂を多量に配合する必要があった。
【0009】そのために、脱脂処理において、得られる
脱脂体の急激な体積収縮に伴うワレやクラックが発生し
易く、また、脱脂にも長時間を要するという問題があっ
た。
【0010】特に、0.8mm以上の厚みを有する肉厚
のセラミックグリーン体では、セラミックグリーン体の
成形時にグリーンシートにクラックが発生し易く、従来
のポリビニルブチラールに比べて最大で約2倍量ものア
クリル樹脂を必要としていた。その結果、上記の問題に
加え、セラミックグリーン体成形時における乾燥性が悪
く、グリーンシートの生産性が劣るという問題をも有し
ていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、セラミ
ックグリーン体のバインダー成分である上記アクリル樹
脂に対して特定量のポリビニルブチラールを配合するこ
とによって、該アクリル樹脂の脱脂性を殆ど阻害するこ
となく、しかも、得られるセラミックグリーン体の強度
が著しく改善され、かかる目的を達成と得ることを見い
出し、本発明を提案するに至った。
【0012】即ち、セラミック粉末100重量部および
アクリル樹脂とポリビニルブチラールとからなるバイン
ダー0.1〜30重量部よりなり、該ポリビニルブチラ
ールのバインダー中に占める割合が0.1〜10重量%
であることを特徴とするセラミックグリーン体である。
【0013】本発明において、セラミックグリーン体の
形状は公知の形状が特に制限なく採用される。例えば、
シート状、板状、角柱状、円柱状、球状、箱状等が挙げ
られる。これらのセラミックグリーン体のうち、本発明
が好適に適用されるセラミックグリーン体は、0.8m
m以上の厚みを有する肉厚成形体である。
【0014】本発明で使用されるセラミック粉末として
は、公知のものが何ら制限なく使用される。例えば、窒
化アルミニウム、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、ジル
コニア等が挙げられる。中でも、グリーン体焼成後の残
留カーボンが焼結体の材料特性、特に熱伝導率等に大き
く影響を与える窒化アルミニウムに対して好適に使用さ
れる。
【0015】一般に、熱伝導性に優れた窒化アルミニウ
ム焼結体を得るためには、使用する窒化アルミニウム粉
末の酸素含有量や陽イオン不純物の少ないことが好まし
い。即ち、AlNを窒化アルミニウム組成とするとき、
不純物となる酸素含有量が1.5重量%以下、陽イオン
不純物が0.3重量%以下、好ましくは酸素含有量が
0.4〜1.3重量%、陽イオン不純物が0.2重量%
以下である窒化アルミニウム粉末が好適である。上記陽
イオン不純物としては、窒化アルミニウムの表面が空気
中で不可避的に酸化され、Al−N結合がAl−O結合
に置き換っている場合の結合Alは含まれない。
【0016】また、窒化アルミニウム粉末等のセラミッ
ク粉末の粒子は、粒子径の小さいものが揃っているもの
が好ましい。例えば、平均粒子径(遠心式粒度分布測定
装置で測定した凝集粒子の平均粒径を言う。)が5μm
以下、さらには3μm以下であることが好ましい。
【0017】本発明の最大の特徴は、セラミックグリー
ン体を構成するバインダーとして、アクリル樹脂とポリ
ビニルブチラールとからなるバインダーを使用し、該ポ
リビニルブチラールのバインダー中に占める割合を0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%としたこ
とにある。
【0018】上記ポリビニルブチラールの混合割合が、
0.1重量%より少ない場合、アクリル樹脂の強度の改
善効果が十分でなく、本発明の目的を達成することがで
きない。また、該ポリビニルブチラールの混合割合が1
0重量%を超えた場合、ポリビニルブチラールとアクリ
ル樹脂との相溶性が悪いために、後記の湿式成形法によ
りセラミックグリーン体を得る場合、セラミック粉末の
泥しょうの粘度及びチクソトロピー性が増大し、得られ
るグリーンシートの密度の低下、シート成形時にグリー
ンシートにスジ状の溝が発生するなどの不具合が発生
し、これを脱脂、焼成して得られるセラミック焼結体の
物性等が低下する。
【0019】また、後記のプレス成形によりセラミック
グリーン体を製造する場合、顆粒の嵩密度が低下するた
めに、高密度のプレス成形体が得ることが困難となり、
これを脱脂、焼成して得られるセラミック焼結体の物性
等が低下する。
【0020】更に、セラミックグリーン体の脱脂性も低
下することにより、最終的に得られるセラミッ焼結体の
物性が低下するという問題をも有する。
【0021】本発明において好適に使用されるアクリル
樹脂を具体的に例示すると、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリエチ
ルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリオ
クチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステルお
よびポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリ
2−エチルヘキシルアクリレート、ポリエチルアクリレ
ート、ポリブチルアクリレート、ポリオクチルアクリレ
ート等のポリアクリル酸エステルおよびポリアクリル酸
の他、ヒドロキシル基やアミノ基を有するポリ2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチ
ルメタクリレート等のメタクリル酸エステル誘導体ポリ
マー等が挙げられ、一種または二種以上を混合して使用
される。
【0022】上記アクリル樹脂のガラス転移温度(T
g)は、特に限定されないが、−10〜50℃、好まし
くは、5〜30℃のものを用いると、脱脂性、セラミッ
クグリーン体がシートである場合の打ち抜き加工性など
の点から好適である。
【0023】また、前記アクリル樹脂の分子量は、特に
制限されないが、一般には3,000〜1,000,0
00、好ましくは、5,000〜500,000のもの
を用いることにより、セラミックグリーン体がシートの
場合、柔軟性のある成形体を得ることができ、好適であ
る。
【0024】更に、アクリル樹脂の酸価は、特に制限さ
れないが、セラミックグリーン体の成形及び加工工程に
おいて発生する残材を再利用して、セラミックグリーン
体の製造を行う場合、0.01KOH mg/g以上、
1.0KOH mg/g未満であることが好ましい。こ
こで、酸価とは、アクリル樹脂の遊離脂肪酸の量の定量
値である。
【0025】また、バインダーのもう一つの成分である
ポリビニルブチラールは、特に限定されることなく、公
知のものが使用される。ブチラールの分子量としては、
一般には3,000〜1,000,000、好ましく
は、5,000〜300,000のものを用いると、セ
ラミックグリーン体の高強度を達成するため、また、セ
ラミックグリーン体がシートである場合、柔軟性のある
成形体を得るために好適である。
【0026】また、上記ポリブチラールのブチラール化
度は、60重量%以上、さらには、70重量%以上のも
のを使用することが、アクリル樹脂との相溶性の点から
好ましい。尚、ブチラール化度は、JIS K6728
により酢酸ビニル成分とビニルアルコール成分を求め、
下記式により算出した値である。
【0027】
【数1】
【0028】本発明において、セラミック粉末に対する
アクリル樹脂とポリビニルブチラールとからなるバイン
ダーの混合割合は、セラミック粉末100重量部に対し
て0.1〜30重量部であり、そのうち、2〜15重量
部の範囲であることが更に好ましい。上記バインダーの
量が0.1重量部より少ない場合は、セラミックグリー
ン体の強度が低く、また、30重量部を超える場合は、
セラミックグリーン体の脱脂性等が低下し、これを焼成
して得られるセラミッ焼結体の物性が低下する。
【0029】また、本発明のセラミックグリーン体に、
より柔軟性を付与する目的で、必要に応じて可塑剤が使
用される。使用される可塑剤としては、公知のものを特
に限定することなく使用することができる。特に可塑剤
として好適に使用されるものを具体的に例示すれば、ポ
リエチレングリコール及びその誘導体;ジメチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ベンジルブチルフタレート
及びジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類;ブ
チルステアレート等のステアリン酸エステル類;トリク
レゾールフォスフェート;トリ−N−ブチルフォスフェ
ート;グリセリン等である。これらの可塑剤の添加量は
セラミック粉末の性状、バインダーの種類、製造時に使
用する有機溶媒の種類及び使用量等によって異なり一概
に限定できないが、一般には、セラミック粉末100重
量部に対して15重量部以下、好ましくは0.4〜15
重量部の範囲から適宜選択して使用すればよい。
【0030】更に、本発明のセラミックグリーン体に
は、上記組成に加えて、各種セラミック粉末に応じて、
公知の焼結助剤が配合される。窒化アルミニウムの場
合、焼結に使用することが公知の焼結助剤、例えば、酸
化カルシウム、酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金
属酸化物;酸化イットリウム、酸化ランタン等の希土類
酸化物;アルミン酸カルシウム等の複合酸化物等を窒化
アルミニウム粉末との合計量中に占める割合で0.1〜
10重量%の範囲で用いても良い。
【0031】本発明のセラミックグリーン体の製造方法
は、特に制限されず、公知の成形方法が特に制限なく採
用される。例えば、セラミック粉末とバインダーとを有
機溶媒と共に混合して泥しょうを調製し、該泥しょう
を、公知の方法、即ち、ドクターブレード法等により湿
式成形してグリーンシート等のグリーン体を得、その
後、必要に応じて打ち抜き加工等の加工を施す方法、該
泥しょうを、スプレードライヤー法等により顆粒に造粒
した後、該顆粒を乾式プレス法により成形する方法など
が挙げられる。
【0032】上記セラミック粉末とバインダーとの混合
方法は、各種成形方法に応じて任意に選択されるが、バ
インダー中へのセラミック粉末の分散を高めるため、通
常、混合は二回に分けて行われる。即ち、一回目は、窒
化アルミニウム粉末と有機溶媒とを、必要に応じて、焼
結助剤及び表面活性剤を加えて混合し、二回目は、一回
めの混合物にバインダーと残りの溶媒を加えて混合され
る。該二回目の混合において、必要に応じて可塑剤を加
えても良い。
【0033】上記方法は、特に、バインダーの添加量が
比較的多い、湿式成形によるグリーンシートの製造にお
いて好適に採用される。
【0034】また、アクリル樹脂とポリビニルブチラー
ルとの混合は前記した割合で泥しょう調製時に各々を投
入し、混合すれば良い。好適な方法を例示すれば、予め
アクリル樹脂とポリビニルブチラールを溶媒で溶解、混
合して使用する方法、前記した割合で各々を共重合させ
て使用する方法等が挙げられる。
【0035】本発明のセラミックグリーン体を製造する
場合に必要に応じて使用される表面活性剤は、使用する
セラミック粉末に応じて、公知のものが何ら制限されな
い。例えば、窒化アルミニウム粉末の場合は、ノニオン
系の表面活性剤が好適に使用され、特に、親水性親油性
バランス(以下HLBと略す。)が4.5〜18のもの
が、窒化アルミニウムグリーンシートのシート密度が上
がるため好ましく使用される。尚、本発明におけるHL
Bはデービスの式により算出された値である。上記表面
活性剤を具体的に例示すれば、カルボキシル化トリオキ
シエチレントリデシルエーテル、ジグリセリンモノオレ
ート、ジグリセリンモノステアレート、カルボキシル化
ヘプタオキシエチレントリデシルエーテル、テトラグリ
セリンものオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノオレート等が挙げられる。
【0036】本発明における表面活性剤は、2種以上を
混合して使用しても良く、その時のHLBは、それぞれ
の表面活性剤のHLBの相加平均で算出できる。
【0037】これら表面活性剤は、良好なセラミックグ
リーン体を製造するためには、通常セラミック粉末10
0重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは
0.02〜3.0重量部である。表面活性剤が0.01
重量部より少ない場合には泥しょうの分散が不十分とな
り、10重量部より多い場合は、グリーン体の強度が低
下する傾向がある。
【0038】更に、本発明のセラミックグリーン体の製
造に好ましく使用される有機溶媒としては、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケト
ン等のケトン類;エタノール、プロパノール及びブタノ
ール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン及びキシレ
ン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類;あるいはトリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレン及びブロムクロロメタン等のハロゲン化炭化
水素類の1種または2種以上の混合物が挙げられる。有
機溶媒の量は、20〜200重量部の範囲から選択さ
れ、使用される。
【0039】本発明のセラミックグリーン体は、公知の
方法によって脱脂、焼成することにより、焼結体を製造
することができる。例えば、脱脂は、一般に、空気中や
窒素雰囲気中で行われ、脱脂温度は、セラミック粉末や
バインダー及び雰囲気の違いによって、300〜100
0℃の範囲から任意に選択される。その後、セラミック
粉末の種類に応じて、任意の温度、任意の雰囲気中で焼
成される。その一例として、窒化アルミニウムの場合、
非酸化雰囲気中、1700〜1950℃の温度で焼成し
て、窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、アクリル樹脂本来の熱分解性
を維持したまま、セラミックグリーン体の強度を改善し
たものであり、具体的には、従来なみのバインダー量で
成形が可能となるために、アクリル樹脂本来の良好な熱
分解性の特長を活かすことができる。その結果、セラミ
ック本来の材料特性を最大限に引き出した高品質のセラ
ミック焼結体を歩留り良く製造する事が可能となる。
【0041】中でも、本発明のセラミックグリーン体
は、真空及び窒素等の非酸化雰囲気中での脱脂及び焼成
が必要なタングステン等の高融点金属との同時焼成基
板、金属接合基板、ファインパターン等のメタライズ面
を有する基板等に対して好適に使用される。
【0042】従って、本発明のセラミックグリーン体
は、高品質が要求される構造材料や窒化アルミニウムな
どの電子材料に対して、工業的に極めて有用な材料とな
る。
【0043】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0044】尚、以下の実施例及び比較例における各種
の物性の測定は次の方法により行った。
【0045】1) 比表面積 島津製作所製「フローソーブ2300」を用いて、N2
吸着によるBET法で求めた。
【0046】2) 平均凝集粒径 堀場製作所製「CAPA 500」を用いて、遠心沈降
法により求めた。
【0047】3) 不純物量 陽イオン不純物は、窒化アルミニウム粉末をアルカリ溶
融後、酸で中和し、島津製作所製「ICPS−100
0」を使用して溶液のICP発光分光分析により定量し
た。
【0048】不純物カーボン量は、窒化アルミニウム粉
末を酸素気流中で燃焼させ、堀場製作所製「EMIA−
110」を使用して、発生したCO、CO2ガス量から
定量した。
【0049】不純物酸素量は、窒化アルミニウム粉末を
堀場製作所製「EMGA−2800」を使用して、グラ
ファイトるつぼ中での高温の熱分解法により発生したC
Oガス量から求めた。
【0050】4) 泥しょう粘性 東京計器製DVL型B型粘度計、ローターはNo.Eを
用いて20℃で測定した。チクソトロピー性は、回転数
1.5rpmで測定した粘度を3rpmで測定した粘度
で除して求めた。
【0051】5) シート密度(d) 所定の形状に打ち抜いたシート成形体の寸法と重量を測
定して求めた。
【0052】6) シート引っ張り強度及び伸び 東洋精機製「ストログラフM2」を用いて、25℃、湿
度60%の条件下、2kgのロードセルを使用し、シー
ト引っ張り速度10mm/minで測定した。5回の平
均値を測定値とした。試験サンプルは、ASTM D1
822 Lタイプの金型で打ち抜いて作製した。
【0053】7) プレス成形体密度 □30mmの金型を使用して、1.0t/cm2のプレ
ス圧力で、厚さ5mmのプレス成形体を作製した。プレ
ス成形体密度は、得られたプレス成形体の寸法と重量よ
り求めた。
【0054】8) 焼結体密度 東洋精機製「高精度比重計D−H」を使用して、アルキ
メデス法により求めた。
【0055】9) 熱伝導率 理学電機(株)製「熱定数測定装置PS−7」を使用し
て、レーザーフラッシュ法により測定した。厚さ補正は
検量線により行った。
【0056】実施例1 内容積10lのナイロン製ポットに鉄心入りナイロンボ
ールを入れ、次いで、表1に示す窒化アルミニウム粉末
100重量部、酸化イットリウム5重量部、表面活性剤
としてテトラグリセリンモノオレート1重量部、溶媒と
してトルエン36重量部を添加して一回目のボールミル
混合を十分に行った後、この混合物にバインダーとし
て、予めポリビニルブチラールを4%含有させたポリn
−ブチルメタクリレートを9重量部、可塑剤としてジブ
チルフタレートを4重量部、更に溶媒としてトルエンを
10重量部、酢酸ブチルを5重量部を加えて、更に、二
回目のボールミル混合を行い、白色の泥しょうを得た。
【0057】
【表1】
【0058】こうして得られた泥しょうを脱溶媒し、粘
度を10000〜20000cpsに調整した後、得ら
れた泥しょうの粘性を測定した。その後、ドクターブレ
ード法によりシート成形を行い、室温で1時間、60℃
で2時間、100℃で1時間乾燥して、幅20cm、厚
さ0.9〜1.0mmのグリーンシートを作製した。得
られたグリーンシートのシート密度、シート引っ張り強
度、シート伸びを測定し、結果を表2に示した。
【0059】次いで、グリーンシートを34mm角の金
型で所定の形状に打ち抜いた後、窒素中、600℃で5
時間焼成し、次いで、内面に窒化ホウ素を塗布したカー
ボン製るつぼに入れ、窒素雰囲気中、1800℃で5時
間焼成した。得られた焼結体の密度と熱伝導率を測定
し、結果を表2に示した。
【0060】比較例1 バインダーとして、ポリn−ブチルメタクリレートを単
独で使用して、シート密度が実施例1と同じになる様、
一回目に使用するトルエンの量を調整したこと以外は、
実施例1と同様にして、窒化アルミニウムグリーンシー
トを得、打ち抜き体を得、焼結体を得た。結果を表2に
示した。
【0061】比較例2 バインダーとして、ポリビニルブチラール使用し、シー
ト密度が実施例1と同じになる様、一回目に使用するト
ルエンの量を調整したこと以外は実施例1と同様にし
て、窒化アルミニウムグリーンシートを得、打ち抜き体
を得、焼結体を得た。結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】実施例2 ポリビニルブチラールを表3に示した量だけ含有したポ
リn−ブチルメタクリレートを使用したこと以外は、実
施例1と同様にして、窒化アルミニウムグリーンシート
を得、打ち抜き体を得、焼結体を得た。結果を表3に示
した。
【0064】
【表3】
【0065】実施例3 ポリビニルブチラールを4%含有させたポリn−ブチル
メタクリレートを表4に示した量だけ使用したこと以外
は実施例1と同様にして、窒化アルミニウムグリーンシ
ートを得、打ち抜き体を得、焼結体を得た。結果を表4
に示した。
【0066】
【表4】
【0067】実施例4 内容積2lのナイロン製ポットに鉄心入りナイロンボー
ルを入れ、次いで、表1に示す窒化アルミニウム粉末1
00重量部、酸化イットリウム5重量部、ヘキサグリセ
リンモノオレート1重量部、予めポリビニルブチラール
を4%含有させたポリn−ブチルメタクリレート3重量
部、溶媒としてトルエン100重量部を投入して、十分
にボールミル混合した後、白色の泥しょうを得た。
【0068】こうして得られた泥しょうをスプレードラ
イヤー法により造粒し、得られた顆粒を用いて、1.0
t/cm2のプレス圧力で、30mm角、厚さ5mmの
プレス成形体を作製し、プレス成形体密度を測定した。
その後、窒素中600℃で5時間焼成し、次いで、内面
に窒化ホウ素を塗布したカーボン製るつぼに入れ、窒素
雰囲気中1800℃で5時間焼成した。得られた焼結体
の密度と熱伝導率を測定し、その結果を表5に示した。
【0069】比較例3 バインダーとして、ポリn−ブチルメタクリレートを単
独で使用ししたこと以外は、実施例1と同様にして、窒
化アルミニウムプレス成形体を得、焼結体を得た。結果
を表5に示した。
【0070】比較例4 バインダーとして、ポリビニルブチラール使用したこと
以外は実施例1と同様にして、窒化アルミニウムプレス
成形体を得、焼結体を得た。結果を表5に示した。
【0071】
【表5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック粉末100重量部およびアク
    リル樹脂とポリビニルブチラールとからなるバインダー
    0.1〜30重量部よりなり、該ポリビニルブチラール
    のバインダー中に占める割合が0.1〜10重量%であ
    るセラミックグリーン体。
JP7253720A 1995-09-29 1995-09-29 セラミックグリーン体 Pending JPH0987040A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253720A JPH0987040A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 セラミックグリーン体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253720A JPH0987040A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 セラミックグリーン体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0987040A true JPH0987040A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17255213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7253720A Pending JPH0987040A (ja) 1995-09-29 1995-09-29 セラミックグリーン体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0987040A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178042A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社トクヤマ 窒化アルミニウムグリーンシート
CN113732968A (zh) * 2021-09-16 2021-12-03 佛山市国力通机械有限公司 陶瓷大板用抛釉磨块及其制备方法
CN116253571A (zh) * 2023-03-16 2023-06-13 无锡海古德新技术有限公司 一种氮化铝陶瓷造粒粉及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178042A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社トクヤマ 窒化アルミニウムグリーンシート
CN113732968A (zh) * 2021-09-16 2021-12-03 佛山市国力通机械有限公司 陶瓷大板用抛釉磨块及其制备方法
CN116253571A (zh) * 2023-03-16 2023-06-13 无锡海古德新技术有限公司 一种氮化铝陶瓷造粒粉及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5060093B2 (ja) 半導体装置用基板
JP2020528861A (ja) 窒化ケイ素焼結体製造のためのテープキャスティング用スラリー組成物
JP5084155B2 (ja) アルミナ焼結体及びその製造方法、並びに、このアルミナ焼結体を用いた静電チャック及びその製造方法
US20090088312A1 (en) Aluminum Nitride Sinter, Slurry, Green Object, and Degreased Object
US6838026B2 (en) Method for producing a silicon nitride filter
JP2008019144A (ja) ジルコニア含有セラミックス複合材料の製造方法
JPH0987040A (ja) セラミックグリーン体
KR20190023485A (ko) 질화알루미늄 소결체 및 이의 제조방법
JP4859267B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体とその製造方法
JP6720053B2 (ja) 窒化ケイ素焼結体の製造方法
JPH06237054A (ja) セラミックス基板用グリーンシート
JP2807430B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法
JP3707866B2 (ja) 窒化アルミニウムグリーン体の製造方法
JP2001247367A (ja) 炭化珪素質焼結体およびその製造方法
JP2007261849A (ja) シート状緻密質コージェライト焼結体の製造方法
JPH0987032A (ja) 窒化アルミニウムグリーンシート及びその製造方法
JP2001220260A (ja) アルミナ系多孔質シート状耐火物及びその製造方法
JP4564257B2 (ja) 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体
JP2886003B2 (ja) 窒化アルミニウム組成物
KR101090275B1 (ko) 뮬라이트 결합 탄화규소 세라믹스 소재 제조용 조성물, 세라믹스 및 그 제조방법
JP3142359B2 (ja) プレス成形方法
JPH07187805A (ja) セラミックスグリーン体及びその製造方法
JP3966801B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法
JP3312068B2 (ja) 大型マグネシア成形体及び焼結体の製造方法
JP3567001B2 (ja) 炭化珪素と窒化珪素の複合焼結体の製造方法