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JP3228995B2 - 平面型磁気素子 - Google Patents

平面型磁気素子

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JP3228995B2
JP3228995B2 JP07199192A JP7199192A JP3228995B2 JP 3228995 B2 JP3228995 B2 JP 3228995B2 JP 07199192 A JP07199192 A JP 07199192A JP 7199192 A JP7199192 A JP 7199192A JP 3228995 B2 JP3228995 B2 JP 3228995B2
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planar
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哲夫 井上
敏郎 佐藤
厚仁 澤邊
宏 富田
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Toshiba Corp
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平面インダクタや平面ト
ランスなどの平面型磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小形化が盛んに進
められ、これに伴って機器全体に占める電源部の容積比
率が増大する傾向にある。これは、各種の回路がLSI
化される一方で、電源部に必須の回路要素であるインダ
クタやトランスなどの磁気部品の小型・集積化が遅れて
いるためである。
【0003】インダクタンスやトランスなどの磁気素子
を小型化するために、これらの磁気素子を平面型にする
ことが試みられている。従来、平面インダクタとして
は、スパイラル平面コイルの両面を絶縁層で挟み、さら
にこれらの両面を磁性体で挟んだ構造のものが知られて
いる。同様に、平面トランスとしては、絶縁層を介して
1次側のスパイラル平面コイルと2次側のスパイラル平
面コイルとを形成し、これらの両面を絶縁層で挟み、さ
らにこれらの両面を磁性体で挟んだ構造のものが知られ
ている。なお、スパイラル平面コイルは、1層のスパイ
ラル状コイル導体からなるものでもよいし、絶縁層の両
面に2層のスパイラル状コイル導体を形成して発生磁界
が同一方向となるように接続したものでもよい。これら
の平面型磁気素子については、例えば、“High−F
requency of a Planar−Type
Microtransformer and Its
Application to Multilaye
red SwitchingRegurators”;
K.Yamasawa et al.,IEEETra
ns.Mag.Vol.26,No.3,May 19
90,pp.1204−1209で報告されている。し
かし、従来の平面型磁気素子は、動作に対する損失が大
きいという欠点がある。
【0004】また、平面型磁気素子を小形化するため
に、薄膜プロセスを利用して製造することが検討されて
いる。しかし、従来の薄膜プロセスにより製造された平
面型磁気素子は、平面コイルを構成するコイル導体の断
面積を大きくできないため、コイル抵抗が非常に大き
く、インダクタンスが小さく、漏れ磁束量が大きかっ
た。この結果、インダクタンスではQが低く、トランス
ではゲインGが低く電圧変動率が大きいため、実用化の
大きな障害となっていた。
【0005】このような状況から、平面型磁気素子につ
いては、小型集積化、インダクタンスの向上、磁束の外
部漏洩の低減、高周波特性および直流重畳電流特性の改
善、電流容量の向上、端子の引出しの改良、外部から電
気的特性を調整できるトリミング機能の付与などに関す
る種々の提案がなされている。
【0006】ところで、電源などのように大きな電力を
取り扱う場合に用いられる平面型磁気素子においては、
直流重畳特性が重要になってくる。平面型磁気素子の直
流重畳特性は、磁気素子の構造、平面コイルの抵抗、磁
性体の透磁率、磁性体の飽和磁束密度などに依存する
が、高出力を取り扱うためには、特に磁性体の透磁率が
平面コイルに流れる電流の範囲において一定で高い値を
示す必要がある。
【0007】一般の磁性体における磁化反転は、磁化容
易軸方向では磁壁移動のモードにより、磁化困難軸方向
では磁化回転のモードによる。磁壁移動のモードの場
合、数MHz 以上の高周波数帯では、磁壁の慣性質量の
ために磁壁は追従できなくなり、磁性体の特性は大きく
劣化する。このため、磁性体を高周波数帯で使用する場
合には、主に磁化回転モードを利用して磁化させる。磁
化回転モードを利用する場合に磁性体に必要な特性とし
て、(1)高飽和磁束密度Bs、(2)高透磁率μ、
(3)低Hc、および(4)高Hkが挙げられる。
【0008】高い品質係数Qを得るためには(1)、
(2)、(4)が、高いインダクタンスLを得るために
は(1)、(2)が、良好な直流重畳特性を得るために
は(2)が、大振幅の交流励磁を可能にする観点からは
(4)が要求される。ただし、 μ=Bs/Hk という関係があるので、(2)と(4)とは相反する要
求となる。
【0009】図38に、磁性体の磁化困難軸方向の磁化
履歴曲線を示す。平面コイルに直流電流IDCおよびこれ
に重畳して交流電流IACが流される場合、磁性体には常
に直流磁界HDCが印加され、そこに交流磁界HACが印加
されるので、図38に示される2点鎖線で挟まれた範囲
内の磁化曲線上で磁化が進行する。このとき、磁性体の
HkがHDCに比べあまり大きくないときは、磁性体が飽
和する。図38をもとにして、HACとBとの関係を図3
9に示す。また、図38をもとにして、HACとμとの関
係を図40に示す。図40に示されるように、磁性体が
飽和することにより、μは急激に減少するため、飽和磁
界以上の交流磁界で励起することは損失を増加させるこ
とになる。このため、通常の磁性体をそのまま用いる場
合、μおよびHkのそれぞれについて中庸な特性を有す
る磁性体を用いるか、交流励磁により磁性体に印加され
る磁界がHkより小さいなるような電流の範囲で使用す
る必要がある。
【0010】以上のように、特に直流重畳したときに
は、直流重畳した交流成分により発生する磁界により磁
性体が磁気飽和することにより諸特性が大きく劣化す
る。したがって、従来の平面型磁気素子は、電源のよう
に大電流を流す用途では、効率を保持することが困難で
あるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コイ
ルに大電流を流して使用した場合にも、磁性体の特性が
劣化することがなく、高効率の平面型磁気素子を提供す
ることにある。
【0012】本発明に係る平面型磁気素子は、平面コイ
ルと、この平面コイルの両面に設けられた絶縁層と、こ
れらの両面に設けられた磁性体とを具備した平面型磁気
素子において、前記磁性体は一方向を磁化容易軸としこ
れに垂直な方向を磁化困難軸とする一軸磁気異方性が付
与されており、前記平面コイルは、これに通電される直
流成分により、前記磁性体に対して磁化困難軸に沿う磁
界を発生するように配置されており、さらに前記平面コ
イルに通電される直流成分により前記磁性体に作用する
磁化困難軸に沿う磁界の向きと反平行なバイアス磁界を
印加する手段が設けられていることを特徴とする。
【0013】本発明において、磁性体の困難軸方向かつ
平面コイルに通電される直流成分により発生し磁性体に
作用する磁界と反平行な方向にバイアス磁界を印加する
ためには、永久磁石を設ける、導体を設けて電流を流
す、またはコイルを設けて電流を流す、という手段が用
いられる。
【0014】本発明の平面型磁気素子を構成する磁性体
は、平面コイルに通電される直流成分により発生し磁性
体に作用する磁界の方向が反転する位置で、不連続にな
っていてもよい。
【0015】
【作用】以下、本発明の平面型磁気素子の作用を図面を
参照して説明する。図1は本発明の原理を示す模式図で
ある。磁性体21にはE.A方向を容易磁化軸とする一
軸磁気異方性が付与されている。コイル導体22には、
直流電流IDCとこれに重畳される交流電流IACとが通電
される。この結果、磁性体21には、直流電流により発
生する磁界HDCと交流電流により発生する磁界HACとが
印加される。そして、磁性体21には、磁化困難軸方向
(E.Aに対して垂直な方向)に、直流電流により発生
する磁界HDCと反平行となるようにバイアス磁界Hbias
が印加されている。
【0016】図2にコイル導体の通電される電流により
発生し磁性体に作用する磁界Hcoilと磁性体の磁束密度
Bとの関係を示す。図2中、実線は本発明の平面型磁気
素子に関する特性を示し、破線は従来の平面型磁気素子
に関する特性を示す。本発明の平面型磁気素子では、磁
性体に印加されるバイアス磁界Hbiasにより、磁束Br
が発生している。このため、異方性磁界Hkはみかけ上
大きくなるが、透磁率μは無バイアス時と同等である。
すなわち、その磁化曲線は、バイアス磁界が印加されて
いない場合の破線で示される磁化曲線を、図の右方向に
平行移動したのと等価な曲線となる。コイル導体に通電
される電流により、磁性体に直流磁界HDCおよび交流磁
界HACが印加される結果、図中の2点鎖線で挟まれた範
囲内の磁化曲線上で磁化が進行するが、本発明の平面型
磁気素子では磁性体が飽和しにくい。
【0017】図3に、コイル導体に通電される交流成分
ACと平面インダクタのインダクタンスLとの関係を示
す。バイアス磁界を印加した場合には、バイアス磁界を
印加しない場合に比べ、インダクタンスLが高IACまで
一定に保たれる。したがって、本発明の平面型磁気素子
は、より大きな電流密度で使用することができ、高出力
の電源にも対応可能となる。
【0018】次に、図4は本発明の変形例の原理を示す
模式図である。磁性体21a、21bにはE.A方向を
容易磁化軸とする一軸磁気異方性が付与されている。コ
イル導体22a、22bにはそれぞれ逆方向に、直流電
流IDCとこれに重畳される交流電流IACとが通電され
る。この結果、磁性体21a、21bにはそれぞれ、直
流電流により発生する磁界HDCと交流電流により発生す
る磁界HACとが印加される。このように、平面コイルが
スパイラルコイルである場合には、コイル導体22a、
22bにより発生する磁界の方向がコイルの中央を境に
して反転する。すなわち、磁性体21a、21bは、コ
イル導体22a、22bに通電される直流成分により発
生し各磁性体21a、21bに作用する磁界の方向が反
転する位置で不連続になっている。そして、磁性体21
a、21bにはそれぞれ、磁化困難軸方向(E.Aに対
して垂直な方向)に、直流電流により発生する磁界HDC
と反平行となるようにバイアス磁界Hbiasが印加されて
いる。
【0019】このような平面型磁気素子でも、図2、3
に示したのと同様な効果が得られる。また、前述したよ
うに平面コイルがスパイラルコイルである場合には、平
面コイルから磁性体に印加される磁界の方向がコイルの
中央を境にして反転するので、バイアス磁界もコイルの
中央近傍を境にして反転させる必要がある。この場合、
磁性体が連続していると、バイアス磁界をコイルの中央
近傍を境にして反転させて効率的に印加することが困難
となる。これに対して、図4に示すように磁性体21
a、21bが不連続であると、それぞれの磁性体21
a、21bにバイアス磁界を効率的に印加できる。
【0020】
【実施例】
実施例1
【0021】図5、6、7はそれぞれ本実施例の平面イ
ンダクタを示す斜視図、縦断面図、平面図である。図5
〜7において、スパイラル平面コイル1の両面には絶縁
層2、3が設けられ、これらの両面には磁性体4、5が
設けられている。これらの磁性体4、5には、E.A方
向を磁化容易軸とする一軸磁気異方性が付与されてい
る。スパイラル平面コイル1には、図7の破線矢印で示
す方向に直流電流IDCが通電され、これに重畳して交流
電流IACが通電される。この結果、磁性体4、5には、
磁化容易軸に垂直な方向に、直流電流IDCにより発生す
る磁界HDCと、交流電流IACにより発生する磁界HAC
が作用する。直流電流IDCにより発生する磁界HDCは、
磁性体4に対しては端部から中央部へ向かって内向き、
磁性体5に対しては中央部から端部へ向かって外向きと
なる。磁性体4、5の外側(磁性体4の上部および磁性
体5の下部)には、各磁性体の容易軸と平行になるよう
に端部の近傍に永久磁石6a、6b、7a、7bが設け
られている。図5の端面に永久磁石6a、6b、7a、
7bの磁化の方向を示す。すなわち、永久磁石の磁化方
向に関しては、6aと7bとが平行、6bと7aとが平
行、6aおよび7bと6bおよび7aとが反平行に設定
されている。この結果、磁性体4、5には平面コイル1
に通電される直流成分により発生する磁界と反平行にバ
イアス磁界が印加される。
【0022】このようにバイアス磁界を印加することに
より、異方性磁界Hkはみかけ上大きくなるが、透磁率
μは無バイアス時と同等である。この場合、平面インダ
クタのインダクタンスLは、平面コイル1に通電される
交流成分IACがより高い領域まで一定に保たれる。つま
り、より大きな電流密度で使用することができ、高出力
の電源などに対応できる。また、磁性体の透磁率μを高
く維持できるので、インダクタンスの絶対値を大きくす
ることができ、高効率を実現できる。したがって、大電
流で使用しても高効率の平面型磁気素子を提供できる。 実施例2
【0023】図8、図9はそれぞれ本実施例の平面イン
ダクタを示す斜視図、平面図である。本実施例の平面イ
ンダクタでは、実施例1の構成に加えて、磁性体4、5
の外側(磁性体4の上部および磁性体5の下部)におい
て、各磁性体の容易軸と平行になるように中央部(平面
コイルから磁性体に印加される磁界の方向が反転する位
置)の近傍に永久磁石6c、6d、7c、7dが設けら
れている。永久磁石6a〜6d、7a〜7dの磁化の方
向は図8の端面に示すように設定されており、磁性体
4、5には平面コイル1に通電される直流成分により発
生する磁界と反平行にバイアス磁界が印加される。この
ような構成でも、実施例1と同様な効果が得られる。 実施例3
【0024】図10は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、磁性体
4の上部において容易軸と平行になるように中央部の近
傍に永久磁石6c、6dが、磁性体5の下部において容
易軸と平行になるように端部の近傍に永久磁石7a、7
bがそれぞれ設けられている。永久磁石6c、6d、7
a、7bの磁化の方向は図10の端面に示すように設定
されており、磁性体4、5には平面コイル1に通電され
る直流成分により発生する磁界と反平行にバイアス磁界
が印加される。このような構成でも、実施例1と同様な
効果が得られる。 実施例4
【0025】図11は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、磁性体
4の上部において容易軸と平行になるように中央部の近
傍に永久磁石6c、6dが、磁性体5の下部において容
易軸と平行になるように中央部の近傍に永久磁石7c、
7dがそれぞれ設けられている。永久磁石6c、6d、
7c、7dの磁化の方向は図11の端面に示すように設
定されており、磁性体4、5には平面コイル1に通電さ
れる直流成分により発生する磁界と反平行にバイアス磁
界が印加される。このような構成でも、実施例1と同様
な効果が得られる。 実施例5
【0026】図12、図13はそれぞれ本実施例の平面
インダクタを示す斜視図、平面図である。本実施例の平
面インダクタでは、各磁性体の容易軸と平行になるよう
に磁性体4と磁性体5との端部の間に永久磁石8a、8
bが設けられている。永久磁石8a、8bの磁化の方向
は図12に示すようにいずれも下向きに設定されてお
り、磁性体4、5には平面コイル1に通電される直流成
分により発生する磁界と反平行にバイアス磁界が印加さ
れる。ここで、本実施例では磁性体間に永久磁石を設け
た関係上、実施例1〜4とは平面コイルの端子を取り出
す位置が異なっているが、平面コイルに通電される直流
電流により発生し磁性体に印加される磁界の方向はこれ
らの実施例と同一である。このような構成でも、実施例
1と同様な効果が得られる。 実施例6
【0027】図14は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、磁性体
4と磁性体5との端部の間に永久磁石8a、8bが設け
られ、かつ磁性体4の上部および磁性体5の下部におい
て各磁性体の容易軸と平行になるように中央部の近傍に
永久磁石6cおよび7dが設けられている。永久磁石8
a、8b、6c、7dの磁化の方向は図14に示すよう
に設定されており、磁性体4、5には平面コイル1に通
電される直流成分により発生する磁界と反平行にバイア
ス磁界が印加される。このような構成でも、実施例1と
同様な効果が得られる。 実施例7
【0028】図15は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、磁性体
4と磁性体5との端部の間に永久磁石8a、8bが設け
られ、かつ磁性体4の上部および磁性体5の下部に各磁
性体の容易軸と平行になるように中央部の近傍に永久磁
石6c、6d、7c、7dが設けられている。永久磁石
8a、8b、6c、6d、7c、7dの磁化の方向は図
15に示すように設定されており、磁性体4、5には平
面コイル1に通電される直流成分により発生する磁界と
反平行にバイアス磁界が印加される。このような構成で
も、実施例1と同様な効果が得られる。 実施例8
【0029】図16および図17はそれぞれ本実施例の
平面インダクタを示す斜視図および平面図である。本実
施例の平面インダクタでは、平面コイル1の両面に絶縁
層を介して設けられる磁性体が、磁性体4a、4b、5
a、5bからなっていること以外は実施例1と同様の構
成を有する。すなわち、平面コイル1の両面の磁性体
は、平面コイル1に通電される直流成分により発生して
磁性体に作用する磁界の方向が反転する位置(平面コイ
ル1の中央部)で不連続になっている。このような構成
でも実施例1と同様な効果が得られる。さらに、永久磁
石6a、6b、7a、7bから、磁性体4a、4b、5
a、5bへ効率的にバイアス磁界を印加できる。 実施例9
【0030】図18は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例2(図8、図9)と同様
の構成を有する。このような構成でも実施例8と同様な
効果が得られる。 実施例10
【0031】図19は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例3(図10)と同様の構
成を有する。このような構成でも実施例8と同様な効果
が得られる。 実施例11
【0032】図20は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例4(図11)と同様の構
成を有する。このような構成でも実施例8と同様な効果
が得られる。 実施例12
【0033】図21は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例5(図12、図13)と
同様の構成を有する。このような構成でも実施例8と同
様な効果が得られる。 実施例13
【0034】図22は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例6(図14)と同様の構
成を有する。このような構成でも実施例8と同様な効果
が得られる。 実施例14
【0035】図23は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が磁性体
4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通電
される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界の
方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連続
になっていること以外は実施例7(図15)と同様の構
成を有する。このような構成でも実施例8と同様な効果
が得られる。 実施例15
【0036】図24および図25はそれぞれ本実施例の
平面インダクタを示す斜視図および平面図である。図2
4、25において、スパイラル平面コイル1の両面には
絶縁層が設けられ、これらの両面には磁性体4、5が設
けられている。これらの磁性体4、5には、E.A方向
を磁化容易軸とする一軸磁気異方性が付与されている。
スパイラル平面コイル1には、図25の矢印で示す方向
に直流電流IDCが通電され、これに重畳して交流電流I
ACが通電される。この結果、磁性体4、5には、磁化容
易軸に垂直な方向に、直流電流IDCにより発生する磁界
DCと、交流電流IACにより発生する磁界HACとが作用
する。直流電流IDCにより発生する磁界HDCは、磁性体
4に対しては端部から中央部へ向かって内向き、磁性体
5に対しては中央部から端部へ向かって外向きとなる。
本実施例でも、磁性体間に導体を設けた関係上、他の実
施例とは平面コイルの端子を取り出す位置が異なってい
るが、平面コイルに通電される直流電流により発生し磁
性体に印加される磁界の方向は他の実施例と同一であ
る。磁性体4、5の端部の間には、各磁性体の容易軸と
平行になるように導体9a、9bが設けられている。こ
れらの導体9a、9bにはそれぞれ図25の矢印で示す
方向に電流が流され、磁性体4、5には図24の端面に
矢印で示す方向にバイアス磁界が印加される。この結
果、磁性体4、5には平面コイル1に通電される直流成
分により発生する磁界と反平行にバイアス磁界が印加さ
れる。
【0037】このようにバイアス磁界を印加することに
より、異方性磁界Hkはみかけ上大きくなるが、透磁率
μは無バイアス時と同等である。この場合、平面インダ
クタのインダクタンスLは、平面コイル1に通電される
交流成分IACがより高い領域まで一定に保たれる。つま
り、より大きな電流密度で使用することができ、高出力
の電源などに対応できる。また、磁性体の透磁率μを高
く維持できるので、インダクタンスの絶対値を大きくす
ることができ、高効率を実現できる。したがって、大電
流で使用しても高効率の平面型磁気素子を提供できる。
【0038】さらに、バイアス磁界の大きさは導体9
a、9bに通電される直流電流によって制御できるの
で、平面コイル1において直流電流に重畳される交流電
流の大きさに応じて、最適なバイアス磁界を印加でき
る。したがって、使用条件を広範囲に設定できる。 実施例16
【0039】図26は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、実施例
15(図24、図25)の構成に加えて、磁性体4の上
部および磁性体5の下部において、各磁性体の容易軸と
平行になるように中央部の近傍にそれぞれ導体10c、
10d、11c、11dが設けられている。これらの導
体10c、10d、11c、11dには、磁性体に、平
面コイル1に通電される直流成分により発生し磁性体に
作用する磁界と反平行なバイアス磁界を印加できるよう
に電流が流される。このような構成でも、実施例15と
同様な効果を得ることができる。 実施例17
【0040】図27は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタでは、磁性体
4の上部および磁性体5の下部において、各磁性体の容
易軸と平行になるように端部の近傍および中央部の近傍
にそれぞれ導体10a〜10d、11a〜11dが設け
られている。これらの導体10a〜10d、11a〜1
1dには、磁性体に、平面コイル1に通電される直流成
分により発生し磁性体に作用する磁界と反平行なバイア
ス磁界を印加できるように電流が流される。このような
構成でも、実施例15と同様な効果を得ることができ
る。 実施例18
【0041】図28は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が、磁性
体4a、4b、5a、5bからなっていること以外は実
施例15(図24、図25)と同様の構成を有する。す
なわち、平面コイル1の両面の磁性体は、平面コイル1
に通電される直流成分により発生して磁性体に作用する
磁界の方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で
不連続になっている。このような構成でも実施例15と
同様な効果が得られる。さらに、導体9a、9bに電流
を流すことにより、磁性体4a、4b、5a、5bへ効
率的にバイアス磁界を印加できる。 実施例19
【0042】図29は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が、磁性
体4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通
電される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界
の方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連
続になっていること以外は実施例16(図26)と同様
の構成を有する。このような構成でも実施例18と同様
な効果が得られる。 実施例20
【0043】図30は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、平面コイ
ル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体が、磁性
体4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル1に通
電される直流成分により発生して磁性体に作用する磁界
の方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)で不連
続になっているっていること以外は実施例17(図2
7)と同様の構成を有する。このような構成でも実施例
18と同様な効果が得られる。 実施例21
【0044】図31および図32は本実施例の平面イン
ダクタの斜視図および縦断面図である。図31および図
32において、スパイラル平面コイル1上には絶縁層1
2を介して、スパイラル平面コイル1と同一のパターン
形状を有するスパイラル平面コイル13が積層されてい
る。これらの両面には絶縁層2、3が設けられ、さらに
これらの両面には磁性体4、5が設けられている。これ
らの磁性体4、5には、E.A方向を磁化容易軸とする
一軸磁気異方性が付与されている。スパイラル平面コイ
ル1には、例えば実施例1の場合と同じ方向に直流電流
DCが通電され、これに重畳して交流電流IACが通電さ
れる。この結果、磁性体4、5には、磁化容易軸に垂直
な方向に、直流電流IDCにより発生する磁界HDCと、交
流電流IACにより発生する磁界HACとが作用する。直流
電流IDCにより発生する磁界HDCは、磁性体4に対して
は端部から中央部へ向かって内向き、磁性体5に対して
は中央部から端部へ向かって外向きとなる。一方、スパ
イラル平面コイル13には、スパイラル平面コイル1に
通電される直流電流の方向と反対方向に直流電流が通電
される。この結果、磁性体4、5には平面コイル1に通
電される直流成分により発生する磁界と反平行にバイア
ス磁界が印加される。
【0045】このようにバイアス磁界を印加することに
より、異方性磁界Hkはみかけ上大きくなるが、透磁率
μは無バイアス時と同等である。この場合、平面インダ
クタのインダクタンスLは、平面コイル1に通電される
交流成分IACがより高い領域まで一定に保たれる。つま
り、より大きな電流密度で使用することができ、高出力
の電源などに対応できる。また、磁性体の透磁率μを高
く維持できるので、インダクタンスの絶対値を大きくす
ることができ、高効率を実現できる。したがって、大電
流で使用しても高効率の平面型磁気素子を提供できる。
【0046】さらに、バイアス磁界の大きさは平面コイ
ル13に通電される直流電流によって制御できるので、
平面コイル1において直流電流に重畳される交流電流の
大きさに応じて、最適なバイアス磁界を印加できる。し
たがって、使用条件を広範囲に設定できる。 実施例22
【0047】図33は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、スパイラ
ル平面コイル1の両面に絶縁層を介して、スパイラル平
面コイル1と同一のパターン形状を有するスパイラル平
面コイル13aおよび13bが設けられ、これらの両面
に絶縁層2、3が設けられ、さらにこれらの両面に磁性
体4、5が設けられた構成を有する。スパイラル平面コ
イル13aおよび13bには、スパイラル平面コイル1
に通電される直流電流の方向と反対方向に直流電流が通
電され、磁性体4、5には平面コイル1に通電される直
流成分により発生する磁界と反平行にバイアス磁界が印
加される。このような構成でも、実施例21と同様な効
果が得られる。 実施例23
【0048】図34は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタは、スパイラ
ル平面コイル1の両面に絶縁層が設けられ、これらの両
面に磁性体4、5が設けられた、さらにこれらの両面に
スパイラル平面コイル1と同一のパターン形状を有する
スパイラル平面コイル13aおよび13bが設けられた
構成を有する。スパイラル平面コイル13aおよび13
bには、スパイラル平面コイル1に通電される直流電流
の方向と反対方向に直流電流が通電され、磁性体4、5
には平面コイル1に通電される直流成分により発生する
磁界と反平行にバイアス磁界が印加される。このような
構成でも、実施例21と同様な効果が得られる。 実施例24
【0049】図35は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタにおいては、
平面コイル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体
が、磁性体4a、4b、5a、5bからなっていること
以外は実施例20(図31、図32)と同様の構成を有
する。すなわち、平面コイル1の両面の磁性体は、平面
コイル1に通電される直流成分により発生して磁性体に
作用する磁界の方向が反転する位置(平面コイル1の中
央部)で不連続になっている。このような構成でも実施
例21と同様な効果が得られる。さらに、永久磁石6
a、6b、7a、7bから、磁性体4a、4b、5a、
5bへ効率的にバイアス磁界を印加できる。 実施例25
【0050】図36は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタにおいては、
平面コイル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体
が磁性体4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル
1に通電される直流成分により発生して磁性体に作用す
る磁界の方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)
で不連続になっていること以外は実施例22(図33)
と同様の構成を有する。このような構成でも実施例24
と同様な効果が得られる。 実施例26
【0051】図37は本実施例の平面インダクタを示す
斜視図である。本実施例の平面インダクタにおいては、
平面コイル1の両面に絶縁層を介して設けられる磁性体
が磁性体4a、4b、5a、5bからなり、平面コイル
1に通電される直流成分により発生して磁性体に作用す
る磁界の方向が反転する位置(平面コイル1の中央部)
で不連続になっていること以外は実施例23(図34)
と同様の構成を有する。このような構成でも実施例24
と同様な効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の平面型磁気
素子は、平面コイルに大電流を流して使用した場合に
も、磁性体の特性が劣化することがなく、高効率が得ら
れ、高出力の電源にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する模式図。
【図2】本発明に係る平面インダクタを構成する磁性体
の磁化曲線図。
【図3】平面インダクタを構成する磁性体にバイアス磁
界を印加した場合とバイアス磁界を印加しない場合とに
ついて、平面コイルに通電される交流成分とインダクタ
ンスとの関係を示す特性図。
【図4】本発明の変形例の原理を説明する模式図。
【図5】本実施例の実施例1における平面インダクタを
示す斜視図。
【図6】本実施例の実施例1における平面インダクタを
示す縦断面図。
【図7】本実施例の実施例1における平面インダクタを
示す平面図。
【図8】本実施例の実施例2における平面インダクタを
示す斜視図。
【図9】本実施例の実施例2における平面インダクタを
示す縦断面図。
【図10】本実施例の実施例3における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図11】本実施例の実施例4における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図12】本実施例の実施例5における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図13】本実施例の実施例5における平面インダクタ
を示す平面図。
【図14】本実施例の実施例6における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図15】本実施例の実施例7における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図16】本実施例の実施例8における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図17】本実施例の実施例8における平面インダクタ
を示す平面図。
【図18】本実施例の実施例9における平面インダクタ
を示す斜視図。
【図19】本実施例の実施例10における平面インダク
タを示す斜視図。
【図20】本実施例の実施例11における平面インダク
タを示す斜視図。
【図21】本実施例の実施例12における平面インダク
タを示す斜視図。
【図22】本実施例の実施例13における平面インダク
タを示す斜視図。
【図23】本実施例の実施例14における平面インダク
タを示す斜視図。
【図24】本実施例の実施例15における平面インダク
タを示す平面図。
【図25】本実施例の実施例15における平面インダク
タを示す斜視図。
【図26】本実施例の実施例16における平面インダク
タを示す斜視図。
【図27】本実施例の実施例17における平面インダク
タを示す斜視図。
【図28】本実施例の実施例18における平面インダク
タを示す斜視図。
【図29】本実施例の実施例19における平面インダク
タを示す斜視図。
【図30】本実施例の実施例20における平面インダク
タを示す斜視図。
【図31】本実施例の実施例21における平面インダク
タを示す斜視図。
【図32】本実施例の実施例21における平面インダク
タを示す縦断面図。
【図33】本実施例の実施例22における平面インダク
タを示す斜視図。
【図34】本実施例の実施例23における平面インダク
タを示す斜視図。
【図35】本実施例の実施例24における平面インダク
タを示す斜視図。
【図36】本実施例の実施例25における平面インダク
タを示す斜視図。
【図37】本実施例の実施例26における平面インダク
タを示す斜視図。
【図38】従来の平面インダクタを構成する磁性体の磁
化曲線図。
【図39】従来の平面インダクタを構成する磁性体につ
いて、平面コイルに通電される直流成分によって印加さ
れる磁界HACと磁束との関係を示す特性図。
【図40】従来の平面インダクタを構成する磁性体につ
いて、平面コイルに通電される直流成分によって印加さ
れる磁界HACと透磁率との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…スパイラル平面コイル、2、3、12…絶縁層、
4、4a、4b、5、5a、5b…磁性体、6a〜6
d、7a〜7d、8a、8b…永久磁石、9a、9b、
10a〜10d、11a〜11d…導体、13、13
a、13b…スパイラル平面コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 溝口 徹彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平3−276604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/04,30/00,37/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面コイルと、この平面コイルの両面に
    設けられた絶縁層と、これらの両面に設けられた磁性体
    とを具備した平面型磁気素子において、 前記磁性体は一方向を磁化容易軸としこれに垂直な方向
    を磁化困難軸とする一軸磁気異方性が付与されており、 前記平面コイルは、これに通電される直流成分により、
    前記磁性体に対して磁化困難軸に沿う磁界を発生するよ
    うに配置されており、 さらに前記平面コイルに通電される直流成分により前記
    磁性体に作用する磁化困難軸に沿う磁界の向きと反平行
    なバイアス磁界を印加する手段が設けられていることを
    特徴とする平面型磁気素子。
  2. 【請求項2】 前記バイアス磁界を印加する手段が、永
    久磁石、電流が流される導体、または電流が流されるコ
    イルであることを特徴とする請求項1記載の平面型磁気
    素子。
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