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JPH0775593A - 蛋白質の製造方法 - Google Patents

蛋白質の製造方法

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Publication number
JPH0775593A
JPH0775593A JP5257881A JP25788193A JPH0775593A JP H0775593 A JPH0775593 A JP H0775593A JP 5257881 A JP5257881 A JP 5257881A JP 25788193 A JP25788193 A JP 25788193A JP H0775593 A JPH0775593 A JP H0775593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
production
tsa
cell
medium
Prior art date
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Pending
Application number
JP5257881A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Furukawa
和明 古川
Keijiro Sugimura
恵二郎 杉村
Kazuhiro Oosue
和廣 大末
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
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Priority to AT94306587T priority patent/ATE220714T1/de
Priority to EP94306587A priority patent/EP0649900B1/en
Priority to DE69430975T priority patent/DE69430975T2/de
Priority to ES94306587T priority patent/ES2176224T3/es
Priority to CA002131659A priority patent/CA2131659A1/en
Publication of JPH0775593A publication Critical patent/JPH0775593A/ja
Priority to US08/759,945 priority patent/US5834249A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0071Oxidoreductases (1.) acting on paired donors with incorporation of molecular oxygen (1.14)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/555Interferons [IFN]
    • C07K14/57IFN-gamma
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/38Chemical stimulation of growth or activity by addition of chemical compounds which are not essential growth factors; Stimulation of growth by removal of a chemical compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • C12P21/02Preparation of peptides or proteins having a known sequence of two or more amino acids, e.g. glutathione

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動物細胞を用いた蛋白質の製造方法を提供す
る。 【構成】 動物細胞を培養して蛋白質を製造する際に、
培地にトリコスタチンを添加することを特徴とする蛋白
質の製造方法。 【効果】 動物細胞を培養する際に、培地にトリコスタ
チンを添加することにより、蛋白質の生産を増強させる
ことができる。本発明により、培地コストの削減、培養
期間の短縮が可能になった。また培養液中の生産物濃度
が増加したこと及び細胞傷害が認められなかったこと
は、生産物の精製においても有利である。従って、本発
明は工業的規模における動物細胞培養による物質生産の
効率化を可能にするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物細胞を用いた蛋白
質の製造方法に関する。さらに詳細には、動物細胞の培
養時にトリコスタチンを培地に添加することにより、蛋
白質の生産を増強させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの生理活性を有する蛋白質等の有用
物質が、遺伝子組換え技術を用い、微生物及び動物細胞
を宿主として工業的規模で生産されている。
【0003】大腸菌等の微生物を用いた有用物質の生産
は、生産性においては有利であるが、目的の蛋白質が高
分子であり複雑な高次構造を有していてリフォールディ
ングができない場合や、糖鎖等の修飾基が結合して初め
て生理活性を示す物質である場合、この方法は適用でき
ない。このような蛋白質を生産する場合には、一般的に
動物細胞が使用されている。既知の動物細胞としては、
CHO−K1(チャイニーズハムスター卵巣細胞;AT
CC CCL61)、CHO−K1由来ジヒドロ葉酸還
元酵素(dihydro folate redudc
tase;DHFR)遺伝子欠損株、C127I(マウ
ス乳癌細胞;ATCC CRL1619)、BHK(新
生仔ハムスター腎細胞;ATCC CCL10)及びV
ero(アフリカミドリザル腎細胞;ATCC CCL
−81)等がある。しかし、動物細胞を微生物と比較し
た場合の欠点として、増殖速度が遅いこと、培地が高価
であること、生産性が低いこと等が挙げられる。細胞の
増殖速度については、細胞特有の性質であるため現段階
では解決し難い。また培地についても細胞維持に必須な
成分で合成されているため、価格の根本的な改善は困難
である。従って工業的な動物細胞を用いた物質生産で
は、如何にその生産性を向上させるか、即ち細胞の物質
生産能を増強し、目的物質の生産量を増大させるかが問
題となる。
【0004】従来、動物細胞による蛋白質の生産を増強
させるために、酪酸を始めとする直鎖アルカン酸、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)等が使用されてきた(特
公昭56−46797,特公昭60−18398及び特
開平1−257492参照)。酪酸については、ヒスト
ンの脱アセチル化を阻害し高アセチル化を引き起こす作
用、またある種の細胞においては分化誘導作用を示すこ
とが報告されている。遺伝子発現に関与する現象の一つ
としてヒストンのアセチル化が知られているため、酪酸
における生産の増強は、酪酸が示す様々な作用の中で、
ヒストンの高アセチル化に起因しているのではないかと
考えられているが、酪酸の作用の多様性のため、その確
証はない。DMSOについては、細胞膜に対する作用、
分化誘導作用等が知られている。また各物質の生産増強
における有効な添加濃度は、細胞種によって若干異なる
と考えられるが、酪酸で0.1〜数mM、ハイドロコー
チゾンでμMオーダー、DMSOで0.05〜2%程度
(数mM〜数百mM)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの物質
は、生産性を向上させるために前述のようにかなりの高
濃度を必要とし、そのため細胞傷害性を示すことがあ
る。細胞に傷害が与えられると、生細胞数の減少によっ
て目的物質が充分に生産されないばかりでなく、傷害を
起こした細胞から内容物(即ち夾雑物質)が培地中に放
出されることにより、目的物質の精製の妨げになること
が考えられる。また、培地中に放出された細胞内容物に
含まれるプロテアーゼによって目的物質が分解されるこ
とも考えられる。従って、従来使用されてきた誘導物質
が、細胞培養における有用物質の生産増強に適切である
とは言えない。動物細胞を用いた有用物質の生産増強の
ためには、低濃度の添加で有効であり、かつ細胞傷害性
のない効果的な誘導物質が望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
動物細胞を用いた蛋白質の生産系において、工業的規模
で蛋白質の生産を増強させる効率的な方法を提供するこ
とを最終目的とし、本発明を完成した。本発明における
動物細胞は、生理活性を有する蛋白質を産生する天然の
動物細胞と生理活性を有する蛋白質をコードする遺伝子
により形質転換された動物細胞のいずれを用いてもよ
い。本発明における蛋白質とは、蛋白質又はペプチドを
意味する。また、本発明における培地は、血清を含むも
のあるいは含まないもののいずれを用いてもよい。
【0007】本発明者らは、前述したヒストンの高アセ
チル化が物質の生産増強に起因するのであれば、特異的
にヒストンの高アセチル化を誘導するが、細胞傷害を全
く又はほとんど示さない物質が物質の生産増強において
最も適していると考えた。そこで、本発明において用い
ることができる物質としては、ヒストンの高アセチル化
誘導作用を有し、かつ細胞傷害性を示さないか又は非常
に弱い物質であればよい。例えば該性質を有するトリコ
スタチンまたはその誘導体を用いることができ、望まし
くはトリコスタチンA(TSA)を培地に添加すること
により目的とする蛋白質の生産を増強させることができ
る。
【0008】TSAは一部の真菌に対する抗生物質とし
て発見された物質で、現在ヒストン脱アセチル化酵素の
阻害による細胞周期のG1、G2期特異的増殖阻害剤と
して使用されており、他に抗癌剤としての使用の報告も
ある(The Journal of Biologi
cal Chemistry,Vol.265,No.
28,p17174−p17179,1990.、代
謝,Vol.28,増刊号/癌‘91,p131−p1
39,1991.、蛋白質 核酸 酵素 Vol.3
7,No.6,p959−p969,1992.及び特
公平4−47648参照)。
【0009】TSAはヒストン脱アセチル化酵素の阻害
によってヒストンの高アセチル化を引き起こし、物質の
生産増強を促す可能性が考えられるが、物質生産にTS
Aを応用した例は現在のところ報告されていない。本発
明者らは動物細胞の培養の際に、培地に微量のTSAを
添加することにより蛋白質の生産量が著しく向上するこ
とを見い出し、トリコスタチンを用いた蛋白質の製造方
法を完成した。
【0010】以下に本発明に係る蛋白質の製造方法につ
いて示す。まず、従来、有用物質の生産増強に使用され
てきた物質とTSAの効果を比較するために、CHO細
胞を宿主とするアミド化酵素(AE)産生浮遊細胞であ
る3μ−1S細胞(参考例1参照)に及ぼすTSA、D
MSO、酪酸の影響を調べた。
【0011】3μ−1S細胞をF−12培地(味の素社
製)にインスリン及びトランスフェリンを添加した無血
清培地に懸濁し、24穴培養プレート(コーニング社
製)に接種した。続いてTSA、DMSOあるいは酪酸
を目的濃度となるように添加し、培養した。ここでTS
Aは、粉末試薬(和光純薬工業社製)をメタノールある
いはエタノールに溶解し、1mM溶液を調製後−20℃
で保存し、必要時に基本培地(F−12、MEM、DM
EM、RPMI1640等)、生理食塩水、あるいは蒸
留水に希釈して使用した。DMSOは直接添加あるいは
基本培地、生理食塩水、あるいは蒸留水に希釈して使用
した。酪酸は基本培地、生理食塩水、あるいは蒸留水で
1mM溶液を調製後4℃で保存し、必要時に同溶媒で希
釈して使用した。培養後、細胞数およびAE活性を測定
した。
【0012】AE活性の測定は、合成基質[125I]
−Ac−Tyr−Phe−Glyを用いて行った(Bi
ochem.Biophys.Res.Comyu
n.,Vol.137,p984−p991,198
6.及び特開平1−104168参照)。1単位の活性
は、標準反応条件下、37℃で1時間に1pmoleの
基質を50%アミド化する活性で定義される。
【0013】さらに、他の細胞系での物質生産における
TSAの有効性を確かめるために、C127I細胞を宿
主とするヒトインターフェロン−γ(hIFN−γ)産
生細胞(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,Vol.81,p5086−p5090,1981
参照)に及ぼすTSAの影響を調べた。
【0014】hIFN−γ産生細胞を10%CS添加D
MEM培地(GIBCO社製)に懸濁し24穴培養プレ
ートに接種した。インキュベートして細胞をプレート底
面に着床させた後、TSAを添加し、培養した。培養
後、細胞数を計測し、採取した培養上清に含まれるhI
FN−γを以下に記載のELISA法によって定量し
た。
【0015】操作1;hIFN−γの定量に先立ち、9
6穴イムノプレート(E.I.A./R.I.A.Pl
ate,Costar社製)に、hIFN−γ標準液
(1.0μg/mlとなるようにコーティングバッファ
ー(0.05M炭酸バッファー、pH9.6)で希釈す
る。)を00μl/wullずつ分注し、4℃で一晩放
置する。翌日ウェル内のhIFN−γ標準液を捨て、
0.1%となるようにTween20(BIO−RAD
社製)を添加したDulbecco′s PBS(−)
(日水製薬社製)(以下「T−PBS」と記す。)を2
00μl/wellずつ分注しウェル内を洗浄する。ウ
ェル内に残ったT−PBSを除去し、1.0%となるよ
うにゼラチン(BIO−RAD社製)を添加したDul
becco′s PBS(−)(ブロッキング液)を1
50μl/wellずつ分注し、37℃で2時間インキ
ュベートする。インキュベート後、ウェル内のブロッキ
ング液を捨て、T−PBSで5回洗浄し、ウェル内に残
ったT−PBSを除去する。
【0016】上記操作1と並行して、次の操作を行って
おく。 操作2;96穴V底プレート(Costar社製)にサ
ンプルバッファー(ゼラチンを0.1%、Tween2
0を0.1%、NaNを0.1%、EGTA(SIG
MA社製)を0.05%、MgClを0.4mMとな
るようにDulbecco′s PBS(−)で溶解し
たもの)で希釈したhIFN−γ標準液(0〜62.5
ng/ml、2段階希釈)及び測定サンプル(培養上
清、2段階希釈)を9μl/wellずつ分注する。
さらにサンプルバッファーで20ng/mlとなるよう
に希釈したマウス抗hIFN−γモノクローナル抗体を
90μl/wellずつ添加し、37℃で2時間インキ
ュベートする。インキュベート後、V底プレートを4℃
で1500rpm、10分間遠心する。
【0017】操作1の済んだプレートに、操作2によっ
て得られた上清を100μl/wcllずつ分注し、3
7℃で2時間インキュベートする。T−PBSで5回洗
浄後、サンプルバッファーで1000倍に希釈したビオ
チン化抗マウスIg抗体(Amersham社製)を1
00μl/wellずつ分注し、37℃で1時間インキ
ュベートする。T−PBSで5回洗浄後、サンプルバッ
ファーで1000倍に希釈したアルカリフォスファター
ゼ・アビジン(DAKOPATTS社製)を100μl
/wellずつ分注し、37℃で30分間インキュベー
トする。T−PBSで5回洗浄後、pNPPA・2Na
溶液(基質溶液;アルカリフォスファターゼ基質溶液キ
ット(BIO−RAD社製)により調製)を100μl
/wellずつ分注し、37℃で10〜20分間インキ
ュベートする。適度に発色した時点で、2NNaOHを
100μl/wellずつ添加し反応を停止させ、40
5nmにおける吸光度を測定する。
【0018】AEの生産増強におけるTSAと、DMS
O及び酪酸の比較実験を行ったところ、至適添加濃度は
それぞれ200nM、1%(約140mM)、1mMと
なり、これらの添加濃度において培地当たりのAE生産
量は無添加の場合と比較して、それぞれ4.7倍、1.
9倍、3.9倍に増加した。この結果より、TSAはD
MSOや酪酸よりも、AEの生産増強において効果的で
あることが示された。DMSOはTSA、酪酸と比較す
ると増加量は少なく、AEの生産増強に効果的な物質で
あるとはいえない。また酪酸では、1mM以上の添加濃
度において細胞傷害が認められたのに対し、TSAは、
最も強いAE生産の増強効果を示した200nMの添加
において、細胞傷害性を全く示さなかった。しかも、T
SAは酪酸の5000分の1の添加量で最も強いAE生
産の増強効果を示した。
【0019】このように、TSAが低濃度の添加量で、
細胞に傷害を与えずに目的とする蛋白質の培地当たりの
生産量を効果的に増大させたことは、有用物質の生産、
特に工業的規模における物質生産に大きく寄与するもの
である。
【0020】また、C127I細胞を宿主とするhIF
N−γ産生細胞においても、TSAが物質の生産増強に
有効であることが示された。このことは、動物細胞培養
による有用物質の生産において、TSAが目的とする蛋
白質及び使用する細胞種の相違にかかわらず有効である
ことを示すものである。
【0021】従って、実施例に記載のものだけでなく、
インターロイキン(特開昭63−185387参照)、
アミド化酵素及びその誘導体(例えば799DraI,
799RV)799SalI、Δ799、799−45
7Δ、799BstEII(特開平1−104168
参照;配列番号1)、XA(特開平1−104168参
照;配列番号2))あるいは巨核球増殖分化因子(特願
平5−197752参照)等のアミノ酸配列をコードす
る遺伝子を有するベクターで形質転換された動物細胞を
用いて、本発明に係る製造方法により目的とする蛋白質
を得ることができる。
【0022】
【実施例】次に本発明を参考例及び実施例によりさらに
詳細に説明する。 参考例1 3μ−1S細胞の取得 配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列−39か
ら692番目までのアミノ酸配列を含有するプラスミド
から得られた特開平2−190193に記載のMTX3
μM耐性株9C株より、特開平2−190193に記載
の方法でクローニングを行った。即ち、96穴プレート
(コーニング社製)にMTX3μM耐性株9C細胞を播
種し、核酸を含まないMihmum Essentia
l Mcdium(MEM)Alpha Medium
(α−MEM培地、GIBCO社製)に10%透析ウシ
胎児血清(FBS)を添加した培地100μl/wel
lで1週間培養した。さらに、100μl/wellの
αMEM培地を加え、1週間培養した。この結果得ら
れたアミド化酵素高産生細胞を3μ−1細胞とした。次
に3μ−1細胞をシリコナイズした300ml容三角フ
ラスコを用いて、10%FBS、1.0mMMTXを添
加したF−12培地で振盪培養(培養容量;60ml/
フラスコ)することによって浮遊化した。さらに、培地
中の血清濃度を徐々に低下させていき、最終的にインス
リン及びトランスフェリンをそれぞれ5μg/ml、M
TXを1.0μM添加した培地に馴化させ、3μ−1S
細胞を得た。
【0023】実施例1 TSAのAE産生細胞に及ぼす
影響 参考例1より得られたCHO細胞由来AE産生浮遊細胞
である3μ−1S細胞を、F−12培地を基本培地と
し、インスリン及びトランスフェリンをそれぞれ5μg
/mlずつ添加した無血清培地に4×10cells
/ml細胞密度で懸濁し、24穴培養プレートニ1ml
/wellずつ接種した。接種後、100倍濃度で調製
したTSA(300nM〜30μM)を10μl/we
llずつ添加し(終濃度;3〜300nM)、37℃、
5%CO下で3日間培養した。培養後、細胞数を計測
し、培養上清を遠心分離(1000回転、5分間)によ
り回収した。細胞数については、マイクロセルカウンタ
ー(東亜医用電子社製)あるいは血球計算盤を用いて総
細胞数を計測した。回収した培養上清に含まれるAE活
性を前述の方法で測定した。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
【0025】AE生産量はTSA添加濃度に従って増大
し、200nMの添加で最大値を示し、無添加の場合の
4,7倍程度となった。またTSAの添加濃度に伴って
細胞増殖阻害の傾向が認められ、無添加の場合8.11
×105cells/mlまで増殖したのに対し、20
0nM添加の場合5.77×10cells/mlで
あった。この細胞密度は、接種時の細胞密度(4×10
cell/ml)と比較して増加しており、細胞は2
00nMのTSA添加によって増殖を阻害されたもの
の、傷害を受けなかったことを示している。また顕微鏡
観察においても、細胞傷害は認められなかった。TSA
を300nM添加した場合には3.64×10cel
ls/m1となり、わずかに細胞傷害が認められた。
【0026】以上の結果より、AEの生産増強にnMオ
ーダーのTSA添加が有効であることが示された。つま
り、AEの生産に際しては、300nM以下、さらに好
ましくは200nM以下のTSA添加が好適であるこ
と、即ち細胞傷害を起こさずに、最大の生産増強効果を
もたらすことが示された。
【0027】実施例2 DMSOのAE産生細胞に及ぼ
す影響 実施例1と同様の方法で、終濃度が0.01〜8%とな
るようにDMSOを添加し、DMSOのAE産生細胞に
及ぼす影響を調べた。結果を第2表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】1%DMSOの添加により、AE生産量は
最大値を示したが、無添加の場合の1.9倍に留まっ
た。また、このとき細胞傷害は全く認められなかった
(DMSO無添加;9.65×10cells/m
l)1%;7.54×10cells/ml)。2%
を超えてDMSOを添加した場合には、著しい細胞形態
変化及び細胞傷害が認められ、培地当たりの生産量は急
激に低下した。
【0030】実施例3 酪酸のAE産生細胞に及ぼす影
実施例2と同様の方法で、終濃度が1nM〜4mMとな
るように酪酸を添加し、酪酸のAE産生細胞に及ぼす影
響を調べた。結果を第3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】0.1mMの酪酸添加でAE生産の増強が
認められ始め、1mMの添加でAE生産量は最大値を示
し、無添加の場合の約3.9倍に増強された。また酪酸
の場合、TSAにおいて生産増強が認められた添加濃度
では、AE生産の増強は全く認められなかった。一方、
酪酸無添加の場合、細胞は9.56×10cells
/mlまで増殖したのに対し、最も強いAE生産の増強
効果を示した1mM添加の場合には、3.54×10
cells/mlと接種時細胞密度よりも減少してお
り、細胞傷害が認められた。1mMを超える添加量で
は、細胞傷害がさらに顕著になり、AE生産量は急激に
低下した。
【0033】実施例4 C127I細胞を宿主とするヒ
トインターフェロン−γ(hIFN−γ)産生細胞に及
ぼすTSAの影響 トリプシン処理及び遠心分離によって採取したhIFN
−γ産生細胞を10%CS添加DMEM培地に懸濁し、
24穴培養プレートに2.5×10cells/cm
及び1ml/wellとなるように接種した。3時間
37℃でインキュベートして細胞をプレート底面に着床
させた後、TSAを終濃度0.82〜200nMとなる
ように添加し、37℃、5%CO下で3日間培養し
た。培養後、培養上清を遠心分離して採取し、またトリ
プシン処理により細胞を回収し、細胞数の計測を行っ
た。また、採取した培養上清に含まれるhIFN−γは
前述のELISA法を用いて定量した。結果を第4表に
示す。
【0034】
【表4】
【0035】hIFN−γの生産増強は0.82nM
(820pM)のTSA添加で認められ(無添加の場合
の2.5倍)、2.47nMのTSA添加で最大とな
り、無添加の場合の2.6倍を示した。また、このとき
細胞増殖阻害及び細胞傷害は全く認められなかった(T
SA無添加;3.94×10cclls/cm
2.47nM;4.15×10cells/c
)。増殖阻害は7.41nMを超えるTSA添加濃
度において認められた。以上より、C127I細胞を宿
主としたhIFN−γ産生細胞においてもTSAが有効
であることが示された。また、使用する細胞種によって
は、pMオーダーのTSA添加による生産増強が可能で
あることが示された。
【0036】
【発明の効果】本発明は、トリコスタチンを用いること
により細胞培養による蛋白質の効率的な生産増強を可能
にした。さらに、培地当たりの生産量を向上させ得たこ
とにより、培地コストの削減、生産培養期間の短縮を可
能にした。また培養液中の生産物濃度が増加したこと及
び細胞傷害が認められなかったことは、生産物の精製に
おいても有利である。従って、本発明は工業的規模にお
ける動物細胞培養による物質生産の効率化を可能にする
ものである。
【0037】
【配列表】
【0038】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大末 和廣 群馬県邑楽郡千代田町大字赤岩字くらかけ 2716番地1 サントリー株式会社医薬セン ター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動物細胞を培養して蛋白質を製造する際
    に、培地にトリコスタチンを添加することを特徴とする
    蛋白質の製造方法。
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