JPH09283485A - ウエット処理方法およびウエット処理装置 - Google Patents
ウエット処理方法およびウエット処理装置Info
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- JPH09283485A JPH09283485A JP9242796A JP9242796A JPH09283485A JP H09283485 A JPH09283485 A JP H09283485A JP 9242796 A JP9242796 A JP 9242796A JP 9242796 A JP9242796 A JP 9242796A JP H09283485 A JPH09283485 A JP H09283485A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液晶基板などを超音波を照射しながら水によ
り洗浄する方法では、基板表面に凹凸や基板を支持する
部材などにより超音波が当たらない部分があり、この部
分の付着物を除去できず、洗浄が完全に行われなかっ
た。 【解決手段】 超音波容器2の向かい合わない2つの側
壁の外側に発振装置3,3を設置する。そして、前記超
音波容器2の中に、洗浄容器1が設置され、この洗浄容
器1の中に、超純水や電解イオン水などの洗浄水12が
入れられる。洗浄容器1の中に基板4を支持する基板保
持体5を入れ、発振装置3,3から交叉する2方向に超
音波を基板4に平行に照射させる。このため、基板4の
表面全体に均一に超音波が照射され、基板表面の付着物
をむらなく除去できる。
り洗浄する方法では、基板表面に凹凸や基板を支持する
部材などにより超音波が当たらない部分があり、この部
分の付着物を除去できず、洗浄が完全に行われなかっ
た。 【解決手段】 超音波容器2の向かい合わない2つの側
壁の外側に発振装置3,3を設置する。そして、前記超
音波容器2の中に、洗浄容器1が設置され、この洗浄容
器1の中に、超純水や電解イオン水などの洗浄水12が
入れられる。洗浄容器1の中に基板4を支持する基板保
持体5を入れ、発振装置3,3から交叉する2方向に超
音波を基板4に平行に照射させる。このため、基板4の
表面全体に均一に超音波が照射され、基板表面の付着物
をむらなく除去できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子用基
板の製造工程または半導体の製造工程などにおいて、基
板などの表面に付着している汚染物質の除去処理などを
行なうウエット処理方法およびウエット処理装置に関す
る。
板の製造工程または半導体の製造工程などにおいて、基
板などの表面に付着している汚染物質の除去処理などを
行なうウエット処理方法およびウエット処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用基板を製造するプロセス
では、基板表面に酸化インジウムスズ(ITO)などを
スパッタして透明導電膜を形成する工程、この透明導電
膜の上にレジスト層を形成する工程、そしてレジスト層
の上からエッチングを行い前記透明導電膜を部分的に除
去して透明電極を形成する工程、及び前記透明電極の上
に配向膜を形成する工程などがある。また、TFTを用
いる液晶基板の製造プロセスにおいては、TFTを形成
するためのスパッタやCVDによる金属膜および半導体
膜の成膜工程、レジスト層を形成するコーティング工
程、金属膜や半導体膜の一部を除去するエッチング工程
が含まれる。
では、基板表面に酸化インジウムスズ(ITO)などを
スパッタして透明導電膜を形成する工程、この透明導電
膜の上にレジスト層を形成する工程、そしてレジスト層
の上からエッチングを行い前記透明導電膜を部分的に除
去して透明電極を形成する工程、及び前記透明電極の上
に配向膜を形成する工程などがある。また、TFTを用
いる液晶基板の製造プロセスにおいては、TFTを形成
するためのスパッタやCVDによる金属膜および半導体
膜の成膜工程、レジスト層を形成するコーティング工
程、金属膜や半導体膜の一部を除去するエッチング工程
が含まれる。
【0003】このような基板の製造工程において、基板
の表面に空気中の粒子が付着したり、レジスト層の形成
およびエッチング工程において基板の表面に金属や有機
物及び微粒子が付着したり、また半導体膜表面が空気中
の酸素により酸化され自然酸化膜が形成される。このよ
うな汚染物質が付着すると、電極が剥がれたり電極のパ
ターン異常が生じたりして、抵抗の増大および配線不良
などが生じる。したがって、基板の製造段階ごとに基板
表面の洗浄を行い、付着物を除去する必要がある。
の表面に空気中の粒子が付着したり、レジスト層の形成
およびエッチング工程において基板の表面に金属や有機
物及び微粒子が付着したり、また半導体膜表面が空気中
の酸素により酸化され自然酸化膜が形成される。このよ
うな汚染物質が付着すると、電極が剥がれたり電極のパ
ターン異常が生じたりして、抵抗の増大および配線不良
などが生じる。したがって、基板の製造段階ごとに基板
表面の洗浄を行い、付着物を除去する必要がある。
【0004】上記の洗浄作業として、基板に純水を滴下
してブラッシングする方法があるが、このブラッシング
工程では大きいパーティクルや有機物を除去できるが、
微小なパーティクル、金属などは除去できない。また、
基板表面がブラシにより損傷を受け、基板表面に形成し
た電極などが損傷を受けやすい欠点がある。そこで、超
音波を付与する洗浄方法が実施されている。この方法
は、純水を入れた容器に被処理物を浸漬し、容器の側壁
の外側に設けられた発振装置により純水に超音波振動を
与えて洗浄を行うものである。
してブラッシングする方法があるが、このブラッシング
工程では大きいパーティクルや有機物を除去できるが、
微小なパーティクル、金属などは除去できない。また、
基板表面がブラシにより損傷を受け、基板表面に形成し
た電極などが損傷を受けやすい欠点がある。そこで、超
音波を付与する洗浄方法が実施されている。この方法
は、純水を入れた容器に被処理物を浸漬し、容器の側壁
の外側に設けられた発振装置により純水に超音波振動を
与えて洗浄を行うものである。
【0005】前記純水に付与される超音波の周波数が1
00kHz以下の低周波、例えば40kHzまたは50
kHzなどの場合、純水の液表面で振動が反射して液中
に粗密が形成され密な部分に空洞が発生する(キャビテ
ーション効果)。このキャビテーション効果により10
μm程度以上の大きいパーティクルや有機物を除去でき
る。また1MHz以上の高周波振動が純水に付与される
と、キャビテーション効果は起こらないが、純水中を伝
播する振動が被洗浄物の表面に過大な加速度または衝撃
波を与え、この加速度や衝撃波により2μm以下の小さ
いパーティクルや金属などが除去できる。
00kHz以下の低周波、例えば40kHzまたは50
kHzなどの場合、純水の液表面で振動が反射して液中
に粗密が形成され密な部分に空洞が発生する(キャビテ
ーション効果)。このキャビテーション効果により10
μm程度以上の大きいパーティクルや有機物を除去でき
る。また1MHz以上の高周波振動が純水に付与される
と、キャビテーション効果は起こらないが、純水中を伝
播する振動が被洗浄物の表面に過大な加速度または衝撃
波を与え、この加速度や衝撃波により2μm以下の小さ
いパーティクルや金属などが除去できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波を使用し
た洗浄方法および洗浄装置では、超音波が被洗浄物に対
して一方向のみからしか与えられないため、被洗浄物で
ある基板表面に凹凸がある場合、または基板の縁部や角
部が支持台にピンなどにより位置決めされている場合
に、この凹凸やピンにより超音波が遮られて超音波が当
たらない陰ができ、基板表面全域に対して超音波を使用
した効果的な洗浄ができない。
た洗浄方法および洗浄装置では、超音波が被洗浄物に対
して一方向のみからしか与えられないため、被洗浄物で
ある基板表面に凹凸がある場合、または基板の縁部や角
部が支持台にピンなどにより位置決めされている場合
に、この凹凸やピンにより超音波が遮られて超音波が当
たらない陰ができ、基板表面全域に対して超音波を使用
した効果的な洗浄ができない。
【0007】また、純水などの洗浄水で満たされた容器
の外側から超音波を与える方法では、超音波を発生する
発振装置が設置される容器外面を高精度な平坦面に加工
する必要がある。平面に加工し易い材料としてステンレ
ス鋼などがあるが、ステンレス鋼などの金属材料は、超
音波が連続的に与えられると損傷を受けやすい。よって
純水などの洗浄水が入る洗浄用の容器をこの種の金属材
料で形成すると、内部の純水に容器壁面から不純物が混
入しやすくなる。また、超音波で損傷を受けにくい材料
として石英などがあるが、この石英で洗浄用容器を形成
すると、その外面を平坦面に加工し難いため、容器外面
に発振装置を設置しても、設置面の凹凸のために超音波
の損失が大きくなる。
の外側から超音波を与える方法では、超音波を発生する
発振装置が設置される容器外面を高精度な平坦面に加工
する必要がある。平面に加工し易い材料としてステンレ
ス鋼などがあるが、ステンレス鋼などの金属材料は、超
音波が連続的に与えられると損傷を受けやすい。よって
純水などの洗浄水が入る洗浄用の容器をこの種の金属材
料で形成すると、内部の純水に容器壁面から不純物が混
入しやすくなる。また、超音波で損傷を受けにくい材料
として石英などがあるが、この石英で洗浄用容器を形成
すると、その外面を平坦面に加工し難いため、容器外面
に発振装置を設置しても、設置面の凹凸のために超音波
の損失が大きくなる。
【0008】本発明は上記課題を解決するものであり、
被処理物の処理面に超音波を均一に与えることができ、
処理面の全域を均一に処理できるウエット処理方法およ
びウエット処理装置を提供することを目的としている。
被処理物の処理面に超音波を均一に与えることができ、
処理面の全域を均一に処理できるウエット処理方法およ
びウエット処理装置を提供することを目的としている。
【0009】また、本発明は、被処理物が浸漬されてい
る処理液内に超音波を効果的に伝播させ、また超音波に
よる処理液内への不純物の混入を防止できるようにした
ウエット処理装置を提供することを目的としている。
る処理液内に超音波を効果的に伝播させ、また超音波に
よる処理液内への不純物の混入を防止できるようにした
ウエット処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のウエット処理方
法は、水が滞留しまたは流れる容器内に被処理物を浸漬
させ、交叉する少なくとも2方向から前記容器内の被処
理物に超音波を連続的にまたは断続的に照射することを
特徴とするものである。また、前記各方向からの超音波
は、被処理物の処理面に対しほぼ平行に照射されるもの
である。さらに、前記各方向から超音波を照射しなが
ら、容器内で被処理物を振動させまたは回転させて動か
すことが好ましい。前記容器内の水としては、純水また
は電界イオン水が使用される。
法は、水が滞留しまたは流れる容器内に被処理物を浸漬
させ、交叉する少なくとも2方向から前記容器内の被処
理物に超音波を連続的にまたは断続的に照射することを
特徴とするものである。また、前記各方向からの超音波
は、被処理物の処理面に対しほぼ平行に照射されるもの
である。さらに、前記各方向から超音波を照射しなが
ら、容器内で被処理物を振動させまたは回転させて動か
すことが好ましい。前記容器内の水としては、純水また
は電界イオン水が使用される。
【0011】また本発明のウエット処理装置は、水が滞
留しまたは流れる容器と、この容器内に挿入される被処
理物の保持体と、前記容器内の被処理物に対し、交叉す
る少なくとも2方向から超音波を照射する発振手段とを
有することを特徴とするものである。また、被処理物が
入れられる容器が超音波を透過しやすい石英により形成
され、この容器の外側に液体層を介して金属容器を配置
し、この金属容器の外面に前記発振手段が設置されるこ
とが好ましい。また、被処理物の処理面に対し、前記各
方向からの超音波がほぼ平行に照射されるよう各発振手
段の向きが設定される。
留しまたは流れる容器と、この容器内に挿入される被処
理物の保持体と、前記容器内の被処理物に対し、交叉す
る少なくとも2方向から超音波を照射する発振手段とを
有することを特徴とするものである。また、被処理物が
入れられる容器が超音波を透過しやすい石英により形成
され、この容器の外側に液体層を介して金属容器を配置
し、この金属容器の外面に前記発振手段が設置されるこ
とが好ましい。また、被処理物の処理面に対し、前記各
方向からの超音波がほぼ平行に照射されるよう各発振手
段の向きが設定される。
【0012】また、容器内で保持体を振動させまたは回
転させて動かす駆動手段が設けられていることが好まし
い。
転させて動かす駆動手段が設けられていることが好まし
い。
【0013】さらに、少なくとも一方の発振手段から照
射される超音波が被処理物を通過して至る位置に、前記
超音波を吸収しまたは発振手段に戻らない方向へ反射す
る戻り防止手段が設けられている構造とすることが可能
であり、さらに、前記容器内に電界イオン水を供給する
供給路が設けられる構造にできる。
射される超音波が被処理物を通過して至る位置に、前記
超音波を吸収しまたは発振手段に戻らない方向へ反射す
る戻り防止手段が設けられている構造とすることが可能
であり、さらに、前記容器内に電界イオン水を供給する
供給路が設けられる構造にできる。
【0014】本発明のウエット処理方法では、水が入れ
られた容器内に被処理物が浸漬される。容器内には給水
管から水が連続的または断続的に供給され、水が滞留ま
たは流れる状態となっている。よって、給水管からの水
の供給を調節することにより容器内の水を入れ換えるこ
とができ、清浄に保つことができる。処理に使用される
水は純水または超純水である。
られた容器内に被処理物が浸漬される。容器内には給水
管から水が連続的または断続的に供給され、水が滞留ま
たは流れる状態となっている。よって、給水管からの水
の供給を調節することにより容器内の水を入れ換えるこ
とができ、清浄に保つことができる。処理に使用される
水は純水または超純水である。
【0015】そして、発振手段により交叉する少なくと
も2方向から超音波を連続的または断続的に発振させ、
被処理物に照射させる。本発明では、30kHz以上の
周波数の音響振動を超音波と呼ぶ。超音波を少なくとも
2方向から照射することにより、被処理物の凹凸により
陰になる部分にも超音波が当たり、被処理物に均一に超
音波を照射できる。また、被処理物である液晶基板など
の縁部または角部がピンや突起で支持されている場合
に、これらの陰となる部分にも超音波を照射することが
できる。さらに、超音波を照射しながら容器内で被処理
物を振動または回転させるなどして動かすと、被処理物
の処理面の全域に超音波を均一に照射できる。したがっ
て、この方法を使用して液晶基板などを洗浄する場合、
基板の表面に沿って全域に超音波が照射され、この超音
波により基板表面の付着物をむらなく除去できる。
も2方向から超音波を連続的または断続的に発振させ、
被処理物に照射させる。本発明では、30kHz以上の
周波数の音響振動を超音波と呼ぶ。超音波を少なくとも
2方向から照射することにより、被処理物の凹凸により
陰になる部分にも超音波が当たり、被処理物に均一に超
音波を照射できる。また、被処理物である液晶基板など
の縁部または角部がピンや突起で支持されている場合
に、これらの陰となる部分にも超音波を照射することが
できる。さらに、超音波を照射しながら容器内で被処理
物を振動または回転させるなどして動かすと、被処理物
の処理面の全域に超音波を均一に照射できる。したがっ
て、この方法を使用して液晶基板などを洗浄する場合、
基板の表面に沿って全域に超音波が照射され、この超音
波により基板表面の付着物をむらなく除去できる。
【0016】前記超音波として100kHz以下の低周
波が発振されると、純水の液表面にて振動が反射して液
中に粗密が形成され密な部分に空洞が発生し(キャビテ
ーション効果)、このキャビテーション効果により汚染
物質を除去できる。また1MHz以上の高周波振動が純
水に付与されると、キャビテーション効果は起こらない
が、純水中を伝播する振動が被処理物の表面に過大な加
速度または衝撃波を与え汚染物質を除去できる。
波が発振されると、純水の液表面にて振動が反射して液
中に粗密が形成され密な部分に空洞が発生し(キャビテ
ーション効果)、このキャビテーション効果により汚染
物質を除去できる。また1MHz以上の高周波振動が純
水に付与されると、キャビテーション効果は起こらない
が、純水中を伝播する振動が被処理物の表面に過大な加
速度または衝撃波を与え汚染物質を除去できる。
【0017】本発明では処理工程の目的に応じて発振周
波数を選択して使用する。例えばこのウエット処理方法
を液晶基板などの洗浄に使用する場合、基板表面に付着
している10μm以上の大きいパーティクルや有機物を
除去するときには低い周波数の超音波を発振し、キャビ
テーション効果によりこれらの付着物を除去する。ま
た、2μm以下の小さいパーティクルや金属などを除去
するときには、1MHz以上の高い周波数の超音波を発
振して、基板表面に加速度または衝撃波を与えることに
よりこれらの付着物を除去する。また、低周波を照射し
た後に高周波を照射するなどして、異なる周波数を組み
合わせて使用してもよい。また、2方向から与えられる
超音波は共に同じ周波数であってもよいし、または異な
る周波数としてもよい。
波数を選択して使用する。例えばこのウエット処理方法
を液晶基板などの洗浄に使用する場合、基板表面に付着
している10μm以上の大きいパーティクルや有機物を
除去するときには低い周波数の超音波を発振し、キャビ
テーション効果によりこれらの付着物を除去する。ま
た、2μm以下の小さいパーティクルや金属などを除去
するときには、1MHz以上の高い周波数の超音波を発
振して、基板表面に加速度または衝撃波を与えることに
よりこれらの付着物を除去する。また、低周波を照射し
た後に高周波を照射するなどして、異なる周波数を組み
合わせて使用してもよい。また、2方向から与えられる
超音波は共に同じ周波数であってもよいし、または異な
る周波数としてもよい。
【0018】また、容器内に供給する水(処理液)とし
て、純水や超純水の他にオゾン水や水素水などが使用さ
れる。オゾン水や水素水は水の電気分解によって生成さ
れる電界イオン水であり、オゾン水は陽極(アノード電
極)側で生成され、水素水は陰極(カソード電極)側で
生成される。これらの電解イオン水を基板の洗浄に使用
すると、純水では除去できない有機物や金属などの付着
物を除去でき洗浄効果が高くなる。オゾン水などのアノ
ード水により付着物は酸化されて、有機物はCO2とH2
Oに分解されるなどして除去され、金属は金属イオン
(プラスイオン)になって水中に溶解するなどして除去
される。また、水素水などのカソード水は微小なパーテ
ィクルの除去効果に優れており、さらにパーティクルの
再付着を防止したり、静電気の発生を抑えるなどの効果
もある。よって、この汚染物質の種類や基板の処理目的
に応じて適当な洗浄水を選択して使用する。
て、純水や超純水の他にオゾン水や水素水などが使用さ
れる。オゾン水や水素水は水の電気分解によって生成さ
れる電界イオン水であり、オゾン水は陽極(アノード電
極)側で生成され、水素水は陰極(カソード電極)側で
生成される。これらの電解イオン水を基板の洗浄に使用
すると、純水では除去できない有機物や金属などの付着
物を除去でき洗浄効果が高くなる。オゾン水などのアノ
ード水により付着物は酸化されて、有機物はCO2とH2
Oに分解されるなどして除去され、金属は金属イオン
(プラスイオン)になって水中に溶解するなどして除去
される。また、水素水などのカソード水は微小なパーテ
ィクルの除去効果に優れており、さらにパーティクルの
再付着を防止したり、静電気の発生を抑えるなどの効果
もある。よって、この汚染物質の種類や基板の処理目的
に応じて適当な洗浄水を選択して使用する。
【0019】また、本発明のウエット処理装置には、被
処理物を通過した後の超音波を発振手段に戻らない方向
へ反射させる反射板、または超音波を吸収する吸収板な
どの戻り防止手段が設けられている。発振手段から発振
された超音波は基板を通過した後、反射板により発振手
段に戻らないよう反射され、または前記吸収板に吸収さ
れる。よって発振手段に超音波が戻って、振動の干渉を
生じるようなことがない。
処理物を通過した後の超音波を発振手段に戻らない方向
へ反射させる反射板、または超音波を吸収する吸収板な
どの戻り防止手段が設けられている。発振手段から発振
された超音波は基板を通過した後、反射板により発振手
段に戻らないよう反射され、または前記吸収板に吸収さ
れる。よって発振手段に超音波が戻って、振動の干渉を
生じるようなことがない。
【0020】また、ウエット処理装置として、被処理物
が浸漬される容器を石英等の超音波を透過しやすく且つ
超音波による損傷を受けにくい材料により形成し、外側
に水などの液体層を介して金属容器を配置し、金属容器
の外面に発振手段を設置すると、被処理物が浸漬される
容器から洗浄処理に使用される純水などに不純物が流出
するのを防止でき、また金属容器は外面を高精度な平滑
面にできるため、この外面に設置した発振手段から2重
の容器内に超音波を損失なく伝播させることができる。
が浸漬される容器を石英等の超音波を透過しやすく且つ
超音波による損傷を受けにくい材料により形成し、外側
に水などの液体層を介して金属容器を配置し、金属容器
の外面に発振手段を設置すると、被処理物が浸漬される
容器から洗浄処理に使用される純水などに不純物が流出
するのを防止でき、また金属容器は外面を高精度な平滑
面にできるため、この外面に設置した発振手段から2重
の容器内に超音波を損失なく伝播させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に示す本発明のウエット処理
装置およびウエット処理方法では、被処理物として液晶
表示装置用の基板を使用しこれの洗浄を例として説明す
るが、本発明はこれに限るものではなく、半導体などの
電子素子およびその基板、あるいは精密機械などに対す
るウエット処理全般に使用できる。図1は本発明のウエ
ット処理装置の外観の斜視図であり、図2(B)は図1
のII−II線での断面図である。
装置およびウエット処理方法では、被処理物として液晶
表示装置用の基板を使用しこれの洗浄を例として説明す
るが、本発明はこれに限るものではなく、半導体などの
電子素子およびその基板、あるいは精密機械などに対す
るウエット処理全般に使用できる。図1は本発明のウエ
ット処理装置の外観の斜視図であり、図2(B)は図1
のII−II線での断面図である。
【0022】符号1は洗浄容器であり、純水や超純水あ
るいは電解イオン水などの洗浄水12で満たされる。洗
浄容器1の上面は開口しており、ここから液晶基板4な
どの被洗浄物が入れられる。洗浄容器1は、これより大
型の超音波容器2の中に入れられ、超音波容器2とその
内側の洗浄容器1との間には、発振装置3からの超音波
が洗浄容器1に伝わるように、水などの液体13で満た
されている。前記洗浄容器1は超音波を透過しやすく超
音波にて損傷を受けにくい材料、例えば石英などで形成
される。超音波容器2の側壁には発振装置3が設置され
るため、この設置面を平らに加工する必要がある。この
ため、超音波容器2は表面を平坦に研磨加工しやすいス
テンレス鋼などにより形成される。
るいは電解イオン水などの洗浄水12で満たされる。洗
浄容器1の上面は開口しており、ここから液晶基板4な
どの被洗浄物が入れられる。洗浄容器1は、これより大
型の超音波容器2の中に入れられ、超音波容器2とその
内側の洗浄容器1との間には、発振装置3からの超音波
が洗浄容器1に伝わるように、水などの液体13で満た
されている。前記洗浄容器1は超音波を透過しやすく超
音波にて損傷を受けにくい材料、例えば石英などで形成
される。超音波容器2の側壁には発振装置3が設置され
るため、この設置面を平らに加工する必要がある。この
ため、超音波容器2は表面を平坦に研磨加工しやすいス
テンレス鋼などにより形成される。
【0023】被処理物を入れる洗浄容器1が超音波を透
過しやすい石英などで形成されているため、超音波が印
加されたときに洗浄容器1が損傷を受けず、洗浄容器1
から内部の洗浄水12に金属などの不純物が混入するこ
とがなく、洗浄水12を清浄に保つことができる。ま
た、超音波容器2はステンレス鋼などで形成されて発振
装置3を設置する外面を平坦面に加工しやすいものとな
っているため、発振装置3と超音波容器2とが密着し、
発振装置3からの振動が超音波容器2の内部、さらに洗
浄容器1内へ損失なく伝播される。
過しやすい石英などで形成されているため、超音波が印
加されたときに洗浄容器1が損傷を受けず、洗浄容器1
から内部の洗浄水12に金属などの不純物が混入するこ
とがなく、洗浄水12を清浄に保つことができる。ま
た、超音波容器2はステンレス鋼などで形成されて発振
装置3を設置する外面を平坦面に加工しやすいものとな
っているため、発振装置3と超音波容器2とが密着し、
発振装置3からの振動が超音波容器2の内部、さらに洗
浄容器1内へ損失なく伝播される。
【0024】図1に示されているように、超音波容器2
の対向しない2つの側壁(90度に交叉する側壁)の外
側には、発振装置3,3が設置されている。前記発振装
置3は、100kHz以下程度の比較的低周波の振動が
発せられるもの、または1MHz以上の高周波の超音波
が発せられるものであり、または750kHz〜3MH
zの範囲のいずれかの周波数の振動を発するものが使用
される。また2つの発振装置3,3が互いに異なる周波
数の振動を発するものであってもよい。交叉する2方向
から発振される超音波振動は、超音波容器2の壁面から
液体13に伝わり、さらに洗浄容器1内の洗浄水12を
伝わって、被洗浄物である基板4の表面に向かって与え
られる。
の対向しない2つの側壁(90度に交叉する側壁)の外
側には、発振装置3,3が設置されている。前記発振装
置3は、100kHz以下程度の比較的低周波の振動が
発せられるもの、または1MHz以上の高周波の超音波
が発せられるものであり、または750kHz〜3MH
zの範囲のいずれかの周波数の振動を発するものが使用
される。また2つの発振装置3,3が互いに異なる周波
数の振動を発するものであってもよい。交叉する2方向
から発振される超音波振動は、超音波容器2の壁面から
液体13に伝わり、さらに洗浄容器1内の洗浄水12を
伝わって、被洗浄物である基板4の表面に向かって与え
られる。
【0025】発振装置3から100kHz以下の低周波
が発振されると、洗浄水12内で振動による粗密が形成
され、密な部分に空洞が発生するキャビテーション効果
が生じる。このキャビテーション効果により10μm以
上の大きいパーティクル、有機物などを除去できる。ま
た、1MHz以上の高周波が与えられたときは、洗浄水
12中を伝播する振動が被洗浄物の表面に過大な加速度
または衝撃波を与え、この加速度や衝撃波により2μm
以下の小さいパーティクル、金属などが除去される。
が発振されると、洗浄水12内で振動による粗密が形成
され、密な部分に空洞が発生するキャビテーション効果
が生じる。このキャビテーション効果により10μm以
上の大きいパーティクル、有機物などを除去できる。ま
た、1MHz以上の高周波が与えられたときは、洗浄水
12中を伝播する振動が被洗浄物の表面に過大な加速度
または衝撃波を与え、この加速度や衝撃波により2μm
以下の小さいパーティクル、金属などが除去される。
【0026】超音波の周波数は、基板4の表面の付着物
の種類、大きさなどに応じて選択される。低周波による
キャビテーション効果では2μm以下の小さいパーティ
クルは除去できないため、低周波を照射して大きいパー
ティクルを除去した後に、1MHz以上の高周波を照射
して微小なパーティクルを除去するなど、低周波振動と
高周波振動を組み合わせて使用することもできる。
の種類、大きさなどに応じて選択される。低周波による
キャビテーション効果では2μm以下の小さいパーティ
クルは除去できないため、低周波を照射して大きいパー
ティクルを除去した後に、1MHz以上の高周波を照射
して微小なパーティクルを除去するなど、低周波振動と
高周波振動を組み合わせて使用することもできる。
【0027】図2(B)に示されているように、洗浄容
器1の底面の穴1aは給水管8とつながっており、超音
波容器2の底面の穴2aを通って給水管8が超音波容器
2の外側に延びている。洗浄水12はこの給水管8を通
って連続的または断続的に洗浄容器1内に供給される。
給水管8の超音波容器2の外側に延びる部分には図示し
ないが弁またはバルブなどが設けられ、洗浄容器1内へ
の洗浄水12の供給流量を調節できるようになってい
る。
器1の底面の穴1aは給水管8とつながっており、超音
波容器2の底面の穴2aを通って給水管8が超音波容器
2の外側に延びている。洗浄水12はこの給水管8を通
って連続的または断続的に洗浄容器1内に供給される。
給水管8の超音波容器2の外側に延びる部分には図示し
ないが弁またはバルブなどが設けられ、洗浄容器1内へ
の洗浄水12の供給流量を調節できるようになってい
る。
【0028】洗浄容器1の上部開口部の外周には排水溝
9が設けられている。洗浄容器1からあふれ出る洗浄水
12は、排水溝9で受けられ、排水溝9に取付けられた
排出管10から超音波容器2の外側へ排出される。給水
管8からの給水を連続的または断続的に行ない、洗浄容
器1内の洗浄水12を循環させ且つ置換していくことに
より、基板4から除去された汚染物質が排水溝9から排
出され、洗浄容器1の中の洗浄水12を清浄に保つこと
ができる。
9が設けられている。洗浄容器1からあふれ出る洗浄水
12は、排水溝9で受けられ、排水溝9に取付けられた
排出管10から超音波容器2の外側へ排出される。給水
管8からの給水を連続的または断続的に行ない、洗浄容
器1内の洗浄水12を循環させ且つ置換していくことに
より、基板4から除去された汚染物質が排水溝9から排
出され、洗浄容器1の中の洗浄水12を清浄に保つこと
ができる。
【0029】超音波容器2の内部で且つ洗浄容器1の外
側の部分で且つ各発振装置3と対向する側壁の内面に、
戻り防止手段として反射板11が設置されている。発振
装置3から発振された超音波は洗浄容器1を透過した後
にこの反射板11に当たり、例えば発振方向と90度を
なす方向へ反射される。したがって、発振装置3から発
振された超音波が超音波容器2の内壁で反射され、発振
装置3に戻ることはなく、超音波の干渉による発振強度
の低下などを防止できる。また、戻り防止手段として、
前記反射板11の代わりにテフロン(四フッ化エチレ
ン)などのように超音波を吸収して発振装置3に戻るの
を防止する吸収板を設けてもよい。
側の部分で且つ各発振装置3と対向する側壁の内面に、
戻り防止手段として反射板11が設置されている。発振
装置3から発振された超音波は洗浄容器1を透過した後
にこの反射板11に当たり、例えば発振方向と90度を
なす方向へ反射される。したがって、発振装置3から発
振された超音波が超音波容器2の内壁で反射され、発振
装置3に戻ることはなく、超音波の干渉による発振強度
の低下などを防止できる。また、戻り防止手段として、
前記反射板11の代わりにテフロン(四フッ化エチレ
ン)などのように超音波を吸収して発振装置3に戻るの
を防止する吸収板を設けてもよい。
【0030】被処理物(被洗浄物)である基板4は、基
板保持体5の上に設置されている。図1に示されている
ように基板保持体5の中央部には基板4を保持する部分
を残して、開口部5bが形成されており、またその4つ
の角部には対を成すピンホルダ6aが固定され、さらに
各ピンホルダ6aの内側にはピンホルダ6aよりも高さ
方向の寸法が小さい支持ピン6bが設けられている。基
板4は各角部が支持ピン6bの上に載せられ、且つ一対
のピンホルダ6a,6aの間に挟まれるようにして位置
決めされ、保持される。したがって、図2(B)に示さ
れているように基板4は、基板保持体5の表面から支持
ピン6bの高さ寸法分だけ浮いた状態で基板保持体5に
保持されている。洗浄水12と超音波は、この基板4の
裏面と基板保持体5の表面の間の隙間を通って基板4の
裏面に行き渡る。図2(A)は基板保持体5に基板4が
設置された状態を示す平面図である。このように基板4
は基板保持体5に保持された状態で、上方から洗浄容器
1の中に入れられる。図2(A)に示されているよう
に、基板4の外周と基板保持体5の間には開口部5bに
よる間隙(イ)が開けられている。超音波の照射により
発生する気泡はこの間隙イから抜け出るため基板4の裏
面に気泡が残留しない。したがって、気泡に邪魔される
ことなく基板4の裏面に洗浄水12および超音波が十分
行き渡り、基板4の裏面の汚染物質も除去できる。
板保持体5の上に設置されている。図1に示されている
ように基板保持体5の中央部には基板4を保持する部分
を残して、開口部5bが形成されており、またその4つ
の角部には対を成すピンホルダ6aが固定され、さらに
各ピンホルダ6aの内側にはピンホルダ6aよりも高さ
方向の寸法が小さい支持ピン6bが設けられている。基
板4は各角部が支持ピン6bの上に載せられ、且つ一対
のピンホルダ6a,6aの間に挟まれるようにして位置
決めされ、保持される。したがって、図2(B)に示さ
れているように基板4は、基板保持体5の表面から支持
ピン6bの高さ寸法分だけ浮いた状態で基板保持体5に
保持されている。洗浄水12と超音波は、この基板4の
裏面と基板保持体5の表面の間の隙間を通って基板4の
裏面に行き渡る。図2(A)は基板保持体5に基板4が
設置された状態を示す平面図である。このように基板4
は基板保持体5に保持された状態で、上方から洗浄容器
1の中に入れられる。図2(A)に示されているよう
に、基板4の外周と基板保持体5の間には開口部5bに
よる間隙(イ)が開けられている。超音波の照射により
発生する気泡はこの間隙イから抜け出るため基板4の裏
面に気泡が残留しない。したがって、気泡に邪魔される
ことなく基板4の裏面に洗浄水12および超音波が十分
行き渡り、基板4の裏面の汚染物質も除去できる。
【0031】基板保持体5には基板取付部以外に凸部5
aが形成され、この部分に基板保持体5を支持するため
の支持棒7が設けられている。図2(B)に示す構成例
では、前記支持棒7が加振装置14に連動しており、加
振装置14により基板保持体5に対して水平方向または
垂直方向、あるいは水平方向と垂直方向の双方へ振動が
与えられる。基板4が洗浄水12内で動かされることに
より、超音波が基板4の表面および裏面に均一に当たり
やすく、また基板4の表面から洗浄除去された汚染物質
が基板4から離れやすくなる。
aが形成され、この部分に基板保持体5を支持するため
の支持棒7が設けられている。図2(B)に示す構成例
では、前記支持棒7が加振装置14に連動しており、加
振装置14により基板保持体5に対して水平方向または
垂直方向、あるいは水平方向と垂直方向の双方へ振動が
与えられる。基板4が洗浄水12内で動かされることに
より、超音波が基板4の表面および裏面に均一に当たり
やすく、また基板4の表面から洗浄除去された汚染物質
が基板4から離れやすくなる。
【0032】また、図3に示す変形例では、支持棒7が
基板保持体5の基板搭載面の裏面の中心に取り付けられ
ている。洗浄容器1の底面と超音波容器2の底面の中央
には同じ直径の穴1bと2bが形成されて、この穴にシ
ール性の軸受16が設けられ、前記支持棒7がこの軸受
16により回転自在に支持され超音波容器2の底部外方
に延びている。この支持棒7は、モータなどを有する回
転駆動手段15に連動し、回転駆動手段15の動力によ
り、洗浄水12内で基板保持体5および基板4が回転さ
せられる。この回転により、2方向から与えられる超音
波が基板4の表面の全域に均一に照射される。すなわち
基板4を回転させないと、発振装置3,3に近い部分と
遠い部分とで超音波による洗浄効果に差が出るが、基板
4を回転させることにより、超音波による洗浄効果のむ
らが生じなくなる。また、基板4の表面から除去された
物質が洗浄水12内に溶解などしやすくなる。
基板保持体5の基板搭載面の裏面の中心に取り付けられ
ている。洗浄容器1の底面と超音波容器2の底面の中央
には同じ直径の穴1bと2bが形成されて、この穴にシ
ール性の軸受16が設けられ、前記支持棒7がこの軸受
16により回転自在に支持され超音波容器2の底部外方
に延びている。この支持棒7は、モータなどを有する回
転駆動手段15に連動し、回転駆動手段15の動力によ
り、洗浄水12内で基板保持体5および基板4が回転さ
せられる。この回転により、2方向から与えられる超音
波が基板4の表面の全域に均一に照射される。すなわち
基板4を回転させないと、発振装置3,3に近い部分と
遠い部分とで超音波による洗浄効果に差が出るが、基板
4を回転させることにより、超音波による洗浄効果のむ
らが生じなくなる。また、基板4の表面から除去された
物質が洗浄水12内に溶解などしやすくなる。
【0033】また、前記給水管8には洗浄水12の供給
部(図示せず)が接続されている。洗浄水供給部には、
純水または超純水を製造する純水生成装置が使用され
る。あるいは純水を電気分解する電気分解装置が用いら
れる。電解イオン水を使用することにより、純水や超純
水では除去しにくい金属や有機物などを完全に除去する
ことができる。純水や超純水を用い前記超音波を与える
ことにより基板4の表面の中粒径のパーティクルが除去
される。電気分解装置からのオゾン水などのアノード水
を使用すると、レジスト層形成時やエッチング工程など
で付着した有機物や金属などが酸化されて、有機物はC
O2やH2Oに分解され、金属はプラスイオンの金属イオ
ンにされて水中に溶解などすることにより除去される。
また、水素水などの還元性のカソード水を用いると、小
粒径のパーティクルを除去でき、またパーティクルの再
付着を防止でき、さらに静電気の発生を抑えることがで
きる。
部(図示せず)が接続されている。洗浄水供給部には、
純水または超純水を製造する純水生成装置が使用され
る。あるいは純水を電気分解する電気分解装置が用いら
れる。電解イオン水を使用することにより、純水や超純
水では除去しにくい金属や有機物などを完全に除去する
ことができる。純水や超純水を用い前記超音波を与える
ことにより基板4の表面の中粒径のパーティクルが除去
される。電気分解装置からのオゾン水などのアノード水
を使用すると、レジスト層形成時やエッチング工程など
で付着した有機物や金属などが酸化されて、有機物はC
O2やH2Oに分解され、金属はプラスイオンの金属イオ
ンにされて水中に溶解などすることにより除去される。
また、水素水などの還元性のカソード水を用いると、小
粒径のパーティクルを除去でき、またパーティクルの再
付着を防止でき、さらに静電気の発生を抑えることがで
きる。
【0034】給水管8と前記洗浄水12の供給部との間
に切換弁を設け、前記の洗浄水12を基板4の各製造工
程で付着する汚染物質に合わせて選択することにより、
汚染物質の除去効果を上げることができ、基板表面を清
浄にすることができる。
に切換弁を設け、前記の洗浄水12を基板4の各製造工
程で付着する汚染物質に合わせて選択することにより、
汚染物質の除去効果を上げることができ、基板表面を清
浄にすることができる。
【0035】次に、前記ウエット処理装置を用いたウエ
ット処理方法を説明する。洗浄容器1の中には洗浄水1
2が滞留し、または給水管8から洗浄水12が供給され
て流れている。洗浄水12は、超純水または、オゾン水
や水素水などの電解イオン水の中から適当なものを選択
して使用する。例えば、レジスト層の形成やエッチング
工程後の洗浄には、金属や有機物を除去するためにオゾ
ン水を使用する。基板の製造工程ごとに付着する汚染物
質は異なるため、各洗浄工程ごとに適当な洗浄水12を
選択して使用する。
ット処理方法を説明する。洗浄容器1の中には洗浄水1
2が滞留し、または給水管8から洗浄水12が供給され
て流れている。洗浄水12は、超純水または、オゾン水
や水素水などの電解イオン水の中から適当なものを選択
して使用する。例えば、レジスト層の形成やエッチング
工程後の洗浄には、金属や有機物を除去するためにオゾ
ン水を使用する。基板の製造工程ごとに付着する汚染物
質は異なるため、各洗浄工程ごとに適当な洗浄水12を
選択して使用する。
【0036】洗浄容器1に対し上方から被洗浄物である
基板4が取り付けられた基板保持体5を入れる。また図
3に示すように、洗浄容器1内に回転式の基板保持体5
が設けられている場合には、基板4を移送する移送腕で
基板4を保持し、この移送腕を洗浄容器1の上方から洗
浄水12内に入れ、基板保持体5の上に載せる。
基板4が取り付けられた基板保持体5を入れる。また図
3に示すように、洗浄容器1内に回転式の基板保持体5
が設けられている場合には、基板4を移送する移送腕で
基板4を保持し、この移送腕を洗浄容器1の上方から洗
浄水12内に入れ、基板保持体5の上に載せる。
【0037】洗浄容器1の中に給水管8から洗浄水12
を連続的または断続的に供給しながら、発振装置3から
超音波を連続的または断続的に発振する。このとき、超
音波は基板4の裏面と基板保持体5の表面の間の隙間を
通って基板4の裏面にも与えられ、また超音波の照射に
より発生する気泡が基板4の外周と基板保持体5の間の
間隙(イ)から抜け出て基板4の裏面に気泡が残らな
い。したがって、洗浄水12および超音波は基板4の裏
面にも十分行き渡り、基板4の表面だけでなく裏面も洗
浄することができる。発振装置3,3は超音波容器2の
互いに向かい合わない側壁の外側に設置されているた
め、交叉する2方向から発振された超音波が他の発振装
置3に及ぶことがなく、発振装置3と他の発振装置3と
の間に振動の干渉が生じない。また、戻り防止手段とし
ての反射板11または吸収板が設けられているため、発
振装置3へ超音波振動が戻ることなく、戻り振動による
干渉も防止できる。
を連続的または断続的に供給しながら、発振装置3から
超音波を連続的または断続的に発振する。このとき、超
音波は基板4の裏面と基板保持体5の表面の間の隙間を
通って基板4の裏面にも与えられ、また超音波の照射に
より発生する気泡が基板4の外周と基板保持体5の間の
間隙(イ)から抜け出て基板4の裏面に気泡が残らな
い。したがって、洗浄水12および超音波は基板4の裏
面にも十分行き渡り、基板4の表面だけでなく裏面も洗
浄することができる。発振装置3,3は超音波容器2の
互いに向かい合わない側壁の外側に設置されているた
め、交叉する2方向から発振された超音波が他の発振装
置3に及ぶことがなく、発振装置3と他の発振装置3と
の間に振動の干渉が生じない。また、戻り防止手段とし
ての反射板11または吸収板が設けられているため、発
振装置3へ超音波振動が戻ることなく、戻り振動による
干渉も防止できる。
【0038】2方向からの超音波は、基板4の表面に平
行に与えられる。2つの発振装置3,3から同時に超音
波を発振してもよいし、1つの発振装置から発振してい
る間は他の発振装置から発振しなくてもよい。また両発
振装置3,3から同じ周波数の発振を行ってもよいし、
異なる周波数の超音波を組み合わせてもよい。超音波が
交叉する2方向から発振されるため、基板の表面に超音
波が当たらない陰の部分ができることなく、基板の表面
に均一に超音波を照射することができる。特に基板4の
表面でのピンホルダ6aの陰になる部分にも、2つの方
向からの超音波の一方が必ず当たるようになり、基板表
面の全域を超音波により洗浄することができる。
行に与えられる。2つの発振装置3,3から同時に超音
波を発振してもよいし、1つの発振装置から発振してい
る間は他の発振装置から発振しなくてもよい。また両発
振装置3,3から同じ周波数の発振を行ってもよいし、
異なる周波数の超音波を組み合わせてもよい。超音波が
交叉する2方向から発振されるため、基板の表面に超音
波が当たらない陰の部分ができることなく、基板の表面
に均一に超音波を照射することができる。特に基板4の
表面でのピンホルダ6aの陰になる部分にも、2つの方
向からの超音波の一方が必ず当たるようになり、基板表
面の全域を超音波により洗浄することができる。
【0039】そして、図2(B)に示されているよう
に、発振装置3から超音波を与えながら、基板保持体5
に設けられている支持棒7を加振装置14により振動さ
せ基板保持体5を洗浄容器1の中で振動させる。また
は、図3に示されているように、基板保持体5の裏面に
設けられている支持棒7を回転駆動手段15により回転
させて基板保持体5を回転させる。このように基板保持
体5を振動または回転させることにより、基板4の全域
に効果的に超音波を与えることができ、基板4への洗浄
効果を高めることができる。
に、発振装置3から超音波を与えながら、基板保持体5
に設けられている支持棒7を加振装置14により振動さ
せ基板保持体5を洗浄容器1の中で振動させる。また
は、図3に示されているように、基板保持体5の裏面に
設けられている支持棒7を回転駆動手段15により回転
させて基板保持体5を回転させる。このように基板保持
体5を振動または回転させることにより、基板4の全域
に効果的に超音波を与えることができ、基板4への洗浄
効果を高めることができる。
【0040】本発明のウエット処理装置は前記構成例に
限るものではなく、図4に示すように横に長い処理容器
17の中に複数の半導体基板などの基板4を平行に並べ
て処理容器17の中で純水または電界イオン水に浸漬さ
せ、底部にて直交する2つの傾斜面に超音波を発振する
発振装置3,3を設け、複数の基板4のそれぞれの表面
に対し交叉する2つの方向から超音波を与えてもよい。
なお、複数の発振装置3は、互いに他の発振装置に超音
波振動を与えない角度であればどのような向きに設置さ
れていてもよい。
限るものではなく、図4に示すように横に長い処理容器
17の中に複数の半導体基板などの基板4を平行に並べ
て処理容器17の中で純水または電界イオン水に浸漬さ
せ、底部にて直交する2つの傾斜面に超音波を発振する
発振装置3,3を設け、複数の基板4のそれぞれの表面
に対し交叉する2つの方向から超音波を与えてもよい。
なお、複数の発振装置3は、互いに他の発振装置に超音
波振動を与えない角度であればどのような向きに設置さ
れていてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、基板など
の被処理物に対し少なくとも2方向から平行に超音波を
照射できるため、被処理物に超音波の当たらない部分が
できず、被処理物全体に均一に超音波を照射できる。ま
た、被処理物を容器内で振動させたり回転させるなどし
て動かすことにより、さらに超音波を基板全体に照射で
きる。
の被処理物に対し少なくとも2方向から平行に超音波を
照射できるため、被処理物に超音波の当たらない部分が
できず、被処理物全体に均一に超音波を照射できる。ま
た、被処理物を容器内で振動させたり回転させるなどし
て動かすことにより、さらに超音波を基板全体に照射で
きる。
【0042】また、発振装置から発振された超音波を吸
収または反射する戻り防止装置を設けることにより、発
振された超音波が発振装置に戻って干渉することがな
く、安定した発振を保つことができる。
収または反射する戻り防止装置を設けることにより、発
振された超音波が発振装置に戻って干渉することがな
く、安定した発振を保つことができる。
【図1】本発明のウエット処理装置の外観斜視図、
【図2】(A)は基板保持体に被洗浄物である基板を設
置した状態を示す平面図、(B)は図1のII−II線
での断面図、
置した状態を示す平面図、(B)は図1のII−II線
での断面図、
【図3】本発明の他の構成例のウエット処理装置の断面
図、
図、
【図4】本発明の他の構成例のウエット処理装置の斜視
図、
図、
1 洗浄容器 2 超音波容器 3 発振装置 4 基板 5 基板保持体 7 支持棒 11 反射板 12 洗浄水 14 加振装置 15 回転駆動手段
Claims (10)
- 【請求項1】 水が滞留しまたは流れる容器内に被処理
物を浸漬させ、交叉する少なくとも2方向から前記容器
内の被処理物に超音波を連続的にまたは断続的に照射す
ることを特徴とするウエット処理方法。 - 【請求項2】 前記各方向からの超音波は、被処理物の
処理面に対しほぼ平行に照射される請求項1記載のウエ
ット処理方法。 - 【請求項3】 前記各方向から超音波を照射しながら、
容器内で被処理物を動かす請求項1または2記載のウエ
ット処理方法。 - 【請求項4】 容器内の水が電界イオン水である請求項
1ないし3のいずれかに記載のウエット処理方法。 - 【請求項5】 水が滞留しまたは流れる容器と、この容
器内に挿入される被処理物の保持体と、前記容器内の被
処理物に対し、交叉する少なくとも2方向から超音波を
照射する発振手段とを有することを特徴とするウエット
処理装置。 - 【請求項6】 被処理物が入れられる容器が超音波を透
過しやすい石英により形成され、この容器の外側に液体
層を介して金属容器を配置し、この金属容器の外面に前
記発振手段が設置される請求項5記載のウエット処理装
置。 - 【請求項7】 被処理物の処理面に対し、前記各方向か
らの超音波がほぼ平行に照射されるよう各発振手段の向
きが設定されている請求項5または6記載のウエット処
理装置。 - 【請求項8】 容器内で保持体を動かす駆動手段が設け
られている請求項5ないし7のいずれかに記載のウエッ
ト処理装置。 - 【請求項9】 少なくとも一方の発振手段から照射され
る超音波が被処理物を通過して至る位置に、前記超音波
を吸収しまたは発振手段に戻らない方向へ反射する戻り
防止手段が設けられている請求項5ないし8のいずれか
に記載のウエット処理装置。 - 【請求項10】 前記容器内に電界イオン水を供給する
供給路が設けられている請求項5ないし9のいずれかに
記載のウエット処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9242796A JPH09283485A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ウエット処理方法およびウエット処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9242796A JPH09283485A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ウエット処理方法およびウエット処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09283485A true JPH09283485A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14054146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9242796A Withdrawn JPH09283485A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ウエット処理方法およびウエット処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09283485A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000330262A (ja) * | 1999-05-20 | 2000-11-30 | Mitsubishi Electric Corp | フォトマスクの洗浄方法、洗浄装置およびフォトマスクの洗浄液 |
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