JPH08189480A - スクロール型圧縮機の摺動部材及び摺動部の成形方法 - Google Patents
スクロール型圧縮機の摺動部材及び摺動部の成形方法Info
- Publication number
- JPH08189480A JPH08189480A JP104295A JP104295A JPH08189480A JP H08189480 A JPH08189480 A JP H08189480A JP 104295 A JP104295 A JP 104295A JP 104295 A JP104295 A JP 104295A JP H08189480 A JPH08189480 A JP H08189480A
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- Japan
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- block
- scroll
- key groove
- sliding portion
- oldham ring
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01C—ROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
- F01C17/00—Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
- F01C17/06—Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
- F01C17/066—Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】スクロール型圧縮機は、オルダムリング5と摺
動する鋳鉄製ブロック9を有する。ブロック9のキー溝
摺動部分9′をあらかじめ炭素合金鋼で成形加工し硬質
の表面処理、例えば、窒化処理を施しておき、ブロック
9の他の部分を鋳造する時に一体に成形する方法により
作られる。 【効果】オルダムリングの不連続な振動とすべり運動の
混在した往復運動による激しい摩耗を防止することがで
き、部分的な材料変更のみですみ、ブロックキー部材に
のみ表面処理を施すことができ、製作コストの上昇を最
小限にする。
動する鋳鉄製ブロック9を有する。ブロック9のキー溝
摺動部分9′をあらかじめ炭素合金鋼で成形加工し硬質
の表面処理、例えば、窒化処理を施しておき、ブロック
9の他の部分を鋳造する時に一体に成形する方法により
作られる。 【効果】オルダムリングの不連続な振動とすべり運動の
混在した往復運動による激しい摩耗を防止することがで
き、部分的な材料変更のみですみ、ブロックキー部材に
のみ表面処理を施すことができ、製作コストの上昇を最
小限にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調機や冷凍機等の冷
媒圧縮機に適用されるスクロール型圧縮機に関する。
媒圧縮機に適用されるスクロール型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール型圧縮機の断面を図4
に示す。密閉ケーシング1内には、冷媒混合油2が充填
されており、電動機部10と機械部本体が組立てられて
いる。機械部は、固定スクロール3,旋回スクロール
4,オルダムリング5,クランク軸6,ブロック9から
構成されており、クランク軸6と旋回スクロール4間及
びクランク軸6とブロック9間には各々軸受7,8が設
けられている。固定スクロール3は、鏡板、及び、鏡板
に直立するインボリュート又はインボリュートに類似し
た曲線によりラップが形成されている。また、旋回スク
ロール4は鏡板及び鏡板に直立し、固定スクロール3と
同じ曲線をもつラップが形成されている。また、オルダ
ムリング5には、旋回スクロール4のキー溝とブロック
9のキー溝に係合されるキー部が形成されており、この
両者の間にオルダムリング5を挿入し、旋回スクロール
4の動きを拘束している。固定スクロール3には、吸入
口と連続する吸入孔がインボリュート状のラップ外縁部
に、吐出孔がインボリュート状の中心部に設けられてい
る。
に示す。密閉ケーシング1内には、冷媒混合油2が充填
されており、電動機部10と機械部本体が組立てられて
いる。機械部は、固定スクロール3,旋回スクロール
4,オルダムリング5,クランク軸6,ブロック9から
構成されており、クランク軸6と旋回スクロール4間及
びクランク軸6とブロック9間には各々軸受7,8が設
けられている。固定スクロール3は、鏡板、及び、鏡板
に直立するインボリュート又はインボリュートに類似し
た曲線によりラップが形成されている。また、旋回スク
ロール4は鏡板及び鏡板に直立し、固定スクロール3と
同じ曲線をもつラップが形成されている。また、オルダ
ムリング5には、旋回スクロール4のキー溝とブロック
9のキー溝に係合されるキー部が形成されており、この
両者の間にオルダムリング5を挿入し、旋回スクロール
4の動きを拘束している。固定スクロール3には、吸入
口と連続する吸入孔がインボリュート状のラップ外縁部
に、吐出孔がインボリュート状の中心部に設けられてい
る。
【0003】以上のように構成されたスクロール型圧縮
機について、以下その動作について説明する。電動機部
10の回転に伴うクランク軸6の回転運動は、軸受7に
より旋回スクロール4に伝達されるが、旋回スクロール
4とブロック9間に挿入したオルダムリング5の作用に
より旋回スクロール4は自転することなく固定スクロー
ル3のインボリュート状の中心のまわりに旋回運動す
る。このとき、旋回スクロール4の旋回運動に伴い固定
スクロール3のラップと旋回スクロール4のラップ同士
の二つの接触点がインボリュート状の中心に近づくにつ
れ空間の容積が減少し圧力が上昇する。この圧縮機構に
より、吸入孔から吸入された冷媒は圧縮され、吐出孔を
介して、一旦、密閉ケーシング1内に吐出された後、吐
出口より冷却システム(図示せず)に吐出される。
機について、以下その動作について説明する。電動機部
10の回転に伴うクランク軸6の回転運動は、軸受7に
より旋回スクロール4に伝達されるが、旋回スクロール
4とブロック9間に挿入したオルダムリング5の作用に
より旋回スクロール4は自転することなく固定スクロー
ル3のインボリュート状の中心のまわりに旋回運動す
る。このとき、旋回スクロール4の旋回運動に伴い固定
スクロール3のラップと旋回スクロール4のラップ同士
の二つの接触点がインボリュート状の中心に近づくにつ
れ空間の容積が減少し圧力が上昇する。この圧縮機構に
より、吸入孔から吸入された冷媒は圧縮され、吐出孔を
介して、一旦、密閉ケーシング1内に吐出された後、吐
出口より冷却システム(図示せず)に吐出される。
【0004】このようなスクロール型圧縮機の旋回スク
ロール4,オルダムリング5,ブロック9の各々の摺動
部は、耐摩耗性や低摩擦化を図るため、従来は、特開昭
63−201383号及び特開昭62−298680号公報などに公示さ
れているようにオルダムリング5に各種の表面処理を施
して耐摩耗性や低摩擦化を図っていた。
ロール4,オルダムリング5,ブロック9の各々の摺動
部は、耐摩耗性や低摩擦化を図るため、従来は、特開昭
63−201383号及び特開昭62−298680号公報などに公示さ
れているようにオルダムリング5に各種の表面処理を施
して耐摩耗性や低摩擦化を図っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】旋回スクロールのキー
溝とオルダムリングキーとの摺動,ブロックのキー溝と
オルダムリングキーとの摺動は、主軸の回転運動を旋回
スクロールの旋回運動に変換するため、各々の摺動部分
では相対的に往復すべり運動となっている。しかし、オ
ルダムリングがそれぞれの摺動部分と往復すべり運動し
ている時、スクロール型圧縮機の運転条件によってオル
ダムリングが振動を伴って相手(旋回スクロールのキー
溝,ブロックのキー溝)摺動面をすべりとたたきが混在
して往復運動することがある。この様な運動状態でスク
ロール型圧縮機を運転すると、ブロックのキー溝の摺動
面に激しい摩耗が発生し、スクロール型圧縮機の能力低
下や異常な運転音が発生することがある。ブロックのキ
ー溝摺動面の摩耗はオルダムリングキーの硬さがブロッ
クキー溝の硬さよりも2倍程度高いためブロックキー溝
摺動部側がすべりとたたきの混在した往復摺動により著
しく進行したものである。更に運転を続けると摺動面の
摩耗が更に進行するとともに、発生した摩耗粉が電動機
部に侵入しモータトリップを引き起こし運転を停止させ
ることがある。
溝とオルダムリングキーとの摺動,ブロックのキー溝と
オルダムリングキーとの摺動は、主軸の回転運動を旋回
スクロールの旋回運動に変換するため、各々の摺動部分
では相対的に往復すべり運動となっている。しかし、オ
ルダムリングがそれぞれの摺動部分と往復すべり運動し
ている時、スクロール型圧縮機の運転条件によってオル
ダムリングが振動を伴って相手(旋回スクロールのキー
溝,ブロックのキー溝)摺動面をすべりとたたきが混在
して往復運動することがある。この様な運動状態でスク
ロール型圧縮機を運転すると、ブロックのキー溝の摺動
面に激しい摩耗が発生し、スクロール型圧縮機の能力低
下や異常な運転音が発生することがある。ブロックのキ
ー溝摺動面の摩耗はオルダムリングキーの硬さがブロッ
クキー溝の硬さよりも2倍程度高いためブロックキー溝
摺動部側がすべりとたたきの混在した往復摺動により著
しく進行したものである。更に運転を続けると摺動面の
摩耗が更に進行するとともに、発生した摩耗粉が電動機
部に侵入しモータトリップを引き起こし運転を停止させ
ることがある。
【0006】一方、特定フロンは、地球温暖化やオゾン
層の破壊が問題になっており、空調機や冷凍機に用いら
れているHCFC系冷媒から他の非塩素系冷媒(例えば
HFC134a,HFC32/134a/125の混
合,HFC32/125の混合など)への変更が行われ
ている。冷媒の変更に伴い冷媒特性の相違による運転条
件の変更や冷凍機油の変更を実施しなければならず、更
には冷媒の潤滑特性の低下により旋回スクロール,オル
ダムリング,ブロックの各摺動部の摺動条件や使用環境
が従来以上に過酷になってしまう。そのため従来技術で
は、旋回スクロール,オルダムリング,ブロックの各摺
動部の耐摩耗性や低摩擦を維持することが難しい。特
に、オルダムリングが振動を伴って摺動する場合にはH
CFC系冷媒よりも摩耗の増加や摩擦抵抗の増加となり
スクロール型圧縮機の性能や信頼性に問題が生じること
がある。
層の破壊が問題になっており、空調機や冷凍機に用いら
れているHCFC系冷媒から他の非塩素系冷媒(例えば
HFC134a,HFC32/134a/125の混
合,HFC32/125の混合など)への変更が行われ
ている。冷媒の変更に伴い冷媒特性の相違による運転条
件の変更や冷凍機油の変更を実施しなければならず、更
には冷媒の潤滑特性の低下により旋回スクロール,オル
ダムリング,ブロックの各摺動部の摺動条件や使用環境
が従来以上に過酷になってしまう。そのため従来技術で
は、旋回スクロール,オルダムリング,ブロックの各摺
動部の耐摩耗性や低摩擦を維持することが難しい。特
に、オルダムリングが振動を伴って摺動する場合にはH
CFC系冷媒よりも摩耗の増加や摩擦抵抗の増加となり
スクロール型圧縮機の性能や信頼性に問題が生じること
がある。
【0007】本発明の目的は、オルダムリング,ブロッ
ク間の摺動部におけるすべりとたたきが混在して運動す
る場合の摺動部の耐摩耗性向上を図るブロックキー溝部
の摺動部材及びその摺動部の成形方法を提供することに
あり、更に、表面処理を施す部分を最小限にすることに
より製作コストを安価に押さえるとともに機械加工精度
の良いブロック部を提供することにある。
ク間の摺動部におけるすべりとたたきが混在して運動す
る場合の摺動部の耐摩耗性向上を図るブロックキー溝部
の摺動部材及びその摺動部の成形方法を提供することに
あり、更に、表面処理を施す部分を最小限にすることに
より製作コストを安価に押さえるとともに機械加工精度
の良いブロック部を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はブロックのキー溝摺動部分を耐摩耗性に優
れた部材であらかじめ機械加工により成形しブロックの
他の部分を鋳造により成形すると同時に一体成形する。
即ち、炭素工具鋼あるいは合金工具鋼あるいは球状黒鉛
鋳鉄の一種類の材料でキー溝摺動部分を機械加工により
あらかじめ成形しておき、ブロックの他の部分を鋳物に
より成形する際、砂型などの型内のキー溝摺動部分に位
置する箇所に前述の成形部材を埋設し鋳造することによ
り鋳ぐるんで一体に成形する。また、摺動条件が最も過
酷な場合耐摩耗性を更に向上させるためあらかじめキー
溝摺動部材に表面処理を施しておくか、あるいはキー溝
摺動部分とブロックを一体成形した後キー溝を機械加工
し、その後摺動部を高周波焼入れし硬くする。
め、本発明はブロックのキー溝摺動部分を耐摩耗性に優
れた部材であらかじめ機械加工により成形しブロックの
他の部分を鋳造により成形すると同時に一体成形する。
即ち、炭素工具鋼あるいは合金工具鋼あるいは球状黒鉛
鋳鉄の一種類の材料でキー溝摺動部分を機械加工により
あらかじめ成形しておき、ブロックの他の部分を鋳物に
より成形する際、砂型などの型内のキー溝摺動部分に位
置する箇所に前述の成形部材を埋設し鋳造することによ
り鋳ぐるんで一体に成形する。また、摺動条件が最も過
酷な場合耐摩耗性を更に向上させるためあらかじめキー
溝摺動部材に表面処理を施しておくか、あるいはキー溝
摺動部分とブロックを一体成形した後キー溝を機械加工
し、その後摺動部を高周波焼入れし硬くする。
【0009】あるいは、ブロックとキー溝摺動部を一体
に成形する方法として、ブロックのキー溝摺動部分を炭
素工具鋼あるいは合金工具鋼あるいは球状黒鉛鋳鉄の一
種類の材料で機械加工によりあらかじめ成形し、窒化処
理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒化処理あるいは浸硫
窒化処理あるいは高周波焼入れで摺動部表面を処理して
おき、ブロックの他の部分を鋳物により成形後ボルトで
締結し一体とする。
に成形する方法として、ブロックのキー溝摺動部分を炭
素工具鋼あるいは合金工具鋼あるいは球状黒鉛鋳鉄の一
種類の材料で機械加工によりあらかじめ成形し、窒化処
理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒化処理あるいは浸硫
窒化処理あるいは高周波焼入れで摺動部表面を処理して
おき、ブロックの他の部分を鋳物により成形後ボルトで
締結し一体とする。
【0010】
【作用】本発明の摺動部によれば、オルダムリングキー
とブロックキー溝部ですべりとたたきの混在した往復運
動が発生しても表面処理によるキー溝摺動部の硬さの上
昇と保油性の向上及び表面のなじみ層により摩耗を防止
することができ、耐摩耗性及び信頼性の向上が図れスク
ロール型圧縮機の長寿命化が可能である。また、本発明
の表面処理は被処理部材を高温に加熱する工程があるた
め、あらかじめ必要な部分のみに行うことができるの
で、加熱による変形や残留応力の発生は極めて小さく押
さえることができ、寸法精度の高いブロックを成形する
ことが可能となる。
とブロックキー溝部ですべりとたたきの混在した往復運
動が発生しても表面処理によるキー溝摺動部の硬さの上
昇と保油性の向上及び表面のなじみ層により摩耗を防止
することができ、耐摩耗性及び信頼性の向上が図れスク
ロール型圧縮機の長寿命化が可能である。また、本発明
の表面処理は被処理部材を高温に加熱する工程があるた
め、あらかじめ必要な部分のみに行うことができるの
で、加熱による変形や残留応力の発生は極めて小さく押
さえることができ、寸法精度の高いブロックを成形する
ことが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図3により
説明する。図1にはブロック9の最終加工後の正面図及
びA−A′断面図を示す。ブロック9の外周部には固定
スクロールを固定するためのねじ孔が開けられており、
中心部には電動機と連結されるクランク軸を支持する軸
受が配置されるようにしてあり、外周部と中心部の間に
はオルダムリングキーと係合するキー溝が中心軸に相対
した位置に配置されている。このキー溝部分にあらかじ
めオルダムリングキーと摺動する部分9′を合金工具鋼
を用いて機械加工により製作しておき、更に浸硫窒化処
理を施しておく。次に、ブロック9の他の部分は片状黒
鉛鋳鉄の鋳物で成形する(図示せず)が、この時鋳型の
中に摺動する部分9′の部材を所定の位置に埋設し鋳造
することによりキー溝摺動部分9′を鋳ぐるんで一体に
成形する。この時、キー溝摺動部分9′は合金工具鋼ば
かりではなく炭素工具鋼あるいは球状黒鉛鋳鉄のどの材
料を用いても良く、表面処理についても窒化処理あるい
は浸硫窒化処理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒化処理
あるいは高周波焼入れ処理から選択しても良い。材料は
表面処理により硬度がHv400以上が得られること及
び表面処理により母材の強度低下を招かないものを選択
する。また、表面処理の選択は、スクロール型圧縮機が
運転される摺動条件の過酷さの程度により硬さを必要と
する場合には窒化処理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒
化処理あるいは高周波焼入れ処理から選択し、硬さと表
面の軟質層を必要とする場合には浸硫窒化処理など表面
に軟質な化合物を生成する処理を施すことが望ましい。
また、材料や表面処理の選択,加工及び取付けの容易さ
などやコストの許容できる範囲によって組合せ及び成形
方法を選択しても良い。すなわち、図2及び図3にブロ
ック9′の形状の例を示している。図2は鋳造するとき
に鋳ぐるんで成形する場合のキー溝摺動部の断面斜視図
である。(a)は往復運動するキー溝側面部に配置する
例を示す。この場合、ブロック9′は小型で簡便に製作
することができ、表面処理も一度に多量の部材を処理す
ることが可能でありコストの増加を最小限に押さえられ
る。また、(b)はキー溝側面部及び底面を一体とした
形状の例を示す。この場合、摺動する両面を一体にして
いることから、剛性が高くかつ寸法精度の高い一体成形
が可能となり成形後の機械加工が短時間となる。更に、
(c)はオルダムリング5と係合する部分全体をブロッ
ク部材と一体にする形状の例を示す。この場合、剛性が
最も高くキー溝摺動部の薄肉化が図れ、機械加工精度の
高いキー溝摺動部が得られる。
説明する。図1にはブロック9の最終加工後の正面図及
びA−A′断面図を示す。ブロック9の外周部には固定
スクロールを固定するためのねじ孔が開けられており、
中心部には電動機と連結されるクランク軸を支持する軸
受が配置されるようにしてあり、外周部と中心部の間に
はオルダムリングキーと係合するキー溝が中心軸に相対
した位置に配置されている。このキー溝部分にあらかじ
めオルダムリングキーと摺動する部分9′を合金工具鋼
を用いて機械加工により製作しておき、更に浸硫窒化処
理を施しておく。次に、ブロック9の他の部分は片状黒
鉛鋳鉄の鋳物で成形する(図示せず)が、この時鋳型の
中に摺動する部分9′の部材を所定の位置に埋設し鋳造
することによりキー溝摺動部分9′を鋳ぐるんで一体に
成形する。この時、キー溝摺動部分9′は合金工具鋼ば
かりではなく炭素工具鋼あるいは球状黒鉛鋳鉄のどの材
料を用いても良く、表面処理についても窒化処理あるい
は浸硫窒化処理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒化処理
あるいは高周波焼入れ処理から選択しても良い。材料は
表面処理により硬度がHv400以上が得られること及
び表面処理により母材の強度低下を招かないものを選択
する。また、表面処理の選択は、スクロール型圧縮機が
運転される摺動条件の過酷さの程度により硬さを必要と
する場合には窒化処理あるいは浸炭処理あるいは浸炭窒
化処理あるいは高周波焼入れ処理から選択し、硬さと表
面の軟質層を必要とする場合には浸硫窒化処理など表面
に軟質な化合物を生成する処理を施すことが望ましい。
また、材料や表面処理の選択,加工及び取付けの容易さ
などやコストの許容できる範囲によって組合せ及び成形
方法を選択しても良い。すなわち、図2及び図3にブロ
ック9′の形状の例を示している。図2は鋳造するとき
に鋳ぐるんで成形する場合のキー溝摺動部の断面斜視図
である。(a)は往復運動するキー溝側面部に配置する
例を示す。この場合、ブロック9′は小型で簡便に製作
することができ、表面処理も一度に多量の部材を処理す
ることが可能でありコストの増加を最小限に押さえられ
る。また、(b)はキー溝側面部及び底面を一体とした
形状の例を示す。この場合、摺動する両面を一体にして
いることから、剛性が高くかつ寸法精度の高い一体成形
が可能となり成形後の機械加工が短時間となる。更に、
(c)はオルダムリング5と係合する部分全体をブロッ
ク部材と一体にする形状の例を示す。この場合、剛性が
最も高くキー溝摺動部の薄肉化が図れ、機械加工精度の
高いキー溝摺動部が得られる。
【0012】図3はブロック部を成形した後ボルトによ
り締結する構造例を示しており、図2との相違点はボル
ト締結としたことであり、締結するための機械加工の工
数が増えるが、鋳ぐるむ際の熱影響を受けることがない
ので、硬度低下のない高精度のブロックキー溝摺動部を
提供できるとともに、摺動部のメンテナンスが容易にな
る。
り締結する構造例を示しており、図2との相違点はボル
ト締結としたことであり、締結するための機械加工の工
数が増えるが、鋳ぐるむ際の熱影響を受けることがない
ので、硬度低下のない高精度のブロックキー溝摺動部を
提供できるとともに、摺動部のメンテナンスが容易にな
る。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、ブロックのキー溝摺動
部分に硬質な部材あるいは硬質でなじみ層を持つ部材を
ブロックと一体に成形することにより、オルダムリング
の不連続な振動とすべり運動の混在した往復運動による
激しい摩耗を防止することができ、本成形方法によれば
部分的な材料変更のみですみ、更にブロックキー部材に
のみ表面処理を施すことができるので製作コストの上昇
を最小限にすることができる。
部分に硬質な部材あるいは硬質でなじみ層を持つ部材を
ブロックと一体に成形することにより、オルダムリング
の不連続な振動とすべり運動の混在した往復運動による
激しい摩耗を防止することができ、本成形方法によれば
部分的な材料変更のみですみ、更にブロックキー部材に
のみ表面処理を施すことができるので製作コストの上昇
を最小限にすることができる。
【図1】本発明の一実施例のブロックキー溝部の説明
図。
図。
【図2】ブロックキー部の鋳ぐるむ際の成形形状を示す
斜視図。
斜視図。
【図3】ブロックキー部のボルト締結の成形形状を示す
斜視図。
斜視図。
【図4】スクロール型圧縮機の断面図。
1…密閉ケーシング、2…冷媒混合油、3…固定スクロ
ール、4…旋回スクロール、5…オルダムリング、6…
クランク軸、7…軸受、8…スラスト軸受、9…ブロッ
ク、9′…ブロックのキー溝摺動部、10…電動機。
ール、4…旋回スクロール、5…オルダムリング、6…
クランク軸、7…軸受、8…スラスト軸受、9…ブロッ
ク、9′…ブロックのキー溝摺動部、10…電動機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野沢 重和 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 小山 昌喜 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】渦巻曲線からなるラップを鏡板に形成した
固定スクロール及び旋回スクロールを互いにかみ合わ
せ、前記固定スクロールを固定するブロックと前記旋回
スクロールを前記固定スクロールに対し自転させずに旋
回運動させるオルダムリングを前記旋回スクロールと前
記ブロック間に備えたスクロール型圧縮機において、前
記オルダムリングのキーと係合する前記ブロックのキー
溝摺動部分に前記ブロックと異なる材料を配置すること
を特徴とするスクロール型圧縮機の摺動部材。 - 【請求項2】渦巻曲線からなるラップを鏡板に形成した
固定スクロール及び旋回スクロールを互いにかみ合わ
せ、前記固定スクロールを固定するブロックと前記旋回
スクロールを前記固定スクロールに対し自転させずに旋
回運動させるオルダムリングとを備えてなるスクロール
型圧縮機の前記オルダムリングと前記ブロックとの摺動
部において、前記ブロックを鋳物により成形する際、あ
らかじめ鋳型の中のブロックキー溝摺動部分に相当する
位置に炭素工具鋼あるいは合金工具鋼あるいは球状黒鉛
鋳鉄の中から一種類の材料で加工成形した部材を埋設し
前記ブロック部を鋳造することにより一体成形すること
を特徴とするスクロール型圧縮機の摺動部の成形方法。 - 【請求項3】渦巻曲線からなるラップを鏡板に形成した
固定スクロール及び旋回スクロールを互いにかみ合わ
せ、前記固定スクロールを固定するブロックと前記旋回
スクロールを前記固定スクロールに対し自転させずに旋
回運動させるオルダムリングとを備えてなるスクロール
型圧縮機の前記オルダムリングと前記ブロックとの摺動
部において、前記ブロックのキー溝摺動部分を前記ブロ
ック部材と異なる部材であらかじめ成形しておき前記ブ
ロック部材の他の部分を成形した後、締結し一体とする
ことを特徴とするスクロール型圧縮機の摺動部の成形方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP104295A JPH08189480A (ja) | 1995-01-09 | 1995-01-09 | スクロール型圧縮機の摺動部材及び摺動部の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP104295A JPH08189480A (ja) | 1995-01-09 | 1995-01-09 | スクロール型圧縮機の摺動部材及び摺動部の成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08189480A true JPH08189480A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11490514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP104295A Pending JPH08189480A (ja) | 1995-01-09 | 1995-01-09 | スクロール型圧縮機の摺動部材及び摺動部の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08189480A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0855509A1 (en) * | 1997-01-24 | 1998-07-29 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Scroll hydraulic machine |
EP3199753A1 (en) | 2016-01-29 | 2017-08-02 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Scroll compressor |
-
1995
- 1995-01-09 JP JP104295A patent/JPH08189480A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0855509A1 (en) * | 1997-01-24 | 1998-07-29 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Scroll hydraulic machine |
EP3199753A1 (en) | 2016-01-29 | 2017-08-02 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Scroll compressor |
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