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JP3599465B2 - ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法 - Google Patents

ゴム、プラスチックケーブルの寿命判定試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水トリー劣化したゴム,プラスチック絶縁電力ケーブル(線路を含む。)の寿命判定試験方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム,プラスチック絶縁電力ケーブル(以下、単にケーブルと記す)は長期間の使用により絶縁体に水の浸入等の現象が見られる場合、水トリーと呼ばれる樹枝状の欠陥が絶縁体中に伸展していく。これを検出することでケーブルの劣化程度を判断し、運転継続か引き替えかを判断したいが、水トリーが絶縁体中を貫通していない場合は水トリーが発生する信号の検出が極めて困難であり、運転電圧より高いAC(商用周波交流の略)電圧や直流電圧、減衰振動波電圧等を印加して絶縁破壊させることにより、その有無を調べていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の水トリー検出方法では、絶縁破壊が起きた場合はケーブルの引き替え等の処置をとることが明確に判断できるが、破壊が起きなかった場合、ケーブルが後どのくらい使えるかといった余寿命に関する情報や、どのくらいの長さの水トリーが発生しているのか、等の情報が全く得られず、その後の処置を決定する判断材料が全く得られなかった。
【0004】
一方、水トリーの成長速度や水トリーから電気トリーが発生して絶縁破壊するAC電圧等のデータについての報告例はあるものの、ケーブルの余寿命と結びつけられる程厳密なデータや、水トリー長の長いもののデータについては、得られていないのが現状である。又実際に観察された水トリーの長さは短く、運転電圧のもとでは、当面の間絶縁破壊することは無さそうであるが、将来にわたって確実な保証を行う事は不可能である。
しかしながら、ケーブル線路の保守運営に携わる人達からは、水トリー劣化したケーブルが後どのくらいの期間、安全に使用できるか判断する基準を求められることが多く、またこれらを明確にすることは、線路の引き替え等、設備更新の計画を立てるために有用であり、当面の需要を乗り切れるか判断するためには、切実な問題である。
【0005】
そこで、耐圧試験を実施することにより、ケーブルが少なくともあとどのくらい使用可能であるか、すなわち余寿命を明確にすることを解決すべき課題の一つとした。
更に亘長の長い線路においては、AC電圧による試験が困難な場合がほとんどである。これは、AC電圧では充電電流が多く流れることにより設備容量が極めて大きなものとなり、実線路の試験設備として適用が困難になるためである。
そこで、設備規模が小型にでき、かつAC電圧との相関が明確なる電圧波形を用いた試験方法を供せるようにできることを、解決すべき課題の第二とした。
更に、このような試験では通常は運転電圧より過酷な電圧を印加することになるので、より確実に試験後のケーブルの健全性を確認できる方法をも考慮することとした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明においては、水トリー劣化したケーブルの、水トリー長と残存AC破壊電圧の関係を評価するため、通常の運転条件より過酷な条件(高い電圧,高い周波数,高い温度,不純物イオン存在下での浸水試験等)でケーブルを加速劣化させることにより、運転電圧で破壊する水トリーの長さが得られるような実験を行う。これによって発生した水トリーは通常の運転条件下で発生する水トリーと比較すると、劣化程度の進んだものとなる。詳細は実施例の項で示すが、例えば図1のような関係が得られる。このような試験により得られた結果は、運転条件よりも厳しい状況での関係、すなわち寿命評価の上では安全サイドの評価基準を与えることになる。
【0007】
一方、通常の使用条件での水トリーの成長速度は、実線路で使用されて撤去されてきたケーブルの材料調査により求めることができる。これらは、図2に示す様に水トリー長の短いものばかりとなり、図1に示したように運転電圧で破壊するような長い水トリー長のものは得られていない。しかし、これらは通常は上に凸な曲線、すなわち時間の経過につれて成長速度が低下する特性を示す。従って、一定期間、例えば運転開始から10年経過時点での水トリー長と図2のグラフ原点を結んだ直線により求まる水トリー成長の平均速度は、運転開始から10年移行における水トリー成長速度よりは高いものとなり、すなわち安全サイドの成長速度と評価できることとなる。
以上の関係より、つぎのような手続を経ることにより、ケーブルの余寿命保証を行うことが可能になる。
【0008】
まず、図2の如き関係より、例えば10年経過時点での水トリー長とグラフの原点を結び、この間の1年当りの水トリー成長長さ、すなわち水トリー成長速度を求める。この値に、例えば3を乗ずることによって3年間に伸びるであろう水トリーの長さを評価することができる。これは、勿論、安全サイドの評価となる。上記成長速度に代わり、水トリー長−経過年数のカーブ上で経過年数10年にて接線を引き、その勾配を成長速度とすることもできるが、安全度は落ちる。
【0009】
次いで、図1の如き関係より、運転電圧で破壊する水トリー長から、前述の3年間に伸びると評価した値を差引き、その水トリー長さを求める。この長さの水トリーに対応する残存AC破壊電圧を図1より決定することができる。よって、このAC電圧を水トリー劣化したケーブルに印加して絶縁破壊が発生しなければ、このケーブルは少なくとも向こう3年間の余寿命が保証されることになる。次に、亘長の長い線路においてはAC電圧での試験が困難となるため、試験設備を小型にするために、別途の電圧波形を用いる。請求項2の発明においては、商用周波数より低い周波数の交流電圧を用いる。この時、同一の水トリー長を有するケーブルを用いてAC電圧及び商用周波数より低い周波数の交流電圧による破壊試験を実施し、両電圧波形の相関関係を評価する。
【0010】
これにより、前述の例えば向こう3年間の余寿命を保証するためのAC耐電圧試験に代わってその電圧に対応する商用周波数より低い周波数の交流電圧により耐圧試験を行えば、試験設備を小型にした上で同様の余寿命保証が可能な試験を実施できる。一方、同様の目的から請求項3の発明においては、減衰振動波と商用周波数より低い周波数の交流電圧を組み合わせて用いる。この時、同一の水トリー長を有するケーブルを用いてAC電圧による破壊試験及び減衰振動波電圧よる電気トリー発生試験を実施し、両電圧波形の相関関係を評価する。また、同一の水トリー長を有するケーブルを用いて、AC電圧による破壊試験、及びそのケーブルで水トリーから電気トリーを発生したものを用いて、商用周波数より低い周波数の交流電圧により電気トリーを再伸展させて破壊に至らしめる試験を実施し、両電圧波形の相関関係を評価する。これにより、前述の向こう3年間の余寿命を保証するためのAC耐電圧試験に代わってその電圧に対応する減衰振動波電圧を印加し、引き続いて商用周波数より低い周波数の交流電圧により耐圧試験を行えば、試験設備を小型にした上で同様の余寿命保証が可能な試験を実施できる。
【0011】
更に、請求項4の発明においては、以上述べた3通りのいずれかの試験により水トリーから電気トリーが発生して、破壊しないままに試験が終了していないことを完全に保証するために、AC耐電圧試験、減衰振動波耐電圧試験又は商用周波数より低い周波数による耐電圧試験の際に部分放電測定を行う。
【0012】
【実施例】
以下本発明の実施例を詳細に説明する。
まず、水トリー長と残存AC破壊電圧の関係を求めるために、77kVCVケーブルを用いて浸水劣化加速試験を実施した。試験電圧は1kHz、ケーブルは80°Cの温水中に浸水し、温水には硫酸銅を溶解させ、これらの相乗効果により運転状態よりは厳しい条件で水トリーを発生させることとした。種々の累積課電時間でケーブルを取り出し、AC電圧による前駆遮断試験を実施して、水トリーから電気トリーが発生した電圧とその水トリーの長さについて得られた関係が、図1に示すものである。前駆遮断試験は10分ステップで電圧の昇圧を行った。この関係は、運転状態において成長した水トリーの長さと残存AC破壊電圧の関係が明確になっていない現状においては、安全サイドでこれを評価できるので非常に有意義なデータである。
【0013】
一方、実線路で一定期間使用された後に撤去された77kVCVケーブルの、使用年数と観察された水トリーの最大長の関係の調査を行った。その結果、図2に示すグラフを得ることができた。これを見ると分かるように、運転開始から時間が経過するにつれて、水トリーの成長速度が低下してくることが理解できる。ここで、例えば10年使用したケーブルの観察された最大の水トリー長は1.7mmであることが分かるため、10年間の水トリーの平均成長速度は0.17mm/年であることが分かる。グラフ原点と座標(10年,1.7mm)を結ぶ直線より、10年以上使用されたケーブルの水トリー成長速度は0.17mm/年よりは遅いことが分かるが、逆にこの値を用いることによりその後の水トリー成長に関しては、安全側の評価になることが分かる。これも、水トリーの長さが長いところでの成長速度に関して十分な知見が得られていない現状では、非常に有意義なデータである。
【0014】
以下、このデータをもとに、具体的な余寿命保証の実施例について詳しく述べる。
〔実施例1〕 実線路において12年使用され良品撤去された77kVのCVケーブルに対し、請求項1に示される発明を適用した。前述した10年経過時点での水トリー平均成長速度0.17mm/年をもとに、向こう3年間の余寿命保証を行うことを計画した。この平均速度より、3年間に成長する水トリーの長さは0.17mmX3=0.51mmである。図1より77kVCVケーブルの対地運転電圧44.5kVで破壊を起こす水トリー長は3.9mmであることが分かる。そこで、3.9−0.51=3.39mmの水トリーが存在した場合、残存AC破壊電圧は52kVであるため、この電圧で10分間のAC耐電圧試験を実施してケーブルの破壊が発生しなければ、このケーブルは少なくも向こう3年間の余寿命を有することが示されるはずである。
そこで、このケーブルを試料として30mサンプリングし、52kV/10分間のAC耐電圧試験を実施したところ、絶縁破壊が生ずることなく、無事試験を終了した。
【0015】
ついで、このケーブルが実際に3年間の余寿命を有している事を確認するため、上記耐圧試験後にこのケーブルを実線路を模擬した条件で44.5kVの長期課通電試験を実施した。
結果として、3年の間、ケーブルの絶縁破壊は生じることなく、無事長期課通電試験を終了した。この結果により、請求項1に示される発明により、確かにケーブルの余寿命保証が可能であることが立証できた。
【0016】
〔実施例2〕 水トリー劣化したCVケーブルのAC破壊電圧と商用周波数より低い周波数として超低周波破壊電圧(明細書中超低周波とは1ヘルツ以下の周波数のものをいう)をいう波電圧との相関関係を評価するため、CVケーブルの絶縁体と同一の材料より作った架橋ポリエチレンシート(絶縁厚さ2mm)を種々の長さに水トリー劣化させ、このシートのAC電圧及び超低周波電圧(波形は図3に示すように、周波数0.1Hzの三角波である。)による破壊試験を実施した。シートによりこのような実験を行った理由は、成長させる水トリーの長さを比較的自由に制御できるためである。これにより、破壊電圧レベルの異なる水トリー劣化シートを作製できる。
【0017】
さて、実験はAC電圧、超低周波電圧ともにスタート電圧10kV/10分、昇圧電圧5kV/10分で、種々の長さの水トリーを発生した試料が破壊を起こすまで電圧を印加した。その結果を図4に示す。これにより、AC電圧と超低周波電圧の破壊値には一定の相関関係が見られることが明らかになった。
次いで実施例1で用いた77kVのCVケーブルと同一のものの異なる部位を供試試料として30m準備した。実施例と同じく、向こう3年間の寿命を保証するAC耐圧値は52kV/10分である。このAC電圧値に対応する超低周波電圧値は、図4より97kVであることがわかる。そこで、超低周波電圧97kVで10分間の耐圧試験を行ったところ、絶縁破壊は発生しなかった。そこで、向こう3年間の余寿命が保証されるはずである。
【0018】
そこで、実施例1と同様に、このケーブルが実際に3年間の余寿命を有している事を確認するため、上記耐圧試験後にこのケーブルを実線路を模擬した条件で44.5kVの長期課通電試験を実施した。
結果として、3年の間、ケーブルの絶縁破壊は生じることなく、無事長期課通電試験を終了した。この結果により、請求項2に示される発明により、確かにケーブルの余寿命保証が可能であることが立証できた。
【0019】
〔実施例3〕 水トリー劣化したCVケーブルのAC破壊電圧と水トリー劣化したCVケーブルの減衰振動波による電気トリー発生電圧の関係、及び水トリー劣化したCVケーブルのAC破壊電圧と前記の減衰振動波により電気トリーが発生したCVケーブルの超低周波電圧による電気トリー再伸展後の破壊電圧の相関関係を評価するため、CVケーブルの絶縁体と同一の材料より作った架橋ポリエチレンシート(絶縁厚さ2mm)を種々の長さに水トリー劣化させ、このシートの減衰振動波による水トリーからの電気トリー発生試験、及び減衰振動波で電気トリーを発生させた後のシートの超低周波電圧(波形は図3に示すように、周波数0.1Hzの三角波である。)による電気トリー再伸展後の破壊試験を実施した。シートによりこのような実験を行った理由は、実施例2と同じである。これらの結果を実施例2のAC破壊試験結果と比較することで、所望の関係を得ることができる。
【0020】
実験では、種々の長さの水トリーを発生させたシートに対して、減衰振動波電圧で、スタート電圧10kV/1回、昇圧ステップ5kV/1回で印加することとし、減衰振動波電圧を1回印加する毎にシートの水トリー部分に電気トリーが発生しているか否かを顕微鏡で観察しながら、電気トリーが発生していなければ昇圧した減衰振動波を印加し、このステップを電気トリーが観察される迄繰り返して、減衰振動波による電気トリー発生電圧を求めた。
次いで、電気トリーを発生させた試料を、超低周波電圧をスタート電圧10kV/10分で、昇圧ステップ5kV/10分で試料が破壊を起こすまで電圧を印加した。これら結果を図5及び図6に示す。これにより、AC電圧と減衰振動波の電気トリー発生電圧及び超低周波電圧の電気トリー再伸展後の破壊値には一定の相関関係が見られることが明らかになった。
次いで実施例1で用いた77kVのCVケーブルと同一のものの異なる部位を供試試料として30m準備した。実施例1と同じく、向こう3年間の寿命を保証するAC耐電圧値は52kV/10分である。このAC電圧値に対応する減衰振動波による電気トリー発生電圧は図5より67kVであることが分かる。そこで、この電圧を1回印加した。
【0021】
続いて、このAC52kV/10分に対応する超低周波電圧による電気トリー再伸展後の破壊電圧は図6より39kV/10分であることが分かる。そこで、超低周波電圧39kVで10分間の耐圧試験を行ったところ、絶縁破壊は発生しなかった。そこで、向こう3年間の余寿命が保証されるはずである。
そこで、実施例1と同様に、このケーブルが実際に3年間の余寿命を有している事を確認するため、上記耐圧試験後にこのケーブルを実線路を模擬した条件で44.5kVの長期課通電試験を実施した。
【0022】
結果として、3年の間、ケーブルの絶縁破壊は生じることなく、無事長期課通電試験を終了した。この結果により、請求項3に示される発明により、確かにケーブルの余寿命保証が可能であることが立証できた。
なお、この実施例3は実施例2と比較すると2種類の電圧を印加する必要があるため、試験手順がやや煩雑になるものの、印加すべき減衰振動波電圧及び超低周波電圧は実施例2における超低周波電圧の電圧値よりも低い電圧で行えるため、試験設備の定格を低い電圧で抑えられるメリットがあることが確認できた。
【0023】
〔実施例4〕 実施例1で用いた77kVCVケーブルと同一のものの異なる部位を用い、減衰振動波及び超低周波電圧の印加を行い、更に超低周波電圧印加に際しては部分放電測定を同時に行った。部分放電は電気トリーが発生・伸展する際に検出される信号である。従って、これを測定することにより、絶縁体中の電気トリーの有無が確認できる。
この部分放電測定により、なんらの信号が検出されることがなかったため、一連の減衰振動波67kV/1回,超低周波39kV/10分の試験により、絶縁体中に電気トリーが発生していないことが確認された。
このように、部分放電測定を行うことにより、より確実に一連の耐圧試験終了時点での絶縁体健全性が確認できることになる。
上記のものは、請求項3項の耐圧試験における部分放電測定であるが、請求項1又は2に対する耐圧試験においても、部分放電測定を行っても良い。
【0024】
なお、以上説明した各実施例では、余寿命保証期間として3年を採用したが、この期間は何も3年間に限定されるべきものでなく、任意の期間を設定することができる。また、このようにして保証された期間が経過した時点で、改めて同様の試験を実施することにより、さらなる余寿命保証を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】
A 今まで明確な判断基準がなかったCVケーブルの余寿命に関し、「少なくとも何年は破壊せずに運転が可能である」といった保証期間を評価することを可能にする。
B 旦長の長い長距離ケーブル線路に対してはAC電圧による試験のできないことが多いが、これに商用周波数より低い周波数または減衰振動波+商用周波数より低い周波数の組み合わせにより、AC電圧と等価な耐電圧試験が小型の試験設備を用いることにより可能にする。
C 更に、減衰振動波と商用周波数より低い周波数を組み合わせることによって、試験による水トリーからの電気トリーの発生の有無をより確実に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いた水トリー長とAC残存破壊電圧の関係を示したデータ例。
【図2】本発明で用いたCVケーブルんの運転時間と水トリー長の関係を示したデータ例。
【図3】超低周波電圧波形の例。
【図4】水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC破壊電圧と超低周波破壊電圧の関係。
【図5】水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC破壊電圧と減衰振動波による電気トリー発生電圧の関係。
【図6】水トリー劣化架橋ポリエチレンシートのAC破壊電圧と電気トリー発生後の超低周波破壊電圧による電気トリー再伸展後の破壊電圧の関係。

Claims (4)

  1. 水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方法において、
    (1)成長した水トリー長とその長さの水トリーを有するゴム,プラスチックケーブルの残存AC破壊電圧の関係より、該ケーブルの運転電圧で破壊する水トリー長を求め、
    (2)水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの運転時間と該ケーブルに観察された水トリー長の関係より、水トリーの成長する速度を求めて評価し、
    (3)前記(2)項の成長速度に余寿命保証すべき年数を設定して乗じて、余寿命保証される期間内に成長が予想される水トリー長を求め、
    (4)前記(1)項で求めた運転電圧で破壊する水トリー長から前記(3)項で求めた予想される水トリー長を差し引いた水トリー長に対する残存AC破壊電圧を前記(1)項の関係より求め、
    (5)前記(4)項で求めた残存AC破壊電圧により、水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、これにより該ケーブルが絶縁破壊を起こさない事によって、前記(3)項で設定した期間のゴム,プラスチックケーブルの余寿命を保証する、
    ことを特徴とする、ゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方法。
  2. 請求項1の(1)項から(4)項に引き続き、
    (5)水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの絶縁体の残存AC破壊電圧と商用周波数より低い周波数の交流電圧による残存破壊電圧の相関関係を求め、この関係より請求項1の(4)項で求めた残存AC破壊電圧に対応する商用周波数より低い周波数の交流電圧による残存破壊電圧を決定し、これにより水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、この試験により該ケーブルが絶縁破壊を起こさないことによって、請求項1の(3)項で設定した期間のゴム,プラスチックケーブルの余寿命を保証する、
    ことを特徴とする、ゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方法。
  3. 請求項1の(1)項から(4)項に引き続き、
    (5)水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの絶縁体の残存AC破壊電圧と減衰振動波電気トリー発生電圧の相関関係を求め、又更に、水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの絶縁体の残存AC破壊電圧と商用周波数より低い周波数の交流電圧による、水トリーから電気トリーを発生したゴム,プラスチック絶縁体の電気トリー再伸展電圧の相関関係を求め、
    前者の関係より、請求項1の(4)項で求めた残存AC破壊電圧に対応する減衰振動波電圧を決定し、この電圧による水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、
    次いで、後者の関係より請求項1の(4)項で求めた残存AC破壊電圧に対応する商用周波数より低い周波数により水トリー劣化したゴム,プラスチックケーブルの耐圧試験を行い、この試験により該ケーブルが絶縁破壊を起こさない事によって請求項1の(3)項で設定した期間のゴム,プラスチックケーブルの余寿命を保証する、
    ことを特徴とする、ゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方法。
  4. 前記(5)項の耐圧試験中に、併せて部分放電測定を行い、電気トリーが発生していない事を確認することを特徴とする請求項1乃至3項のいずれか1項に記載のゴム,プラスチックケーブルの寿命判定試験方法。
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