JPH07693B2 - 架橋重合体成型物の製造方法 - Google Patents
架橋重合体成型物の製造方法Info
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- JPH07693B2 JPH07693B2 JP2897288A JP2897288A JPH07693B2 JP H07693 B2 JPH07693 B2 JP H07693B2 JP 2897288 A JP2897288 A JP 2897288A JP 2897288 A JP2897288 A JP 2897288A JP H07693 B2 JPH07693 B2 JP H07693B2
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Description
触媒系の共存下成型鋳型内に流し込み、該型内でバルク
重合と同時に成型を行う方法、それによって得られた重
合体成型物およびそのための反応性溶液の組合せに関す
るものである。
特定の化合物を添加して、重合成型する事によって、耐
衝撃性に優れ、かつ、残留モノマーの非常に少ない改良
された重合体成型物に関するものである。
架橋重合体を与えることは公知である。
メタセシス重合性の基を2個有するモノマーを液状の状
態で鋳型に流し込み、その型内でバルク重合せしめ、重
合と同時に成型を一段で行う方法が提案された(例えば
特開昭58-129013号公報参照)。
物が得られるため広範な用途に使用出来る可能性を有す
る。
性をもって使用されるためには大きな改良が必要である
ことが判ってきた。そのうち特に重要なものとして耐衝
撃性の改良,耐熱性の改良及び残留モノマーによる成型
物から発せられる臭の減少の三つをあげることが出来
る。
形品には耐衝撃性が良好であることが要求される用途が
多い。しかしながら、一般に前記の如きメタセシス重合
性モノマー特に架橋性モノマーでは、この耐衝撃性が不
足することが多い。その改善法として、モノマーに可溶
性のゴムの共存下に、重合体成型物を形成させる方法
や、可塑剤を加える方法が提案されている。可塑剤を加
える方法は一般に加えた可塑剤のブルーミングの問題な
どがあり、充分な方法とは言い難いのに対し、ゴムを添
加する方法は少量の添加でもかなり大きな効果が認めら
れ、有効な方法といえる。かかる、ゴム或はエラストマ
ーとして一般に炭化水素のゴム、例えば、ポリ−シス−
1,4−ブタジエンゴム(BR)、ポリスチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、ポリ−シス−1,4−イソプレンゴム(I
R),ポリエチレンプロピレンゴム(EPR)、ポリエチレ
ン−プロピレン−ジエンターポリマーゴム(EPDM)、ポ
リイソプチレンゴム(IIR)等が、使用しやすいことが
判ってきている。
上、どうしても未反応モノマーが残留してしまうことに
なる。
タジエン(DCP)の場合は、DCP及びこれが解離したシク
ロペンタジエンとなるがこれらを含めてかかるメタセシ
ス重合性モノマー類は一般に、特有の強い、しかも不快
な臭いを有している場合が多いために成型物が、かかる
臭いを発することが、商品としての成型物の大きな問題
になる訳である。
て、熱変形温度(HDT)等で表わされる耐熱性が損われ
ることが判った。しかも、かかる触媒を含有する反応性
溶液は保存中に重合活性が落ちる場合がありその場合や
また、後述する如く反応性溶液の混合比が、ずれた場合
等で、残留モノマーが増加する場合がよくありその場合
には、臭だけではなく、耐熱性が損われるのは上記の通
りである。そこで、かかる重合体成型物の製造にあたっ
て残留モノマーを出来るだけ少くすることは、臭の改良
と耐熱性の改良の両方に効果があることになる。
1,344号明細書には、トリハロゲン化メチル基を有する
炭化水素化合物や、β位の二重結合によって活性化され
たハロゲン原子を有する炭化水素化合物を添加する方法
が開示されている。
明確にはなっていないが、メタセシス重合開始以前の反
応性溶液中に含有されている場合には、何ら作用を及ぼ
さないようであり、従って、重合反応開始後、或は終了
後の触媒系と反応することによってその作用が開始され
るものと考えられる。
元素である遷移金属イオン、例えばタングステンのその
最高原子価から、活性剤として用いられたアルキルアル
ミ等の作用により還元され、それより低い原子価になっ
ているものと該化合物が酸化還元系を形成し、遷移金属
イオンを酸化するとともにハライドイオンの引抜きによ
り自体は還元されラジカルを発生させると考えたもので
ある。かかる酸化された金属イオンか、生成したラジカ
ルかのいずれかの作用により残留モノマーが、さらに反
応して減少すると考え、上記の如きハロゲン化炭化水素
以外にも、その可能性のある化合物、例えば、カルボン
酸ハライド、ハロゲン化されたケイ素,リン,硫黄等の
化合物についても、同様な効果がありうることを確認出
来たものである。
つ、エラストマーを添加した該重合体成型物において
は、残留モノマーの減少とともに、耐熱性の向上も認め
られる。
の改良課題、即ち、耐衝撃性の改良、耐熱性の改良及び
残留モノマーの減少が、実現出来る可能性ができたこと
になる。ところが、この二つの添加剤の間に相互作用が
あり、その効果が減殺される場合があることが判ってき
たものである。
分減少させうる量を用いると、耐衝撃性が損われること
があることが判ってきたものである。そこで本発明者
は、更に詳細に、この現象を調べた所、用いるエラスト
マーを特定のものを選択すれば、モノマー減少剤による
耐衝撃性の低下が実質的に起らないことを見出し得て、
本発明に到達したものである。即、本発明は、 メタセシス重合性モノマーを、メタセシス重合触媒系の
共存下に重合と成型とを同時におこなう重合体成型物の
製造方法において、主として炭化水素よりなり、かつ、
主鎖又は側鎖に含有される炭素−炭素二重結合を有する
繰返し単位が全繰返し単位中の10モル%以下である可溶
性のエラストマー(I)と、メタセシス重合触媒系中の
遷移金属元素の最高原子価よりも低位の原子価状態のも
のとの酸化還元反応によって還元されてラジカルを形成
しうる化合物(II)の各々を少なくとも一種添加してお
こなうことを特徴とする重合体成型物の製造方法であ
る。
を含むメタセシス重合性モノマーの反応性溶液(溶液
A)および b)メタセシス重合触媒系の活性化成分を含むメタセシ
ス重合性モノマーの反応性溶液(溶液B) より少なくともなる反応性溶液の組合せにおいて、これ
らの溶液A及び溶液Bの少なくとも一方に主として炭化
水素よりなり、かつ主鎖及び側鎖に含有される炭素−炭
素二重結合を有する 繰返し単位が全繰返し単位中の10モル%以下である可溶
性のエラストマー(I)と、メタセシス重合触媒系中の
遷移金属元素の最高原子価よりも低位の原子価状態のも
のと酸化還元反応によって還元されてラジカルを形成し
うる化合物(II)の各々を少なくとも一種含有せしめて
なる反応性溶液の組合せを使用することができる。(但
し、上記のエラストマー中の二重結合としては芳香族基
中の共役二重結合は含まないものとする。) 炭化水素系のエラストマーは不飽和系と飽和系の二つに
大別されることが知られている。即ち前者はブタジエ
ン、イソプレン等の共役ジエンを主モノマーとして用い
るものであってエラストマーを構成する繰返し単位の大
半、少なくとも50モル%以上に、炭素−炭素二重結合が
残存することになる。かかるグループに属するエラスト
マーとして、ポリ−1,4−シスブタジエン,ポリ−1,4−
シスイソプレン,天然ゴム,ポリ−スチレン−ブタジエ
ン共重合エラストマー,ポリ−スチレン−イソプレン共
重合エラストマー等をあげることが出来る。
ィンを主モノマーとして得られるものであって、原則と
して主繰返し単位中に、炭素−炭素二重結合を有してい
ないものである。ただ、飽和系のゴムにおいても、完全
に不飽和結合を繰返し単位中に有さないと、過酸化物等
の強力な加硫剤によってしか加硫出来なくなるために加
硫のために、少量の不飽和結合を繰返し単位中に有する
ように共役ジエン,非共役ジエン等を共重合せしめたも
のが用いられている。
し単位中の10モル%以下となっている。
なるものとしてエチレン−プロピレンゴム(EPR),エ
チレン−ブチレンゴム(EBR)等をあげることが出来
る。少量のジエンを共重合成分として含有するものとし
て、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマーゴム
(EPDM),エチレン−ブチレン−ジエンタ−ポリマーゴ
ム(EBDM),イソブチレンゴム(IIR)[一般にイソプ
レンを少量共重合している]等をあげることが出来る。
合において、上記の如き耐衝撃性の低下が起こらないこ
とを見出したものである。
先ず、エチレン−プロピレンゴム(EPR),エチレン−
プロピレンジエンタ−ポリマーゴム(EPDM)をあげるこ
とが出来る。
であるが、本発明の目的からは、用いられるメタセシス
重合性モノマー類に対して、反応性溶液として使用され
る場合に不都合がない程度に溶解されることが要求され
る。
が用いられ特に60〜85モル%のものが好ましい。EPDMに
用いられる非共役ジエンとしては、一般にエチリデンノ
ルボルネン(ENB)又はジシクロペンタジエン(DCP)が
用いられる。かかる非共役ジエン類は、全繰返し単位中
の10モル%以下、より好ましくは、6〜1モル%の範囲
が用いられる。
BDMも同様に用いることが出来る。
ン含量をあげても、結晶化が出て、ゴム弾性が損なわれ
ないようにすることを目的として用いられるもので、EP
RやEPDMと同様のエチレン含量,非共役ジエン含量で用
いられるが特に高エチレン含量,即ち75〜95モル%の範
囲より好ましくは、80〜90モル%の範囲が用いられる。
記以外にポリイソブチレンゴムを用いることが出来るの
は前述の通りである。ただ、IIRはその気体透過性の低
さからチューブ用として賞用されているが、耐衝撃性を
増す目的に用いた場合の効果がそれ程大きくないことを
留意しておく必要がある。
述の如き、ポリスチレン−イソプレン共重合ゴムや、ポ
リスチレン−ブタジエン共重合ゴムを水添し、芳香環を
除いた二重結合の残存量が前記の如き飽和系ゴムの定義
に適応するようになったものは、これに包含することが
出来る。
適な添加量については、二つの因子によって決められ
る。
粘度の二つの因子である。
ある樹脂成型物の耐衝撃性の改良に充分効果のありうる
量が必要である。但し、一般には耐衝撃性の増加ととも
に、剛性が落ちる可能性があるので、本樹脂の使用目的
に応じた剛性の維持出来る範囲にとめなければならな
い。
る成型法によって成型するかによって異ってくるが、例
えば、最も効率のよい反応射出成型法を用いる場合、衝
突混合によって効率のよい混合が行われるとともに、か
かる混合された反応性溶液が型内に流入する場合、層流
状態で入らないと、泡をかみ込み成型物内に泡が多く残
ることになる。後者の要件を満足するためには、レイノ
ルズ数によって解析される如く、一定以上の粘度が必要
であり、一方、前者の要件からは、あまり粘度が高い衝
突混合に必要なエネルギーが大きくなり、従って射出圧
をたかくしなくてはならなくなり機械的に問題が生じる
ことになる。
000cpsぐらいのより好ましくは250〜500cpsの範囲とな
る。従って、かかる粘度を与え、かつ耐衝撃性を充分改
良しうる量、添加出来る分子量のエラストマー(I)を
選択して、用いればよいことになる。エラストマー
(I)の分子量は熔融粘度の一種であるムーニー粘度を
パラメーターとして表記される場合が多いが、100℃測
定において、5〜20の範囲のものが用いられる。また、
添加量については反応性溶液中に1〜15重量%、より好
ましくは3〜10重量%の範囲が用いられる。
(B)に一般に溶解して用いられる。従って前述の如
く、上記の如き使用条件下で、メタセシス重合性モノマ
ーを主とする溶液に実質的に溶解する必要がある。
て、衝突混合や型内への流入にあたって、不都合の生じ
ない程度に流動性を維持出来るように、溶解することを
意味する。
(B)の少なくとも一方に溶解する訳であるが、一般に
反応射出成型に用いる場合衝突混合する二つの液は粘度
が同じ方が混合効率が良いことが知られており、両方の
反応性溶液に、ほぼ等しい濃度,溶解して用いるのが好
ましい。
モノマー減少剤(II)の好適な例としてハロゲンと炭
素,硫黄,リン,ケイ素との結合を少なくとも1つ有
し、かつこの成分が、ハロゲンと結合している元素に対
する置換基によって活性化されているものをあげること
が出来る。
の如くハロゲンと結合している炭素がα位の二重結合に
よって活性化しているものが好ましく、好適な例として
は、トリクロロメチルベンゼン,ω,ω′−ジクロロジ
フェニルメタン,m−,又はp−ビス(トリクロロメチ
ル)ベンゼン,ω,ω,ω′,ω′−テトラクロロ−1,
4−ジベンジルベンゼン,ω−クロロジフェニルメタ
ン,ω−クロロトリフェニルメタン,ベンジルクロライ
ド,m−又はp−キシリレンジクロライド,トリクロロ酢
酸エチル等をあげることが出来る。
は、カルボン酸ハライド類をあげることが出来るが、好
適な例としては、テレフタル酸クロライド,イソフタル
酸クロライド,o−フタル酸クロライド,トリメシル酸ク
ロライド等をあげることが出来る。
炭素の場合と同様のα位の二重結合によって活性化して
いるものが好ましく、トリクロロシリルベンゼン,ジフ
ェニルジクロロシラン,p−ビス(トリクロロシリル)−
ベンゼン,ビニル−トリクロロシラン等をあげることが
出来る。
キシ塩化リン,ベンゼンホスホン酸ジクロライド等をあ
げることが出来る。
は、ベンゼンスルホン酸クロライド,トリエンスルホン
酸クロライド等を入手しやすい化合物としてあげること
が出来る。これらのハロゲン含有残留モノマー減少剤と
しては、カルボン酸無水物をあげることが出来る。かか
る例としては安息香酸無水物をあげることが出来る。
媒の主触媒の遷移金属元素イオンとの相互作用によって
作用すると考えられており、従って、この遷移金属含有
モル濃度を基準として添加量を決めるのが考え易い。こ
の場合、残留モノマー減少剤(II)に遷移金属元素イオ
ンと作用しうる基が、2個以上有する時は、2つが別々
に作用しうると考え、使用モル量を官能基数で除した使
用当量を基準に考えることになる。
般に0.2〜4倍量より好ましくは、0.5〜1.5倍量の付近
が用いられる。
ましい。
セシス重合性モノマーとしてDCPを用い、タングステン
系とアルミニウム系よりなるメタセシス触媒系を用いた
架橋重合体成型物において3mm厚のプラークを用いて、
ノッチ付アイゾットが、40kgcm/cm〜55kgcm/cm、熱変形
温度(18.5kg/cm2荷重)で95〜105℃残留モノマー1.0%
以下のものが得られるようになる。
には、同じ条件でのノッチ付アイゾットが、5〜10kgcm
/cm熱変形温度が90℃前後、残留モノマーが2〜3.5%付
近のものしか得られないことを考慮するとその効果の顕
著なことが実感出来ると考える。
減少剤(II)とともに、成型物を形成するために用いら
れるメタセシス重合性モノマーとしては、メタセシス重
合によってバルク重合して成型物を与え得るものなど、
いかなるものでも差支えないが一般にメタセシス重合性
シクロアルケン基を1〜4個含有するものが用いられ
る。特にノルボルネン型の結合を有するものが好まし
い。特に炭化水素系のものが好ましく、具体例として
は、ジシクロペンタジエン,ジヒドロジシクロベンタジ
エン,シクロペンタジエン−メチルシクロペンタジエン
共二量体,5−エチリデンノルボルネン,5−ビニルノルボ
ルネン,ノルボルネン,5−シクロヘキセニルノルボルネ
ン,1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン,1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン,6−エチリデン−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘプタヒドロナフタレン,1,4,
5,8−ジメタノ−1,4、4a,5,8,8a−ヘキサヒドロナフタ
レン,トリシクロ[8,2,1,0]トリデカ−5,11−ジエ
ン,ノルボルナジエン,5−フェニルノルボルネン,エチ
レンビス(5−ノルボルネン)などをあげることができ
る。就中特にジシクロペンタジエン或いはそれを50%以
上より好ましくは70%以上含有するモノマー混合物が好
ましい。
性基を含むメタセシス重合性モノマーも用いることがで
きる。かようなメタセシス重合性モノマーもノルボルネ
ン構造単位を有するものが好ましくかつ極性基として
は、エステル基,エーテル基,シアノ基或いはN−置換
イミド基などがこのしい。
応の開始を調節する作用を有しており、また生成した重
合体成型物中に極性基を導入しうる効果もあるので、そ
れらの作用の必要性に応じて好適に用いられる。
メチル−フェニルエーテル,ビス[(5−ノルノルネニ
ル)メチル]エーテル,5−メトキシカルボニルノルボル
ネン,5−メトキシカルボニル−5−メチル−ノルボルネ
ン,5[(2−エチルヘキシロキシ)カルボニル]ノルボ
ルネン,エチレン−ビス(5−ノルボルネンカルボキシ
レート),5−シアノノルボルネン,6−シアノ−1,4,5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン,N−ブチルナディク酸イミド,5−(4−ピリジル)
−ノルボルネンなどを挙げることが出来る。
タセシス重合性モノマーも用いることが出来る。かかる
モノマーの具体例としては、5−クロロノルボルネン,5
−ブロモノルボルネン,5,5,6−トリクロロノルボルネ
ン,5,5,6,6−テトラクロルノルボルネン,5,6−ジブロモ
ノルボルネン,5−(2,4−ジブロモフェニル)ノルボル
ネンなどを挙げることが出来る。
シス重合触媒を阻害する不純物の含有量は極力小さいも
のが好ましい。
重合触媒系は、知られているように一般に触媒成分と活
性化剤成分の二成分からなる。
であり、一旦重合が開始されると、系がさらに加熱され
反応が加速されることになる。
る溶液(溶液A)と、モノマーと活性化剤成分より主と
してなる溶液(溶液B)との二つの溶液を予め調製して
おき、衝突混合(RIM方式)やスタティックミキサーな
どの手段によって急速混合し直ちに鋳型に注入し、賦形
した後、型内で硬化させる方式が好適に使用出来る。そ
の場合、モノマーの組成は、両液で同じであることは必
要でなく、モノマーの機能によって任意に変更すること
が出来る。また前記の如く、エラストマー(I)の添加
量を両液によって変えることもできるが、一般に反応射
出成型法においては、両液の粘度が等しい方がミキシン
グが効果的に行われるのでその方がより好ましい。
メタセシス重合の開始を遅延する調節剤として働くルイ
ズベース、或いはかかるルイスベースを有するメタセシ
ス重合モノマーを加えて、重合開始を遅延し、予め生成
したプレミックスを型内に流入する方法もとることが出
来る。この場合は型内にガラス繊維マットなどを予め付
置しておくことにより、繊維強化成型物を得るのに有利
である。
ステン,レニウム,タンタル,モリブデンなどのハライ
ドなどの塩類が用いられるが、特にタングステン化合物
が好ましい。かかるタングステン化合物としては、タン
グステンハライド,タングステンオキシハライドなどが
好ましくより具体的には、タングステンヘキサクロライ
ド,タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩またはモリブデ
ン酸塩なども用いることが出来る。かかるタングステン
化合物は、直接モノマーに添加すると、直ちにカチオン
重合を開始することが判っており好ましくない。従って
かかるタングステン化合物は不活性溶媒例えばベンゼ
ン,トルエン,クロロベンゼン等に予め懸濁し、少量の
アルコール系化合物またはフェノール系化合物を添加す
ることによって可溶化させて使用するのが好ましい。
めにタングステン化合物1モルに対し、約1〜5モルの
ルイス塩基またはキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン,アセト酢
酸アルキルエステル類、テトラヒドロフラン,ベンゾニ
トリルなどを挙げることができる。本発明で用いられる
共重合用極性モノマーは、前述の如く、そのものがルイ
ス塩基である場合があり、上記の如き化合物を特に加え
なくてもその作用を有している場合もある。
実用上充分な安定性を有することになる。
期律表第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心とす
る有機金属化合物、特にテトラアルキルスズ,アルキル
アルミニウム化合物,アルキルアルミニウムハライド化
合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニウ
ム,ジ塩化エチルアルミニウム,トリオクチルアルミニ
ウム,ジオクチルアルミニウムアイオダイド,テトラブ
チル錫などを挙げることができる。これら活性化剤成分
としての有機金属化合物を、原料単量体に溶解すること
により、もう一方の溶液(溶液Bに相当する)が形成さ
れる。
混合することによって、架橋重合体成型物を得ることが
できるが、上記組成のままでは、重合反応が非常に速く
開始されるので、成形用鋳型に充分流れ込まない間に硬
化が起ることがあり、度々問題となる場合が多く、その
ために前述の如く活性調節剤を用いることが好ましい。
れ、就中エーテル類、エステル類,ニトリル類などが用
いられる。具体例としては安息香酸エチル,ブチルエー
テル,ジグライムなどをあげることが出来る、かかる調
節剤は一般的に、有機金属化合物の活性化剤の成分の溶
液の側に添加して用いられる。前述と同様にルイスベー
ス基を有する共重合モノマーを使用する場合には、それ
に調節剤の役目をかねさせることが出来る。
タングステン化合物を用いる場合は、上記原料単量体に
対するタングステン化合物の比率は、モル基準で、約10
00対1〜15000対1、好ましくは2000対1の付近であり
また、活性化剤成分はアルキルアルミニウム類を用いる
場合には、上記原料単量体に対するアルミニウム化合物
の比率は、モル基準で約100対1〜約2000対〜1、好ま
しくは約200対1〜約500対1の付近が用いられる。更に
上述した如き、マスク剤や調節剤については、実験によ
って上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用い
ることが出来る。
性を改良または維持するために、さらに各種添加剤を配
合することができる。かかる添加剤としては、充填材,
含量,酸化防止剤,光安定剤,難燃化剤,高分子改良剤
などがある。このような添加剤は、本発明の重合体が形
成されて後は添加することが不可能であるから、添加す
る場合には予め前記した原料溶液に添加しておく必要が
ある。
のいずれか又は両方に前もって添加しておく方法をあげ
ることが出来るが、その場合、その液中の反応性を強い
触媒成分や、活性化剤成分と実用上さしつかえある程度
には反応せず、かつ重合を阻害しないものでなくてはな
らない。どうしても、その反応がさけえないが共存して
も、重合は実質的に阻害しないものの場合は、単量体と
混合して、第三液を調整し、重合直前に、混合使用する
ことも出来る。また、固体の充填剤の場合であって、両
成分が混合されて、重合反応を開始する直前あるいは重
合をしながら、その空隙を充分にうずめ得る形状のもの
については、成形用モールド中に、充填しておくことも
可能である。
向上するのに効果がある。かかるものとしてはガラス繊
維,雲母,カーボンブラック,ウオラストナイトなどを
あげることが出来る。これらを、いわゆるシランガプラ
ーなどによって表面処理したものも好適に使用できる。
しておくことが好ましく、そのためフェノール系又はア
ミノ系の酸化防止剤を予め溶液中に加えておくことが望
ましい。これら酸化防止剤の具体例としては、2,6−t
−ブチル−p−クレゾール,N,N′−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミン,テトラキス[メチレン(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)]メタンな
どがあげられる。
いることを必須とするが、それに加えて、必要に応じて
他のポリマーを反応溶液に添加して溶解又は懸濁して用
いることが出来る。
を同時に行うことによって製造される。
合物を前もって、混合したプレミックスを型の中に流入
せしめる方式,触媒系の2つに分けた溶液Aと溶液Bを
ヘッド部で衝突混合せしめてそのまま型に流し込むRIM
方式をとることが出来る。いずれの場合も鋳型(モール
ド)への注入圧力は比較的低圧であることができ、従っ
て安価な鋳型を使用することが可能である。
内の温度は急速に上昇し、短時間に重合反応が終了す
る。ポリウレタン−RIMの場合と異なり、モールドから
離脱は容易であり、特別の離型剤を必要としない場合が
多い。
ポリウレタン等の一般に使用される塗料への付着性は良
好である。
性が改良されており、自動車等を含めた各種運搬機器の
部材,電気,電子機器のハウジングなど、大型の成型物
を中心に広範な用途に使用出来る。
説明のためであってそれに限定するものではない。
脱水トルエン90l中に分散し、その中へ、0.925kg(12.5
モル)のt−ブタノールを5lの脱水トルエン中に溶解し
た溶液を添加、窒素気流下に3時間撹拌した。その混合
物中へさらに、ノニルフェノール11.05kg(50モル)を5
lの脱水トルエンに溶解した溶液を添加3時間撹拌し
た。その中へ、アセチルアセトンを10kg(100モル)、
滴下し、さらに一昼夜撹拌を継続する。これらの間に発
生する塩化水素は、窒素とともに系外にとり出し、苛性
ソーダ水溶液によって中和して、廃棄する。
タングステン触媒濃縮液を調製した。
kgのトリ−n−オクチルアルミニウムと13.42kgのジグ
ライムの混合物を全体が100lになるように精製ジシクロ
ペンタジエンを加えて、1.0Mアルミ活性化剤濃縮液を調
製した。
定の組成を有するメタセシス重合性モノマー溶液964.6
部と触媒濃縮液15.4部、酸化安定剤として、Ethanox 70
2(エチル社製)20部を窒素気流下に混合し、反応性溶
液(A)を各30kg調製した。
定の組成を有するメタセシス重合性モノマー溶液978.5
部と活性化剤濃縮液21.5部を窒素気流下に混合し、反応
性溶液(B)を各30kg調製した。
(A)に、所定量を添加して成型に用いた。
混合圧60kg/cm2反応性溶液AおよびBを等量づつ射出
量,合計量約400g/秒で、50cm×50cm×3mmのキャビテイ
を有し型表面を70〜90℃に保持した平板用金型内に、充
填し、反応硬化させ約3mm厚の樹脂成型物を得た。
温度(HDT)、DMAによる二次転位点(Tg)常温から低温
でのノッチ付アイゾット,曲げモジュラス,曲げ弾性率
及びトルエンで成型物を抽出し、抽出分中の残留モノマ
ーをガスクロマトグラフで定量し、エラストマー(I)
と残留モノマー減少剤(II)の添加効果を明確にするべ
く比較例との比較をおこなった。
類,組成及び反応性溶液の調製に用いたエラストマーを
溶解したモノマー溶液中のエラストマーの濃度に併記し
た。
ともに成型物の性能を表記した。なお、ここで用いた反
応性溶液A,Bはいずれも、30℃で測定した粘度は300〜40
0cpsの範囲に入っていた。
の添加によって残留モノマーは、減少しているが樹脂成
型物がもろくなり耐衝撃強度が特に低温時に大きく損わ
れていることが判る。(比較例1〜5,7〜10) さらに、残留モノマー減少剤を適量加えた時は、わずか
にHDTやTgが向上するが(比較例2,3)、残留モノマー減
少剤の添加量が多くなるとそれも、大きく低下すること
が判る。(比較例4,5) それに対し、本発明の飽和ゴムとモノマー減少剤の組合
せの場合は、残留モノマーの減少に加えて(一般に1%
以下になる)、耐衝撃性には常温〜低温でも影響がな
く、かつ、一般にHDTもTgも向上していることが判る。
飽和ゴムの場合のように、HDTやTgの大幅な低下はな
く、耐衝撃性は、常温付近ではむしろ向上し、残留モノ
マー減少剤が良好な可塑剤的に作用していることが判
る。さらに本発明で用いられる飽和系ゴムは、一般に不
飽和系ゴムに比して、同じモノマーを用いた場合でも、
HDTやTgが向上しており、それが、残留モノマー減少剤
の併用によって、耐衝撃性を犠牲にすることなくさらに
向上することがわかる。
合せによって、耐熱性の向上耐衝撃性の向上、残留モノ
マー減小による臭の減少という三つの重要課題の改良が
実現することが判る。
Claims (3)
- 【請求項1】メタセシス重合性モノマーをメタセシス重
合触媒系の共存下に重合と成型を同時におこなう重合体
成型物の製造方法において、主として炭化水素よりな
り、かつ、主鎖又は側鎖に含有される炭素−炭素二重結
合を有する繰返し単位が全繰返し単位中の10モル%以下
である可溶性のエラストマー(I)と、メタセシス重合
触媒系中の遷移金属元素の最高原子価よりも低位の原子
価状態のものとの酸化還元反応によって還元されてラジ
カルを形成しうる化合物(II)の各々を少なくとも一種
添加しておこなうことを特徴とする重合体成型物の製造
方法。 - 【請求項2】該エラストマー(I)がエチレン−プロピ
レンゴムおよびエチレン−プロピレンジエンタ−ポリマ
ーゴムからなる群より選ばれた少なくとも一種のエラス
トマーである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】該化合物(II)がω,ω′−ジクロロジフ
ェニルメタン、ω,ω,ω′,ω′−テトラクロロ−1,
4−ジベンジルベンゼン、m−ビス(トリクロロメチ
ル)ベンゼン、p−ビス(トリクロロメチル)ベンゼ
ン、イソフタル酸クロライド、オキシ塩化リン、ベンゼ
ンスルホン酸クロライドからなる群より選ばれた少なく
とも一種の化合物である請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2897288A JPH07693B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | 架橋重合体成型物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2897288A JPH07693B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | 架橋重合体成型物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01204924A JPH01204924A (ja) | 1989-08-17 |
JPH07693B2 true JPH07693B2 (ja) | 1995-01-11 |
Family
ID=12263334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2897288A Expired - Lifetime JPH07693B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | 架橋重合体成型物の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07693B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7381782B2 (en) | 2003-08-13 | 2008-06-03 | Zeon Corporation | Polymerizable composition and molded articles produced by using the same |
KR20060083411A (ko) * | 2003-08-13 | 2006-07-20 | 니폰 제온 가부시키가이샤 | 가교성 수지 조성물 및 그의 수지 성형체 |
-
1988
- 1988-02-12 JP JP2897288A patent/JPH07693B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01204924A (ja) | 1989-08-17 |
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