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JPH0742034A - トラベラー交換方法 - Google Patents

トラベラー交換方法

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JPH0742034A
JPH0742034A JP20282493A JP20282493A JPH0742034A JP H0742034 A JPH0742034 A JP H0742034A JP 20282493 A JP20282493 A JP 20282493A JP 20282493 A JP20282493 A JP 20282493A JP H0742034 A JPH0742034 A JP H0742034A
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JP
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traveler
yarn
ring
exchanging
thread
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JP20282493A
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Itaru Yokota
至 横田
Hidetoshi Mori
秀壽 森
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸を確実に引っ掛けた状態でトラベラーをリ
ング上に取り付け、トラベラー交換機全体としてのトラ
ベラー交換成功率を向上させるトラベラー交換方法を提
供する。 【構成】 糸Yをリングフランジ水平面5aに対して上
下方向に斜めに横切るように保持して糸寄せする糸寄せ
工程と、旧トラベラーを取り外した後に、新トラベラー
を取り付ける工程とを有するトラベラー交換方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング精紡機のリング
に挿着されたトラベラーを自動的に交換するトラベラー
交換方法に関し、特に新たなトラベラーを挿着する場合
に糸がトラベラー内に確実に入るトラベラー交換方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】まずトラベラーが用いられるリング精紡
機を図11により説明する。リング精紡機101は加撚
機構102とドラフト機構103を有している。ドラフ
ト機構103は、バックローラ104、エプロン105
を有するミドルローラ106、およびフロントローラ1
07の上下ローラ対を順に上から下へと配列し、各ロー
ラ対の上ローラがクレードルアームで開閉可能に支持さ
れ、各ローラ対の下ローラが駆動されるものである。太
径のスライバS又は粗糸Sはドラフト機構103を経て
糸となる。この糸に以下に述べる加撚機構102を経て
紡績糸となる。
【0003】加撚機構102は、ボビン2が挿着される
スピンドル軸1と、ボビン2の長手方向に沿って上下動
自在でありトラバース可能なリングレール4と、リング
レール4に固定されたリング5と、リング5のフランジ
に挿着されて周方向に走行自在なトラベラー7と、バル
ーン制御リング9と、スネルワイヤ8とを下から上へと
配列したものである。スピンドル軸1は複数錘に共通の
ベルト3で通常1〜2万RPM前後の高速回転してい
る。
【0004】糸Yは、スネルワイヤ8及びバルーン制御
リング9及びトラベラー7を経てボビン2に巻き取られ
る。ボビン2が回ると、トラベラー7は糸に引っ張られ
て、リング5のフランジ上を走行し、糸に撚りを与え
る。上方から送られた糸の長さに相当した分だけ、ボビ
ン2とトラベラー7との間に回転数の差があり、この長
さだけボビン2に巻き取られる。すなわち、リング5と
トラベラー7は回転数差を生じさせるための摩擦抵抗体
であると同時に、加撚作用と巻取作用を行うための走行
方向変換機構となっている。
【0005】トラベラー7はC字型の金具でリング5の
フランジに挿着されている。このトラベラー7はフラン
ジ上を1〜2万RPM前後で高速回転するため、摩耗す
る。そこで、1〜2週間毎にトラベラー7を古いものか
ら新しいものへと交換する必要がある。従来のトラベラ
ー交換方法は人手によるものであった。すなわち、適宜
な爪金具を用いて古いトラベラーを外し、新しいトラベ
ラーを挿着する。この新しいトラベラーの挿着に際し
て、人手による道具としてトラベラー取付装置が用いら
れることもある。この従来のトラベラー交換方法は道具
を使うものの人手によるものであり、多数錘を有するリ
ング精紡機のトラベラーを全数交換するとなると、熟練
者でも相当の時間を要する。そのため、このトラベラー
交換のための要員が必要である。
【0006】そこで、トラベラー交換を自動化するトラ
ベラー交換方法が望まれるようになった。このような自
動のトラベラー交換方法は、トラベラーに至る糸を弛
め、給糸ボビンを回してトラベラーを所定の位置にして
トラベラー交換を行い、交換後の糸の弛みを取るという
順に行われる。これを一つの給糸ボビンに対して順番に
行うと、サイクルタイムが長くなる。そこで3つの給糸
ボビンに対して、トラベラーに至る糸を弛めておく準備
工程と、トラベラー交換を行う作業工程と、交換後の糸
の弛みを取る仕上げ工程とを同時に行い、給糸ボビンを
一つずつずらし、一つの給糸ボビンについて、準備工程
と作業工程と交換工程をを順次切り換えて行ないサイク
ルタイムを短縮するトラベラー交換方法を提案した。
【0007】ここで、従来のトラベラー交換方法におい
て、トラベラー交換の際に、糸を邪魔にならない位置に
寄せる糸寄せ工程を図12によって、トラベラー取り付
け工程を図13によって説明する。
【0008】図12(a)は糸寄せレバー21の上面図
であり、同図(b)のA1、B1、C1は糸の位置を示
す断面図である。同図(a)において、糸寄せレバー2
1は一対のレバー77,78から成り、先端に引っ掛け
部77a,78aが形成されている。引っ掛け部77a
がトラベラー7より下流の糸Y2をリング5の内側へと
寄せ、引っ掛け部78aがトラベラー7より上流の糸Y
1をリング5の外方へと寄せ、糸Yがリング5の上面を
斜めに横切るように保持する。このようにすると、引っ
掛け部77aのA1点と、引っ掛け部78aのC1点
と、その中間のB1点の糸の位置が、リング5に対して
同図(b)に示される位置にあるので、同図(a)のB
1点の位置にトラベラー7を挿着すると同時にトラベラ
ー7に糸Yが掛かった状態になる。
【0009】図13はトラベラー取り付け装置22の構
造と作動を示す図であり、同図(a)は全体斜視図、同
図(b)は要部拡大図である。同図(a)おいて、トラ
ベラー取り付け装置22は、トラベラー7の多数が嵌め
込まれたアーム82と、切り出し部材83と、板バネ8
4とからなっている。切り出し部材83の方向の移動
により、トラベラー7の一つを押さえながら先端に送り
出す。同図(b)のようにアーム82の先端82aは屈
曲しており、トラベラーは上下方向のC型に保持され
る。そして、トラベラー取り付け装置22の全体がリン
グ5の内側から外側へ(方向に)後退すると、トラベ
ラー7がリング5に挿着される。同時に、同図(a)の
板バネ84により、フリーになったトラベラー7が紙面
厚み方向の奥側に弾き飛ばされる。
【0010】ところで、古いトラベラーの取り外しと共
に糸Yが運ばれないようにするために、トラベラー取り
付け装置22による新しいトラベラーの挿着は、トラベ
ラー取り外し装置23による古いトラベラーの取り外し
よりも先に行われる。従って、この場合のトラベラーの
交換は、新旧2つのトラベラーが図12(a)に示す横
切り部分A1−C1に位置する必要がある。そこで、横
切り部分A1−C1の起点A1をリング5の内周円の接
線にほぼ重なるように、又、図12(c)に示すよう
に、リングフランジ水平面5aに対して平行となるよう
に糸Yを保持し、横切り部分A1−C1を最も長くし
て、トラベラーの交換を行っていた。ここで、図12
(c)は同図(a)のJ−J断面図である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ト
ラベラー取り付け方法は、図12(c)に示すように、
糸Yがリングフランジ水平面5aに対して平行に保持さ
れるので、トラベラー取り付け装置22の底面と糸Yと
の角度が平行になり、図13(b)に示すトラベラー取
り付け装置22のケース22aの底に当接した場合、ト
ラベラー取り付け装置22のリング5の内側から外側へ
の(方向の)移動に伴って糸Yもリング5の上面を転
がるようにして、内側から外側へ移動し、糸Yが掛から
ずにトラベラー7が挿着されるという問題を有してい
た。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、糸を確実に
引っ掛けた状態でトラベラーをリング上に取り付け、ト
ラベラー交換機全体としてのトラベラー交換成功率を向
上させるトラベラー交換方法を提供するところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のトラベラー交換
方法は、トラベラー交換方法改良に伴い古いトラベラー
の取り外しと共に糸が運ばれるということが少なくな
り、リングフランジ水平面に対して平行となるように糸
を保持すること、及び、新しいトラベラーを取り付けた
後に、旧トラベラーを取り外すことの必要性が少なくな
ってきていることに着目してなされたものであり、糸を
リングフランジ水平面に対して上下方向に斜めに横切る
ように保持して糸寄せする糸寄せ工程と、旧トラベラー
を取り外した後に、新トラベラーを取り付ける工程とを
有するものである。
【0014】
【作用】上記手段により、糸をリングフランジ水平面に
対して上下方向に斜めに横切るように保持すると、トラ
ベラー取り付け装置の底面と糸との角度が平行でなくな
り、トラベラー取り付け装置の底面と糸とが当接した場
合の接触面は点接触となるので、トラベラー取り付け装
置の移動に伴って糸がトラベラーリングの上面を転が
り、糸が掛からずにトラベラーが挿着されることを防止
する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明のトラベラー交換方法を示す図であ
り、特に以下に詳述する作業工程での糸寄せレバー21
による糸寄せ工程を示している。
【0016】図1において、同図(a)のJ−J断面で
ある(b)に示すように、糸Yはリングフランジ水平面
5aに対して上下方向に斜めに横切るように保持されて
リング5側に寄せられている。
【0017】このように糸がリングフランジ水平面5a
に対して上下方向に斜めに横切るように保持されると、
トラベラー取り付け装置22の底面と糸Yとの角度が平
行でなくなり、トラベラー取り付け装置22の底面と糸
Yとが当接した場合の接触面は点接触となるので、トラ
ベラー取り付け装置22の移動に伴って糸がトラベラー
リング5の上面を転がり、糸Yが掛からずにトラベラー
7が挿着されることを防止する。
【0018】つぎに、上述したトラベラー交換方法に適
用されるトラベラー交換機を図2乃至図4によって説明
する。図2はリングレール4に沿って走行するトラベラ
ー交換機の側面図であり、図3は正面図であり、図4は
上面図である。図2及び図3において、トラベラー交換
機は、動作部11と、該動作部11を上下動自在に保持
する台車部12とからなっている。なお、13は電源・
制御部である。
【0019】動作部11には、リングレール4のコーナ
部で転がる車輪37と、リングレール4に対する横向き
磁石38及び下向き磁石39が取り付けられている。こ
れら磁石38、39とリングレール4との間隔はガイド
ローラ40,41で所定値となる。なお、図3に示され
るように、2個の車輪37,37の間に磁石38,39
が設けられており、車輪37,37でリングレール4が
規制され、リングレール4の継ぎ目Dでリングレール4
の端が吸い寄せられて水平方向で傾かないようになって
いる。
【0020】そして、動作部11は、スライドレール3
3を摺動するスライド体34に取り付けられ、台車部1
2に対して上下動自在であり、定荷重バネ36で区間L
の間で略等しい力Fを付与するため、動作部11はリン
グレール4がどの高さにあっても、自重Gが相殺された
状態で、磁石38,39の吸引力でリングレール4に対
して車輪37は適切な接圧が付与される構造となってい
る。これは、ボビン2のチェス部2aの間で上下動する
と共に、ボビン2のチェス部2aの形成につれて徐々に
上昇するリングレール4の停止位置は区間Lの間の任意
高さとなること考慮したものである。また、動作部11
には板35が取り付けられ、板35は下向きに延びた後
に斜め上方に曲がっている。
【0021】台車部12は、四角枠31に台枠32を斜
めに固設した構造であり、四角枠31の縦枠にスライド
レール33が取り付けられている。台車部12には断面
が弓形に曲がったうす板のコイルバネを巻回した定荷重
バネ36が設けられ、定荷重バネ36の先端が板35の
端に接続されている。そのため、板35には上向きの力
Fが付与する。この付与力Fは動作部11の重量Gに略
等しく調整されており、動作部11の重量Gが相殺され
る。
【0022】更に、動作部11には、糸寄せレバー2
1、トラベラー取り付け装置22、トラベラー取り外し
装置23が、台車部12には、第1テンサ24、第2テ
ンサ25、第1ローラ26、第2ローラ27、第3ロー
ラ28、位置決め部材としてのローラ29がトラベラー
交換用動作機器として設けられている。これらの動作機
器は、モータM4で作動するカム列42で所定の順番で
動作するようになっている。
【0023】台車部12のローラ26,27,28はト
ラベラー交換機の走行時には退避しており、動作時に図
示のようにスピンドル1に接する。但しローラ26,2
7,28の回転は別途のモータM1,M2,M3によ
る。第1ローラ26はスピンドル1を逆転させて糸Yを
弛ませ、第2ローラ27はスピンドル1を正転させてト
ラベラー7を所定位置まで走らせ、第3ローラ28はス
ピンドル1を更に正転させて糸Yを張る。位置決め部材
であるローラ29はトラベラー交換機の走行時には二点
鎖線のように退避しており、動作時には実線の位置まで
揺動し、ストッパーレール43の当接部44に当たって
停止するようになっている。
【0024】又、トラベラー交換機は、図3及び図4に
示すように、トラベラー交換に際して必要な糸の弛みを
得る準備工程を行う第1ステーションS1、トラベラー
交換の作業工程を行う第2ステーションS2、糸を張り
交換後の仕上げ工程を行う第3ステーションS3の3つ
のステーションS1,S2,S3を有しており、トラベ
ラー交換のための作業を分担し、一斉に作業を行うこと
によりサイクルタイムを短くしている。
【0025】準備工程を行う第1ステーションS1の動
作機器は、第1テンサ24、第1ローラ26、位置決め
用リミットスイッチ60、位置決めレバー61、バネ6
2であり、交換の作業工程を行う第2ステーションS2
の動作機器は、糸寄せレバー21とトラベラー取り付け
装置22とトラベラー取り外し装置23と第2テンサ2
5と第2ローラ27であり、仕上げ工程を行う第3ステ
ーションS3の動作機器は、第3ローラ28と弛み除去
装置17である。トラベラー交換機の全体がリング5の
配列ピッチP毎に走行することで、一つの給糸ボビン2
に対して第1ステーションS1→第2ステーションS2
→第3ステーションS3が順に動作するようになってい
る。
【0026】このようにピッチP毎の走行のために、台
車部12にレール10上を走行する車輪45が設けられ
ている。図3に示すように、モータM5が一回転する
と、リンク47,48,49を介して、車輪45が矢印
E方向に回転し、丁度ピッチPに相当する距離だけ走行
するようになっている。
【0027】次に、トラベラー交換機の各ステーション
で働くトラベラー交換用動作機器について説明する。
【0028】図5及び図6は第1ステーションS1のテ
ンサ24と第2ステーションS2のテンサ25の構造と
作動を示す図であり、図6左図は上面図であり、図6右
図はD矢視図である。図5において、テンサ24,25
は、3本の爪70を有する櫛71と、2本の爪72を有
する櫛73とからなり、テンサ24,25全体は、リン
グ精紡機101の糸Yに対して進退可能である。
【0029】櫛71及び櫛73の爪70、爪72はそれ
ぞれのボード71a、73aから突き出ており、櫛73
が固定された軸74が、2本の爪72が櫛71の爪70
の間に位置するように、櫛71に設けられた孔75に回
転自在に差し込まれている。そのため、一対の櫛71、
73のそれぞれの爪70、72は軸74の回転により噛
み合い自在となっており、爪70、72のそれぞれの屈
曲部70a及び72aに糸Yを保持し、テンサに糸Yを
貯める。
【0030】そして、第2ステーションのテンサ24に
は、この噛み合いの十分な度合いを検出するリミットス
イッチ76が、ボード73aの内側に設けられ、その検
出片76aがボード71aの内側に設けられている。こ
の噛み合いの度合いは、糸Yの弛み量をあらわしてお
り、十分な糸Yの弛み量が得られると、即ち、十分な噛
み合い量となると、ボード73aの内側に設けられたリ
ミットスイッチ76がボード71aの内側に設けられた
検出片76aに当接し、リミットスイッチ76がONに
なり、給糸ボビン2からの糸の繰り出しが停止される。
【0031】つぎに、図6によりテンサ24,25の作
動を説明する。(a)では、テンサ24、25は動作部
11に退避している。(b)では、テンサ24、25が
退避位置から方向に進出すると、糸Yが爪70,72
の屈曲部70a、72a間に位置する。そして、爪72
が方向に軸74を中心に移動すると、噛み合って
(c)の状態になると、糸Yはジグザクになり、弛みが
吸収され、糸Yが貯められる。
【0032】第1ステーションS1のテンサ25は、ト
ラベラー交換に際して必要な糸Yの弛みを予め得るため
のものであるが、糸Yの弛み量が不十分であると、次に
述べる第2ステーションS2の糸寄せレバーの作動が不
完全になるので、第2ステーションS2のテンサ24
は、糸寄せレバーが確実に作動するために、十分に正確
な糸Yの弛み、即ち、張力を知る必要がある。そこで、
図5に示すリミットスイッチ76及び検出片76aが設
けられている。
【0033】このリミットスイッチ76の作動は以下の
通りである。まず、図6において、テンサ24が方向
に進出し、爪70,72が方向に噛み合う。つぎに、
テンサ24に充分な弛みがあるかどうかをリミットスイ
ッチ76が検出する。糸Yの弛み量が不十分であると、
爪70,72の噛み合いが不十分であるので、リミット
スイッチ76がONにならない。この場合、図示されな
いローラを逆転させて給糸ボビンから糸を繰り出す。爪
70,72の噛み合いが十分になり、リミットスイッチ
76がONになると、給糸ボビン2を逆転させての糸の
繰り出しが停止される。
【0034】つぎに、図示されないローラを正転させ給
糸ボビンに糸を巻くことでトラベラーを所定の位置に走
行させる。トラベラーが所定の位置で停止すると糸が張
るので、リミットスイッチ76が再びOFFになって糸
の張りが検出され、次の継続動作に支障がないことが確
認される。なお、テンサ24,25の実施例として一対
の櫛71,73を用いるゲートテンサを説明したが、エ
アーの吸引・呼び出しによって弛みを吸収するエアテン
サを用いることもできる。しかし、エアテンサはエア源
を必要とするのでゲートテンサが好ましい。
【0035】図7は、準備工程におけるトラベラー位置
決め装置63の構造と作動を示す図である。トラベラー
位置決め装置63は、トラベラー交換機の動作部11に
設けられた位置決め用リミットスイッチ60及び位置決
めレバー61とバネ62からなる。
【0036】図7(a)は、ボビン2を逆回転させて糸
を弛めた後の図である。位置決めレバー61の先端が後
述するトラベラー交換機の動作部11からリング5上に
進出している。位置決めレバー61はピン61aを支点
に回動可能にトラベラー交換機の動作部11に設けられ
ており、その後端にバネ62が連結されて先端側がリン
グ5上に図示の如くの角度で交差するように保たれてい
る。位置決め用リミットスイッチ60は、位置決めレバ
ー61先端側の図左方への回動によって、その作動片6
0aが当接する位置に設けられている。この状態で、ボ
ビン2を正転させてトラベラー7を矢印方向に走行させ
る。
【0037】図7(b)は、図7(a)の状態からボビ
ン2の正転によって、トラベラー7が移動し、位置決め
レバー61の先端側に当接し、位置決め用リミットスイ
ッチ60がON状態になったところの図である。更に、
ボビン2を正転させて、トラベラー7を矢印方向に走行
させる。
【0038】図7(c)は、図7(b)の状態から、ボ
ビン2の正転によって、更にトラベラー7が走行し、位
置決めレバー61の先端側との接触が離れ、図7(b)
でONされた位置決め用リミットスイッチ60が再びO
FF状態になったところの図である。この位置決め用リ
ミットスイッチ60が再びOFFになるタイミングに合
わせてボビン2の回転を止め、範囲H内にトラベラー7
を停止させる。
【0039】準備工程において、この範囲H内にトラベ
ラー7があると、次工程であるトラベラー交換作業工程
において、トラベラー7が交換用動作機器の進出する位
置に移動して交換用動作機器と干渉するということがな
く、又、準備工程においてトラベラー7を一定の範囲H
内に走行せておくので、次工程である作業工程において
トラベラーを交換作業を行う所定位置に移動させる時間
のばらつきが少なくなり、作業工程におけるトラベラー
交換作業のスタート時間が速くなる。
【0040】図8はトラベラー取り外し装置23の構造
と作動を示す図であり、同図(a)、(b)において、
左図は右図のI矢視図である。トラベラー取り外し装置
23は、同図(a)に示すように、筒体80と、筒体8
0に対して方向の回転が可能なアーム79と、固定部
材として筒体80に取り付けられた押さえ板81とから
なる。アーム79の先端にトラベラー7に対する取り外
し部材としての爪79aが形成され、この爪79aが
方向に回転すると、押さえ板81の先端81aと爪79
aでトラベラー7を取り込むようにして挟持できるよう
になっている。また、筒体80はその全体がリング5へ
進出(方向に前進)可能となっている。
【0041】このような構造のトラベラー取り外し装置
23によるトラベラー取り外し方法を説明する。図8
(a)において、、押さえ板81の先端81aと爪79
aとによるトラベラー7の挟持部分が、トラベラー7の
糸が掛けられている側の腹部7aの位置となるように、
筒体80をリング5へ進出(方向に前進)させる。そ
して、ボビンを正転させて糸Yを巻きトラベラー7を移
動させると、トラベラー7は押さえ板81と爪79aの
間に入り、アーム79に当たって停止する。そして、
方向にアーム79を旋回させる。
【0042】図8(b)において、アーム79は方向
に旋回し、押さえ板81の先端81aとアーム79の爪
79aとでトラベラー7を挟持した状態を示している。
【0043】図8(c)において、トラベラー7の挟持
部分7aを、トラベラーの開口部7cが開く方向であ
り、リング5上面に対して垂直な上方に持ち上げてトラ
ベラー7をリング5から取り外す。
【0044】このように、トラベラーの挟持部分7a
を、トラベラーの開口部7cが開く方向であり、リング
5上面に対して垂直な上方に持ち上げてトラベラー7を
リング5から取り外すと、トラベラー7に引っかけられ
ている糸Yは、一旦、トラベラー7と共に垂直上方に持
ち上げられても、すぐに垂直下方に落ち、取り外された
トラベラー7に引っ掛かったまま引っ張られて切れると
言うことがなくなる。
【0045】なお、トラベラー取り外し装置23が所定
位置に前進した場合、トラベラー7がこのトラベラー取
り外し装置23に当たる位置に存在すると、トラベラー
の取り外しが失敗する。そこで、準備工程において図7
に示す方法によって、予めトラベラー7を作業工程にお
ける交換作業に適するリング上の位置に、移動させてお
く。
【0046】図9は図13に示したトラベラー取り付け
装置22の作動を示す図である。図9において、(a)
は、トラベラー取り付け装置22がリング5の内側に進
出したところを示している。この時、トラベラー7はア
ーム82の先端82aによって正確に上下方向のC字形
に保持されていない。そして、そのままリング5の内側
から外側へ(方向へ)少し移動し、同図(b)に示す
状態になる。
【0047】同図(b)は、トラベラー取り付け装置2
2が、一旦、リングの外方側(方向)へ少し後退し、
トラベラー7の一端7bが、リング5上面に当接したと
ころを示している。そのため、トラベラー7は方向に
移動が困難で、トラベラー取り付け装置22だけが移動
し、トラベラー7の保持位置が方向に少しずれる。す
ると、トラベラー7の他端7dは一端側7bを支点に8
6方向に下降する。
【0048】この時、一旦、リングの外方側(方向)
へ少し後退したトラベラー取り付け装置22を、同図
(c)に示すように、リング外方側から内方側(85方
向)へ少し進出させると、更に、トラベラー7の他端7
dは一端側7bを支点に86方向に下降し、同図(d)
に示す状態になる。
【0049】同図(d)に示す状態で、トラベラー取り
付け装置22をリングの外方側(方向)へ少し後退さ
せると、トラベラー7の他端7dがリング5に引っ掛か
り、更に、後退させると、トラベラー7がリング5に挿
着される。
【0050】このように、トラベラー取り付け装置22
がリング5への進出、後退を二度繰り返すと、トラベラ
ー取り付け装置22によって、一度目が正確に上下にC
字形に保持されていないトラベラー7も、二度目の進出
によって、正確に上下にC字形に保持される。
【0051】図10は糸弛み除去装置の構造と作動を示
す上面図である。弛み除去装置17は、L字型レバー5
7の片方の腕にブラシ58を植設したものであり、他方
の腕に対するスプリング59とストッパー54により図
示の姿勢を保っている。また、レバー57の他方の腕に
対してリミットスイッチ55が配設されている。図3の
ローラ28でボビンが正転すると、弛んだ糸が巻かれる
が、糸が張ると、トラベラー7がリング5に沿って走行
する。このトラベラー7はブラシ58に突っ込み、レバ
ー57を反時計方向に揺動させ、リミットスイッチ55
が作動し、糸が張られたことが確認され、ローラの回転
を止める。このように、トラベラー7を交換した後に糸
を張っておかないと、リング精紡機のスタート時に糸切
れが発生する。
【0052】このようなトラベラー交換用動作機器を有
するトラベラー交換機を用いてのトラベラー交換方法を
図3及び図4に示す各ステーションでの作動に基づいて
説明する。ローラ26,27,28は3本のボビン2側
面に当接可能であり、モータにより別個に回転可能とな
っている。操作部11が図面左から右へとトラベラー交
換作業を行うものとする。
【0053】第1ステーションS1では、図4に示す位
置決め板16が進出してリング5に嵌入し、操作部11
が位置決めされる。つぎに、ローラ26が進出してボビ
ン2を逆転させ、糸を弛ませる。この糸の弛みを図5に
示すテンサ24で最大限に吸収する。そして、図7で説
明したトラベラー位置決め装置63による位置決め方法
によって、トラベラー7を第2ステーションS2におけ
る交換作業に適するリング5上の位置Hに移動させる。
その後、テンサ24から解放後、縮んだ糸Yのループが
トラベラー7の上方に出来やすくするために、更に糸を
弛める。そして、テンサ24が糸を解放した後、動作部
11がワンピッチPだけ図面右側に走行し、第2ステー
ションS2に移る。
【0054】つぎに、第2ステーションS2において、
図5に示すテンサ25により再び糸Yがジグザグとなっ
て貯められ、糸Yは所定の糸張力で繰り出し又は送り込
みができるようになる。この時、縮んだ糸Yのループは
トラベラー7の上方に存在するので、トラベラー7の開
口部から糸Yが抜けることなく、弛んだ糸の全部がテン
サ25に貯められる。つぎに、図8(a)に示すトラベ
ラー取り外し装置23のアーム79が、押さえ板81の
先端81aと爪79aとによるトラベラー7の挟持部分
が、トラベラー7の糸が掛けられている側の腹部7aの
位置となるようにリング5上の所定位置に進出する。
【0055】つぎに、ローラ27が正転すると、テンサ
25に貯められた糸Yが繰り出され、糸の回転と共にト
ラベラー7がリング5に沿って時計方向に走行する。そ
して、図8(a)のアーム79の爪79aでトラベラー
7が係止され、所定位置でトラベラー7の走行が停止す
る。このときのローラ27の回転は予め設定された制御
装置で所定数だけ回転するようになっている。つぎに、
図1の糸寄せレバー21がテンサに貯められた糸を更に
繰り出しつつ、糸Yを上からリング5上を横切るように
寄せる。その結果、図1(a)に示されるように、糸Y
はトラベラー7の挿着の取り外しに支障がない位置に保
持される。この時、糸Yは同図(b)に示されるよう
に、リングフランジ水平面5aに対して上下方向に斜め
に横切るように保持さている。
【0056】つぎに、図8(b)に示すトラベラー取り
外し装置23のアーム79が方向に回転し、爪79a
と先端81aがトラベラー7を取り込んだ後に、図8
(c)に示すように、爪79aと押さえ板の先端81a
とで挟持されたトラベラー7の挟持部分7aを、トラベ
ラーの開口部7cが開く方向であり、リング5上面に対
して垂直な上方に持ち上げてトラベラー7をリング5か
ら取り外す。外れたトラベラー7は爪79aと先端81
aで保持されたままであり、トラベラー取り外し装置2
3の退出と共にトラベラー7が図4の回収ボックス15
の上まで運ばれ、爪79aと先端81aが離れることに
よりトラベラー7を回収ボッスク内15に落とされる。
【0057】つぎに、図13(a)に示すトラベラー取
り付け装置22のアーム82で保持されたトラベラー7
がリング5の内周側の所定位置まで進出し、一旦、全体
が少しリング5外方(方向)に後退する。そして、再
びリング5内方へ少し進出した後トラベラー取り付け装
置22全体がリング5外方(方向)に後退し、トラベ
ラー7の内側端7dはリング5に引っ掛けられたまま、
トラベラー7の外側端7bが引き延ばされ、リング5に
挿着され、板バネ84でトラベラー7が紙面厚み方向奥
側に弾き飛ばされる。
【0058】その後、図1の糸寄せレバー21が元の退
避位置に戻り、糸の弛みは図5のテンサ25に再び貯め
られた後に、テンサ25が解放される。つぎに、解放さ
れたテンサ25が元の退避位置に戻り、動作部11が1
ピッチPだけ図面右側に走行し、第3ステーションに移
る。
【0059】つぎに、第3ステーションにおいて、ロー
ラ28が正転し、糸が張った状態を図10の弛み除去装
置17で検出してローラ28が停止すると、糸の弛みが
無くなり元の状態になる。
【0060】
【発明の効果】このように本発明のトラベラー交換方法
は、糸をリングフランジ水平面に対して上下方向に斜め
に横切るように保持することにより、トラベラー取り付
け装置の底面と糸とが当接した場合の接触面を点接触と
なるようにして、トラベラー取り付け装置の移動に伴っ
て糸がトラベラーリングの上面を転がり糸が掛からずに
トラベラーが挿着されることを防止する。その結果、ト
ラベラー交換機全体としてのトラベラー交換成功率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラベラー交換方法を示す図である。
【図2】トラベラー交換機の側面図である。
【図3】トラベラー交換機の正面図である。
【図4】トラベラー交換機の上面図である。
【図5】テンサの構造を示す斜視図である。
【図6】テンサの作動を示す図である。
【図7】トラベラー位置決め装置の構造と作動を示す図
である。
【図8】トラベラー取り外し装置の構造と作動を示す図
である。
【図9】トラベラー取り付け装置の作動を示す図であ
る。
【図10】糸弛み除去装置の構造と作動を示す図であ
る。
【図11】リング精紡機の正面図である。
【図12】従来の糸寄せ工程を示す図である。
【図13】トラベラー取り付け装置の構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
5 リング 5a リングフランジ水平面 7 トラベラー 21 糸寄せレバー 77、78 レバー 77a、78a 引っ掛け部 Y 糸 A−C 横切り距離

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸をリングフランジ水平面に対して上下
    方向に斜めに横切るように保持して糸寄せする糸寄せ工
    程と、旧トラベラーを取り外した後に、新トラベラーを
    取り付ける工程とを有することを特徴とするトラベラー
    交換方法。
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