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JPH08176062A - 反応ガス混合物から(メタ)アクリル酸を分離する方法 - Google Patents

反応ガス混合物から(メタ)アクリル酸を分離する方法

Info

Publication number
JPH08176062A
JPH08176062A JP7263073A JP26307395A JPH08176062A JP H08176062 A JPH08176062 A JP H08176062A JP 7263073 A JP7263073 A JP 7263073A JP 26307395 A JP26307395 A JP 26307395A JP H08176062 A JPH08176062 A JP H08176062A
Authority
JP
Japan
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acrylic acid
column
absorption
meth
liquid
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7263073A
Other languages
English (en)
Inventor
Horst Egly
エグリィ ホルスト
Volker Diehl
ディール フォルカー
Klaus Joerg
イエルク クラウス
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BASF SE
Original Assignee
BASF SE
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Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JPH08176062A publication Critical patent/JPH08176062A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by liquid-liquid treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高沸点の不活性疎水性有機液体を使用した向
流吸収によりプロピレン及び/又はアクロレインの接触
気相酸化で形成された反応ガス混合物から(メタ)アク
リル酸を分離する新規の方法を提供する。 【解決手段】 該方法は、前記反応混合物を、降下する
高沸点の不活性疎水性有機液体に対して向流で吸収塔を
通過させ、かつ引き続き(メタ)アクリル酸を吸収塔を
出たかつ(メタ)アクリル酸を含有する液体流出物から
分留により分離し、精留工程を、周囲雰囲気との接触に
より生じる自然のエネルギー損失を越える吸収塔からの
エネルギー量を除去することにより吸収塔内で自然に発
生する吸収工程に重ね合わせることよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、高沸点の不
活性疎水性有機液体を使用した向流吸収によりプロピレ
ン及び/又はアクロレインの接触気相酸化で形成された
反応ガス混合物からアクリル酸を分離する新規の方法に
関し、該方法は、反応ガス混合物を、降下する高沸点の
不活性疎水性有機液体に対して向流で吸収塔を通過さ
せ、かつ引き続き吸収カラムを出たかつ(メタ)アクリ
ル酸を含有する液体流出物からアクリル酸を分留により
分離することよりなる。
【0002】
【従来の技術】著しく高い反応性のモノエチレン系不飽
和結合及び酸官能性に基づき、アクリル酸は、ポリマ
ー、例えば接着剤として使用するために好適な水性ポリ
マー分散液を製造するための貴重なモノマーである。
【0003】アクリル酸は、特に、触媒(例えば元素モ
リブデン及びバナジウムを酸化物の形で含有する複合金
属酸化物)の存在下に高めた温度でかつまた反応の高い
熱に基づき有利にはN2,CO2及び/又は炭化水素のよ
うな不活性ガス及び/又は蒸気で反応体を希釈しなが
ら、プロピレン及び/又はアクロレインを酸素又は酸素
含有ガスで気相酸化することにより得られる。しかしな
がら、この方法では、純粋なアクリル酸は得られず、ア
クリル酸とは異なる二次成分として、実質的に未転化の
アクロレイン及び/又はプロピレン、蒸気(反応生成物
としても形成される)、酸化炭素、不活性希釈剤(窒
素)、低級アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、無水
マレイン酸、及び特に酢酸を含有する反応ガス混合物が
得られる(例えば欧州特許公開第253,409号明細
書及びドイツ国特許出願公開第1965431号明細書
参照)、該混合物から引き続きアクリル酸は分離されね
ばならない。メタクリル酸の単離は、同様にC4化合物
から出発して可能でありかつ同様な問題点を有する。
【0004】ドイツ国特許第2136396号明細書及
びドイツ国特許出願公開第4308087号明細書に
は、高沸点の不活性疎水性有機液体を使用した向流吸収
によりプロピレン及び/又はアクロレインの接触気相酸
化で形成された反応ガス混合物からアクリル酸を分離す
ることが可能であることを開示した。
【0005】この方法は、大体において、反応混合物を
降下する液体吸収剤に対して向流で通常の吸収塔を通過
させ、次いで脱着カラム内で、吸収カラムから出たかつ
実質的にアクリル酸、吸収剤、及び二次成分からなる液
体流出物から易揮発性二次成分をストリッピングにより
実質的除去し、引き続き実質的に純粋なアクリル酸及び
また易揮発性でない二次成分を分離する目的で脱着カラ
ムを出た液体流出物を精留することにより実施される。
【0006】この方法の欠点は、脱着塔排ガス(使用さ
れたストリッピングガス)が脱着塔の通常の操作では吸
収塔を出て、脱着塔を通過せしめられる液体流出物中に
存在するアクリル酸の少なくとも1/3を連行し、その
理由のために脱着塔排ガスを吸収カラムに再循環させね
ばならないことにある(ドイツ国特許出願公開第213
6396号明細書の第7頁第1段参照)。このように、
従来の方法は、分離効果を伴わずに分離されるべきかな
りの量のアクリル酸を循環させることになり、このこと
は該従来の技術で使用された方法の経済的価値を著しく
損ねる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来の技術の欠点を排除した、高沸点の不活性疎水
性有機液体を使用した向流吸収を実施することによりプ
ロピレン及び/又はアクロレインの接触気相酸化で形成
された反応ガス混合物からアクリル酸を連続的に分離す
る方法を提供することである。
【0008】脱着工程を簡単に省略することは、前記課
題の解決にはならない、それというのも精留塔への通常
の吸収塔からの液体流出物の直接的導入は、特にこのよ
うな液体流出物はなお標準圧条件下でアクリル酸の沸点
未満であるが、アクリル酸(20℃及び標準圧(1at
m)で液体)とは十分には異ならない温度で沸騰すると
いう事実に基づき、通常の精留塔の分離能力を越えるか
らである(例えば、分離工程数のために所望の温度を維
持するためには高い塔底温度が必要となり、かつこのこ
とがアクリル酸の高い重合傾向に基づき受け入れられな
い)。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、高沸点の不
活性疎水性有機液体を使用した向流吸収によりプロピレ
ン及び/又はアクロレインの接触気相酸化で形成された
反応ガス混合物から(メタ)アクリル酸を分離する方法
において、前記反応混合物を、降下する高沸点の不活性
疎水性有機液体に対して向流で吸収塔を通過させ、かつ
引き続き(メタ)アクリル酸を吸収塔を出たかつ(メ
タ)アクリル酸を含有する液体流出物から分留により分
離し、精留工程を、周囲雰囲気との接触により生じる自
然のエネルギー損失を越える吸収塔からのエネルギー量
を除去することにより吸収塔内で自然に発生する吸収工
程に重ね合わせることにより解決される。
【0010】
【実施の態様】可能な実施態様は、吸収塔を冷却された
熱交換手段(例えばジャッケト、コイル、管束、二重
管、螺旋、又はパネルからなる熱交換器)による間接的
冷却及び/又は直接的冷却の両者を含む。
【0011】エネルギー低下(energy sink)の特に有
利な実施態様は、降下する液相の一部を吸収塔に沿った
位置から取り出し、それを冷却しかつ引き続き冷却した
液体を吸収塔に再循環させることよりなる。
【0012】適当な吸収塔は、一般に使用されるタイプ
の全てのものである、即ち該吸収塔は例えばバルブトレ
イ塔、バブルキャップトレイ塔、ルーズな不規則の充填
体をが充填された塔、又はコンパクト充填体が充填され
た塔であってもよい。コンパクト充填塔が有利であり、
この場合には規則的(十分に整列した)コンパクト充填
体を有する充填塔が特に有利である。規則的充填体を有
する充填塔は当業者に周知でありかつ例えばChem.-Ing,
Tech. 58(1986) No.1, pp 19-31及びTchnische Rundsc
hau Sulzer 2/1979 pp 49 et seq .Gebrueder Sulzer A
G( スイス国、ウインターツール在、出版)に記載され
ている。本発明によれば、シート金属又はプレート状充
填体を使用するのが有利であることが判明した。Sulzer
AGから市販されたMellapak(R)塔充填体、例えばタイプ
250Y又はタイプ125Yのものを使用するのが特に
有利である。規則的パックは、特に少ない圧力損失を特
徴としかつ短い滞留時間を保証する、このことはアクリ
ル酸の高い重合傾向に見地において有利である。
【0013】吸収塔は、有利には、精留されるべきガス
混合物中の、標準圧条件下でアクリル酸の沸点未満の温
度で沸騰し、かつ20℃で標準圧下で液体(低沸点物
質)である副生成物、特に酢酸及び水の濃度に依存して
5〜20の理論的棚段数を有する。気相酸化から取り出
される反応ガス混合物は、一般に、そこに存在するアク
リル酸に基づき、低沸点物質1〜10重量%を含有す
る。
【0014】吸収剤は一般に吸収塔の塔頂部から導入
し、一方ガス状反応混合物は一般に吸収塔の底部から流
入させる。本発明によって要求されるエネルギー低下
を、降下する液相の一部を吸収塔に沿った位置から取り
出し、それを冷却しかつ引き続き冷却した液体分を吸収
塔に再循環させることにより実施する場合には、この取
り出しは、有利には吸収塔の中間点マークの近くの箇所
で行い、かつ再循環は一般に該取り出し箇所の僅かに上
の位置から実施する。
【0015】適当な高沸点の不活性疎水性吸収剤は、そ
の標準圧下での沸騰温度がアクリル酸の沸騰温度よりも
高くかつ少なくとも70重量%までが外的に有効な極性
基を含有せず、従って水素橋を形成することができない
分子からなる全てのものである。
【0016】従って、適当な液体吸収剤は、特にドイツ
国特許出願公開第2136396号明細書及びドイツ国
特許出願公開第4308087号明細書に推奨された全
てのものである。これらは実質的にその標準圧下での沸
点が160℃よりも高い液体である。それの例として以
下のものだけを挙げる:パラフィンの蒸留からの中油留
分、ジフェニルエーテル、ジフェニル、前記液体の混合
物、例えばジフェニルエーテル70〜75重量%とジフ
ェニル25〜30重量%の混合物。ジフェニルエーテル
70〜75重量%及びジフェニル25〜30重量%、及
びまたこの混合物に対してo−ジフェニルフタレ−ト
0.1〜25重量%のブレンドからなる混合物を使用す
るのが特に有利である。
【0017】これらの液体吸収剤にとって適当な方法
で、酸化反応器から出たかつ典型的には200℃〜35
0℃の温度を有する反応ガス混合物を、好ましくは、吸
収塔に流入させる前に、190℃〜230℃及び有利に
は200℃〜210℃の温度に冷却する。この冷却は、
例えば液体での直接的冷却の際にしばしば起こるような
エーロゾルの形成を回避するために、間接的熱交換によ
り実施するのが有利である。
【0018】この間接的熱交換は、一般にシェル・チュ
ーブ熱交換器で実施する。使用冷媒は、例えば沸騰水
(12バールまでの圧力下で)又は選択的に可能な液体
吸収剤の1つであってよい。この冷却を実施する場合に
は、反応ガス混合物の温度がその露点より下に低下しな
いことを保証することが重要である。酸化反応器を出た
反応ガス混合物が既に適当な吸収温度を有する場合に
は、該間接的冷却工程はもちろん不必要である。
【0019】塔の頂部からの吸収剤の導入は、一般に、
充填塔の全横断面にわたって分配された液体形で行う
(スパイクリング技術)、この場合液体吸収剤は一般に
50℃〜100℃、有利には50℃〜70℃の温度を有
する。
【0020】吸収塔は一般に僅かに高めた圧力で操作す
る。該操作圧は有利には1〜2バールである。
【0021】本発明により必要とされるエネルギー低下
を、降下する液相の一部を吸収塔に沿った位置から取り
出し、それを冷却しかつ引き続き冷却した液体を吸収塔
に再循環させることにより実施する場合には、吸収塔の
壁自体は、それをを包囲する、一般に室温を有する雰囲
気と接触する。可能な壁材料は、理論的には、セラミッ
ク又はガラスのような全ての適当な材料であるが、高品
質鋼が有利である。壁材料の選択に関しては、耐食性及
び機械的抵抗のような特性が第一の重要性を有する。典
型的な高品質鋼暑さは4〜20mmである。
【0022】塔のエネルギー低下、操作圧及び圧力損
失、及び使用吸収剤の類型は、塔底部に理論的分離段が
110℃〜125℃、有利には115℃〜120℃の温
度を有し、かつ塔頂部の理論的分離段の温度が吸収剤の
入口温度よりも5℃〜15℃、有利には10℃高いよう
に選択するのが好ましい。この制御は、例えば比較的少
量の液体を取り出しかつこれを強度冷却状態で再循環さ
せるか、又は比較的大量の液体を取り出し、これを極く
温和に冷却することにより実施することができる。この
ような降下する液体の取り出しは、例えばシャフト(fl
ue)はその蓋に基づき、上昇する蒸気/ガス混合物だけ
を通過させ、一方降下する液体が集まるシャフト底部は
オーバッフロー管を有する(有利には4つのオーバッフ
ロー管が対称的に中心に配置されたシャフトの回りに対
称的に配置されている)カバーされたシャフト構造を使
用することにより実現することができる。オーバッフロ
ー液面まで蓄積された液体は、周知方法でシャフト底部
から取り出すことができる。
【0023】吸収塔の底部液は、本発明の方法によれ
ば、低沸点物質、特に極端に作用効果が弱められた酢酸
を含有する(一般に存在するアクリル酸に対して、0.
1〜1重量%を含有するにすぎない、即ち初期の含量の
ほぼ十分の一である)、このことは脱着の中間工程を介
する必要がなく、周知方法で分留により直接塔底液を後
処理し、かつこの工程で、99.7重量%以上の純度を
有するアクリル酸を分離することを可能にする。
【0024】本発明の方法は、連続的に実施するのが有
利である。吸収塔の頂部に供給される高沸点の疎水性不
活性有機液体は、一般に同時時間帯で精製される反応ガ
ス混合物を介して供給されるアクリル酸の重量よりも4
〜8倍大きい。
【0025】吸収塔の底部からのアクリル酸の分留によ
る分離を実施する際に形成される高沸点有機液体は、本
発明の方法を連続的に実施する場合には、直接吸収剤と
して再使用しかつ吸収塔の塔頂部に再循環させることが
できる。該プラントの操業時間を延長するためには、こ
の高沸点の有機液体の部分的蒸気を排出しかつ該蒸気を
それに高濃度で含有される実質的に非揮発性不純物を分
離した後でのみ戻すのが場合により有利である。
【0026】この本発明による方法による実施態様にお
いては、もちろん全ての工程(反応ガス混合物を吸収温
度に冷却する場合を除く)において必要とされる重合抑
制剤、例えばフェノチアジンは、有利にはアクリル酸を
分離するために使用される精留塔の頂部から系全体に添
加する。
【0027】別の推奨は、吸収塔の底部からアクリル酸
を分留するために規則的充填体を収容する塔を使用する
こと及び側面導管を通してアクリル酸を取り出すことで
ある。
【0028】本発明による方法は、例えばドイツ国特許
出願公開第4220859号明細書に記載された方法に
より得られるようなアクリル酸の気相酸化的製造で形成
される反応混合物に適用するのが特に有利である。
【0029】理論的には、本発明による方法において吸
収塔の頂部から流出する蒸気/ガス混合物は、系から除
去することができる。
【0030】しかしながら、第2の塔(これは理論的に
は主塔で使用されるものと同じであってもよい)を、前
記の主塔の上に設置すべきである、この場合一方の塔か
ら他方の塔への通過は上昇する蒸気/ガス混合物のため
にのみ可能であり、前記第2の塔内では、上昇する蒸気
/ガス混合物が前記第2の塔の頂部に供給される冷却水
に対して向流で通過せしめられる。該第2の塔の主目的
は、第2の塔内を上昇しかつそれに供給される冷水の温
度で凝縮可能である蒸気/ガス混合物の成分を凝縮する
こよりなる、従ってこの塔の頂部からは、実質的に、ア
クリル酸の気相接触酸化製造を実施する際に一緒に使用
されるN2のような不活性希釈ガス及びまた気相酸化を
例えば酸化炭素を製造するための完全燃焼により実施す
る場合に形成される反応ガス混合物の一部分のみを含有
する混合物を除去する。
【0031】従って、理論的には、第2の塔は単一の理
論的凝縮工程以外を含むことは不必要である。しかしな
がら、2〜4のが理論的凝縮段を含むように設計されて
いるのが有利である。第2の塔の底部に集まる降下する
液体は、一般に、特にアクリル酸の沸点未満の温度で沸
騰する酢酸のようなかなりの量のほとんどが高水溶性副
生成物を含有する主に水相と、主として吸収剤からなり
かつ一般に大きな比重を有する有機相とに分離する。該
方法を連続的に実施する場合には、水相の一部と、それ
と一緒に該水相内に存在する底沸点物質を、有利には分
離しかつ除去し、一方残りの残留量を冷却し、かつ該方
法の開始時に導入される清水の代わりに第2の塔の頂部
から第2の塔に再循環させる。同様に、冷水を必要な温
度、即ち5℃〜30℃、有利には5℃〜25℃に冷却し
かつ後続の分離工程で除去される水相を、該水相に存在
する水の量が、主塔を上昇する蒸気/ガス混合物から第
2の塔内で凝縮によって除去される水蒸気の量に相当す
るような速度で取り出す。第2の塔の底部から到来する
有機相は、通常主塔に、有利にはその頂部から再循環さ
せる。
【0032】第2の塔では、凝縮、吸収、及び相劣化
(phase-deteriration)がオーバラップする。使用され
る第2の塔は、規則的充填体を収容する充填塔と同であ
るのが有利である。
【0033】冷水は、塔の溢れを惹起することなく所望
の凝縮効果を生じるような速度で第2の塔の頂部に供給
する。
【0034】実地においては、主塔及び第2の塔の重な
った配置は、下方区分(主塔に相当)が上方区分(第2
の塔に相当)から、上昇する蒸気/ガス混合物だけが前
記上方区分を通過できるように分離された単一の塔を使
用することにより有利に実現される。このことは例えば
カバーされたシャフト及び通過不能なシャフト底を有す
るシャフト構造を使用することにより実現することがで
きる。従って、シャフト底は塔の上方区分から到来する
降下液相のための捕集プレートとして役立ち、該相はこ
の捕集プレート上で、前記のように、主に有機相と主に
水相とに分離する。
【0035】本発明よる課題は、特に有利な方法によれ
ば、高沸点の不活性疎水性有機液体を使用した向流吸収
によりプロピレン及び/又はアクロレインの接触気相酸
化で形成された反応ガス混合物からアクリル酸を分離す
る方法において、前記反応ガス混合物を、降下する高沸
点の不活性疎水性有機液体に対して向流で吸収等を通過
させ;かつ引き続きアクリル酸を吸収塔を出たかつアク
リル酸を含有する液体流出物から分留により分離し;必
要な温度を有する反応ガス混合物を、実質的に完全に規
則的充填体が充填されかつ上昇する蒸気/ガス混合物の
通過のみが可能である接合部により互いに分離された2
つの区分に分割された充填塔内に充填体のから供給し;
その際底部充填体の下(供給箇所1)から下方充填塔に
供給される上昇する反応ガス混合物を、塔の全横断面に
わたって分配された、下方区分の頂部充填体の上(供給
箇所2)から供給される高沸点の疎水性有機吸収剤に対
して向流で通過させ;かつ降下する液相の一部を該塔の
下方区分に沿った箇所から取り出し、冷却し、冷却した
後上記取り出し箇所(取り出し箇所1)と供給箇所2の
箇所から充填塔に戻し;前記接合部を介して上昇する蒸
気/ガス混合物を、塔の全横断面にわたり分配された、
頂部充填体の上の箇所(供給箇所3)から塔に供給され
る冷水流に対して向流で充填塔の上方区分を上に向けて
通過させ;その際該接合部は塔の上方区分から降下する
液相のための捕集箇所として形成されており;該液相を
この捕集箇所で主として有機相と主として水相に分離
し;かつ捕集箇所に集まる有機相を捕集プレートから取
り出しかつ塔の下方区分に戻し;かつ捕集箇所に集まる
水相もまた取り出し(取り出し箇所2)、取り出した水
相の一部を分離しかつ、該水相部分に存在する水の重量
が前記接合部を経て上昇する蒸気/ガス混合物から凝縮
により除去された蒸気の重量に等しくなるように除去
し;かつその残りの取り出した水相を冷却しかつ塔の上
方区分の供給箇所3に再循環させ、一方冷水により液化
されなかった気相を塔の頂部から取り出しかつ除去し;
かつ主としてアクリル酸及び高沸点の疎水性有機吸収剤
からなる塔底部の液体を直接精留塔に移行させ、該精留
塔でアクリル酸を前記の塔底液から公知方法で分留によ
り分離することにより解決される。
【0036】有利には、前記精留塔は20よりも多い理
論的棚段数を有し、かつ減圧下に操作される。該方法
は、100mbar未満のヘッド圧で実施するのが特に
有利である。前記精留を落下薄膜蒸発器を使用して行
い、従って該蒸発工程を慎重な条件下で実施する場合に
必要である蒸発を実施するのが特に有利である。
【0037】もちろん、本発明の方法は、相応する有利
な方法で、C4又はマスクドC4出発化合物の接触気相酸
化(例えばブテン、t−ブテノール、t−ブタノールの
エーテル、メタクロレイン等、ドイツ連邦共和国特許出
願公開第4405059号明細書参照)から到来する反
応ガス混合物からのメタクリル酸の分離のためにも使用
することができる。本発明の方法の主な利点は、最小の
全エネルギー・ターンオーバー(turnover)及び極めて
強い反応性の不飽和カルボン酸の特に慎重な処理にあ
り、この結果として制御されない反応が起こることが最
少化される。
【0038】
【実施例】N2を希釈剤として使用した、プロピレンか
らのアクリル酸の気相接触酸化的製造のための方法にお
いて、277℃の温度及び以下の組成を有する反応ガス
混合物が得られた: アクリル酸 15.50重量% アクリル酸よりも高い温度で標準圧条件下で 沸騰する副生成物(高沸点物質) 0.25重量% アクリル酸よりも低い温度で標準圧条件下で 沸騰する副生成物(低沸点物質) 5.35重量% 残余ガス(主にN2、炭素酸化物の痕跡及び プロピレン) 80.90重量% この反応ガス混合物を、220.2kg/hの速度で、
シェル・チューブ熱交換器内で間接的に204℃に冷却
した。使用した冷媒は、ジフェニルエーテル75重量%
及びジフェニル25重量%からなる混合物であった。
【0039】冷却した反応ガス混合物を、引き続き高品
質の鋼壁(壁厚さ:4mm)を有しかつSulzer AG(ス
イス国、ウインターツール在)から市販されている充填
体が充填された充填塔(内径:316mm)を通過させ
た。該充填塔は、周囲雰囲気(25℃)と直接接触しか
つ以下のように構成されていた:冷却した反応ガス混合
物の供給箇所の上に配置された支持格子の上に、2つの
前記タイプ125Yの充填体と、16個の前記タイプ2
50Yの充填体(個々の充填体の直径は314mm及び
それらの高さは210mmであった)が直接相互に積み
重ねられ、第1の充填体の堆積を形成していた。支持格
子の下に、長さ800mmを有しかつ塔底液を収容する
ように設計された構造ユニットが設けられていた。該構
造ユニットの中心部に、冷却した反応混合物の供給箇所
(供給箇所1)が設けられていた。充填体の第1の堆積
の終端部の上50mmの位置に、降下する液体のための
捕集プレートが配置され、該捕集プレートは塔の横断面
を越えて広がり、かつ中心部に上昇する蒸気/ガス混合
物を通過させるためにカバーされたシャフト(高さ:3
00mm;直径:43mm)を有し、該シャフトの回り
に4つのオーバフロー管(高さ:300mm;直径:4
3mm)が対称的に取付けられていた 上記捕集プレートから(取り出し箇所1)から、連続的
に該捕集プレート上に集まりかつ59.9℃の温度を有
する液体1700kg/hを取り出し、該液体を42℃
に冷却しかつ直接この温度で充填塔に第2の充填塔体積
の終端部の上から再循環させた。
【0040】第2の充填体の堆積は、3つの同じ種類の
規則的充填体(タイプ250Y)からなり、かつ捕集プ
レートの上に設置されかつ取り出し箇所1を再循環箇所
から分離する移送管の上に設置された支持格子の上に直
接互いに積み重ねられたていた。再循環箇所の上に、互
いに上下に13個の別のタイプ250Cの充填体(第3
の充填体の堆積)が設置されていた。この第3の終端部
に、吸収剤のための供給箇所(供給箇所2)が配置され
ていた。使用した吸収剤は、ジフェニルエーテル57.
4重量%、ジフェニル20.7重量%、及びo−ジメチ
ルフタレート20重量%の混合物であった。該混合物を
供給箇所2から52℃の温度及び160.8kg/hの
速度で導入した。
【0041】供給箇所2の直ぐ上に、分割シャフトユニ
ットが存在し、該分割シャフトユニットの上に別の同じ
5つのタイプ(タイプ250Y)の規則的充填体が堆積
されていた(第4の充填体の堆積)。該第4の充填体の
堆積の終端部の直ぐ上に、循環冷水の供給箇所(供給箇
所3)が設けられていた。水相370kg/hを、分割
シャフトユニットの捕集プレートから取り出し(取り出
し箇所2)かつその6.7kg/hを分離しかつ除去し
た。残りの水相は供給箇所3から再循環させた。その取
り出し温度は40.5℃でありかつ再循環の前に25℃
に冷却した。取り出した液相は、アクリル酸(損失分)
6.9重量%及び底沸点物質を含有する水93.1重量
%を含有していた。充填塔の頂部を開いた。26.6℃
をの温度を有するガス状成分181.8gを、この開口
部を通して排出した。この排ガスは、蒸気2重量%、残
余ガス>97.8重量%、アクリル酸<0.1重量%及
び吸収剤<0.1重量%からなっていた。塔頂部の圧力
は、1.15バール、供給箇所1は1.24バールであ
った。取り出し箇所2に集まった有機相は、濃縮塔に供
給箇所2から再循環させた。
【0042】塔底液の取り出しは192.5kg/hの
速度で実施し、該取り出した塔底液の温度は118.4
℃であった。塔底液の組成は、以下のとおりであった:
アクリル酸15.2重量%、吸収剤84.35重量%、
アクリル酸の沸点よりも高い温度で沸騰する成分(無水
マレイン酸、無水フタル酸等)0.29重量%及びH2
Oを含む低沸点物質0.16重量%。
【0043】取り出した塔底液を、規則的充填体を充填
した精留塔(規則的充填体を有する充填塔)を通過さ
せ、かつ周知方法で減圧下に分留により分離した。この
段階で、側面シャフトを経て99.7重量%より高い純
度でアクリル酸が単離された。該塔の頂部に少量の低沸
点物質が生じかつ塔底液は吸収剤として再使用した。重
合抑制のための使用したフェノチアジンは、同様にこの
精留塔の頂部に導入した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス イエルク ドイツ連邦共和国 リムブルガーホーフ アルベルト−アインシュタイン−アレー 35

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高沸点の不活性疎水性有機液体を使用し
    た向流吸収によりプロピレン及び/又はアクロレインの
    接触気相酸化で形成された反応ガス混合物から(メタ)
    アクリル酸を分離する方法において、前記反応混合物
    を、降下する高沸点の不活性疎水性有機液体に対して向
    流で吸収塔を通過させ、かつ引き続き(メタ)アクリル
    酸を吸収塔を出たかつ(メタ)アクリル酸を含有する液
    体流出物から分留により分離し、精留工程を、周囲雰囲
    気との接触により生じる自然のエネルギー損失を越える
    吸収塔からのエネルギー量を除去することにより吸収塔
    内で自然に発生する吸収工程に重ね合わせることを特徴
    とする、 反応ガス混合物から(メタ)アクリル酸を分
    離する方法。
JP7263073A 1994-10-11 1995-10-11 反応ガス混合物から(メタ)アクリル酸を分離する方法 Withdrawn JPH08176062A (ja)

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