JPH09316802A - レール締結装置、及びレール締結方法 - Google Patents
レール締結装置、及びレール締結方法Info
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- JPH09316802A JPH09316802A JP15896696A JP15896696A JPH09316802A JP H09316802 A JPH09316802 A JP H09316802A JP 15896696 A JP15896696 A JP 15896696A JP 15896696 A JP15896696 A JP 15896696A JP H09316802 A JPH09316802 A JP H09316802A
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Abstract
低い軌道バネ定数値を持つレール締結装置、及びレール
締結方法を提供する。 【解決手段】 平板部11と、レールRの横圧荷重を受
ける起立部12と、平板部11の一側部の両端からレー
ル横断方向に突出する一対の爪部15を有する横圧受け
金具1と、平板部11をまくらぎTに固定する2本のね
じくぎ7と、弾性材料からなりレールRの垂直荷重をま
くらぎTに伝達する略平板状の軌道パッド6と、レール
Rを横圧受け金具1に弾性的に締結するレール押え金具
2,締結ボルト3,締結バネ5,締結ナット4を備え、
2個の横圧受け金具1,1を、各爪部15が互いに対向
するようにしてまくらぎT上に配置した場合に、各爪部
15の内方に形成される略矩形状凹部内に軌道パッド6
を収容する。
Description
ルをまくらぎに締結するレール締結装置、及びそのレー
ル締結装置によるレール締結方法に関するものである。
横断下水渠などが設けられている場合に、下水渠のコン
クリート躯体上に木まくらぎが直接設置されているよう
な箇所においては、その前後のバラスト道床区間の軌道
バネ定数が20〜30トン/センチメートル(t/c
m)程度であるのに比べ、バネ定数値が大きくなり、軌
道の支承条件が固くなる。例えば、レール締結装置とし
て、通常の木まくらぎ用タイプレートと100t/cm
の軌道パッドが使用されていれば、前後の区間に比べ固
さが3倍の箇所が介在することになる。このため、この
箇所を通過する鉄道車両は、軌道の固さが段差状に変化
する点において衝撃力を受け、軌道にもそれに対応して
同様の衝撃負荷がかかることになる。これにより、この
箇所のレール締結装置及び木まくらぎの疲労破損、前後
の有道床区間の軌道狂い急進等の問題が発生し、このこ
とがさらにこの区間の衝撃を増大させる、という悪循環
が生じ、線路保守上の問題となっていた。
るための対策としては、上記箇所の軌道バネ定数値を低
下させるため、隧道直結構造で使用されるような、軌道
パッドがレール下とタイプレート下の双方に二重に挿入
配置されたタイプのレール締結装置を使用する、という
方法が考えられる。しかしながら、このタイプのレール
締結装置は、軌道パッドが2枚となるため厚さが大き
く、下水渠躯体上面に接する下部軌道パッドの下面とレ
ール踏面の間の高低差が通常のものよりも大きくなる。
したがって、すでに使用を開始した既設線路においてこ
のタイプのレール締結装置を使用しようとする場合に
は、既設の下水渠の躯体上部を切り下げるか、前後の軌
道を嵩上しなければならず、施工が困難な上、多くの工
事費用が必要であった。
有する従来形式のレール締結装置と同程度の厚さを持
ち、かつ20〜30t/cm程度の軌道バネ定数を持つ
レール締結装置としては、軌道パッドを収容しうる開口
を中央部に有する「枠型タイプレート」と、開口内に収
容される厚い軌道パッドを有する形式のものが知られて
いた。しかしながら、この形式のレール締結装置の場合
には、レールの底面に作用する輪重等の垂直荷重はすべ
て枠内の軌道パッドが受け、枠型タイプレートには垂直
荷重が作用せず、レール底部の側面に作用する横圧荷重
のみが枠型タイプレートに作用する構造となっていた。
このため、列車荷重によるレール締結力の変動によっ
て、枠型タイプレート本体の応力が増大し、細い枠の部
分が破損するおそれがあった。この点を解決するために
は、細い枠の部分の幅を拡幅することが考えられるが、
木まくらぎの幅は200mmであり、枠部分の拡幅の余
地はほとんどない。したがって、この枠型タイプレート
形式のレール締結装置も上記箇所には採用しがたい。
前後の有道床区間の道床縦抵抗(レールの長手方向の伸
縮の自由度)と同程度の縦抵抗を有するレール締結とし
ておかないと、レール長手方向の軸圧分布が不均一とな
り、ロングレールの場合に座屈危険度を増大させるおそ
れがある、という問題もあった。
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、従
来形式のレール締結装置と同程度の厚さを持ち、かつ低
い軌道バネ定数値を持つレール締結装置、及びレール締
結方法を提供することにある。
め、本発明に係る第1のレール締結装置は、レールの底
部を押えるレール押え金具、又は前記レールの底部側面
に作用するレール横断方向への荷重を受ける横圧受け金
具を有するとともに、金属弾性体を螺旋状に巻回して形
成した締結バネと、前記締結バネの中心部を貫通する略
円柱状の空洞内に装着可能な円筒部材と、締結ボルト及
び締結ナットを有し、前記レール押え金具又は前記横圧
受け金具をまくらぎに直接的に又は間接的に弾性締結す
るとともに、前記締結バネの締結力を前記円筒部材の軸
方向長さにより調整可能としたことを特徴とする。
は、平板部と、前記平板部の一側部から起立するととも
にレールの底部側面に垂直に作用する横圧荷重を受ける
起立部と、前記平板部の一側部の両端からレール横断方
向に突出する一対の爪部を有する横圧受け金具と、前記
平板部をまくらぎに固定するまくらぎ固定手段と、弾性
材料からなり略平板状に形成され前記レールの底面に作
用する垂直荷重を前記まくらぎに伝達する軌道パッド
と、前記レールを前記横圧受け金具に弾性的に締結する
弾性締結手段を備え、2個の前記横圧受け金具を、各横
圧受け金具の前記爪部が互いに対向するようにしてまく
らぎ上に配置した場合に、各爪部の内方に形成される略
矩形状凹部内に前記軌道パッドを収容するように構成し
たことを特徴とする。
手段は、前記起立部の中間部に逆T字状に形成され肩部
の天井面が曲面状をなすボルト挿入空間と、前記レール
の底部を押えるレール押え金具と、締結バネと、軸部の
一端から略カマボコ形状の腕部が逆T字状に突出形成さ
れた締結ボルトと、締結ナットを有し、前記締結ボルト
の腕部を前記ボルト挿入空間内に挿入し、前記腕部の略
カマボコ形状面を前記ボルト挿入空間の天井面に当接さ
せた場合に、前記締結ボルトが前記腕部の軸を中心とし
て揺動可能なように構成される。
結バネは、金属弾性体を螺旋状に巻回して形成したバネ
とする。
結バネの中心部を貫通する略円柱状の空洞内に装着可能
な円筒部材を有し、前記レール押え金具を前記横圧受け
金具に弾性的に締結する前記締結バネの締結力を前記円
筒部材の軸方向長さにより調整可能とする。
くらぎ固定手段は、前記レールの長手方向に並設された
2本のねじくぎとする。
板部と、前記平板部の一側部から起立する起立部と、前
記平板部の一側部の両端からレール横断方向に突出する
一対の爪部を有する横圧受け金具と、前記平板部をまく
らぎに固定するまくらぎ固定手段と、弾性材料からなる
軌道パッドと、レールを弾性的に締結する弾性締結手段
を有するレール締結装置を用い、2個の前記横圧受け金
具を、各横圧受け金具の前記爪部が互いに対向する状態
でまくらぎ上に配置し、各爪部の内方に形成される略矩
形状凹部内に前記軌道パッドを収容させるようにして敷
設し、敷設された軌道パッド上にレールを敷設し、前記
まくらぎ固定手段により前記横圧受け金具をまくらぎに
固定し、前記レールを前記弾性締結手段により前記横圧
受け金具に弾性的に締結し、前記レールの底面に作用す
る垂直荷重を前記軌道パッドにより前記まくらぎに伝達
させるとともに、前記レールの底部側面に作用する横圧
荷重を前記起立部の側面によって受けさせるように構成
したことを特徴とする。
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
は、本発明の第1実施形態であるレール締結装置の構成
を示した斜視図であり、図2は、図1に示すレール締結
装置のレール横断方向の構成を示す図である。
0は、横圧受け金具1と、レール押え金具2と、締結ボ
ルト3と、締結バネ5と、締結ナット4と、軌道パッド
6と、ねじくぎ7を備えて構成されている。
をまくらぎTに締結する場合には、2個の横圧受け金具
1,1を、各横圧受け金具1,1の爪部15(後述)が
互いに対向する状態でまくらぎT上に配置する。次に、
4個の爪部15の内方に形成される略矩形状の凹部内に
軌道パッド6を収容させるようにして敷設する。次に、
敷設された軌道パッド6上にレールRを敷設し、各横圧
受け金具1,1をそれぞれ2本のねじくぎ7,7により
まくらぎTに固定する。そして、レールRを、レール押
え金具2と、締結ボルト3と、締結バネ5と、締結ナッ
ト4により各横圧受け金具1に弾性的に締結する。
要素について、さらに詳細な構成と作用を説明する。
に説明する。図3は、横圧受け金具1の構成を示す図で
あり、図3(A)はレール横断方向から見た正面図を、
図3(B)は上方から見た平面図を、図3(C)は側面
図を、それぞれ示したものである。
は、平板部11と、起立部12と、爪部15を有してい
る。平板部11は、平面形状が長方形状で薄厚の平板状
に形成されている。この平板部11の一側部からは上方
に向かって直壁状の起立部12が起立している。また、
平板部12には、ねじくぎ7をねじ込むための円形の開
口13が2個、平板部11の長手方向に並ぶように形成
されている。各開口13の周囲は、薄くテーパー状に研
削され、ねじくぎ受け座面18を形成している。また、
起立部12と開口13との間の平板部11上には、略カ
マボコ形状の凸条14が起立部12と平行に形成されて
いる。
ト挿入空間16が形成されており、このボルト挿入空間
16によって起立部12は2つの部分に区画されてい
る。このボルト挿入空間16の肩部の天井面17は、略
半円筒面状に形成されている。
2が起立している側の側部の両端からは、一対の爪部1
5,15がレール横断方向に向って突出形成されてい
る。この爪部15は、四角形断面の短い棒状で、その厚
さは平板部11の厚さより薄くなっている。
説明する。図4は、軌道パッド6の構成を示す図であ
り、図4(A)は上方から見た平面図を、図4(B)は
レール横断方向から見た正面図を、それぞれ示したもの
である。
は、スチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)等からなる
弾性部材であり略平板状に形成されている。軌道パッド
6の表面には、縦溝61が数本形成され、これによりバ
ネ定数値が所定値に設定される。この軌道パッド6は、
厚さの一定のもののほか、図4(B)に示すように、レ
ール横断方向で厚さt1 ,t2 が異なり上面に傾斜を有
するものも使用される。このように傾斜したものは、線
路線形が曲線のカント区間で使用される。いずれの場合
においても、軌道パッド6の厚さは横圧受け金具1の爪
部15の厚さよりも厚くなっている。
明する。図5は、ねじくぎ7の構成を示す図である。
は、角柱部71と、角柱部71に接続する頭部72と、
頭部72に接続する軸部74を有している。頭部72の
角柱部71の側は曲面状に形成されており、反対側の面
は円錐面状のテーパー面73となっている。軸部74に
は、先端に向けて雄ねじ部75が形成されている。この
雄ねじ部75は、横圧受け金具1の円形開口13から挿
入され、角柱部71を専用工具等によって回動すること
によりまくらぎTに穿孔された略円柱状のねじ込み孔H
(図1参照)内にねじ込まれる。この際、横圧受け金具
1のねじくぎ受け座面18は、ねじくぎ7のテーパー面
73に密接してその押圧力を受ける。
金具1,1を、各横圧受け金具1,1の爪部15が互い
に対向する状態でまくらぎT上に配置し、4個の爪部1
5の内方に形成される略矩形状の凹部内に爪部15より
も厚い軌道パッド6を収容させるようにして敷設し、敷
設された軌道パッド6上にレールRを敷設すれば、レー
ルRの底面に作用する垂直荷重を軌道パッド6によりま
くらぎTに伝達させることができ、軌道パッド6の厚さ
を従来のレール締結装置の場合よりも厚くすることがで
きるので、そのバネ定数値を従来のものよりも低い20
〜30t/cm程度にすることができる。そして、同時
に、レール締結装置全体の厚さを従来と同様の値におさ
えることができる。また、レールRの底部側面に作用す
る横圧荷重を起立部12の側面によって受けさせること
ができる。そして、この横圧荷重は、各横圧受け金具1
につき2本ずつ取り付けられるねじくぎ7,7によって
まくらぎTに伝達されることになる。また、爪部15
は、軌道パッド6の移動を規制するが、従来の枠型タイ
プレートのように細い枠状に連続してはいない。そし
て、軌道パッド6の厚さは横圧受け金具1の爪部15の
厚さよりも厚くなっている。このため、爪部15にはレ
ールRの垂直荷重は作用せず、従来の枠型タイプレート
のように枠部分の応力が増大して破損する、というよう
な問題は発生しない。
細に説明する。図6は、レール押え金具2の構成を示す
図であり、図6(A)は上方から見た平面図を、図6
(B)はレール横断方向から見た正面図を、それぞれ示
したものである。
具2は、断面形状が略「コ」字状に形成されており、第
1脚部21と、バネ受け座部22と、第2脚部23を有
している。バネ受け座部22は、平面形状がほぼ正方形
状で薄厚の平板状に形成されている。このバネ受け座部
22の一側部からは、下方に向けて略平板状の第1脚部
21が延び、第1脚部21とは反対側のバネ受け座部2
2の側部からは、下方に向けて略平板状の第2脚部23
が延びている。第2脚部23は、第1脚部21よりも長
くなっている。また、バネ受け座部22の略中央部に
は、円形の開口24が開設されている。
いてさらに詳細に説明する。図7は、締結ボルト3及び
締結ナット4の構成を示す図であり、図7(A)はレー
ル横断方向から見た正面図を、図7(B)は上方から見
た平面図を、それぞれ示したものである。
は、逆T字状に形成されており、軸部31と、腕部32
を有している。軸部31の先端付近には雄ねじ部33が
形成されている。また、腕部32は、雄ねじ部33が形
成されている端部とは逆側の軸部31の端部から直角方
向に突出しており、略半円柱状あるいは略カマボコ形状
に形成されている。
トであり、中央に雌ねじ孔41(図1参照)が形成され
ている。この雌ねじ孔41は、締結ボルト3の雄ねじ部
33と螺合するように構成されている。
明する。図8は、締結バネ5の構成を示す図であり、図
8(A)は上方から見た平面図を、図8(B)は側面図
を、図8(C)はA−A断面図を、図8(D)はストッ
パを内挿した場合のA−A断面図を、それぞれ示したも
のである。
5は、鋼等の金属弾性体が螺旋状に巻回され、全体が略
円錐台状となるように形成された一種のコイル状バネで
ある。この締結バネ5は、薄厚の端部P1 から巻回が開
始され、P1 からP2 を経てP3 まで徐々に肉厚を増し
ながら水平に巻回されている。P1 からP3 までの底部
の下面は水平な底面52となっている。P3 からは、P
4 ,P5 ,P6 ,P7,P8 へ向って、徐々に上方にず
れながら螺旋を描くように巻回されている。また、P3
からP4 までの部分は、巻回方向の肉厚がほぼ一定かつ
最大となっており、P4 からは、P5 ,P6 ,P7 ,P
8 へ向って、徐々に巻回方向の肉厚が減少している。P
6 からP8 までの部分の上面はほぼ水平な頂部53とな
っている。また、締結バネ5の中央には略円柱状の空洞
51が形成されている。
ので、頂部53に下向きの押圧力を加えていくと、P8
,P7 ,P6 ,P5 ,P4 の順で徐々に下方に向って
変形し、最終的にはP8 からP3 までのすべての下面が
底面52の位置まで下降し、全体が平板リング状にな
る。この間、変形の量に応じた押圧力が締結バネ5の底
面52と頂部53の双方に反力として作用することにな
る。
金具1,1を、各横圧受け金具1,1の爪部15が互い
に対向する状態でまくらぎT上に配置し、4個の爪部1
5の内方に形成される略矩形状の凹部内に軌道パッド6
を収容させるようにして敷設し、敷設された軌道パッド
6上にレールRを敷設し、各横圧受け金具1,1をそれ
ぞれ2本のねじくぎ7,7によりまくらぎTに固定した
後に、締結ボルト3の腕部32を横圧受け金具1のボル
ト挿入空間16内に挿入する。
カマボコ形状面をボルト挿入空間16の天井面17に当
接させた状態で、図1左部に示すように、締結ボルト3
の軸部31を円形開口24に挿通させるようにしてレー
ル押え金具2を取り付け、締結ボルト3の軸部31を空
洞51に挿通させるようにして締結バネ5の底面52が
バネ受け座部22上面と当接するように取り付け、最後
に締結ボルト3の雄ねじ部33に締結ナット4の雌ねじ
孔41を螺合させるようにして締結ナット4を締結す
る。
レール押え金具2の第1脚部21がレールRの底部上面
を押え、レール押え金具2のバネ受け座部22が横圧受
け金具1の起立部12をまたぎ、レール押え金具2の第
2脚部23が横圧受け金具1の平板部11の上面を押え
るとともに、レール押え金具2の第2脚部23が横圧受
け金具1の平板部11上の凸条14によってレール横方
向への滑動等が規制されるようにする。このようにし
て、レールRを各横圧受け金具1に弾性的に締結するこ
とができる。
ッド6の下面等にさらに高さ調整用の所要厚さのパッキ
ング材を挿入する場合もある。そのような場合には、レ
ールRの底部の高さが変るため、レール押え金具2が傾
斜する。しかしながら、本実施形態のレール締結装置1
00においては、横圧受け金具1の起立部12における
ボルト挿入空間16内に挿入された締結ボルト3の腕部
32の上面である略半円柱面がボルト挿入空間16の略
半円筒面状の天井面17に当接しており、図7に示すよ
うに、締結ボルト3は腕部32の軸Cを中心として図7
(A)の矢印方向に揺動可能となっており、締結ボルト
3の腕部32と横圧受け金具の起立部12はヒンジを構
成している。したがって、レールRの高さが変ってレー
ル押え金具2が傾斜しても、締結ボルト3がそれに追随
して傾斜し、レール押え金具2のバネ受け座部22の上
面を締結バネ3によりつねに垂直に押圧することができ
るようになっている。
8(D)の変形例に示すように、締結バネ5の空洞51
内にストッパ8を装着してもよい。ストッパ8は鋼等の
強固な金属などからなる円筒状の部材であり、高さがh
3 となっている。ここで、締結バネ5の底部の厚さをh
1 とし、締結バネ5の頂部53までの厚さをh2 とし、
h1 <h3 <h2 の関係が成立するものとする。
め込んだ場合に、締結ナット4の底面がストッパ8の上
端面に到達すると、それ以上は締結ナット4を締め込む
ことはできない。したがって、レール押え金具2を横圧
受け金具1に弾性的に締結する締結バネ5の締結力は、
このストッパ8の高さh3 の位置に到達するまでのバネ
の変形量に相当する力に抑えられる。すなわち、円筒部
材の軸方向長さh3 を所定値に設定しておくことによ
り、締結バネ5の締結力を一定値に抑えるよう調整する
ことができる。
ルの長手方向の伸縮の自由度と同程度の縦抵抗を有する
レール締結とすることが容易にでき、レール長手方向の
軸圧分布を前後の区間と均一にさせることができるた
め、ロングレールの場合でも座屈を有効に防止すること
ができる。また、締結バネ5の締結力調整を、単に、締
結ナット4をそれ以上締め込めなくなるまで回動させ
る、という回動作業のみにより行うことができ、締結力
の測定作業、再締付作業等が不要なため、現場での作業
も非常に容易となる。
は、本発明の第2実施形態であるレール締結装置のレー
ル横断方向の構成を示した図である。
0は、横圧受け金具1Aと、締結ボルト3Aと、締結バ
ネ5Aと、締結ナット4Aと、座金9と、軌道パッド6
と、ねじくぎ7を備えて構成されている。
うち、軌道パッド6とねじくぎ7は、第1実施形態のレ
ール締結装置100の用いたものと同様である。したが
って、第1実施形態のレール締結装置100と異なる構
成要素は、横圧受け金具1Aと、締結ボルト3Aと、締
結バネ5Aと、締結ナット4Aと、座金9である。以
下、これらについて、さらに詳細な構成と作用を説明す
る。
立部12Aと、爪部15Aを有している。この第2実施
形態の横圧受け金具1Aが第1実施形態の横圧受け金具
1と異なる点は、起立部12Aにおいて締結ボルト3A
の基部34Aを保持する部分16Aが、第1実施形態の
ようなヒンジ構造ではなく固定構造となっている点、及
び第1実施形態に平板部11における凸条14が設けら
れていない点である。
からなる板状体が略「C」字状に形成された一種の板状
バネである。締結バネ5Aの一端はレールRの底部を押
圧し、締結バネ5Aの他端は横圧受け金具1の起立部1
2Aの裏面を押圧可能となっている。締結バネ5Aのほ
ぼ中央には円形の開口51Aが形成されており、この開
口51Aに締結ボルト3Aの軸部31Aが挿通可能とな
っている。また、締結ボルト3Aの先端付近には雄ねじ
部が形成されており、この雄ねじ部に締結ナット4Aが
螺合可能となっている。
金具1A,1Aを、各横圧受け金具1A,1Aの爪部1
5Aが互いに対向する状態でまくらぎT上に配置し、4
個の爪部15Aの内方に形成される略矩形状の凹部内に
軌道パッド6を収容させるようにして敷設し、敷設され
た軌道パッド6上にレールRを敷設し、各横圧受け金具
1A,1Aをそれぞれ2本のねじくぎ7,7によりまく
らぎTに固定した後に、締結ボルト3Aの基部34Aを
横圧受け金具1Aのボルト挿入空間16A内に挿入し、
螺合や拡径部等により固定する。
開口51Aに挿通させるようにして締結バネ5Aを取り
付け、座金9を挿通し、最後に締結ボルト3Aの雄ねじ
部に締結ナット4Aの雌ねじ孔を螺合させるようにして
締結ナット4Aを締結する。上記のような第2実施形態
の場合にも、第1実施形態の場合と同様に、レールRを
各横圧受け金具1Aに弾性的に締結することができる。
っては、軌道パッド6の下面にさらに高さ調整用の所要
厚さのパッキング材を挿入する場合もある。そのような
場合には、レールRの底部の高さが変るが、この高さ変
化は、締結バネ3Aのレール押え端部が変形することに
より吸収される。
くらぎ固定手段に相当している。また、ボルト挿入空間
16とレール押え金具2と締結ボルト3と締結バネ5と
締結ナット4、及び締結ボルト3Aと締結バネ5Aと締
結ナット4Aは弾性締結手段を構成している。
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
は、横圧受け金具1の平板部11上に設けられる凸条1
4が略カマボコ状に形成された例について説明している
が、本発明はこれには限定されず、他の形態、例えば、
四角形断面の凸条であってもよいし、あるいはレール押
え金具2の第2脚部23が嵌合可能な凹部であってもよ
い。要は、レール押え金具2がレール横方向へ滑動等し
ないように規制することができればどのような構成のも
のであってもよいのである。
横圧受け金具1の起立部12に設けられるボルト挿入空
間16の肩部の天井面17が略半円筒面に形成され、締
結ボルト3の逆T字状の腕部32が略半円柱状に形成さ
れた例について説明しているが、本発明はこれには限定
されず、他の形態、例えば、ボルト挿入空間16の天井
面17が曲面状に形成され、締結ボルト3の腕部32が
天井面17の曲率よりも小さな曲率を有する略カマボコ
形状に形成されてもよい。要は、レールRの高さが変っ
てレール押え金具2が傾斜しても、締結ボルト3がそれ
に追随して傾斜し、レール押え金具2のバネ受け座部2
2の上面を締結バネ3によりつねに垂直に押圧すること
ができれば、天井面17,腕部32の表面形状はどのよ
うな構成のものであってもよいのである。
レールRを横圧受け金具1に弾性的に締結するための締
結バネとして金属弾性体を螺旋状に巻回して略円錐台状
に形成した締結バネを用いた例について説明している
が、本発明はこれには限定されず、他の形態の締結バ
ネ、例えば、金属弾性体を螺旋状に巻回して略円筒状に
形成したいわゆる「弦巻バネ」を用いてもよい。要は、
金属弾性体を螺旋状に巻回して形成したバネであればど
のようなものであってもよいのである。締結バネ内に円
筒状のストッパ8を装着する場合も同様に、締結バネは
金属弾性体を螺旋状に巻回して形成したバネであればど
のようなものであってもよい。また、上記した第1実施
形態における金属弾性体を螺旋状に巻回して略円錐台状
に形成した締結バネの各部の肉厚分布は、図8に図示さ
れたものに限定されず、他の肉厚分布、例えば全体にわ
たって一様な肉厚等としてもよい。
した締結バネと、締結バネの中心部を貫通する略円柱状
の空洞内に装着される円筒部材(第1実施形態における
ストッパ8)との組み合わせは、第1実施形態の構成の
レール締結装置100におけるレールの弾性締結のため
だけでなく、一般に、レール押え金具又は横圧受け金具
をまくらぎに直接的に又は間接的に弾性締結するすべて
の場合に応用可能である。
圧受け金具1をまくらぎTに固定する手段としてねじく
ぎ7を用いた例について説明しているが、本発明はこれ
には限定されず、他の形態のまくらぎ固定手段、例え
ば、ボルトなどを用いてもよい。
して木まくらぎについて言及しているが、本発明は木ま
くらぎのみには限定されず、他の形態のまくらぎ、例え
ば、コンクリートまくらぎや鉄まくらぎであってもよ
い。また、スラブやブロック、鋼橋等に直結する場合も
含まれ、この場合には、スラブマットやブロック、鋼桁
の頂板部材等がまくらぎに相当する。
ト道床区間内に横断下水渠などが設けられている場合
に、既設のレール締結装置をてっ去し、そのかわりに設
ける場合だけでなく、新設される鉄道線路に適用するこ
とも可能である。
2個の横圧受け金具を用い、各横圧受け金具の爪部が互
いに対向するようにまくらぎ上に配置した場合に各爪部
の内方に形成される略矩形状凹部内に軌道パッドを収容
するように構成したので、従来のレール締結装置の場合
よりも厚い軌道パッドを使用することができ、そのバネ
定数値を低くすることができるとともに、レール締結装
置全体の厚さを従来と同様の値におさえることができ
る。この場合、各横圧受け金具の爪部は、軌道パッドの
移動を規制するが、従来の枠型タイプレートのように細
い枠状に連続してはいないため、枠部分の応力が増大し
て破損する、というような問題は発生しない。また、レ
ール高さ調整用にパッキング材を挿入した場合において
も、横圧受け金具に設けた逆T字状のボルト挿入空間の
肩部の天井面を曲面状とし、締結ボルトの軸部の一端か
ら略カマボコ形状の腕部が逆T字状に突出形成し、締結
ボルトの腕部をボルト挿入空間内に挿入し、腕部の略カ
マボコ形状面をボルト挿入空間の天井面に当接させた場
合に、締結ボルトが腕部の軸を中心としてヒンジ状に揺
動可能なように構成したので、レール押え金具が傾斜し
ても、締結ボルトがそれに追随して傾斜し、レール押え
金具のバネ受け座部の上面を締結バネによりつねに垂直
に押圧することができるようになっている。さらに、レ
ール押え金具又は横圧受け金具をまくらぎに直接的に又
は間接的に弾性締結する螺旋状締結バネの中心部を貫通
する略円柱状の空洞内に円筒部材を装着し、締結バネの
締結力を、円筒部材の軸方向長さにより調整可能とした
ので、レール締結箇所の前後の箇所におけるレールの長
手方向の伸縮の自由度と同程度の縦抵抗を有するレール
締結とすることが容易にでき、レール長手方向の軸圧分
布を前後の区間と均一にさせることができるため、ロン
グレールの場合でも座屈を有効に防止することができ
る。
全体構成を示す斜視図である。
構成を示す図である。
け金具の構成を示す図であり、図3(A)はレール横断
方向から見た正面図を、図3(B)は上方から見た平面
図を、図3(C)は側面図を、それぞれ示している。
ッドの構成を示す図であり、図4(A)は上方から見た
平面図を、図4(B)はレール横断方向から見た正面図
を、それぞれ示している。
ぎの構成を示す図である。
押え金具の構成を示す図であり、図6(A)は上方から
見た平面図を、図6(B)はレール横断方向から見た正
面図を、それぞれ示している。
ルト及び締結ナットの構成を示す図であり、図7(A)
はレール横断方向から見た正面図を、図7(B)は上方
から見た平面図を、それぞれ示している。
ネの構成を示す図であり、図8(A)は上方から見た平
面図を、図8(B)は側面図を、図8(C)はA−A断
面図を、図8(D)はストッパを内挿した場合のA−A
断面図を、それぞれ示している。
レール横断方向の構成を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 レールの底部を押えるレール押え金具、
又は前記レールの底部側面に作用するレール横断方向へ
の荷重を受ける横圧受け金具を有するとともに、金属弾
性体を螺旋状に巻回して形成した締結バネと、前記締結
バネの中心部を貫通する略円柱状の空洞内に装着可能な
円筒部材と、締結ボルト及び締結ナットを有し、 前記レール押え金具又は前記横圧受け金具をまくらぎに
直接的に又は間接的に弾性締結するとともに、前記締結
バネの締結力を前記円筒部材の軸方向長さにより調整可
能としたことを特徴とするレール締結装置。 - 【請求項2】 平板部と、前記平板部の一側部から起立
するとともにレールの底部側面に垂直に作用する横圧荷
重を受ける起立部と、前記平板部の一側部の両端からレ
ール横断方向に突出する一対の爪部を有する横圧受け金
具と、 前記平板部をまくらぎに固定するまくらぎ固定手段と、 弾性材料からなり略平板状に形成され前記レールの底面
に作用する垂直荷重を前記まくらぎに伝達する軌道パッ
ドと、 前記レールを前記横圧受け金具に弾性的に締結する弾性
締結手段を備え、 2個の前記横圧受け金具を、各横圧受け金具の前記爪部
が互いに対向するようにしてまくらぎ上に配置した場合
に、各爪部の内方に形成される略矩形状凹部内に前記軌
道パッドを収容するように構成したことを特徴とするレ
ール締結装置。 - 【請求項3】 請求項2記載のレール締結装置におい
て、 前記弾性締結手段は、前記起立部の中間部に逆T字状に
形成され肩部の天井面が曲面状をなすボルト挿入空間
と、前記レールの底部を押えるレール押え金具と、締結
バネと、軸部の一端から略カマボコ形状の腕部が逆T字
状に突出形成された締結ボルトと、締結ナットを有し、 前記締結ボルトの腕部を前記ボルト挿入空間内に挿入
し、前記腕部の略カマボコ形状面を前記ボルト挿入空間
の天井面に当接させた場合に、前記締結ボルトが前記腕
部の軸を中心として揺動可能なように構成したことを特
徴とするレール締結装置。 - 【請求項4】 請求項3記載のレール締結装置におい
て、 前記締結バネは、金属弾性体を螺旋状に巻回して形成し
たバネであることを特徴とするレール締結装置。 - 【請求項5】 請求項4記載のレール締結装置におい
て、 前記締結バネの中心部を貫通する略円柱状の空洞内に装
着可能な円筒部材を有し、 前記レール押え金具を前記横圧受け金具に弾性的に締結
する前記締結バネの締結力を前記円筒部材の軸方向長さ
により調整可能としたことを特徴とするレール締結装
置。 - 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のうちのいずれ
か1項に記載のレール締結装置において、 前記まくらぎ固定手段は、前記レールの長手方向に並設
された2本のねじくぎであることを特徴とするレール締
結装置。 - 【請求項7】 平板部と、前記平板部の一側部から起立
する起立部と、前記平板部の一側部の両端からレール横
断方向に突出する一対の爪部を有する横圧受け金具と、
前記平板部をまくらぎに固定するまくらぎ固定手段と、
弾性材料からなる軌道パッドと、レールを弾性的に締結
する弾性締結手段を有するレール締結装置を用い、 2個の前記横圧受け金具を、各横圧受け金具の前記爪部
が互いに対向する状態でまくらぎ上に配置し、各爪部の
内方に形成される略矩形状凹部内に前記軌道パッドを収
容させるようにして敷設し、敷設された軌道パッド上に
レールを敷設し、前記まくらぎ固定手段により前記横圧
受け金具をまくらぎに固定し、前記レールを前記弾性締
結手段により前記横圧受け金具に弾性的に締結し、前記
レールの底面に作用する垂直荷重を前記軌道パッドによ
り前記まくらぎに伝達させるとともに、前記レールの底
部側面に作用する横圧荷重を前記起立部の側面によって
受けさせるように構成したことを特徴とするレール締結
方法。
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JP15896696A JP3845475B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | レール締結装置、及びレール締結方法 |
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WO2003012204A1 (en) * | 2001-07-28 | 2003-02-13 | Tae Woong Choi | Rail vibration isolator |
KR100626882B1 (ko) * | 2004-01-29 | 2006-09-20 | (주) 철도안전연구소 | 하중을 직접 도상으로 전달하는 패드를 구비한 철도 레일방진체결장치 |
JP2013023871A (ja) * | 2011-07-20 | 2013-02-04 | Tobu Railway Co Ltd | ラダー型マクラギを使用した車両用軌道における応急締結装置 |
JP2014205976A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 機械施工に対応したレール締結装置用締結ボルトの構造 |
CN111218865A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-06-02 | 中铁二院工程集团有限责任公司 | 一种可调节分开式中低速磁浮扣件系统 |
GB2557609B (en) * | 2016-12-12 | 2023-01-18 | Pandrol Ltd | A variable diameter fastener for a railway rail fastening assembly |
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CN103231985B (zh) * | 2013-04-03 | 2015-02-25 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 起重轨道结构 |
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1996
- 1996-05-30 JP JP15896696A patent/JP3845475B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100397870B1 (ko) * | 2001-07-28 | 2003-09-13 | 최태웅 | 철도레일 방진체결장치 |
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