Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JPH09153708A - 方向性結合器 - Google Patents

方向性結合器

Info

Publication number
JPH09153708A
JPH09153708A JP31385595A JP31385595A JPH09153708A JP H09153708 A JPH09153708 A JP H09153708A JP 31385595 A JP31385595 A JP 31385595A JP 31385595 A JP31385595 A JP 31385595A JP H09153708 A JPH09153708 A JP H09153708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
coupling
directional coupler
lines
dielectric layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31385595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3021337B2 (ja
Inventor
Katsuhiko Hayashi
克彦 林
Tadashi Iwata
匡史 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18046324&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH09153708(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP7313855A priority Critical patent/JP3021337B2/ja
Publication of JPH09153708A publication Critical patent/JPH09153708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3021337B2 publication Critical patent/JP3021337B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Waveguides (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化と低挿入損失化を実現し、かつ十分なア
イソレーション特性を有する方向性結合器を提供する。 【解決手段】 本発明の方向性結合器は、誘電体層を挟
んで形成された第1及び第2の結合ラインと第1及び第
2の結合ライン並びに第1及び第2の結合ラインにそれ
ぞれ外接する誘電体層を挟んで配設されほぼ全面を覆う
第1及び第2の接地電極とを含む積層された多層基板か
らなり、第1及び第2の結合ラインは第2の結合ライン
に較べ第1の結合ラインのライン幅が広いか、またはラ
イン長が短いか、あるいはそれらの組み合わせであるこ
とを特徴とする。また、本発明の方向性結合器は、誘電
体層を挟んで形成された第1及び第2の結合ラインと第
1及び第2の結合ライン並びに第1及び第2の結合ライ
ンにそれぞれ外接する誘電体層を挟んで配設されほぼ全
面を覆う第1及び第2の接地電極とを含む積層された多
層基板からなり、第1及び第2の結合ラインにおける自
己インダクタンスは、第2の結合ラインに較べ第1の結
合ラインの自己インダクタンスが小さいことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、自動車
電話等の無線機器、或いはその他各種通信機器等の分野
において利用可能な方向性結合器に係わり、特に、多層
基板を使用し、SMD(表面実装部品)化した方向性結
合器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、方向性結合器は4つ以上の入出
力端子を持つ回路で、方向性結合器に入出力される信号
が1方向に通過するレベルを検出するために使用され
る。例えば、図9の方向性結合器の等価回路図に示され
るように2本のストリップラインによって、第1の結合
ライン(主ライン)、及び第2の結合ライン(副ライ
ン)が構成される。第1の結合ラインの入力端に信号を
入力し出力端(1)から信号を出力させたとき、第2の
結合ラインの出力端(2)に、第1の結合ラインから設
定された結合度に応じて電力が発生する。しかし、この
とき出力端(3)には電力が発生しない。また実際の回
路において、方向性結合器の入力端より信号が入力され
ると、出力端(1)から出力された信号の一部が後段の
回路の入力部等で反射され、反射信号が方向性結合器の
出力端(1)から再び入り込み、その反射信号によって
第1及び第2の結合ライン間に設定された結合度に応じ
て、出力端(3)に電力が発生する。しかし、このとき
出力端(2)に電力は発生しない。従って、出力端
(2)の電力は、方向性結合器の入力端より入力された
信号によって、第1及び第2の結合ライン間に設定され
た結合度に応じた電力のみを出力しているのであって、
このことが方向性結合器を通過する信号の1方向性の電
力を検出する機能を示している。
【0003】通常方向性結合器を回路内で使用する場
合、第1及び第2の結合ラインのラインインピーダンス
は50Ωに設定され、出力端(3)には50Ωの抵抗が
他端を接地する形で付加される。また、方向性結合器の
性能を表す項目としては、図9における出力端(3)に
50Ωの抵抗を付加した状態で、信号を入力端から入力
し、第1の結合ラインを通過して出力端(1)から出力
するときに発生する損失を「挿入損失」、入力端から第
1の結合ラインを通過する信号に対して出力端(2)に
現れる電力を「結合度」、反対に出力端(1)から入力
され第1の結合ラインを通過して入力端より出力される
信号に対して、出力端(2)に現れる微小な電力を「ア
イソレーション」と呼ぶ。更に、前記「結合度」と「ア
イソレーション」の差を「ダイレクティビティ」と呼
び、特に方向性結合器の通過する信号に対する1方向性
の検出能力の指標となる。前記「結合度」は、第1及び
第2の結合ライン間の距離により決まり、両者の距離が
近ければ密結合になり、遠ければ疎結合となる。また、
方向性結合器は、第1及び第2の結合ラインの長さが対
象とする周波数帯に対して約1/4波長程度になると
き、その周波数帯において大きなアイソレーションが得
られる。
【0004】従来の積層型方向性結合器20の外観斜視
図を図10に、分解斜視図を図11に示す。この積層型
方向性結合器20は、誘電体層20-1〜20-10の積
層体からなり、各誘電体層には、第1の結合ライン(主
ライン)を構成するストリップライン4-1〜5-1、第
2の結合ライン(副ライン)を構成するストリップライ
ン7-1〜8-1、接地電極2-1、10-1が、また、層
間を接続するスルーホール電極11、12、及び各層か
ら積層型方向性結合器20の側面に第1及び第2の結合
ライン及び接地電極から各端子に導出するリード部分2
-2〜2-3、4-2〜5-2、7-2〜8-2、10-2〜
10-3が設けられている。更に、積層型方向性結合器
20の積層体の側面には、外部接続用の端子電極1A〜
6Aが設けられている。
【0005】詳細に説明すると誘電体層20-4と誘電
体層20-5上に形成されたストリップライン4-1とス
トリップライン5-1が、スルーホール電極11で接続
され第1の結合ライン(主ライン)を構成し、誘電体層
20-7と誘電体層20-8上に形成されたストリップラ
イン7-1とストリップライン8-1が、スルーホール電
極12で接続され第2の結合ライン(副ライン)を構成
している。これらの第1及び第2の結合ライン間には、
結合度を調整する誘電体層20-6が挿入され、第1及
び第2の結合ラインの誘電体層の積層方向で中央に対し
て外側に接地電極2-1と接地電極10-1が、それぞれ
誘電体層20-2と誘電体層20-10上に形成されてい
る。
【0006】更に、第1及び第2の結合ラインの入力イ
ンピーダンスを、例えば50Ωに調整するために、それ
ぞれ第1及び第2の結合ラインを構成するストリップラ
インとシールド層との距離を設定する誘電体層20-3
と誘電体層20-9が挿入される。そして、接地電極2-
1は、誘電体層20-1により覆われる。
【0007】上記の各誘電体層は積層され一体化され
る。第1及び第2の結合ラインを構成する各ストリップ
ライン及び接地電極は、各端子に側面導出部から積層型
方向性結合器20の外部接続用の端子電極1A〜6Aに
接続される。接地電極2-1及び接地電極10-1は、側
面導出部2-2及び側面導出部10-2により外部電極2
Aに接続する。また、側面導出部2-3及び側面導出部
10-3により外部電極5Aと接続する。第1の結合ラ
インは、側面導出部5-2及び側面導出部4-2により、
それぞれ外部接続電極1A及び外部接続電極3Aに接続
し、第2の結合ラインは、側面導出部7-2及び側面導
出部8-2によりそれぞれ外部接続電極6A及び外部接
続電極4Aに接続する。
【0008】上記のような方向性結合器は、結合ライン
と為すストリップラインを対象周波数帯に対して、その
ライン長を1/4波長の長さに設定したものではない。
例えば特開平7−131211に開示されているよう
に、ストリップラインをコイル状に構成したものであ
る。これは、対象周波数帯に対して1/4波長のストリ
ップラインを使用した方向性結合器よりもストリップラ
インの導体長が短くでき、方向性結合器を小型化しやす
いという特長がある。更に、第1及び第2の結合ライン
は、ほぼ同一の自己インダクタンスに設定されているの
で、方向性結合器20の積層方向で、その中央に対して
上下に設定される第1及び第2の結合ライン、誘電体
層、及び接地電極は、ほぼ対称に積層配置すればよい、
という設計上の利点もあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、このような方向
性結合器の小型化に伴い、結合ラインを構成しているス
トリップラインのパターン領域も狭くなる。しかし、方
向性結合器としての特性を満足するため、十分な自己イ
ンダクタンスが得られるライン長のストリップラインを
パターニングするパターン領域を確保しにくくなるとい
う課題が発生する。結合ラインに十分な自己インダクタ
ンスがない場合、大きなアイソレーションが得られる帯
域が高周波側にシフトしてしまう。このため、設計の対
象とする周波数帯が前記周波数帯よりも低い側の場合、
対象となる周波数帯で十分なアイソレーションが得られ
なくなる。
【0010】結合ラインに十分な自己インダクタンスを
与える方法として、結合ラインのライン幅を細くするこ
とが考えられる。しかし、結合ラインの電極幅を細くす
ると各ラインが持っている実抵抗成分が大きくなるた
め、信号の挿入損失が増大する。方向性結合器が携帯電
話等の携帯機器の高周波回路で使用される場合、送信ア
ンプの後段で送信アンプの出力電力レベルの検出用に使
用されるが、この場合送信アンプにより増幅された高い
電力(例えば1W程度)の信号が方向性結合器を通過す
るため、挿入損失の増大が増幅された高い電力の信号に
対しておきる。携帯通信機は、設定されるべきレベルの
信号の電力を送信できるように送信アンプを駆動させる
必要があり、これが携帯通信機器の消費電流の増加を招
くことになる。この電流消費の増大は、特に消費電流が
大きい送信アンプを持つ電池駆動の携帯通信機にとっ
て、長い通話時間を確保する上で重要な問題である。
尚、大電力信号及び小電力信号に対して挿入損失等の減
衰量が生じる場合、それを対数(dB)で扱う場合はそ
れぞれ同等の変化量で表現されるが、その変化量の絶対
値(真数)は大電力信号及び小電力信号では桁違いの大
きさで大電力信号の方が大きい。
【0011】本発明は、このような従来の課題を解決
し、方向性結合器の小型化と低挿入損失化の双方を実現
すると共に、十分なアイソレーションを実現することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の方向性結合器は、誘電体層を挟んで形成さ
れた第1及び第2の結合ラインと、第1及び第2の結合
ライン並びに第1及び第2の結合ラインにそれぞれ外接
する誘電体層を挟んで配設されほぼ全面を覆う第1及び
第2の接地電極と、を含む積層された多層基板からな
り、第1及び第2の結合ラインは、第2の結合ラインに
較べ第1の結合ラインのライン幅が広いか、またはライ
ン長が短いか、あるいはそれらの組み合わせであること
を特徴とする。
【0013】また、本発明の方向性結合器は、誘電体層
を挟んで形成された第1及び第2の結合ラインと、第1
及び第2の結合ライン並びに第1及び第2の結合ライン
にそれぞれ外接する誘電体層を挟んで配設されほぼ全面
を覆う第1及び第2の接地電極と、を含む積層された多
層基板からなり、第1及び第2の結合ラインにおける自
己インダクタンスは、第2の結合ラインに較べ第1の結
合ラインの自己インダクタンスが小さいことを特徴とす
る。
【0014】本発明の方向性結合器においては、第1及
び第2の結合ラインの各々を、2又はそれ以上の層の誘
電体層にわたって形成することが好ましい。また、本発
明においては、第1及び第2の結合ラインは、スパイラ
ル形状、またはヘリカル形状、あるいはそれらの組み合
わせであることが好ましい。
【0015】(作用)本発明の方向性結合器の原理を説
明する等価回路図を図5に、実際の回路に近い等価回路
図を図6に示す。本発明の方向性結合器では、信号を通
過させる第1の結合ライン(主ライン)のスパイラル状
ストリップラインの長さについて、ライン間結合により
信号が現れる第2の結合ライン(副ライン)のスパイラ
ル状ストリップラインの長さより短く設定することを特
徴としている。即ち、図11で説明したような多層基板
で方向性結合器の設計する上で小型化を図っていくと、
結合ラインのパターン設計する領域が方向性結合器の小
型化に応じて小さくなるため各結合ラインにとって十分
な自己インダクタンスで設計できなくなる。それを補う
ために各結合ラインのスパイラル状ストリップラインの
ライン幅を細くすることになるが、この時、信号を通過
させる第1の結合ライン(主ライン)側のスパイラル状
ストリップラインのライン長を短く設定し、且つ、第2
の結合ライン(副ライン)のスパイラル状ストリップラ
インのライン長を第1の結合ライン(主ライン)側のス
パイラル状ストリップラインよりも長く設定する。
【0016】本発明の方向性結合器の第1及び第2の結
合ラインのストリップラインの配置関係の例を方向性結
合器の断面で図7に示す。各結合ラインは前記のように
細くすることによりスパイラル状ストリップラインをパ
ターンニング可能な領域が確保できると共に、ライン自
体が細くなることによりスパイラル状ストリップライン
の自己インダクタンスも上昇する。更にヘリカル構造の
コイルパターンで結合ラインを設計するの場合、平面方
向で周回するコイル導体によって囲まれる領域の面積
は、同一パターニング領域内でヘリカルパターンを設計
した場合、コイル導体の幅が細いほうが実質広く設計で
きるため、コイルとしての自己インダクタンスを更に大
きくできる。
【0017】本発明の方向性結合器の特性は図6に示さ
れる等価回路の計算により説明される。図6中、L1は
第1の結合ラインの自己インダクタンス、L2は第2の
結合ラインの自己インダクタンス、Mは第1の結合ライ
ンと第2の結合ラインの相互インダクタンス、Coは第
1の結合ラインと第2の結合ライン間の浮遊容量、C1
は第1の結合ラインと接地電極間の浮遊容量、C2は第
2の結合ラインと接地電極間の浮遊容量、CP1は第1
の結合ライン自身が持つ浮遊容量、CP2は第2の結合
ライン自身が持つ浮遊容量である。通常、方向性結合器
の出力端(3)には50Ωの抵抗が図6のように接地さ
れる形で接続されて使用される。本発明では、図6にお
いて各結合ラインの自己インダクタンスの関係はL1<
L2となるが、仮に、本発明の方向性結合器と同一周波
数帯用の方向性結合器を従来例のように各ラインの自己
インダクタンス(その時のインダクタンスをLoとす
る)をほぼ等しくて設計しようとする場合、本発明にお
ける第1の結合ライン及び第2の結合ラインの自己イン
ダクタンスの関係は、この時のインダクタンスLoに対
してL1<Lo<L2の関係にする。前記したように各結
合ラインの自己インダクタンスは、その各結合ラインの
ストリップラインの導体幅を同一にした場合、その導体
長に対して比例的に変化する。従って、上記の自己イン
ダクタンスの関係により、第1の結合ラインにおける導
体長は従来の設計よりも短くなるので、そのライン幅を
細くしても第1の結合ラインがもつ実抵抗成分を増大さ
せないですみ、その結果、方向性結合器としての挿入損
失が増大しない。また、主ラインの導体長と導体幅の条
件によっては挿入損失を改善することも可能となる。
【0018】次にアイソレーション特性であるが、第1
の結合ライン(主ライン)のストリップラインの長さを
前記のように短くしたままで、第2の結合ライン(副ラ
イン)のストリップラインの長さを調整することで目的
とする帯域にアイソレーションが大きく取れる帯域を調
整できることを本発明では見いだしている。その状況を
示したものが図8である。図中のグラフに方向性結合器
中の第1の結合ラインの長さは一定にして、第2の結合
ラインについてのみ、そのストリップラインの長さを変
えたときのアイソレーション特性の変化を示してしる。
図8では第1の結合ライン(主ライン)が第2の結合ラ
イン(副ライン)と同一のライン長のとき−40dB以
下のアイソレーション帯域は、1.2〜2GHzの帯域
であるが、第1の結合ライン(主ライン)よりも第2の
結合ライン(副ライン)のライン長を長くすることによ
り、前記アイソレーション帯域は1.2GHz以下の帯
域に低下させることができている。即ち、本発明の方向
性結合器は、第1の結合ライン(主ライン)のストリッ
プラインよりも第2の結合ライン(副ライン)のストリ
ップラインのライン長を長くすることにより、アイソレ
ーション帯域を従来例の方向性結合器よりも自由度をも
って低周波側に移動できることを示している。尚、第1
及び第2の結合ラインのストリップラインのライン幅は
従来の方向性結合器の設計よりも細くなっているが、第
1の結合ライン(主ライン)側については前述したよう
にストリップラインのライン長が短くなっているので、
方向性結合器の挿入損失としては増大させずにすむ。し
かし、第2の結合ライン(副ライン)のストリップライ
ンは、従来の方向性結合器の設計よりもそのライン幅は
細くなり、更にライン長が長くなったために第2の結合
ライン(副ライン)のストリップライン自身がもつ実抵
抗成分は増大している。しかしながら、第2の結合ライ
ン(副ライン)に流れる電力が第1の結合ライン(主ラ
イン)比べ15〜25dB程度小さな電力であり、更に
第2の結合ライン(副ライン)の出力端(2)と出力端
(3)には前述のダイレクティビティの関係で等しい電
力はかかっているわけではなく、第2の結合ライン(副
ライン)全体としては電力的に小信号の領域の電力しか
かからないため携帯電話等の回路内で重大なパワーロス
に繋がる問題は発生しない。また、その実際の損失量の
増加分も0.05〜0.15dB程度であり小信号の領
域ではほとんど問題にならない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。先ず、図1、図2を参照すると、この第
1の実施例における方向性結合器は、複数の誘電体層グ
リーンシート30-1〜30-10と、複数のストリップ
ラインからなるスパイラル状の第1の結合ライン4-
a、5-aと、複数のストリップラインからなるスパイ
ラル状の第2の結合ライン7-a、8-aと、複数の接地
電極2-a、10-aを積層して、焼成することにより一
体化され、形成される。この方向性結合器は、各誘電体
層から、積層された方向性結合器側面の端子に導出する
複数のリード部分2-b、2-c、4-b、5-b、7-
b、8-b、10-b、10-cと、層間のストリップラ
インを接続させる複数のスルーホール電極15、16が
設けられている。
【0020】誘電体層30-4、誘電体層30-5上に形
成されたスパイラル状ストリップライン4-a及び5-a
がスルーホール電極15で接続され、第1の結合ライン
(主ライン)を構成し、誘電体層30-7、誘電体層3
0-8上に形成されたスパイラル状ストリップライン7-
a及び8-aがスルーホール電極16で接続され、第2
の結合ライン(副ライン)を構成する。この時、第1の
結合ラインのスパイラル状ストリップライン4-aと5-
aを足した長さは、第2の結合ラインのスパイラル状ス
トリップライン7-aと8-aを足した長さよりも短くな
るように設定した。また、第1、第2の結合ライン同士
を基板の積層方向に対し、例えば、各スパイラル状スト
リップラインの渦巻きの中央を一致させるような特定の
配置は考慮せず任意の位置で対向させた。更に、第1、
第2の結合ラインのスパイラル状ストリップラインの旋
回する方向や、互いに併走させるようなパターニングに
設計しなかった。
【0021】第1、第2の結合ラインのスパイラル状ス
トリップライン間には、結合度を調整する誘電体層30
-6を挿入した。また、第1の結合ラインのスパイラル
状ストリップラインの積層方向の中央に対して外側に
は、接地電極2-a、10-aを誘電体層30-2、30-
10上にそれぞれ形成した。更に、各結合ラインの入力
インピーダンスを50Ωに調整するために、各結合ライ
ンのスパイラル状ストリップラインと接地電極との距離
を設定するため、誘電体層30-3及び30-9をそれぞ
れ挿入した。
【0022】従来例では、各結合ラインのスパイラル状
ストリップラインは、ほぼ同一の長さであったため、誘
電体層もほぼ同一の厚みでの設計が可能であったが、本
発明の構成では、第1の結合ライン(主ライン)のスパ
イラル状ストリップラインが第2の結合ライン(副ライ
ン)のスパイラル状ストリップラインよりも長くなって
いるため、接地電極との距離を設定する誘電体層の厚み
の設定は、誘電体層30-9を誘電体層30-3よりも厚
くした。尚、誘電体層の厚み調整については、各層の誘
電体層のシート厚みを調整すれば良い。また、本実施例
の分解斜視図(図1)には示されていないが、複数の誘
電体層シートを挿入することにより誘電体層の厚みを調
整することも可能である。そして、接地電極2-aは、
誘電体層30-1により覆われる。
【0023】各誘電体層を積層し、焼成した後、図2に
図示するように一体化する。接地電極並びに第1及び第
2の結合ラインは、方向性結合器の側面にそれぞれ電極
を導出する。接地電極2-a及び10-aは、側面導出部
2-b及び10-bにより外部接続用電極2B接続し、側
面導出部2-c及び10-cにより外部接続用電極5Bと
接続する。また、第1の結合ラインは、側面導出部5-
b及び4-bにより、外部接続用電極1B及び3Bにそ
れぞれ接続し、第2の結合ラインは、側面導出部7-b
及び8-bにより、外部接続用電極6B及び4Bにそれ
ぞれ接続した。
【0024】本実施例の方向性結合器の第1の結合ライ
ン(主ライン)のスパイラル状ストリップラインの長さ
を8.05mm、第2の結合ライン(副ライン)のスパイ
ラル状ストリップラインの長さを12.95mm、それぞ
れのストリップラインの幅を0.15mmで設計した。こ
のパターンにより方向性結合器の形状は、3.5x2.
5x1.6(mm)になった。この方向性結合器の特性を
図3に示す。電気性能としては、1GHz帯で挿入損失
は0.2dB以下で、アイソレーションは絶対値で40
dB以上がとれ、更にダイレクティビティ(アイソレー
ションと結合度の差)も20dB以上とれていた。通
常、方向性結合器は小型化してゆくと特に十分なダイレ
クティビティが得られなくなる傾向にあるが、上記性能
はこの形状としては非常に良好な性能といえる。
【0025】(他の実施例)本発明は次のようにしても
実施が可能である。前記第1の実施例では、入力側(第
1)の結合ラインの形状はスパイラル型パターンで設計
を行い、そのスパイラル状ストリップラインのライン長
をパラメータとして使っているが、基本的には入力側
(第1)の結合ラインの自己インダクタンスの大きさに
課題がある。そこで、自己インダクタンスを小さくする
ため、入力側(第1)の結合ラインは、図4に示すよう
なヘリカル型パターンであってもよい。この入力側(第
1)の結合ラインは、複数の誘電体層グリーンシート4
0-1〜40-2と、複数のストリップライン1、3から
なるヘリカル状の第1の結合ラインを積層して形成され
る。また、各誘電体層から積層された方向性結合器側面
の端子に導出する複数のリード部分2、4と、層間のス
トリップラインを接続させるスルーホール電極12が設
けられている。誘電体層40-1、40-2上に形成され
たヘリカル状ストリップライン1及び3がスルーホール
電極12で接続され、第1の結合ライン(主ライン)を
構成する。この時、第1の結合ラインのヘリカル状スト
リップライン1と3を足した長さは、第2の結合ライン
の長さよりも短くなるように、各結合ライン間のストリ
ップラインの旋回径や巻き数を変化させることが可能で
ある。
【0026】また、第1の結合ラインをスパイライル型
とヘリカル型とを組み合わせて方向性結合器を設計して
も良い。
【0027】入力側の結合ラインのストリップラインに
ついて、実施例では2層にわたってパターニングしてい
るが、それ以上の層数にわたってパターニングしてもよ
い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。
【0029】(1)方向性結合器の挿入損失を改善でき
る。
【0030】(2)方向性結合器のアイソレーション帯
域の低周波化が可能で、かつ大きなをアイソレーション
を得ることが可能である。
【0031】(3)上記の事柄を満たし且つ、方向性結
合器の小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の外観斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例の特性図である。
【図4】本発明の第2実施例の第1の結合ラインのパタ
ーンである。
【図5】本発明の原理を説明する方向性結合器の概念図
である。
【図6】本発明の原理を説明する方向性結合器の等価回
路図である。
【図7】本発明の原理を説明する方向性結合器の断面図
である。
【図8】本発明の方向性結合器の第1の結合ラインの長
さを変化させたときのアイソレーションの変化を示した
図である。
【図9】従来の方向性結合器の分解斜視である。
【図10】従来の方向性結合器の等価回路図である。
【図11】従来の方向性結合器の外観斜視図である。
【符号の説明】
20、30 方向性結合器 20-1〜20-10、30-1〜30-10、40-1〜
40-2 誘電体層 4-1、5-1、4-a、5-a 第1の結合ラインを構成
するスパイラル状ストリップライン 7-1、8-1、7-a、8-a 第2の結合ラインを構成
するスパイラル状ストリップライン 1、3 第1の結合ラインを構成するヘリカル状ストリ
ップライン 2-1、10-1、2-a、10-a 接地電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体層を挟んで形成された第1及び第
    2の結合ラインと、 該第1及び第2の結合ライン並びに該第1及び第2の結
    合ラインにそれぞれ外接する誘電体層を挟んで配設さ
    れ、ほぼ全面を覆う第1及び第2の接地電極と、を含む
    積層された多層基板からなる方向性結合器において、 前記第1及び第2の結合ラインは、第2の結合ラインに
    較べ第1の結合ラインのライン幅が広いか、またはライ
    ン長が短いか、あるいはそれらの組み合わせであること
    を特徴とする方向性結合器。
  2. 【請求項2】 誘電体層を挟んで形成された第1及び第
    2の結合ラインと、 該第1及び第2の結合ライン並びに該第1及び第2の結
    合ラインにそれぞれ外接する誘電体層を挟んで配設さ
    れ、ほぼ全面を覆う第1及び第2の接地電極と、を含む
    積層された多層基板からなる方向性結合器において、 前記第1及び第2の結合ラインにおける自己インダクタ
    ンスは、第2の結合ラインに較べ第1の結合ラインの自
    己インダクタンスが小さいことを特徴とする方向性結合
    器。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし請求項2のいずれか1項
    に記載した方向性結合器であって、 前記第1及び第2の結合ラインの各々を、2又はそれ以
    上の層の誘電体層にわたって形成したことを特徴とする
    方向性結合器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載した方向性結合器であって、 前記第1及び第2の結合ラインは、スパイラル形状、ま
    たはヘリカル形状、あるいはそれらの組み合わせである
    ことを特徴とする方向性結合器。
JP7313855A 1995-12-01 1995-12-01 方向性結合器 Expired - Lifetime JP3021337B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7313855A JP3021337B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 方向性結合器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7313855A JP3021337B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 方向性結合器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09153708A true JPH09153708A (ja) 1997-06-10
JP3021337B2 JP3021337B2 (ja) 2000-03-15

Family

ID=18046324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7313855A Expired - Lifetime JP3021337B2 (ja) 1995-12-01 1995-12-01 方向性結合器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3021337B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020025311A (ko) * 2000-09-28 2002-04-04 이상경 적층형 방향성 결합기
KR20020036894A (ko) * 2000-11-11 2002-05-17 이상경 적층형 방향성 결합기
US6628189B2 (en) 2001-04-19 2003-09-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated balun transformer
EP1495514A2 (en) * 2002-04-01 2005-01-12 Merrimac Industries, Inc. Spiral couplers
WO2005112186A1 (ja) * 2004-05-18 2005-11-24 Murata Manufacturing Co., Ltd. 方向性結合器
KR100551577B1 (ko) * 2001-10-19 2006-02-13 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 방향성 결합기
CN103311630A (zh) * 2012-12-29 2013-09-18 南京理工大学 C波段超宽带多倍频程微型定向耦合器
US9647315B2 (en) 2014-04-28 2017-05-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Directional coupler

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101310745B1 (ko) * 2011-12-29 2013-09-25 (주) 알엔투테크놀로지 나선형 결합 선로를 가지는 결합기

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020025311A (ko) * 2000-09-28 2002-04-04 이상경 적층형 방향성 결합기
KR20020036894A (ko) * 2000-11-11 2002-05-17 이상경 적층형 방향성 결합기
US6628189B2 (en) 2001-04-19 2003-09-30 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated balun transformer
KR100551577B1 (ko) * 2001-10-19 2006-02-13 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 방향성 결합기
EP1495514A2 (en) * 2002-04-01 2005-01-12 Merrimac Industries, Inc. Spiral couplers
EP1495514A4 (en) * 2002-04-01 2005-04-13 Merrimac Ind Inc helical
WO2005112186A1 (ja) * 2004-05-18 2005-11-24 Murata Manufacturing Co., Ltd. 方向性結合器
US7567147B2 (en) 2004-05-18 2009-07-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Directional coupler
CN103311630A (zh) * 2012-12-29 2013-09-18 南京理工大学 C波段超宽带多倍频程微型定向耦合器
US9647315B2 (en) 2014-04-28 2017-05-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. Directional coupler

Also Published As

Publication number Publication date
JP3021337B2 (ja) 2000-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4500840B2 (ja) 積層型バラン及び混成集積回路モジュール並びに積層基板
WO2011074370A1 (ja) 方向性結合器
CN109845029B (zh) 定向耦合器内置基板、高频前端电路以及通信装置
JPH0621701A (ja) 誘電体共振器を含むフィルタ装置
JP3289643B2 (ja) 方向性結合器
US6850127B2 (en) Laminated electronic component
JP3021337B2 (ja) 方向性結合器
US8324981B2 (en) Composite balun
JP2006094461A (ja) 積層型バルントランス
JP2001068958A (ja) ローパスフィルタおよび回路基板
JP6315347B2 (ja) 方向性結合器およびそれを用いたモジュール
JPH11261313A (ja) 方向性結合器
JP4245265B2 (ja) 複数のフィルタを有する多層配線基板
JP2002050910A (ja) バラン素子
JP2001185972A (ja) 積層フィルタ
JPH10308607A (ja) 誘電体デュプレクサ装置
JP4195569B2 (ja) 積層型電子部品
JPH1197962A (ja) 高周波部品
JP2000341005A (ja) ハイパスフィルタおよび回路基板
JP2000223906A (ja) ハイパスフィルタおよびそれを具備する回路基板
JP4195568B2 (ja) 積層型電子部品
JP4069457B2 (ja) 積層型方向性結合器
JPH11127005A (ja) 積層型方向性結合器
JPH11274876A (ja) ローパスフィルタおよび回路基板
JP4140033B2 (ja) 高周波部品

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090114

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110114

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120114

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130114

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term