JPH0892553A - 蛍光体 - Google Patents
蛍光体Info
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- JPH0892553A JPH0892553A JP22358294A JP22358294A JPH0892553A JP H0892553 A JPH0892553 A JP H0892553A JP 22358294 A JP22358294 A JP 22358294A JP 22358294 A JP22358294 A JP 22358294A JP H0892553 A JPH0892553 A JP H0892553A
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- JP
- Japan
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- phosphor
- fluorescent
- comparative example
- particle size
- measured
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 発光スペクトルや視感度などの発光特性に優
れ、かつ陰極線管や蛍光ランプに用いる際に緻密かつ均
質で輝度の高い蛍光面を形成することができる蛍光体を
提供する。 【構成】 平均粒径が0.5〜20μmであり、個々の
粒子の長径と短径の比が1.0〜1.5の範囲にあり、
組成式MWO4 (ただし、MはCaおよびMgのうち少
なくとも1種)またはCaWO4 :Pbで表される蛍光
体。
れ、かつ陰極線管や蛍光ランプに用いる際に緻密かつ均
質で輝度の高い蛍光面を形成することができる蛍光体を
提供する。 【構成】 平均粒径が0.5〜20μmであり、個々の
粒子の長径と短径の比が1.0〜1.5の範囲にあり、
組成式MWO4 (ただし、MはCaおよびMgのうち少
なくとも1種)またはCaWO4 :Pbで表される蛍光
体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発光特性および陰極線管
や蛍光ランプに用いる際の塗布特性に優れた蛍光体に関
する。
や蛍光ランプに用いる際の塗布特性に優れた蛍光体に関
する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管や蛍光ランプに用いられる蛍光
体は、電子線や紫外線によって励起したときの発光効率
の観点から数μmの粒径が必要とされている。この程度
の粒径を有する結晶粒を得るために、蛍光体は通常、焼
成・洗浄によって合成される。しかし、こうして合成さ
れた蛍光体は凝集が多くまた形状は完全な球状ではな
く、原料の形状や結晶構造を反映して多面体に近い形と
なり、このため粒子の流動性が良くない。
体は、電子線や紫外線によって励起したときの発光効率
の観点から数μmの粒径が必要とされている。この程度
の粒径を有する結晶粒を得るために、蛍光体は通常、焼
成・洗浄によって合成される。しかし、こうして合成さ
れた蛍光体は凝集が多くまた形状は完全な球状ではな
く、原料の形状や結晶構造を反映して多面体に近い形と
なり、このため粒子の流動性が良くない。
【0003】こうした蛍光体を用いて例えば陰極線管の
蛍光面を形成した場合、電子線励起によって生じる発光
が蛍光面からの光出力として必ずしも十分に利用されな
いという欠点がある。すなわち、蛍光体粒子の形状が多
面体に近く流動性が悪いと、緻密な蛍光膜が得られず空
隙が生じるうえ、光反射膜としてのアルミバックの平滑
度も劣り凹凸が生じる。このため、発光した光の乱反射
が大きくなり、これが光の損失の原因となる。また凝集
が多いと、いわゆる異物の多い均質でない蛍光膜にな
り、画像のボケなどを生じる。また、カラー陰極線管の
場合、通常、ガラス内面と感光性樹脂からなる懸濁液
(スラリー)を全面塗布して蛍光膜を形成し、紫外線を
照射して所望の領域だけを重合させた後、紫外線が照射
されなかった領域の蛍光膜を洗い流す。このとき、蛍光
膜の光散乱が大きいと紫外線が蛍光膜の内部にまで侵入
しないので内部が重合しにくい。このため、蛍光膜の輝
度が最大になる十分厚い膜が形成されにくい。さらに、
光散乱が大きいと、所望の領域以外の領域まで感光して
重合するため、設計通りの蛍光膜パターンを得ることが
困難になる。同様に前記のような蛍光体を蛍光ランプに
用いた場合にも、緻密な蛍光膜が得られないため、紫外
線励起による発光が十分有効に利用されない。
蛍光面を形成した場合、電子線励起によって生じる発光
が蛍光面からの光出力として必ずしも十分に利用されな
いという欠点がある。すなわち、蛍光体粒子の形状が多
面体に近く流動性が悪いと、緻密な蛍光膜が得られず空
隙が生じるうえ、光反射膜としてのアルミバックの平滑
度も劣り凹凸が生じる。このため、発光した光の乱反射
が大きくなり、これが光の損失の原因となる。また凝集
が多いと、いわゆる異物の多い均質でない蛍光膜にな
り、画像のボケなどを生じる。また、カラー陰極線管の
場合、通常、ガラス内面と感光性樹脂からなる懸濁液
(スラリー)を全面塗布して蛍光膜を形成し、紫外線を
照射して所望の領域だけを重合させた後、紫外線が照射
されなかった領域の蛍光膜を洗い流す。このとき、蛍光
膜の光散乱が大きいと紫外線が蛍光膜の内部にまで侵入
しないので内部が重合しにくい。このため、蛍光膜の輝
度が最大になる十分厚い膜が形成されにくい。さらに、
光散乱が大きいと、所望の領域以外の領域まで感光して
重合するため、設計通りの蛍光膜パターンを得ることが
困難になる。同様に前記のような蛍光体を蛍光ランプに
用いた場合にも、緻密な蛍光膜が得られないため、紫外
線励起による発光が十分有効に利用されない。
【0004】ここで、MWO4 (ただし、MはCaおよ
びMgのうち少なくとも1種)またはCaWO4 :Pb
のいずれの蛍光体も、400〜500nmにピーク波長
を持つ発光スペクトルを有し、短波長の発光であるため
に視感度的に不利である。また、例えばCaWO4 :P
bなどの励起スペクトルのピークは254nmよりもか
なり長波長側にずれており、254nmの紫外線で励起
する場合には励起効率が低下するという問題があった。
びMgのうち少なくとも1種)またはCaWO4 :Pb
のいずれの蛍光体も、400〜500nmにピーク波長
を持つ発光スペクトルを有し、短波長の発光であるため
に視感度的に不利である。また、例えばCaWO4 :P
bなどの励起スペクトルのピークは254nmよりもか
なり長波長側にずれており、254nmの紫外線で励起
する場合には励起効率が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発光スペク
トルや視感度などの発光特性に優れ、かつ陰極線管や蛍
光ランプに用いる際に緻密かつ均質で輝度の高い蛍光面
を形成することができる蛍光体を提供することを目的と
する。
トルや視感度などの発光特性に優れ、かつ陰極線管や蛍
光ランプに用いる際に緻密かつ均質で輝度の高い蛍光面
を形成することができる蛍光体を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の蛍光体は、平均
粒径が0.5〜20μmであり、個々の粒子の長径と短
径の比が1.0〜1.5の範囲にあり、粒径0.2μm
以下の超微粒子を0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜1重量%含む、組成式MWO4 (ただし、M
はCaおよびMgのうち少なくとも1種)またはCaW
O4 :Pbで表されることを特徴とするものである。
粒径が0.5〜20μmであり、個々の粒子の長径と短
径の比が1.0〜1.5の範囲にあり、粒径0.2μm
以下の超微粒子を0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜1重量%含む、組成式MWO4 (ただし、M
はCaおよびMgのうち少なくとも1種)またはCaW
O4 :Pbで表されることを特徴とするものである。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において、蛍光体粒子の平均粒径を0.5〜20μ
mと規定したのは、陰極線管や蛍光ランプに用いる場合
の最適な粒径がこの範囲にあることが経験的に知られて
いることによるものである。すなわち、平均粒径が0.
5μmより小さい場合または20μmより大きい場合に
は、蛍光面の輝度が低くなってしまう。
発明において、蛍光体粒子の平均粒径を0.5〜20μ
mと規定したのは、陰極線管や蛍光ランプに用いる場合
の最適な粒径がこの範囲にあることが経験的に知られて
いることによるものである。すなわち、平均粒径が0.
5μmより小さい場合または20μmより大きい場合に
は、蛍光面の輝度が低くなってしまう。
【0008】本発明の蛍光体は、個々の蛍光体粒子の長
径と短径の比、すなわち個々の蛍光体粒子において径が
最大の部分と最小の部分の比(アスペクト比)が1.0
〜15の範囲にあり、完全な真球に極めて近い形状をも
つ。また、本発明の蛍光体粒子は粒径0.2μm以下の
超微粒子を0.001〜5重量%、好ましくは0.01
〜1重量%含む。5重量%を超えて超微粒子が含まれて
いると、光散乱が増加するために、この蛍光体から作製
した蛍光膜の光透過率が低下し、実用性に乏しくなる。
一方、上記範囲内の超微粒子を含んでいると、蛍光体の
流動性と分散性が向上する。このため、液中での蛍光体
の沈降や蛍光体スラリーの塗布によって蛍光膜を形成し
たとき、この蛍光膜は最密充填に近くなる。したがっ
て、蛍光膜内の乱反射が少なくなって膜の透過率が向上
し、蛍光面からの光出力として利用される発光の割合が
大きくなり、蛍光面の輝度が向上する。一方、カラー陰
極線管などの熱処理時に、超微粒子が球状粒子間のバイ
ンダーの役目を果たし、蛍光膜の付着力が強化される。
径と短径の比、すなわち個々の蛍光体粒子において径が
最大の部分と最小の部分の比(アスペクト比)が1.0
〜15の範囲にあり、完全な真球に極めて近い形状をも
つ。また、本発明の蛍光体粒子は粒径0.2μm以下の
超微粒子を0.001〜5重量%、好ましくは0.01
〜1重量%含む。5重量%を超えて超微粒子が含まれて
いると、光散乱が増加するために、この蛍光体から作製
した蛍光膜の光透過率が低下し、実用性に乏しくなる。
一方、上記範囲内の超微粒子を含んでいると、蛍光体の
流動性と分散性が向上する。このため、液中での蛍光体
の沈降や蛍光体スラリーの塗布によって蛍光膜を形成し
たとき、この蛍光膜は最密充填に近くなる。したがっ
て、蛍光膜内の乱反射が少なくなって膜の透過率が向上
し、蛍光面からの光出力として利用される発光の割合が
大きくなり、蛍光面の輝度が向上する。一方、カラー陰
極線管などの熱処理時に、超微粒子が球状粒子間のバイ
ンダーの役目を果たし、蛍光膜の付着力が強化される。
【0009】また、本発明の蛍光体の発光特性に関して
は、発光スペクトルが長波長側にずれることから、視感
度的に明るくなる。一方、励起スペクトルは254nm
からのずれが小さくなるため、254nmの紫外線で励
起したときに従来より励起光率が向上し蛍光膜の輝度向
上につながる。
は、発光スペクトルが長波長側にずれることから、視感
度的に明るくなる。一方、励起スペクトルは254nm
からのずれが小さくなるため、254nmの紫外線で励
起したときに従来より励起光率が向上し蛍光膜の輝度向
上につながる。
【0010】本発明の蛍光体は、原料となる蛍光体粉粒
子を高周波熱プラズマ中で溶融した後、急冷することに
より製造できる。原料の蛍光体粉末は、通常、湿式法に
より沈澱を調製した後に焼成・洗浄して製造するが、一
次粒径は2μm程度以上であることが好ましい。これ
は、一次粒径が小さくたとえば1μm以下である場合に
は、全体が溶融蒸発してしまいこれを急冷して得られる
粒子は0.2μm以下になることが多い。また、粒径が
2μm以上である場合でも、一部は蒸発するため、得ら
れた粒子表面には0.2μm以下の超微粒子が付着す
る。得られる蛍光体の粒径は、原料として用いた蛍光体
の分散性が良い場合には原料蛍光体の粒径とほぼ同じに
なる。したがって、得られる蛍光体の粒径は原料となる
蛍光体の粒径および凝集の程度によって制御することが
できる。
子を高周波熱プラズマ中で溶融した後、急冷することに
より製造できる。原料の蛍光体粉末は、通常、湿式法に
より沈澱を調製した後に焼成・洗浄して製造するが、一
次粒径は2μm程度以上であることが好ましい。これ
は、一次粒径が小さくたとえば1μm以下である場合に
は、全体が溶融蒸発してしまいこれを急冷して得られる
粒子は0.2μm以下になることが多い。また、粒径が
2μm以上である場合でも、一部は蒸発するため、得ら
れた粒子表面には0.2μm以下の超微粒子が付着す
る。得られる蛍光体の粒径は、原料として用いた蛍光体
の分散性が良い場合には原料蛍光体の粒径とほぼ同じに
なる。したがって、得られる蛍光体の粒径は原料となる
蛍光体の粒径および凝集の程度によって制御することが
できる。
【0011】本発明の目的である完全な球に近い形状を
有する蛍光体を得るには、原料となる粒子全体が蒸発す
ることなく、かつ粒子の表面が完全に溶融するような条
件が必要であるが、これは高周波熱プラズマのパワーと
プラズマ中への原料蛍光体の供給量を調整することによ
り達成できる。この条件で粒子表面を溶融させ、表面張
力によって球状を保った状態で急冷凝固することによっ
て、長径と短径との比が1.0〜1.5の範囲にあるよ
うな真球状の蛍光体を得ることができる。この蛍光体が
0.2μm以下の超微粒子を多く含んでいる場合には、
超音波洗浄を行い、上澄み液を捨てることによって、
0.2μm以下の超微粒子を0.001〜5重量%、好
ましくは0.01〜1重量%含む本発明の蛍光体を得
る。
有する蛍光体を得るには、原料となる粒子全体が蒸発す
ることなく、かつ粒子の表面が完全に溶融するような条
件が必要であるが、これは高周波熱プラズマのパワーと
プラズマ中への原料蛍光体の供給量を調整することによ
り達成できる。この条件で粒子表面を溶融させ、表面張
力によって球状を保った状態で急冷凝固することによっ
て、長径と短径との比が1.0〜1.5の範囲にあるよ
うな真球状の蛍光体を得ることができる。この蛍光体が
0.2μm以下の超微粒子を多く含んでいる場合には、
超音波洗浄を行い、上澄み液を捨てることによって、
0.2μm以下の超微粒子を0.001〜5重量%、好
ましくは0.01〜1重量%含む本発明の蛍光体を得
る。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 (比較例1)通常の湿式沈澱・焼成法によりCaWO4
蛍光体(比較例1)を調製した。ブレーン法により測定
したこの蛍光体の平均粒径は4.3μmであった。紫外
線または電子線励起したとき、この蛍光体の発光スペク
トルのピーク波長は411nmにあった。色度値はx=
0.165、y=0.120であった。
蛍光体(比較例1)を調製した。ブレーン法により測定
したこの蛍光体の平均粒径は4.3μmであった。紫外
線または電子線励起したとき、この蛍光体の発光スペク
トルのピーク波長は411nmにあった。色度値はx=
0.165、y=0.120であった。
【0013】(実施例1)比較例1のCaWO4 蛍光体
を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャリアガ
スとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷するこ
とによって蛍光体(実施例1)を得た。得られた蛍光体
の平均粒径をブレーン法により測定したところ3.9μ
mであった。得られた蛍光体の電子顕微鏡写真を図1に
示す。この電子顕微鏡写真より求めた個々の蛍光体粒子
の長径と短径との比は1.00〜1.08の範囲にあっ
た。得られた蛍光体の粒子表面には原料粒子の部分的な
蒸発によって生じた0.2μm以下の同種蛍光体が付着
しているが、超音波洗浄を行った後、上澄み液を捨てる
ことによって0.2μm以下の超微粒子を0.1重量%
含んだ蛍光体を得た。また、この蛍光体のX線回析パタ
ーンは、CaWO4 のものであることが確かめられた。
を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャリアガ
スとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷するこ
とによって蛍光体(実施例1)を得た。得られた蛍光体
の平均粒径をブレーン法により測定したところ3.9μ
mであった。得られた蛍光体の電子顕微鏡写真を図1に
示す。この電子顕微鏡写真より求めた個々の蛍光体粒子
の長径と短径との比は1.00〜1.08の範囲にあっ
た。得られた蛍光体の粒子表面には原料粒子の部分的な
蒸発によって生じた0.2μm以下の同種蛍光体が付着
しているが、超音波洗浄を行った後、上澄み液を捨てる
ことによって0.2μm以下の超微粒子を0.1重量%
含んだ蛍光体を得た。また、この蛍光体のX線回析パタ
ーンは、CaWO4 のものであることが確かめられた。
【0014】この蛍光体について紫外線または電子線励
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は433nmであり、比較例1の蛍光体のスペクトルに
比べて20nm以上も長波長側にずれていた。このため
色度値はx=0.173、y=1.44となった。この
蛍光体を254nmの紫外線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例1の蛍光体に対して78%であっ
た。また、この蛍光体を加速電圧10kV、電流密度
0.5μA/cm2 の電子線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例1の蛍光体に対して約102%であ
った。
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は433nmであり、比較例1の蛍光体のスペクトルに
比べて20nm以上も長波長側にずれていた。このため
色度値はx=0.173、y=1.44となった。この
蛍光体を254nmの紫外線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例1の蛍光体に対して78%であっ
た。また、この蛍光体を加速電圧10kV、電流密度
0.5μA/cm2 の電子線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例1の蛍光体に対して約102%であ
った。
【0015】次に、この蛍光体を用いて沈澱法により、
塗布量10mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測
定したところ、比較例1の蛍光体を用いて形成した蛍光
膜に対して1.7倍の光透過率が得られた。
塗布量10mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測
定したところ、比較例1の蛍光体を用いて形成した蛍光
膜に対して1.7倍の光透過率が得られた。
【0016】得られた蛍光体を用いて沈降法により塗布
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例1の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して118%であった。
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例1の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して118%であった。
【0017】(比較例2)通常の湿式沈澱・焼成法によ
りCaWO4 :Pbの蛍光体(比較例2)を製造した。
ブレーン法により測定したこの蛍光体の平均粒径は3.
6μmであった。紫外線または電子励起によるこの蛍光
体の発光スペクトルのピーク波長は435nmであっ
た。色度値はx=0.172、y=1.169であっ
た。また、励起スペクトルのピーク波長は270nmに
位置していた。
りCaWO4 :Pbの蛍光体(比較例2)を製造した。
ブレーン法により測定したこの蛍光体の平均粒径は3.
6μmであった。紫外線または電子励起によるこの蛍光
体の発光スペクトルのピーク波長は435nmであっ
た。色度値はx=0.172、y=1.169であっ
た。また、励起スペクトルのピーク波長は270nmに
位置していた。
【0018】(実施例2)比較例2のCaWO4 :Pb
蛍光体を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャ
リアガスとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷
することによって蛍光体(実施例2)を得た。得られた
蛍光体の平均粒径をブレーン法により測定したところ、
3.1μmであった。また、電子顕微鏡写真より求めた
個々の蛍光体粒子の長径と短径との比は1.00〜1.
11の範囲にあった。得られた蛍光体を超音波洗浄して
上澄み液を捨てることによって0.2μm以下の超微粒
子を0.05重量%含んだ蛍光体を得た。また、この蛍
光体のX線回析パターンは、CaWO4 :Pbのもので
あることが確かめられた。
蛍光体を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャ
リアガスとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷
することによって蛍光体(実施例2)を得た。得られた
蛍光体の平均粒径をブレーン法により測定したところ、
3.1μmであった。また、電子顕微鏡写真より求めた
個々の蛍光体粒子の長径と短径との比は1.00〜1.
11の範囲にあった。得られた蛍光体を超音波洗浄して
上澄み液を捨てることによって0.2μm以下の超微粒
子を0.05重量%含んだ蛍光体を得た。また、この蛍
光体のX線回析パターンは、CaWO4 :Pbのもので
あることが確かめられた。
【0019】この蛍光体について紫外線または電子線励
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は458nmであり、色度値はx=0.180、y=
0.186であった。また、励起スペクトルは259n
mであり、254nmからのずれはわずかであった。こ
の蛍光体を254nmの紫外線で励起して粉体輝度を測
定したところ、比較例2の蛍光体に対して105%であ
った。また、この蛍光体を加速電圧10kV、電流密度
0.5μA/cm2 の電子線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例2の蛍光体に対して約103%であ
った。
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は458nmであり、色度値はx=0.180、y=
0.186であった。また、励起スペクトルは259n
mであり、254nmからのずれはわずかであった。こ
の蛍光体を254nmの紫外線で励起して粉体輝度を測
定したところ、比較例2の蛍光体に対して105%であ
った。また、この蛍光体を加速電圧10kV、電流密度
0.5μA/cm2 の電子線で励起して粉体輝度を測定
したところ、比較例2の蛍光体に対して約103%であ
った。
【0020】次に、この蛍光体を用いて沈降法により、
塗布量9mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測定
したところ、比較例2の蛍光体を用いて形成した蛍光膜
に対して1.8倍の光透過率が得られた。
塗布量9mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測定
したところ、比較例2の蛍光体を用いて形成した蛍光膜
に対して1.8倍の光透過率が得られた。
【0021】得られた蛍光体を用いて沈澱法により塗布
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例2の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して121%であった。
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例2の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して121%であった。
【0022】(比較例3)通常の湿式沈澱・焼成法によ
りMgWO4 蛍光体(比較例3)を製造した。ブレーン
法により測定したこの蛍光体の平均粒径は4.2μmで
あった。紫外線または電子線励起によるこの蛍光体の発
光スペクトルのピーク波長は498nmであった。色度
値はx=0.225、y=0.418であった。
りMgWO4 蛍光体(比較例3)を製造した。ブレーン
法により測定したこの蛍光体の平均粒径は4.2μmで
あった。紫外線または電子線励起によるこの蛍光体の発
光スペクトルのピーク波長は498nmであった。色度
値はx=0.225、y=0.418であった。
【0023】(実施例3)比較例3のMgWO4 蛍光体
を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャリアガ
スとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷するこ
とによって蛍光体(実施例3)を得た。得られた蛍光体
の平均粒径をブレーン法により測定したところ、4.0
μmであった。また、電子顕微鏡写真より求めた個々の
蛍光体粒子の長径と短径との比は1.00〜1.07の
範囲にあった。得られた蛍光体を超音波洗浄して上澄み
液を捨てることによって0.2μm以下の超微粒子を
0.2重量%含んだ蛍光体を得た。また、この蛍光体の
X線回析パターンは、MgWO4 のものであることが確
かめられた。
を原料とし、アルゴンと酸素との混合ガスをキャリアガ
スとして高周波熱プラズマ中に供給し、溶融急冷するこ
とによって蛍光体(実施例3)を得た。得られた蛍光体
の平均粒径をブレーン法により測定したところ、4.0
μmであった。また、電子顕微鏡写真より求めた個々の
蛍光体粒子の長径と短径との比は1.00〜1.07の
範囲にあった。得られた蛍光体を超音波洗浄して上澄み
液を捨てることによって0.2μm以下の超微粒子を
0.2重量%含んだ蛍光体を得た。また、この蛍光体の
X線回析パターンは、MgWO4 のものであることが確
かめられた。
【0024】この蛍光体について紫外線または電子線励
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は512nmであり、色度値はx=0.233、y=
0.441であった。また、励起スペクトルは254n
mよりも短波長側へずれていた。この蛍光体を254n
mの紫外線で励起して粉体輝度を測定したところ、比較
例3の蛍光体に対して114%であった。また、この蛍
光体を加速電圧10kV、電流密度0.5μA/cm2
の電子線で励起して粉体輝度を測定したところ、比較例
3の蛍光体に対して約109%であった。このように、
実施例3の蛍光体は比較例3の蛍光体に比べ、励起スペ
クトルが短波長側にずれることから紫外線励起した場合
の吸収が多くなり、発光効率も高くなる。
起による発光スペクトルを測定したところ、ピーク波長
は512nmであり、色度値はx=0.233、y=
0.441であった。また、励起スペクトルは254n
mよりも短波長側へずれていた。この蛍光体を254n
mの紫外線で励起して粉体輝度を測定したところ、比較
例3の蛍光体に対して114%であった。また、この蛍
光体を加速電圧10kV、電流密度0.5μA/cm2
の電子線で励起して粉体輝度を測定したところ、比較例
3の蛍光体に対して約109%であった。このように、
実施例3の蛍光体は比較例3の蛍光体に比べ、励起スペ
クトルが短波長側にずれることから紫外線励起した場合
の吸収が多くなり、発光効率も高くなる。
【0025】次に、この蛍光体を用いて沈降法により、
塗布量12mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測
定したところ、比較例3の蛍光体を用いて形成した蛍光
膜に対して1.5倍の光透過率が得られた。
塗布量12mg/cm2 の蛍光膜を形成して透過率を測
定したところ、比較例3の蛍光体を用いて形成した蛍光
膜に対して1.5倍の光透過率が得られた。
【0026】得られた蛍光体を用いて沈殿法により塗布
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例3の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して115%であった。
量6mg/cm2 の蛍光面を形成し、アルミバックを施
した後、電子銃を装着し、排気・封止して7インチの陰
極線管を作製した。この陰極線管について、加速電圧3
0kV、ビーム電流500μAの条件で輝度を測定した
ところ、比較例3の蛍光体を用いて同様に作製した陰極
線管に対して115%であった。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、視
感度的に明るく、254nmの紫外線励起による発光輝
度の高い蛍光体を提供できる。また、陰極線管や蛍光ラ
ンプに用いる際に緻密度や均質性に優れた透過率の高い
蛍光面を形成できるので、輝度の高い陰極線管や蛍光ラ
ンプが得られる。なお、この蛍光体を環状およびコンパ
クト型の蛍光ランプに用いた場合にも、従来のものに比
べて大きな輝度向上を達成できる。
感度的に明るく、254nmの紫外線励起による発光輝
度の高い蛍光体を提供できる。また、陰極線管や蛍光ラ
ンプに用いる際に緻密度や均質性に優れた透過率の高い
蛍光面を形成できるので、輝度の高い陰極線管や蛍光ラ
ンプが得られる。なお、この蛍光体を環状およびコンパ
クト型の蛍光ランプに用いた場合にも、従来のものに比
べて大きな輝度向上を達成できる。
【図1】本発明の実施例1の蛍光体の粒子構造を示す電
子顕微鏡写真。
子顕微鏡写真。
フロントページの続き (72)発明者 奥村 美和 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内
Claims (2)
- 【請求項1】 平均粒径が0.5〜20μmであり、個
々の粒子の長径と短径の比が1.0〜1.5の範囲にあ
り、粒径0.2μm以下の超微粒子を0.001〜5重
量%含む、組成式MWO4 (ただし、MはCaおよびM
gのうち少なくとも1種)またはCaWO4 :Pbで表
されることを特徴とする蛍光体。 - 【請求項2】 粒径0.2μm以下の超微粒子を0.0
1〜1重量%含むことを特徴とする請求項1記載の蛍光
体。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22358294A JPH0892553A (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 蛍光体 |
US08/356,959 US5644193A (en) | 1993-12-17 | 1994-12-16 | Phosphor, cathode-ray tube, fluorescent lamp and radiation intensifying screen |
CN94119597A CN1049448C (zh) | 1993-12-17 | 1994-12-17 | 荧光体 |
US08/774,421 US5814932A (en) | 1993-12-17 | 1996-12-30 | Phosphor, cathode-ray tube, fluorescent lamp and radiation intensifying screen |
US08/774,419 US6081069A (en) | 1993-12-17 | 1996-12-30 | Phosphor, cathode-ray tube, fluorescent lamp and radiation intensifying screen |
US08/774,420 US5808409A (en) | 1993-12-17 | 1996-12-30 | Phosphor, cathode-ray tube, fluorescent lamp and radiation intensifying screen |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22358294A JPH0892553A (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | 蛍光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892553A true JPH0892553A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16800429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22358294A Pending JPH0892553A (ja) | 1993-12-17 | 1994-09-19 | 蛍光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0892553A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6100633A (en) * | 1996-09-30 | 2000-08-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Plasma display panel with phosphor microspheres |
JP2002523610A (ja) * | 1998-08-27 | 2002-07-30 | スーペリア マイクロパウダーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 蛍リン光粉体、蛍リン光粉体の製造方法、及び同粉体を使用した装置 |
JP2014528004A (ja) * | 2011-06-28 | 2014-10-23 | ▲海▼洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 | セリウムをドープしたタングステン酸バリウム・マグネシウム発光薄膜及びその製造方法、並びに電界発光デバイス |
-
1994
- 1994-09-19 JP JP22358294A patent/JPH0892553A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6100633A (en) * | 1996-09-30 | 2000-08-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Plasma display panel with phosphor microspheres |
JP2002523610A (ja) * | 1998-08-27 | 2002-07-30 | スーペリア マイクロパウダーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 蛍リン光粉体、蛍リン光粉体の製造方法、及び同粉体を使用した装置 |
JP2014528004A (ja) * | 2011-06-28 | 2014-10-23 | ▲海▼洋王照明科技股▲ふん▼有限公司 | セリウムをドープしたタングステン酸バリウム・マグネシウム発光薄膜及びその製造方法、並びに電界発光デバイス |
US9270084B2 (en) | 2011-06-28 | 2016-02-23 | Ocean's King Lighting Science & Technology Co., Ltd. | Cerium doped magnesium barium tungstate luminescent thin film, manufacturing method and application thereof |
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