JPH083130B2 - アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法 - Google Patents
アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法Info
- Publication number
- JPH083130B2 JPH083130B2 JP1143900A JP14390089A JPH083130B2 JP H083130 B2 JPH083130 B2 JP H083130B2 JP 1143900 A JP1143900 A JP 1143900A JP 14390089 A JP14390089 A JP 14390089A JP H083130 B2 JPH083130 B2 JP H083130B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cobalt
- oxide
- organic solution
- extraction
- solution containing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コバルト酸化物及びニッケル酸化物との混
合物から、アルキル燐酸を含む有機溶液と水との混合溶
液を用いることにより、コバルトを選択的にニッケルか
ら溶解抽出分離する方法に関するものである。
合物から、アルキル燐酸を含む有機溶液と水との混合溶
液を用いることにより、コバルトを選択的にニッケルか
ら溶解抽出分離する方法に関するものである。
[従来技術] 従来より、酸化鉱等より、コバルト及びニッケルを回
収する方法が検討されている。しかしそれらは、主に硫
酸や、塩酸等の鉱酸により高温高圧下でコバルト酸化物
及びニッケル酸化物酸化物を溶解後、浸出液より溶媒抽
出法によりコバルトとニッケルを抽出分離する方法であ
る。
収する方法が検討されている。しかしそれらは、主に硫
酸や、塩酸等の鉱酸により高温高圧下でコバルト酸化物
及びニッケル酸化物酸化物を溶解後、浸出液より溶媒抽
出法によりコバルトとニッケルを抽出分離する方法であ
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来の方法では、酸化鉱等を高温高圧下で、鉱酸等の
酸性溶液を用いて溶解後、溶媒抽出法の適用できるpH領
域に調節するためにアルカリの添加が不可欠であり、加
温加圧等のエネルギーやアルカリの消費量がそのプロセ
スの経済性を左右するという問題点がある。
酸性溶液を用いて溶解後、溶媒抽出法の適用できるpH領
域に調節するためにアルカリの添加が不可欠であり、加
温加圧等のエネルギーやアルカリの消費量がそのプロセ
スの経済性を左右するという問題点がある。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、アルキル燐酸を含む有機溶液と水の混合
溶液を、酸化コバルト自体を塩基として利用することに
より、比較的低温でコバルト酸化物からコバルトが有機
溶液相に溶解抽出することを見出し、これをコバルトと
ニッケルの分離に利用するための検討を行い、本発明を
するに至った。本発明で用いるアルキル燐酸としては、
例えば、燐酸ビス−2−エチルヘキシルや、燐酸ビス−
2−ドデシル等、アルキル基の炭素数が6以上のものが
用いられる。これらを希釈する有機溶媒としては、アル
キル燐酸と良く混じり合い、しかも水に対する溶解度が
小さいものであれば良く、このようなものとしては、脂
肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類等の中に見いだすこ
とができる。アルキル燐酸を含む有機溶液と混合する水
は例えば硫酸を添加することによりpH1.5以上に調整し
たものを用いる。また、コバルト酸化物及びニッケル酸
化物は各々CoO及びNiOの形態を持つものである。本発明
では、アルキル燐酸を含む有機溶液とpHを調整した水を
混合した混濁液とコバルト酸化物およびニッケル酸化物
との混合物を混合し、撹拌等により十分接触させるだけ
でよい。コバルトはアルキル燐酸を含む有機溶液中に選
択的に溶解抽出される。
溶液を、酸化コバルト自体を塩基として利用することに
より、比較的低温でコバルト酸化物からコバルトが有機
溶液相に溶解抽出することを見出し、これをコバルトと
ニッケルの分離に利用するための検討を行い、本発明を
するに至った。本発明で用いるアルキル燐酸としては、
例えば、燐酸ビス−2−エチルヘキシルや、燐酸ビス−
2−ドデシル等、アルキル基の炭素数が6以上のものが
用いられる。これらを希釈する有機溶媒としては、アル
キル燐酸と良く混じり合い、しかも水に対する溶解度が
小さいものであれば良く、このようなものとしては、脂
肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類等の中に見いだすこ
とができる。アルキル燐酸を含む有機溶液と混合する水
は例えば硫酸を添加することによりpH1.5以上に調整し
たものを用いる。また、コバルト酸化物及びニッケル酸
化物は各々CoO及びNiOの形態を持つものである。本発明
では、アルキル燐酸を含む有機溶液とpHを調整した水を
混合した混濁液とコバルト酸化物およびニッケル酸化物
との混合物を混合し、撹拌等により十分接触させるだけ
でよい。コバルトはアルキル燐酸を含む有機溶液中に選
択的に溶解抽出される。
抽出後は、静置または遠心分離により容易に有機相お
よび水・固形分相に分離できる。
よび水・固形分相に分離できる。
有機溶液中に抽出されたコバルトは硫酸等で簡単に逆
抽出できる。
抽出できる。
分離された水は、ほとんど金属成分(本発明ではコバ
ルトおよびニッケル)を含まないので、固形分を濾過
後、pHを調整して抽出反応に再利用できる。
ルトおよびニッケル)を含まないので、固形分を濾過
後、pHを調整して抽出反応に再利用できる。
また、廃水とする場合は、溶け込んでいる微量のアル
キル燐酸を活性炭等で吸着分離し、少量のアルカリで中
和すればそのまま排水できる。
キル燐酸を活性炭等で吸着分離し、少量のアルカリで中
和すればそのまま排水できる。
本発明は、コバルト酸化物からコバルトを直接有機相
に抽出する過程と、アルキル燐酸から放出されたプロト
ンにより酸性化した水溶液により、コバルト酸化物から
溶かし出したコバルトイオンを有機相に抽出する過程が
並行して起こる抽出反応である。
に抽出する過程と、アルキル燐酸から放出されたプロト
ンにより酸性化した水溶液により、コバルト酸化物から
溶かし出したコバルトイオンを有機相に抽出する過程が
並行して起こる抽出反応である。
1 RHOR- O+H+ a CoO+2H+ aCo2+ a+H2Oa 2 CoO+2RHOCoR2O+H2Oa (添字のaとoは各々水相後呼び有機相を示す。)上記
二つの反応過程で酸化コバルトは塩基として、アルキル
燐酸が放出するプロトンは酸として働く。
二つの反応過程で酸化コバルトは塩基として、アルキル
燐酸が放出するプロトンは酸として働く。
また、水の存在により、金属元素が直接有機相に移る
発熱反応過程より、金属イオンの有機相移行に伴う脱水
和反応等の吸熱反応過程の影響が大きいと考えられ、そ
のため全体として吸熱反応となるため、実施例2で示す
とおり、本発明では、50℃以上と温度が高い方が抽出効
率が良くなるものと考えられる。
発熱反応過程より、金属イオンの有機相移行に伴う脱水
和反応等の吸熱反応過程の影響が大きいと考えられ、そ
のため全体として吸熱反応となるため、実施例2で示す
とおり、本発明では、50℃以上と温度が高い方が抽出効
率が良くなるものと考えられる。
[発明の効果・用途] 本発明によると、酸化コバルト自体を塩基として利用
するため、外部からアルカリを加える必要がなく、ま
た、比較的低温で反応が起こりエネルギーの消費が少な
くて済む。また、有機溶液中に抽出されたコバルトは硫
酸で簡単に逆抽出でき、その後の電解等のプロセスに適
している。また、アルキル燐酸を含む有機溶液はコバル
トを逆抽出した後、再利用することができるなどの効果
がある。また、本発明はコバルトとニッケルの分離に好
適である。
するため、外部からアルカリを加える必要がなく、ま
た、比較的低温で反応が起こりエネルギーの消費が少な
くて済む。また、有機溶液中に抽出されたコバルトは硫
酸で簡単に逆抽出でき、その後の電解等のプロセスに適
している。また、アルキル燐酸を含む有機溶液はコバル
トを逆抽出した後、再利用することができるなどの効果
がある。また、本発明はコバルトとニッケルの分離に好
適である。
[実施例] 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 容量濃度10%の燐酸ビス−2−エチルヘキ
シル(D2EHPA)を含むキシレン溶液からなる有機溶液と
水の等容量からなる溶液系と各々固液濃度2.5g/l、粒度
200mesh以下のコバルト酸化物及びニッケル酸化物を、
撹はん速度900rpm、反応時間6時間、反応温度70℃で反
応させたときのコバルト酸化物とニッケル酸化物の浸出
率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える水の初期pHの
影響を表1に示す。
シル(D2EHPA)を含むキシレン溶液からなる有機溶液と
水の等容量からなる溶液系と各々固液濃度2.5g/l、粒度
200mesh以下のコバルト酸化物及びニッケル酸化物を、
撹はん速度900rpm、反応時間6時間、反応温度70℃で反
応させたときのコバルト酸化物とニッケル酸化物の浸出
率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える水の初期pHの
影響を表1に示す。
実施例2 容量濃度10%のD2EHAPAを含むキシレン溶液からなる
有機溶液と水(初期pH6)の等容量からなる溶液系と各
2固液濃度2.5g/l、粒度200mesh以下のコバルト酸化物
及びニッケル酸化物を、撹はん速度900rpm、反応時間6
時間で反応させたときのコバルト酸化物とニッケル酸化
物の浸出率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える反応
温度の影響を表2に示す。
有機溶液と水(初期pH6)の等容量からなる溶液系と各
2固液濃度2.5g/l、粒度200mesh以下のコバルト酸化物
及びニッケル酸化物を、撹はん速度900rpm、反応時間6
時間で反応させたときのコバルト酸化物とニッケル酸化
物の浸出率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える反応
温度の影響を表2に示す。
また、反応温度70℃でのコバルト酸化物とニッケル酸
化物の浸出率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える反
応時間の影響を表3に示す。但し、それ以外の反応条件
は同じである。
化物の浸出率及び有機溶液中のコバルト濃度に与える反
応時間の影響を表3に示す。但し、それ以外の反応条件
は同じである。
実施例3 等容量の有機溶液及び水(初期pH6)からなる溶液系
と各々固液濃度2.5g/l、粒度200mesh以下のコバルト酸
化物及びニッケル酸化物を、撹はん速度900rpm、反応時
間6時間、反応速度70℃で反応させたときの、有機溶液
中のD2EHPA濃度の影響を表4に示す。
と各々固液濃度2.5g/l、粒度200mesh以下のコバルト酸
化物及びニッケル酸化物を、撹はん速度900rpm、反応時
間6時間、反応速度70℃で反応させたときの、有機溶液
中のD2EHPA濃度の影響を表4に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】アルキル燐酸を含む有機溶液とpHを調整し
た水の混合溶液を用いることにより、コバルト酸化物と
ニッケル酸化物との混合物からコバルトを選択的に直接
溶解抽出分離する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1143900A JPH083130B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1143900A JPH083130B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0310032A JPH0310032A (ja) | 1991-01-17 |
JPH083130B2 true JPH083130B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=15349675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1143900A Expired - Lifetime JPH083130B2 (ja) | 1989-06-06 | 1989-06-06 | アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083130B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5924168B2 (ja) * | 1977-05-14 | 1984-06-07 | 株式会社大八化学工業所 | 溶媒抽出法によるコバルトとニツケルの分離方法 |
-
1989
- 1989-06-06 JP JP1143900A patent/JPH083130B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0310032A (ja) | 1991-01-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101148698A (zh) | 一种从铜钴矿浸出液萃取除钙镁的方法 | |
JPS6152085B2 (ja) | ||
Su et al. | Recovery of Sm (III), Co (II) and Cu (II) from waste SmCo magnet by ionic liquid-based selective precipitation process | |
AU2019222853A1 (en) | Method of nickel-cobalt hydroxide hydrometallurgical extraction from laterite-nickel ore | |
CN111268750A (zh) | 镍盐生产方法 | |
CA3017299C (en) | Scandium purification method | |
CN103305708A (zh) | 一种反萃取分离有机相中钪和钍的方法 | |
CN107988495A (zh) | 一种从硝酸分解磷矿过程中回收稀土的方法 | |
CN107746977A (zh) | 从含稀土磷矿中回收稀土的方法 | |
CN113073209B (zh) | 卤水中提取锂的萃取体系、制备方法及卤水中提取锂的方法 | |
JP5161379B1 (ja) | 金属の混合溶液の分離方法 | |
CN104610043B (zh) | 一种从稀土工业废水中回收草酸的方法 | |
FI65813C (fi) | Hydrometallurgisk metod foer behandling av nickelskaersten | |
JPH083130B2 (ja) | アルキル燐酸を含む有機溶液―水混合溶液によるコバルト酸化物とニッケル酸化物との混合物からのコバルトの抽出分離法 | |
EP0189831B1 (en) | Cobalt recovery method | |
KR20010056961A (ko) | 철 및 니켈의 분리, 회수 방법 | |
CN104557470A (zh) | 一种对苯醌经过硫系列还原剂还原成氢醌的方法 | |
JPS60122718A (ja) | サマリウムの回収方法 | |
JPH03173723A (ja) | ガリウムを含有する塩基性溶液からガリウムを回収する方法 | |
JPS5943984B2 (ja) | 亜鉛が混在するニツケルおよびコバルト含有液の処理方法 | |
JP2000128531A (ja) | インジウム分離方法 | |
CN108707757A (zh) | 一种连续多级萃取的金属浸出回收方法 | |
JPH0776394B2 (ja) | コバルト、ニッケル酸化物からのコバルトの抽出分離法 | |
JPS621570B2 (ja) | ||
CN118792506A (zh) | 一种镍钴锰渣的分离方法及其应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |