JPH0772761A

JPH0772761A - 電子写真プリンタ

Info

Publication number: JPH0772761A
Application number: JP5217609A
Authority: JP
Inventors: Shuzo Masuda; 修三増田; Masahito Ishii; 雅人石井; Ryoichi Iwama; 良一岩間
Original assignee: Fujitsu Ltd
Current assignee: Fujitsu Ltd
Priority date: 1993-09-01
Filing date: 1993-09-01
Publication date: 1995-03-17
Also published as: US5506666A

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は印字を行うキャリッジ内に定着器を
備える電子写真プリンタに関し、安全性の向上を図ると
共に、印字の開始時間及び定着時間の短縮、装置の小型
化を図ることを目的とする。【構成】記録ドラムを備えるプロセス部３３と加熱さ
れる定着ローラ５９を備える定着部３４を有するキャリ
ッジ３２が転写器４１上を記録紙３９の搬送方向と垂直
方向に移動し、該キャリッジ３２が記録紙３９への印字
開始位置に位置したときに定着ローラ５９を、転写器４
１の一端に設けられた退避部４２に位置させる構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印字を行うキャリッジ
内に定着器を備える電子写真プリンタに関する。

【０００２】近年、電子写真式記録装置の安価、小型化
の要求により、印字を行うキャリッジに電子写真プロセ
スを搭載したシリアル型の電子写真プリンタが開発され
てきている。このような電子写真プリンタは、搬送され
た記録紙に転写器上でキャリッジを搬送方向と垂直方向
に移動させて転写を行い、搬送方向に配置されるローラ
状の定着器で定着させるのが一般的である。そして、よ
り小型化を図るために、キャリッジ内に定着器を備える
ものが開発されてきており、これによる安全性等が要求
されると共に、さらなる小型化が望まれている。

【０００３】

【従来の技術】図１３に従来の電子写真プリンタのキャ
リッジの構成図を示す。図１３（Ａ）はキャリッジ部分
の平面図、図１３（Ｂ）はそのＡ−Ａ断面図、図１３
（Ｃ）はＢ−Ｂ断面図である。

【０００４】図１３（Ａ）〜（Ｃ）において、キャリッ
ジ１１がプロセス部１２及び定着器１３で構成されてお
り、シャフト１４ａ，１４ｂにガイドされて駆動モータ
（図示せず）により転写器（印字プラテン）１５の上方
を記録紙搬送方向と垂直方向に移動する。また、これら
の両側には搬送ローラ１６ａ，１６ｂが配置される。こ
の搬送ローラ１６ａ，１６ｂにより転写器１５とキャリ
ッジ１１間に記録紙１７が搬送される。

【０００５】キャリッジ１１のプロセス部１２には、像
担持体２１が搭載されキャリッジ１１の移動に同調する
周速にて回転する。像担持体２１の表面は、帯電器２２
にて均一に帯電され露光器２３にて静電潜像が形成され
る。静電潜像は、現像ローラ２４にてトナー像として可
視像化される。像担持体２１上に形成されたトナー像
は、記録紙１７を挟んで像担持体２１と対峙する転写器
１５により記録紙１７上に転写され、像担持体２１上に
残留したトナーはクリーナ２５により掻き落とされる。

【０００６】クリーニングされた像担持体２１の表面
は、再度帯電器２２により帯電され、同様な印字プロセ
スを繰返す。所定幅の印字が終了すると記録紙１７は、
搬送ローラ１６ａ，１６ｂによって所定量送られ、キャ
リッジ１１は所定位置（ホームポジション）へと戻され
再度印字を行う。ホームポジションとは、キャリッジ１
１が転写器１５上であって記録紙１７を外れた位置をい
う。

【０００７】ここで、転写器１５による転写は、像担持
体２１との間で所定の電圧を印加して行われることか
ら、該転写器１５は基板１５ａ上に導電ゴム等の導電部
材１５ｂが形成される。

【０００８】一方、定着器１３には、定着ローラ２６が
設けられ、定着ローラ２６内に加熱手段として例えばハ
ロゲンランプ等の熱源２７が設けられる。この定着ロー
ラ２６は、プロセス部１２による印字動作前に熱源２７
により所定の温度までプレヒートされるもので、印字中
の温度がサーミスタ等の温度検出器（図示せず）で検知
されて制御される。すなわち、定着器１３は、プロセス
部１２と共に移動されて、該プロセス部１２による転写
の直後に定着を行うものである。

【０００９】また、図１４に、従来のキャリッジの他の
構成図を示す。図中、図１３と同一構成部分には同一符
号を付して説明を省略する。図１４はキャリッジ１１に
おける定着器１３に加熱手段としてハロゲンランプ（赤
外線ランプ）２８を設け、その周囲に反射鏡２９を配置
したものである。この定着器１３は、記録紙１７に転写
された画像を定着させる際にハロゲンランプ２８により
直接照射するものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図１３及び図
１４に示すキャリッジ１１は、記録紙１７に印字した
後、ホームポジションに戻る。すなわち、ホームポジシ
ョンではキャリッジ１１は記録紙１７を外れた位置に次
の印字開始まで待機することとなり、図１３における定
着ローラ２６が直接転写器１５の導電部材１５ｂ上に接
触し、また図１４におけるハロゲンランプ２８が該導電
部材１５ｂを直接照射することになる。これにより、当
該導電部材１５ｂが破壊される虞れを生じると共に、図
１３における定着ローラ２６の熱が転写器１５を介して
放出されることとなって所定温度に上昇させるまでのプ
レヒート時間が長くなるという問題がある。

【００１１】また、図１３の定着器１３では、ハロゲン
ランプ２７のサイズが大きく、その分定着ローラ２６が
大型化すると共に、ハロゲンランプ２７のフィラメント
の密度によってローラ軸方向の温度分布が不均一になる
という問題がある。

【００１２】さらに、図１４に示すハロゲンランプ２８
の直接照射による定着では、ハロゲンランプ２８のエネ
ルギ密度が低く、非接触によるトナー画像の定着率が低
く、定着に長時間要することになるという問題がある。

【００１３】また、図１３及び図１４共に、キャリッジ
１１が印字中に記録紙１７のジャミング等により停止し
た場合に、温度検出器の故障等で異常温度に上昇する虞
れがあり、安全対策上十分でないという問題がある。

【００１４】そこで、本発明は上記課題に鑑みなされた
もので、安全性の向上を図ると共に、印字開始時間及び
定着時間の短縮、装置の小型化を図る電子写真プリンタ
を提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、記録
紙を搬送する搬送手段と、前記記録紙の送り方向と平行
な回転軸を有して回転される像担持体に帯電による潜像
を形成して現像するプロセス手段、及び前記現像像の前
記記録紙への転写後に加熱手段で加熱された定着部材に
より定着させる定着手段を備えるキャリッジと、前記像
担持体と前記記録紙を介在させて耐熱導電部材とが対向
されて前記現像像を前記記録紙に転写させるものであっ
て、一端に、前記像担持体が前記記録紙への印字開始位
置に位置されたときに、前記定着部材を位置させる退避
部が設けられる転写手段と、前記キャリッジを前記転写
手段上で前記記録紙の送り方向と垂直な方向に移動させ
る移動手段と、を有して構成する。

【００１６】また、請求項４の発明は、前記キャリッジ
内の前記定着手段は、前記定着部材が磁性部材を含ませ
て形成され、前記加熱手段が前記定着部材の近傍に所定
形状で設けられて前記定着部材を加熱駆動手段により誘
導加熱法で加熱する所定数の誘導加熱コイルで形成され
る。

【００１７】そして、請求項９の発明は、記録紙を搬送
する搬送手段と、前記記録紙の送り方向と平行な回転軸
を有して回転される像担持体に帯電による潜像を形成し
て現像するプロセス手段、及び前記現像像の前記記録紙
への転写後に定着部材により定着させる定着手段を備え
るキャリッジと、前記像担持体と前記記録紙を介在させ
て耐熱導電部材とが対向されて前記現像像を前記記録紙
に転写させるものであって、一端に、前記像担持体が前
記記録紙への印字開始位置に位置されたときに、前記定
着部材を加熱する加熱手段が設けられる転写手段と、前
記キャリッジを前記転写手段上で前記記録紙の送り方向
と垂直な方向に移動させる移動手段と、を有して構成す
る。

【００１８】

【作用】上述のように、請求項１の発明では、キャリッ
ジが記録紙への印字開始位置に位置したときに、定着部
材を退避部に位置させる。

【００１９】これにより、定着部材の熱による耐熱導電
部材への悪影響を防止すると共に、定着部材の熱放射を
防止することが可能となる。

【００２０】また、請求項３の発明では、定着手段内で
定着部材を誘導加熱コイルにより加熱する。さらに、請
求項９の発明では、転写手段の一端に設けられた加熱手
段が、キャリッジの記録紙外の位置のときに、定着部材
を加熱する。これにより、安全性が向上され、印字開始
時間が短縮されると共に、装置を小型、軽量とすること
が可能となる。

【００２１】

【実施例】図１に本発明の第１実施例の構成図を示し、
図２に本発明の第１実施例の概略全体図を示す。図１
（Ａ）はキャリッジ部分の平面図、図１（Ｂ）はそのＢ
−Ｂ断面図、図１（Ｃ）は転写器の退避部の斜視図、図
１（Ｄ）は退避部部分の概略正面図を示したものであ
る。

【００２２】図１（Ａ）〜（Ｄ）及び図２に示す電子写
真プリンタ３１は、キャリッジ３２がプロセス部３３及
び定着部３４で構成され、保持体３５に取り付けられ
る。保持体３５はシャフト３６ａ，３６ｂでガイドされ
て移動手段であるキャリアモータ３７（図２）によりベ
ルト３７ａを介して記録紙搬送方向と垂直方向に移動さ
れる。なお、図１においてはこの駆動モータ３７及びベ
ルト３７ａは省略してある。

【００２３】また、シャフト３６ａ，２６ｂの両側に
は、この軸方向と同じ軸方向の搬送ローラ３８ａ，３８
ｂが記録紙３９の搬送手段として設けられ、両側の搬送
ローラ３８ａ，３８ｂはそれぞれ２つのローラ（３８ａ
₁，３８ａ₂，３８ｂ₁，３８ｂ₂）で記録紙３９を挟
んで搬送する。これら搬送ローラ３８ａ，３８ｂは搬送
モータ４０によりベルト４０ａを介して駆動される。

【００２４】一方、キャリッジ３２の下方には転写器４
１が転写手段として配置される。この転写器４１はアル
ミニウム等で形成される基板４１ａ上に耐熱導電部材４
１ｂ、例えば導電材が混入されたシリコンゴムが形成さ
れたものである。すなわち、転写器４１とキャリッジ３
２との間に搬送された記録紙３９が位置する。また、図
１（Ｃ）に示すように、転写器４１の一端であって、キ
ャリッジ３２がホームポジション（後述する像担持体が
記録紙より外れて位置する部分）のときに定着部３４が
位置する部分に、二つの対向する耐熱部材４２ａ，４２
ｂで形成される退避部４２が設けられる。

【００２５】例えば、図１（Ｄ）に示すように、退避部
４２（４２ａ，４２ｂ）上に、後述する定着部の定着ロ
ーラ（５９）の回転軸（６０）の両端に設けられる軸受
部（６１ａ，６１ｂ）が位置して定着ローラ（５９）を
何れにも接触させない状態とするものである。

【００２６】ここで、図３に、図１のキャリッジの構成
図を示す。上述のようにキャリッジ３２はプロセス部３
３と定着部３４とにより構成されており、プロセス部３
３は記録紙３９の送り方向と平行な回転軸５１ａを有す
る像担持体である記録ドラム５１が設けられ、キャリッ
ジ３２の移動に同調する周速により転写器４１上の記録
紙３９上で回転する。

【００２７】この記録ドラム５１の表面には、帯電器５
２にて均一に帯電され露光器５３により静電潜像が形成
される。静電潜像は、現像器５４内に充填されたトナー
５５を現像ローラ５６によりトナー像として可視像化さ
れる。記録ドラム５１上に形成されたトナー像は、記録
紙３９を挟んで記録ドラム５１と対峙する転写器４１と
間に所定の電圧を印加することにより記録紙３７上に転
写される。

【００２８】転写後には記録ドラム５１上を除電器５７
により除電し、除電後に残留したトナー５５がクリーナ
５８によりかき落とされるものである。

【００２９】一方、定着部３４は、例えば磁性部材の円
筒にテフロンコーティングされた定着ローラ５９が定着
部材として搭載され、図１（Ｄ）に示すように回転軸６
０の両端に軸受部６１ａ，６１ｂが設けられたものであ
る。この定着ローラ５９及び上述の記録ドラム５１，現
像ローラ５６は、図示しないがプロセスモータ（キャリ
ッジ３２の内外を問わずに設けられる）によりキャリッ
ジ３２の移動に同調して回転される。

【００３０】そして、定着ローラ５９には、記録紙３９
との離形性を高めるためのシリコンオイルを塗布する塗
布器６２が設けられる。また、定着ローラ５９の近傍に
は、加熱部（図４〜図８で説明する）６３、及び定着ロ
ーラ５９の温度を検知するサーミスタ６４が設けられ
る。加熱部６３は加熱駆動手段であるインバータ６５に
より駆動され、インバータ６５は、サーミスタ６４の検
知信号に基づいて加熱制御手段である主制御回路６６に
より制御される。なお、インバータ６５及び主制御回路
６６は電源６７に接続されるもので、主制御回路６６に
はプロセス部３３より所定の信号を得る。

【００３１】すなわち、定着ローラ５９の温度は、サー
ミスタ６４によって温度検知され、設定された温度にな
ると、主制御回路６６によって加熱が中止され、設定さ
れた温度以下になった場合に再度、加熱されるというこ
とが繰り返される。この際、加熱をＯＮ，ＯＦＦする２
段制御のみでなく、段階的に調整し、温度によって例え
ば、加熱モード、保温モード、冷却モードというような
制御にしてもよい。

【００３２】そこで、図４に、図３の定着ローラの加熱
の説明図を示す。図４（Ａ）において、図３に示すよう
に定着ローラ５９の近傍に加熱部（図４（Ｂ））６３が
配置されて、該定着ローラ５９を非接触で加熱するもの
で、定着性を向上させるために回転軸６０を加圧手段で
ある加圧バネ６８により記録紙３９方向に加圧する。加
熱部６３は、図４（Ｂ）に示すように、平面状に誘導加
熱コイル６９が巻回されたものである。

【００３３】また、図５に、図４の加熱部の誘導加熱コ
イルの説明図を示す。図５（Ａ）は、四角形状の渦巻状
にコイルを巻回した誘導加熱コイル６９ａを示したもの
であり、図５（Ｂ）は円形状の渦巻状にコイルを巻回し
た誘導加熱コイル６９ｂを示したものである。この場
合、各誘導加熱コイル６９ａ，６９ｂの中央部分を空き
領域としている。そして、図５（Ｃ）に示すように、各
誘導加熱コイル６９ａ，６９ｂは、コイルを段階上に形
成され、少くとも２段以上で形成される。これらは、定
着ローラ５９に対して、磁束分布を均等にし、加熱を効
率的に行うとともにコイルの放熱を効率よくするための
ものである。

【００３４】そこで、図６に、図４の加熱原理の説明図
を示す。図６（Ａ）に示すように、定着ローラ５９は磁
性部材で形成されることから、誘導加熱コイル６９に電
流を流すことによって生じる磁束（矢印）の変化により
その中に渦電流が発生する。この渦電流によってジュー
ル熱が発生して加熱されることになるものである。

【００３５】そして、このような誘導加熱が効率的に行
うためには、図６（Ｂ）に示すように、まず誘導加熱コ
イル６９の長さｂは定着ローラ５９の軸方向の長さと略
同一であり、その幅をａ、奥行きをｃとすると、ｃ≪
ａ，ｃ≪ｂであることが望ましい。

【００３６】また、定着ローラ５９と誘導加熱コイル６
９との間隔Ｃ_Bとすると、これによって生じる磁界Ｈは
コイルに流れる電流Ｉに比例し、Ｃ_Bに反比例する以下
の式となる。

【００３７】Ｈ＝Ｋ（Ｉ／Ｃ_B） …（１）この場合のＫはコイルの巻数及びその他で決まる定数で
ある。

【００３８】このように、Ｃ_Bは零に近づくほど加熱効
率は良好となるが、定着ローラ５９の発熱によって誘導
加熱コイル６９の許容温度を越えることになる場合があ
る。例えば、一般に電子写真方式で使用されるトナーは
１８０℃程度の定着温度が必要であり、一般に使用され
るコイルはＢ種で１３０℃、Ｆ種で１５５℃が最高許容
温度となっている。従って、ある程度間隔を設けて当該
コイル６９の温度上昇を抑える必要がある。望ましく
は、Ｃ_B＝３〜４ｍｍに設定することにより温度上昇を
抑えて効率的な加熱を行うことができる。

【００３９】また、誘導加熱コイル６９のコイルの巻回
密度を適宜設定することにより定着ローラ５９の軸方向
の温度分布を任意に設定することができるもので、これ
により軸方向の温度分布を均一にすることができ、定着
性を向上させることができる。

【００４０】さらに、誘導加熱コイル６９は、定着ロー
ラ５９から一定の隙間をあけて配置されているため、定
着ローラ５９の発熱の影響によってコイルの許容温度以
下までしか熱せられる事がなく、安全性を高めることが
できる。また、定着ローラ５９は、誘導加熱方式によっ
て加熱されるため、高効率でエネルギー密度が高く、常
温から加熱される場合でも素早く目標温度まで加熱さ
れ、印字開始までの時間を短縮させることができる。

【００４１】次に、図７及び図８に、本発明の他の加熱
部の構成図を示す。図７（Ａ），（Ｂ）は、定着ローラ
５９に対して二つ（三つ以上でもよい）の誘導加熱コイ
ル７０ａ，７０ｂを配置したもので，該誘導加熱コイル
７０ａ，７０ｂを配置したもので、該誘導加熱コイル７
０ａ，７０ｂより発生する磁束の無駄を除くことができ
るものである。

【００４２】また、図８（Ａ），（Ｂ）は、定着ローラ
５９の円周方向に沿わせて円弧状の誘導加熱コイル７１
を配置したもので、図７と同様に磁束の無駄を除くこと
ができるものである。

【００４３】なお、図７（Ａ），（Ｂ）及び図８
（Ａ），（Ｂ）における誘導加熱コイル７０ａ，７０
ｂ，７１の巻回されるコイルの形状及び配置は図５及び
図６と同様である。

【００４４】続いて、図９に、図１のキャリッジの動作
説明図を示し、図３と共にその動作を説明する。図９
（Ａ），（Ｂ）はプロセス部及び定着部の一部分を示し
たものである。図９（Ａ）は、キャリッジ３２がホーム
ポジションに位置している場合を示しており、ホームポ
ジションとは印字開始時の位置と、必要に応じて各一ラ
イン（記録ドラム５１の幅のライン）ごとに戻る位置の
ことをいう。

【００４５】この状態では記録ドラム５１は記録紙３９
の幅の外に位置され、定着ローラ５９（軸受部６１ａ，
６１ｂ）は退避部４２上に位置される。このとき、これ
より印字を開始する場合には、定着ローラ５９は加熱部
６３である誘導加熱コイル６９によって作られる磁束の
変化により発生したシュール熱で約１８０℃程度に加熱
される。加熱は前述のように誘導加熱コイル６９をイン
バータ６５が駆動し、サーミスタ６４による温度検出に
よって主制御回路６６が温度制御を行う。なお、この主
制御回路６６は、図３に示すように、プロセス部からの
信号（例えば記録ドラムの回転信号等）により、その位
置に応じて定着ローラ５９を加熱するか否かを判断して
温度制御を行う。

【００４６】そこで、印字が開示されると、図９（Ｂ）
に示すように、キャリッジ３２がキャリアモータ３７に
より記録紙３９の搬送方向と垂直な方向（記録紙３９の
幅方向）に移動されると同時に、記録紙３９との相対的
な速度に応じて記録ドラム５１及び定着ローラ５９が回
転する。すなわち、露光器５３、現像ローラ５６等によ
り記録ドラム５１上に形成された可視像（トナー像）が
転写器４１によって記録紙３９に転写され、その転写像
を直後の定着ローラ５９で定着を行うものである。

【００４７】そして、一ライン終了ごとにキャリッジ３
２が図９（Ａ）のホームポジションに戻り、以後定着ロ
ーラ５９は加熱部６３により小範囲で温度制御されて印
字終了まで繰り返されるものである。

【００４８】このように、プロセス部３３と一体又は同
期して直後に移動する定着部３４によって転写すること
により短時間で加熱定着が行われ、このときの転写器４
１を構成する耐熱導電部材４１ｂにおいては熱による変
更等が防止される。また、転写器４１に耐熱部材の退避
部４２を設けていることから、印字前の定着ローラ５９
の加熱時における熱拡散が防止されると共に、該退避部
４２の熱による変質を防止することができる。さらに使
用される定着ローラ５９は、誘導加熱法により加熱され
ることから小形であり、熱容量の小さいものを使用する
ことができるものである。

【００４９】ところで、定着ローラ５９は加熱されてい
ることから、この定着ローラ５９に記録紙３９が張り付
く場合があり、従来は分離爪を定着ローラ５９に接触さ
せて分離させていたが、図４に示すように、加圧バネ６
８で定着ローラ５９を記録紙３９に一定圧力で加えてお
り、又、記録紙３９は搬送手段（３８ａ，３８ｂ）に保
持される事により、このときの該定着ローラ５９の回転
力で記録紙３９の張り付きを防止することができるもの
である。これにより分離爪を特に設ける必要がなく定着
ローラ５９の寿命を延ばすことができるものである。

【００５０】次に、図１０に、本発明の第２実施例の構
成図を示す。図中、第１実施例と同一の構成部分には同
一符号を付し、説明を省略する。図１０（Ａ）はキャリ
ッジ部分の平面図、図１０（Ｂ）は概略側部断面図であ
る。

【００５１】図１０（Ａ），（Ｂ）において、キャリッ
ジ３２における定着部３４は、断熱部材の筐体３４ａ内
に定着ローラ５９及びシリコンオイルを塗布する塗布器
６２のみが設けられると共に、その筐体３４ａの一部が
開口されて構成される。また、転写手段である転写器４
１（基板４１ａ，耐熱導電部材４１ｂ）の一端に、曲面
形状であって、図５，図７，図８に示すような誘導加熱
コイル（図に表われず）が形成された第１の加熱部８１
が第１の加熱手段として設けられる。

【００５２】この第１の加熱部８１及び近傍の転写器４
１の一部分をキャリッジ３２のホームポジションとす
る。すなわち、キャリッジ３２がホームポジションのと
きに、第１の加熱部８１上に定着ローラ５９が、接触又
は微小空隙をもって位置される。

【００５３】第１の加熱部８１には、温度検知手段であ
るサーミスタ８２が設けられ、このサーミスタ８２の検
知温度に基づいて加熱駆動制御部８３により加熱及び温
度制御が行われる。この加熱駆動制御部８３は図３にお
けるインバータ６５及び主制御回路６６に該当する。

【００５４】また、転写器４１の下部には、該転写器４
１を保温するための第２の加熱部８４が記録紙３９と略
同幅で第２の加熱手段として設けられる。

【００５５】なお、他の構成は上記第１実施例と同様で
あり、説明を省略する。

【００５６】そこで、図１１に、図１０の動作説明図を
示す。まず、図１１（Ａ）に示すように、キャリッジ３
２はホームポジションに位置する。このとき、第１の加
熱部８１上に定着ローラ５９が位置されて誘導加熱され
る。加熱はサーミスタ８２からの検知温度に基づいて加
熱駆動制御部８３が制御を行う。一方、転写器４１にお
いても第２の加熱部８４により加熱される。

【００５７】ホームポジションで定着ローラ５９が所定
の温度（例えは１８０℃〜）まで加熱されると、図１１
（Ｂ）に示すように、記録紙３９の搬送方向と垂直方向
にキャリッジ３２が移動して印字動作が開始される。キ
ャリッジ３２の移動中は定着ローラ５９の加熱は行わな
いことから、移動中の定着ローラ５９の表面温度以下の
防止を、第２の加熱部８４が転写器４１を加熱して保温
を行うものである。

【００５８】そして、図１１（Ｃ）に示すように、一ラ
イン分の印字が終了すると、再び図１１（Ａ）のように
ホームポジションに戻り、次のライン分だけ記録紙３９
が搬送される。このとき、ホームポジションで定着ロー
ラ５９が再び所定温度に加熱制御されるものである。

【００５９】このように、定着ローラ５９の加熱手段が
定着部３４から外部に設けられることにより、キャリッ
ジ３２の小型化ができ、これに伴って装置の小型化がで
きる。また、加熱手段の高圧部分が固定側に配置される
ことから、ノイズが少なく、通電のためのケーブル同士
のリークの可能性を減少させることができると共に、記
録紙３９の異常加熱による発煙の可能性を防止すること
ができる。また、定着ローラ５９の温度制御が容易であ
り、プレヒート時間を短縮させることができるものであ
る。

【００６０】続いて、図１２に、本発明の第２実施例の
他の実施例の説明図を示す。図中、図１１と同一構成部
分には同一符号を付し、その説明を省略する。ここで、
図１２（Ａ）はキャリッジ３２がホームポジションに位
置する場合であり、図１２（Ｂ）が印字中、図１２
（Ｃ）が印字終了状態を示している。

【００６１】図１２（Ａ）〜（Ｃ）は、転写器４１の一
端に、加熱手段として自己発熱部材のハロゲンランプ９
１を設け、キャリッジ３２がホームポジションのときに
定着ローラ５９を外側から加熱するように配置したもの
である。この場合、ハロゲンランプ９１の周囲には放射
熱の効率を良好とするために反射板９２が設けられる。
また、定着ローラ５９内には温度検出手段のサーミスタ
９３が設けられる。

【００６２】すなわち、サーミスタ９３の検知温度に基
づいて加熱駆動制御部８３がハロゲンランプ９１の照射
強度を変化させて、定着ローラ５９の温度制御を行うも
ので、他の構成は図１０と同様である。

【００６３】そこで、まず、キャリッジ３２がホームポ
ジションのときに、ハロゲンランプ９１により定着ロー
ラ５９が十分な温度に加熱されたときに印字が開始され
る（図１２（Ａ））。例えば印字中、定着ローラ５９の
温度はサーミスタ９３により検出されており、印字途中
（図１２（Ｂ））で定着ローラ５９の表面温度が記録紙
３９上に形成されたトナー側を加熱定着させるのに不十
分な温度になった場合、現在実行中一ライン分の転写プ
ロセス動作と不十分な温度状態下での定着動作を一応継
続させる（図１２（Ｃ））。

【００６４】そして、キャリッジ３２がホームポジショ
ンに退避を行い、ハロゲンランプ９１により所定の温度
になるまで加熱される。このとき、記録紙の改行動作
（搬送）は行わず、定着動作のみを再度行うことによっ
て、温度低下による印字の不良の発生を防止している。

【００６５】なお、図１０において、サーミスタ８２が
定着ローラ５９側に設けられた場合にも、上述の動作を
行わせることによって印字不良の発生を防止するもので
ある。

【００６６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、キャリッ
ジが記録紙への印字開始位置に位置したときに定着部材
を退避部に位置させ、または定着手段内で定着部材を誘
導加熱コイルにより、または転写手段の一端に設けられ
た加熱手段で定着部材を加熱することにより、装置の安
全性の向上を図ることができると共に、印字開始時間の
短縮、装置の小型化を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の構成図である。

【図２】本発明の第１実施例の概略全体図である。

【図３】図１のキャリッジの構成図である。

【図４】図３の定着ローラの加熱の説明図である。

【図５】図４の加熱部の誘導加熱コイルの説明図であ
る。

【図６】図４の加熱装置の原理の説明図である。

【図７】本発明の他の加熱部の構成図（１）である。

【図８】本発明の他の加熱部の構成図（２）である。

【図９】図１のキャリッジの動作説明図である。

【図１０】本発明の第２実施例の構成図である。

【図１１】図１０の動作説明図である。

【図１２】本発明の第２実施例の他の実施例の説明図で
ある。

【図１３】従来の電子写真プリンタのキャリッジの構成
図である。

【図１４】従来のキャリッジの他の構成図である。

【符号の説明】

３１電子写真プリンタ３２キャリッジ３３プロセス部３４定着部３８ａ，３８ｂ搬送ローラ３９記録紙４１転写器４１ａ基板４１ｂ退避部４２ａ，４２ｂ耐熱部材５１記録ドラム５２帯電器５３露光器５６現像ローラ５９定着ローラ６１ａ，６１ｂ軸受部６３加熱部６４サーミスタ６５インバータ６６主制御回路６８加圧バネ６９誘導加熱コイル８１第１の加熱部８４第２の加熱部９１ハロゲンランプ９３サーミスタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｇ０３Ｇ 15/20 １０１１０９ 21/00 ３７０ 2107−2ＨＨ０５Ｂ 6/02 Ｚ 7361−3Ｋ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】記録紙（３９）を搬送する搬送手段（３
８ａ，３８ｂ，４０，４０ａ）と、前記記録紙（３９）の送り方向と平行な回転軸（５１
ａ）を有して回転される像担持体（５１）に帯電による
潜像を形成して現像するプロセス手段（３３）、及び前
記現像像の前記記録紙（３９）への転写後に加熱手段
（６３）で加熱された定着部材（５９）により定着させ
る定着手段（３４）を備えるキャリッジ（３２）と、前記像担持体（５１）と前記記録紙（３９）を介在させ
て耐熱導電部材（４１ｂ）とが対向されて前記現像像を
前記記録紙（３９）に転写させるものであって、一端
に、前記像担持体（５１）が前記記録紙（３９）への印
字開始位置に位置されたときに、前記定着部材（５９）
を位置させる退避部（４２）が設けられる転写手段（４
１）と、前記キャリッジ（３２）を前記転写手段（４１）上で前
記記録紙（３９）の送り方向と垂直な方向に移動させる
移動手段（３７，３７ａ）と、を有することを特徴とする電子写真プリンタ。
【請求項２】前記転写手段（４１）の前記退避部（４
２）は、前記定着部材（５９）の軸方向の両側に対応し
て対向される二つの耐熱部材（４２ａ，４２ｂ）で形成
され、前記定着部材（５９）の軸方向の両側に前記二つ
の耐熱部材（４２ａ，４２ｂ）上で位置される軸受部
（６１ａ，６１ｂ）が設けられることを特徴とする請求
項１記載の電子写真プリンタ。
【請求項３】前記定着手段（３４）の前記定着部材
（５９）を前記記録紙（３９）に対して所定の圧力を加
える加圧手段（６８）を設けることを特徴とする請求項
１記載の電子写真プリンタ。
【請求項４】前記キャリッジ（３２）内の前記定着手
段（３４）は、前記定着部材（５９）が磁性部材を含ま
せて形成され、前記加熱手段（６３）が前記定着部材
（５９）の近傍に所定形状で設けられて前記定着部材
（５９）を加熱駆動手段（６５）により誘導加熱法で加
熱する所定数の誘導加熱コイル（６９，６９ａ，６９
ｂ，７０ａ，７０ｂ，７１）で形成されることを特徴と
する請求項１記載の電子写真プリンタ。
【請求項５】前記誘導加熱コイル（６９，６９ａ，７
０ａ，７０ｂ，７１）は、前記定着部材（５９）の周縁
に沿って巻回されたコイルを１個乃至複数個設けること
を特徴とする請求項４記載の電子写真プリンタ。
【請求項６】前記誘導加熱コイル（６９，６９ａ，６
９ｂ，７０ａ，７０ｂ，７１）は、巻回されるコイルの
中央付近を空き領域とすることを特徴とする請求項４又
は５記載の電子写真プリンタ。
【請求項７】前記誘導加熱コイル（６９，６９ａ，６
９ｂ，７０ａ，７０ｂ，７１）は、巻回されるコイルの
断面形状が中央部分方向に従って低くなる所定数の段階
状に形成されることを特徴とする請求項４乃至６記載の
電子写真プリンタ。
【請求項８】前記定着部材（５９）に温度検出部（６
４）を設け、検知温度に応じて前記誘導加熱コイル（６
９，６９ａ，６９ｂ，７０ａ，７０ｂ，７１）を加熱す
る加熱駆動手段（６５）を制御する加熱制御手段（６
６）を設けることを特徴とする請求項４記載の電子写真
プリンタ。
【請求項９】記録紙（３９）を搬送する搬送手段（３
８ａ，３８ｂ，４０，４０ａ）と、前記記録紙（３９）の送り方向と平行な回転軸（５１
ａ）を有して回転される像担持体（５１）に帯電による
潜像を形成して現像するプロセス手段（３３）、及び前
記現像像の前記記録紙（３９）への転写後に定着部材
（５１）により定着させる定着手段（３４）を備えるキ
ャリッジ（３２）と、前記像担持体（５１）と前記記録紙（３９）を介在させ
て耐熱導電部材（４１ｂ）とが対向されて前記現像像を
前記記録紙（３９）に転写させるものであって、一端
に、前記像担持体（５１）が前記記録紙（３９）への印
字開始位置に位置されたときに、前記定着部材（５９）
を加熱する第１の加熱手段（８１，９１）が設けられる
転写手段（４１）と、前記キャリッジ（３２）を前記転写手段（４１）上で前
記記録紙（３９）の送り方向と垂直な方向に移動させる
移動手段（３７，３７ａ）と、を有することを特徴とする電子写真プリンタ。
【請求項１０】前記第１の加熱手段（８１，９１）に
より前記定着部材（５９）を加熱するにあたり、前記第
１の加熱手段（８１，９１）と前記定着部材（５９）と
を接触させ、または所定間隔で近接配置させることを特
徴とする請求項９記載の電子写真プリンタ。
【請求項１１】前記第１の加熱手段（８１）は、前記
定着部材（５９）を誘導加熱法で加熱する誘導加熱コイ
ルで構成することを特徴とする請求項９記載の電子写真
プリンタ。
【請求項１２】前記第１の加熱手段（９１）は、前記
定着部材（５９）を加熱する自己発熱部材で構成するこ
とを特徴とする請求項９記載の電子写真プリンタ。
【請求項１３】前記定着部材（５９）または前記第１
の加熱手段（８１，９１）の何れかに、前記定着部材
（５９）の温度を検出する温度検出手段（８２，９３）
を設け、検知温度に応じて加熱位置で前記第１の加熱手
段（８１，９１）を駆動し、温度制御する加熱駆動制御
部（８３）を設けることを特徴とする請求項９記載の電
子写真プリンタ。
【請求項１４】前記転写手段（４１）に、加熱された
前記定着部材（５９）を保温するための第２の加熱手段
（８４）を設けることを特徴とする請求項９記載の電子
写真プリンタ。
【請求項１５】前記キャリッジ（３２）の定着手段
（３４）を、断熱部材の筐体（３４ａ）内に配置するこ
とを特徴とする請求項９記載の電子写真プリンタ。