JPH08253680A - 芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法 - Google Patents
芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法Info
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- JPH08253680A JPH08253680A JP5701595A JP5701595A JPH08253680A JP H08253680 A JPH08253680 A JP H08253680A JP 5701595 A JP5701595 A JP 5701595A JP 5701595 A JP5701595 A JP 5701595A JP H08253680 A JPH08253680 A JP H08253680A
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- JP
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- film
- solvent
- polyether sulfone
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 芳香族ポリエーテルスルホンフィルムを溶液
流延法により製造する際、支持基板からの流延フィルム
の剥離性を向上し、光学等方性、均質性に優れた芳香族
ポリエーテルスルホンフィルムの製造方法を提供する。 【構成】 1,3−ジオキソランを主体とする溶媒を含
む芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物中に、水およ
び/または低級脂肪族アルコールを少量含有する。
流延法により製造する際、支持基板からの流延フィルム
の剥離性を向上し、光学等方性、均質性に優れた芳香族
ポリエーテルスルホンフィルムの製造方法を提供する。 【構成】 1,3−ジオキソランを主体とする溶媒を含
む芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物中に、水およ
び/または低級脂肪族アルコールを少量含有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリエーテルス
ルホンフィルムの溶液組成物、およびそれから得られる
芳香族ポリエーテルスルホンフィルムの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、表示素子などの光学用途あるいは
電気・電子機器用途に有用な芳香族ポリエーテルスルホ
ンフィルムを溶液流延法(キャスティング法)により連
続製膜する際に、半乾燥状態にある流延フィルムを支持
基板から剥離する際の剥離性に優れ、表面性、透明性、
光学均質性の良好な芳香族ポリエーテルスルホンフィル
ムを与える安定な溶液組成物、およびそれを用いた該フ
ィルムの製造方法に関するものである。
ルホンフィルムの溶液組成物、およびそれから得られる
芳香族ポリエーテルスルホンフィルムの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、表示素子などの光学用途あるいは
電気・電子機器用途に有用な芳香族ポリエーテルスルホ
ンフィルムを溶液流延法(キャスティング法)により連
続製膜する際に、半乾燥状態にある流延フィルムを支持
基板から剥離する際の剥離性に優れ、表面性、透明性、
光学均質性の良好な芳香族ポリエーテルスルホンフィル
ムを与える安定な溶液組成物、およびそれを用いた該フ
ィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置が消費電力が少な
く、かつ画像品質に優れている点から注目を浴び実用化
が進められている。これらの液晶表示装置においては、
偏光板、保護層、位相差板および電極基板などに高分子
フイルムが使用されている。その内、高分子電極基板す
なわちプラスチック基板は、液晶表示装置の軽薄化のた
めに従来のガラス基板の代わり用いられるもので、透過
する偏光を液晶層に正確に伝えるために極めて高い光学
等方性と均質性が求められる。さらに透明電極の製膜や
配向膜形成など加工時に加わる熱に耐えるだけの耐熱性
が求められる。そのために未延伸のポリカーボネートフ
イルム、ポリアリレートフイルムなどが用いられ、耐熱
性の観点からは芳香族ポリエーテルスルホンからなるフ
イルムも極めて優れた特性を示すことから有望視されて
いる[高瀬純治、「電極基板フイルムの最近の開発動
向」、高分子学会 高分子エレクトロニックス研究会要
旨集p20(1993年11月11日;於上智大
学)]。しかしながら、芳香族ポリエーテルスルホンは
芳香族基を分子内に含むために分極率が高く、従ってわ
ずかな分子配向によっても芳香族ポリエ−テルスルホン
フイルムに光学異方性を生じる欠点を有している。かか
る観点から、分子配向を極力抑え、光学等方性に優れた
芳香族ポリエーテルスルホンフイルムを製膜する技術の
開発が重要な課題となっている。
く、かつ画像品質に優れている点から注目を浴び実用化
が進められている。これらの液晶表示装置においては、
偏光板、保護層、位相差板および電極基板などに高分子
フイルムが使用されている。その内、高分子電極基板す
なわちプラスチック基板は、液晶表示装置の軽薄化のた
めに従来のガラス基板の代わり用いられるもので、透過
する偏光を液晶層に正確に伝えるために極めて高い光学
等方性と均質性が求められる。さらに透明電極の製膜や
配向膜形成など加工時に加わる熱に耐えるだけの耐熱性
が求められる。そのために未延伸のポリカーボネートフ
イルム、ポリアリレートフイルムなどが用いられ、耐熱
性の観点からは芳香族ポリエーテルスルホンからなるフ
イルムも極めて優れた特性を示すことから有望視されて
いる[高瀬純治、「電極基板フイルムの最近の開発動
向」、高分子学会 高分子エレクトロニックス研究会要
旨集p20(1993年11月11日;於上智大
学)]。しかしながら、芳香族ポリエーテルスルホンは
芳香族基を分子内に含むために分極率が高く、従ってわ
ずかな分子配向によっても芳香族ポリエ−テルスルホン
フイルムに光学異方性を生じる欠点を有している。かか
る観点から、分子配向を極力抑え、光学等方性に優れた
芳香族ポリエーテルスルホンフイルムを製膜する技術の
開発が重要な課題となっている。
【0003】一方、位相差フイルムは、STN型液晶表
示素子やTN型液晶表示素子において画像の視認性を向
上させるために用いられるものであり、液晶層を透過し
た楕円偏光を直線偏光に変換する役割を担っている。こ
れらの素材として主として一軸延伸したポリカーボネー
トフイルムやポリビニルアルコールフイルムが用いられ
ている。最近高速応答性液晶デイスプレーの画像視認性
の向上の要請から、高速液晶層と一致した位相差(リタ
デーション)の波長分散性を有する位相差フイルムが求
められ、芳香族ポリエーテルスルホンフイルムが有望視
されている[村山昭夫、庄子雅人、近藤進、長谷川誠、
「単純マトリクスSTN−LCDの光学設計」、高分子
学会、第2回ポリマー材料フオーラム、p267(19
93年12月1,2日、於東京・国立教育会館)]。先
に述べたように、芳香族ポリエーテルスルホンは芳香族
基を分子内に含むために分極率が高く、フイルムを一軸
延伸して分子配向することにより光学異方性が得られや
すい。そのために位相差フイルムに要求される位相差を
わずかな延伸で得られる点が有利であるが、その反面、
光学的に均質な配向フイルムを得ることが難しい。かか
る配向フイルムを得るためには、未延伸フイルム(原反
フィルム)の段階で光学的に高度に等方性を有するフイ
ルムを用いる必要がある。
示素子やTN型液晶表示素子において画像の視認性を向
上させるために用いられるものであり、液晶層を透過し
た楕円偏光を直線偏光に変換する役割を担っている。こ
れらの素材として主として一軸延伸したポリカーボネー
トフイルムやポリビニルアルコールフイルムが用いられ
ている。最近高速応答性液晶デイスプレーの画像視認性
の向上の要請から、高速液晶層と一致した位相差(リタ
デーション)の波長分散性を有する位相差フイルムが求
められ、芳香族ポリエーテルスルホンフイルムが有望視
されている[村山昭夫、庄子雅人、近藤進、長谷川誠、
「単純マトリクスSTN−LCDの光学設計」、高分子
学会、第2回ポリマー材料フオーラム、p267(19
93年12月1,2日、於東京・国立教育会館)]。先
に述べたように、芳香族ポリエーテルスルホンは芳香族
基を分子内に含むために分極率が高く、フイルムを一軸
延伸して分子配向することにより光学異方性が得られや
すい。そのために位相差フイルムに要求される位相差を
わずかな延伸で得られる点が有利であるが、その反面、
光学的に均質な配向フイルムを得ることが難しい。かか
る配向フイルムを得るためには、未延伸フイルム(原反
フィルム)の段階で光学的に高度に等方性を有するフイ
ルムを用いる必要がある。
【0004】一般に芳香族ポリエーテルスルホンフィル
ムは溶融押し出し方法、特にTダイ法により製膜され
る。Tダイ法はプラスチックフィルムの製膜方法として
広く用いられているが、高粘度の融液を押し出すため
に、高分子鎖が配向しやすくさらには膜内に応力歪が残
りやすいため、光学等方性や均質性が得難い。溶融粘度
を下げるには、プラスチックの分子量を下げる、あるい
は製膜温度を上げることが必要であるが、分子量を下げ
るとフイルムの力学特性が低下し、また製膜温度を上げ
ると熱劣化や着色を誘発しやすくなる。また、Tダイか
ら押し出した融液を直接急速冷却するためにTダイによ
る筋、いわゆるダイラインが発生しやすく高度な表面性
を有するフイルムが得難い[高瀬純治、「電極基板フイ
ルムの最近の開発動向」、高分子学会 高分子エレクト
ロニックス研究会要旨集p20(1993年11月11
日;於上智大学)]。液晶表示装置に用いられるフイル
ムに要求される表面性、光学均質性はかなり厳しい。例
えば、プラスチック基板に対しては、表面厚み斑±5μ
m以下、位相差10nm以下、光学軸配向±10#以下
が要求され、位相差フイルム用原反フイルムには、表面
厚み斑2μm以下、位相差30nm以下、光学軸配向±
1°以下が要求される。ここで光学軸配向とは、フィル
ム面内で屈折率が最大となる方向、すなわち遅相軸の向
きを表す。このような厳しい要求を溶融押し出し法によ
り達成することは困難であるのが実状である。
ムは溶融押し出し方法、特にTダイ法により製膜され
る。Tダイ法はプラスチックフィルムの製膜方法として
広く用いられているが、高粘度の融液を押し出すため
に、高分子鎖が配向しやすくさらには膜内に応力歪が残
りやすいため、光学等方性や均質性が得難い。溶融粘度
を下げるには、プラスチックの分子量を下げる、あるい
は製膜温度を上げることが必要であるが、分子量を下げ
るとフイルムの力学特性が低下し、また製膜温度を上げ
ると熱劣化や着色を誘発しやすくなる。また、Tダイか
ら押し出した融液を直接急速冷却するためにTダイによ
る筋、いわゆるダイラインが発生しやすく高度な表面性
を有するフイルムが得難い[高瀬純治、「電極基板フイ
ルムの最近の開発動向」、高分子学会 高分子エレクト
ロニックス研究会要旨集p20(1993年11月11
日;於上智大学)]。液晶表示装置に用いられるフイル
ムに要求される表面性、光学均質性はかなり厳しい。例
えば、プラスチック基板に対しては、表面厚み斑±5μ
m以下、位相差10nm以下、光学軸配向±10#以下
が要求され、位相差フイルム用原反フイルムには、表面
厚み斑2μm以下、位相差30nm以下、光学軸配向±
1°以下が要求される。ここで光学軸配向とは、フィル
ム面内で屈折率が最大となる方向、すなわち遅相軸の向
きを表す。このような厳しい要求を溶融押し出し法によ
り達成することは困難であるのが実状である。
【0005】このような状況から、高い表面性、光学等
方性、均質性を満たす芳香族ポリエーテルスルホンフィ
ルムの製膜法としては溶液流延法(キャステイング法)
が有力視されている。溶液流延法とは、溶液組成物(ド
ープ)を支持基板上に流延した後、加熱して大部分の溶
媒を除去して自立性のあるフィルムとしてから支持基板
から剥離し、さらに加熱乾燥して残りの溶媒を除去する
フィルム製膜法である。液晶表示装置に用いられるポリ
カーボネートフィルムの製膜法には、現在この溶液流延
法が用いられている。我々は先に、1,3−ジオキソラ
ンからなる芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物が、
溶液流延法による芳香族ポリエーテルスルホンフィルム
の製造に極めて有効であることを見いだし提案したが、
この検討過程で芳香族ポリエーテルスルホンは、ドープ
流延後、加熱して大部分の溶媒を除いた半乾燥状態のフ
ィルムを通常支持基板として用いられる金属板から剥離
する際、密着性が高く剥離性が悪いことが多い。剥離強
度が高いためにかかるフィルムに剥離筋、剥離傷が入っ
たり、フィルムがある一部分で引き延ばされ白化したり
して、液晶表示装置用途に求められる極めて高い光学等
方性、均質性、及び表面性の良好なフィルムを得ること
は極めて困難である。かかる課題を解決する手段として
容易に考えられるのは、ドープにフッ素系、シリコン
系、ステアリン酸系等の離型剤を添加することである。
しかしながらこれらの離型剤はフィルム製膜後もフィル
ム中に残存するため、フィルムのガラス転移点の低下が
避けられない。また離型剤の析出によりフィルムが白化
することがある。さらには離型剤の入ったフィルムを液
晶表示装置用途に用いる場合には、後加工工程における
他部材との接着性の低下が懸念され好ましくない。以上
のことから芳香族ポリエーテルスルホンフィルムの溶液
流延法に関して、フィルム物性は損なうことなく流延フ
ィルムの支持基板からの剥離性を改善する方法が求めら
れていた。
方性、均質性を満たす芳香族ポリエーテルスルホンフィ
ルムの製膜法としては溶液流延法(キャステイング法)
が有力視されている。溶液流延法とは、溶液組成物(ド
ープ)を支持基板上に流延した後、加熱して大部分の溶
媒を除去して自立性のあるフィルムとしてから支持基板
から剥離し、さらに加熱乾燥して残りの溶媒を除去する
フィルム製膜法である。液晶表示装置に用いられるポリ
カーボネートフィルムの製膜法には、現在この溶液流延
法が用いられている。我々は先に、1,3−ジオキソラ
ンからなる芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物が、
溶液流延法による芳香族ポリエーテルスルホンフィルム
の製造に極めて有効であることを見いだし提案したが、
この検討過程で芳香族ポリエーテルスルホンは、ドープ
流延後、加熱して大部分の溶媒を除いた半乾燥状態のフ
ィルムを通常支持基板として用いられる金属板から剥離
する際、密着性が高く剥離性が悪いことが多い。剥離強
度が高いためにかかるフィルムに剥離筋、剥離傷が入っ
たり、フィルムがある一部分で引き延ばされ白化したり
して、液晶表示装置用途に求められる極めて高い光学等
方性、均質性、及び表面性の良好なフィルムを得ること
は極めて困難である。かかる課題を解決する手段として
容易に考えられるのは、ドープにフッ素系、シリコン
系、ステアリン酸系等の離型剤を添加することである。
しかしながらこれらの離型剤はフィルム製膜後もフィル
ム中に残存するため、フィルムのガラス転移点の低下が
避けられない。また離型剤の析出によりフィルムが白化
することがある。さらには離型剤の入ったフィルムを液
晶表示装置用途に用いる場合には、後加工工程における
他部材との接着性の低下が懸念され好ましくない。以上
のことから芳香族ポリエーテルスルホンフィルムの溶液
流延法に関して、フィルム物性は損なうことなく流延フ
ィルムの支持基板からの剥離性を改善する方法が求めら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリエーテルスルホンフィルムの溶液流延法におい
て、流延フィルムの支持基板からの剥離性の良好な、従
って表面性、透明性、光学均質性に優れた芳香族ポリエ
ーテルスルホンフイルムを製造する方法を提供すること
にある。
族ポリエーテルスルホンフィルムの溶液流延法におい
て、流延フィルムの支持基板からの剥離性の良好な、従
って表面性、透明性、光学均質性に優れた芳香族ポリエ
ーテルスルホンフイルムを製造する方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、1,3−ジオキソラ
ンを主体とする溶媒に、水および/または低級脂肪族ア
ルコールを少量含んだ芳香族ポリエーテルスルホン溶液
組成物を用いると、流延フィルムの支持基板からの剥離
性が良好であり、従って表面性、透明性、光学均質性に
優れた芳香族ポリエーテルスルホンフィルムが得られる
ことを見い出し、本発明に到達した。
解決するために鋭意検討した結果、1,3−ジオキソラ
ンを主体とする溶媒に、水および/または低級脂肪族ア
ルコールを少量含んだ芳香族ポリエーテルスルホン溶液
組成物を用いると、流延フィルムの支持基板からの剥離
性が良好であり、従って表面性、透明性、光学均質性に
優れた芳香族ポリエーテルスルホンフィルムが得られる
ことを見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、水および炭素数1〜6
の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールの少なくと
も1種を1〜10重量%と、1,3−ジオキソランを主
体とする溶媒99〜90重量%とからなる溶媒系15〜
90重量部、及び芳香族ポリエーテルスルホン10重量
部を含有してなる芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成
物である。
の直鎖状または分岐鎖状の脂肪族アルコールの少なくと
も1種を1〜10重量%と、1,3−ジオキソランを主
体とする溶媒99〜90重量%とからなる溶媒系15〜
90重量部、及び芳香族ポリエーテルスルホン10重量
部を含有してなる芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成
物である。
【0009】以下に本発明について詳述する。
【0010】本発明において用いられる芳香族ポリエー
テルスルホンは、骨格に芳香族基がスルホン基およびエ
ーテル基により結合されているものを総称する。例え
ば、下記一般式(1)〜(3)
テルスルホンは、骨格に芳香族基がスルホン基およびエ
ーテル基により結合されているものを総称する。例え
ば、下記一般式(1)〜(3)
【0011】
【化1】 (−Ar1 −SO2 −Ar2 −O−) (1) (−Ar3 −X−Ar4 −O−Ar5 −SO2 −Ar6 −O−) (2) (−Ar7 −SO2 −Ar8 −O−Ar9 −O−) (3) [式(1)中、Ar1 及びAr2 は同一または異なる炭
素数6〜12の芳香族炭化水素基である。式(2)中、
Ar3 〜Ar6 は同一または異なる炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基であり、Xは炭素数1〜15の二価の炭
化水素基である。式(3)中、Ar7 〜Ar9 は同一ま
たは異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であ
る。]からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返
し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが挙げられ
る。
素数6〜12の芳香族炭化水素基である。式(2)中、
Ar3 〜Ar6 は同一または異なる炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基であり、Xは炭素数1〜15の二価の炭
化水素基である。式(3)中、Ar7 〜Ar9 は同一ま
たは異なる炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であ
る。]からなる群より選ばれる少なくとも一種の繰り返
し単位からなる芳香族ポリエーテルスルホンが挙げられ
る。
【0012】ここで式(1)において好適なAr1 、A
r2 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭
素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的
には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル
−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン
基、ナフチレン基、ビフェニレン基などが挙げられる。
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である場合
が、製造面からも有利であり特に好適に用いられる。
r2 としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭
素数6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的
には、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル
−p−フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン
基、ナフチレン基、ビフェニレン基などが挙げられる。
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である場合
が、製造面からも有利であり特に好適に用いられる。
【0013】式(2)において好適なAr3 〜Ar6 と
しては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6
〜10のアリーレン基がより好適である。具体的にはm
−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フ
ェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチ
レン基、ビフェニレン基などが挙げられる。好適な例と
してAr3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基が挙げ
られる。また、Xは炭素数1〜15の二価の炭化水素基
であり、炭素数1〜15の二価の脂肪族炭化水素基、脂
環族炭化水素基、およびアルアルキレン基から選ばれ
る。好適には炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、アルアルキレン基である。具体
的にはメチレン基、1,1−エチレン基、2,2−プロ
ピレン基、2,2−ブチレン基、4−メチル−2,2−
ペンチレン基などの脂肪族炭化水素基、1,1−シクロ
ヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シク
ロヘキシレン基などの脂環族炭化水素基、1−フェニル
−1,1−エチレン基、ジフェニルメチレン基などのア
ルアルキレン基が例示できる。これらの中で2,2−プ
ロピレン基がさらにより好適に用いられる。式(2)に
おいて、特に好ましくはAr3 〜Ar6 がいづれもp−
フェニレン基であり、かつXが2,2−プロピレン基で
ある。さらに式(3)において、好適なAr7 、Ar8
としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数
6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には
m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−
フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフ
チレン基、ビフェニレン基などが挙げられる。これらの
中でAr7 、Ar8 がともにp−フェニレン基がさらに
好適に用いられる。また好適なAr9 としては炭素数6
〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリー
レン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン
基、p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基
などが挙げられる。これらの中でp−フェニレン基、ビ
フェニレン基がさらにより好適である。式(3)におい
て特に好ましくはAr7 、Ar8 、Ar9 がいずれもp
−フェニレン基である。
しては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数6
〜10のアリーレン基がより好適である。具体的にはm
−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−フ
ェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフチ
レン基、ビフェニレン基などが挙げられる。好適な例と
してAr3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基が挙げ
られる。また、Xは炭素数1〜15の二価の炭化水素基
であり、炭素数1〜15の二価の脂肪族炭化水素基、脂
環族炭化水素基、およびアルアルキレン基から選ばれ
る。好適には炭素数1〜10の二価の脂肪族炭化水素
基、脂環族炭化水素基、アルアルキレン基である。具体
的にはメチレン基、1,1−エチレン基、2,2−プロ
ピレン基、2,2−ブチレン基、4−メチル−2,2−
ペンチレン基などの脂肪族炭化水素基、1,1−シクロ
ヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シク
ロヘキシレン基などの脂環族炭化水素基、1−フェニル
−1,1−エチレン基、ジフェニルメチレン基などのア
ルアルキレン基が例示できる。これらの中で2,2−プ
ロピレン基がさらにより好適に用いられる。式(2)に
おいて、特に好ましくはAr3 〜Ar6 がいづれもp−
フェニレン基であり、かつXが2,2−プロピレン基で
ある。さらに式(3)において、好適なAr7 、Ar8
としては炭素数6〜12のアリーレン基であり、炭素数
6〜10のアリーレン基がより好適である。具体的には
m−フェニレン基、p−フェニレン基、ジメチル−p−
フェニレン基、テトラメチル−p−フェニレン基、ナフ
チレン基、ビフェニレン基などが挙げられる。これらの
中でAr7 、Ar8 がともにp−フェニレン基がさらに
好適に用いられる。また好適なAr9 としては炭素数6
〜12のアリーレン基であり、炭素数6〜10のアリー
レン基がより好適である。具体的には、m−フェニレン
基、p−フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基
などが挙げられる。これらの中でp−フェニレン基、ビ
フェニレン基がさらにより好適である。式(3)におい
て特に好ましくはAr7 、Ar8 、Ar9 がいずれもp
−フェニレン基である。
【0014】本発明に用いられる芳香族ポリエーテルス
ルホンは、上記式(1)〜(3)で表される一種あるい
は二種以上の繰り返し単位からなる、組成物または共重
合体も好適に使用できる。例えば共重合体の場合、式
(1)の繰り返し単位および式(2)の繰り返し単位か
らなる芳香族ポリエーテルスルホン、式(1)の繰り返
し単位および式(3)の繰り返し単位からなる芳香族ポ
リエーテルスルホンが好ましく用いられる。その場合、
式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位、あ
るいは式(1)の繰り返し単位と式(3)の繰り返し単
位の割合、すなわち共重合組成比(1)/(2)、
(1)/(3)は得られる該芳香族ポリエーテルスルホ
ンの溶解性、耐熱性、製膜したフィルムの物性を鑑みて
決定すればよく特に制限はないが、式(1)の繰り返し
単位を0.1〜99.9モル%、好ましくは1〜99モ
ル%含有する芳香族ポリエーテルスルホンが好ましい。
ルホンは、上記式(1)〜(3)で表される一種あるい
は二種以上の繰り返し単位からなる、組成物または共重
合体も好適に使用できる。例えば共重合体の場合、式
(1)の繰り返し単位および式(2)の繰り返し単位か
らなる芳香族ポリエーテルスルホン、式(1)の繰り返
し単位および式(3)の繰り返し単位からなる芳香族ポ
リエーテルスルホンが好ましく用いられる。その場合、
式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位、あ
るいは式(1)の繰り返し単位と式(3)の繰り返し単
位の割合、すなわち共重合組成比(1)/(2)、
(1)/(3)は得られる該芳香族ポリエーテルスルホ
ンの溶解性、耐熱性、製膜したフィルムの物性を鑑みて
決定すればよく特に制限はないが、式(1)の繰り返し
単位を0.1〜99.9モル%、好ましくは1〜99モ
ル%含有する芳香族ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0015】以上に述べた芳香族ポリエーテルスルホン
の中でも、入手のしやすさ、耐熱性及び溶解性の点で、
次のタイプのものがより好ましい。すなわち、(i)A
r1及びAr2 がともにp−フェニレン基である式
(1)の繰り返し単位が70〜90モル%であり、Ar
7 〜Ar9 が全てp−フェニレン基である式(3)の繰
り返し単位が30〜10モル%であるである共重合体、
(ii)Ar3 〜Ar6 が全てp−フェニレン基であり、
Xがイソプロピリデン基((CH3 )2 <C)である式
(2)の繰り返し単位から実質的になる重合体、及び(i
ii) Ar3 〜Ar6が全てp−フェニレン基であり、か
つXがイソプロピリデン基である式(2)の繰り返し単
位が70モル%以上であり、Ar1 、Ar2 がともにp
−フェニレン基である式(1)の繰り返し単位が30モ
ル%以下である共重合体である。
の中でも、入手のしやすさ、耐熱性及び溶解性の点で、
次のタイプのものがより好ましい。すなわち、(i)A
r1及びAr2 がともにp−フェニレン基である式
(1)の繰り返し単位が70〜90モル%であり、Ar
7 〜Ar9 が全てp−フェニレン基である式(3)の繰
り返し単位が30〜10モル%であるである共重合体、
(ii)Ar3 〜Ar6 が全てp−フェニレン基であり、
Xがイソプロピリデン基((CH3 )2 <C)である式
(2)の繰り返し単位から実質的になる重合体、及び(i
ii) Ar3 〜Ar6が全てp−フェニレン基であり、か
つXがイソプロピリデン基である式(2)の繰り返し単
位が70モル%以上であり、Ar1 、Ar2 がともにp
−フェニレン基である式(1)の繰り返し単位が30モ
ル%以下である共重合体である。
【0016】上記の芳香族ポリエーテルスルホンは公知
の方法で重合できる。例えばアルカリ金属炭酸塩の存在
下、非プロトン性極性溶媒中で水酸基およびハロゲン基
を末端に有するモノマーを重縮合することにより得るこ
とができる。
の方法で重合できる。例えばアルカリ金属炭酸塩の存在
下、非プロトン性極性溶媒中で水酸基およびハロゲン基
を末端に有するモノマーを重縮合することにより得るこ
とができる。
【0017】本発明において用いられる芳香族ポリエー
テルスルホンの分子量は、その尺度であるηsp/cで表示
すると0.1〜10dL/g、好ましくは0.3〜5.
0dL/gの範囲のものである。ただしこれらの粘度は
0.5g/dLのジオキソラン溶液中、30℃で測定し
た値である。0.1dL/gより小さいと丈夫なフィル
ムが得られず、また10dL/gを越えると該ポリマー
が得にくいばかりか溶解性が低下するために好ましくな
い。
テルスルホンの分子量は、その尺度であるηsp/cで表示
すると0.1〜10dL/g、好ましくは0.3〜5.
0dL/gの範囲のものである。ただしこれらの粘度は
0.5g/dLのジオキソラン溶液中、30℃で測定し
た値である。0.1dL/gより小さいと丈夫なフィル
ムが得られず、また10dL/gを越えると該ポリマー
が得にくいばかりか溶解性が低下するために好ましくな
い。
【0018】本発明における溶媒系は、1,3−ジオキ
ソランを主体とする溶媒と、水および/または炭素数1
〜6の脂肪族アルコールとからなる。本発明によれば、
芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物を構成する溶媒
としては、芳香族ポリエーテルスルホンを高濃度に溶解
し、かつ後述する水または炭素数1〜6の脂肪族アルコ
ールと相溶性があること、さらには低沸点溶媒であり、
溶解性、溶液安定性、製膜性の観点から、1,3−ジオ
キソランが優れていることを先に見い出した。本発明に
おける1,3−ジオキソランを主体とする溶媒は、1,
3−ジオキソランを溶媒全体の60重量%以上、好まし
くは70重量%以上含有することが好ましく、1,3−
ジオキソラン100重量%であることがより好ましい。
他の溶媒を使用する場合は特に限定はなく、効果を勘案
して用いればよい。ここでいう効果とは、溶解性や安定
性を犠牲にしない範囲で溶媒を混合することによる、た
とえば溶液流延法により製膜したフイルムの表面性の改
善(レベリング効果)、蒸発速度や系の粘度調節、結晶
化抑制効果などである。これらの効果の度合により混合
する溶媒の種類や添加量を決定すればよく、また混合す
る溶媒として1種または2種以上用いてもかまわない。
好適に用いられる他の溶媒としては1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶媒、ト
ルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エ
チレングリコールジメチルエーテル、メトキシエチルア
セテートなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリク
ロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒が挙
げられる。
ソランを主体とする溶媒と、水および/または炭素数1
〜6の脂肪族アルコールとからなる。本発明によれば、
芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物を構成する溶媒
としては、芳香族ポリエーテルスルホンを高濃度に溶解
し、かつ後述する水または炭素数1〜6の脂肪族アルコ
ールと相溶性があること、さらには低沸点溶媒であり、
溶解性、溶液安定性、製膜性の観点から、1,3−ジオ
キソランが優れていることを先に見い出した。本発明に
おける1,3−ジオキソランを主体とする溶媒は、1,
3−ジオキソランを溶媒全体の60重量%以上、好まし
くは70重量%以上含有することが好ましく、1,3−
ジオキソラン100重量%であることがより好ましい。
他の溶媒を使用する場合は特に限定はなく、効果を勘案
して用いればよい。ここでいう効果とは、溶解性や安定
性を犠牲にしない範囲で溶媒を混合することによる、た
とえば溶液流延法により製膜したフイルムの表面性の改
善(レベリング効果)、蒸発速度や系の粘度調節、結晶
化抑制効果などである。これらの効果の度合により混合
する溶媒の種類や添加量を決定すればよく、また混合す
る溶媒として1種または2種以上用いてもかまわない。
好適に用いられる他の溶媒としては1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶媒、ト
ルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、エ
チレングリコールジメチルエーテル、メトキシエチルア
セテートなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリク
ロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒が挙
げられる。
【0019】溶媒量は、上記溶媒系全体量の99〜90
重量%、好ましくは99〜92重量%、さらに好ましく
は98.5〜95重量%である。
重量%、好ましくは99〜92重量%、さらに好ましく
は98.5〜95重量%である。
【0020】本発明によれば、芳香族ポリエーテルスル
ホンを溶解した溶液組成物に、水および/または炭素数
1〜6の脂肪族アルコールを少量含有させると、驚くべ
きことに支持基板からの剥離性が著しく向上することを
見い出した。
ホンを溶解した溶液組成物に、水および/または炭素数
1〜6の脂肪族アルコールを少量含有させると、驚くべ
きことに支持基板からの剥離性が著しく向上することを
見い出した。
【0021】かかるアルコールとしては、炭素数1〜
6、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4の直鎖
状、あるいは分岐した脂肪族アルコールが好ましい。具
体的にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、
ターシャリーブタノールなどが挙げられる。これらのう
ちエタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノ
ールは水とほぼ同等の効果が得られるので好ましい。理
由は明らかでないが溶媒の沸点、すなわち乾燥時の飛び
易さが関係しているものと推測している。また、炭素数
6を超える高級アルコールは、高沸点であるためフィル
ム製膜後も残留しやすくなるので好ましくない。
6、好ましくは1〜4、より好ましくは2〜4の直鎖
状、あるいは分岐した脂肪族アルコールが好ましい。具
体的にはメタノール、エタノール、イソプロパノール、
ターシャリーブタノールなどが挙げられる。これらのう
ちエタノール、イソプロパノール、ターシャリーブタノ
ールは水とほぼ同等の効果が得られるので好ましい。理
由は明らかでないが溶媒の沸点、すなわち乾燥時の飛び
易さが関係しているものと推測している。また、炭素数
6を超える高級アルコールは、高沸点であるためフィル
ム製膜後も残留しやすくなるので好ましくない。
【0022】水または炭素数1〜6の脂肪族アルコール
は単独で加えても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても何ら問題はない。
は単独で加えても良いし、2種類以上組み合わせて用い
ても何ら問題はない。
【0023】水やアルコールの含有量は慎重に選択され
なければならない。これらは芳香族ポリエーテルスルホ
ンに対する溶解性には乏しく、貧溶媒である。従ってあ
まり多く用いることはできず、満足すべき剥離性が得ら
れる最少量とすべきである。一般には溶媒系の全量、す
なわち1,3−ジオキソランを主体とする溶媒と、水お
よび/または該アルコールとの合計量に対して1〜10
重量%、好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは
1.5〜5重量%である。含有量が10重量%を超える
と該溶媒のポリマーに対する溶解性、ドープ安定性が低
下するので好ましくなく、1重量%未満では剥離性改善
の効果に乏しくなる。
なければならない。これらは芳香族ポリエーテルスルホ
ンに対する溶解性には乏しく、貧溶媒である。従ってあ
まり多く用いることはできず、満足すべき剥離性が得ら
れる最少量とすべきである。一般には溶媒系の全量、す
なわち1,3−ジオキソランを主体とする溶媒と、水お
よび/または該アルコールとの合計量に対して1〜10
重量%、好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは
1.5〜5重量%である。含有量が10重量%を超える
と該溶媒のポリマーに対する溶解性、ドープ安定性が低
下するので好ましくなく、1重量%未満では剥離性改善
の効果に乏しくなる。
【0024】少量の水および/またはアルコールを添加
することにより、流延フィルムの剥離性改善効果以外
の、別の好ましい効果が得られる。それは上記溶液組成
物からの芳香族ポリエーテルスルホンの環状オリゴマー
の析出を促進する効果である。
することにより、流延フィルムの剥離性改善効果以外
の、別の好ましい効果が得られる。それは上記溶液組成
物からの芳香族ポリエーテルスルホンの環状オリゴマー
の析出を促進する効果である。
【0025】本発明に用いられる芳香族ポリエーテルス
ルホンの中には、重合時に発生する不純物である結晶性
の環状オリゴマーを少量含むものがある。かかる環状オ
リゴマーとして下記の化合物が例示される(環状オリゴ
マーAと略す)。
ルホンの中には、重合時に発生する不純物である結晶性
の環状オリゴマーを少量含むものがある。かかる環状オ
リゴマーとして下記の化合物が例示される(環状オリゴ
マーAと略す)。
【0026】
【化2】
【0027】このような化合物は、ポリマーを溶解後に
ドープから徐々に析出してくる。もちろん通常工業的に
採用されているように、ドープ貯蔵槽から製膜ヘッドま
での送液の途中フィルターで濾過して使用するために基
本的には問題はない。しかし、濾過後ドープが滞留しや
すい部分で結晶が析出し、フイルムの透明性を損ねるこ
とが多い。その対策として長期間かけてドープ中の環状
オリゴマーを充分に析出、結晶化させた後、濾別すれば
そのドープの保存安定性が高くなることが提案されてい
る(特開平05−329857号公報)。従って工業的
にはドープ調製後にできるだけ速やかに大部分の環状オ
リゴマーを析出させることが重要になる。本発明におけ
る少量の水および/またはアルコールを含む溶液組成物
は、含まない場合と比べ環状オリゴマーの析出速度が速
い。その結果ポリマー溶解後、一定時間経過後に析出し
た結晶を濾別したドープと比較して、本発明の溶液組成
物のほうがオリゴマーの結晶析出による白濁化速度が遅
く、より保存安定性の高いドープとなる。
ドープから徐々に析出してくる。もちろん通常工業的に
採用されているように、ドープ貯蔵槽から製膜ヘッドま
での送液の途中フィルターで濾過して使用するために基
本的には問題はない。しかし、濾過後ドープが滞留しや
すい部分で結晶が析出し、フイルムの透明性を損ねるこ
とが多い。その対策として長期間かけてドープ中の環状
オリゴマーを充分に析出、結晶化させた後、濾別すれば
そのドープの保存安定性が高くなることが提案されてい
る(特開平05−329857号公報)。従って工業的
にはドープ調製後にできるだけ速やかに大部分の環状オ
リゴマーを析出させることが重要になる。本発明におけ
る少量の水および/またはアルコールを含む溶液組成物
は、含まない場合と比べ環状オリゴマーの析出速度が速
い。その結果ポリマー溶解後、一定時間経過後に析出し
た結晶を濾別したドープと比較して、本発明の溶液組成
物のほうがオリゴマーの結晶析出による白濁化速度が遅
く、より保存安定性の高いドープとなる。
【0028】本発明の溶液組成物は、結果としてヘイズ
の低い透明な溶液が得られればいかなる方法で調製して
もよい。あらかじめある溶媒に溶解させた芳香族ポリエ
ーテルスルホン溶液に、水および/または上記アルコー
ルを所定量添加してもよいし、水および/または上記ア
ルコールを含む溶媒に芳香族ポリエーテルスルホンを溶
解させてもよい。ただ先にも述べたように水やアルコー
ルは芳香族ポリエーテルスルホンの貧溶媒であるため、
前者の方法ではポリマーの析出によるドープ白濁の可能
性があり、後者の方法の方が好ましい。
の低い透明な溶液が得られればいかなる方法で調製して
もよい。あらかじめある溶媒に溶解させた芳香族ポリエ
ーテルスルホン溶液に、水および/または上記アルコー
ルを所定量添加してもよいし、水および/または上記ア
ルコールを含む溶媒に芳香族ポリエーテルスルホンを溶
解させてもよい。ただ先にも述べたように水やアルコー
ルは芳香族ポリエーテルスルホンの貧溶媒であるため、
前者の方法ではポリマーの析出によるドープ白濁の可能
性があり、後者の方法の方が好ましい。
【0029】本発明における芳香族ポリエーテルスルホ
ンの溶液濃度は、芳香族ポリエーテルスルホンの分子量
に依存するが、芳香族ポリエーテルスルホン10重量部
に対して溶媒系の全量が15〜90重量部、好ましくは
20〜50重量部である。溶媒系の全量が90重量部を
越えると溶液の安定性は問題ないが、芳香族ポリエーテ
ルスルホンの実効濃度が低いために好ましくないばかり
かこの溶液組成物を用いて溶液流延法で製膜した場合、
溶液粘度が低いために外部擾乱が起きやすく表面平滑性
が得られず好ましくない。逆に溶媒系の全量が15重量
部未満では安定なドープが得られにくい。これらの濃度
は主としてドープの安定性、溶液粘度を勘案して決定さ
れる。
ンの溶液濃度は、芳香族ポリエーテルスルホンの分子量
に依存するが、芳香族ポリエーテルスルホン10重量部
に対して溶媒系の全量が15〜90重量部、好ましくは
20〜50重量部である。溶媒系の全量が90重量部を
越えると溶液の安定性は問題ないが、芳香族ポリエーテ
ルスルホンの実効濃度が低いために好ましくないばかり
かこの溶液組成物を用いて溶液流延法で製膜した場合、
溶液粘度が低いために外部擾乱が起きやすく表面平滑性
が得られず好ましくない。逆に溶媒系の全量が15重量
部未満では安定なドープが得られにくい。これらの濃度
は主としてドープの安定性、溶液粘度を勘案して決定さ
れる。
【0030】本発明においては、上記芳香族ポリエーテ
ルスルホン溶液組成物(ドープ)を支持基板上に流延し
た後、加熱して溶媒を蒸発させることによりフイルムを
得る。工業的連続製膜工程は一般に流延工程、前乾燥工
程、後乾燥工程の3工程からなる。流延工程はドープを
平滑に流延する工程であり、前乾燥工程は流延したドー
プから大部分の溶媒を蒸発除去する工程であり、後乾燥
工程は残りの溶媒を除去する工程である。
ルスルホン溶液組成物(ドープ)を支持基板上に流延し
た後、加熱して溶媒を蒸発させることによりフイルムを
得る。工業的連続製膜工程は一般に流延工程、前乾燥工
程、後乾燥工程の3工程からなる。流延工程はドープを
平滑に流延する工程であり、前乾燥工程は流延したドー
プから大部分の溶媒を蒸発除去する工程であり、後乾燥
工程は残りの溶媒を除去する工程である。
【0031】流延工程では、ダイから押し出す方法、ド
クターブレードによる方法、リバースロールコータによ
る方法等が用いられる。工業的には、ダイからドープを
ベルト状もしくはドラム状の支持基板に連続的に押し出
す方法が最も一般的である。用いられる支持基板として
はガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基
板、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基板
などがある。支持基板の材質、表面状態も流延フィルム
の剥離性に大きな影響を与える。例えば表面張力の極め
て低いテフロン等でコーティングされた基板では、剥離
性は良好である。しかしながら高度に表面性、光学均質
性の優れたフィルムを工業的に連続製膜するには、表面
を鏡面仕上げした金属基板が最も一般的に用いられてお
り、本発明はそのような金属基板で効果が認められるも
のである。
クターブレードによる方法、リバースロールコータによ
る方法等が用いられる。工業的には、ダイからドープを
ベルト状もしくはドラム状の支持基板に連続的に押し出
す方法が最も一般的である。用いられる支持基板として
はガラス基板、ステンレスやフェロタイプ等の金属基
板、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基板
などがある。支持基板の材質、表面状態も流延フィルム
の剥離性に大きな影響を与える。例えば表面張力の極め
て低いテフロン等でコーティングされた基板では、剥離
性は良好である。しかしながら高度に表面性、光学均質
性の優れたフィルムを工業的に連続製膜するには、表面
を鏡面仕上げした金属基板が最も一般的に用いられてお
り、本発明はそのような金属基板で効果が認められるも
のである。
【0032】一般にドープから透明かつ平滑なフイルム
を製膜するにあたり溶液粘度は極めて重要な因子であ
る。溶液粘度はポリマーの濃度、分子量および溶媒の種
類に依存するが、本発明の溶液組成物の粘度は、500
〜50,000cps、好ましくは700〜30,00
0cpsである。これを越えると溶液の流動性が下がる
ために平滑なフイルムが得られないことがあり好ましく
ない。また、それ未満では流動性が高すぎ、通常キャス
トに用いるTダイからドープが均一に吐出しにくくなっ
たり、外部擾乱のために表面に乱れが生じ均質・平滑な
フイルムが得られないことがある。水やアルコールを添
加することによる溶液粘度への影響は、添加量が微量な
こともありわずかなものである。
を製膜するにあたり溶液粘度は極めて重要な因子であ
る。溶液粘度はポリマーの濃度、分子量および溶媒の種
類に依存するが、本発明の溶液組成物の粘度は、500
〜50,000cps、好ましくは700〜30,00
0cpsである。これを越えると溶液の流動性が下がる
ために平滑なフイルムが得られないことがあり好ましく
ない。また、それ未満では流動性が高すぎ、通常キャス
トに用いるTダイからドープが均一に吐出しにくくなっ
たり、外部擾乱のために表面に乱れが生じ均質・平滑な
フイルムが得られないことがある。水やアルコールを添
加することによる溶液粘度への影響は、添加量が微量な
こともありわずかなものである。
【0033】上記溶液組成物の流延時の温度は用いる溶
媒によるが、10〜60℃、好ましくは15〜40℃の
範囲で行われる。平滑性の優れたフィルムを得るために
はダイから押し出された溶液が支持基板上で流延・平滑
化する必要がある。この際流延温度が高すぎると、平滑
になる前に表面の乾燥・固化が起きることがあるため好
ましくない。また温度が低すぎると、流延溶液が冷却さ
れて粘度が上昇し、平滑性が得られにくいばかりか結露
する場合があるために好ましくない。
媒によるが、10〜60℃、好ましくは15〜40℃の
範囲で行われる。平滑性の優れたフィルムを得るために
はダイから押し出された溶液が支持基板上で流延・平滑
化する必要がある。この際流延温度が高すぎると、平滑
になる前に表面の乾燥・固化が起きることがあるため好
ましくない。また温度が低すぎると、流延溶液が冷却さ
れて粘度が上昇し、平滑性が得られにくいばかりか結露
する場合があるために好ましくない。
【0034】流延工程から乾燥工程に移る前に、ある程
度の時間乾燥を抑制しドープの流動性を確保することに
より、フィルムの表面性を高度に平滑化(レベリング効
果)することが可能である。
度の時間乾燥を抑制しドープの流動性を確保することに
より、フィルムの表面性を高度に平滑化(レベリング効
果)することが可能である。
【0035】前乾燥工程においては、できるだけ短時間
に支持基板上に流延されたドープから大部分の溶媒を蒸
発除去する必要がある。しかしながら、急激な蒸発が起
こると発泡による変形を受けるために、乾燥条件は慎重
に選択すべきである。本発明においては、使用する溶媒
の中で最も低い沸点、好適にはその(沸点−5℃)を上
限とする範囲から乾燥を開始するのがよい。その後、逐
次的あるいは連続的に昇温して乾燥効率をあげるべきで
ある。この工程における最終段階での温度の上限は、1
20℃、好ましくは100℃が採用される。この工程で
は、残留溶媒が多い場合は25重量%も含まれるため
に、それ以上高温にすると発泡が生じるために好ましく
ない。また、必要に応じて風を送ってもよい。その場
合、一般には風速20m/秒以下、好ましくは15m/
秒以下の範囲が用いられる。それを越えると風の擾乱の
ために平滑面が得られないために好ましくない。風速は
段階的ないしは連続的に増大させてもよいし、むしろ好
ましい。初期の段階では風の擾乱を避けるために無風で
もよい。
に支持基板上に流延されたドープから大部分の溶媒を蒸
発除去する必要がある。しかしながら、急激な蒸発が起
こると発泡による変形を受けるために、乾燥条件は慎重
に選択すべきである。本発明においては、使用する溶媒
の中で最も低い沸点、好適にはその(沸点−5℃)を上
限とする範囲から乾燥を開始するのがよい。その後、逐
次的あるいは連続的に昇温して乾燥効率をあげるべきで
ある。この工程における最終段階での温度の上限は、1
20℃、好ましくは100℃が採用される。この工程で
は、残留溶媒が多い場合は25重量%も含まれるため
に、それ以上高温にすると発泡が生じるために好ましく
ない。また、必要に応じて風を送ってもよい。その場
合、一般には風速20m/秒以下、好ましくは15m/
秒以下の範囲が用いられる。それを越えると風の擾乱の
ために平滑面が得られないために好ましくない。風速は
段階的ないしは連続的に増大させてもよいし、むしろ好
ましい。初期の段階では風の擾乱を避けるために無風で
もよい。
【0036】この前乾燥工程ではフイルムは基板上にあ
り、工程の最後に基板から剥離される。その際に残留溶
媒量が多いとフイルムが柔らかいために変形が起き、ま
た残留溶媒が少ないと、本発明の溶液組成物からキャス
トした流延フィルムでも、支持基板との密着性が高くな
り剥離性が悪くなるため応力歪、剥離筋、剥離傷が生じ
る。従って残留溶媒量は重要な因子であり、好適には残
留溶媒量5〜25重量%、さらに好適には7〜20重量
%の範囲が選択される。金属基板を用いた溶液流延法で
は、一般に製膜開始当初は剥離性良好であるが、剥離を
繰り返すうちに次第に剥離性が低下していくことが多
い。この原因は定かではないが、次第に基板表面に表面
張力の高い金属原子が多く露出してくる、あるいは極微
量のポリマーが表面に付着していき、それがいわば接着
層のように働き始める、などと推定している。この対策
として定期的に基板表面を洗浄する、例えば水で基板面
を拭くなどすれば剥離性は回復させることができるが、
工業的な連続製膜工程では極めてわずらわしい作業であ
り効率的ではない。本発明によれば、そのような作業を
することなく支持基板からの流延フィルムの剥離性を良
好に維持することができる。
り、工程の最後に基板から剥離される。その際に残留溶
媒量が多いとフイルムが柔らかいために変形が起き、ま
た残留溶媒が少ないと、本発明の溶液組成物からキャス
トした流延フィルムでも、支持基板との密着性が高くな
り剥離性が悪くなるため応力歪、剥離筋、剥離傷が生じ
る。従って残留溶媒量は重要な因子であり、好適には残
留溶媒量5〜25重量%、さらに好適には7〜20重量
%の範囲が選択される。金属基板を用いた溶液流延法で
は、一般に製膜開始当初は剥離性良好であるが、剥離を
繰り返すうちに次第に剥離性が低下していくことが多
い。この原因は定かではないが、次第に基板表面に表面
張力の高い金属原子が多く露出してくる、あるいは極微
量のポリマーが表面に付着していき、それがいわば接着
層のように働き始める、などと推定している。この対策
として定期的に基板表面を洗浄する、例えば水で基板面
を拭くなどすれば剥離性は回復させることができるが、
工業的な連続製膜工程では極めてわずらわしい作業であ
り効率的ではない。本発明によれば、そのような作業を
することなく支持基板からの流延フィルムの剥離性を良
好に維持することができる。
【0037】後乾燥工程においては、基板より剥離した
フイルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、
好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量
%以下にする必要がある。残留溶媒が多いと経時的に変
形が起こったり、後加工工程で熱が加わると寸法変化、
いわゆる熱収縮が起こるためである。一般に後乾燥工程
は、工業的にはピンテンター方式あるいはロール懸垂方
式等でフイルムを搬送しながら乾燥する方法が採られる
が、これらの方法では乾燥途中でフィルムに様々な力が
加わる。従って液晶表示装置用途等、光学的に高度な均
質性が求められるフィルムの製膜では乾燥温度はフィル
ムの変形が生じない範囲から選択することが望ましい。
一般には、用いる芳香族ポリエーテルスルホンのガラス
転移温度をTg(℃)とするとき、(Tg−120℃)
〜Tgの範囲、好ましくは(Tg−100℃)〜(Tg
−10℃)の範囲が選ばれる。Tgを超えるとフイルム
の熱変形が起こることがあり好ましくなく、(Tg−1
20℃)より低いと乾燥速度が著しく遅くなるために好
ましくない。熱変形は残留溶媒が少なくなるにつれて起
きにくくなる。従って、該範囲内で初期に低温で、その
後段階的ないしは連続的に昇温する方法をとることが好
ましい。この後乾燥工程においては前乾燥工程と同様に
送風してもよい。またフィルム搬送速度は特に限定はな
いが一般には、0.5〜15m/分、好ましくは1〜1
0m/分の範囲で行われる。
フイルムをさらに乾燥し、残留溶媒量を3重量%以下、
好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量
%以下にする必要がある。残留溶媒が多いと経時的に変
形が起こったり、後加工工程で熱が加わると寸法変化、
いわゆる熱収縮が起こるためである。一般に後乾燥工程
は、工業的にはピンテンター方式あるいはロール懸垂方
式等でフイルムを搬送しながら乾燥する方法が採られる
が、これらの方法では乾燥途中でフィルムに様々な力が
加わる。従って液晶表示装置用途等、光学的に高度な均
質性が求められるフィルムの製膜では乾燥温度はフィル
ムの変形が生じない範囲から選択することが望ましい。
一般には、用いる芳香族ポリエーテルスルホンのガラス
転移温度をTg(℃)とするとき、(Tg−120℃)
〜Tgの範囲、好ましくは(Tg−100℃)〜(Tg
−10℃)の範囲が選ばれる。Tgを超えるとフイルム
の熱変形が起こることがあり好ましくなく、(Tg−1
20℃)より低いと乾燥速度が著しく遅くなるために好
ましくない。熱変形は残留溶媒が少なくなるにつれて起
きにくくなる。従って、該範囲内で初期に低温で、その
後段階的ないしは連続的に昇温する方法をとることが好
ましい。この後乾燥工程においては前乾燥工程と同様に
送風してもよい。またフィルム搬送速度は特に限定はな
いが一般には、0.5〜15m/分、好ましくは1〜1
0m/分の範囲で行われる。
【0038】本発明において、上記芳香族ポリエーテル
スルホンフィルムを製造する際には、空気雰囲気中で行
ってもよいし、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲
気中で乾燥を実施してもよい。1,3−ジオキソラン等
の可燃性の溶媒を使用する場合は、蒸発により溶媒ガス
濃度が高いため、該溶媒の爆発限界を考慮した安全性の
面からこの不活性ガス雰囲気中での乾燥方法が好まし
い。この場合、溶媒のガス濃度は3vol%以上が望ま
しい。また不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は10vol
%以下が望ましい。
スルホンフィルムを製造する際には、空気雰囲気中で行
ってもよいし、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲
気中で乾燥を実施してもよい。1,3−ジオキソラン等
の可燃性の溶媒を使用する場合は、蒸発により溶媒ガス
濃度が高いため、該溶媒の爆発限界を考慮した安全性の
面からこの不活性ガス雰囲気中での乾燥方法が好まし
い。この場合、溶媒のガス濃度は3vol%以上が望ま
しい。また不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は10vol
%以下が望ましい。
【0039】本発明によって得られるフィルムの厚み
は、10〜300μm、好ましくは50〜200μmの
範囲である。特に液晶表示装置を構成するプラスチック
基板、位相差フィルム用原反フィルムには50〜200
μmの厚みが好んで用いられる。これより厚いと残留溶
媒を除去することが困難であり、これより薄いと厚み斑
を抑制することが困難である。
は、10〜300μm、好ましくは50〜200μmの
範囲である。特に液晶表示装置を構成するプラスチック
基板、位相差フィルム用原反フィルムには50〜200
μmの厚みが好んで用いられる。これより厚いと残留溶
媒を除去することが困難であり、これより薄いと厚み斑
を抑制することが困難である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、1,3−ジオキソラン
を主体とする溶媒を含む芳香族ポリエーテルスルホン溶
液組成物中に、水および/または低級脂肪族アルコール
を少量含有することにより、溶液流延法において支持基
板からの流延フィルムの剥離性を向上することができ
る。従って透明で平滑な芳香族ポリエーテルスルホンフ
ィルムを連続的に製造するのに非常に有利である。
を主体とする溶媒を含む芳香族ポリエーテルスルホン溶
液組成物中に、水および/または低級脂肪族アルコール
を少量含有することにより、溶液流延法において支持基
板からの流延フィルムの剥離性を向上することができ
る。従って透明で平滑な芳香族ポリエーテルスルホンフ
ィルムを連続的に製造するのに非常に有利である。
【0041】また、少量の水および/または上記アルコ
ールを含有することで、かかる溶液組成物中の不純物で
ある環状オリゴマーを短時間で析出させ、濾過により除
去できるために、長期保存できる安定性の高いドープを
得ることができる。
ールを含有することで、かかる溶液組成物中の不純物で
ある環状オリゴマーを短時間で析出させ、濾過により除
去できるために、長期保存できる安定性の高いドープを
得ることができる。
【0042】得られるフィルムは剥離傷、剥離筋などの
ない良好な表面性、位相差が小さく、位相差及び遅相軸
のバラツキの少ない光学等方性及び均質性を有してお
り、液晶表示等に用いられる光学用フィルム、特に位相
差フィルム、プラスチック基板等に有用である。
ない良好な表面性、位相差が小さく、位相差及び遅相軸
のバラツキの少ない光学等方性及び均質性を有してお
り、液晶表示等に用いられる光学用フィルム、特に位相
差フィルム、プラスチック基板等に有用である。
【0043】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述する。ただ
し本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例
で行った測定項目は以下の方法で測定した。
し本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例
で行った測定項目は以下の方法で測定した。
【0044】溶液粘度:東京計器(株)製B型粘度計B
H型を使用し、30℃で測定した。 ガラス転移温度:TAInstruments製 29
20型DSCを使用し、昇温速度は20℃/分で測定し
た。 フィルム膜厚:アンリツ(株)製触針式膜厚計を使用し
た。 光線透過率:島津製作所(株)製紫外可視分光器(UV
−240)を使用した。 ヘイズ値:日本電色工業(株)製自動デジタルヘイズメ
ータ−UDH−20Dを使用した。 位相差および遅相軸:自動複屈折計KOBURA−21
ADH(KSシステムズ(株)製)を使用した。 残留溶媒の定量:窒素雰囲気中で200℃で16時間加
熱し、その前後の重量測定により求めた。
H型を使用し、30℃で測定した。 ガラス転移温度:TAInstruments製 29
20型DSCを使用し、昇温速度は20℃/分で測定し
た。 フィルム膜厚:アンリツ(株)製触針式膜厚計を使用し
た。 光線透過率:島津製作所(株)製紫外可視分光器(UV
−240)を使用した。 ヘイズ値:日本電色工業(株)製自動デジタルヘイズメ
ータ−UDH−20Dを使用した。 位相差および遅相軸:自動複屈折計KOBURA−21
ADH(KSシステムズ(株)製)を使用した。 残留溶媒の定量:窒素雰囲気中で200℃で16時間加
熱し、その前後の重量測定により求めた。
【0045】[実施例1]水を2重量%含む1,3−ジ
オキソラン溶媒30重量部に対して、前記式(2)中の
Ar3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基であり、X
が2,2−プロピレン基である繰り返し単位から主とし
てなる芳香族ポリエーテルスルホン[ηsp/c=0.50
dL/g(0.5g/dLジオキソラン中、30℃)、
ガラス転移点=193℃]10重量部を50℃で撹拌し
ながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを得た。この
ドープの30℃における溶液粘度は3.5×103 cp
sであった。このドープを密閉容器中、50℃で一晩放
置すると環状オリゴマーAの析出によりドープが白濁し
た。この結晶を孔径5μmのフィルターを用いて濾別
後、ドープをドクターブレードを用いてフェロタイプ基
板上に流延した。この基板は新品のフェロタイプ板を十
分に洗浄、乾燥したものである。引き続き65℃で10
分、90℃で10分間加熱乾燥してからフィルムを基板
から剥離した。剥離性は極めてよく、フィルム表面に剥
離傷、剥離筋等は見られなかった。なおこの剥離時点で
のフィルム中の残留溶媒量は15.9%、膜厚は110
μmであった。同一基板を用いて同様の操作により製膜
を繰り返し、得られる各フィルムの表面に剥離傷、剥離
筋などが付くことなく剥離可能な回数を調べることで剥
離性を評価することにして、この場合引き続いて5回製
膜を繰り返したが、各フィルムの基板からの剥離性は変
化することなくいずれも良好であった。
オキソラン溶媒30重量部に対して、前記式(2)中の
Ar3 〜Ar6 がいずれもp−フェニレン基であり、X
が2,2−プロピレン基である繰り返し単位から主とし
てなる芳香族ポリエーテルスルホン[ηsp/c=0.50
dL/g(0.5g/dLジオキソラン中、30℃)、
ガラス転移点=193℃]10重量部を50℃で撹拌し
ながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを得た。この
ドープの30℃における溶液粘度は3.5×103 cp
sであった。このドープを密閉容器中、50℃で一晩放
置すると環状オリゴマーAの析出によりドープが白濁し
た。この結晶を孔径5μmのフィルターを用いて濾別
後、ドープをドクターブレードを用いてフェロタイプ基
板上に流延した。この基板は新品のフェロタイプ板を十
分に洗浄、乾燥したものである。引き続き65℃で10
分、90℃で10分間加熱乾燥してからフィルムを基板
から剥離した。剥離性は極めてよく、フィルム表面に剥
離傷、剥離筋等は見られなかった。なおこの剥離時点で
のフィルム中の残留溶媒量は15.9%、膜厚は110
μmであった。同一基板を用いて同様の操作により製膜
を繰り返し、得られる各フィルムの表面に剥離傷、剥離
筋などが付くことなく剥離可能な回数を調べることで剥
離性を評価することにして、この場合引き続いて5回製
膜を繰り返したが、各フィルムの基板からの剥離性は変
化することなくいずれも良好であった。
【0046】[実施例2]エタノールを3重量%含む
1,3−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1
で用いた芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50
℃で撹拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを
得た。このドープの30℃における溶液粘度は2.7×
103 cpsであった。実施例1と同様に濾過後製膜し
て剥離性を調べたが、6回製膜を繰り返していずれもフ
ィルムの剥離性は良好であった。
1,3−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1
で用いた芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50
℃で撹拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを
得た。このドープの30℃における溶液粘度は2.7×
103 cpsであった。実施例1と同様に濾過後製膜し
て剥離性を調べたが、6回製膜を繰り返していずれもフ
ィルムの剥離性は良好であった。
【0047】[実施例3]イソプロパノールを2重量%
含む1,3−ジオキソランとイソプロパノールの混合溶
媒30重量部に対して実施例1で用いた芳香族ポリエー
テルスルホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解し
て、透明で粘ちょうなドープを得た。このドープの30
℃における溶液粘度は3.0×103 cpsであった。
実施例1と同様に濾過後製膜して剥離性を調べたが、6
回製膜を繰り返していずれもフィルムの剥離性は良好で
あった。
含む1,3−ジオキソランとイソプロパノールの混合溶
媒30重量部に対して実施例1で用いた芳香族ポリエー
テルスルホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解し
て、透明で粘ちょうなドープを得た。このドープの30
℃における溶液粘度は3.0×103 cpsであった。
実施例1と同様に濾過後製膜して剥離性を調べたが、6
回製膜を繰り返していずれもフィルムの剥離性は良好で
あった。
【0048】[比較例1]1,3−ジオキソラン30重
量部に対して実施例1で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は3.2×103 cpsであった。実施例1
と同様に濾過後製膜してフィルムの剥離性を調べたとこ
ろ、2回目までは剥離性良好であったが、3回目からは
剥離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋が見
られた。
量部に対して実施例1で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は3.2×103 cpsであった。実施例1
と同様に濾過後製膜してフィルムの剥離性を調べたとこ
ろ、2回目までは剥離性良好であったが、3回目からは
剥離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋が見
られた。
【0049】[比較例2]水を0.5重量%含む1,3
−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1で用い
た芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50℃で撹
拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを得た。
このドープの30℃における溶液粘度は3.1×103
cpsであった。実施例1と同様に濾過後製膜して剥離
性を調べたところ、2回目までは剥離性良好であった
が、3回目からは剥離強度が高くなり、フィルム表面に
多数の剥離筋が見られた。
−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1で用い
た芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50℃で撹
拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドープを得た。
このドープの30℃における溶液粘度は3.1×103
cpsであった。実施例1と同様に濾過後製膜して剥離
性を調べたところ、2回目までは剥離性良好であった
が、3回目からは剥離強度が高くなり、フィルム表面に
多数の剥離筋が見られた。
【0050】[比較例3]エタノールを12重量%含む
1,3−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1
で用いた芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50
℃で撹拌しながら溶解させたが、溶解性が悪く白濁した
ドープしか得られなかった。
1,3−ジオキソラン溶媒30重量部に対して実施例1
で用いた芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を50
℃で撹拌しながら溶解させたが、溶解性が悪く白濁した
ドープしか得られなかった。
【0051】[実施例4]水を3重量%含む1,3−ジ
オキソラン溶媒25重量部に対して、前記式(1)中の
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である繰り返
し単位が24モル%、前記式(2)中のAr3 〜Ar6
がいずれもp−フェニレン基であり、Xが2,2−プロ
ピレン基である繰り返し単位が76モル%からなる芳香
族ポリエーテルスルホン[ηsp/c=0.42dL/g
(0.5g/dLジオキソラン中、30℃)、ガラス転
移点=196℃]10重量部を50℃で撹拌しながら溶
解して、透明で粘ちょうなドープを得た。このドープの
30℃における溶液粘度は3.4×103 cpsであっ
た。このドープを密閉容器中50℃で一晩放置すると環
状オリゴマーAの析出によりドープが白濁したが、実施
例1ほど析出物は多くなかった。結晶を孔径5μmのフ
ィルターを用いて濾別後、ドープをドクターブレードを
用いてフェロタイプ基板上に流延した。この基板は新品
のフェロタイプ板を十分に洗浄、乾燥したものである。
引き続き65℃で10分、90℃で10分間加熱乾燥し
てからフィルムを基板から剥離した。剥離性は極めてよ
く、フィルム表面に剥離傷、剥離筋等は見られなかっ
た。なおこの剥離時点でのフィルム中の残留溶媒量は1
5.5%、膜厚は108μmであった。同一基板を用い
て同様の操作を行い、フィルム製膜を5回繰り返した
が、フィルムの基板からの剥離性は変化することなくい
ずれも良好であった。
オキソラン溶媒25重量部に対して、前記式(1)中の
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である繰り返
し単位が24モル%、前記式(2)中のAr3 〜Ar6
がいずれもp−フェニレン基であり、Xが2,2−プロ
ピレン基である繰り返し単位が76モル%からなる芳香
族ポリエーテルスルホン[ηsp/c=0.42dL/g
(0.5g/dLジオキソラン中、30℃)、ガラス転
移点=196℃]10重量部を50℃で撹拌しながら溶
解して、透明で粘ちょうなドープを得た。このドープの
30℃における溶液粘度は3.4×103 cpsであっ
た。このドープを密閉容器中50℃で一晩放置すると環
状オリゴマーAの析出によりドープが白濁したが、実施
例1ほど析出物は多くなかった。結晶を孔径5μmのフ
ィルターを用いて濾別後、ドープをドクターブレードを
用いてフェロタイプ基板上に流延した。この基板は新品
のフェロタイプ板を十分に洗浄、乾燥したものである。
引き続き65℃で10分、90℃で10分間加熱乾燥し
てからフィルムを基板から剥離した。剥離性は極めてよ
く、フィルム表面に剥離傷、剥離筋等は見られなかっ
た。なおこの剥離時点でのフィルム中の残留溶媒量は1
5.5%、膜厚は108μmであった。同一基板を用い
て同様の操作を行い、フィルム製膜を5回繰り返した
が、フィルムの基板からの剥離性は変化することなくい
ずれも良好であった。
【0052】[比較例4]1,3−ジオキソラン25重
量部に対して実施例4で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は3.3×103 cpsであった。実施例4
と同様に濾過後製膜してフィルムの剥離性を調べたとこ
ろ2回目までは剥離性良好であったが、3回目からは剥
離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋が見ら
れた。
量部に対して実施例4で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は3.3×103 cpsであった。実施例4
と同様に濾過後製膜してフィルムの剥離性を調べたとこ
ろ2回目までは剥離性良好であったが、3回目からは剥
離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋が見ら
れた。
【0053】[実施例5]水を3重量%含む1,3−ジ
オキソラン溶媒23重量部に対して、前記式(1)中の
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である繰り返
し単位が78モル%、前記式(3)中のAr7 Ar8 お
よびAr9 が全てp−フェニレン基である繰り返し単位
が22モル%からなる芳香族ポリエーテルスルホン[η
sp/c=033dL/g(0.5g/dLジオキソラン
中、30℃)、ガラス転移点=223℃]10重量部を
50℃で撹拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドー
プを得た。このドープの30℃における溶液粘度は2.
9×103 cpsであった。このドープは室温下密閉状
態で1週間放置しても変化は見られなかった。孔径5μ
mのフィルターを用いて濾過した後、ドープをドクター
ブレードを用いてフェロタイプ基板上に流延した。この
基板は新品のフェロタイプ板を十分に洗浄、乾燥したも
のである。引き続き65℃で10分、90℃で10分間
加熱乾燥してからフィルムを基板から剥離した。剥離性
は極めてよく、フィルム表面に剥離傷、剥離筋等は見ら
れなかった。なおこの剥離時点でのフィルム中の残留溶
媒量は15.4%、膜厚は108μmであった。同一基
板を用いて同様の操作を行い製膜をさらに5回繰り返し
たが、剥離性は変化することなくいずれも良好であっ
た。
オキソラン溶媒23重量部に対して、前記式(1)中の
Ar1 、Ar2 がともにp−フェニレン基である繰り返
し単位が78モル%、前記式(3)中のAr7 Ar8 お
よびAr9 が全てp−フェニレン基である繰り返し単位
が22モル%からなる芳香族ポリエーテルスルホン[η
sp/c=033dL/g(0.5g/dLジオキソラン
中、30℃)、ガラス転移点=223℃]10重量部を
50℃で撹拌しながら溶解して、透明で粘ちょうなドー
プを得た。このドープの30℃における溶液粘度は2.
9×103 cpsであった。このドープは室温下密閉状
態で1週間放置しても変化は見られなかった。孔径5μ
mのフィルターを用いて濾過した後、ドープをドクター
ブレードを用いてフェロタイプ基板上に流延した。この
基板は新品のフェロタイプ板を十分に洗浄、乾燥したも
のである。引き続き65℃で10分、90℃で10分間
加熱乾燥してからフィルムを基板から剥離した。剥離性
は極めてよく、フィルム表面に剥離傷、剥離筋等は見ら
れなかった。なおこの剥離時点でのフィルム中の残留溶
媒量は15.4%、膜厚は108μmであった。同一基
板を用いて同様の操作を行い製膜をさらに5回繰り返し
たが、剥離性は変化することなくいずれも良好であっ
た。
【0054】[比較例5]1,3−ジオキソラン23重
量部に対して実施例5で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は2.8×103 cpsであった。
量部に対して実施例5で用いた芳香族ポリエーテルスル
ホン10重量部を50℃で撹拌しながら溶解して、透明
で粘ちょうなドープを得た。このドープの30℃におけ
る溶液粘度は2.8×103 cpsであった。
【0055】実施例5と同様に濾過後製膜して剥離性を
調べたところ1回目は剥離性良好であったが、2回目か
らは剥離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋
が見られた。
調べたところ1回目は剥離性良好であったが、2回目か
らは剥離強度が高くなり、フィルム表面に多数の剥離筋
が見られた。
【0056】以上の実施例1〜5及び比較例1〜5の結
果を表1にまとめた。ここで剥離回数とはフィルム表面
に剥離傷、剥離筋などが付くことなくスムーズに剥離で
きた回数の上限を示す。表1から明らかなように、適正
量の水、エタノールおよびイソプロパノールを添加する
と基板からの剥離性が著しく向上した。
果を表1にまとめた。ここで剥離回数とはフィルム表面
に剥離傷、剥離筋などが付くことなくスムーズに剥離で
きた回数の上限を示す。表1から明らかなように、適正
量の水、エタノールおよびイソプロパノールを添加する
と基板からの剥離性が著しく向上した。
【0057】
【表1】
【0058】A:実施例1で用いた芳香族ポリエーテル
スルホン(前記式(2)) B:実施例4で用いた芳香族ポリエーテルスルホン(前
記式(1)/(2)=24/76) C:実施例5で用いた芳香族ポリエーテルスルホン(前
記式(1)/(3)=78/22))
スルホン(前記式(2)) B:実施例4で用いた芳香族ポリエーテルスルホン(前
記式(1)/(2)=24/76) C:実施例5で用いた芳香族ポリエーテルスルホン(前
記式(1)/(3)=78/22))
【0059】[実施例6、比較例6]ポリマー、濃度が
同じである実施例1のドープ(2重量%の水を含む1,
3−ジオキソラン溶液、以下Dと略記)と比較例1のド
ープ(1,3−ジオキソラン溶液、以下Eと略記)につ
いて、結晶析出速度及び濾過後のドープ安定性を比較し
た。溶解直後の両者のドープを光路長1cmのセルに入
れて測定したヘイズ値は、0.5%(D)、0.3%
(E)であった。このドープを18時間、50℃で保存
したところどちらも白色沈澱が析出したが、外見から明
らかにDのほうが析出量が多かった。これらを孔径0.
5μmのフイルターを用いて濾過した結果、濾液のヘイ
ズ値はいずれも0.1%であった。しかしながら、さら
に濾液を2日間、室温に放置した結果、ドープ(E)か
ら出発した濾液のヘイズ値は34%であったのに対し
て、ドープ(D)から出発した濾液のヘイズ値は0.1
%であり変化が認められなかった。
同じである実施例1のドープ(2重量%の水を含む1,
3−ジオキソラン溶液、以下Dと略記)と比較例1のド
ープ(1,3−ジオキソラン溶液、以下Eと略記)につ
いて、結晶析出速度及び濾過後のドープ安定性を比較し
た。溶解直後の両者のドープを光路長1cmのセルに入
れて測定したヘイズ値は、0.5%(D)、0.3%
(E)であった。このドープを18時間、50℃で保存
したところどちらも白色沈澱が析出したが、外見から明
らかにDのほうが析出量が多かった。これらを孔径0.
5μmのフイルターを用いて濾過した結果、濾液のヘイ
ズ値はいずれも0.1%であった。しかしながら、さら
に濾液を2日間、室温に放置した結果、ドープ(E)か
ら出発した濾液のヘイズ値は34%であったのに対し
て、ドープ(D)から出発した濾液のヘイズ値は0.1
%であり変化が認められなかった。
【0060】[実施例7]実施例1で用いた芳香族ポリ
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜を行った。キャ
スティング装置は、ろ過工程を経てドープをダイからベ
ルトへ押し出し、ベルトが4段階に区分された前乾燥炉
に接続されている方式を採用した。ベルトは表面を鏡面
仕上げした金属基板からなり、その長さは18mであ
る。また、後乾燥炉は6室に区分されたロール懸垂方式
の炉を採用した。この長さは120mである。ベルトの
搬送速度を1m/分、流延フィルム幅を50cmに設定
した。この装置を用いて流延した後、前乾燥炉の温度を
段階的に、45℃(無風)、65℃(風速1m/秒)、
90℃(風速5m/秒)に昇温し、最後に40℃にして
冷却した。そして残留溶媒量が12重量%の自立性のあ
るフィルムにした。この段階でベルトからフィルムを剥
離して後乾燥炉に送った。このときの該ベルトからの流
延フィルム(残留溶媒量が12重量%の自立性のあるフ
ィルム)の剥離性は良好であった。
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜を行った。キャ
スティング装置は、ろ過工程を経てドープをダイからベ
ルトへ押し出し、ベルトが4段階に区分された前乾燥炉
に接続されている方式を採用した。ベルトは表面を鏡面
仕上げした金属基板からなり、その長さは18mであ
る。また、後乾燥炉は6室に区分されたロール懸垂方式
の炉を採用した。この長さは120mである。ベルトの
搬送速度を1m/分、流延フィルム幅を50cmに設定
した。この装置を用いて流延した後、前乾燥炉の温度を
段階的に、45℃(無風)、65℃(風速1m/秒)、
90℃(風速5m/秒)に昇温し、最後に40℃にして
冷却した。そして残留溶媒量が12重量%の自立性のあ
るフィルムにした。この段階でベルトからフィルムを剥
離して後乾燥炉に送った。このときの該ベルトからの流
延フィルム(残留溶媒量が12重量%の自立性のあるフ
ィルム)の剥離性は良好であった。
【0061】後乾燥炉では70℃、110℃、145
℃、165℃、175℃、183℃と段階的に昇温して
乾燥フィルムを得た。得られたフィルムは剥離傷、剥離
筋は認められず、表面性に優れたものであった。厚みは
100±1.1μmであり、極めて均質であった。フィ
ルム中の残留溶媒量は0.3重量%と極めて微量であ
り、添加した水もほとんど残っていなかった。このフィ
ルムのガラス転移点は185℃であった。また550n
mの波長における光線透過率は89.2%、ヘイズ値は
0.3%であり光学的に透明であった。波長590nm
における位相差は10nm以下であり、またフィルム内
でのバラツキも少なかった。また遅相軸(フィルム面内
で屈折率が最大となる方向)のバラツキも±10°以下
であり光学的にも均質なフィルムであった。この連続製
膜試験は16時間連続して行ったが、その間ベルトから
のフィルムの剥離性は良好なままであった。
℃、165℃、175℃、183℃と段階的に昇温して
乾燥フィルムを得た。得られたフィルムは剥離傷、剥離
筋は認められず、表面性に優れたものであった。厚みは
100±1.1μmであり、極めて均質であった。フィ
ルム中の残留溶媒量は0.3重量%と極めて微量であ
り、添加した水もほとんど残っていなかった。このフィ
ルムのガラス転移点は185℃であった。また550n
mの波長における光線透過率は89.2%、ヘイズ値は
0.3%であり光学的に透明であった。波長590nm
における位相差は10nm以下であり、またフィルム内
でのバラツキも少なかった。また遅相軸(フィルム面内
で屈折率が最大となる方向)のバラツキも±10°以下
であり光学的にも均質なフィルムであった。この連続製
膜試験は16時間連続して行ったが、その間ベルトから
のフィルムの剥離性は良好なままであった。
【0062】[比較例7]比較例1で用いた芳香族ポリ
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜試験を行った。
実施例7と同じ装置を使い同条件で製膜を行ったが、ド
ープの流延を開始して1時間経過した頃から流延フィル
ムのベルトからの剥離強度が高くなり剥離性が悪化して
いった。最終的に乾燥したフィルムにも次第に剥離傷、
剥離筋が顕著に現れるようになった。
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜試験を行った。
実施例7と同じ装置を使い同条件で製膜を行ったが、ド
ープの流延を開始して1時間経過した頃から流延フィル
ムのベルトからの剥離強度が高くなり剥離性が悪化して
いった。最終的に乾燥したフィルムにも次第に剥離傷、
剥離筋が顕著に現れるようになった。
【0063】[実施例8]実施例5で用いた芳香族ポリ
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜を行った。製膜
装置は実施例9と同じものを使用した。ベルトの搬送速
度を1m/分、流延フィルム幅を50cmに設定した。
この装置を用いて流延した後、前乾燥炉の温度を段階的
に、45℃(無風)、65℃(風速1m/秒)、90℃
(風速5m/秒)に昇温し、最後に40℃にして冷却し
た。そして残留溶媒量が13重量%の自立性のあるフィ
ルムにした。この段階でベルトからフィルムを剥離して
後乾燥炉に送った。このときの該ベルトからの流延フィ
ルム(自立性のある該フィルム)の剥離性は良好であり
の剥離性は良好であり後乾燥炉では75℃、110℃、
140℃、175℃、190℃、200℃と段階的に昇
温して乾燥フィルムを得た。得られたフィルムは剥離
傷、剥離筋は認められず、表面性に優れたものであっ
た。厚みは100±1.4μmであり、極めて均質であ
った。フィルム中の残留溶媒量は0.3重量%と極めて
微量であり、添加した水もほとんど残っていなかった。
このフィルムのガラス転移点は216℃であった。また
550nmの波長における光線透過率は88.2%、ヘ
イズ値は0.3%であり光学的に透明であった。波長5
90nmにおける位相差は10nm以下であり、またフ
ィルム内でのバラツキも少なかった。また遅相軸(フィ
ルム面内で屈折率が最大となる方向)のバラツキも±1
0°以下であり光学的にも均質なフィルムであった。こ
の連続製膜試験は16時間連続して行ったが、その間ベ
ルトからのフィルムの剥離性は良好なままであった。
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜を行った。製膜
装置は実施例9と同じものを使用した。ベルトの搬送速
度を1m/分、流延フィルム幅を50cmに設定した。
この装置を用いて流延した後、前乾燥炉の温度を段階的
に、45℃(無風)、65℃(風速1m/秒)、90℃
(風速5m/秒)に昇温し、最後に40℃にして冷却し
た。そして残留溶媒量が13重量%の自立性のあるフィ
ルムにした。この段階でベルトからフィルムを剥離して
後乾燥炉に送った。このときの該ベルトからの流延フィ
ルム(自立性のある該フィルム)の剥離性は良好であり
の剥離性は良好であり後乾燥炉では75℃、110℃、
140℃、175℃、190℃、200℃と段階的に昇
温して乾燥フィルムを得た。得られたフィルムは剥離
傷、剥離筋は認められず、表面性に優れたものであっ
た。厚みは100±1.4μmであり、極めて均質であ
った。フィルム中の残留溶媒量は0.3重量%と極めて
微量であり、添加した水もほとんど残っていなかった。
このフィルムのガラス転移点は216℃であった。また
550nmの波長における光線透過率は88.2%、ヘ
イズ値は0.3%であり光学的に透明であった。波長5
90nmにおける位相差は10nm以下であり、またフ
ィルム内でのバラツキも少なかった。また遅相軸(フィ
ルム面内で屈折率が最大となる方向)のバラツキも±1
0°以下であり光学的にも均質なフィルムであった。こ
の連続製膜試験は16時間連続して行ったが、その間ベ
ルトからのフィルムの剥離性は良好なままであった。
【0064】[比較例8]比較例5で用いた芳香族ポリ
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜試験を行った。
実施例8と同じ装置を使い同条件で製膜を行ったが、ド
ープの流延を開始して40分経過した頃から流延フィル
ムのベルトからの剥離強度が高くなり剥離性が悪化して
いった。最終的に乾燥したフィルムにも次第に剥離傷、
剥離筋が顕著に現れるようになった。
エーテルスルホン溶液を用いて連続製膜試験を行った。
実施例8と同じ装置を使い同条件で製膜を行ったが、ド
ープの流延を開始して40分経過した頃から流延フィル
ムのベルトからの剥離強度が高くなり剥離性が悪化して
いった。最終的に乾燥したフィルムにも次第に剥離傷、
剥離筋が顕著に現れるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/06 C08K 5/06 C08L 71/10 LQH C08L 71/10 LQH // B29K 81:00
Claims (2)
- 【請求項1】 水および炭素数1〜6の直鎖状または分
岐鎖状の脂肪族アルコールの少なくとも1種を1〜10
重量%と、1,3−ジオキソランを主体とする溶媒99
〜90重量%とからなる溶媒系15〜90重量部、及び
芳香族ポリエーテルスルホン10重量部を含有してなる
芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の溶液組成物を支持基板
上に流延し、溶媒を含む流延フィルムを加熱して溶媒を
蒸発させることを特徴とする芳香族ポリエーテルスルホ
ンフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5701595A JPH08253680A (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5701595A JPH08253680A (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08253680A true JPH08253680A (ja) | 1996-10-01 |
Family
ID=13043620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5701595A Pending JPH08253680A (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 芳香族ポリエーテルスルホン溶液組成物およびフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08253680A (ja) |
-
1995
- 1995-03-16 JP JP5701595A patent/JPH08253680A/ja active Pending
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