JPH09135499A - 音像定位制御方法 - Google Patents
音像定位制御方法Info
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- JPH09135499A JPH09135499A JP7315955A JP31595595A JPH09135499A JP H09135499 A JPH09135499 A JP H09135499A JP 7315955 A JP7315955 A JP 7315955A JP 31595595 A JP31595595 A JP 31595595A JP H09135499 A JPH09135499 A JP H09135499A
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- Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
- Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 聴取者に対して、任意の位置に音像が定位し
ているように感じさせる音像定位制御方法であり、人に
よって異なる定位目標位置とスピ−カとからの頭部伝達
特性の不一致を是正して、音質を向上させる。 【解決手段】 実測用に設定配置したスピ−カと各定位
目標位置とから人頭又は疑似人頭までのHRTF(頭部
伝達関数)を夫々求め(ステップ101,102)、こ
れらHRTFの内、スピ−カから得られたHRTFを周
波数振幅特性上で移動平均化処理をし(ステップ10
3)、この移動平均化処理をしたHRTFと各音像定位
位置から得られたHRTFとをもとに信号変換回路の伝
達特性を求め、この伝達特性にもとづいて音像定位用の
係数を夫々算出し(ステップ105)、これらの係数を
適宜所定のタイミングで信号変換回路に供給して入来中
の音像の定位制御を行なわせる(ステップ107)。
ているように感じさせる音像定位制御方法であり、人に
よって異なる定位目標位置とスピ−カとからの頭部伝達
特性の不一致を是正して、音質を向上させる。 【解決手段】 実測用に設定配置したスピ−カと各定位
目標位置とから人頭又は疑似人頭までのHRTF(頭部
伝達関数)を夫々求め(ステップ101,102)、こ
れらHRTFの内、スピ−カから得られたHRTFを周
波数振幅特性上で移動平均化処理をし(ステップ10
3)、この移動平均化処理をしたHRTFと各音像定位
位置から得られたHRTFとをもとに信号変換回路の伝
達特性を求め、この伝達特性にもとづいて音像定位用の
係数を夫々算出し(ステップ105)、これらの係数を
適宜所定のタイミングで信号変換回路に供給して入来中
の音像の定位制御を行なわせる(ステップ107)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離間して配設され
た複数のトランスジューサから、同一の音源が供給され
た複数の信号変換回路で処理した信号を再生して、実際
のトランスジューサ(スピーカ)とは異なる所望の任意
の位置に音像が定位しているように感じさせる音像定位
制御方法に係り、特に、音像定位制御用のデータ(信号
変換回路の伝達特性)の算出の改良に関するものであ
る。
た複数のトランスジューサから、同一の音源が供給され
た複数の信号変換回路で処理した信号を再生して、実際
のトランスジューサ(スピーカ)とは異なる所望の任意
の位置に音像が定位しているように感じさせる音像定位
制御方法に係り、特に、音像定位制御用のデータ(信号
変換回路の伝達特性)の算出の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、先に特願平4−3434
59号及び特願平4−356358号を出願した。これ
らの内容は、頭部伝達関数(Head Related Transfer Fu
nction;以下、HRTFと称するHRTF)の実測に基
づき特性を定めて音像の定位を行わせるものである。実
現手段としては、デジタル的に周波数振幅特性や周波数
位相特性を信号処理により加工して音像を定位させるも
のである。図7は、そのHRTFの測定システムを示す
図である。このシステムにおいては、ダミーヘッド(ま
たは人頭)DMの両耳に一対のマイクロホンML,MR
を設置し、スピーカSPからの測定音を受け、録音器D
ATにソース音(リファレンスデータ)refL,re
fRと被測定音(測定データ)L,Rを同期して記録す
るようにしたものである。
59号及び特願平4−356358号を出願した。これ
らの内容は、頭部伝達関数(Head Related Transfer Fu
nction;以下、HRTFと称するHRTF)の実測に基
づき特性を定めて音像の定位を行わせるものである。実
現手段としては、デジタル的に周波数振幅特性や周波数
位相特性を信号処理により加工して音像を定位させるも
のである。図7は、そのHRTFの測定システムを示す
図である。このシステムにおいては、ダミーヘッド(ま
たは人頭)DMの両耳に一対のマイクロホンML,MR
を設置し、スピーカSPからの測定音を受け、録音器D
ATにソース音(リファレンスデータ)refL,re
fRと被測定音(測定データ)L,Rを同期して記録す
るようにしたものである。
【0003】ソース音XHとしては、インパルス音,ホ
ワイトノイズ,その他のノイズ等を用い、例えば、図8
に示すようにスピーカSPの位置を正面を0度(°)と
して、30度ごとに12ポイントの空間位置に設置し、
それぞれ所定の時間だけ、連続的に記録して、それらの
デ−タを得るようにしたものである。
ワイトノイズ,その他のノイズ等を用い、例えば、図8
に示すようにスピーカSPの位置を正面を0度(°)と
して、30度ごとに12ポイントの空間位置に設置し、
それぞれ所定の時間だけ、連続的に記録して、それらの
デ−タを得るようにしたものである。
【0004】そして、これらのデ−タを用いて、例え
ば、図9の基本原理システムを用いて音像定位制御を行
わせるようにしたものである。同図において、sp1,
sp2は受聴者の前方左右に配置されるスピーカであ
り、sp1から聴取者左耳までの頭部伝達特性(インパ
ルス応答)をh1L、右耳までの頭部伝達特性をh1
R、sp2から左右耳までの頭部伝達特性をh2L,h
2Rとし、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配
置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性をpL
x,pRxとし、前述の測定システムから得たデ−タに
所定の波形処理を施して各係数cfLx,cfRxを求
め、これら各係数に畳み込み演算処理を施したデ−タを
用いて音像定位制御を行わせるようにしたものである。
ば、図9の基本原理システムを用いて音像定位制御を行
わせるようにしたものである。同図において、sp1,
sp2は受聴者の前方左右に配置されるスピーカであ
り、sp1から聴取者左耳までの頭部伝達特性(インパ
ルス応答)をh1L、右耳までの頭部伝達特性をh1
R、sp2から左右耳までの頭部伝達特性をh2L,h
2Rとし、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配
置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性をpL
x,pRxとし、前述の測定システムから得たデ−タに
所定の波形処理を施して各係数cfLx,cfRxを求
め、これら各係数に畳み込み演算処理を施したデ−タを
用いて音像定位制御を行わせるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した内
容のものは、畳み込み演算に用いる各デ−タ(係数)の
算出時に、スピ−カから両耳へのHRTFとして折り込
む成分と、再生時のスピ−カから受聴者の両耳へのHR
TFの不一致により、再生音の音質が損なわれることが
あった。また、上記の不一致により、後方定位時に前方
に高い周波数成分の音が残り、音像が前後反転して聞こ
えるという問題もあった。
容のものは、畳み込み演算に用いる各デ−タ(係数)の
算出時に、スピ−カから両耳へのHRTFとして折り込
む成分と、再生時のスピ−カから受聴者の両耳へのHR
TFの不一致により、再生音の音質が損なわれることが
あった。また、上記の不一致により、後方定位時に前方
に高い周波数成分の音が残り、音像が前後反転して聞こ
えるという問題もあった。
【0006】本発明は、こうした再生時のスピ−カから
両耳へのHRTFのばらつきによる悪影響を考慮し、音
像定位係数の算出時に想定したHRTFと再生時のHR
TFの不一致が生じても、上記問題が発生しない音像定
位制御方法を提供するものである。
両耳へのHRTFのばらつきによる悪影響を考慮し、音
像定位係数の算出時に想定したHRTFと再生時のHR
TFの不一致が生じても、上記問題が発生しない音像定
位制御方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、離間して配設された複数のトランスジュー
サから、同一の音源が供給された複数の信号変換回路で
処理した信号を再生して、聴取者に前記トランスジュー
サとは異なる任意の位置に音像が定位しているように感
じさせる音像定位制御方法において、実測用に設定配置
されたトランスジューサと各定位目標位置とから人頭又
は疑似人頭までの伝達関数を夫々求め、これら伝達関数
の内、前記トランスジューサから得られた伝達関数を周
波数振幅特性上で移動平均化処理をし、この移動平均化
処理をした伝達関数と前記各音像定位位置から得られた
伝達関数とをもとに前記信号変換回路の伝達特性を求め
るようにしたことを特徴とする音像定位制御方法を提供
するものである。
するために、離間して配設された複数のトランスジュー
サから、同一の音源が供給された複数の信号変換回路で
処理した信号を再生して、聴取者に前記トランスジュー
サとは異なる任意の位置に音像が定位しているように感
じさせる音像定位制御方法において、実測用に設定配置
されたトランスジューサと各定位目標位置とから人頭又
は疑似人頭までの伝達関数を夫々求め、これら伝達関数
の内、前記トランスジューサから得られた伝達関数を周
波数振幅特性上で移動平均化処理をし、この移動平均化
処理をした伝達関数と前記各音像定位位置から得られた
伝達関数とをもとに前記信号変換回路の伝達特性を求め
るようにしたことを特徴とする音像定位制御方法を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明になる音像定位制御方法の
発明の実施の形態につき、好ましい実施例を図面を用い
て説明する。図1は本発明の制御方法が適用される音像
定位制御装置の一実施例に係る概略構成図である。 こ
の装置は、音源であるシンセサイザ1、実測された各係
数を折り畳み演算させるためのコンボルバ2,3、これ
らのコンボルバ2,3への係数を格納するための係数R
OM5、係数の供給タイミングを制御するためのコント
ロ−ル用サブCPU4、増幅器6,7、及び一対のスピ
−カSP1,SP2等から概略構成されている。
発明の実施の形態につき、好ましい実施例を図面を用い
て説明する。図1は本発明の制御方法が適用される音像
定位制御装置の一実施例に係る概略構成図である。 こ
の装置は、音源であるシンセサイザ1、実測された各係
数を折り畳み演算させるためのコンボルバ2,3、これ
らのコンボルバ2,3への係数を格納するための係数R
OM5、係数の供給タイミングを制御するためのコント
ロ−ル用サブCPU4、増幅器6,7、及び一対のスピ
−カSP1,SP2等から概略構成されている。
【0009】ここで、定位させたい音源ソースXを信号
変換装置cfLx,cfRx(コンボルバなどによる伝
達特性)に通して得られる信号を、それぞれsp1,s
p2で再生することを考える。このとき受聴者左右耳に
得られる信号をeL,eRとすると、
変換装置cfLx,cfRx(コンボルバなどによる伝
達特性)に通して得られる信号を、それぞれsp1,s
p2で再生することを考える。このとき受聴者左右耳に
得られる信号をeL,eRとすると、
【0010】 eL=h1L・cfLx・X+h2L・cfRx・X (式1) eR=h1R・cfLx・X+h2R・cfRx・X (〃 )
【0011】一方、ソースXを目的の定位位置から再生
したときに受聴者左右耳に得られる信号をdL,dRと
すると、 dL=pLx・X (式2) dR=pRx・X (〃 )
したときに受聴者左右耳に得られる信号をdL,dRと
すると、 dL=pLx・X (式2) dR=pRx・X (〃 )
【0012】この場合、sp1,sp2の再生により受
聴者左右耳に得られる信号が、目的位置からソースを再
生したときの信号に一致すれば、受聴者はあたかも目的
位置にスピーカが存在するように音像を認識することと
なる。この条件eL=dL,eR=dRと(式1),
(式2)より、Xを消去して h1L・cfLx+h2L・cfRx=pLx (式3) h1R・cfRx+h2R・cfRx=pRx (〃 ) (式3)からcfLx,cfRxを求めると cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、 H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b)
聴者左右耳に得られる信号が、目的位置からソースを再
生したときの信号に一致すれば、受聴者はあたかも目的
位置にスピーカが存在するように音像を認識することと
なる。この条件eL=dL,eR=dRと(式1),
(式2)より、Xを消去して h1L・cfLx+h2L・cfRx=pLx (式3) h1R・cfRx+h2R・cfRx=pRx (〃 ) (式3)からcfLx,cfRxを求めると cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、 H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b)
【0013】したがって、(式4a),(式4b)によ
り算出した伝達特性cfLx,cfRxを用いてコンボ
ルバ(畳み込み演算処理回路)等により定位させたい信
号を処理すれば、目的の位置xに音像を定位させること
ができる。具体的な信号変換装置の実現方法は様々考え
られるが、非対称なFIRデジタルフィルタ(コンボル
バ)を用いて実現すれば良い。なお、FIRデジタルフ
ィルタで用いる場合の最終の伝達特性は、時間応答関数
である。
り算出した伝達特性cfLx,cfRxを用いてコンボ
ルバ(畳み込み演算処理回路)等により定位させたい信
号を処理すれば、目的の位置xに音像を定位させること
ができる。具体的な信号変換装置の実現方法は様々考え
られるが、非対称なFIRデジタルフィルタ(コンボル
バ)を用いて実現すれば良い。なお、FIRデジタルフ
ィルタで用いる場合の最終の伝達特性は、時間応答関数
である。
【0014】つまり、必要な定位位置xにおける伝達特
性cfLx,cfRxとして、(式4a),(式4b)
で求めたものを、1回のFIRフィルタ処理により実現
するための係数として、cfLx,cfRxの係数をあ
らかじめ作成し、ROMのデータとして準備しておく。
ROMから必要な音像定位位置の係数をFIRデジタル
フィルタに転送し、音源からの信号を畳み込み演算処理
して一対のスピーカから再生すれば、所望の任意の位置
に音像が定位されることになる。
性cfLx,cfRxとして、(式4a),(式4b)
で求めたものを、1回のFIRフィルタ処理により実現
するための係数として、cfLx,cfRxの係数をあ
らかじめ作成し、ROMのデータとして準備しておく。
ROMから必要な音像定位位置の係数をFIRデジタル
フィルタに転送し、音源からの信号を畳み込み演算処理
して一対のスピーカから再生すれば、所望の任意の位置
に音像が定位されることになる。
【0015】以上のような原理に基づく本音像定位制御
方法について図2を参照して詳述する。同図は音像定位
制御の方法のステップを示すものである。
方法について図2を参照して詳述する。同図は音像定位
制御の方法のステップを示すものである。
【0016】頭部伝達関数の測定(ステップ101) 前述の図7,図8を用いて説明した方法により各測定ポ
イントのHRTFの測定を行う。
イントのHRTFの測定を行う。
【0017】HRTFのインパルス応答(Impulse Re
sponse;以下、IRと称する)の算出(ステップ10
2) ステップ101で、同期して記録されたソース音(リフ
ァレンスデータ)refL,refRと被測定音(測定
データ)L,Rとを、ワークステーション(図示せず)
上で処理する。ソース音(リファレンスデータ)の周波
数応答をX(S)、被測定音(測定データ)の周波数応
答をY(S)、測定位置におけるHRTFの周波数応答
をIR(S)とすると、(式5)に示す、入出力の関係
がある。 Y(S)=IR(S)・X(S) (式5) したがって、HRTFの周波数応答をIR(S)は、 IR(S)=Y(S)/X(S) (式6) である。
sponse;以下、IRと称する)の算出(ステップ10
2) ステップ101で、同期して記録されたソース音(リフ
ァレンスデータ)refL,refRと被測定音(測定
データ)L,Rとを、ワークステーション(図示せず)
上で処理する。ソース音(リファレンスデータ)の周波
数応答をX(S)、被測定音(測定データ)の周波数応
答をY(S)、測定位置におけるHRTFの周波数応答
をIR(S)とすると、(式5)に示す、入出力の関係
がある。 Y(S)=IR(S)・X(S) (式5) したがって、HRTFの周波数応答をIR(S)は、 IR(S)=Y(S)/X(S) (式6) である。
【0018】よって、リファレンスの周波数応答X
(S)、測定データの周波数応答Y(S)は、前記ステ
ップ101で求めたデータを時間同期した窓で切り出
し、それぞれFFT変換により、有限のフーリエ級数展
開して離散周波数として計算し、(式6)より、HRT
Fの周波数応答IR(S)が、周知の計算方法で求めら
れる。この場合、IR(S)の精度をあげる(SN比の
向上)ために時間的に異なる数百個の窓に対してそれぞ
れIR(S)を計算し、それらを平均化すると良い。そ
して、計算したHRTFの周波数応答IR(S)を逆F
FT変換して、HRTFの時間軸応答(インパルス応
答)IR(第1のIR)とする。
(S)、測定データの周波数応答Y(S)は、前記ステ
ップ101で求めたデータを時間同期した窓で切り出
し、それぞれFFT変換により、有限のフーリエ級数展
開して離散周波数として計算し、(式6)より、HRT
Fの周波数応答IR(S)が、周知の計算方法で求めら
れる。この場合、IR(S)の精度をあげる(SN比の
向上)ために時間的に異なる数百個の窓に対してそれぞ
れIR(S)を計算し、それらを平均化すると良い。そ
して、計算したHRTFの周波数応答IR(S)を逆F
FT変換して、HRTFの時間軸応答(インパルス応
答)IR(第1のIR)とする。
【0019】各頭部伝達特性h1L,h1R,h2
L,h2Rの移動平均化処理(スム−ジング処理)(ス
テップ103) 前述のようにして実測で求めた各頭部伝達特性h1L,
h1R,h2L,h2RをFFT変換して周波数応答を
求めこれを臨界帯域幅に応じた幅で移動平均化する。こ
こで、この移動平均化処理をすることが本発明の要旨で
あり、以下、図3(A)〜(D)を参照して説明する。
不必要なピークやディップを取り除く技術として、前記
のh1L,h1R,h2L,h2Rを、FFT変換して
H1L(S),H1R(S),H2L(S),H2R
(S)を求め、この離散周波数応答として求まったH1
L(S),H1R(S),H2L(S),H2R(S)
を移動平均化し,移動平均化した離散周波数応答を逆F
FT変換して頭部伝達特性の時間応答とすることが考え
られる。
L,h2Rの移動平均化処理(スム−ジング処理)(ス
テップ103) 前述のようにして実測で求めた各頭部伝達特性h1L,
h1R,h2L,h2RをFFT変換して周波数応答を
求めこれを臨界帯域幅に応じた幅で移動平均化する。こ
こで、この移動平均化処理をすることが本発明の要旨で
あり、以下、図3(A)〜(D)を参照して説明する。
不必要なピークやディップを取り除く技術として、前記
のh1L,h1R,h2L,h2Rを、FFT変換して
H1L(S),H1R(S),H2L(S),H2R
(S)を求め、この離散周波数応答として求まったH1
L(S),H1R(S),H2L(S),H2R(S)
を移動平均化し,移動平均化した離散周波数応答を逆F
FT変換して頭部伝達特性の時間応答とすることが考え
られる。
【0020】通常、移動平均化を行う場合、ある帯域幅
を設定し各周波数帯域を同じ帯域幅で移動平均化するの
が一般的である。しかし人間の聴覚は臨界帯域と呼ばれ
る、「可聴周波数帯域全体に並ぶ帯域通過特性により音
の弁別や周波数分析を行っており、通過帯域幅は低域ほ
ど狭く高域ほど広い」という特性を持っている。本願
は、この臨界帯域に着目し、周波数帯域によって移動平
均化する帯域幅を臨界帯域に応じて最適化する方法をと
っている。なお、臨界帯域幅CBc(Hz)は、中心周波数
f(Hz)で記すと、下記式のように表現される。
を設定し各周波数帯域を同じ帯域幅で移動平均化するの
が一般的である。しかし人間の聴覚は臨界帯域と呼ばれ
る、「可聴周波数帯域全体に並ぶ帯域通過特性により音
の弁別や周波数分析を行っており、通過帯域幅は低域ほ
ど狭く高域ほど広い」という特性を持っている。本願
は、この臨界帯域に着目し、周波数帯域によって移動平
均化する帯域幅を臨界帯域に応じて最適化する方法をと
っている。なお、臨界帯域幅CBc(Hz)は、中心周波数
f(Hz)で記すと、下記式のように表現される。
【0021】
【数1】
【0022】以上の処理内容の具体例を図3に示す。図
3の(A)は、実測により求めた頭部伝達関数の時間応
答である。同図(B)は同図(A)をFFT変換して求
めた離散周波数応答と臨界帯域幅CBcを表示したもの
である。同図(C)は同図(B)を臨界帯域幅で移動平
均化した離散周波数応答を表示したものである。同図
(D)は同図(C)を逆FFT変換して求めた頭部伝達
関数の時間応答である。
3の(A)は、実測により求めた頭部伝達関数の時間応
答である。同図(B)は同図(A)をFFT変換して求
めた離散周波数応答と臨界帯域幅CBcを表示したもの
である。同図(C)は同図(B)を臨界帯域幅で移動平
均化した離散周波数応答を表示したものである。同図
(D)は同図(C)を逆FFT変換して求めた頭部伝達
関数の時間応答である。
【0023】このようにすると、図3(C)及び(D)
からも明らかなように、音像定位に必要な中低域におけ
る周波数応答の特徴を残しつつ、高域などにおける不必
要なピークやディップを取り除くことができる。以上の
処理により通常一般者が有するHRTFの特徴を残した
上で、鋭いディップを無くし、結果として再生時に再現
される周波数振幅特性に不必要な鋭いピークの発生を防
止するようにしている。
からも明らかなように、音像定位に必要な中低域におけ
る周波数応答の特徴を残しつつ、高域などにおける不必
要なピークやディップを取り除くことができる。以上の
処理により通常一般者が有するHRTFの特徴を残した
上で、鋭いディップを無くし、結果として再生時に再現
される周波数振幅特性に不必要な鋭いピークの発生を防
止するようにしている。
【0024】IR(インパルス応答)の整形処理(ス
テップ104) ここで、ステップ102で求めたIRを整形する。まず
例えばFFT変換により、ステップ102で求めた第1
のIRをオーディオスペクトラムにわたる離散周波数で
展開し、不要な帯域(高域には大きなディップが生じる
が、これは音像定位にあまり影響しない不要なものであ
る)を、BPF(バンドパスフィルタ)で除去する。こ
のように帯域制限すると、周波数軸上での不要なピーク
やディップが除去されて、キャンセルフィルタに不要な
係数が生じなくなるので、収束性がよくなり、係数を短
くすることができる。
テップ104) ここで、ステップ102で求めたIRを整形する。まず
例えばFFT変換により、ステップ102で求めた第1
のIRをオーディオスペクトラムにわたる離散周波数で
展開し、不要な帯域(高域には大きなディップが生じる
が、これは音像定位にあまり影響しない不要なものであ
る)を、BPF(バンドパスフィルタ)で除去する。こ
のように帯域制限すると、周波数軸上での不要なピーク
やディップが除去されて、キャンセルフィルタに不要な
係数が生じなくなるので、収束性がよくなり、係数を短
くすることができる。
【0025】そして、帯域制限されたIR(S)を逆F
FT変換して、IR(インパルス応答)を時間軸上で切
り出し窓(例えば、コサイン関数の窓)を掛けて、ウィ
ンド処理する(第2のIRとなる)。ウィンド処理する
ことにより、IRの有効長が長くなくなり、キャンセル
フィルタの収束性が向上して、音質の劣化が生じないよ
うになる。図4にHRTFのIR(インパルス応答)の
具体的な例を示す。横軸は時間(サンプルクロックが 4
8kHzであるクロック単位の時間)、縦軸は振幅のレベル
である。2点鎖線はウィンド窓を示す。
FT変換して、IR(インパルス応答)を時間軸上で切
り出し窓(例えば、コサイン関数の窓)を掛けて、ウィ
ンド処理する(第2のIRとなる)。ウィンド処理する
ことにより、IRの有効長が長くなくなり、キャンセル
フィルタの収束性が向上して、音質の劣化が生じないよ
うになる。図4にHRTFのIR(インパルス応答)の
具体的な例を示す。横軸は時間(サンプルクロックが 4
8kHzであるクロック単位の時間)、縦軸は振幅のレベル
である。2点鎖線はウィンド窓を示す。
【0026】キャンセルフィルタcfLx、cfRx
の算出(ステップ105) コンボルバ(たたみ込み積分回路)であるキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxは、前述した(式4a)及び
(式4b)に示したように、 cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b) である。
の算出(ステップ105) コンボルバ(たたみ込み積分回路)であるキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxは、前述した(式4a)及び
(式4b)に示したように、 cfLx=(h2R・pLx−h2L・pRx)/H (式4a) cfRx=(−h1R・pLx+h1L・pRx)/H (〃 ) ただし、H=h1L・h2R−h2L・h1R (式4b) である。
【0027】ここで、配置されるスピーカsp1,sp
2による頭部伝達特性h1L,h1R,h2L,h2R
及び、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置し
たときの頭部伝達特性pLx,pRxとして、上記ステ
ップ101〜104によって求められた、各角度θごと
の整形処理された第2のIR(インパルス応答)を代入
する。
2による頭部伝達特性h1L,h1R,h2L,h2R
及び、目的とする定位位置xに実際のスピーカを配置し
たときの頭部伝達特性pLx,pRxとして、上記ステ
ップ101〜104によって求められた、各角度θごと
の整形処理された第2のIR(インパルス応答)を代入
する。
【0028】頭部伝達特性h1L,h1Rは、図5のL
チャンネルスピーカの位置に対応するもので、正面から
左に例えば30度(θ=330度)に設置されるとすれ
ば、θ=330度のIRを用いる。頭部伝達特性h2
R,h2Lは、同図のRチャンネルスピーカの位置に対
応するもので、正面から右に例えば30度(θ=30
度)に設置されるとすれば、θ=30度のIRを用い
る。
チャンネルスピーカの位置に対応するもので、正面から
左に例えば30度(θ=330度)に設置されるとすれ
ば、θ=330度のIRを用いる。頭部伝達特性h2
R,h2Lは、同図のRチャンネルスピーカの位置に対
応するもので、正面から右に例えば30度(θ=30
度)に設置されるとすれば、θ=30度のIRを用い
る。
【0029】そして、頭部伝達特性pLx、pRxとし
ては、目的とする音源定位位置である正面から左右90
度の180度の範囲はもちろんのこと、それを越える広
範囲な空間(全空間)における、30度ごとのIRを代
入することにより、それに対応した全空間のcfLx、
cfRx、すなわち30度ごとに12組のキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRx群が求められる(図5では、
240度の位置を例としている)。キャンセルフィルタ
cfLx、cfRx群は、最終的には、時間軸上の応答
であるIR(インパルス応答)として求められる。
ては、目的とする音源定位位置である正面から左右90
度の180度の範囲はもちろんのこと、それを越える広
範囲な空間(全空間)における、30度ごとのIRを代
入することにより、それに対応した全空間のcfLx、
cfRx、すなわち30度ごとに12組のキャンセルフ
ィルタcfLx、cfRx群が求められる(図5では、
240度の位置を例としている)。キャンセルフィルタ
cfLx、cfRx群は、最終的には、時間軸上の応答
であるIR(インパルス応答)として求められる。
【0030】なお、(式4a)によるキャンセルフィル
タcfLx、cfRxの計算は、次のようである。まず
(式4b)のHに対する一種の逆フィルタであるH-1を
最小2乗法により求め、これを逆FFT変換して時間関
数h(t) とする。また(式4a)の各項h1L,h1
R,h2L,pRx,pLx,h2Rをそれぞれ時間関
数で表すことにより、次式が成り立つ。
タcfLx、cfRxの計算は、次のようである。まず
(式4b)のHに対する一種の逆フィルタであるH-1を
最小2乗法により求め、これを逆FFT変換して時間関
数h(t) とする。また(式4a)の各項h1L,h1
R,h2L,pRx,pLx,h2Rをそれぞれ時間関
数で表すことにより、次式が成り立つ。
【0031】 cfLx(t) =(h2R・pLx−h2L・pRx)・h(t) (式7) cfRx(t) =(−h1R・pLx+h1L・pRx)・h(t) (〃 )
【0032】したがって、これらの(式7)からキャン
セルフィルタcfLx、cfRxの係数が求められるこ
とになる。(式7)から明らかなように、キャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxの係数を短くするには、各頭
部伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,
h2Rをそれぞれ短くすることが極めて大切である。こ
のため、前述したように、ステップ101〜104でウ
ィンド処理,整形処理などの各種の処理をして、各頭部
伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,h
2Rを短くしている。
セルフィルタcfLx、cfRxの係数が求められるこ
とになる。(式7)から明らかなように、キャンセルフ
ィルタcfLx、cfRxの係数を短くするには、各頭
部伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,
h2Rをそれぞれ短くすることが極めて大切である。こ
のため、前述したように、ステップ101〜104でウ
ィンド処理,整形処理などの各種の処理をして、各頭部
伝達特性h1L,h1R,h2L,pRx,pLx,h
2Rを短くしている。
【0033】図6にキャンセルフィルタ係数cfLx、
cfRxの具体的な係数列を示す。横軸は時間(サンプ
ルクロックが 48kHzであるクロック単位の時間)、縦軸
は振幅のレベルである。2点鎖線はウィンド窓を示す。
cfRxの具体的な係数列を示す。横軸は時間(サンプ
ルクロックが 48kHzであるクロック単位の時間)、縦軸
は振幅のレベルである。2点鎖線はウィンド窓を示す。
【0034】各定位ポイントxのキャンセルフィルタ
のスケーリング(ステップ106) また、実際にコンボルバ(キャンセルフィルタ)で音像
処理される音源(ソース音)のスペクトラム分布は、統
計的にみるとピンクノイズのように分布するもの、ある
いは高域でなだらかに下がるものなどがあり、いずれに
しても音源は単一音とは異なるために、畳み込み演算
(積分)を行ったときオーバーフローして、歪が発生す
る危険がある。
のスケーリング(ステップ106) また、実際にコンボルバ(キャンセルフィルタ)で音像
処理される音源(ソース音)のスペクトラム分布は、統
計的にみるとピンクノイズのように分布するもの、ある
いは高域でなだらかに下がるものなどがあり、いずれに
しても音源は単一音とは異なるために、畳み込み演算
(積分)を行ったときオーバーフローして、歪が発生す
る危険がある。
【0035】そこで、オーバーフローを防止するため、
キャンセルフィルタcfLx、cfRxの係数の中で最
大のゲイン(例えば、キャンセルフィルタcfLx、c
fRxの各サンプル値の2乗和)のものを見つけ、その
係数と0dbのホワイトノイズを畳込んだときに、オー
バーフローが生じないように、全係数をスケーリングす
る。実際的には、絶対値の最大値が、許容レベル(振
幅)1に対して0.1〜0.4位(例えば0.2)とな
るように減衰させると良い。
キャンセルフィルタcfLx、cfRxの係数の中で最
大のゲイン(例えば、キャンセルフィルタcfLx、c
fRxの各サンプル値の2乗和)のものを見つけ、その
係数と0dbのホワイトノイズを畳込んだときに、オー
バーフローが生じないように、全係数をスケーリングす
る。実際的には、絶対値の最大値が、許容レベル(振
幅)1に対して0.1〜0.4位(例えば0.2)とな
るように減衰させると良い。
【0036】そして、図6に示したウィンド窓(コサイ
ン窓)により、実際のコンボルバの係数の数にあわせ
て、両端が0となるように、ウィンド処理し、係数の有
効長を短くする。このようにしてスケーリング処理され
て、最終的にコンボルバに係数として供給されるデータ
群(この例では、30度ごとに音像定位が可能な12組
のコンボルバの係数群)cfLx、cfRxが求まる。
ン窓)により、実際のコンボルバの係数の数にあわせ
て、両端が0となるように、ウィンド処理し、係数の有
効長を短くする。このようにしてスケーリング処理され
て、最終的にコンボルバに係数として供給されるデータ
群(この例では、30度ごとに音像定位が可能な12組
のコンボルバの係数群)cfLx、cfRxが求まる。
【0037】音源からの信号を畳み込み演算して再生
(ステップ107) 例えば、ゲーム機の音響再生装置として、図1に示すよ
うに、ゲーム操作者(聴取者)Mを中心として左右30
度づづ離間して一対のスピーカsp1,sp2を配設
し、これら一対のスピーカsp1,sp2には、一対の
コンボルバ(畳み込み演算処理回路)2,3で処理され
た音響信号が再生されるように構成する。
(ステップ107) 例えば、ゲーム機の音響再生装置として、図1に示すよ
うに、ゲーム操作者(聴取者)Mを中心として左右30
度づづ離間して一対のスピーカsp1,sp2を配設
し、これら一対のスピーカsp1,sp2には、一対の
コンボルバ(畳み込み演算処理回路)2,3で処理され
た音響信号が再生されるように構成する。
【0038】一対のコンボルバには、同一の音源X(例
えば、ゲーム用シンセサイザからの飛行音など)1から
の信号が供給されると共に、前記ステップ105で作成
されたIRの係数cfLx、cfRx(例えば、飛行音
を左後方120度(θ=240度)の位置に音像定位さ
せたい時は、θ=240度の係数)が、選択されてコン
ボルバ2,3に設定される。
えば、ゲーム用シンセサイザからの飛行音など)1から
の信号が供給されると共に、前記ステップ105で作成
されたIRの係数cfLx、cfRx(例えば、飛行音
を左後方120度(θ=240度)の位置に音像定位さ
せたい時は、θ=240度の係数)が、選択されてコン
ボルバ2,3に設定される。
【0039】例えば、ゲーム機などのメインCPU(中
央演算装置)からの音像定位命令にもとづいてコントロ
ール用サブCPU4により係数ROM5から、所望の定
位位置の係数が一対のコンボルバ2,3に転送される。
央演算装置)からの音像定位命令にもとづいてコントロ
ール用サブCPU4により係数ROM5から、所望の定
位位置の係数が一対のコンボルバ2,3に転送される。
【0040】このようにして、一対のコンボルバ2,3
により音源X1からの信号は時間軸上で畳み込み演算処
理がなされて、離間して配設された一対のスピーカsp
1,sp2から再生される。一対のスピーカsp1,s
p2から再生された音は、両耳へのクロストークがキャ
ンセルされて、所望の位置に音源があるように音像定位
して、ゲーム操作者(聴取者)Mに聞かれ、極めて現実
感に満ちた音として再生される。
により音源X1からの信号は時間軸上で畳み込み演算処
理がなされて、離間して配設された一対のスピーカsp
1,sp2から再生される。一対のスピーカsp1,s
p2から再生された音は、両耳へのクロストークがキャ
ンセルされて、所望の位置に音源があるように音像定位
して、ゲーム操作者(聴取者)Mに聞かれ、極めて現実
感に満ちた音として再生される。
【0041】コンボルバの係数は、操作者の操作に応じ
た飛行機の動きの推移と共に、最適な音像位置が順次選
択され、切換えられる。また、飛行音から、例えばミサ
イル音に変更する時は、音源Xからのソース音が飛行音
からミサイル音に変更される。このようにして、任意の
位置を音像を自由に定位させることができる。
た飛行機の動きの推移と共に、最適な音像位置が順次選
択され、切換えられる。また、飛行音から、例えばミサ
イル音に変更する時は、音源Xからのソース音が飛行音
からミサイル音に変更される。このようにして、任意の
位置を音像を自由に定位させることができる。
【0042】なお、以上の説明では、臨界帯域幅を式を
もって定義されるものとして、具体的に述べたが、これ
に限定されるものではない。この定義式に類似するも
の、あるいは対数式により近似したものなど、その幅が
低域になるほど狭く高域なるほど広くなるものであれば
良い。
もって定義されるものとして、具体的に述べたが、これ
に限定されるものではない。この定義式に類似するも
の、あるいは対数式により近似したものなど、その幅が
低域になるほど狭く高域なるほど広くなるものであれば
良い。
【0043】また、再生のためのトランスジューサとし
てはー対のスピーカsp1,sp2のかわりにヘッドホ
ーンを用いることもできる。この場合は、HRTFの測
定条件が異なるので、係数を別に準備して再生状況に応
じて切換えると良い。また、ステップ103に示したI
R(インパルス応答)の整形処理は必ずしも必要ではな
く、省略しても音像定位の制御は可能である。また、実
施例で説明した、離間して配設された一対のトランスジ
ューサから同一の音源が供給された一対のコンボルバで
処理した信号を再生する構成は、本願の効果を得るため
の最小限の構成を示すものである。よって、必要に応じ
ては、一対、すなわち、2つ以上のトランスジューサ及
びコンボルバで追加構成しても良いことはもちろんであ
り、さらに、コンボルバの係数が長い場合には、係数を
分割して複数個のコンボルバで構成しても良い。
てはー対のスピーカsp1,sp2のかわりにヘッドホ
ーンを用いることもできる。この場合は、HRTFの測
定条件が異なるので、係数を別に準備して再生状況に応
じて切換えると良い。また、ステップ103に示したI
R(インパルス応答)の整形処理は必ずしも必要ではな
く、省略しても音像定位の制御は可能である。また、実
施例で説明した、離間して配設された一対のトランスジ
ューサから同一の音源が供給された一対のコンボルバで
処理した信号を再生する構成は、本願の効果を得るため
の最小限の構成を示すものである。よって、必要に応じ
ては、一対、すなわち、2つ以上のトランスジューサ及
びコンボルバで追加構成しても良いことはもちろんであ
り、さらに、コンボルバの係数が長い場合には、係数を
分割して複数個のコンボルバで構成しても良い。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明になる音像
定位制御方法は、離間して配設された複数のトランスジ
ューサから、同一の音源が供給された複数の信号変換回
路で処理した信号を再生して、聴取者に前記トランスジ
ューサとは異なる任意の位置に音像が定位しているよう
に感じさせる音像定位制御方法おいて、予め設定配置さ
れたトランスジューサから聴取者の両耳までの伝達特性
を求め、この求めた伝達特性を周波数振幅特性上で移動
平均化処理を施すと共に、この移動平均化処理をした伝
達特性と各音像定位位置において測定した伝達関数とを
もとに前記信号変換回路の伝達特性としたものであるか
ら、臨界帯域幅で最適化された帯域幅で移動平均化され
て、音像定位に必要な中低域における周波数応答の特徴
を残しつつ、高域などにおける不必要なピークやディッ
プを取り除くことができるため、通常一般者が有するH
RTFの特徴を残した上で、鋭いディップを無くし、結
果として再生時に再現される周波数振幅特性に不必要な
鋭いピークの発生を防止して自然な音質を得ることがで
きる。
定位制御方法は、離間して配設された複数のトランスジ
ューサから、同一の音源が供給された複数の信号変換回
路で処理した信号を再生して、聴取者に前記トランスジ
ューサとは異なる任意の位置に音像が定位しているよう
に感じさせる音像定位制御方法おいて、予め設定配置さ
れたトランスジューサから聴取者の両耳までの伝達特性
を求め、この求めた伝達特性を周波数振幅特性上で移動
平均化処理を施すと共に、この移動平均化処理をした伝
達特性と各音像定位位置において測定した伝達関数とを
もとに前記信号変換回路の伝達特性としたものであるか
ら、臨界帯域幅で最適化された帯域幅で移動平均化され
て、音像定位に必要な中低域における周波数応答の特徴
を残しつつ、高域などにおける不必要なピークやディッ
プを取り除くことができるため、通常一般者が有するH
RTFの特徴を残した上で、鋭いディップを無くし、結
果として再生時に再現される周波数振幅特性に不必要な
鋭いピークの発生を防止して自然な音質を得ることがで
きる。
【図1】本発明になる音像定位制御方法にもとづく音像
定位装置の構成図である。
定位装置の構成図である。
【図2】本発明になる音像定位制御方法のステップを示
すチャートである。
すチャートである。
【図3】本発明になる音像定位制御方法を説明する図
で、同図(A)は測定により求めた頭部伝達関数をもと
に求めた信号処理回路(コンボルバ)の時間応答であ
り、同図(B)は同図(A)をFFT変換して求めた離
散周波数応答と臨界帯域幅を表示したものであり、同図
(C)は同図(B)を臨界帯域幅で移動平均化した離散
周波数応答を表示したものであり、同図(D)は同図
(C)を逆FFT変換して求めた信号処理回路(コンボ
ルバ)の時間応答である。
で、同図(A)は測定により求めた頭部伝達関数をもと
に求めた信号処理回路(コンボルバ)の時間応答であ
り、同図(B)は同図(A)をFFT変換して求めた離
散周波数応答と臨界帯域幅を表示したものであり、同図
(C)は同図(B)を臨界帯域幅で移動平均化した離散
周波数応答を表示したものであり、同図(D)は同図
(C)を逆FFT変換して求めた信号処理回路(コンボ
ルバ)の時間応答である。
【図4】HRTFのIR(インパルス応答)の具体的な
例を示す図である。
例を示す図である。
【図5】キャンセルフィルタの算出例を説明する図であ
る。
る。
【図6】キャンセルフィルタの係数の具体的な例を示す
図である。
図である。
【図7】HRTF(頭部伝達関数)の測定システムを示
す構成図である。
す構成図である。
【図8】HRTF測定のポイントを説明する図である。
【図9】本発明になる音像定位制御方法の基本原理を示
す構成図である。
す構成図である。
1 音源(シンセサイザ) 2,3 コンボルバ 5 係数ROM 101 頭部伝達関数(HRTF)を測定するステッ
プ 102 HRTFのインパルス応答を算出するステッ
プ 103 頭部伝達関数h1L,h1R,h2L,h2
Rの移動平均化ステップ 105 キャンセルフィルタcfLx、cfRxを算出
するステップ 107 音源からの信号を畳み込み演算して再生するス
テップ sp1,sp2 スピーカ h1L,h1R スピーカsp1から受聴者左右耳まで
の頭部伝達特性 h2L,h2R スピーカsp2から受聴者左右耳まで
の頭部伝達特性 pLx,pRx 目的とする定位位置xに実際のスピー
カを配置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性
プ 102 HRTFのインパルス応答を算出するステッ
プ 103 頭部伝達関数h1L,h1R,h2L,h2
Rの移動平均化ステップ 105 キャンセルフィルタcfLx、cfRxを算出
するステップ 107 音源からの信号を畳み込み演算して再生するス
テップ sp1,sp2 スピーカ h1L,h1R スピーカsp1から受聴者左右耳まで
の頭部伝達特性 h2L,h2R スピーカsp2から受聴者左右耳まで
の頭部伝達特性 pLx,pRx 目的とする定位位置xに実際のスピー
カを配置したときの受聴者左右耳までの頭部伝達特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 1/40 310 H04S 1/00 K H04S 1/00 7/00 F 7/00 G06F 15/36 A
Claims (1)
- 【請求項1】離間して配設された複数のトランスジュー
サから、同一の音源が供給された複数の信号変換回路で
処理した信号を再生して、聴取者に前記トランスジュー
サとは異なる任意の位置に音像が定位しているように感
じさせる音像定位制御方法において、 実測用に設定配置されたトランスジューサと各定位目標
位置とから人頭又は疑似人頭までの伝達関数を夫々求
め、これら伝達関数の内、前記トランスジューサから得
られた伝達関数を周波数振幅特性上で移動平均化処理を
し、この移動平均化処理をした伝達関数と前記各音像定
位位置から得られた伝達関数とをもとに前記信号変換回
路の伝達特性を求めるようにしたことを特徴とする音像
定位制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7315955A JPH09135499A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 音像定位制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7315955A JPH09135499A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 音像定位制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09135499A true JPH09135499A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=18071614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7315955A Pending JPH09135499A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 音像定位制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09135499A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8873761B2 (en) | 2009-06-23 | 2014-10-28 | Sony Corporation | Audio signal processing device and audio signal processing method |
US9232336B2 (en) | 2010-06-14 | 2016-01-05 | Sony Corporation | Head related transfer function generation apparatus, head related transfer function generation method, and sound signal processing apparatus |
-
1995
- 1995-11-08 JP JP7315955A patent/JPH09135499A/ja active Pending
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US8520857B2 (en) | 2008-02-15 | 2013-08-27 | Sony Corporation | Head-related transfer function measurement method, head-related transfer function convolution method, and head-related transfer function convolution device |
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US8503682B2 (en) | 2008-02-27 | 2013-08-06 | Sony Corporation | Head-related transfer function convolution method and head-related transfer function convolution device |
US9432793B2 (en) | 2008-02-27 | 2016-08-30 | Sony Corporation | Head-related transfer function convolution method and head-related transfer function convolution device |
US8873761B2 (en) | 2009-06-23 | 2014-10-28 | Sony Corporation | Audio signal processing device and audio signal processing method |
JP2010187401A (ja) * | 2010-04-26 | 2010-08-26 | Sony Corp | 頭部伝達関数畳み込み方法および頭部伝達関数畳み込み装置 |
US8831231B2 (en) | 2010-05-20 | 2014-09-09 | Sony Corporation | Audio signal processing device and audio signal processing method |
US9232336B2 (en) | 2010-06-14 | 2016-01-05 | Sony Corporation | Head related transfer function generation apparatus, head related transfer function generation method, and sound signal processing apparatus |
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