JPH0777087A - 電子ガバナ制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車両発進時におけるエンジン回転数制御の応答
性を向上させてアクセル操作のフィーリングを良好にす
る。 【構成】電子ガバナ制御装置において、アクセルペダル
１０が操作限度近傍まで操作されたのを検出するリミッ
トスイッチ（ペダル位置検出手段）１３と、リミットス
イッチ１３の検出信号によりスロットルバルブ４をアク
セルペダル１０の操作位置に対応するバルブ開度に強制
的に開放させるソレノイド（強制駆動手段）１４とを設
けることにより、アクセルペダル１０が操作限度近傍ま
で操作されたときに、制御部１２によるステップモータ
９の駆動制御よりも先行して、ソレノイド１４によりス
ロットルバルブ４がアクセルペダル１０の操作位置に対
応するバルブ開度に強制的に開放するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フォークリフト等の産
業車両に搭載されるガソリンエンジン等の内燃機関にお
いて、その機関回転数の制御に使用される電子ガバナ制
御装置に関する。

【０００２】

【従来技術】従来より、フォークリフトにおける電子ガ
バナ制御装置として図２に示すものが知られている。こ
の電子ガバナ制御装置では、エンジン２１の吸気通路２
２に設けられたスロットルバルブ２３を開閉駆動させる
ステップモータ２４と、エンジン２１の目標回転数を指
令するために操作されるアクセルペダル２５の操作量
（踏み込み量）を検出するアクセルセンサ２６と、エン
ジン２１の実際の回転数を検出する回転数センサ２７と
が配設されている。そして、回転数センサ２７及びアク
セルセンサ２６から検出信号が入力される制御部２８
は、エンジン２１の目標回転数と実際の回転数との偏差
を求め、その偏差値に基づいてスロットルバルブ２３の
目標開度を決定し、スロットルバルブ２３を開閉制御す
べくステップモータ２４を駆動制御するように構成され
ている。

【０００３】また、特開平５−５９９９０号公報には、
上記電子ガバナ制御装置において、アクセル操作量によ
る目標回転数の指令値に対するエンジン回転数制御の応
答性を向上させて目標回転数への調整時間を短縮できる
ようにするため、アクセルセンサ２６による検出値が所
定時間当たりに所定値以上をもって変化したときに、ス
ロットルバルブ２３を予め定められた開度に強制的に開
かせるべくステップモータ２４を駆動制御する強制駆動
制御手段を設ける技術が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記電子ガ
バナ制御装置は、アクセルペダルとスロットルバルブと
をリンク等で連結した機械式ガバナ制御装置に比較し
て、エンジンの運転状況に応じて正確なエンジン回転数
の制御が可能である。しかしその反面、アクセルペダル
の操作量及び実際のエンジン回転数からスロットルバル
ブの目標開度を制御部により算出する時間や、その算出
結果に基づいてスロットルバルブを駆動させるステップ
モータの作動時間が必要であることから、応答性が悪い
という問題がある。上記公報記載のように、ステップモ
ータ２４を駆動制御する強制駆動制御手段を設けること
によって応答性を向上させることができるが、車両発進
時においてアクセルペダルを操作限度まで踏み込む操作
が多用されるフォークリフト等の場合には、アクセルペ
ダルの操作に対してスロットルバルブの開放動作が遅れ
る結果、エンジン回転数の立ち上がり開始時期が遅れて
しまい、車両発進時におけるアクセル操作のフィーリン
グが悪くなる。

【０００５】本発明は上記実情に鑑み案出されたもので
あり、車両発進時におけるエンジン回転数制御の応答性
を更に向上させてアクセル操作のフィーリングを良好に
することを解決すべき課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、アクセルペダルが操作限度近傍まで操作され
たのを検出するペダル位置検出手段と、該ペダル位置検
出手段の検出信号によりスロットルバルブを前記アクセ
ルペダルの操作位置に対応するバルブ開度に強制的に開
放させる強制駆動手段と、を設けたという新規な構成を
採用している。

【０００７】

【作用】本発明の電子ガバナ制御装置では、車両発進時
においてアクセルペダルが操作限度近傍まで操作される
と、それをペダル位置検出手段が検出する。この検知信
号により強制駆動手段が作動し、スロットルバルブをア
クセルペダルの操作位置に対応するバルブ開度に強制的
に開放させる。このスロットルバルブの開放動作は、制
御部が回転数検出手段及びアクセル操作量検出手段の検
出信号に基づいてアクチュエータを駆動することにより
スロットルバルブを目標開度に開放させる動作よりも先
行して行われる。したがって、車両発進時におけるエン
ジン回転数制御の応答性が向上し、アクセル操作のフィ
ーリングが良好となる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１は本実施例に係る電子ガバナ制御装置の概略を
示す構成図である。図１において、１はフォークリフト
に搭載されたエンジンであって、このエンジン１にはそ
の実際の回転数を検出するための回転数検出手段として
の回転数センサ２が設けられている。そして、エンジン
１の燃焼室に連通する吸気通路３の途中には、吸気通路
３を開閉するスロットルバルブ４が設けられている。こ
のスロットルバルブ４は、図示しないスロットルボディ
に軸受された支軸６に対して回動可能に取付けられてい
る。支軸６には、スロットルバルブ４の閉方向への回動
を規制するストッパ７が設けられているとともに、スロ
ットルバルブ４を閉方向へ付勢するばね部材８が取付け
られている。これにより、スロットルバルブ４は、支軸
６に対してストッパ７と当接する位置で停止しており、
ばね部材８の付勢力に抗して開方向へ回動可能である。

【０００９】また、スロットルボディの外側には、後述
の制御部１２により駆動制御されてスロットルバルブ４
を開閉駆動させるステップモータ９が設けられている。
このステップモータ９の出力軸とスロットルバルブ４の
支軸６とは図示しないプーリ及びワイヤを介して駆動連
結されている。そして、１０はエンジン１の目標回転数
を指令するために運転者によって踏み込み操作されるア
クセルペダルであって、このアクセルペダル１０は運転
室の床に配設されている。このアクセルペダル１０に
は、その操作量（アクセル開度）を検出するアクセル操
作量検出手段としてのポテンショメータよりなるアクセ
ルセンサ１１が設けられている。このアクセルセンサ１
１の検出信号は、前記回転数センサ２の検出信号ととも
に後述の制御部１２に入力される。

【００１０】制御部１２は、エンジン回転数制御のため
の前記従来と同様のプログラム等が記憶されたメモリを
内蔵するマイクロコンピュータを主体として構成されて
いる。この制御部１２は、アクセルセンサ１１の検出値
に対応する目標回転数を指令値として演算する目標回転
数演算手段、その目標回転数の指令値と回転数センサ２
の検出値との偏差を演算し、その演算結果に基づいてス
ロットルバルブ４の目標開度を決定するバルブ開度演算
手段、バルブ開度演算手段の演算結果に基づいてスロッ
トルバルブ４を開閉制御すべくステップモータ９を駆動
制御する駆動制御手段等を備えている。

【００１１】そして、アクセルペダル１０の踏み込み側
には、アクセルペダル１０が操作限度近傍まで踏み込ま
れたときにアクセルペダル１０に押圧されてスイッチオ
ンとなるペダル位置検出手段としてのリミットスイッチ
１３が配設されている。このリミットスイッチ１３は、
スロットルボディに配設された強制駆動手段としてのソ
レノイド１４と接続されている。ソレノイド１４は、リ
ミットスイッチ１３のスイッチオンによりソレノイド本
体から吸気通路３内に突出しスロットルバルブ４を開方
向へ回動させる可動ロッド１４ａを有し、この可動ロッ
ド１４ａが突出したときにはスロットルバルブ４をアク
セルペダル１０の操作位置に対応するバルブ開度に開放
するように設定されている。

【００１２】以上のように構成された本実施例の電子ガ
バナ制御装置において、制御部１２は、回転数センサ２
及びアクセルセンサ１１からの検出信号が入力される
と、目標回転数演算手段、バルブ開度演算手段及び駆動
制御手段等を介してスロットルバルブ４を開閉制御すべ
くステップモータ９を駆動制御し、エンジン回転数の制
御を行う。このとき、スロットルバルブ４はステップモ
ータ９の駆動と連動するスロットルバルブ４の支軸６と
共に回動して開閉制御される。

【００１３】そして、車両発進時にアクセルペダル１０
が操作限度近傍まで踏み込まれると、リミットスイッチ
１３がアクセルペダル１０に押圧されてスイッチオンと
なり、これとともにソレノイド１４の可動ロッド１４ａ
が突出する。これにより、制御部１２によるステップモ
ータ９の駆動制御よりも先行して、可動ロッド１４ａが
スロットルバルブ４をばね部材８の付勢力に抗して開方
向へ瞬時に回動させ、スロットルバルブ４をアクセルペ
ダル１０の操作位置に対応するバルブ開度に開放させ
る。これにより、エンジン回転数制御の応答性が向上
し、運転者にとってのアクセル操作のフィーリングが良
好となる。

【００１４】一方、回転数センサ２及びアクセルセンサ
１１からの検出信号に基づき制御部１２により行われる
スロットルバルブ４の開放動作は、ソレノイド１４によ
る開放動作にわずかに遅れて追従する。すなわち、ステ
ップモータ９の駆動により支軸６がばね部材８の付勢力
に補助されつつ開方向に回動し、スロットルバルブ４の
開放位置まで回動すると支軸６のストッパ７がスロット
ルバルブ４に当接する。そして、制御部１２によるスロ
ットルバルブ４の目標バルブ開度がソレノイド１４によ
るバルブ開度よりも更に大きくなる場合には、ステップ
モータ９の駆動により回動する支軸６と共にスロットル
バルブ４が回動することによって、スロットルバルブ４
の開閉制御が行われる。

【００１５】また、アクセルペダル１０が操作限度近傍
位置から踏み込み解除操作されてアクセルペダル１０に
よる押圧が解除されると、リミットスイッチ１３がスイ
ッチオフとなり、突出していたソレノイド１４の可動ロ
ッド１４ａがソレノイド本体内に引っ込む。これによ
り、スロットルバルブ４はステップモータ９の駆動制御
によって開閉制御され、制御部１２による通常のエンジ
ン回転数の制御が行われる。

【００１６】以上のように、本実施例の電子ガバナ制御
装置によれば、車両発進時におけるエンジン回転数制御
の応答性を向上させることができ、これにより運転者に
とってのアクセル操作のフィーリングを良好にすること
ができる。なお、上記実施例におけるソレノイド１４
は、リミットスイッチ１３がスイッチオンの間中作動す
るように構成されているが、例えばタイマなどを設ける
ことによって、リミットスイッチ１３がスイッチオンと
なったときに初期の所定時間のみ作動するようにしても
よい。

【００１７】

【発明の効果】本発明の電子ガバナ制御装置は、アクセ
ルペダルが操作限度近傍まで操作されたときに、制御部
による駆動制御よりも先行して、強制駆動手段によりス
ロットルバルブがアクセルペダルの操作位置に対応する
バルブ開度に強制的に開放するように構成されているた
め、車両発進時におけるエンジン回転数制御の応答性が
向上し、アクセル操作のフィーリングを良好にすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る電子ガバナ制御装置の概
略を示す構成図である。

【図２】従来の電子ガバナ制御装置の概略を示す構成図
である。

【符号の説明】

１…エンジン（内燃機関） ２…回転数センサ（回転
数検出手段） ４…スロットルバルブ ９…ステップモータ １０
…アクセルペダル １１…アクセルペダル（アクセル操作量検出手段）
１２…制御部 １３…リミットスイッチ（ペダル位置検出手段） １４…ソレノイド（強制駆動手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の吸気通路に設けられたスロッ
   トルバルブを開閉駆動させるアクチュエータと、前記内
   燃機関の目標回転数を指令するために操作されるアクセ
   ルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段
   と、前記内燃機関の実際の回転数を検出する回転数検出
   手段と、該回転数検出手段及び前記アクセル操作量検出
   手段の検出信号に基づき前記スロットルバルブの目標開
   度を決定し、前記スロットルバルブを開閉制御すべく前
   記アクチュエータを駆動制御する制御部と、を備えた電
   子ガバナ制御装置において、 前記アクセルペダルが操作限度近傍まで操作されたのを
   検出するペダル位置検出手段と、該ペダル位置検出手段
   の検出信号により前記スロットルバルブを前記アクセル
   ペダルの操作位置に対応するバルブ開度に強制的に開放
   させる強制駆動手段と、を設けたことを特徴とする電子
   ガバナ制御装置。