JPH0826485B2 - 香りを有する芯鞘型中実複合短繊維 - Google Patents
香りを有する芯鞘型中実複合短繊維Info
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- JPH0826485B2 JPH0826485B2 JP1206876A JP20687689A JPH0826485B2 JP H0826485 B2 JPH0826485 B2 JP H0826485B2 JP 1206876 A JP1206876 A JP 1206876A JP 20687689 A JP20687689 A JP 20687689A JP H0826485 B2 JPH0826485 B2 JP H0826485B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐久性のある香りを有する芯鞘型中実複合
短繊維に関する。さらに詳しくは、敷布団、掛布団、
枕、クッション、縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布に混
綿することにより、これらの製品に「森林浴」効果、
「快適睡眠」効果、「清涼」効果等を長期間賦与するこ
とのできる新規な複合短繊維に関する。
短繊維に関する。さらに詳しくは、敷布団、掛布団、
枕、クッション、縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布に混
綿することにより、これらの製品に「森林浴」効果、
「快適睡眠」効果、「清涼」効果等を長期間賦与するこ
とのできる新規な複合短繊維に関する。
(従来の技術) ヒノキは昔より家屋の柱や床に用いられ、その香りは
人々の心を落ち着かせ、居ながらにして「森林浴」効果
が得られていた。しかしこの芳香物質は消失しやすく、
長い期間この効果を持続させることは困難であった。そ
こで、森林中に発散され漂っている天然精油成分物質
を、寝装、インテリア、あるいは住宅内装材等の屋内設
置品に適用して、居ながらにして「森林浴」効果を得る
方法が種々提案されている。例えば、繊維最終製品に後
加工によって精油を吸着あるいは付着する方法が提案さ
れているが、水洗いまたは洗濯により精油が脱落しやす
く、また揮散による精油の減少速度も速いため、芳香の
持続性に乏しいものであった。最近、特開昭61-201012
号公報には、数種類の天然精油又はそれから分離される
成分を混合した精油を、中空芯鞘型複合繊維の芯部に練
り込んだ繊維が、また特開昭62-85010号公報には中空多
芯芯鞘型複合繊維が提案されている。しかしながら、こ
れらはいずれも芳香の持続性が不十分で、さらに改善が
望まれている。
人々の心を落ち着かせ、居ながらにして「森林浴」効果
が得られていた。しかしこの芳香物質は消失しやすく、
長い期間この効果を持続させることは困難であった。そ
こで、森林中に発散され漂っている天然精油成分物質
を、寝装、インテリア、あるいは住宅内装材等の屋内設
置品に適用して、居ながらにして「森林浴」効果を得る
方法が種々提案されている。例えば、繊維最終製品に後
加工によって精油を吸着あるいは付着する方法が提案さ
れているが、水洗いまたは洗濯により精油が脱落しやす
く、また揮散による精油の減少速度も速いため、芳香の
持続性に乏しいものであった。最近、特開昭61-201012
号公報には、数種類の天然精油又はそれから分離される
成分を混合した精油を、中空芯鞘型複合繊維の芯部に練
り込んだ繊維が、また特開昭62-85010号公報には中空多
芯芯鞘型複合繊維が提案されている。しかしながら、こ
れらはいずれも芳香の持続性が不十分で、さらに改善が
望まれている。
(発明の目的) 本発明は、かかる上記問題点を背景になされたもの
で、その目的は、従来品に比べて芳香の持続性に極めて
優れた、香りを有する芯鞘型中実複合短繊維を提供する
ことにある。
で、その目的は、従来品に比べて芳香の持続性に極めて
優れた、香りを有する芯鞘型中実複合短繊維を提供する
ことにある。
(発明の構成) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意検討した
結果、精油が極性基を有する変性オレフィン重合体と有
しないオレフィン重合体との混合物に配合されたものを
芯部とし、ポリエステルを鞘部とした芯鞘型中実複合短
繊維が、従来の予想に反して、上記目的を達成するのに
極めて有効であることを見出だし本発明に到達した。
結果、精油が極性基を有する変性オレフィン重合体と有
しないオレフィン重合体との混合物に配合されたものを
芯部とし、ポリエステルを鞘部とした芯鞘型中実複合短
繊維が、従来の予想に反して、上記目的を達成するのに
極めて有効であることを見出だし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、精油を0.1〜5重量%含有する
下記オレフィン系重合体組成物を芯部とし、ポリエステ
ルを鞘部とする芯鞘型中実複合短繊維であって、該短繊
維の繊維長が30〜100mmであることを特徴とする香りを
有する芯鞘型中実複合短繊維である。
下記オレフィン系重合体組成物を芯部とし、ポリエステ
ルを鞘部とする芯鞘型中実複合短繊維であって、該短繊
維の繊維長が30〜100mmであることを特徴とする香りを
有する芯鞘型中実複合短繊維である。
オレフィン系重合体組成(但し精油を除く) (A)実質的にα−オレフィンからなる極性基を有しな
いオレフィン重合体:98〜50重量% (B)不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも1種以上を3〜30重量%共重合させた変性オレフィ
ン重合体:2〜50重量% 本発明において用いる芳香成分は、精油、特に天然精
油例えばヒノキ油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、シ
ョウノウ油等であることが重要である。これらの精油
は、通常植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つぼみ、樹脂
等から水蒸気蒸留により採油されるもので、テルペノイ
ドを主成分としている。このテルペノイドは鞘部に用い
るポリエステル層を極めて透過し難く、一方後に詳述す
る如く、芯部に用いるオレフィン系重合体のうち極性基
を有する変性オレフィン重合体とは適度な親和性を有
し、精油を保持する役目を果し、一方極性基のないポリ
オレフィンとは親和性が低く適度に精油成分を透過させ
るので、両者を特定の割合で配合することにより芳香の
強さを適正化しかつ芳香効果(森林浴効果等)を長期間
持続させることが極めて容易に達成できる。
いオレフィン重合体:98〜50重量% (B)不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも1種以上を3〜30重量%共重合させた変性オレフィ
ン重合体:2〜50重量% 本発明において用いる芳香成分は、精油、特に天然精
油例えばヒノキ油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、シ
ョウノウ油等であることが重要である。これらの精油
は、通常植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つぼみ、樹脂
等から水蒸気蒸留により採油されるもので、テルペノイ
ドを主成分としている。このテルペノイドは鞘部に用い
るポリエステル層を極めて透過し難く、一方後に詳述す
る如く、芯部に用いるオレフィン系重合体のうち極性基
を有する変性オレフィン重合体とは適度な親和性を有
し、精油を保持する役目を果し、一方極性基のないポリ
オレフィンとは親和性が低く適度に精油成分を透過させ
るので、両者を特定の割合で配合することにより芳香の
強さを適正化しかつ芳香効果(森林浴効果等)を長期間
持続させることが極めて容易に達成できる。
なお、本発明においては、芳香成分としては上述の如
く天然精油を主たる対象としているが、これらの精油中
に含有される成分を分離生成して用いてもよいし、また
合成精油を用いてもよい。
く天然精油を主たる対象としているが、これらの精油中
に含有される成分を分離生成して用いてもよいし、また
合成精油を用いてもよい。
かかる精油の芯部を構成する重合体に対する配合量は
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%とする必要が
ある。0.1重量%未満の場合には、精油成分の空気中へ
の揮散が少なくなり、充分な森林浴効果等の芳香効果が
得られなくなるため好ましくない。一方、5重量%を越
えると、芯部重合体への溶解分散性が低下して安定に溶
融紡糸できなくなるとともに、得られる繊維も精油成分
の空気中への揮散量が多くなりすぎて逆に不快感を与え
るようになるので好ましくない。
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%とする必要が
ある。0.1重量%未満の場合には、精油成分の空気中へ
の揮散が少なくなり、充分な森林浴効果等の芳香効果が
得られなくなるため好ましくない。一方、5重量%を越
えると、芯部重合体への溶解分散性が低下して安定に溶
融紡糸できなくなるとともに、得られる繊維も精油成分
の空気中への揮散量が多くなりすぎて逆に不快感を与え
るようになるので好ましくない。
本発明の芯鞘型中実複合短繊維の芯部を構成する重合
体は、実質的にα−オレフィンよりなるオレフィン重合
体(A)98〜50重量%、好ましくは98〜70重量%と、変
性オレフィン重合体(B)2〜50重量%、好ましくは2
〜30重量%とを混合していることが肝要である。A成分
の量を98重量%を越えて用いると、芯部を構成する重合
体への精油成分の分散性が悪くなって紡糸性が低下す
る。また、B成分中の精油濃度が高くかつ精油成分とA
成分との親和性が低いため、精油成分の芯部重合体内拡
散速度が速くなって芳香効果の持続性が低下する。一
方、A成分が50重量%未満の場合には、精油はB成分と
比較的親和性が良いため、B成分中の精油濃度が低くな
るために精油成分の芯部重合体中拡散速度が低下して充
分な芳香効果が得られなくなる。
体は、実質的にα−オレフィンよりなるオレフィン重合
体(A)98〜50重量%、好ましくは98〜70重量%と、変
性オレフィン重合体(B)2〜50重量%、好ましくは2
〜30重量%とを混合していることが肝要である。A成分
の量を98重量%を越えて用いると、芯部を構成する重合
体への精油成分の分散性が悪くなって紡糸性が低下す
る。また、B成分中の精油濃度が高くかつ精油成分とA
成分との親和性が低いため、精油成分の芯部重合体内拡
散速度が速くなって芳香効果の持続性が低下する。一
方、A成分が50重量%未満の場合には、精油はB成分と
比較的親和性が良いため、B成分中の精油濃度が低くな
るために精油成分の芯部重合体中拡散速度が低下して充
分な芳香効果が得られなくなる。
好適に用いられる実質的にα−オレフィンからなるオ
レフィン重合体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1などのα−オレフィンか
らなるホモ重合体、共重合体、及びこれらに少量(通常
は10モル%以下)の非極性第3成分を共重合したものを
あげることができる。なお、ここでいう非極性の第3成
分とは、エステル結合、カルボキシル基、水酸基等の極
性官能基を有さない共重合成分であって、例えばスチレ
ン、ノルボルナジエン等の不飽和炭化水素が例示され
る。
レフィン重合体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1などのα−オレフィンか
らなるホモ重合体、共重合体、及びこれらに少量(通常
は10モル%以下)の非極性第3成分を共重合したものを
あげることができる。なお、ここでいう非極性の第3成
分とは、エステル結合、カルボキシル基、水酸基等の極
性官能基を有さない共重合成分であって、例えばスチレ
ン、ノルボルナジエン等の不飽和炭化水素が例示され
る。
一方、本発明でいう変性オレフィン重合体は、極性基
を有するオレフィン系重合体であって、不飽和カルボン
酸、不飽和アルコール、及びこれらのエステル、酸無水
物またはアミド等の極性基を有する重合性単量体から選
ばれる少なくとも1種以上を3〜30重量%、好ましくは
5〜20重量%、α−オレフィンに共重合させていること
が重要である。この共重合量が3重量%未満の場合にあ
っては、精油成分との親和性が向上せず、芳香効果の持
続性は改善されないし、30重量%を越える場合には、精
油との親和性が向上するため芯部重合体中の拡散速度が
低下し、芳香効果が発現し難くなる傾向がある。かかる
極性基を有する重合性単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの
低級アルキルエステルまたはアミド、無水マレイン酸、
酢酸ビニル等が好ましく用いられる。
を有するオレフィン系重合体であって、不飽和カルボン
酸、不飽和アルコール、及びこれらのエステル、酸無水
物またはアミド等の極性基を有する重合性単量体から選
ばれる少なくとも1種以上を3〜30重量%、好ましくは
5〜20重量%、α−オレフィンに共重合させていること
が重要である。この共重合量が3重量%未満の場合にあ
っては、精油成分との親和性が向上せず、芳香効果の持
続性は改善されないし、30重量%を越える場合には、精
油との親和性が向上するため芯部重合体中の拡散速度が
低下し、芳香効果が発現し難くなる傾向がある。かかる
極性基を有する重合性単量体としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの
低級アルキルエステルまたはアミド、無水マレイン酸、
酢酸ビニル等が好ましく用いられる。
なお、本発明で用いる精油は耐熱性に劣り、熱によっ
て容易に蒸発もしくは分解するため、前記芯部には融点
(軟化点)の低い重合体を用いるのが望ましく、例え
ば、A成分としては高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン重合体、
またB成分としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体が
好ましく用いられる。
て容易に蒸発もしくは分解するため、前記芯部には融点
(軟化点)の低い重合体を用いるのが望ましく、例え
ば、A成分としては高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン重合体、
またB成分としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体が
好ましく用いられる。
本発明の複合短繊維の鞘部を構成する重合体は、前記
精油成分が拡散透過し難く、かつ繊維に優れた機械的性
能を付与できる重合体である必要があり、ポリエステル
重合体が好ましい。なかでも、本発明の短繊維は詰綿も
しくは不織布として賞用されるため、嵩高性、耐ヘタリ
性等の性能にも優れていることが望ましく、95モル%以
上がエチレンテレフタレートもしくはブチレンテレフタ
レートから構成されるポリエチレンテレフタレート系重
合体もしくはポリブチレンテレフタレート系重合体が望
ましい。
精油成分が拡散透過し難く、かつ繊維に優れた機械的性
能を付与できる重合体である必要があり、ポリエステル
重合体が好ましい。なかでも、本発明の短繊維は詰綿も
しくは不織布として賞用されるため、嵩高性、耐ヘタリ
性等の性能にも優れていることが望ましく、95モル%以
上がエチレンテレフタレートもしくはブチレンテレフタ
レートから構成されるポリエチレンテレフタレート系重
合体もしくはポリブチレンテレフタレート系重合体が望
ましい。
本発明における芯部及び鞘部を構成する重合体の比率
は、重量比で芯部/鞘部を70/30〜30/70の範囲にするの
が望ましい。芯部の比率が70を超えると芯鞘構造の形成
が難しくなり、芯部が露出して芳香効果の持続性が低下
する場合がある。一方芯部の比率が30未満になると、芯
部の占有断面積が小さくなり、精油成分の空気中への揮
散量が少なくなって芳香効果が低下する傾向がある。
は、重量比で芯部/鞘部を70/30〜30/70の範囲にするの
が望ましい。芯部の比率が70を超えると芯鞘構造の形成
が難しくなり、芯部が露出して芳香効果の持続性が低下
する場合がある。一方芯部の比率が30未満になると、芯
部の占有断面積が小さくなり、精油成分の空気中への揮
散量が少なくなって芳香効果が低下する傾向がある。
本発明の芯鞘型中実複合繊維を製造するには、従来よ
り用いられている芯鞘型複合紡糸用の装置をそのまま使
用でき、常法に従って溶融紡糸、延伸を行えばよい。こ
の際、精油は、極性基を有しないオレフィン重合体チッ
プ及び/又は変性オレフィン重合体チップの表面に付着
させた後、複合溶融紡糸装置に供給してもよく、あるい
は、あらかじめ変性オレフィン重合体中に溶融配合した
ものを用いてもよい。特に、後者の方法は、精油の芯部
を構成する重合体中への分散状態がよくなり、溶融紡糸
性及び芳香効果の持続性が向上するため好ましい。
り用いられている芯鞘型複合紡糸用の装置をそのまま使
用でき、常法に従って溶融紡糸、延伸を行えばよい。こ
の際、精油は、極性基を有しないオレフィン重合体チッ
プ及び/又は変性オレフィン重合体チップの表面に付着
させた後、複合溶融紡糸装置に供給してもよく、あるい
は、あらかじめ変性オレフィン重合体中に溶融配合した
ものを用いてもよい。特に、後者の方法は、精油の芯部
を構成する重合体中への分散状態がよくなり、溶融紡糸
性及び芳香効果の持続性が向上するため好ましい。
本発明においては、上述の如く精油成分と親和性の良
好な変性ポリオレフィンを用いるため、比較的沸点の低
い精油成分でも口金ブロック内で気化して発泡すること
はない。さらには、繊維形成後鞘成分は急速に固化され
るため、精油成分の蒸散も抑制されるといった効果もあ
る。
好な変性ポリオレフィンを用いるため、比較的沸点の低
い精油成分でも口金ブロック内で気化して発泡すること
はない。さらには、繊維形成後鞘成分は急速に固化され
るため、精油成分の蒸散も抑制されるといった効果もあ
る。
かくして得られる未延伸複合繊維は延伸した後、所望
によって捲縮を付与し、次いでカットして短繊維とな
す。本発明においては、このカット長も重要で、30〜10
0mm、好ましくは40〜70mmの範囲とする必要がある。繊
維長が30mm未満の場合には、短繊維1本内に含有する精
油の量が少なくなるため、森林浴効果の持続が不十分と
なる。一方、短繊維長が100mmを超えると、カード通過
性が低下し、かつフトン綿として使用した時に嵩高性が
劣るため好ましくない。
によって捲縮を付与し、次いでカットして短繊維とな
す。本発明においては、このカット長も重要で、30〜10
0mm、好ましくは40〜70mmの範囲とする必要がある。繊
維長が30mm未満の場合には、短繊維1本内に含有する精
油の量が少なくなるため、森林浴効果の持続が不十分と
なる。一方、短繊維長が100mmを超えると、カード通過
性が低下し、かつフトン綿として使用した時に嵩高性が
劣るため好ましくない。
なお、本発明は短繊維を対象としているが、カットす
る前のフィラメントをカーペットのカットパネル糸の如
く製織後フィラメントをカットする用途に用いても、良
好な芳香効果が得られることはいうまでもない。
る前のフィラメントをカーペットのカットパネル糸の如
く製織後フィラメントをカットする用途に用いても、良
好な芳香効果が得られることはいうまでもない。
(発明の作用効果) 以上に説明したように、本発明の芯鞘型中実複合繊維
は中空部を有しておらず、かつ芯部の重合体として精油
成分と比較的親和性の良好な変性オレフィン重合体(精
油成分の貯蔵場所としての作用を有する)と精油成分の
拡散性が良好な極性基を含有しないα−オレフィンから
なるオレフィン重合体(精油成分の透過揮散通路とな
る)とが併用されているため、長時間安定して森林浴効
果等の芳香効果を得ることができるものと推定される。
は中空部を有しておらず、かつ芯部の重合体として精油
成分と比較的親和性の良好な変性オレフィン重合体(精
油成分の貯蔵場所としての作用を有する)と精油成分の
拡散性が良好な極性基を含有しないα−オレフィンから
なるオレフィン重合体(精油成分の透過揮散通路とな
る)とが併用されているため、長時間安定して森林浴効
果等の芳香効果を得ることができるものと推定される。
このため、本発明の繊維を、布団、枕、クッション、
縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布等、衣料、寝装、イン
テリア、車両内装、家具、家庭用雑品等の分野の製品に
適用すると、極めて長期間森林浴効果等の芳香効果を享
受することができるのである。
縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布等、衣料、寝装、イン
テリア、車両内装、家具、家庭用雑品等の分野の製品に
適用すると、極めて長期間森林浴効果等の芳香効果を享
受することができるのである。
(実施例) 以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明す
る。なお、森林浴効果を測定することはむつかしいの
で、芳香性の評価は下記にしたがった。
る。なお、森林浴効果を測定することはむつかしいの
で、芳香性の評価は下記にしたがった。
芳香性の評価 外気にさらした状態で保存し、所定時間経過毎そのに
おいの強さを評価した。なお、製造後カットしていない
トウを保管しておき評価時に51mmにカットしたこの原綿
の芳香性を標準として5段階評価した。
おいの強さを評価した。なお、製造後カットしていない
トウを保管しておき評価時に51mmにカットしたこの原綿
の芳香性を標準として5段階評価した。
標準とほとんど差がない場合 :5 においがまったくなくなった場合:1 嵩測定方法及び比容積はJIS-l-1097に準じて測定し
た。
た。
実施例1 ヒノキ抽出精油を20wt%含有させたエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(共重合重量比84:16)5重量部とメルト
インデックス20の高密度ポリエチレン95重量部とをチッ
プブレンドしたものを250℃で溶融した芯部に、また極
限粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを280℃で溶
融し鞘部に配するように芯鞘型複合紡糸装置に供給し、
孔径0.5mmφ、孔数260ホールを有する口金より押出し、
800m/分の速度で引き取って缶に揺り込んだ。この際の
芯/鞘比は50/50とした。
ニル共重合体(共重合重量比84:16)5重量部とメルト
インデックス20の高密度ポリエチレン95重量部とをチッ
プブレンドしたものを250℃で溶融した芯部に、また極
限粘度0.64のポリエチレンテレフタレートを280℃で溶
融し鞘部に配するように芯鞘型複合紡糸装置に供給し、
孔径0.5mmφ、孔数260ホールを有する口金より押出し、
800m/分の速度で引き取って缶に揺り込んだ。この際の
芯/鞘比は50/50とした。
得られた未延伸糸を集束して400万デニールとし、温
水中70℃で3倍に延伸し、スタッフィングボックスに供
給して捲縮を付与した後、120℃下30分間熱処理し、繊
維長51mmにカットして約6デニールの短繊維を得た。
水中70℃で3倍に延伸し、スタッフィングボックスに供
給して捲縮を付与した後、120℃下30分間熱処理し、繊
維長51mmにカットして約6デニールの短繊維を得た。
この原綿は、未延伸糸及び延伸熱処理後の未だカット
していないトウの状態ではほとんど芳香は感じかられ
ず、短繊維にカットすることによって初めて芳香が感じ
られるようになった。
していないトウの状態ではほとんど芳香は感じかられ
ず、短繊維にカットすることによって初めて芳香が感じ
られるようになった。
この原綿をカードにかけてウェブとした後、重量1.8K
gの掛け布団にしたところ、森林のにおいがする安眠効
果に優れた掛け布団が得られた。この布団をドライクリ
ーニングしてもにおいの強さは低下しなかった。また、
2年経過した後も森林のにおいの強さはほとんど変化せ
ず、長期間持続性を有するものであった。結果は表−1
に示す。
gの掛け布団にしたところ、森林のにおいがする安眠効
果に優れた掛け布団が得られた。この布団をドライクリ
ーニングしてもにおいの強さは低下しなかった。また、
2年経過した後も森林のにおいの強さはほとんど変化せ
ず、長期間持続性を有するものであった。結果は表−1
に示す。
実施例2〜5、比較例1〜8 ヒノキ抽出精油混合率、芯部に用いる重合体の種類及
び混合比、鞘部の重合体の種類、芯/鞘比率、繊維断面
形状、及びカット長を表−1に記載の如く変化させ、実
施例1と同様にして短繊維及び掛け布団を得た。評価結
果は表−1にあわせて示す。
び混合比、鞘部の重合体の種類、芯/鞘比率、繊維断面
形状、及びカット長を表−1に記載の如く変化させ、実
施例1と同様にして短繊維及び掛け布団を得た。評価結
果は表−1にあわせて示す。
なお、芳香性評価の標準は実施例1で保管したサンプ
ルトウを測定直前に51mmにカットして用いた。
ルトウを測定直前に51mmにカットして用いた。
実施例6〜9 精油の種類及び極性ポリオレフィンの種類を表−2に
記載の如く変化させる以外は、実施例1と同様にして短
繊維及び掛け布団を得た。評価結果は表−2にあわせて
示す。
記載の如く変化させる以外は、実施例1と同様にして短
繊維及び掛け布団を得た。評価結果は表−2にあわせて
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/46 8/14 Z // D04H 1/42 X
Claims (1)
- 【請求項1】精油を0.1〜5重量%含有する下記オレフ
ィン系重合体組成物を芯部とし、ポリエステルを鞘部と
する芯鞘型中実複合短繊維であって、該短繊維の繊維長
が30〜100mmであることを特徴とする香りを有する芯鞘
型中実複合短繊維。 オレフィン系重合体組成(但し精油を除く) (A)実質的にα−オレフィンからなる極性基を有しな
いオレフィン重合体:98〜50重合% (B)不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも1種以上を3〜30重量%共重合させた変性オレフィ
ン重合体:2〜50重量%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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