JPH09234833A - 樹脂組成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体 - Google Patents
樹脂組成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体Info
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- JPH09234833A JPH09234833A JP4487096A JP4487096A JPH09234833A JP H09234833 A JPH09234833 A JP H09234833A JP 4487096 A JP4487096 A JP 4487096A JP 4487096 A JP4487096 A JP 4487096A JP H09234833 A JPH09234833 A JP H09234833A
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Abstract
に優れた、加熱殺菌、特にレトルト処理に適した樹脂組
成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体
を得ること。 【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール共重合体に
アリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架橋剤を含
有する樹脂組成物を提供すること。また、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体にアリルエーテル基を分子内に
2つ以上有する架橋剤を含有し、かつ水(10重量%)
−フェノール(90重量%)の混合溶媒中での不溶解率
が1%以上である食品包装材を提供すること。並びに、
エチレン−ビニルアルコール共重合体にアリルエーテル
基を分子内に2つ以上有する架橋剤を添加した組成物を
溶融成形した後に電離性放射線を照射し、架橋せしめる
ことを特徴とする食品包装材の製法を提供すること。さ
らに、上記食品包装材に内容物を充填し、加熱殺菌した
包装体を提供すること。
Description
に優れた食品包装材に適する樹脂組成物に関し、耐熱水
性、ガスバリア性、ロングラン成形性に優れた、加熱殺
菌、特にレトルト処理に適した食品包装材、その製法お
よびそれを用いた包装体に関する。
(以下EVOH)は酸素透過量が小さいことから食品包
装その他の包装用材として使用されているが、耐熱性、
耐熱水性が小さいという問題点があった。
EVOHに架橋を施すという技術に関しては従来から種
々の方法が提案されているが、多大な設備を必要とせ
ず、かつ高速度で工業的に有利に架橋させる上で様々な
問題があった。
OHフィルムを水と接触させて含水状態にして電子線を
照射することにより架橋せしめる方法が提案されてい
る。しかしながらこの方法の場合には、フィルムを電子
線照射により架橋可能な含水率にせしめるために、長時
間該フィルムを水中に浸漬しなければならないので、作
業工程が煩雑で高速生産が困難であるという問題があっ
た。
は、EVOHフィルムを溶液コート法にて形成し、乾燥
途上(溶媒残存量:10重量%程度以上)の膨潤状態で
電子線照射することにより、架橋せしめる方法が提案さ
れている。しかしながらこの方法の場合、溶媒残存量を
10重量%程度以上にコントロールすることが困難であ
り、乾燥途中の半製品を放置することもできず、生産プ
ロセスが大きく制限されるものとなってしまう。また、
溶剤が有機溶剤である場合には、電子線照射時に揮発す
る溶媒の存在によって照射装置内で爆発する危険性をも
有するという欠点があった。
は、EVOHに対し、架橋剤として多官能アリル系、多
官能(メタ)アクリル系化合物等を溶融混練せしめた後
に電子線照射し、EVOHを架橋せしめる方法が提案さ
れている。しかしながらそれらの架橋剤は熱的に不安定
なものが多く、溶融混練時の加熱によって分解すること
も多く、また、混練の段階でEVOHと反応してしま
い、ゲル化してしまう問題があり、長期間の運転には問
題があった。
は架橋剤として特にトリアリルシアヌレート(TAC)
およびトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を使用
し、これらをEVOHと溶融混練せしめた後に電子線照
射し、EVOHを架橋せしめる方法が提案されている。
しかしながらTAC、TAICについても混練の段階で
EVOHと反応してしまい、ゲル化してしまう問題があ
ると同時にEVOHと溶融混練した際に熱分解し、有毒
ガスが生成する可能性があるという問題があった。
な従来技術の欠点を解決するために創案されたものであ
り、耐熱水性、ガスバリア性、ロングラン成形性に優れ
た、加熱殺菌、特にレトルト処理に適した樹脂組成物、
食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体を提供
することを目的とする。
ビニルアルコール共重合体にアリルエーテル基を分子内
に2つ以上有する架橋剤を含有する樹脂組成物を提供す
ることにより達成され、エチレン−ビニルアルコール共
重合体にアリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架
橋剤を含有し、かつ水(10重量%)−フェノール(9
0重量%)の混合溶媒中での不溶解率が1%以上である
食品包装材を提供することによっても達成される。
体にアリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架橋剤
を添加した組成物を溶融成形した後に電離性放射線を照
射し、架橋せしめることを特徴とする食品包装材の製法
を提供することによっても効果的に達成される。さら
に、上記食品包装材に内容物を充填し、加熱殺菌した包
装体を提供することによっても効果的に達成される。
ール共重合体(以下EVOHと略す)はエチレンとビニ
ルエステルの共重合体をケン化することによって得られ
る。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なもの
としてあげられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル
(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニルなど)も使用できる。
有量は10〜70モル%であり、好適には20〜60モ
ル%、更に好適には25〜58モル%である。エチレン
含量が10モル%以下では耐水性に劣り、70モル%以
上ではガスバリア性に劣る。また、EVOHのケン化度
は90モル%以上が好ましく、98モル%以上がより好
ましく、99モル%以上が特に好ましい。ケン化度が9
0モル%以下ではガスバリア性に劣る。
れない範囲で他の単量体を少量共重合することもでき
る。共重合できる単量体の例としては、プロピレン、ブ
テン、イソブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン、オクテンなどのα−オレフィン、イタコン酸、メタ
クリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カ
ルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、その
ニトリル、そのアミド、その無水物、ビニルトリメトキ
シシランなどのビニルシラン系化合物、不飽和スルホン
酸、その塩、アルキルチオール類、ビニルピロリドンな
どがあげられる。
ニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有す
る場合は共押し出しする際の基材樹脂との溶融粘性の整
合性が改善され、均質な共押し出し多層フィルムの製造
が可能なだけでなく、EVOH同士をブレンドに使用す
る際の分散性が改善され成形性などの改善の面でも有効
である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例え
ば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ
−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げら
れる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランが好適に用いられる。
ルトインデックス(MI)(210℃、2160g荷重
下で測定した値)は0.1〜100g/10min.、
最適には0.5〜50g/10min.である。
ル基を2個以上有する化合物であり、具体的にはペンタ
エリスリトールトリアリルエーテル{HO−CH2−C
(CH2−O−CH2−CH=CH2)3}、ペンタエリス
リトールジアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘ
キサアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタア
リルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、グリセリ
ンジアリルエーテル、ジグリセリントリアリルエーテ
ル、ジグリセリンジアリルエーテルなどが挙げられる。
0重量部に対して0.01〜20重量部の範囲が好まし
く、より好適には0.1〜15重量部、特に好適には
0.5〜10重量部である。架橋剤量が0.01重量部
よりも少ないと、照射線量を大きくしても照射組成物の
水(10重量%)−フェノール(90重量%)混合溶媒
不溶解率(以下、不溶解率と記す)が上昇せず、レトル
ト処理時のEVOH層の白化、保存時の白身残留、形態
変形、ガスバリアー性悪化などの異常が改善できないだ
けでなく、フィルム強度の大幅低下、着色などの問題が
発生しやすい。一方、架橋剤量が20重量部を越えると
EVOHと架橋剤との分散性が悪化し、透明、均質なフ
ィルムが得られにくい。
の目的が損なわれない範囲で他の熱可塑性樹脂あるいは
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止
剤、滑剤、着色剤等の各種の添加剤を添加することがで
きる。
レフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブ
テン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフ
ィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸と
の共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、またはこれらを不
飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性した変
性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン6/66共重合体など)、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ
アセタールおよび変性ポリビニルアルコール樹脂などが
用いられる。また、エチレン含量、ケン化度等の異なる
別種のEVOHを配合しても良い。
ようなものが挙げられる。 安定剤:酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛、
酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ハイドロタルサイト類、エチレンジアミン四
酢酸の金属塩など。 酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4´−
チオビス−(6−tブチルフェノール)、2,2´−メ
チレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、オクタデシル−3−(3´,5´−ジ−t−ブチ
ル−4´−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート、
4,4´−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)な
ど。
3−ジフェニルアクリレート、2−(2´−ヒドロキシ
−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−
(2´ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノンなど。 可塑剤:フタール酸ジエチル、フタール酸ジメチル、フ
タール酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン
酸エステルなど。
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイ
ン酸、ポリエチレオキシド、カーボワックスなど。 滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレー
トなど。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラなど。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、マイカ、セリ
サイト、タルクガラスフレーク、バッラストナイト、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウ
ム、酸化ケイ素、モンモリロナイトなど。
ト、モンモリロナイトなどから選ばれる粉体1〜60重
量%と上記の樹脂ブレンド組成物99〜40重量%との
組成物はガスバリアー性が向上することにより、主とし
てカップ、トレーなどの容器に応用可能である。
成物から成形されてなるものである。成形方法は特に限
定されるものではないが、本願架橋剤は、溶融成形によ
って成形したときでも熱分解しにくく有毒ガスも発生し
ないので、長時間の溶融安定性(ロングラン性)を保つ
ことができる。かかる理由から、特に溶融成形するとき
に本願発明の効果が顕著である。溶融成形の方法は特に
限定されるものではなく、通常の溶融成形法が採用さ
れ、フィルム、シート、容器等に成形される。
など)から得られたフィルム、シートまたは容器は水−
フェノール混合溶媒の不溶解率が1重量%以上であるこ
とが重要であり、好適には5重量%以上、さらには10
重量%以上である。
とは水(10重量%)−フェノール(90重量%)の混
合溶媒100gに本願包装材料試料を1g入れ、70
℃、3時間加熱溶解した後、濾紙を用いて瀘過し、さら
に各10gの混合溶媒で2回濾紙を洗浄し、得られた瀘
液および洗液を集めて蒸発乾固して残った固形分量
{(a)g}から測定されるものであり、下記式により
算出される。 {1−(a)}×100(%) この不溶解率が1重量%未満の場合は本発明の目的であ
るレトルト時の白化、融着、ガスバリアー性の劣化を防
止する効果が少なくなる。
は、フィルム、シート、または容器を電離性放射線照射
する方法が採用される。電離性放射線としては電子線が
好適に用いられ、その照射量は0.1〜100Mrad
が好ましい。さらには0.5〜60Mradが好まし
い。照射量が100Mradを越えるとEVOHの分解
が生じることに伴い、フィルム強度の大幅低下、着色等
の問題が発生するため好ましくない。また照射量が0.
1Mradを下回ると、不溶解率が上昇せずレトルト処
理時のEVOH層の白化、形態変形、ガスバリア性悪化
などの以上が改善できない。
照射温度は室温以上、より好適には40〜80℃であ
り、雰囲気としては、特に限定されないが、窒素などの
不活性雰囲気中で行うことが望ましい。
通常、樹脂の分解、重合度の低下を示し、かつ融点が下
がる傾向にある。一方EVOHに該架橋剤等を添加する
と、左記の含水フェノール不溶解率が増加し、本発明の
レトルト時の白化、バリアー性悪化を大幅に改善する
が、含水フェノール可溶分のEVOHについては溶液粘
度、すなわち重合度が低下しており、照射により架橋と
分解が同時に進行していることがわかる。また照射品の
融点は上記同様未照射品と比較して低下する傾向にあ
る。
材は通常、他の熱可塑性樹脂との多層構成で使用され
る。ガスバリアー性を担う該組成物層の厚みは5〜25
0μ、通常10〜100μの範囲から選ばれる。一方、
内外層に使用する熱可塑性樹脂は任意のものが採用さ
れ、特に制限はないが、用途および要求される透湿性、
耐熱性、ヒートシール性、透明性などの性能を考慮して
内外層を選択することにより優れた包装材を得ることが
出来る。
リプロピレン、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩
化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂および照射架橋したポリプロピレン、ポリエチレン、
エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル
酸系共重合体、エチレン−アクリル酸エステル系共重合
体、エチレン−メタクリル酸エステル系共重合体などが
挙げられ、これらの樹脂が単独あるいは積層して使用さ
れる。
よって製造可能であり、共押出法、ドライラミネート
法、サンドラミネート法、押出ラミネート法、共押出ラ
ミネート法、溶液コート法などがある。
EVOH組成物(アリルエーテル基を2つ以上有する架
橋剤添加品)などを押出機より溶融状態下に積層し、ダ
イス出口よりフィルム状に製膜する方法であり、製膜し
た後、電離性放射線照射による架橋を行い、さらに必要
に応じて延伸、熱成形が行われる。
H組成物層と熱可塑性樹脂層を接着性樹脂をはさんで積
層する方法が好ましい。接着性樹脂としてはカルボキシ
ル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィンを用
いることが好ましい。かかる樹脂が、EVOH層と他の
樹脂層との接着性に優れているからである。
レフィン系樹脂としては、無水マレイン酸やイタコン酸
でグラフト変性されたポリオレフィン、あるいはアクリ
ル酸やメタクリル酸を共重合したポリオレフィンなどが
挙げられる。また、アイオノマーに代表されるようにポ
リオレフィン中に含有されるカルボキシル基の全部ある
いは一部が金属塩の形で存在していてもよい。また、エ
ポキシ基を含有するポリオレフィン系樹脂としては、グ
リシジルメタクリレート共重合ポリエチレン等が挙げら
れる。これらカルボキシル基あるいはエポキシ基を含有
するポリオレフィン系樹脂のうちでも、無水マレイン酸
等の酸無水物で変性されたポリオレフィン、特にポリエ
チレンが接着性に優れる点から好ましい。
じめ製膜しておいたEVOH組成物(アリルエーテル基
を分子内に2つ以上有する架橋剤添加品)単層を、電離
性放射線照射により架橋を行い、その後、接着剤をコー
トした熱可塑性樹脂層を熱ロールで接着多層化するか、
あるいは、左記方法で多層化したフィルムに電離性放射
線照射により架橋を行い必要に応じて延伸、熱成形を行
なう方法があげられる。ドライラミネートなどに使用さ
れるフィルムとしてはナイロンフィルム(CN、O
N)、ポリプロピレンフィルム(CPP、OPP)、ポ
リエチレンフィルム(PE、架橋PE)、ポリ塩化ビニ
リデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(EV
A、架橋EVA)などが挙げられる。
に電離性放射線を照射してから積層するかわりに、積層
体を製造してから全体に電離性放射線を照射しても良
い。
包装材、とりわけ加熱殺菌用なかんずくレトルト用包装
材として使用した時、最もその特徴が発揮される。食品
包装材の用途としては、ふた材、パウチ類、真空包装、
スキンパック、深絞り包装、ロケット包装などが好適で
あるが、さらに、フィルム包装以外にカップあるいはト
レー型の容器としても優れた性能を発揮する。また、ボ
トル形状あるいはチューブ状となすことも出来る。
熱殺菌、とくにボイル殺菌またはレトルト殺菌すること
により、保存性の優れた包装体を得ることができる。レ
トルト処理は回収式、置換式、蒸気式、シャワー式、ス
プレー式など各種の方法が採用される。レトルト処理を
実施した直後は本発明の包装材でも白色不透明になる場
合があるが、包装材の表面水を除去した後、しばらく放
置することで透明化する。より確実に透明化、ガスバリ
アー性の回復を望む場合には、40〜150℃、1〜1
20分間熱風で乾燥することが好適である。また他の加
熱殺菌法としては熱間充填法などもあげられる。
する。なお、評価は以下の方法によって行った。 [レトルト適性]架橋EVOHフィルムを120℃、2
kg/cm2の熱水下で30分処理した後のフィルムの
様子を次のように評価した。 ○・・・・全体的にフィルムの溶解がない。 △・・・・一部溶解。 ×・・・・全体的にフィルムが溶解し、形状を残さな
い。
インデックス(MI210℃)3.0g/10minの
EVOH100重量部に架橋剤としてペンタエリスリト
ールトリアリルエーテル(PETAE)1重量部とをド
ライブレンドし、25φ二軸押出機、230℃にてペレ
ット化を行い、EVOH組成物を得た。
出機、230℃にて20μmの単層製膜を連続6時間運
転を実施した。連続運転中、不均一な相分離異物は生成
しなかった。またこの単層フィルムに電子線照射装置
(キュアトロン:日新ハイボルテージ製)に導入して1
0Mrad(加速電圧200kv)の電子線を照射して
EVOHフィルムを架橋させた。この時、水/フェノー
ル=10/90重量比混合溶媒、70℃、3時間加熱溶
解試験による該フィルムの不溶解分の含量、即ち、不溶
解率は30%であった。
に示すように変更した以外は実施例1と同様の条件でフ
ィルムを得た。その結果を表1にまとめて示す。
伸ナイロンフィルム(ON)および、延伸ポリプロピレ
ンフィルム(OPP)をアンカーコート用接着剤を介し
てEVOH組成物層の両側にドライラミネートした。該
多層フィルムを製袋機にかけ、袋状のパウチを作り食品
充填後、真空下で投入口をヒートシールした。その後1
20℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、フィルム
形態は良好であり、処理直後は多少白味を帯びていた
が、3時間放置後には透明であった。この時のガスバリ
アー性は35cc・20μ/m2・24hr・atmと
比較的良好なガスバリアー性を示した。
延伸ナイロンフィルム(ON)および、延伸ポリプロピ
レンフィルム(OPP)をアンカーコート用接着剤を介
してEVOH組成物層の両側にドライラミネートした。
その後、加速電圧200KVの電子線で10Mradの
照射を行った。該照射フィルムの20℃、100%RH
下でのガスバリアー性は18cc・20μ/m2・24
hr・atmであ った。該多層フィルムを製袋機にか
け袋状のパウチを作り食品充填後、真空下で投入口をヒ
ートシールした。その後、120℃、30分間レトルト
殺菌処理した結果、フィルム形態は良好であり、処理直
後は多少白味を帯びていたが、3時間放置後には透明で
あった、この時のガスバアリアー性は28cc・20μ
/m2 ・24hr・atmと比較的良好なガスバリアー
性を示した。
トールトリアリルエーテル)のブレンドフィルム(未照
射品)を多層化する為、延伸ナイロンフィルム(ON)
および、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)をアン
カーコート用接着剤を介してEVOH組成物層の両側に
ドライラミネートした。その後、加速電圧200KVの
電子線で10Mradの照射を行った。
でのガスバリアー性は19cc・20μ/m2・24h
r・atmであった。該多層フィルムを製袋機にかけ袋
状のパウチを作り食品充填後、真空下で投入口をヒート
シールした。その後、120℃、30分間レトルト殺菌
処理した結果、フィルム形態は良好であり、処理直後は
多少白味を帯びていたが、3時間放置後には透明であっ
た。この時のガスバアリアー性は32cc・20μ/m
2・24hr・atmと比較的良好なガスバリアー性を
示した。
トールトリアリルエーテル1重量部からなるEVOH組
成物を、3種5層共押出装置にかけ多層シートを作成し
た。シートの構成は両最外層EVA樹脂層(三井デュポ
ンケミカル;エバフレックスP1403)が各300
μ、また接着性樹脂層(三井石油化学;アドマーVF−
600、EVA樹脂の無水マレイン酸変性物)各50μ
m、さら内層中央には上記EVOH組成物層50μmで
ある。その後、加速電圧200kVの電子線で10Mr
adの照射を行ない、得られたシートをパンタグラフ式
二軸延伸機にかけ90℃で延伸倍率3×3倍で同時二軸
延伸を行った。
ムラ、偏肉も少なく外観、透明性も比較的良好であっ
た。このフィルムを20℃、100%RHに調湿し、ガ
スバリアー性を測定した所、15cc・20μ/m2・
24hr・atmと良好なガスバリアー性を示した。ま
た90℃での熱収縮性を測定したところ、65%の面積
収縮率を示した。該延伸フィルムを120℃、30分間
レトルト殺菌処理した結果、処理直後は多少白味を帯び
ていたが、3時間放置後には透明であった。この時のガ
スバリアー性は24cc・20μ/m2・24hr・a
tmと、比較的良好なガスバリアー性を示した。
層EVA樹脂層が各30μmまた接着性樹脂層が各5μ
m、最内層中央には上記EVOH層10μmに変更し、
得られたシートをスキンパック包装機(ムルチバック社
製;180℃)にかけスキンパック包装を実施した。そ
の結果、包装フィルムの外観は折れジワ、内容物のつぶ
れもなく良好であった。また、該スキンパック包装袋を
120℃、30分間レトルト殺菌処理した結果、処理直
後は多少白味を帯びていたが、1時間放置後には透明で
あった。この時のガスバリアー性は29cc・20μ/
m2・24hr・atmと比較的良好なガスバリアー性
を示した。
性、ロングラン成形性に優れた、加熱殺菌、特にレトル
ト処理に適した樹脂組成物、食品包装材、その製法およ
びそれを用いた包装体が提供される。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体に
アリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架橋剤を含
有する樹脂組成物。 - 【請求項2】 エチレン−ビニルアルコール共重合体に
アリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架橋剤を含
有し、かつ水(10重量%)−フェノール(90重量
%)の混合溶媒中での不溶解率が1%以上である食品包
装材。 - 【請求項3】 エチレン−ビニルアルコール共重合体に
アリルエーテル基を分子内に2つ以上有する架橋剤を添
加した組成物を溶融成形した後に電離性放射線を照射
し、架橋せしめることを特徴とする食品包装材の製法。 - 【請求項4】 請求項2に記載の食品包装材に内容物を
充填し、加熱殺菌した包装体。
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---|---|---|---|
JP04487096A JP3647537B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 樹脂組成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体 |
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JP04487096A JP3647537B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 樹脂組成物、食品包装材、その製法およびそれを用いた包装体 |
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