JPH089380Y2

JPH089380Y2 - エンジン補機の支持装置

Info

Publication number: JPH089380Y2
Application number: JP1986198556U
Authority: JP
Inventors: 修野崎; 伸彦田中
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1986-12-26
Filing date: 1986-12-26
Publication date: 1996-03-21
Anticipated expiration: 2001-12-26
Also published as: JPS63104639U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はエンジンによりベルト駆動される補機の支持
装置に関する。

（従来の技術）エンジン本体に近接して取付けられ、かつこのエンジ
ンによりベルト駆動される補機類は、ベルト張力調整が
可能なようにエンジン本体に取付けられる。そこで例え
ば実開昭57−136836号公報に開示されているエンジンの
補機支持装置では、補機の一端をエンジン本体に揺動可
能に取付け、このエンジン本体に基端部が取付けられた
アーム部材に調整用ボルトを回動自在に設けるととも
に、補機の他端に連結された部材を上記調整用ボルトに
螺合させ、このボルトの回動操作により補機を揺動させ
てこの補機とエンジン本体との間の相対距離を変更し、
これにより駆動ベルトの張力を調整するようにしてい
る。

しかしながら上記公報に開示されている構成では、ベ
ルト張力調整用ボルトを備えたアーム部材が補機の下方
に設けられていて、このアーム部材がエンジン本体から
斜め上方に延びて補機の外側にまで張り出しているた
め、このアーム部材によってエンジン全体の横幅が大き
くなる欠点があった。また、調整用ボルトが斜め下方に
向ってアーム部材の延長方向に沿って延長して設けられ
ているため、このボルトに対する回動操作を斜め上方か
ら行なわなければならず、エンジン側方のエンジンルー
ムの壁が邪魔になって駆動ベルトの張力調整作業がやり
にくいという問題もあった。

さらに、上記補機の支持が２ケ所のみにおいて行なわ
れているため、補機の支持剛性が低いという問題もあっ
た。

（考案の目的）上述の事情に鑑み、本考案はエンジン全体の横幅を短
縮し、かつ駆動ベルトの張力調整作業の作業性を改善す
るとともに、補機の支持剛性を高めたエンジン補機の支
持装置を提供することを目的とする。

（考案の構成）本考案では、補機の揺動中心と該補機の回転軸の軸心
とを結ぶ直線が、上記回転軸の軸心とクランクプーリの
軸心とを結ぶ直線に対してほぼ直交し、かつ上記揺動中
心が上記回転軸の軸心よりも上方に配置される態様で、
上記補機をエンジン本体の側方に揺動可能に取付けると
ともに、エンジン本体側に基端部が取付けられ、かつ下
方に向って延びる調整用ボルトを先端部に備えたアーム
部材を補機の上方に設けている。

また、補機のエンジン幅方向の最外側近傍で該補機に
下端部が連結されてこの補機から上方に延びる連結部材
の上端部に、上記調整用ボルトに螺合される部材を取付
けている。

さらに、上記補機の下方に、エンジン本体に固定され
て上記補機とともにベルトによって駆動される他の補機
を配設し、この下方側の他の補機に固定されたブラケッ
トに、上記上方側の補機の下部を該補機のエンジン幅方
向の最外方よりも内方で連結したことを特徴とするもの
である。

（考案の効果）上記構成によれば、補機の上方に設けられるアーム部
材の寸法を、その外端が、補機の外端から僅かに突出す
る程度以内に押えることができるから、エンジン全体の
横幅を短縮することができる。また、駆動ベルトの張力
を調整するためのボルトが、アーム部材の先端部におい
て下方に向って延長して設けられていることにより、こ
のボルトの回動操作を上方から行なうことができるか
ら、駆動ベルトの張力調整作業をエンジンルームの壁に
妨げられることなく容易に行なうことができる。

さらに、エンジン本体側に揺動可能に取付けられる補
機が、３点で支持されることにより、この補機の支持剛
性が向上する利点がある。

（実施例）以下、本考案の一実施例について図面を参照して詳細
に説明する。

第１図および第２図は本考案によるエンジン補機の支
持構造を示す正面図および側面図で、１はエンジン本
体、２はクランクシャフトに取付けられたクランクプー
リ、３はエンジン本体１に取付けられたブラケット、４
はエンジン補機であるエアコンプレッサで、このエアコ
ンプレッサ４は、そのエンジン本体１側の斜め上方部に
おいてボルト５およびナット６によって上記ブラケット
３に取付けられているが、このナット６の締着を緩めれ
ばボルト５を中心にして揺動可能に取付けられている。
７はエアコンプレッサ４の下方においてエンジン本体１
に固定的に取付けられているパワーステアリング用オイ
ルポンプで、このポンプ７の上部にはボルト５を中心と
した円弧を描く円弧状の長孔８を備えた板状のブラケッ
ト９がボルト10およびナット11によって取付けられてい
る。そしてエアコンプレッサ４の下部は、その回転軸12
の軸線に関してボルト５側とは反対側において、かつ、
エアコンプレッサ４の最外方よりも内方で、ブラケット
９の長孔８内に挿通されたボルト13およびナット14によ
ってブラケット９に固定されている。上記エアコンプレ
ッサ４の回転軸12およびポンプ７の回転軸15にはそれぞ
れプーリ16、17が取付けられており、これらプーリ16、
17とクランクプーリ２とを繞って架張されたベルト18に
よってエアコンプレッサ４およびポンプ７が駆動される
ようになっている。

そして、この場合、第１図に示すように、エアコンプ
レッサ４の揺動中心S1（ボルト５）とエアコンプレッサ
４の回転軸12の軸心S2とを結ぶ直線L1が、回転軸12の軸
心S2とクランクプーリ２の軸心（クランク軸の軸心）S3
とを結ぶ直線L2に対してほぼ直交し、かつ上記揺動中心
S1が回転軸12の軸心S2よりも上方に配置される態様で、
エアコンプレッサ４がエンジン本体１の側方に揺動可能
に取付けられている。

一方、上記ブラケット３の先端部には、ブラケット20
が固着されてエアコンプレッサ４の上方に張り出してお
り、ブラケット３および20によってアーム部材が構成さ
れている。そしてブラケット20の垂直壁部20aの上端縁
はほぼ直角に折曲げられて庇部20bを形成しており、こ
のブラケット20の先端の庇部20bにボルトヘッド21aをこ
の庇部20bの上面に載置したベルト張力調整用のボルト2
1が下方に向けて回動自在に取付けられている。また、
ブラケット20の垂直壁部20aには、上記ベルト張力調整
用のボルト21に沿って上下方向に延びる直線状の長孔22
が形成されている。

さらに、エアコンプレッサ４のエンジン本体１側とは
反対側、すなわち外側の斜め上方部、すなわち、エアコ
ンプレッサ４のエンジン幅方向の最外側近傍には、上記
ブラケット20の長孔22に沿うように上方へ延びる細長い
板状の連結部材23の下端部がボルト24およびナット25に
よって固定されており、この連結部材23の上端部に、上
記ベルト張力調整用のボルト21に螺合され、かつ上記ブ
ラケット20の長孔22に挿通されたピン26を備えた部材27
が取付けられている。上記ピン26にはねじ溝が切られ、
このねじ溝に螺装されたナット28によって連結部材23が
ブラケット20に取付けられている。

以上が本考案の実施例の構成であるが、上記構成にお
いて、ナット16、14、25および28を緩め、ベルト張力調
整用ボルト21のボルトヘッド21aを時計方向または反時
計方向に回動すれば、ブラケット20の長孔22内に挿入さ
れているピン26が長孔22に案内されてこの長孔22に沿っ
て上下するため、これに伴ってエアコンプレッサ４がそ
のエンジン本体１側の支持点であるボルト５を中心にし
て上下に揺動され、ベルト18の張り具合を調整すること
ができる。この調整を終了した後、ナット６、14、25お
よび28を締着すれば、エアコンプレッサ４をエンジン本
体１に確実に固定することができる。そしてこの場合の
調整は、ボルト21のボルトヘッド21aを上方から回動す
ることによって行なうものであるから、エンジンルーム
内の狭さにわずらわされずにベルト張力調整を容易に行
なうことができる。さらに、ブラケット３および20で構
成されたアーム部材は、エアコンプレッサ４の側方にほ
とんど突出しないから、エンジン全体の横幅を短縮する
ことが可能になる。

さらに、エアコンプレッサ４が、ブラケット３および
９と、連結部材23の下端部との３点で支持されるから、
エアコンプレッサ４の支持剛性が増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図はその側
面図である。１……エンジン本体、３……ブラケット４……エアコンプレッサ、５……ボルト 16、17……プーリ、18……ベルト 20……ブラケット 21……ベルト張力調整用ボルト 22……長孔、23……連結部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】エンジン本体の側方に配設され、かつクラ
ンクプーリによりベルト駆動される補機をエンジン本体
側に揺動可能に取付け、このエンジン本体側に基端部が
固定されたアーム部材に調整用ボルトを回動自在に設け
るとともに、上記補機に連結された部材を上記ボルトに
螺合させ、このボルトの回動操作により上記補機を揺動
させてこの補機と上記エンジン本体との間の相対距離を
変更し、これによりベルトの張力を調整するようにした
エンジン補機の支持装置において、上記補機（４）の揺動中心（S1）と該補機（４）の回転
軸（12）の軸心（S2）とを結ぶ直線（L1）が、上記回転
軸（12）の軸心（S2）と上記クランクプーリ（２）の軸
心（S3）とを結ぶ直線（L2）に対してほぼ直交し、かつ
上記揺動中心（S1）が上記回転軸（12）の軸心（S2）よ
りも上方に配置される態様で、上記補機（４）を上記エ
ンジン本体（１）の側方に揺動可能に取付け、上記アーム部材（3,20）を上記補機（４）の上方に設け
るとともに、このアーム部材（3,20）の先端部に上記調
整用ボルト（21）を下方に向って延長して取付け、上記補機（４）のエンジン幅方向の最外側近傍で該補機
（４）に下端部が連結されて上記補機（４）から上方に
延びる連結部材（23）の上端部に、上記調整用ボルト
（21）に螺合される部材（27）を取付け、上記補機（４）の下方に、上記エンジン本体（１）に固
定されて上記補機（４）とともに上記ベルト（18）によ
って駆動される他の補機（７）を配設し、この下方側の他の補機（７）に固定されたブラケット
（９）に、上記上方側の補機（４）の下部を該補機
（４）のエンジン幅方向の最外側よりも内方で連結した
ことを特徴とするエンジン補機の支持装置。