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JPH0756067B2 - アルミニウム箔地の製造方法 - Google Patents

アルミニウム箔地の製造方法

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Publication number
JPH0756067B2
JPH0756067B2 JP61161788A JP16178886A JPH0756067B2 JP H0756067 B2 JPH0756067 B2 JP H0756067B2 JP 61161788 A JP61161788 A JP 61161788A JP 16178886 A JP16178886 A JP 16178886A JP H0756067 B2 JPH0756067 B2 JP H0756067B2
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JP
Japan
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foil
less
rolling
ingot
aluminum foil
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JP61161788A
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啓介 八木
義朗 戸上
重則 浅見
晃 秀野
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は箔圧延性とピンホール特性を悪化させることな
く、経済性に優れたアルミニウム箔地の製造方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
一般にアルミニウム箔は用途によって異なるが、厚さ5.
0〜200μmのものが多く用いられており、通常Cu0.04wt
%以下(以下wt%を単に%と略記)、Si0.2%以下、Fe
0.25%以下、Mn0.03%以下、Mg0.03%以下、Zn0.04%以
下、Ti0.03%以下、Al99.7%以上のJIS1070合金、Cu0.1
0%以下、Si+Fe0.7%以下、Mn0.05%以下、Zn0.05%以
下、Al99.3%以上のJIS1N30合金、Cu0.05〜0.20%、Si
0.6%以下、Fe0.7%以下、Mn1.0〜1.5%、Zn0.10%以
下、残部AlのJIS3003合金等が用いられている。これ等
は鋳塊を均質化処理してから熱間圧延し、しかる後冷間
圧延と箔地焼純を行なって作られている。しかしながら
箔厚が25μm以下になると、ピンホールの発生を避ける
ことができず、透湿度(通気度)が増大する欠点があ
り、用途によってはこれが大きな問題となっている。箔
用材料の加工硬化特性は箔の圧延性や箔の品質と密接な
関係があり、加工硬化が適度に大きい方が箔の圧延速度
が上がり、生産性の向上に寄与するが、加工硬化が大き
すぎると所定の厚さまで圧下できなくなったり、パス回
数が増えたりするだけでなく、圧延切れやピンホール数
の増大といった問題が起りやすくなる。そこで適度な加
工硬化特性を備えた箔用材料が要求されるわけだが、こ
の加工硬化特性を調節する一つの方法として箔地中の固
溶Fe,Siを晶出物や析出物などの金属間化合物とするこ
とで加工硬化を減少させる方法がある。この固溶Fe,Si
を析出させるため箔地焼純を行なっている。
最近圧延硬化の少ない箔圧延性に優れたアルミニウム箔
地の製造方法が特公昭60-56786号公報により提案され
た。この方法はFe0.1〜0.8%、Ti0.003〜0.08%、B0.01
%以下を含有し、不純物としてSi0.2%以下、Cu0.03%
以下、Mn0.008%以下、Mg0.008%以下に抑えた純Alであ
って、鋳塊表面層が均一な粒状晶組織をなし、鋳塊内部
のデンドライト・アーム・スペーシングが平均40μm以
上である純Al鋳塊を500〜600℃で均質化処理し、これを
熱間圧延後50%以上の加工率で冷間圧延し、その後280
〜340℃で箔地焼純を行なうもので、鋳造時からできる
だけFe,Siを晶出させて固溶Fe,Si量を減らしたうえに、
その後の均質化処理と箔地焼純の組合せにより、更に固
溶Siを単体Siとして析出させることで、圧延硬化を減少
させ、この圧延硬化の減少によって圧延条件の組合せを
若干緩やかなものとすることにより、ピンホール数を少
なくすることができるようにしたものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
工業的に見れば箔地においても、品質のみならず経済性
や生産性も重要である。しかし従来の工程、即ち熱間圧
延後、冷間圧延し、その後箔地焼純を行なってから所定
の厚さまで冷間圧延を行なう工程において、箔地焼純を
行なうことは、経済性や生産性の面で不利である。箔地
焼純は通常箔地を箔圧延の容易な軟質材とするためであ
り、従来の製造工程から箔地焼純を省くと、箔地が硬く
なり過ぎて箔圧延を困難なものとするばかりでなく、ピ
ンホール数や圧延切れ回数を増大する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、箔圧延性及びピン
ホール特性を悪化させることなく、箔地焼純の工程を省
き、経済性及び生産性の優れたアルミニウム箔地の製造
方法を開発したもので、Fe0.1〜1.0%、Si0.3%以下、C
u0.10%以下を必須成分とし、Mn0.05%以下、Mg0.01%
以下、Ti0.05%以下に抑え、又はこれにB0.01%以下、Z
r0.05%以下の範囲内で何れか1種又は2種を添加し、
残部Alと通常の不純物からなる合金の鋳塊を均質化処理
した後、終了温度が250℃以上の熱間圧延を行ない、し
かる後50℃/hr以下の冷却速度で冷却して再結晶組織と
し、その後箔地焼純を施すことなく所定の箔厚まで冷間
圧延を行なうことを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明は熱間圧延時に固溶Fe,Siを析出させることによ
り材料の加工硬化を調整し、その後の箔地焼純を省いて
経済性及び生産性を向上させたものである。
本発明において熱間圧延の終了温度を250℃以上とし、
熱間圧延後50℃/hr以下の冷却速度で冷却して再結晶組
織とすることで、材料中の固溶Fe,Siを十分析出させ、
その後の材料の加工硬化を減少させたものである。その
結果箔地焼純を施さずに箔地の所定板厚まで冷間圧延が
でき、箔地の強度は若干高くなるが、その分箔圧延の初
期パスにおいて、圧延速度が上り箔の生産性向上に寄与
する。更にその後の箔圧延において、材料があまり加工
硬化しないため、圧延切れやピンホール数の増大といっ
た問題もなく、所定のパス回数で圧延することができ
る。
しかして本発明において合金組織を上記の如く限定した
のは、次の理由によるものである。
Fe含有量を0.1〜1.0%と限定したのは、Feは適度な強度
の増加及び結晶粒の微細化硬化を有するも、0.1%未満
では硬化が少なく、1.0%を越えると耐食性が低下する
ためである。Si含有量を0.3%以下と限定したのは、Si
の適度の添加は素材の強度及び耐熱性の向上に寄与する
も、0.3%を越えるとAl−Fe系の粗大な金属間化合物の
晶出を助長するだけでなく、非常に硬い単体Siとして析
出しやすいためである。Cu含有量を0.10%以下と限定し
たのは、Cuの適度の添加は箔の強度及び耐熱性の向上に
寄与するも、0.10%を越えると箔圧延に伴なう加工硬化
が非常に大きくなり、薄箔にした場合圧延切れやピンホ
ール数が増大する等の問題が発生し易くなるためであ
る。
Mn,Mgは圧延における加工硬化を大きくする元素であ
り、特にMgはその程度が大きく、0.01%以下に抑える必
要がある。MnはMgほどではないが、0.05%以下に抑える
ことが好ましい。Tiは通常Al−Ti又はAl−Ti−B母合金
の形で添加され、鋳造組織を微細な粒状晶として熱間圧
延時の圧延性を確保するためで、母合金中のAl3TiやTiB
2といった化合物は非常に薄くまで圧延する箔材料にと
ってはピンホール等の点で好ましくなく、0.05%以下に
抑える必要があり、熱間圧延性に問題がなければ無添加
の方が好ましい。Bは一般にAl−Ti−Bの形で添加され
るが、これはTi添加と同様熱間圧延性の確保のためで、
0.01%以下で十分であり、それ以上の添加はピンホール
特性に悪影響を及ぼす。ZrはTiやBと同様、鋳造組織を
微細化し、熱間圧延性を良好にするためで、そのために
は0.05%以下で十分であり、それ以上の添加はピンホー
ル特性に悪影響を及ぼす。尚本発明は上記合金組織範囲
内であれば一般のアルミニウム箔地の製造に用いる各種
鋳塊、例えば表面層に羽毛状晶を形成させ、鋳塊組織の
20%以上を羽毛状晶とした鋳塊及びこれ以外の鋳塊の何
れにも適用できる。
〔実施例〕
第1表に示す成分組成のAl基合金を用い、半連続鋳造に
より鋳塊を製造し、面削を施して厚さ400mmとした。こ
の鋳塊560℃で6時間均質化処理した後、第2表に示す
工程により板厚0.45mmの箔地を形成した。
次に板厚0.45mmの箔地を7μmの厚さまで圧延して仕上
り箔とし、これについて圧延の際の加工硬化を調べると
共に、仕上り箔について圧延切れ回数とピンホール数を
測定した。第1図に圧延の際の加工硬化曲線を、第3表
に圧延切れ回数とピンホール数を示す。
第1図から明らかなように箔地焼純を省いた本発明法N
o.1〜4によるものは、何れも箔地圧延における加工硬
化の度合いが小さく、薄箔の領域では引張強さが従来の
箔地焼純を行なった比較法No.5〜6と同程度となってい
ることが判る。これに対し熱間圧延上り温度又はその後
の冷却速度が本発明の範囲より外れ、かつ箔地焼純を省
いた比較法No.7〜8では加工硬化の度合いが大きくなっ
ている。
また第3表から明らかなように、羽毛状晶の割合を多く
した鋳塊を用いて箔地焼純を省いた本発明法No.1は、同
様の鋳塊を用いて箔地焼純を行なった比較法No.5とほぼ
同様の圧延切れ回数及びピンホール数を示し、羽毛状晶
の割合が少ない通常の鋳塊を用いて箔地焼純を省いた本
発明法No.2〜4は、何れも同様の鋳塊を用いて箔地焼純
を行なった比較法No.6とほぼ同様の圧延切れ回数及びピ
ンホール数を示し、本発明によれば羽毛状晶の割合にか
かわらず、箔地焼純を省くことができることが判る。こ
れに対し熱間圧延上り温度又はその後の冷却速度が本発
明の範囲より外れ、かつ箔地焼純を省いた比較法No.7〜
8では圧延切れ回数及びピンホール数が著しく増大す
る。
〔発明の効果〕
このように本発明によればアルミニウム箔地の製造にお
いて、圧延性やピンホール特性を悪化させることなく、
箔地焼純を省くことにより、経済性及び生産性を向上す
ることができる等、工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はアルミニウム箔地の圧延における加工硬化曲線
を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe0.1〜1.0wt%、Si0.3wt%以下、Cu0.10w
    t%以下を必須成分とし、Mn0.05wt%以下、Mg0.01wt%
    以下、Ti0.05wt%以下に抑え、又はこれにB0.01wt%以
    下、Zr0.05wt%以下の範囲内で何れか1種又は2種を添
    加し、残部Alと通常の不純物からなる合金の鋳塊を均質
    化処理した後、終了温度が250℃以上の熱間圧延を行な
    い、しかる後50℃/hr以下の冷却速度で冷却して再結晶
    組織とし、その後箔地焼鈍を施すことなく所定の箔厚ま
    で冷間圧延を行なうことを特徴とするアルミニウム箔地
    の製造方法。
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