JPH0920696A - ジフルオロメタンの製造法 - Google Patents
ジフルオロメタンの製造法Info
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Abstract
して気相接触フッ素化を行うことによるジフルオロメタ
ンの合成方法を提供。 【解決手段】 反応を塩素の存在下で行って触媒の寿命
を延長する。
Description
分野に関し、さらに詳しくは、塩化メチレンの接触フッ
素化によるジフルオロメタン(F32)の製造に関す
る。
メタンは、オゾン層をおかすことがない。従ってジフル
オロメタンは、特にCFC(クロロフルオロ炭化水素)
の代替物として有用である。1,1,1−トリフルオロ
エタン(F143a)、1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタン(F134a)またはペンタフルオロエタン
(F125)のような他のヒドロフルオロアルカン類と
の混合物として、冷凍、空調およびその他の用途分野に
おいて、特にF22(クロロジフルオロメタン)および
F502(F22とクロロペンタフルオロエタンの共沸
混合物)の代替物としての用途が指向されている。
られている。F12(ジクロロジフルオロメタン)また
はF22の水素化分解(日本特許第60−01731号
および欧州特許第508 660号)は、一般的に低い
選択性しか示さず、かつ価値のないメタンが副産物とし
て生成されるという欠点がある。最近、ビス(フルオロ
メチル)エーテルのフッ素化によりF32を製造するこ
とが提案されている(欧州特許第518 506号)。
0)をフッ素化することによりF32を製造することも
可能である。多くの特許がこの反応に関して、Cr2 O
3 、CrF3 、AlF3 、Cr/炭素、Ni/AlF3
などの触媒の使用を必須要件として挙げている。
触媒が急速に炭化するか、あるいは結晶化する傾向があ
ることである。この問題は、触媒の安定性を良好に保ち
つつ、高い空時収率と良好な選択性を達成しようとする
場合に非常に厄介なものとなる。
および酸化クロムの機械的混合物のような特殊な触媒を
採用することが提案されている(英国特許第821 2
11号)。この特許は塩化メチレンのフッ素化を例示し
ているが、この触媒で得られるF32の空時収率は低く
(<200g/h/l)、またその試験の累計反応時間
は5時間にも満たない。
めに、しばしばフッ素化反応中に酸素または空気を連続
的に吹き込むことが考えられている。このような観点か
ら、日本特許第51−82206号では酸化クロムから
調製した触媒の活性を維持するために、0.001〜1
%の酸素を使用することを記載している。ただしこの特
許の実施例は、ペルハロゲン化物質(CCl4 、C2 C
l3 F3 )のフッ素化反応に関するものだけである。
現れることである。実際に、フッ素化触媒として周知の
酸化クロムは、HClの酸化のための良好な触媒でもあ
る(米国特許第4 803 065号および米国特許第
4 822 589号)。フッ素化反応中に導入される
酸素は生成されたHClと反応して、水と塩素を生成す
る。腐食の問題のため、フッ素化反応工程では水の存在
は特に望ましくないものである。
許第49−134612号において、ペルハロゲン化分
子の不均化のために使用される触媒の活性を安定化させ
ることを目的として提案されており、この場合は塩素を
使用しても選択性を低下させることはない。
用についても、CF3 CH2 Clのフッ素化のケースに
ついて記述されている(米国SIR登録第H1229
号)。ここで提示されている実施例は明らかに、塩素の
使用によりCF3 CH2 F(F134a)の空時収率が
安定的に維持され得ることを示している。他方、反応の
選択性に対する塩素の影響に関しては何ら言及されてい
ない。
H2 Cl(F133a)のフッ素化の場合には、塩素化
反応の存在が示されており、無価値の副産物が生成され
る。このように、F133aのフッ素化の場合、主とし
てF120シリーズ(C2 HCln F5-n )の物質が生
成されることになる。
るが、これによる選択性の損失は酸素の存在下でのクロ
ム触媒による水素化分子のフッ素化においても観察され
ている。これがいくつかの特許(たとえば、欧州特許第
546 883号参照)において、HClの酸化と塩素
の副生を抑える特殊な触媒の調製を特許請求している所
以である。
めの手段】塩化メチレンの挙動はF133aのそれと似
ていると想定され、そのため塩素の使用は触媒活性の維
持にあまり役立たないであろうと考えられる。しかしな
がら、塩化メチレンのフッ素化の場合には、比較的高い
塩素量(Cl2 /F30=3モル%)であっても、意外
にも塩素はF30シリーズの化合物(CH2 ClnF
2-n )とはほとんど反応しないことが見い出された。こ
れによって反応選択性を著しく損なうことなしに塩素を
使用できることになる。
6号では、使用する塩素より低い濃度であっても、酸素
が触媒活性を維持することが示されている。しかしなが
ら、塩化メチレンのフッ素化反応中に等濃度の塩素を連
続的に導入する方が、触媒活性の安定化のためには酸素
の添加より効果的な手段である、と解明されている。事
実、高い時空収率条件下においては、たとえ高温であっ
ても酸素の添加は触媒活性を維持するためには不充分で
あるのに対し、塩素の添加は250℃以上の温度におい
て触媒寿命を著しく延ばすことができ、従って、結晶化
による不可逆的な失活が非常に起こりにくい温度範囲で
塩化メチレンのフッ素化反応を行うことができることに
なる。
下で行わせることを特徴とする、無水フッ化水素酸を使
用しての塩化メチレンの気相接触フッ素化によるジフル
オロメタン製造のための方法にある。
(純粋な状態、あるいは窒素またはヘリウムのような不
活性ガスで希釈した状態で)リアクター中へ、塩化メチ
レンおよびHFとともに同時に導入される。
範囲内で変えることができ、通常は0.01〜10%の
範囲である。好ましくは0.05〜5%のCl2 /CH
2 Cl2 モル比が採用され、さらに好ましくは0.1〜
3%の範囲である。また、塩化メチレン中に塩素を溶解
して導入することも可能である。
ある。しかしながら、結晶化による触媒の失活の危険を
なくし、高い空時収率を得るためには250〜380℃
の範囲の温度で反応させるのが好ましい。
るフッ素化触媒は、バルク型触媒または担持型触媒で、
担体は反応混合物中で安定なもの、たとえば、活性炭
素、アルミナ、部分的にフッ素化されたアルミナ、三フ
ッ素化アルミナまたはリン酸アルミニウムである。部分
的にハロゲン化されたアルミナとは、フッ素の含有量が
多く、かつ主としてアルミニウム、フッ素および酸素を
含むもので、AlF3 としてのフッ素量が全重量の少な
くとも50%を占めるものを意味する。
に周知のいずれかの方法(ゾル−ゲル法、クロム塩から
の水酸化クロム沈降、無水クロム酸の還元など)で調製
される、三酸化クロムおよび三フッ素化クロムをあげる
ことができる。ニッケル、鉄、バナジウム(III酸化
状態)、マンガン、コバルトまたは亜鉛などの金属の誘
導体もまた、それら単体でもクロムとの組み合わせで
も、バルク型ならびに担持型触媒の形で用いることが適
切である。アルカリ土類金属、希土類、グラファイトま
たはアルミナも、触媒の熱的あるいは機械的安定性を向
上させるために、これらの触媒の中あるいはそれらの担
体中に、組み入れることもできる。複数の金属誘導体を
組み合わせて触媒を調製する際に、機械的な混合、ある
いは共沈または共浸のような他の手法により触媒を作る
こともできる。
押出し成型品、錠剤型とすることができ、あるいは固定
床で使用する場合には断片型の形状のものでもよい。反
応を流動床で行う場合には、ビーズまたは押出し成型品
の形状の触媒を採用するのが好ましい。
れらに限定されるものではない: −フランス特許第2 501 062号に記述のゾル−
ゲル法により得られる酸化クロムのマイクロビーズ、 −酸化クロムを活性炭素に堆積(米国特許第4 474
895号)、リン酸アルミニウムに堆積(欧州特許第
55 958号)またはフッ素化アルミニウム(米国特
許第4 579 974号および第4 579 976
号)に堆積させた酸化クロム触媒、 −フッ素化アルミニウムに堆積させた酸化クロムおよび
塩化ニッケル混合触媒(欧州特許出願第0 486 3
33号)、 −結晶酸化クロムをベースとしたバルク型触媒(欧州特
許出願第657 408号)、 −酸化ニッケルと酸化クロムをベースとしたバルク型触
媒(欧州特許出願第0546 883号)、 −酸化バナジウムおよび酸化クロムをベースとしたバル
ク型触媒(欧州特許出願第0 657 409号)。
らびに賦活の方法を広範に記述したものであり、それら
の内容をここに本明細書の一部として引用する。触媒の
賦活は不活性(窒素)または活性(空気または1,1,
2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン)の
化合物で希釈したガス状HFでフッ素化することによ
り、安定で活性な触媒に予備転換するものである。この
賦活工程で活性物質(たとえば酸化クロム)または担体
(たとえばアルミナ)として働く酸化金属は、部分的あ
るいは完全に対応フッ化物に転換される。
び欧州特許出願第0 546 883号に記述されてい
る、クロムおよびニッケルをベースとする混合触媒は特
に好ましいものである。
で測定)の比率として規定される接触時間は広い範囲で
変えることができ、通常は0.01〜20秒の間であ
る。実用上は0.1〜5秒の間の接触時間とするのが好
ましい。
で行うことができる。1〜20絶対バ−ルの範囲の圧力
を選択するのが好ましい。
るが、本説明はこれら実施例によって制限されるもので
はない。
をベースとした触媒の調製と賦活 回転式エバポレータの中に、あらかじめ窒素およびフッ
化水素酸により約300℃でフッ素化処理して部分的に
フッ化したアルミナ(全体で、83質量%のフッ素化ア
ルミニウムおよび16%のアルミナを含む)250ml
を入れる。このフッ素化担体は含浸前で下記の物理化学
的特性を示す: 形状:直径1〜2mmのビーズ 見掛け密度:0.57g/ml BET表面積:67m2 /g 孔容積:0.72ml/g(半径4nmから63μmの
範囲の孔)。
よび塩化ニッケル6水和物29gを含む水溶液、および
水50gにメタノール17.8gを含むメタノール性溶
液を、攪拌しながら担体に同時に加える。担体への含浸
は45分間、大気温度および大気圧下で攪拌しながら行
う。
0℃で4時間乾燥した後、インコネル600製のリアク
ターに充填し、欧州特許第0 486 333号に記述
されている手順に従って、窒素/HF混合物により固定
床として賦活する。このようにして賦活されたNi−C
r/AlF3 触媒の物理化学的特性は次のとおりであ
る: 化学的組成(重量比): フッ素:58.6% アルミニウム:25.9% ニッケル:6.4% クロム:6.0% 物理的特性: 半径4nmから63μmの範囲の孔の容積:0.4ml
/g BET表面積;23m2 /g。
容積40mlのインコネル600製の管状リアクターに
充填し、第一段階として、HFおよび塩素をそれぞれ
0.45モル/hおよび0.005モル/hの流速で導
入する。次に、温度150℃に設定された予熱器中で気
化した塩化メチレンを気体状で、リアクター中に0.1
5モル/hの流速で導入する。リアクター温度を300
℃に維持し、この条件下における接触時間は0.5秒で
ある。
成物を洗浄・乾燥し、ガスクロマトグラフィにより分析
する。次の表は48、171、338および527時間
の連続運転で得られた結果をまとめたものである。
ず、これらの反応条件下では塩素化副産物は少量にとど
まった。これら副産物の主なものは、F20(トリクロ
ロメタン)、F21(フルオロジクロロメタン)、F2
2(クロロジフルオロメタン)およびF23(トリフル
オロメタン)である。
加によりF32の空時収率1100g/h以上、ならび
にF31+F32の選択性99.5%以上という安定し
た活性を維持できた。
供給を停止した以外は実施例1と同様の条件で反応を行
った。次表にまとめた結果は、塩素が存在しない場合に
は触媒が急速に失活することを示している。
かわりに空気の形で酸素を導入した以外は実施例1と同
様の条件で反応を行った。空気の流速は、O2/CH2
Cl2 モル比が3%になるように調節した。結果を下表
に示す。
と結論される。フッ素化試験の最後では固体触媒が炭化
し、その炭素含有量(重量)は2.5%であった。
および空孔容積(4nm<r<63μm)0.1ml/
gのものである。この触媒を無水HFで賦活した後使用
する。この目的のために、先ず最初に酸化クロムを20
0℃で乾燥し、次にN2 /HFの混合物を用いて200
℃で処理した。初期の発熱がおさまった後、温度を38
0℃に上げる。次にこの触媒を純粋な無水HF流中で3
80℃に18時間保つ。
有する: フッ素含有重量:27% クロム含有重量:53% 半径4nmから63μmの孔の容積:0.13ml/g BET表面積:101m2 /g。
チレンをフッ素化した。洗浄・乾燥後、反応生成物をガ
スクロマトグラフィにより分析した。結果を次表にまと
めて示す。
素化生成物は少量にとどまった(F31+F32に対す
る選択率>98%)。副産物の主なものは、F20(ト
リクロロメタン)、F21(フルオロジクロロメタ
ン)、F22(クロロジフルオロメタン)およびF23
(トリフルオロメタン)であり、それぞれ0.5%、
0.1%、0.1%および1.3%の平均選択率で生成
された。
mlを、直径21mm、容積150mlのインコネル6
00製の管状リアクターに充填し、次いで反応物(H
F、F30およびCl2)を300℃、圧力1.5MP
a(絶対圧力)で、下記の流速で供給した: −HF:3モル/時間 −F30:1モル/時間 −Cl2 :0.02モル/時間。
時間は15秒である。リアクターから取り出した後、粗
反応ガスをガスクロマトグラフィにより分析した。
後に得られた結果をまとめたものである。
これらの反応条件下においては、塩素の連続添加によ
り、触媒1リットル当りのF32の空時収率470g/
h、ならびにF31+F32の選択性97%という安定
した活性を維持できた。
た。
転後に得られた結果は次表の通りである。
間であっても、触媒活性は相当低下し(4時間で約13
%)、これによってF32の空時収率が触媒1リットル
あたり421から366g/hに低下した。
Pa)で行った。ただし同じNi−Cr/AlF3 触媒
を新たに充填(35ml)し、250℃、接触時間5秒
間で反応を行った。反応物の供給流速は次のとおりであ
る。
間、および785時間の連続運転後に得られた結果は次
表の通りである。
(触媒1リットルあたり1435g/h)、塩素の添加
により触媒の活性を維持することができ、F31+F3
2の選択率は約98%であった。
Claims (6)
- 【請求項1】 反応を塩素の存在下で行わせることを特
徴とする、無水フッ化水素酸を使用した塩化メチレンの
気相接触フッ素化によるジフルオロメタンの製造法。 - 【請求項2】 Cl2 /CH2 Cl2 モル比を0.01
%〜10%の範囲、好ましくは0.05%〜5%の範
囲、さらに好ましくは0.1%〜3%の範囲とする、請
求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】 反応を200〜450℃の範囲の温度、
好ましくは250〜380℃の範囲の温度で行わせる、
請求項1または2に記載の製造法。 - 【請求項4】 クロムおよびニッケルをベースとするバ
ルク型または担持型混合触媒を使用する、請求項1から
3のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項5】 接触時間を0.01〜20秒の範囲、好
ましくは0.1〜5秒の範囲とする、請求項1〜4のい
ずれかに記載の製造法。 - 【請求項6】 反応を1〜20絶対バールの圧力下で行
わせる、請求項1から5のいずれかに記載の製造法。
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