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JPH0918492A - Atm通信網および故障復旧方法 - Google Patents

Atm通信網および故障復旧方法

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JPH0918492A
JPH0918492A JP7166048A JP16604895A JPH0918492A JP H0918492 A JPH0918492 A JP H0918492A JP 7166048 A JP7166048 A JP 7166048A JP 16604895 A JP16604895 A JP 16604895A JP H0918492 A JPH0918492 A JP H0918492A
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message cell
virtual path
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JP7166048A
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Eiji Oki
英司 大木
Naoaki Yamanaka
直明 山中
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 交換機の故障を前提とした故障復旧対策を行
う。 【構成】 交換機の故障時に、着交換機から故障復旧メ
ッセージセルを送出して交換機が自律分散的に情報を交
換し、発交換機に網状態を通知してルートの切替えを行
い、交換機故障によるルート障害がVCルートレベルに
より復旧される。 【効果】 交換機の高信頼性を確保するための冗長なハ
ードウェア構成を省略することができる。このため交換
機のコストを低減することができる。さらに、集中的に
故障復旧を行う装置を設けることなく故障復旧を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はATM(非同期転送モー
ド)通信網に利用する。特に、伝送路に介挿された通信
装置の故障に対する故障復旧技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ATM通信網は、物理的には、バーチャ
ルチャネル(Virtual Channel: 以下VCという)を単位
としてスイッチングを行うバーチャルチャネルハンドラ
(Virtual Channel Handler、交換機)と、バーチャルパ
ス(Virtual Path:以下VPという)を単位として情報転
送の方路を設定するバーチャルパスハンドラ(Virtual P
ath Handler:VPH、またはクロスコネクト、XC)と
が伝送路により接続されて構成される。理論的には、V
CH間がVPにより接続され、VPは零または1以上の
VPHを経由してVCHで終端される。
【0003】従来の通信装置の故障に対する故障復旧方
法を図12に示す。図12は従来の故障復旧方法の概念
を示す図である。従来の故障復旧方法には、図12
(b)に示す物理レベルの故障復旧と図12(a)に示
すVPレベルの故障復旧がある。物理レベルの故障復旧
を実現するためには、物理伝送路リンクを2重化してお
き、一方を現用系、もう一方を予備系としておく。も
し、現用系の通信装置に故障が発生したら、現用系から
予備系に切替えられ、故障が復旧される。しかし、物理
レベルの故障復旧では、常時、物理伝送路リンクを2重
化しておかなければならず、網リソースを効率的に利用
できないという問題がある。
【0004】そこで、ATM通信網の特徴であるVPの
概念を適用したVPレベルの故障復旧方法がある。VP
は、情報転送単位であるセルに付与されたヘッダ領域中
のVPI(Virtual Path Identifier) により識別され、
VPHにおいては、パスの接続先を記述したパス接続
(ルーティング)テーブルにより経路が設定される。V
Pレベルの故障復旧は、VPの経路と容量が独立に設定
できることを利用して、故障により切断されたVPを、
故障箇所を迂回して新たに形成されたVPに切り換える
ことにより実現される。特に、故障発生時に、ATM通
信網を一元的に監視している集中局があらかじめ設定さ
れた迂回パス情報に基づき網内の各ノード(VCH、V
PHその他)に対して制御を行う方式を集中制御方式、
各ノードが自律分散的に迂回パスを探索・復旧させる故
障復旧方式をセルフヒーリング方式という。VPレベル
の故障復旧では、物理レベルの故障復旧と比較して、伝
送路の網リソースを効率良く利用できる点や網の変化に
柔軟に対応できる点で、優れている。したがって、従来
の故障復旧方法として、物理レベルとVPレベルとを組
み合わせた故障復旧方法が適用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の物理レ
ベルとVPレベルのみの故障復旧方法では、VCH(交
換機)の故障は前提とされないため、高信頼な交換機が
必要である。また、複数のメディアが混在するATM通
信網においては、メディア毎に要求される信頼度が異な
るが、最も高く要求される信頼度に合わせて信頼性を満
足するように交換機が設計されており、あまり、信頼度
を要求しないメディアに対しては、冗長であった。図1
3は高信頼化された交換機の概念図であるが、高信頼化
された交換機では、図13のようにスイッチ部、I/O
部、およびCPU部が二重化されており、さらに、これ
らのユニットはクロスルートで結合されている。このよ
うな2重化によって高信頼化された交換機のコストは、
単純な構成を持つ交換機のコストと比べ、4倍から6倍
程度高くなってしまう。
【0006】本発明は、このような背景に行われたもの
であり、交換機の故障を前提とした故障復旧対策を行う
ことができるATM通信網および故障復旧方法を提供す
ることを目的とする。本発明は、交換機の高信頼性を確
保するための冗長なハードウェア構成を省略することが
できるATM通信網および故障復旧方法を提供すること
を目的とする。本発明は、交換機のコストを低減するこ
とができるATM通信網および故障復旧方法を提供する
ことを目的とする。本発明は、集中的に故障復旧を行う
装置を設けることなく故障復旧を行うことができるAT
M通信網および故障復旧方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】単純な構成を持つ交換機
を通信装置として適用するとき、交換機の故障時のVC
ルート障害を敏速に復旧する必要がある。そこで、本発
明は、交換機の故障時にVCルート障害を敏速に復旧す
る方法を提供することを特徴とする。その方法としては
交換機の故障時に、発着交換機間の現用ルート障害を復
旧するために着交換機から故障復旧メッセージセルを送
出し、交換機が自律分散的に情報を交換して発交換機に
網状態を通知し、ルートの切替えを行い、交換機故障に
よるルート障害がVCルートレベルにより復旧される。
これをVCルートレベルのセルフヒーリングという。
【0008】従来技術では、VPレベルのセルフヒーリ
ングが行われていたが、本発明の特徴とするところは、
VCルートレベルのセルフヒーリングによって、交換機
故障時のVCルート障害を復旧することができることに
ある。
【0009】すなわち、本発明の第一の観点は、複数の
加入者交換機と、この複数の加入者交換機相互間を接続
する複数の物理伝送路と、この複数の物理伝送路に介挿
される中継交換機とを備え、前記複数の加入者交換機の
間にバーチャルパスが設定されるATM通信網である。
【0010】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記加入者交換機には、バーチャルパスに故障復旧メッセ
ージセルを送出する手段を備え、この故障復旧メッセー
ジセルは、宛先領域およびメッセージ領域を有し、その
宛先領域に一以上の中継交換機を経由して相手側の加入
者交換機に到達するための情報が搭載され、前記中継交
換機には、経由する前記故障復旧メッセージセルのメッ
セージ領域にその中継交換機の空帯域情報を搭載させる
手段を備えたところにある。
【0011】前記メッセージ領域には、経由する中継交
換機の数を搭載するホップカウンタ領域が設けられ、前
記中継交換機には、故障復旧メッセージセルが通過する
毎にこのホップカウンタ領域に搭載された中継交換機の
数を加算する手段を備えることが望ましい。
【0012】前記加入者交換機には、バーチャルパスに
介挿された中継交換機の故障の可能性を認識する手段を
備え、前記故障復旧メッセージセルを送出する手段は、
この認識する手段の出力にしたがって故障復旧メッセー
ジセルを送出することが望ましい。
【0013】前記加入者交換機には、複数のバーチャル
パスを介して到来する故障復旧メッセージセルを受信す
る手段を備え、この故障復旧メッセージセルに含まれる
空帯域情報および中継交換機の数にしたがって利用する
バーチャルパスを選択する手段を備えることが望まし
い。
【0014】本発明の第二の観点は故障復旧方法であ
り、その特徴とするところは、加入者交換機に設定され
るバーチャルパスには現用のバーチャルパスおよび予備
のバーチャルパスとなりうる複数のバーチャルパスがあ
らかじめ設定され、この現用のバーチャルパスに介挿さ
れる中継交換機に故障の可能性が認識されたとき、前記
加入者交換機は故障復旧メッセージセルを前記予備のバ
ーチャルパスとなりうる複数のバーチャルパスにそれぞ
れ送出し、この故障復旧メッセージセルの宛先となる加
入者交換機では、この故障復旧メッセージセルに搭載さ
れた空帯域情報および中継交換機の数にしたがって前記
予備のバーチャルパスとなりうる複数のバーチャルパス
のいずれかを選択するところにある。
【0015】この故障復旧方法では、前記加入者交換機
は一つの通信網の中に多数分散して存在し、各加入者交
換機がこの故障復旧方法を自律分散的に実行することが
特徴である。
【0016】本発明の第三の観点は故障復旧待機方法で
あり、その特徴とするところは、加入者交換機に設定さ
れるバーチャルパスには現用のバーチャルパスおよび予
備のバーチャルパスとなりうる複数のバーチャルパスが
あらかじめ設定され、この現用のバーチャルパスに介挿
される中継交換機の故障がなくても、前記加入者交換機
は故障復旧メッセージセルを前記予備のバーチャルパス
となりうる複数のバーチャルパスにそれぞれ送出し、こ
の故障復旧メッセージセルの宛先となる加入者交換機で
は、この故障復旧メッセージセルに搭載された空帯域情
報および中継交換機の数にしたがって前記予備のバーチ
ャルパスとなりうる複数のバーチャルパスのいずれかを
予備のバーチャルパス候補としてあらかじめ選択すると
ころにある。
【0017】この故障復旧待機方法では、前記加入者交
換機は一つの通信網の中に多数分散して存在し、各加入
者交換機がこの故障復旧待機方法を自律分散的に実行す
ることが特徴である。
【0018】本発明の第四の観点は故障復旧方法であ
り、その特徴とするところは、一つの通信網内にある加
入者交換機は自己にバーチャルパスを設定する自己およ
びまたはその通信網に属する他の加入者交換機に宛てて
故障復旧メッセージセルをバーチャルパスにそれぞれ送
出するところにある。
【0019】この明細書では、加入者交換機と中継交換
機とをあたかも異なる通信装置であるかのような表現を
用いているが、これは説明をわかりやすくするためのも
のであり、同一のハードウェア構成の通信装置により実
現することができる。
【0020】
【作用】本発明の方法では、VCルートレベルのセルフ
ヒーリングによって、着交換機から故障復旧メッセージ
セルを送出して、交換機が自律分散的に情報を交換し、
発交換機に網状態を通知し、ルートの切替えを行い、交
換機故障時のVCルート障害を復旧することができるの
で、高信頼な交換機を使用する必然性がなくなり、単純
な構成を持つ交換機を使用することにより、コスト削減
が図られる。
【0021】着交換機が送出する故障復旧メッセージセ
ルはバーチャルパスを介して発交換機に到達する。この
バーチャルパスは、予備のバーチャルパスとなりうるバ
ーチャルパスとしてあらかじめ定められているバーチャ
ルパスでもよいし、故障が認識されていない不特定のバ
ーチャルパスでもよい。
【0022】故障復旧メッセージセルは、着交換機から
発交換機に到達する間に通過するバーチャルパスの空帯
域情報を収集する。言い方を替えると、通過するバーチ
ャルパスに介挿されている中継交換機は、故障復旧メッ
セージセルを通過させるときに、自己の中継交換機にお
ける空帯域情報を故障復旧メッセージセルの例えばメッ
セージ領域に搭載する。また、同時に通過した中継交換
機の数も情報として搭載する。発交換機では、空帯域情
報および通過した中継交換機の数の情報を参考にして予
備のバーチャルパスとして最適なバーチャルパスを選択
する。以降は、このバーチャルパスにバーチャルチャネ
ルを設定して通信を再開する。
【0023】故障復旧メッセージセルの送出は現用のバ
ーチャルパスあるいは現用のバーチャルパス上の中継交
換機に何らかの故障が認識されたときに行われるように
制御してもよいし、あるいは、平常時にも故障復旧メッ
セージセルを送出し、常時、予備のバーチャルパスとし
て最適なバーチャルパス候補を選択しておくこともよ
い。
【0024】本発明では、このような故障復旧制御をA
TM通信網に含まれる各交換機が自律分散に行うことを
主要な特徴としている。
【0025】
【実施例】
(第一実施例)本発明第一実施例の構成を図1〜図5を
参照して説明する。図1は本発明の全体構成図である。
図2は着交換機の要部ブロック構成図である。図3は故
障復旧メッセージセルの構成図である。図4は中継交換
機の要部ブロック構成図である。図5は発交換機の要部
ブロック構成図である。
【0026】本発明は、加入者交換機である発交換機1
および着交換機6と、この発交換機1および着交換機6
相互間を接続する物理伝送路P〜Rと、この物理伝送路
P〜Rに介挿される中継交換機2、3、4、5、7、
8、9とを備え、発交換機1および着交換機6の間にバ
ーチャルパスが設定されるATM通信網である。
【0027】ここで、本発明の特徴とするところは、着
交換機6には、バーチャルパスに故障復旧メッセージセ
ルを送出する手段としての故障復旧メッセージセル生成
部12を備え、この故障復旧メッセージセルは、宛先領
域Hおよびメッセージ領域Mを有し、その宛先領域Hに
一以上の中継交換機2、3、4、5、7、8、9を経由
して発交換機1に到達するための情報が搭載され、中継
交換機2、3、4、5、7、8、9には、経由する故障
復旧メッセージセルのメッセージ領域Mにその中継交換
機2、3、4、5、7、8、9の空帯域情報を搭載させ
る手段としての故障復旧メッセージセル情報搭載部14
を備えたところにある。
【0028】本発明実施例では、説明をわかりやすくす
るために、発交換機1、着交換機6、中継交換機2、
3、4、5、7、8、9をそれぞれあたかも異なるハー
ドウェア構成を備えた通信装置であるかのように表現す
るが、これらは各機能を共通に備えた一つの通信装置と
して実現することができる。
【0029】メッセージ領域Mには、経由する中継交換
機2、3、4、5、7、8、9の数を搭載するホップカ
ウンタ領域HCが設けられ、中継交換機2、3、4、
5、7、8、9には、故障復旧メッセージセルが通過す
る毎にこのホップカウンタ領域HCに搭載された中継交
換機の数を加算する手段を故障復旧メッセージセル情報
搭載部14に併せて備えている。
【0030】発交換機1および着交換機6には、バーチ
ャルパスに介挿された中継交換機2、3、4、5、7、
8、9の故障の可能性を認識する手段としての故障検出
部10を備え、故障復旧メッセージセル生成部12は、
この故障検出部10の出力にしたがって故障復旧メッセ
ージセルを送出する。
【0031】発交換機1には、複数のバーチャルパスを
介して到来する故障復旧メッセージセルを受信する手段
としての予備ルート設定部16を備え、この故障復旧メ
ッセージセルに含まれる空帯域情報および中継交換機の
数にしたがって利用するバーチャルパスを選択する手段
を予備ルート設定部16に併せて備えている。
【0032】VCルートは発交換機1から1つ以上のV
Pを経て着交換機6に設定される。発交換機1におい
て、呼が発生したときに、複数のVCルートの中からあ
るルートを選択して、呼受付判定(Connection Admissio
n Control:CAC)を行う。例えば、ルートの選択は、ラン
ダムに選択される。CACによって、呼が受付けられた
ら、VCコネクションを設定し、呼が受付けられなけれ
ば呼損となる。
【0033】次に、本発明第一実施例の動作を図6を参
照して説明する。図6は本発明第一実施例の動作を説明
するための図である。図6に示すように、1つの現用ル
ートのみに着目し、中継交換機5に故障が発生したとき
の、本発明第一実施例の故障回復方法を示す。発交換機
1と着交換機6との間に現用ルート(1→4→5→6)
が2つの中継交換機を介して設定されており、現用ルー
トは現時点でB〔Mbps〕の帯域を使用している。
【0034】この現用ルートに対して、CACの後に呼
が受付けられ、VCコネクションが設定されたり、切断
されたりしている。この現用ルートの使用帯域は、例え
ば、発交換機1において、あるウィンドウサイズ内の現
用ルートで使用されているセル数を観測することによっ
て求められる。観測に使用されるウィンドウとして、ジ
ャンピングウィンドウやスライディングウィンドウがあ
る。
【0035】ここで、ジャンピングウィンドウとは、ウ
ィンドウ位置(観測位置)が一定周期でオーバーラップ
することなく遷移する観測方法であり、スライディング
ウィンドウとは、ウィンドウ位置が一定周期でオーバー
ラップしながら徐々に遷移する観測方法である。ごく大
まかにいうとジャンピングウィンドウは高速な観測が利
点であり、スライディングウィンドウは正確な観測が利
点である。
【0036】故障により、現用ルートが使用不可能にな
ることに備えて、複数の予備ルートを予め設定してお
く、図6では、2つの予備ルート(ルートP:1→2→
3→6、ルートR:1→7→8→9→6)が設定されて
いる。故障が発生したとき、現用ルートが使用不可能な
状態であることは、アラームを通知するセルその他によ
り発交換機1および着交換機6が認識する。現用ルート
に現時点で設定されていたVCコネクションの救済は行
わないが、故障発生後に、新たに要求してくるVCの呼
を最大限受付けられるように、迂回ルートを探索する。
ここで、着交換機6は故障復旧メッセージセルを送出す
るセンダ、発交換機1は故障復旧メッセージセルを受取
り予備ルートの中から切替えルートを選択するチューザ
となる。着交換機(センダ)6は、予備ルートに対して
その状態を調べるために、故障復旧メッセージセルを送
出する。故障復旧メッセージセルは予備ルートPおよび
Rの経路に沿って、予備ルートPおよびRの経路上のV
Pの状態を調べる。ルートRを例に上げて説明する。故
障復旧メッセージセルのメッセージ領域Mにはペイロー
ドとして、 (1)ホップカウンタHC (2)ホップリミットHL (3)VP未使用帯域の最小値bmin (4)経路情報RD が書込まれる。ホップリミットHLは、遅延条件その他
を考慮して、予め設定されている。最小値bmin の値を
∞としておき、最小値bmin の値は故障復旧メッセージ
セルに書込まれている。ルートRを経由する故障復旧メ
ッセージセルは、着交換機6から中継交換機9に送出さ
れ、中継交換機9では、 b<bmin ならば、未使用VP帯域bの値をbmin とする。bは中
継交換機9において、例えば、あるウィンドウサイズ内
のVP未使用帯域は、使用セル数を観測することによっ
て求められる。観測に使用されるウィンドウとして、ジ
ャンピングウィンドウやスライディングウィンドウがあ
る。ホップカウンタHCは中継交換機9→8→7を経由
する毎に、1つカウントアップされ、ホップリミットH
Lを超えない限り、さらに次の交換機に送出される。し
かし、通常、予備ルートは、ホップリミットを超えない
ように予め設定されている。次の交換機8では、b=2
であり、b<bmin なので、bmin =2となる。同様に
故障復旧メッセージセル送出のプロセスを繰り返し、故
障復旧メッセージセルは、発交換機1に到着する。ま
た、予備ルートP上に送出された故障復旧メッセージセ
ルAも同様にして、発交換機1に到着する。発交換機1
は、予備ルートPまたはRの中から、現用ルートの使用
帯域Bや予備ルート情報(VP未使用帯域の最小値b
min 、ホップ数)その他を考慮して、切替先のルートと
して1つまたは複数選択する。図7は本発明第一実施例
におけるルート切替状況を示す図であるが、図7の例で
は、予備ルートの中でルートPが最もVP未使用帯域の
最小値が大きいので、ルートPが切替先のルートとして
選択され、故障復旧後はルートPが現用ルートとして使
用される。
【0037】したがって、交換機の故障時に、故障復旧
メッセージセルの送出により交換機が自律分散的に情報
を交換し、ルートの切替えを行い、故障が復旧されるの
で、従来のような2重化された高信頼な交換機でなくて
も単純な構成を持つ交換機を用いることかできるため、
交換機のコスト削減が図れる。
【0038】(第二実施例)次に、本発明第二実施例を
図8を参照して説明する。図8は本発明第二実施例の動
作を説明するための図である。本発明第一実施例では、
故障発生時に故障復旧メッセージセルを送出していた
が、本発明第二実施例では、図8のように、通常時で
も、着交換機(センダ)6からRM(Resource Manageme
nt) セルを送出して、予備ルートPおよびRの状態を監
視しておく。RMセルの動作は、本発明第一実施例の故
障復旧メッセージセルの動作と同様である。発交換機
(チューザ)1は、予備ルートPまたはRの中から、現
用ルートの使用帯域Bや予備ルート情報(VP未使用帯
域の最小値bmin 、ホップ数)その他を考慮して、現用
ルートの障害時に備えて、切替先のルートを決めてお
く。
【0039】ここで、着交換機(センダ)6からRMセ
ルは、定期的に送出され、RMセルを受け取った発交換
機(チューザ)1は、網状態に応じて切替先のルートを
更新しておく。RMセルの送出間隔は、網状態の変化の
度合いから決定される。
【0040】故障が発生したとき、現用ルートが使用不
可能な状態であることは、アラームを通知するセルその
他により発交換機1が認識する。現用ルートの障害を検
知した発交換機1は、通常に現用ルート障害時に備えて
あった切替先ルートに切替えられ、現用ルートとして使
用される。
【0041】したがって、通常時に、着交換機(セン
ダ)6からRM(Resource Management) セルを送出し
て、予備ルートの状態を監視して、現用ルートの障害時
に備えて切替先ルートを決めておくことにより、故障復
旧時間の短縮化が図れる。
【0042】(第三実施例)次に、本発明第三実施例を
図9を参照して説明する。図9は本発明第三実施例の動
作を説明するための図である。本発明第一実施例では、
予め予備ルートPおよびRを設定しておき、故障発生時
に予備ルートPおよびR上に故障復旧メッセージセルを
送出していた。本発明第三実施例では、予め予備ルート
PおよびRを設定しておかず、図9のようにフラッディ
ング(Flooding)により故障復旧メッセージセルを送出
し、発交換機1に到達した故障復旧メッセージセルにし
たがって発交換機1が予備ルートを選択する。
【0043】ここで、フラッディングとは、“Floo
d”すなわち、あたかも“洪水”のように不特定方向に
対してセルを送出させるというイメージに基づいた用語
であり、自交換機へVPを送出するすべての交換機へ故
障復旧メッセージセルを送出するという意味に用いる。
【0044】故障復旧メッセージセルのペイロードに
は、本発明第一実施例で説明したように、 (1)ホップカウンタHC (2)ホップリミットHL (3)VP未使用帯域の最小値bmin (4)経路情報RD が書込まれる。ホップリミットHLは、遅延条件その他
を考慮して、予め設定されている。最小値bmin の値を
∞としておき、最小値bmin の値は故障復旧メッセージ
セルに書込まれている。
【0045】まず、着交換機(センダ)6は、自交換機
へVPを送出するすべての交換機へ故障復旧メッセージ
セルを送出する。故障復旧メッセージセルを受信した交
換機は、b<bmin ならば、未使用VP帯域bの値をb
min とする。bは交換機において、例えば、あるウィン
ドウサイズ内のVP未使用帯域は、使用セル数を観測す
ることによって求められる。経由した交換機の情報が経
路情報として書込まれる。ホップカウンタHCは交換機
を経由する毎に、1つカウントアップされ、もし、ホッ
プリミットHLを超えているか、または、経路情報RD
により既に同じ交換機を経由していれば、故障復旧メッ
セージセルは廃棄される。そうでなければ、さらに、自
交換機へVPを送出するすべての交換機へ故障復旧メッ
セージセルを送出し、故障復旧メッセージセルを受信し
た交換機は同様の動作を繰り返し、故障復旧メッセージ
は、発交換機に到着する。
【0046】発交換機(チューザ)1は、到着した故障
復旧メッセージセルから現用ルートの使用帯域Bや到着
した故障復旧メッセージセルを基にしたルート情報(V
P未使用帯域の最小値bmin 、ホップ数)その他を考慮
して、切替先のルートとして1つまたは複数選択する。
【0047】したがって、予め予備ルートを設定してお
くことなく、フラッディングにより故障復旧メッセージ
セルを送出し、発交換機1に故障復旧メッセージセルを
到着させることにより、網トポロジやVP容量その他の
変化に柔軟に対応した故障復旧を行うことができる。
【0048】本発明の故障復旧方法による故障復旧概念
を図10および図11に示す。図10は本発明の故障復
旧方法の概念を示す図である。図11は本発明の故障復
旧方法を適用したATM通信網の概念図である。図10
(b)および(c)は、従来から知られているVPレベ
ルおよび物理レベルの故障復旧概念である。本発明では
図10(a)に示すように、VCルートレベルの故障復
旧を行うことにより図11に示すように、高信頼性の交
換機を用いることなくATM通信網を構成することがで
きる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
交換機の故障を前提とした故障復旧制御を行うことがで
きる。このため、交換機の高信頼性を確保するための冗
長なハードウェア構成を省略することができる。したが
って、交換機のコストを低減することができる。さら
に、集中的に故障復旧を行う装置を設けることなく故障
復旧を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成図。
【図2】着交換機の要部ブロック構成図。
【図3】故障復旧メッセージセルの構成図。
【図4】中継交換機の要部ブロック構成図。
【図5】発交換機の要部ブロック構成図。
【図6】本発明第一実施例の動作を説明するための図。
【図7】本発明第一実施例におけるルート切替状況を示
す図。
【図8】本発明第二実施例の動作を説明するための図。
【図9】本発明第三実施例の動作を説明するための図。
【図10】本発明の故障復旧方法の概念を示す図。
【図11】本発明の故障復旧方法を適用したATM通信
網の概念図。
【図12】従来の故障復旧方法の概念を示す図。
【図13】高信頼化された交換機の概念図。
【符号の説明】
1 発交換機 2〜5、7〜9 中継交換機 6 着交換機 10 故障検出部 12 故障復旧メッセージセル生成部 14 故障復旧メッセージセル情報搭載部 16 予備ルート設定部 H 宛先領域 HC ホップカウンタ HL ホップリミット M メッセージ領域 RD 経路情報 bmin 最小値 P、Q、R ルート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の加入者交換機と、この複数の加入
    者交換機相互間を接続する複数の物理伝送路と、この複
    数の物理伝送路に介挿される中継交換機とを備え、前記
    複数の加入者交換機の間にバーチャルパスが設定される
    ATM通信網において、 前記加入者交換機には、バーチャルパスに故障復旧メッ
    セージセルを送出する手段を備え、この故障復旧メッセ
    ージセルは、宛先領域およびメッセージ領域を有し、そ
    の宛先領域に一以上の中継交換機を経由して相手側の加
    入者交換機に到達するための情報が搭載され、 前記中継交換機には、経由する前記故障復旧メッセージ
    セルのメッセージ領域にその中継交換機の空帯域情報を
    搭載させる手段を備えたことを特徴とするATM通信
    網。
  2. 【請求項2】 前記メッセージ領域には、経由する中継
    交換機の数を搭載するホップカウンタ領域が設けられ、 前記中継交換機には、故障復旧メッセージセルが通過す
    る毎にこのホップカウンタ領域に搭載された中継交換機
    の数を加算する手段を備えた請求項1記載のATM通信
    網。
  3. 【請求項3】 前記加入者交換機には、バーチャルパス
    に介挿された中継交換機の故障の可能性を認識する手段
    を備え、前記故障復旧メッセージセルを送出する手段
    は、この認識する手段の出力にしたがって故障復旧メッ
    セージセルを送出する請求項1または2記載のATM通
    信網。
  4. 【請求項4】 前記加入者交換機には、複数のバーチャ
    ルパスを介して到来する故障復旧メッセージセルを受信
    する手段を備え、この故障復旧メッセージセルに含まれ
    る空帯域情報および中継交換機の数にしたがって利用す
    るバーチャルパスを選択する手段を備えた請求項1ない
    し3のいずれかに記載のATM通信網。
  5. 【請求項5】 加入者交換機に設定されるバーチャルパ
    スには現用のバーチャルパスおよび予備のバーチャルパ
    スとなりうる複数のバーチャルパスがあらかじめ設定さ
    れ、この現用のバーチャルパスに介挿される中継交換機
    に故障の可能性が認識されたとき、前記加入者交換機は
    故障復旧メッセージセルを前記予備のバーチャルパスと
    なりうる複数のバーチャルパスにそれぞれ送出し、この
    故障復旧メッセージセルの宛先となる加入者交換機で
    は、この故障復旧メッセージセルに搭載された空帯域情
    報および中継交換機の数にしたがって前記予備のバーチ
    ャルパスとなりうる複数のバーチャルパスのいずれかを
    選択することを特徴とする故障復旧方法。
  6. 【請求項6】 前記加入者交換機は一つの通信網の中に
    多数分散して存在し、各加入者交換機が請求項5記載の
    故障復旧方法を自律分散的に実行する方法。
  7. 【請求項7】 加入者交換機に設定されるバーチャルパ
    スには現用のバーチャルパスおよび予備のバーチャルパ
    スとなりうる複数のバーチャルパスがあらかじめ設定さ
    れ、この現用のバーチャルパスに介挿される中継交換機
    の故障がなくても、前記加入者交換機は故障復旧メッセ
    ージセルを前記予備のバーチャルパスとなりうる複数の
    バーチャルパスにそれぞれ送出し、この故障復旧メッセ
    ージセルの宛先となる加入者交換機では、この故障復旧
    メッセージセルに搭載された空帯域情報および中継交換
    機の数にしたがって前記予備のバーチャルパスとなりう
    る複数のバーチャルパスのいずれかを予備のバーチャル
    パス候補としてあらかじめ選択することを特徴とする故
    障復旧の待機方法。
  8. 【請求項8】 前記加入者交換機は一つの通信網の中に
    多数分散して存在し、各加入者交換機が請求項7記載の
    故障復旧の待機方法を自律分散的に実行する方法。
  9. 【請求項9】 一つの通信網内にある加入者交換機は自
    己にバーチャルパスを設定する自己およびまたはその通
    信網に属する他の加入者交換機に宛てて故障復旧メッセ
    ージセルをバーチャルパスにそれぞれ送出することを特
    徴とする故障復旧方法。
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