JPH0766046A - 電磁装置 - Google Patents
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- JPH0766046A JPH0766046A JP5211288A JP21128893A JPH0766046A JP H0766046 A JPH0766046 A JP H0766046A JP 5211288 A JP5211288 A JP 5211288A JP 21128893 A JP21128893 A JP 21128893A JP H0766046 A JPH0766046 A JP H0766046A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁心の透磁率を低く制御できるようにすると
共に、損失の少ない電磁装置を提供する。 【構成】 非晶質磁性合金製の磁性材料帯2aを巻回し
芯部に巻線用空間2bを設けた磁心2の両端部に永久磁
石4を配設し、磁心2の巻回中心軸と平行方向にバイア
ス磁界HB を印加させ、その磁心2と永久磁石4にコイ
ル3を巻回するようにした。このため、磁心2の磁化I
sが全て磁心2の巻回中心軸に平行方向に向き、コイル
3に電流Iを流した際の磁心2の磁区内の磁化過程は、
磁壁移動を伴わず、磁化回転よるもののみとなり鉄損の
低減が図れる。また、磁心2の巻回中心軸と平行方向に
大きなバイアス磁界HB が印加されているため、磁心2
の磁化Isは容易には回転できず、磁性材料帯2aの長
手方向の透磁率を下げることができる。
共に、損失の少ない電磁装置を提供する。 【構成】 非晶質磁性合金製の磁性材料帯2aを巻回し
芯部に巻線用空間2bを設けた磁心2の両端部に永久磁
石4を配設し、磁心2の巻回中心軸と平行方向にバイア
ス磁界HB を印加させ、その磁心2と永久磁石4にコイ
ル3を巻回するようにした。このため、磁心2の磁化I
sが全て磁心2の巻回中心軸に平行方向に向き、コイル
3に電流Iを流した際の磁心2の磁区内の磁化過程は、
磁壁移動を伴わず、磁化回転よるもののみとなり鉄損の
低減が図れる。また、磁心2の巻回中心軸と平行方向に
大きなバイアス磁界HB が印加されているため、磁心2
の磁化Isは容易には回転できず、磁性材料帯2aの長
手方向の透磁率を下げることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性材料帯を巻回して
構成した磁心と、その磁心に巻線されたコイルを有して
なる電磁装置に関するものである。
構成した磁心と、その磁心に巻線されたコイルを有して
なる電磁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トランスやチョーク等の電磁装
置の磁心として使用されている非晶質磁性合金は、飽和
磁束密度が高くかつ低損失であるため、磁心の小型化を
図る上で優れた磁性材料として注目されている。また、
この非晶質磁性合金は高透磁率材料としても知られてお
り、このため、主に可飽和リアクトルやノイズフィルタ
用コモンモードチョーク等の磁心のように、高透磁率の
特性が要求される電磁装置に多用されてきた。
置の磁心として使用されている非晶質磁性合金は、飽和
磁束密度が高くかつ低損失であるため、磁心の小型化を
図る上で優れた磁性材料として注目されている。また、
この非晶質磁性合金は高透磁率材料としても知られてお
り、このため、主に可飽和リアクトルやノイズフィルタ
用コモンモードチョーク等の磁心のように、高透磁率の
特性が要求される電磁装置に多用されてきた。
【0003】近年、スイッチング電源等の電気機器の小
型化、薄型化に伴い、その構成部品として使用されるト
ランスやチョーク等の電磁装置にも小型化、薄型化が要
求されるようになってはきたが、エネルギー蓄積型トラ
ンスや平滑用チョーク等の電磁装置においては、小型及
び薄型であると同時に、磁心の透磁率がある程度低いこ
とが要求され、したがって磁心として非晶質磁性合金を
使用する場合には、磁心の透磁率をある程度低くする必
要があった。
型化、薄型化に伴い、その構成部品として使用されるト
ランスやチョーク等の電磁装置にも小型化、薄型化が要
求されるようになってはきたが、エネルギー蓄積型トラ
ンスや平滑用チョーク等の電磁装置においては、小型及
び薄型であると同時に、磁心の透磁率がある程度低いこ
とが要求され、したがって磁心として非晶質磁性合金を
使用する場合には、磁心の透磁率をある程度低くする必
要があった。
【0004】図9乃至図12は、従来の電磁装置である
平滑用チョーク1を示すものである。図9における平滑
用チョーク1は、主に磁心2と、その磁心2に巻回され
たコイル3とにより構成されており、磁心2は薄板状の
磁性材料帯2aを筒状に巻回し、その芯部である巻回中
心軸のまわりに巻線用空間2bを設けてなるもので、透
磁率を低くするために、磁心2にはギャップ2cが設け
られており、また、コイル3は、その磁心2に巻線用空
間2bを通るように巻線されている。また、磁心2を構
成するその薄板状の磁性材料帯2aは、図10に示すよ
うに薄板状の磁性材料帯2aの長手方向に向く磁化Is
を持つ磁区2dを有し、隣合う磁区2dの磁化Isの向
きは互いに反対で、それらの磁区2dの境界には磁壁2
eが生じている。薄板状の磁性材料帯2aの磁区構造
が、このようになるのは、形状異方性により、薄帯にお
いては、その長手方向に磁化容易軸が向くためである。
平滑用チョーク1を示すものである。図9における平滑
用チョーク1は、主に磁心2と、その磁心2に巻回され
たコイル3とにより構成されており、磁心2は薄板状の
磁性材料帯2aを筒状に巻回し、その芯部である巻回中
心軸のまわりに巻線用空間2bを設けてなるもので、透
磁率を低くするために、磁心2にはギャップ2cが設け
られており、また、コイル3は、その磁心2に巻線用空
間2bを通るように巻線されている。また、磁心2を構
成するその薄板状の磁性材料帯2aは、図10に示すよ
うに薄板状の磁性材料帯2aの長手方向に向く磁化Is
を持つ磁区2dを有し、隣合う磁区2dの磁化Isの向
きは互いに反対で、それらの磁区2dの境界には磁壁2
eが生じている。薄板状の磁性材料帯2aの磁区構造
が、このようになるのは、形状異方性により、薄帯にお
いては、その長手方向に磁化容易軸が向くためである。
【0005】このように構成された平滑用チョーク1の
コイル3に、図9に示すように一方向に電流Iを流す
と、磁心2を構成する薄板状の磁性材料帯2aの長手方
向に磁界Hが印加されることになる。このとき、たとえ
ば図11に示すような磁区2d構造を持つ磁心2は、図
12に示すように、印加磁界Hと同方向の磁化Isを持
つ磁区2dを増大させ、印加磁界Hと反対方向の磁化I
sを持つ磁区2dを減少させるように磁壁2eが移動す
る磁化過程をとり、印加磁界Hを十分大きくすれば、最
終的には、印加磁界Hと同方向の磁化Isを持つ磁区2
dのみとなり、この状態が磁心2の磁気飽和状態と呼ば
れる。
コイル3に、図9に示すように一方向に電流Iを流す
と、磁心2を構成する薄板状の磁性材料帯2aの長手方
向に磁界Hが印加されることになる。このとき、たとえ
ば図11に示すような磁区2d構造を持つ磁心2は、図
12に示すように、印加磁界Hと同方向の磁化Isを持
つ磁区2dを増大させ、印加磁界Hと反対方向の磁化I
sを持つ磁区2dを減少させるように磁壁2eが移動す
る磁化過程をとり、印加磁界Hを十分大きくすれば、最
終的には、印加磁界Hと同方向の磁化Isを持つ磁区2
dのみとなり、この状態が磁心2の磁気飽和状態と呼ば
れる。
【0006】また、図示はしないが、従来の別の電磁装
置である平滑用チョークにおいては、薄板状の磁性材料
帯を、その幅方向に磁界を印加しながら熱処理を行い、
誘導磁気異方性を薄板状の磁性材料帯の幅方向に発生さ
せて薄帯の圧延方向の透磁率を下げ、その磁性材料帯を
巻回して磁心を構成し、その磁心にコイルを巻回して平
滑用チョークを構成していた。
置である平滑用チョークにおいては、薄板状の磁性材料
帯を、その幅方向に磁界を印加しながら熱処理を行い、
誘導磁気異方性を薄板状の磁性材料帯の幅方向に発生さ
せて薄帯の圧延方向の透磁率を下げ、その磁性材料帯を
巻回して磁心を構成し、その磁心にコイルを巻回して平
滑用チョークを構成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように磁心2にギャップ2cを設けた従来の電磁装置
1にあっては、コイル3に通電した際に,磁心2では磁
壁2e移動による磁化過程をとるため特に高周波におけ
る損失が大きく、また、磁心2にギャップ2cを設ける
前後での損失の増加が著しく、特に磁心2に磁気歪の大
きい非晶質磁性合金を用いる場合においては、磁心2を
カットしてギャップ2cを設ける前に行なう接着剤の含
浸の応力によっても損失が増加し、さらには、磁路にギ
ャップ2cがある場合、ギャップ2c部での洩れ磁束が
かなり大きくなり、それによっても損失が著しく増大す
るという問題点があった。
たように磁心2にギャップ2cを設けた従来の電磁装置
1にあっては、コイル3に通電した際に,磁心2では磁
壁2e移動による磁化過程をとるため特に高周波におけ
る損失が大きく、また、磁心2にギャップ2cを設ける
前後での損失の増加が著しく、特に磁心2に磁気歪の大
きい非晶質磁性合金を用いる場合においては、磁心2を
カットしてギャップ2cを設ける前に行なう接着剤の含
浸の応力によっても損失が増加し、さらには、磁路にギ
ャップ2cがある場合、ギャップ2c部での洩れ磁束が
かなり大きくなり、それによっても損失が著しく増大す
るという問題点があった。
【0008】たとえば、あるFe系の板厚が20μm程度の
薄帯状の磁性材料帯2aである非晶質磁性合金を巻回し
て構成した磁心2の、透磁率がμ=6000、周波数が100K
Hz、磁束密度が0.2Tでの鉄損の値は、800mW/ccとなる
が、この磁心2をカットしてギャップ2cを設け、透磁
率をμ=150 程度とした場合、同条件での鉄損の値は、
約4000mW/cc となり、ギャップ2cを設ける前の約5倍
になる。
薄帯状の磁性材料帯2aである非晶質磁性合金を巻回し
て構成した磁心2の、透磁率がμ=6000、周波数が100K
Hz、磁束密度が0.2Tでの鉄損の値は、800mW/ccとなる
が、この磁心2をカットしてギャップ2cを設け、透磁
率をμ=150 程度とした場合、同条件での鉄損の値は、
約4000mW/cc となり、ギャップ2cを設ける前の約5倍
になる。
【0009】また、従来の別の電磁装置である、磁心
を、誘導磁気異方性を薄板状の磁性材料帯の幅方向に発
生させて薄帯の圧延方向の透磁率を下げたもので構成し
たものにおいては、損失は約600mW/ccと小さくなるが、
透磁率をμ=2000〜1000程度にしか下げることができな
いという問題点があった。
を、誘導磁気異方性を薄板状の磁性材料帯の幅方向に発
生させて薄帯の圧延方向の透磁率を下げたもので構成し
たものにおいては、損失は約600mW/ccと小さくなるが、
透磁率をμ=2000〜1000程度にしか下げることができな
いという問題点があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を改善するために
成されたもので、その目的とするところは、磁心の透磁
率を低く制御できるようにすると共に、損失の少ない電
磁装置を提供することにある。
成されたもので、その目的とするところは、磁心の透磁
率を低く制御できるようにすると共に、損失の少ない電
磁装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、磁性材料帯2aを巻回して成り芯部に巻
線用空間2bが設けられてなる磁心2と、該磁心2に前
記巻線用空間2bを通って巻回されるコイル3とを有し
てなる電磁装置1において、前記磁心2に該磁心2の巻
回中心軸と平行方向に磁化力を有する磁界印加手段4を
設けたことを特徴とするものである。
解決するため、磁性材料帯2aを巻回して成り芯部に巻
線用空間2bが設けられてなる磁心2と、該磁心2に前
記巻線用空間2bを通って巻回されるコイル3とを有し
てなる電磁装置1において、前記磁心2に該磁心2の巻
回中心軸と平行方向に磁化力を有する磁界印加手段4を
設けたことを特徴とするものである。
【0012】また、前記磁界印加手段4が永久磁石によ
り構成されたことを特徴とするものであり、また、前記
磁界印加手段4が電磁コイルにより構成されたことを特
徴とするものであり、さらには、前記磁性材料帯2aが
非晶質磁性合金により形成されたことを特徴とするもの
である。
り構成されたことを特徴とするものであり、また、前記
磁界印加手段4が電磁コイルにより構成されたことを特
徴とするものであり、さらには、前記磁性材料帯2aが
非晶質磁性合金により形成されたことを特徴とするもの
である。
【0013】
【作用】以上のように構成したことにより、磁心2に
は、磁界印加手段4により磁心2の巻回中心軸に平行方
向である薄板状の磁性材料帯2aの幅方向にバイアス磁
界HB がかけられているため、磁心2の各磁区2d内で
はバイアス磁界HB 方向に磁化Isを持つ磁区2dをつ
くろうとして、磁化Isは、磁壁2eを移動させること
なく自ら回転し、バイアス磁界HB がある程度大きい
と、磁化Isの略全てが磁心2の巻回中心軸に平行方向
に向き、その方向に略飽和状態となる。このように構成
された電磁装置1のコイル3に電流Iを流すと、その電
流Iの大きさにより磁心2の磁区2d内では磁化回転の
みによる磁化過程を示すようになる。
は、磁界印加手段4により磁心2の巻回中心軸に平行方
向である薄板状の磁性材料帯2aの幅方向にバイアス磁
界HB がかけられているため、磁心2の各磁区2d内で
はバイアス磁界HB 方向に磁化Isを持つ磁区2dをつ
くろうとして、磁化Isは、磁壁2eを移動させること
なく自ら回転し、バイアス磁界HB がある程度大きい
と、磁化Isの略全てが磁心2の巻回中心軸に平行方向
に向き、その方向に略飽和状態となる。このように構成
された電磁装置1のコイル3に電流Iを流すと、その電
流Iの大きさにより磁心2の磁区2d内では磁化回転の
みによる磁化過程を示すようになる。
【0014】一般に、磁心2の磁壁2e移動による磁化
過程は、特に高周波での渦電流損失を増大させるが、本
発明における磁心2においては、磁壁2e移動による磁
化過程が存在せず、回転磁化による磁化過程のみとなる
ため鉄損の低減が図れ、したがって、電磁装置1の損失
の低減が可能となると共に、磁心2の巻回中心軸と平行
方向に大きなバイアス磁界HB が印加されているため、
磁心2の磁化Isは容易には回転できず、磁性材料帯2
aの長手方向の透磁率を下げることができる。また、バ
イアス磁界HB の大きさを変化させることで、鉄損を増
加させることなく透磁率を可変とすることができる。
過程は、特に高周波での渦電流損失を増大させるが、本
発明における磁心2においては、磁壁2e移動による磁
化過程が存在せず、回転磁化による磁化過程のみとなる
ため鉄損の低減が図れ、したがって、電磁装置1の損失
の低減が可能となると共に、磁心2の巻回中心軸と平行
方向に大きなバイアス磁界HB が印加されているため、
磁心2の磁化Isは容易には回転できず、磁性材料帯2
aの長手方向の透磁率を下げることができる。また、バ
イアス磁界HB の大きさを変化させることで、鉄損を増
加させることなく透磁率を可変とすることができる。
【0015】
【実施例】図1乃至図4は本発明に係る電磁装置である
平滑用チョークの第1の実施例を示すものである。図1
において、電磁装置である平滑用チョーク1は、主とし
て磁心2、コイル3及び磁界印加手段4により構成され
ている。
平滑用チョークの第1の実施例を示すものである。図1
において、電磁装置である平滑用チョーク1は、主とし
て磁心2、コイル3及び磁界印加手段4により構成され
ている。
【0016】磁心2は、薄板状の磁性材料帯2aにより
構成され、たとえばFe系非晶質磁性合金製で、板厚が2
0μm幅が10mmの薄板状の磁性材料帯2aを円筒状に
巻回し、その芯部である巻回中心軸のまわりに巻線用空
間2bを設けてなるものであり、その外径は30mm、内
径は20mmとされている。つまり、磁心2の芯部には磁
性材料帯2aの幅方向に貫通する筒状の巻線用空間2b
が設けられ、磁心2は略ドーナツ状の形状とされてい
る。また、磁心2には、内部歪みを除去する熱処理が施
されている。
構成され、たとえばFe系非晶質磁性合金製で、板厚が2
0μm幅が10mmの薄板状の磁性材料帯2aを円筒状に
巻回し、その芯部である巻回中心軸のまわりに巻線用空
間2bを設けてなるものであり、その外径は30mm、内
径は20mmとされている。つまり、磁心2の芯部には磁
性材料帯2aの幅方向に貫通する筒状の巻線用空間2b
が設けられ、磁心2は略ドーナツ状の形状とされてい
る。また、磁心2には、内部歪みを除去する熱処理が施
されている。
【0017】磁界印加手段4は、エネルギー積及び保持
力の大きいSm−Co系希土類磁石より成り、外径が3
0mm、内径が20mm、厚さ約10mmのリング状の形状と
されたもの2個により構成されている。このように構成
された磁界印加手段4は、それぞれ円筒状の磁心2を挟
持するように磁心2の両端に当接して配設され、磁心2
を構成する薄板状の磁性材料帯2aの幅方向である磁心
2の巻回中心軸に平行方向にバイアス磁界HB を印加
し、薄板状の磁性材料帯2aの幅方向の中央部における
磁界の強さが約300エルステッドとなるようにされて
いる。また、コイル3は、磁界印加手段4が結合された
磁心2に、その巻線用空間2bを通るように巻回されて
いる。
力の大きいSm−Co系希土類磁石より成り、外径が3
0mm、内径が20mm、厚さ約10mmのリング状の形状と
されたもの2個により構成されている。このように構成
された磁界印加手段4は、それぞれ円筒状の磁心2を挟
持するように磁心2の両端に当接して配設され、磁心2
を構成する薄板状の磁性材料帯2aの幅方向である磁心
2の巻回中心軸に平行方向にバイアス磁界HB を印加
し、薄板状の磁性材料帯2aの幅方向の中央部における
磁界の強さが約300エルステッドとなるようにされて
いる。また、コイル3は、磁界印加手段4が結合された
磁心2に、その巻線用空間2bを通るように巻回されて
いる。
【0018】このように構成された電磁装置1の磁心2
においては、磁界印加手段4により磁心2を構成する薄
板状の磁性材料帯2aの幅方向にバイアス磁界HB が印
加されているため、磁心2の各磁区2d内ではバイアス
磁界HB 方向に磁化Isを持つ磁区2dをつくろうとし
て磁心2の磁化は、図2に示すように磁壁2eを移動さ
せることなく自ら回転する。このとき、バイアス磁界H
B が十分大きいと、図3に示すように磁化が全てバイア
ス磁界HB 方向に向き、その方向に飽和状態となる。な
お、非晶質磁性合金の薄帯を用いた磁心2を、その薄帯
の幅方向に飽和させるために必要なバイアス磁界HB の
強さは、約300エルステッドである。このように構成
された電磁装置1のコイル3に電流Iを流すと、その電
流Iにより磁心2の磁区2d内では、図4に示すように
磁化回転による磁化過程を示すようになる。
においては、磁界印加手段4により磁心2を構成する薄
板状の磁性材料帯2aの幅方向にバイアス磁界HB が印
加されているため、磁心2の各磁区2d内ではバイアス
磁界HB 方向に磁化Isを持つ磁区2dをつくろうとし
て磁心2の磁化は、図2に示すように磁壁2eを移動さ
せることなく自ら回転する。このとき、バイアス磁界H
B が十分大きいと、図3に示すように磁化が全てバイア
ス磁界HB 方向に向き、その方向に飽和状態となる。な
お、非晶質磁性合金の薄帯を用いた磁心2を、その薄帯
の幅方向に飽和させるために必要なバイアス磁界HB の
強さは、約300エルステッドである。このように構成
された電磁装置1のコイル3に電流Iを流すと、その電
流Iにより磁心2の磁区2d内では、図4に示すように
磁化回転による磁化過程を示すようになる。
【0019】このように、本実施例における磁心2にお
いては、磁化回転による磁化過程のみが存在し、磁壁2
e移動による磁化過程が存在しないため、鉄損の低減が
図れ、したがって、電磁装置1の損失の低減が可能とな
ると共に、磁心2の軸方向に大きなバイアス磁界HB が
印加されているため、磁心2の磁化Isは容易には回転
できず、このため、磁性材料帯2a長手方向である圧延
方向の透磁率を下げることができる。また、磁心2に磁
界印加手段4を設けるだけで実施できるため、組み立て
性も良い。
いては、磁化回転による磁化過程のみが存在し、磁壁2
e移動による磁化過程が存在しないため、鉄損の低減が
図れ、したがって、電磁装置1の損失の低減が可能とな
ると共に、磁心2の軸方向に大きなバイアス磁界HB が
印加されているため、磁心2の磁化Isは容易には回転
できず、このため、磁性材料帯2a長手方向である圧延
方向の透磁率を下げることができる。また、磁心2に磁
界印加手段4を設けるだけで実施できるため、組み立て
性も良い。
【0020】本実施例においては、磁心2の鉄損と透磁
率を測定したところ、その鉄損は、約600mW/ccとなり、
透磁率はμ=20〜30という値となり、透磁率を十分
に低く制御できると共に、鉄損は、低損失で知られる非
晶質磁性合金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しな
い場合にくらべて約3/4に、非晶質磁性合金製の磁心
2にギャップ2cを設けた場合にくらべて約1/7にま
で低減されるという極めて顕著な効果が見られた。
率を測定したところ、その鉄損は、約600mW/ccとなり、
透磁率はμ=20〜30という値となり、透磁率を十分
に低く制御できると共に、鉄損は、低損失で知られる非
晶質磁性合金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しな
い場合にくらべて約3/4に、非晶質磁性合金製の磁心
2にギャップ2cを設けた場合にくらべて約1/7にま
で低減されるという極めて顕著な効果が見られた。
【0021】また、磁界印加手段4として、外径が30
mmで内径が20mm、厚みがそれぞれ3mm、5mm及び8mm
のものも用意したが、厚みが10mmのものと比べて磁心
2上での磁界の強さが約300エルステッドあるいはそ
れよりも少し弱くなるが、鉄損及び透磁率とも略同様の
結果が得られた。また、磁心2上でのバイアス磁界HB
の大きさをさらに弱くすることで、前記と同条件での磁
心2の鉄損を約800mW/ccと略一定とし、非晶質磁性合金
製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にくら
べて鉄損を増加させることなく、透磁率を約20から6
000の間で自由に設定することもできる。
mmで内径が20mm、厚みがそれぞれ3mm、5mm及び8mm
のものも用意したが、厚みが10mmのものと比べて磁心
2上での磁界の強さが約300エルステッドあるいはそ
れよりも少し弱くなるが、鉄損及び透磁率とも略同様の
結果が得られた。また、磁心2上でのバイアス磁界HB
の大きさをさらに弱くすることで、前記と同条件での磁
心2の鉄損を約800mW/ccと略一定とし、非晶質磁性合金
製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にくら
べて鉄損を増加させることなく、透磁率を約20から6
000の間で自由に設定することもできる。
【0022】図5は、本発明の第2の実施例を示すもの
で、第1の実施例と異なる点は、磁心2を構成する薄板
状の磁性材料帯2aの幅を5mmとし、磁界印加手段4を
磁心2の一端側にのみ当接させて配設し、磁心2の他端
側の磁界が約300エルステッドとなるようにした点で
あり、他は第1の実施例と同様に構成されている。この
ように構成しても、前記第1の実施例と同様の効果を奏
する。
で、第1の実施例と異なる点は、磁心2を構成する薄板
状の磁性材料帯2aの幅を5mmとし、磁界印加手段4を
磁心2の一端側にのみ当接させて配設し、磁心2の他端
側の磁界が約300エルステッドとなるようにした点で
あり、他は第1の実施例と同様に構成されている。この
ように構成しても、前記第1の実施例と同様の効果を奏
する。
【0023】実際、本願発明者等が、本実施例における
磁心2の鉄損と透磁率を測定したところ、周波数が100K
Hz、磁束密度が0.2Tでの鉄損は、約600mW/ccとなり、透
磁率はμ=30であった。また、磁界印加手段4の厚み
を3mm、又は5mmとしても、磁心2上での磁界の強さが
約300エルステッドあるいはそれよりも少し弱くなる
が略同様の効果を奏し、さらには、磁心2上でのバイア
ス磁界HB の強さをさらに弱くすることで、透磁率はμ
=30以上となるが、前記と同条件での鉄損は約800mW/
ccと略一定とでき、非晶質磁性合金製の磁心2にバイア
ス磁界HB を印加しない場合にくらべて鉄損を増加させ
ることなく、透磁率を約30から6000の間に制御す
ることができる。
磁心2の鉄損と透磁率を測定したところ、周波数が100K
Hz、磁束密度が0.2Tでの鉄損は、約600mW/ccとなり、透
磁率はμ=30であった。また、磁界印加手段4の厚み
を3mm、又は5mmとしても、磁心2上での磁界の強さが
約300エルステッドあるいはそれよりも少し弱くなる
が略同様の効果を奏し、さらには、磁心2上でのバイア
ス磁界HB の強さをさらに弱くすることで、透磁率はμ
=30以上となるが、前記と同条件での鉄損は約800mW/
ccと略一定とでき、非晶質磁性合金製の磁心2にバイア
ス磁界HB を印加しない場合にくらべて鉄損を増加させ
ることなく、透磁率を約30から6000の間に制御す
ることができる。
【0024】図6は、本発明の第3の実施例を示すもの
で、第2の実施例と異なる点は、幅5mmの薄板状磁性材
料帯2aで構成された磁心2を2つ用意し、その2つの
磁心2で磁界印加手段4を挟持させ、それぞれの磁心2
の磁界印加手段4と当接しない側の端部に印加される磁
界を約300エルステッドとした点であり、他は第2の
実施例と同様に構成されている。このように構成して
も、前記第2の実施例と同様の効果を奏する。
で、第2の実施例と異なる点は、幅5mmの薄板状磁性材
料帯2aで構成された磁心2を2つ用意し、その2つの
磁心2で磁界印加手段4を挟持させ、それぞれの磁心2
の磁界印加手段4と当接しない側の端部に印加される磁
界を約300エルステッドとした点であり、他は第2の
実施例と同様に構成されている。このように構成して
も、前記第2の実施例と同様の効果を奏する。
【0025】本実施例において、磁心2の鉄損と透磁率
を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2Tで
の鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=30であっ
た。また、磁界印加手段4の厚みを3mm、又は5mmとし
ても、磁心2上での磁界の強さが約300エルステッド
あるいはそれよりも少し弱くなるが略同様の効果を奏す
る。また、バイアス磁界HB の強さをさらに弱くするこ
とで、透磁率はμ=30以上となるが、前記と同条件で
の鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質磁性合金製
の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にくらべ
て鉄損を増加させることなく、透磁率を約30から60
00の間に制御することができる。
を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2Tで
の鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=30であっ
た。また、磁界印加手段4の厚みを3mm、又は5mmとし
ても、磁心2上での磁界の強さが約300エルステッド
あるいはそれよりも少し弱くなるが略同様の効果を奏す
る。また、バイアス磁界HB の強さをさらに弱くするこ
とで、透磁率はμ=30以上となるが、前記と同条件で
の鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質磁性合金製
の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にくらべ
て鉄損を増加させることなく、透磁率を約30から60
00の間に制御することができる。
【0026】図7は、本発明の第4の実施例を示すもの
で、第3の実施例と異なる点は、外径が30mm、内径が
20mmで厚み5mmの磁界印加手段4を合計3個用意し、
前記実施例3のように1つの磁界印加手段4を2つの磁
心2で挟持し、さらに、その1つの磁界印加手段4を挟
持した2つの磁心2の磁界印加手段4の非当接側から、
磁界印加手段4をそれぞれ当接させて配設させたもので
あり、磁界印加手段4に挟まれたそれぞれの磁心2の中
央部に印加される磁界を約300エルステッドとした点
であり、他は第3の実施例と同様に構成されている。こ
のように構成しても、前記第3の実施例と同様の効果を
奏する。
で、第3の実施例と異なる点は、外径が30mm、内径が
20mmで厚み5mmの磁界印加手段4を合計3個用意し、
前記実施例3のように1つの磁界印加手段4を2つの磁
心2で挟持し、さらに、その1つの磁界印加手段4を挟
持した2つの磁心2の磁界印加手段4の非当接側から、
磁界印加手段4をそれぞれ当接させて配設させたもので
あり、磁界印加手段4に挟まれたそれぞれの磁心2の中
央部に印加される磁界を約300エルステッドとした点
であり、他は第3の実施例と同様に構成されている。こ
のように構成しても、前記第3の実施例と同様の効果を
奏する。
【0027】本実施例においても、磁心2の鉄損と透磁
率を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2T
での鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=20であ
った。なお、本実施例において、磁界印加手段4の厚み
を3mmとしても、磁心2上での磁界の強さが約300エ
ルステッドあるいはそれよりも少し弱くなるが略同様の
効果を奏する。また、バイアス磁界HB の強さをさらに
弱くすることで、透磁率はμ=20以上となるが、前記
と同条件での鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質
磁性合金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場
合にくらべて鉄損を増加させることなく、透磁率を約2
0から6000の間で制御することができる。
率を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2T
での鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=20であ
った。なお、本実施例において、磁界印加手段4の厚み
を3mmとしても、磁心2上での磁界の強さが約300エ
ルステッドあるいはそれよりも少し弱くなるが略同様の
効果を奏する。また、バイアス磁界HB の強さをさらに
弱くすることで、透磁率はμ=20以上となるが、前記
と同条件での鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質
磁性合金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場
合にくらべて鉄損を増加させることなく、透磁率を約2
0から6000の間で制御することができる。
【0028】図8は、本発明の第5の実施例を示すもの
で、第1の実施例と異なる点は、磁心2を構成する薄板
状磁性材料帯2aの幅を5mmとし、磁界印加手段4を永
久磁石に代えて電磁コイルとした点であり、他は第1の
実施例と同様に構成されている。
で、第1の実施例と異なる点は、磁心2を構成する薄板
状磁性材料帯2aの幅を5mmとし、磁界印加手段4を永
久磁石に代えて電磁コイルとした点であり、他は第1の
実施例と同様に構成されている。
【0029】磁界印加手段4は、内径が32mmで高さが
10mmの円筒形の巻き枠4aに、巻線4bを500ター
ン巻いて構成したソレノイドコイルであり、そのソレノ
イドコイルの巻き枠4aの内側に磁心2を入れ、ソレノ
イドコイルに所定の直流電流を流したもので、このと
き、磁心2には約300エルステッドの磁界が印加され
るように設定されている。このように構成しても、前記
第1の実施例と同様の効果を奏する。
10mmの円筒形の巻き枠4aに、巻線4bを500ター
ン巻いて構成したソレノイドコイルであり、そのソレノ
イドコイルの巻き枠4aの内側に磁心2を入れ、ソレノ
イドコイルに所定の直流電流を流したもので、このと
き、磁心2には約300エルステッドの磁界が印加され
るように設定されている。このように構成しても、前記
第1の実施例と同様の効果を奏する。
【0030】本実施例においても、磁心2の鉄損と透磁
率を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2T
での鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=30であ
った。また、本実施例において、なお、電流値を下げる
等の手段によりバイアス磁界を300エルステッド以下
とすると、透磁率はμ=30以上となるが、前記と同条
件での鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質磁性合
金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にく
らべて鉄損を増加させることなく、透磁率を約30から
6000の間で制御することができる。
率を測定したところ、周波数が100KHz、磁束密度が0.2T
での鉄損は、約600mW/ccとなり、透磁率はμ=30であ
った。また、本実施例において、なお、電流値を下げる
等の手段によりバイアス磁界を300エルステッド以下
とすると、透磁率はμ=30以上となるが、前記と同条
件での鉄損は約800mW/ccと略一定とでき、非晶質磁性合
金製の磁心2にバイアス磁界HB を印加しない場合にく
らべて鉄損を増加させることなく、透磁率を約30から
6000の間で制御することができる。
【0031】なお、上記の第1乃至第4の実施例におい
ては、コイル3を磁界印加手段4と組み合わされた磁心
2に巻線して構成したものを例示して説明を行なった
が、本発明はこれに限らず、コイル3を巻線した磁心2
の外側に磁界印加手段4を設けたものでも良い。
ては、コイル3を磁界印加手段4と組み合わされた磁心
2に巻線して構成したものを例示して説明を行なった
が、本発明はこれに限らず、コイル3を巻線した磁心2
の外側に磁界印加手段4を設けたものでも良い。
【0032】また、上記の全ての実施例においては、磁
心2を構成する薄帯2aを全て非晶質磁性合金として説
明を行なったが、本発明はこれに限らず、最近注目を集
めている磁性材料である超微細結晶合金、つまり、組織
の少なくとも50%を微細な結晶粒とし、粒径の平均が
1000Å以下の平均粒径を有するものとしたもの、た
とえば、原子%で表される組成式が、 ( Fe1-a Ma) 100-x-y-z-j Cux Siy Bz Mj ' ( 但し、MはCo及び/又はNiであり、M'はNb,W,Ta,Mo,Z
r,Hf, 及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素であり、a,x,y,z 及びj はそれぞれ、0≦a ≦0.3,
0.1≦x ≦3, 0≦y ≦17, 4 ≦z ≦17, 10≦y+z ≦28,0.
1≦j ≦5を満たす。) であるものであっても良く、この
場合においても同様の効果を奏する。
心2を構成する薄帯2aを全て非晶質磁性合金として説
明を行なったが、本発明はこれに限らず、最近注目を集
めている磁性材料である超微細結晶合金、つまり、組織
の少なくとも50%を微細な結晶粒とし、粒径の平均が
1000Å以下の平均粒径を有するものとしたもの、た
とえば、原子%で表される組成式が、 ( Fe1-a Ma) 100-x-y-z-j Cux Siy Bz Mj ' ( 但し、MはCo及び/又はNiであり、M'はNb,W,Ta,Mo,Z
r,Hf, 及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素であり、a,x,y,z 及びj はそれぞれ、0≦a ≦0.3,
0.1≦x ≦3, 0≦y ≦17, 4 ≦z ≦17, 10≦y+z ≦28,0.
1≦j ≦5を満たす。) であるものであっても良く、この
場合においても同様の効果を奏する。
【0033】さらには、上記の全ての実施例において
は、磁心2は円筒状として説明を行なったが、本発明は
これに限らず、外形が多角柱状とされたもの等、どの様
な形状であっても良いことは勿論である。
は、磁心2は円筒状として説明を行なったが、本発明は
これに限らず、外形が多角柱状とされたもの等、どの様
な形状であっても良いことは勿論である。
【0034】
【発明の効果】本発明の電磁装置は、上述のように構成
したものであるから、磁心には磁界印加手段により磁心
の巻回中心軸に平行方向である磁性材料帯の幅方向にバ
イアス磁界がかけられているため、磁心の各磁区内では
バイアス磁界方向に磁化を持つ磁区をつくろうとして、
磁化は、磁壁を移動させることなく自ら回転し始める。
このとき、バイアス磁界がある程度大きいと、磁化の略
全てが磁心の巻回中心軸に平行方向に向き、その方向に
略飽和状態となる。このように構成された磁心に巻回さ
れたコイルに電流を流すと、その電流の大きさにより磁
心の磁区内では磁化回転による磁化過程を示すようにな
る。
したものであるから、磁心には磁界印加手段により磁心
の巻回中心軸に平行方向である磁性材料帯の幅方向にバ
イアス磁界がかけられているため、磁心の各磁区内では
バイアス磁界方向に磁化を持つ磁区をつくろうとして、
磁化は、磁壁を移動させることなく自ら回転し始める。
このとき、バイアス磁界がある程度大きいと、磁化の略
全てが磁心の巻回中心軸に平行方向に向き、その方向に
略飽和状態となる。このように構成された磁心に巻回さ
れたコイルに電流を流すと、その電流の大きさにより磁
心の磁区内では磁化回転による磁化過程を示すようにな
る。
【0035】一般に、磁心の磁壁移動による磁化過程
は、特に高周波での渦電流損失を増大させるが、本発明
における磁心においては、磁壁移動による磁化過程が存
在しないため、鉄損の低減が図れ、したがって、電磁装
置の損失の低減が可能となると共に、磁心の軸方向に大
きなバイアス磁界が印加されているため、磁心の磁化は
容易には磁性材料帯の圧延方向に向くように回転でき
ず、磁性材料帯の長手方向の透磁率を下げることができ
る。また、バイアス磁界の大きさを変化させることで、
鉄損を増加させることなく透磁率を可変とすることがで
きる。
は、特に高周波での渦電流損失を増大させるが、本発明
における磁心においては、磁壁移動による磁化過程が存
在しないため、鉄損の低減が図れ、したがって、電磁装
置の損失の低減が可能となると共に、磁心の軸方向に大
きなバイアス磁界が印加されているため、磁心の磁化は
容易には磁性材料帯の圧延方向に向くように回転でき
ず、磁性材料帯の長手方向の透磁率を下げることができ
る。また、バイアス磁界の大きさを変化させることで、
鉄損を増加させることなく透磁率を可変とすることがで
きる。
【図1】本発明の第1の実施例を示す簡略斜視図であ
る。
る。
【図2】同上の磁心の比較的弱いバイアス磁界印加時の
磁区構造を示す簡略斜視図である。
磁区構造を示す簡略斜視図である。
【図3】同上の磁心の比較的強いバイアス磁界印加時の
磁区構造を示す簡略斜視図である。
磁区構造を示す簡略斜視図である。
【図4】同上の磁心の通電時の磁化過程を示す簡略斜視
図である。
図である。
【図5】本発明の第2の実施例のコイル部を除いた簡略
斜視図である。
斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施例のコイル部を除いた簡略
斜視図である。
斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施例のコイル部を除いた簡略
斜視図である。
斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施例のコイル部を除いた簡略
斜視図である。
斜視図である。
【図9】従来の電磁装置を示す簡略斜視図である。
【図10】同上の磁心を構成する磁性材料帯の磁区構造
を示す一部平面図である。
を示す一部平面図である。
【図11】同上の磁心の磁区構造を示す簡略斜視図であ
る。
る。
【図12】同上の通電時の磁壁移動による磁化過程を示
す簡略斜視図である。
す簡略斜視図である。
1 電磁装置 2 磁心 2a 磁性材料帯 2b 巻線用空間 3 コイル 4 磁界印加手段
Claims (4)
- 【請求項1】 磁性材料帯を巻回して成り芯部に巻線用
空間が設けられてなる磁心と、該磁心に前記巻線用空間
を通って巻回されるコイルとを有してなる電磁装置にお
いて、前記磁心に該磁心の巻回中心軸と平行方向に磁化
力を有する磁界印加手段を設けたことを特徴とする電磁
装置。 - 【請求項2】 前記磁界印加手段が永久磁石により構成
されたことを特徴とする請求項1記載の電磁装置。 - 【請求項3】 前記磁界印加手段が電磁コイルにより構
成されたことを特徴とする請求項1記載の電磁装置。 - 【請求項4】 前記磁性材料帯が非晶質磁性合金により
形成されたことを特徴とする請求項2、または請求項3
記載の電磁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5211288A JPH0766046A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電磁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5211288A JPH0766046A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電磁装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0766046A true JPH0766046A (ja) | 1995-03-10 |
Family
ID=16603454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5211288A Withdrawn JPH0766046A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 電磁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0766046A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006514432A (ja) * | 2003-01-30 | 2006-04-27 | メトグラス・インコーポレーテッド | 間隙を設けた非晶質金属系の磁性コア |
JP2006324455A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Nhk Integrated Technology Inc | 耐雷インダクタンス用コア |
JP2019125670A (ja) * | 2018-01-16 | 2019-07-25 | 日立金属株式会社 | 電子回路、及び、ノイズフィルタの設置方法 |
-
1993
- 1993-08-26 JP JP5211288A patent/JPH0766046A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006514432A (ja) * | 2003-01-30 | 2006-04-27 | メトグラス・インコーポレーテッド | 間隙を設けた非晶質金属系の磁性コア |
JP2006324455A (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-30 | Nhk Integrated Technology Inc | 耐雷インダクタンス用コア |
JP2019125670A (ja) * | 2018-01-16 | 2019-07-25 | 日立金属株式会社 | 電子回路、及び、ノイズフィルタの設置方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001031 |