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JPH09251003A - ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法 - Google Patents

ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法

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JPH09251003A
JPH09251003A JP5873696A JP5873696A JPH09251003A JP H09251003 A JPH09251003 A JP H09251003A JP 5873696 A JP5873696 A JP 5873696A JP 5873696 A JP5873696 A JP 5873696A JP H09251003 A JPH09251003 A JP H09251003A
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Masahiro Yamamoto
政弘 山本
Katsumi Uchida
克己 内田
Shinichi Kobayashi
真一 小林
Yoshihiro Kawamura
佳弘 川村
Hideo Tanaka
秀郎 田中
Naotaka Ichiyanagi
直隆 一柳
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Chubu Electric Power Co Inc
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Furukawa Electric Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水トリー劣化したケーブルが後どのくらい使用
できるか判断を要求されることが多い。耐圧試験によ
り、余寿命を明確にすることを課題とした。 【解決手段】1)成長した水トリー長と水トリーを有す
るケーブルの残存商用周波交流破壊電圧の関係より、該
ケーブルの運転電圧で破壊する水トリー長を求め、運転
時間と水トリー長の関係より、水トリーの1年当りに成
長する速度を求め評価し、成長速度に余寿命保証すべき
年数を乗じて、期間内に成長が予想される水トリー長を
求め、運転電圧で破壊する水トリー長から予想される水
トリー長を差し引いた水トリー長に対する残存AC破壊
電圧で線路の耐圧試験を行い、余寿命を保証する。又
試験設備を小型にする為減衰振動波と超低周波電圧を組
合せて用いる。更により確実にケーブルの健全性を確認
するため部分放電測定を併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水トリー劣化した
ゴム,プラスチック絶縁電力ケーブル(線路を含む。)
の寿命判定試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム,プラスチック絶縁電力ケーブル
(以下、単にケーブルと記す)は長期間の使用により絶
縁体に水の浸入等の現象が見られる場合、水トリーと呼
ばれる樹枝状の欠陥が絶縁体中に伸展していく。これを
検出することでケーブルの劣化程度を判断し、運転継続
か引き替えかを判断したいが、水トリーが絶縁体中を貫
通していない場合は水トリーが発生する信号の検出が極
めて困難であり、運転電圧より高いAC(商用周波交流
の略)電圧や直流電圧、減衰振動波電圧等を印加して絶
縁破壊させることにより、その有無を調べていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の水トリー検
出方法では、絶縁破壊が起きた場合はケーブルの引き替
え等の処置をとることが明確に判断できるが、破壊が起
きなかった場合、ケーブルが後どのくらい使えるかとい
った余寿命に関する情報や、どのくらいの長さの水トリ
ーが発生しているのか、等の情報が全く得られず、その
後の処置を決定する判断材料が全く得られなかった。
【0004】一方、水トリーの成長速度や水トリーから
電気トリーが発生して絶縁破壊するAC電圧等のデータ
についての報告例はあるものの、ケーブルの余寿命と結
びつけられる程厳密なデータや、水トリー長の長いもの
のデータについては、得られていないのが現状である。
又実際に観察された水トリーの長さは短く、運転電圧の
もとでは、当面の間絶縁破壊することは無さそうである
が、将来にわたって確実な保証を行う事は不可能であ
る。しかしながら、ケーブル線路の保守運営に携わる人
達からは、水トリー劣化したケーブルが後どのくらいの
期間、安全に使用できるか判断する基準を求められるこ
とが多く、またこれらを明確にすることは、線路の引き
替え等、設備更新の計画を立てるために有用であり、当
面の需要を乗り切れるか判断するためには、切実な問題
である。
【0005】そこで、耐圧試験を実施することにより、
ケーブルが少なくともあとどのくらい使用可能である
か、すなわち余寿命を明確にすることを解決すべき課題
の一つとした。更に亘長の長い線路においては、AC電
圧による試験が困難な場合がほとんどである。これは、
AC電圧では充電電流が多く流れることにより設備容量
が極めて大きなものとなり、実線路の試験設備として適
用が困難になるためである。そこで、設備規模が小型に
でき、かつAC電圧との相関が明確なる電圧波形を用い
た試験方法を供せるようにできることを、解決すべき課
題の第二とした。更に、このような試験では通常は運転
電圧より過酷な電圧を印加することになるので、より確
実に試験後のケーブルの健全性を確認できる方法をも考
慮することとした。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明において
は、水トリー劣化したケーブルの、水トリー長と残存A
C破壊電圧の関係を評価するため、通常の運転条件より
過酷な条件(高い電圧,高い周波数,高い温度,不純物
イオン存在下での浸水試験等)でケーブルを加速劣化さ
せることにより、運転電圧で破壊する水トリーの長さが
得られるような実験を行う。これによって発生した水ト
リーは通常の運転条件下で発生する水トリーと比較する
と、劣化程度の進んだものとなる。詳細は実施例の項で
示すが、例えば図1のような関係が得られる。このよう
な試験により得られた結果は、運転条件よりも厳しい状
況での関係、すなわち寿命評価の上では安全サイドの評
価基準を与えることになる。
【0007】一方、通常の使用条件での水トリーの成長
速度は、実線路で使用されて撤去されてきたケーブルの
材料調査により求めることができる。これらは、図2に
示す様に水トリー長の短いものばかりとなり、図1に示
したように運転電圧で破壊するような長い水トリー長の
ものは得られていない。しかし、これらは通常は上に凸
な曲線、すなわち時間の経過につれて成長速度が低下す
る特性を示す。従って、一定期間、例えば運転開始から
10年経過時点での水トリー長と図2のグラフ原点を結
んだ直線により求まる水トリー成長の平均速度は、運転
開始から10年移行における水トリー成長速度よりは高
いものとなり、すなわち安全サイドの成長速度と評価で
きることとなる。以上の関係より、つぎのような手続を
経ることにより、ケーブルの余寿命保証を行うことが可
能になる。
【0008】まず、図2の如き関係より、例えば10年
経過時点での水トリー長とグラフの原点を結び、この間
の1年当りの水トリー成長長さ、すなわち水トリー成長
速度を求める。この値に、例えば3を乗ずることによっ
て3年間に伸びるであろう水トリーの長さを評価するこ
とができる。これは、勿論、安全サイドの評価となる。
上記成長速度に代わり、水トリー長−経過年数のカーブ
上で経過年数10年にて接線を引き、その勾配を成長速
度とすることもできるが、安全度は落ちる。
【0009】次いで、図1の如き関係より、運転電圧で
破壊する水トリー長から、前述の3年間に伸びると評価
した値を差引き、その水トリー長さを求める。この長さ
の水トリーに対応する残存AC破壊電圧を図1より決定
することができる。よって、このAC電圧を水トリー劣
化したケーブルに印加して絶縁破壊が発生しなければ、
このケーブルは少なくとも向こう3年間の余寿命が保証
されることになる。次に、亘長の長い線路においてはA
C電圧での試験が困難となるため、試験設備を小型にす
るために、別途の電圧波形を用いる。請求項2の発明に
おいては、周波数を商用周波数よりも低くした電圧、特
に周波数1ヘルツ以下の超低周波電圧を用いる。この
時、同一の水トリー長を有するケーブルを用いてAC電
圧及び超低周波電圧による破壊試験を実施し、両電圧波
形の相関関係を評価する。
【0010】これにより、前述の例えば向こう3年間の
余寿命を保証するためのAC耐電圧試験に代わってその
電圧に対応する超低周波電圧により耐圧試験を行えば、
試験設備を小型にした上で同様の余寿命保証が可能な試
験を実施できる。一方、同様の目的から請求項3の発明
においては、減衰振動波と周波数を商用周波数よりも低
くした電圧、特に周波数1ヘルツ以下の超低周波電圧を
組み合わせて用いる。この時、同一の水トリー長を有す
るケーブルを用いてAC電圧による破壊試験及び減衰振
動波電圧よる電気トリー発生試験を実施し、両電圧波形
の相関関係を評価する。また、同一の水トリー長を有す
るケーブルを用いて、AC電圧による破壊試験、及びそ
のケーブルで水トリーから電気トリーを発生したものを
用いて、超低周波電圧により電気トリーを再伸展させて
破壊に至らしめる試験を実施し、両電圧波形の相関関係
を評価する。これにより、前述の向こう3年間の余寿命
を保証するためのAC耐電圧試験に代わってその電圧に
対応する減衰振動波電圧を印加し、引き続いて超低周波
電圧により耐圧試験を行えば、試験設備を小型にした上
で同様の余寿命保証が可能な試験を実施できる。
【0011】更に、請求項4の発明においては、以上述
べた3通りのいずれかの試験により水トリーから電気ト
リーが発生して、破壊しないままに試験が終了していな
いことを完全に保証するために、AC耐電圧試験又は超
低周波耐電圧試験の際に部分放電測定を行う。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を詳細に説明する。ま
ず、水トリー長と残存AC破壊電圧の関係を求めるため
に、77kVCVケーブルを用いて浸水劣化加速試験を
実施した。試験電圧は1kHz、ケーブルは80°Cの
温水中に浸水し、温水には硫酸銅を溶解させ、これらの
相乗効果により運転状態よりは厳しい条件で水トリーを
発生させることとした。種々の累積課電時間でケーブル
を取り出し、AC電圧による前駆遮断試験を実施して、
水トリーから電気トリーが発生した電圧とその水トリー
の長さについて得られた関係が、図1に示すものであ
る。前駆遮断試験は10分ステップで電圧の昇圧を行っ
た。この関係は、運転状態において成長した水トリーの
長さと残存AC破壊電圧の関係が明確になっていない現
状においては、安全サイドでこれを評価できるので非常
に有意義なデータである。
【0013】一方、実線路で一定期間使用された後に撤
去された77kVCVケーブルの、使用年数と観察され
た水トリーの最大長の関係の調査を行った。その結果、
図2に示すグラフを得ることができた。これを見ると分
かるように、運転開始から時間が経過するにつれて、水
トリーの成長速度が低下してくることが理解できる。こ
こで、例えば10年使用したケーブルの観察された最大
の水トリー長は1.7mmであることが分かるため、1
0年間の水トリーの平均成長速度は0.17mm/年で
あることが分かる。グラフ原点と座標(10年,1.7
mm)を結ぶ直線より、10年以上使用されたケーブル
の水トリー成長速度は0.17mm/年よりは遅いこと
が分かるが、逆にこの値を用いることによりその後の水
トリー成長に関しては、安全側の評価になることが分か
る。これも、水トリーの長さが長いところでの成長速度
に関して十分な知見が得られていない現状では、非常に
有意義なデータである。
【0014】以下、このデータをもとに、具体的な余寿
命保証の実施例について詳しく述べる。 〔実施例1〕 実線路において12年使用され良品撤
去された77kVのCVケーブルに対し、請求項1に示
される発明を適用した。前述した10年経過時点での水
トリー平均成長速度0.17mm/年をもとに、向こう
3年間の余寿命保証を行うことを計画した。この平均速
度より、3年間に成長する水トリーの長さは0.17m
mX3=0.51mmである。図1より77kVCVケ
ーブルの対地運転電圧44.5kVで破壊を起こす水ト
リー長は3.9mmであることが分かる。そこで、3.
9−0.51=3.39mmの水トリーが存在した場
合、残存AC破壊電圧は52kVであるため、この電圧
で10分間のAC耐電圧試験を実施してケーブルの破壊
が発生しなければ、このケーブルは少なくも向こう3年
間の余寿命を有することが示されるはずである。そこ
で、このケーブルを試料として30mサンプリングし、
52kV/10分間のAC耐電圧試験を実施したとこ
ろ、絶縁破壊が生ずることなく、無事試験を終了した。
【0015】ついで、このケーブルが実際に3年間の余
寿命を有している事を確認するため、上記耐圧試験後に
このケーブルを実線路を模擬した条件で44.5kVの
長期課通電試験を実施した。結果として、3年の間、ケ
ーブルの絶縁破壊は生じることなく、無事長期課通電試
験を終了した。この結果により、請求項1に示される発
明により、確かにケーブルの余寿命保証が可能であるこ
とが立証できた。
【0016】〔実施例2〕 水トリー劣化したCVケー
ブルのAC破壊電圧と超低周波破壊電圧の相関関係を評
価するため、CVケーブルの絶縁体と同一の材料より作
った架橋ポリエチレンシート(絶縁厚さ2mm)を種々
の長さに水トリー劣化させ、このシートのAC電圧及び
超低周波電圧(波形は図3に示すように、周波数0.1
Hzの三角波である。)による破壊試験を実施した。シ
ートによりこのような実験を行った理由は、成長させる
水トリーの長さを比較的自由に制御できるためである。
これにより、破壊電圧レベルの異なる水トリー劣化シー
トを作製できる。
【0017】さて、実験はAC電圧、超低周波電圧とも
にスタート電圧10kV/10分、昇圧電圧5kV/1
0分で、種々の長さの水トリーを発生した試料が破壊を
起こすまで電圧を印加した。その結果を図4に示す。こ
れにより、AC電圧と超低周波電圧の破壊値には一定の
相関関係が見られることが明らかになった。次いで実施
例1で用いた77kVのCVケーブルと同一のものの異
なる部位を供試試料として30m準備した。実施例と同
じく、向こう3年間の寿命を保証するAC耐圧値は52
kV/10分である。このAC電圧値に対応する超低周
波電圧値は、図4より97kVであることがわかる。そ
こで、超低周波電圧97kVで10分間の耐圧試験を行
ったところ、絶縁破壊は発生しなかった。そこで、向こ
う3年間の余寿命が保証されるはずである。
【0018】そこで、実施例1と同様に、このケーブル
が実際に3年間の余寿命を有している事を確認するた
め、上記耐圧試験後にこのケーブルを実線路を模擬した
条件で44.5kVの長期課通電試験を実施した。結果
として、3年の間、ケーブルの絶縁破壊は生じることな
く、無事長期課通電試験を終了した。この結果により、
請求項2に示される発明により、確かにケーブルの余寿
命保証が可能であることが立証できた。
【0019】〔実施例3〕 水トリー劣化したCVケー
ブルのAC破壊電圧と水トリー劣化したCVケーブルの
減衰振動波による電気トリー発生電圧の関係、及び水ト
リー劣化したCVケーブルのAC破壊電圧と前記の減衰
振動波により電気トリーが発生したCVケーブルの超低
周波電圧による電気トリー再伸展後の破壊電圧の相関関
係を評価するため、CVケーブルの絶縁体と同一の材料
より作った架橋ポリエチレンシート(絶縁厚さ2mm)
を種々の長さに水トリー劣化させ、このシートの減衰振
動波による水トリーからの電気トリー発生試験、及び減
衰振動波で電気トリーを発生させた後のシートの超低周
波電圧(波形は図3に示すように、周波数0.1Hzの
三角波である。)による電気トリー再伸展後の破壊試験
を実施した。シートによりこのような実験を行った理由
は、実施例2と同じである。これらの結果を実施例2の
AC破壊試験結果と比較することで、所望の関係を得る
ことができる。
【0020】実験では、種々の長さの水トリーを発生さ
せたシートに対して、減衰振動波電圧で、スタート電圧
10kV/1回、昇圧ステップ5kV/1回で印加する
こととし、減衰振動波電圧を1回印加する毎にシートの
水トリー部分に電気トリーが発生しているか否かを顕微
鏡で観察しながら、電気トリーが発生していなければ昇
圧した減衰振動波を印加し、このステップを電気トリー
が観察される迄繰り返して、減衰振動波による電気トリ
ー発生電圧を求めた。次いで、電気トリーを発生させた
試料を、超低周波電圧をスタート電圧10kV/10分
で、昇圧ステップ5kV/10分で試料が破壊を起こす
まで電圧を印加した。これら結果を図5及び図6に示
す。これにより、AC電圧と減衰振動波の電気トリー発
生電圧及び超低周波電圧の電気トリー再伸展後の破壊値
には一定の相関関係が見られることが明らかになった。
次いで実施例1で用いた77kVのCVケーブルと同一
のものの異なる部位を供試試料として30m準備した。
実施例1と同じく、向こう3年間の寿命を保証するAC
耐電圧値は52kV/10分である。このAC電圧値に
対応する減衰振動波による電気トリー発生電圧は図5よ
り67kVであることが分かる。そこで、この電圧を1
回印加した。
【0021】続いて、このAC52kV/10分に対応
する超低周波電圧による電気トリー再伸展後の破壊電圧
は図6より39kV/10分であることが分かる。そこ
で、超低周波電圧39kVで10分間の耐圧試験を行っ
たところ、絶縁破壊は発生しなかった。そこで、向こう
3年間の余寿命が保証されるはずである。そこで、実施
例1と同様に、このケーブルが実際に3年間の余寿命を
有している事を確認するため、上記耐圧試験後にこのケ
ーブルを実線路を模擬した条件で44.5kVの長期課
通電試験を実施した。
【0022】結果として、3年の間、ケーブルの絶縁破
壊は生じることなく、無事長期課通電試験を終了した。
この結果により、請求項3に示される発明により、確か
にケーブルの余寿命保証が可能であることが立証でき
た。なお、この実施例3は実施例2と比較すると2種類
の電圧を印加する必要があるため、試験手順がやや煩雑
になるものの、印加すべき減衰振動波電圧及び超低周波
電圧は実施例2における超低周波電圧の電圧値よりも低
い電圧で行えるため、試験設備の定格を低い電圧で抑え
られるメリットがあることが確認できた。
【0023】〔実施例4〕 実施例1で用いた77kV
CVケーブルと同一のものの異なる部位を用い、減衰振
動波及び超低周波電圧の印加を行い、更に超低周波電圧
印加に際しては部分放電測定を同時に行った。部分放電
は電気トリーが発生・伸展する際に検出される信号であ
る。従って、これを測定することにより、絶縁体中の電
気トリーの有無が確認できる。この部分放電測定によ
り、なんらの信号が検出されることがなかったため、一
連の減衰振動波67kV/1回,超低周波39kV/1
0分の試験により、絶縁体中に電気トリーが発生してい
ないことが確認された。このように、部分放電測定を行
うことにより、より確実に一連の耐圧試験終了時点での
絶縁体健全性が確認できることになる。上記のものは、
請求項3項の耐圧試験における部分放電測定であるが、
請求項1又は2に対する耐圧試験においても、部分放電
測定を行っても良い。
【0024】なお、以上説明した各実施例では、余寿命
保証期間として3年を採用したが、この期間は何も3年
間に限定されるべきものでなく、任意の期間を設定する
ことができる。また、このようにして保証された期間が
経過した時点で、改めて同様の試験を実施することによ
り、さらなる余寿命保証を行うことが可能であることは
言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】
A 今まで明確な判断基準がなかったCVケーブルの余
寿命に関し、「少なくとも何年は破壊せずに運転が可能
である」といった保証期間を評価することを可能にす
る。 B 旦長の長い長距離ケーブル線路に対してはAC電圧
による試験のできないことが多いが、これに超低周波ま
たは減衰振動波+超低周波の組み合わせにより、AC電
圧と等価な耐電圧試験が小型の試験設備を用いることに
より可能にする。 C 更に、減衰振動波と超低周波を組み合わせることに
よって、試験による水トリーからの電気トリーの発生の
有無をより確実に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いた水トリー長とAC残存破壊電
圧の関係を示したデータ例。
【図2】 本発明で用いたCVケーブルんの運転時間と
水トリー長の関係を示したデータ例。
【図3】 超低周波電圧波形の例。
【図4】 水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC
破壊電圧と超低周波破壊電圧の関係。
【図5】 水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC
破壊電圧と減衰振動波による電気トリー発生電圧の関
係。
【図6】 水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC
破壊電圧と電気トリー発生後の超低周波破壊電圧による
電気トリー再伸展後の破壊電圧の関係。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 真一 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 川村 佳弘 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 田中 秀郎 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 一柳 直隆 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水トリー劣化したゴム,プラスチックケー
    ブルの寿命判定試験方法において、(1)成長した水ト
    リー長とその長さの水トリーを有するゴム,プラスチッ
    クケーブルの残存AC破壊電圧の関係より、該ケーブル
    の運転電圧で破壊する水トリー長を求め、(2)水トリ
    ー劣化したゴム,プラスチックケーブルの運転時間と該
    ケーブルに観察された水トリー長の関係より、水トリー
    の成長する速度を求めて評価し、(3)前記(2)項の
    成長速度に余寿命保証すべき年数を設定して乗じて、余
    寿命保証される期間内に成長が予想される水トリー長を
    求め、(4)前記(1)項で求めた運転電圧で破壊する
    水トリー長から前記(3)項で求めた予想される水トリ
    ー長を差し引いた水トリー長に対する残存AC破壊電圧
    を前記(1)項の関係より求め、(5)前記(4)項で
    求めた残存AC破壊電圧により、水トリー劣化したゴ
    ム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、これによ
    り該ケーブルが絶縁破壊を起こさない事によって、前記
    (3)項で設定した期間のゴム,プラスチックケーブル
    の余寿命を保証する、ことを特徴とする、ゴム,プラス
    チックケーブルの寿命判定試験方法。
  2. 【請求項2】請求項1の(1)項から(4)項に引き続
    き、(5)水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブ
    ルの絶縁体の残存AC破壊電圧と商用周波数より低い周
    波数の交流電圧による残存破壊電圧の相関関係を求め、
    この関係より請求項1の(4)項で求めた残存AC破壊
    電圧に対応する低い周波数の交流電圧又は超低周波電圧
    による残存破壊電圧を決定し、これにより水トリー劣化
    したゴム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、こ
    の試験により該ケーブルが絶縁破壊を起こさないことに
    よって、請求項1の(3)項で設定した期間のゴム,プ
    ラスチックケーブルの余寿命を保証する、ことを特徴と
    する、ゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1の(1)項から(4)項に引き続
    き、(5)水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブ
    ルの絶縁体の残存AC破壊電圧と減衰振動波電気トリー
    発生電圧の相関関係を求め、又更に、水トリー劣化した
    ゴム,プラスチックケーブルの絶縁体の残存AC破壊電
    圧と商用周波数より低い周波数の交流電圧又は超低周波
    電圧による、水トリーから電気トリーを発生したゴム,
    プラスチック絶縁体の電気トリー再伸展電圧の相関関係
    を求め、前者の関係より、請求項1の(4)項で求めた
    残存AC破壊電圧に対応する減衰振動波電圧を決定し、
    この電圧による水トリー劣化したゴム,プラスチックケ
    ーブルの耐圧試験を行い、 次いで、後者の関係より請求項1の(4)項で求めた残
    存AC破壊電圧に対応する商用周波数より低い周波数に
    より水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの耐
    圧試験を行い、この試験により該線路が絶縁破壊を起こ
    さない事によって請求項1の(3)項で設定した期間の
    ゴム,プラスチックケーブルの余寿命を保証する、こと
    を特徴とする、ゴム,プラスチックケーブルの寿命判定
    試験方法。
  4. 【請求項4】前記(5)項の耐圧試験中に、併せて部分
    放電測定を行い、電気トリーが発生していない事を確認
    することを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項
    に記載のゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方
    法。
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