JPH0791217B2 - 光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法 - Google Patents
光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法Info
- Publication number
- JPH0791217B2 JPH0791217B2 JP63292442A JP29244288A JPH0791217B2 JP H0791217 B2 JPH0791217 B2 JP H0791217B2 JP 63292442 A JP63292442 A JP 63292442A JP 29244288 A JP29244288 A JP 29244288A JP H0791217 B2 JPH0791217 B2 JP H0791217B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- optically active
- phenoxybutanoic
- phenoxybutanoic acid
- solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、農薬の合成中間体として有用な光学活性な2
−フェノキシブタン酸の製造方法に関する。
−フェノキシブタン酸の製造方法に関する。
フェノキシブタン酸誘導体には生物活性を示す化合物が
多く知られている。例えば特開昭58−113155号、特開昭
58−67653号、特開昭59−29645号公報に示されている2
−フェノキシブタン酸アミド類は、農薬とくに除草剤と
して有用である。
多く知られている。例えば特開昭58−113155号、特開昭
58−67653号、特開昭59−29645号公報に示されている2
−フェノキシブタン酸アミド類は、農薬とくに除草剤と
して有用である。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 2−フェノキシブタン酸は2位に不斉炭素原子を有し、
光学活性な2−フェノキシブタン酸を製造する方法は、
従来全く知られていない。そこで光学活性なアミン類と
(±)−2−フェノキシブタン酸とのジアステレオマ−
塩による光学分割法を試みた。
光学活性な2−フェノキシブタン酸を製造する方法は、
従来全く知られていない。そこで光学活性なアミン類と
(±)−2−フェノキシブタン酸とのジアステレオマ−
塩による光学分割法を試みた。
しかしながら、この方法で光学純度の高い2−フェノキ
シブタン酸を得るには、数回以上の再結晶を必要とし、
さらにごく限られた条件でしか分割できないなど、操作
上大きな問題があった。さらに用いたラセミ体に対する
光学活性体の回収率も不充分であった。
シブタン酸を得るには、数回以上の再結晶を必要とし、
さらにごく限られた条件でしか分割できないなど、操作
上大きな問題があった。さらに用いたラセミ体に対する
光学活性体の回収率も不充分であった。
従って、このような分割法は少量の場合には適用可能で
あるが、工業的に大量に製造するのにこの方法を適用す
ることは非常に困難であった。
あるが、工業的に大量に製造するのにこの方法を適用す
ることは非常に困難であった。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、工業的に光学活性な2−フェノキシブタ
ン酸の製造法を鋭意研究し、本発明をなすに至った。
ン酸の製造法を鋭意研究し、本発明をなすに至った。
本発明は、式 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、Mはアルカ
リ金属原子を表す)で示されるR−(+)−2−ハロゲ
ノブタン酸のアルカリ金属塩と 式 (式中、Mアルカリ金属原子を表す)で示されるフェノ
ールのアルカリ金属塩とを、双極性非プロトン性溶媒、
又は双極非プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒との混合
溶媒中で、20〜50℃で反応させることを特徴とする。
リ金属原子を表す)で示されるR−(+)−2−ハロゲ
ノブタン酸のアルカリ金属塩と 式 (式中、Mアルカリ金属原子を表す)で示されるフェノ
ールのアルカリ金属塩とを、双極性非プロトン性溶媒、
又は双極非プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒との混合
溶媒中で、20〜50℃で反応させることを特徴とする。
式 で示されるS−(−)−2−フェノキシブタン酸の製造
法である。
法である。
上記式(I)及び式(II)の原料化合物は、各々あらか
じめ別途合成して用いるか、溶媒中で合成してそのまま
用いてもよい。反応は以下のような溶媒中で行われる。
じめ別途合成して用いるか、溶媒中で合成してそのまま
用いてもよい。反応は以下のような溶媒中で行われる。
この反応に用いる溶媒としては、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ヘキサメ
チルホスホリックアミドなどの双極性非プロトン溶媒あ
るいは双極性非プロトン溶媒の場合はベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の非プロトン溶媒との混合溶媒として用
いることができる。
アミド(DMF)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ヘキサメ
チルホスホリックアミドなどの双極性非プロトン溶媒あ
るいは双極性非プロトン溶媒の場合はベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の非プロトン溶媒との混合溶媒として用
いることができる。
溶媒量としては、基質1重量部に対し、単独溶媒の場合
は1〜10重量部の溶媒を用い、混合溶媒の場合は、双極
性非プロトン溶媒を0.3〜5重量部と非プロトン性溶媒
1〜10重量部を混合して用いると良好に反応が進行し好
ましい。
は1〜10重量部の溶媒を用い、混合溶媒の場合は、双極
性非プロトン溶媒を0.3〜5重量部と非プロトン性溶媒
1〜10重量部を混合して用いると良好に反応が進行し好
ましい。
反応温度は特に20〜50℃が好ましい。反応時間は特に限
定されないが、溶媒等により異なり、5〜20時間でほぼ
完結する。
定されないが、溶媒等により異なり、5〜20時間でほぼ
完結する。
出発原料は、R−(+)−2−ハロゲノブタン酸のアル
カリ金属塩(I)1当量に対し、フェノールのアルカリ
金属塩(II)0.8〜5当量を用いるとよい。
カリ金属塩(I)1当量に対し、フェノールのアルカリ
金属塩(II)0.8〜5当量を用いるとよい。
以下に実施例を示し、さらに説明する。
また、ここで用いたR−(+)−2−ハロゲノブタン酸
の光学純度は光学活性を維持したままでメチルエステル
に導き、シフト試薬(ユーロピウム(HFC)3)を用
い、NMRより求めた。さらに得られた2−フェノキシブ
タン酸の光学純度は、あらかじめ光学分割により得られ
た光学純度が100%の標準品の施光度を基に算出した。
の光学純度は光学活性を維持したままでメチルエステル
に導き、シフト試薬(ユーロピウム(HFC)3)を用
い、NMRより求めた。さらに得られた2−フェノキシブ
タン酸の光学純度は、あらかじめ光学分割により得られ
た光学純度が100%の標準品の施光度を基に算出した。
実施例1 DMF中でのS−(−)−2−(4−フルオロ
−3−トリフルオロメチル)フェノキシブタン酸の製造 R−(+)−2−クロロブタン酸のカリウム塩16.05g
(0.1mol)と、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル
フェノールのカリウム塩32.7g(0.15mol)を、60mlのDM
F中に加え、27〜30℃で10時間撹拌した。撹拌終了後、2
N塩酸水溶液でpH1として遊離した油状物をエーテルで抽
出後、エーテル層を飽和重曹水溶液で洗浄した。この飽
和重曹水溶液を2N−塩酸でpH1とし、再び遊離した油状
物をエーテル抽出した。エーテルを無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧留去し、残渣を減圧蒸留して目的物を
得た。
−3−トリフルオロメチル)フェノキシブタン酸の製造 R−(+)−2−クロロブタン酸のカリウム塩16.05g
(0.1mol)と、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル
フェノールのカリウム塩32.7g(0.15mol)を、60mlのDM
F中に加え、27〜30℃で10時間撹拌した。撹拌終了後、2
N塩酸水溶液でpH1として遊離した油状物をエーテルで抽
出後、エーテル層を飽和重曹水溶液で洗浄した。この飽
和重曹水溶液を2N−塩酸でpH1とし、再び遊離した油状
物をエーテル抽出した。エーテルを無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧留去し、残渣を減圧蒸留して目的物を
得た。
b.p.155〜160℃/4mmHg 収率80% 用いた光学活性な2−クロロブタン酸の光学純度はee=
92%、得られたフェノキシブタン酸の光学純度はee=90
%であった。
92%、得られたフェノキシブタン酸の光学純度はee=90
%であった。
実施例2 DMI−ベンゼン系でのS−(−)−2−(4
−フルオロ−3−トリフルオロメチル)フェノキシブタ
ン酸の合成 R−(+)−2−クロロブタン酸のカリウム塩16.05g
(0.1mol)と、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル
フェノールのカリウム塩21.8g(0.1mol)を、ベンゼン7
0mlとDMI12mlの混合溶媒中に加え、30℃で8時間撹拌し
た。撹拌終了後、2N塩酸水溶液でpH1とし、さらにベン
ゼン200mlを加え、ベンゼン層を分離後、水洗、ベンゼ
ンを減圧留去し、残渣を減圧蒸留して目的物22gを得
た。収率80%。
−フルオロ−3−トリフルオロメチル)フェノキシブタ
ン酸の合成 R−(+)−2−クロロブタン酸のカリウム塩16.05g
(0.1mol)と、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル
フェノールのカリウム塩21.8g(0.1mol)を、ベンゼン7
0mlとDMI12mlの混合溶媒中に加え、30℃で8時間撹拌し
た。撹拌終了後、2N塩酸水溶液でpH1とし、さらにベン
ゼン200mlを加え、ベンゼン層を分離後、水洗、ベンゼ
ンを減圧留去し、残渣を減圧蒸留して目的物22gを得
た。収率80%。
用いた光学活性な2−クロロブタン酸の光学純度ee=98
%、得られたフェノキシブタン酸の光学純度はee=96%
であった。
%、得られたフェノキシブタン酸の光学純度はee=96%
であった。
以上の実施例および種々の条件での実施例を表−1にま
とめて示す。
とめて示す。
(発明の効果) 上記実施例から明らかなように、本発明の方法によれば
高収率で、また高い光学純度で目的とする光学活性のフ
ェノキシブタン酸を得ることができる。
高収率で、また高い光学純度で目的とする光学活性のフ
ェノキシブタン酸を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−62043(JP,A) 特開 昭52−17431(JP,A) 特開 昭50−140632(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】式 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、Mはアルカ
ル金属原子を表す)で示されるR−(+)−2−ハロゲ
ノブタン酸のアルカリ金属塩と 式 (式中、Mはアルカリ金属原子を表す)で示されるフェ
ノールのアルカリ金属塩とを、双極性非プロトン性溶
媒、又は双極性非プロトン性溶媒と非プロトン性溶媒と
の混合溶媒中で、20〜50℃で反応させることを特徴とす
る。 式 で示されるS−(−)−2−フェノキシブタン酸の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63292442A JPH0791217B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | 光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63292442A JPH0791217B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | 光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02138148A JPH02138148A (ja) | 1990-05-28 |
JPH0791217B2 true JPH0791217B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=17781848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63292442A Expired - Lifetime JPH0791217B2 (ja) | 1988-11-21 | 1988-11-21 | 光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0791217B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK2961727T3 (en) * | 2013-02-28 | 2017-03-13 | Pronova Biopharma Norge As | Process for Preparation of 2 - ((5Z, 8Z, 11Z, 14Z, 17Z) -icosa-5,8,11,14,17-pentaenyloxy) -butanoic acid |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2417487C2 (de) * | 1974-04-10 | 1983-01-20 | Hoechst Ag, 6000 Frankfurt | Benzyl-phenoxyalkancarbonsäuren, deren Derivate und Verfahren zu ihrer Herstellung |
CA1071233A (en) * | 1975-06-26 | 1980-02-05 | Don R. Baker | Phenoxy alkylamides and their use as miticides |
JPS5562043A (en) * | 1978-11-01 | 1980-05-10 | Ihara Chem Ind Co Ltd | Preparation of phenoxycarboxylic acid derivative |
-
1988
- 1988-11-21 JP JP63292442A patent/JPH0791217B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02138148A (ja) | 1990-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2024023340A (ja) | グルホシネートアンモニウムの調製方法 | |
US4977264A (en) | Process for the production of 4,5-dichloro-6-ethylpyrimidine | |
JPS61158947A (ja) | 光学活性2−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸の製法 | |
HU195764B (en) | Process for production of optically active carnitinenitril-chloride | |
HU196052B (en) | Process for optical resolving raceme mixtures of alpha-naphtyl-propionic acids | |
JPH0791217B2 (ja) | 光学活性な2−フェノキシブタン酸の製造法 | |
JP2003335735A (ja) | パーフルオロイソプロピルアニリン類の製造方法 | |
JP4138067B2 (ja) | メチン誘導体の製造方法 | |
JP3677786B2 (ja) | アリールオキシプロピオン酸の製造法 | |
US4652671A (en) | Process for the preparation of dichloroisonitrilocarboxylic acid esters | |
JP4032861B2 (ja) | β−オキソニトリル誘導体又はそのアルカリ金属塩の製法 | |
WO1992015562A2 (en) | Preparation of omega-substituted alkanamide | |
JPH0136818B2 (ja) | ||
JP3832980B2 (ja) | 殺虫活性を有するテトラヒドロフラニル誘導体の新規製造中間体 | |
KR100311949B1 (ko) | 1-[(사이클로펜트-3-엔-1-일)메틸]-5-에틸-6-(3,5-다이메틸벤조일)-2,4-피리미딘다이온의제조방법 | |
JPS6344746B2 (ja) | ||
US3308132A (en) | 6, 8-dithiooctanoyl amides and intermediates | |
JP4925518B2 (ja) | 置換アルキルアミン誘導体の製造方法 | |
EP0179487A1 (en) | 2-Phenylpropionic acid esters, method for optical resolution thereof and optically active substance thereof | |
JPH027305B2 (ja) | ||
HU202481B (en) | Process for producing n-phenyl-n-(methoxyacetyl)-dl-alanine methyl ester derivatives | |
JP2522931B2 (ja) | 四級アンモニウム塩 | |
JPS6254416B2 (ja) | ||
KR910003635B1 (ko) | 2-(2-나프틸옥시)프로피온아닐리드 유도체의 제조방법 | |
JP3526606B2 (ja) | N−置換ピラジンカルボキシアミドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004 Year of fee payment: 14 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004 Year of fee payment: 14 |