JPH0741423A - 動脈硬化症治療剤 - Google Patents
動脈硬化症治療剤Info
- Publication number
- JPH0741423A JPH0741423A JP2418494A JP2418494A JPH0741423A JP H0741423 A JPH0741423 A JP H0741423A JP 2418494 A JP2418494 A JP 2418494A JP 2418494 A JP2418494 A JP 2418494A JP H0741423 A JPH0741423 A JP H0741423A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- thiazolidine
- hydrogen atom
- carbon atoms
- arteriosclerosis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式
【化1】
(式中、R1 、R2 、R4 およびR5 は同一または異な
って水素原子または低級アルキル基を示す。R3 は水素
原子、脂肪族アシル基、置換分を有していてもよい芳香
族アシル基または低級アルコキシカルボニル基を示
す。)を有するチアゾリジン誘導体またはその薬理上許
容される塩を有効成分とする動脈硬化症予防剤および/
または治療剤。 【効果】本発明の化合物は、動脈硬化症予防剤および/
または治療剤として有用である。
って水素原子または低級アルキル基を示す。R3 は水素
原子、脂肪族アシル基、置換分を有していてもよい芳香
族アシル基または低級アルコキシカルボニル基を示
す。)を有するチアゾリジン誘導体またはその薬理上許
容される塩を有効成分とする動脈硬化症予防剤および/
または治療剤。 【効果】本発明の化合物は、動脈硬化症予防剤および/
または治療剤として有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチアゾリジン誘導体を有
効成分とする動脈硬化症予防剤および/または治療剤に
関する。
効成分とする動脈硬化症予防剤および/または治療剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化症には大別してアテローム性
(粥状)動脈硬化症、メンケベルグ型動脈硬化症(中膜
硬化症)、細小動脈硬化症があり、これらのうち、特に
アテローム性(粥状)動脈硬化症は重要な位置を占め
る。アテローム性(粥状)動脈硬化症は主として心動脈
の内壁ないし血管壁中膜にアテロームと呼ばれるプラー
クが集積し大動脈の硬化と脆弱をもたらし、ついには血
管の破壊による出血を来して死に至らしめる。血管内壁
が粥状となることから粥状動脈硬化症ないしアテローム
性動脈硬化症と呼ばれている。古く Glavind ら(Acta
Pathol. Microbiol. Scand., 20 巻, 1 頁 (1952年) )
が動脈硬化の重篤度とアテローム中の過酸化脂質量には
比例関係があることから、脂質の過酸化と動脈硬化の因
果関係が盛んに論議されてきた。
(粥状)動脈硬化症、メンケベルグ型動脈硬化症(中膜
硬化症)、細小動脈硬化症があり、これらのうち、特に
アテローム性(粥状)動脈硬化症は重要な位置を占め
る。アテローム性(粥状)動脈硬化症は主として心動脈
の内壁ないし血管壁中膜にアテロームと呼ばれるプラー
クが集積し大動脈の硬化と脆弱をもたらし、ついには血
管の破壊による出血を来して死に至らしめる。血管内壁
が粥状となることから粥状動脈硬化症ないしアテローム
性動脈硬化症と呼ばれている。古く Glavind ら(Acta
Pathol. Microbiol. Scand., 20 巻, 1 頁 (1952年) )
が動脈硬化の重篤度とアテローム中の過酸化脂質量には
比例関係があることから、脂質の過酸化と動脈硬化の因
果関係が盛んに論議されてきた。
【0003】更に、最近では、Peter A. McCarthy によ
って種々の化合物とアテローム性動脈硬化症との関連に
ついて述べた総説がある(Medicinal Research Review
s, 13巻、2 号、139-159 頁 (1993年) )。
って種々の化合物とアテローム性動脈硬化症との関連に
ついて述べた総説がある(Medicinal Research Review
s, 13巻、2 号、139-159 頁 (1993年) )。
【0004】また、例えば、吉岡らは置換フェノール、
チアゾリジン誘導体などがが血糖低下作用と血清脂質お
よび血清過酸化脂質低下作用を合わせ持つことを示し、
動脈硬化作用との関係を述べている(吉岡ら、J.Med.Ch
em., 32 巻, 421 頁 (1989年) )。 近年、Goldstein
ら(J.Cell Biol.、 82 巻、 597 頁(1979 年) ;Sci.Am.、
251巻、 52頁 (1984年))および Steinberg ら(New Eng
l.J.Med., 320 巻, 915 頁(1989 年))に代表される研究
により、酸化された低密度リポたんぱく質 (以下、「L
DL」という。) がマクロファージーに取り込まれ、マ
クロファージーが泡沫細胞となってアテローム形成に預
かることが解明され、動脈硬化症の成因が明らかになる
と共に、LDLの酸化/過酸化が動脈硬化の直接原因で
あることが確立された。
チアゾリジン誘導体などがが血糖低下作用と血清脂質お
よび血清過酸化脂質低下作用を合わせ持つことを示し、
動脈硬化作用との関係を述べている(吉岡ら、J.Med.Ch
em., 32 巻, 421 頁 (1989年) )。 近年、Goldstein
ら(J.Cell Biol.、 82 巻、 597 頁(1979 年) ;Sci.Am.、
251巻、 52頁 (1984年))および Steinberg ら(New Eng
l.J.Med., 320 巻, 915 頁(1989 年))に代表される研究
により、酸化された低密度リポたんぱく質 (以下、「L
DL」という。) がマクロファージーに取り込まれ、マ
クロファージーが泡沫細胞となってアテローム形成に預
かることが解明され、動脈硬化症の成因が明らかになる
と共に、LDLの酸化/過酸化が動脈硬化の直接原因で
あることが確立された。
【0005】従って、LDLの酸化および/または過酸
化を抑制する作用を示す化合物が、動脈硬化症に対する
予防薬および/または治療薬となりうると期待されてい
る。しかしながら、実際には実用化に供し得るような動
脈硬化症に対する予防薬および/または治療薬は見出さ
れていない。
化を抑制する作用を示す化合物が、動脈硬化症に対する
予防薬および/または治療薬となりうると期待されてい
る。しかしながら、実際には実用化に供し得るような動
脈硬化症に対する予防薬および/または治療薬は見出さ
れていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは動脈硬化
症の予防および/または治療を目的として研究した結
果、LDLの酸化/過酸化を抑制する化合物としてチア
ゾリジン誘導体を見出し、更に実際に該誘導体が動物試
験においても優れた効果を有することを見出し本発明を
完成した。
症の予防および/または治療を目的として研究した結
果、LDLの酸化/過酸化を抑制する化合物としてチア
ゾリジン誘導体を見出し、更に実際に該誘導体が動物試
験においても優れた効果を有することを見出し本発明を
完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 、R2 、R4 およびR5 は同
一または異なって水素原子、または低級アルキル基を示
す。R3 は水素原子、脂肪族アシル基、置換分を有して
いてもよい芳香族アシル基または低級アルコキシカルボ
ニル基を示す。)を有するチアゾリジン誘導体またはそ
の薬理上許容される塩を有効成分とする動脈硬化症予防
剤および/または治療剤に関する。
一または異なって水素原子、または低級アルキル基を示
す。R3 は水素原子、脂肪族アシル基、置換分を有して
いてもよい芳香族アシル基または低級アルコキシカルボ
ニル基を示す。)を有するチアゾリジン誘導体またはそ
の薬理上許容される塩を有効成分とする動脈硬化症予防
剤および/または治療剤に関する。
【0010】前記一般式(I) において、R1 が低級アル
キル基を示す場合、該アルキル基としては例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチルのような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素
数1乃至5個、好適には1乃至4個、最適にはメチル、
をあげることができる。
キル基を示す場合、該アルキル基としては例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチルのような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素
数1乃至5個、好適には1乃至4個、最適にはメチル、
をあげることができる。
【0011】R2 およびR5 が低級アルキル基を示す場
合、該アルキル基としては例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルの
ような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至5個、好
適には1乃至3個、最適にはメチル、をあげることがで
きる。
合、該アルキル基としては例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルの
ような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至5個、好
適には1乃至3個、最適にはメチル、をあげることがで
きる。
【0012】R3 が脂肪族アシル基を示す場合、該アシ
ル基としては例えばホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノ
イル、ヘプタノイルのような直鎖状もしくは分枝鎖状の
炭素数1乃至7個、好適には1乃至4個、最適にはアセ
チル、をあげることができる。
ル基としては例えばホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノ
イル、ヘプタノイルのような直鎖状もしくは分枝鎖状の
炭素数1乃至7個、好適には1乃至4個、最適にはアセ
チル、をあげることができる。
【0013】R3 が置換分を有していてもよい芳香族ア
シル基を示す場合、該アシル基としては例えばベンゾイ
ル、4−ニトロベンゾイル、3−フルオロベンゾイル、
2−クロロベンゾイル、3,4−ジクロロベンゾイル、
4−アミノベンゾイル、3−ジメチルアミノベンゾイ
ル、2−メトキシベンゾイル、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンゾイル、1−ナフトイルのような
置換分として1乃至3個のニトロ、アミノ、アルキルア
ミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ハロ、アルキ
ル、ヒドロキシを有していてもよい炭素数7乃至11個
を有する芳香族アシル基、好適には置換分を有しない炭
素数7乃至11個を有する芳香族アシル基、最適にはベ
ンゾイル、をあげることができる。
シル基を示す場合、該アシル基としては例えばベンゾイ
ル、4−ニトロベンゾイル、3−フルオロベンゾイル、
2−クロロベンゾイル、3,4−ジクロロベンゾイル、
4−アミノベンゾイル、3−ジメチルアミノベンゾイ
ル、2−メトキシベンゾイル、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンゾイル、1−ナフトイルのような
置換分として1乃至3個のニトロ、アミノ、アルキルア
ミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ハロ、アルキ
ル、ヒドロキシを有していてもよい炭素数7乃至11個
を有する芳香族アシル基、好適には置換分を有しない炭
素数7乃至11個を有する芳香族アシル基、最適にはベ
ンゾイル、をあげることができる。
【0014】R3 が低級アルコキシカルボニル基を示す
場合、該アルコキシカルボニル基としては例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニルのような直鎖状もしくは
分枝鎖状の炭素数2乃至7個、好適には2乃至4個、最
適にはエトキシカルボニル、をあげることができる。
場合、該アルコキシカルボニル基としては例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニルのような直鎖状もしくは
分枝鎖状の炭素数2乃至7個、好適には2乃至4個、最
適にはエトキシカルボニル、をあげることができる。
【0015】R4 が低級アルキル基を示す場合、該アル
キル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル
のような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至5個、
好適には1乃至4個、最適にはメチル、t−ブチル、特
にメチル、をあげることができる。
キル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル
のような直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至5個、
好適には1乃至4個、最適にはメチル、t−ブチル、特
にメチル、をあげることができる。
【0016】本発明の前記一般式(I) を有する化合物は
薬理上許容される無毒性の塩の形で使用することもでき
る。そのような塩としては、例えばナトリウム、カリウ
ムのようなアルカリ金属;カルシウムのようなアルカリ
土類金属;リジン、アルギニンのような塩基性アミノ
酸;との塩をあげることができる。更に前記一般式(I)
を有する化合物が塩基性の基を有する場合には薬理上許
容される無毒性の酸付加塩の形で使用することもでき
る。そのような塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、
リン酸のような無機酸;酢酸、コハク酸、マレイン酸、
フマール酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸のよう
な有機酸;との塩をあげることができる。
薬理上許容される無毒性の塩の形で使用することもでき
る。そのような塩としては、例えばナトリウム、カリウ
ムのようなアルカリ金属;カルシウムのようなアルカリ
土類金属;リジン、アルギニンのような塩基性アミノ
酸;との塩をあげることができる。更に前記一般式(I)
を有する化合物が塩基性の基を有する場合には薬理上許
容される無毒性の酸付加塩の形で使用することもでき
る。そのような塩としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、
リン酸のような無機酸;酢酸、コハク酸、マレイン酸、
フマール酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸のよう
な有機酸;との塩をあげることができる。
【0017】なお、本発明の前記一般式(I) を有する化
合物において、クロマン環の2位およびチアゾリジン環
の5位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、これ
らに基づく各立体異性体も本発明の化合物に含まれる。
合物において、クロマン環の2位およびチアゾリジン環
の5位の炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、これ
らに基づく各立体異性体も本発明の化合物に含まれる。
【0018】本発明の前記一般式(I) を有する化合物に
おいて、好ましくはR1 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭
素数1乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R2 は
水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至
3個を有する低級アルキル基を示し;R3 は水素原子、
直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有する脂
肪族アシル基、置換分を有しない炭素数7乃至11個を
有する芳香族アシル基または直鎖状もしくは分枝鎖状の
炭素数2乃至4個を有する低級アルコキシカルボニル基
を示し;R4 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至
4個を有する低級アルキル基を示し;R5 は水素原子ま
たは直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有す
る低級アルキル基を示す。
おいて、好ましくはR1 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭
素数1乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R2 は
水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至
3個を有する低級アルキル基を示し;R3 は水素原子、
直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有する脂
肪族アシル基、置換分を有しない炭素数7乃至11個を
有する芳香族アシル基または直鎖状もしくは分枝鎖状の
炭素数2乃至4個を有する低級アルコキシカルボニル基
を示し;R4 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至
4個を有する低級アルキル基を示し;R5 は水素原子ま
たは直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有す
る低級アルキル基を示す。
【0019】本発明の前記一般式(I) を有する化合物に
おいて、更に好ましくはR1 は直鎖状もしくは分枝鎖状
の炭素数1乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R
2 は水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1
乃至3個を有する低級アルキル基を示し;R3 は水素原
子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニ
ル基を示し;R4 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1
乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R5 は水素原
子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を
有する低級アルキル基を示す。
おいて、更に好ましくはR1 は直鎖状もしくは分枝鎖状
の炭素数1乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R
2 は水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1
乃至3個を有する低級アルキル基を示し;R3 は水素原
子、アセチル基、ベンゾイル基またはエトキシカルボニ
ル基を示し;R4 は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1
乃至4個を有する低級アルキル基を示し;R5 は水素原
子または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を
有する低級アルキル基を示す。
【0020】本発明の前記一般式(I) を有する化合物に
おいて、特に好ましくはR1 はメチル基を示し;R2 は
水素原子またはメチル基を示し;R3 は水素原子、アセ
チル基またはエトキシカルボニル基を示し;R4 はメチ
ル基またはt−ブチル基を示し;R5 は水素原子または
メチル基を示す。
おいて、特に好ましくはR1 はメチル基を示し;R2 は
水素原子またはメチル基を示し;R3 は水素原子、アセ
チル基またはエトキシカルボニル基を示し;R4 はメチ
ル基またはt−ブチル基を示し;R5 は水素原子または
メチル基を示す。
【0021】本発明の前記一般式(I) を有する化合物の
具体例としては、例えば表1に示すような構造式を有す
る化合物があげられる。
具体例としては、例えば表1に示すような構造式を有す
る化合物があげられる。
【0022】
【表1】 ───────────────────────────────── 例示化合物番号 R1 R2 R3 R4 R5 ───────────────────────────────── 1 Me Me H Me Me 2 H Me H Me Me 3 Me H H H H 4 Me H H tBu H 5 Et Me H Me Me 6 iBu Me H Me Me 7 Pn Me H Me Me 8 Me Me Ac Me Me 9 Me Me Bz Me Me 10 Me Me EtC Me Me 11 Me H Ac Me H 12 Me H H Me H 13 Me Me Byr Me Me ─────────────────────────────────。
【0023】Me;メチル、 Et;エチル、 iBu ;イソ
ブチル、tBu ;ターシャリーブチル、 Pn;ペンチル、
Ac;アセチル Byr;ブチリル、 Bz; ベンゾイル、 EtC;エトキシカル
ボニル。
ブチル、tBu ;ターシャリーブチル、 Pn;ペンチル、
Ac;アセチル Byr;ブチリル、 Bz; ベンゾイル、 EtC;エトキシカル
ボニル。
【0024】本発明の前記一般式(I) を有する化合物に
おいて、好ましくは例示化合物番号1、4 、5 、6 、8
、10 の化合物であり、更に好ましくは 1、4 、10
の化合物であり、特に好ましくは 1 の化合物である。
おいて、好ましくは例示化合物番号1、4 、5 、6 、8
、10 の化合物であり、更に好ましくは 1、4 、10
の化合物であり、特に好ましくは 1 の化合物である。
【0025】本発明の前記一般式(I) を有する化合物は
公知の化合物であり、例えば特開昭60−51189 号公報、
米国特許第 4,572,912 号公報、ヨーロッパ特許第 013
9421号公報に記載されている。
公知の化合物であり、例えば特開昭60−51189 号公報、
米国特許第 4,572,912 号公報、ヨーロッパ特許第 013
9421号公報に記載されている。
【0026】本発明の前記一般式(I) を有する化合物は
そのまま、またはその薬理上許容される塩の形で使用さ
れる。
そのまま、またはその薬理上許容される塩の形で使用さ
れる。
【0027】本発明の前記一般式(I) を有する化合物が
LDLの酸化/過酸化を抑制する作用を有することは、
次の方法により測定できる。
LDLの酸化/過酸化を抑制する作用を有することは、
次の方法により測定できる。
【0028】即ち、ヒトLDLの調製は、常法である超
遠心法により分取する(J.L.Goldstein ら、Methods in
Enzymology、 98 巻、 241 頁(1983 年) )。即ち、ヒト
血液を一定時間静置した後、低温で低回転数の条件下で
一定時間、遠心法に付して血清を得る。得られた血清に
臭化カリウム、臭化ナトリウムのような比重調整剤を添
加し、低温で高回転数の条件下で一定時間、超高速遠心
操作に付す。そして血清の下層のLDLと高密度リポた
んぱく質(以下、「HDL」という。)を分取する。次
に、得られたLDLとHDLを臭化カリウム、臭化ナト
リウムのような比重調整剤で再度、比重を調整する。次
いで低温で高回転数の条件下で一定時間、超高速遠心操
作に付し、得られた血清の上層のLDLを分取する。次
いで、例えばエチレンジアミン・二ナトリウム塩(EDTA
・2Na)のようなキレート剤およびペニシリン、ストレプ
トマイシンのような抗生物質を含む生理食塩水からなる
透析液に対し一定時間透析して実験用ヒトLDL試料を
作成する。次に、被検薬物の低濃度溶液を調製し、次い
で蒸発乾固し、フィルム状薬物層を作成する。これに前
述の実験用ヒトLDL試料を添加し、超音波洗浄器を用
いて被検薬物をLDLに可溶化する。これを Cu2+ 、Fe
3+ などの酸化剤を用いた酸化反応に付し、反応後のT
BARS(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を蛍光
法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )で
測定する。更に、高速液体クロマトグラフ(High Perfo
rmance Liquid Chromatograph )を装着したヘムを触媒
とする化学発光測定装置により過酸化脂質値を定量する
(岩岡ら、過酸化脂質研究、16巻、1 号、23頁(1992
年))。被検薬物がLDLに取り込まれていることは、
例えば薬物をクロロホルムなどの有機溶剤で抽出して高
速液体クロマトグラフ法により確認する。また、例えば
薬物可溶化操作によりLDLが変性しないことは電気泳
動法(F.T.Hatch ら、Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968
年))、ゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、Ad
v.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))などにより確認す
る。
遠心法により分取する(J.L.Goldstein ら、Methods in
Enzymology、 98 巻、 241 頁(1983 年) )。即ち、ヒト
血液を一定時間静置した後、低温で低回転数の条件下で
一定時間、遠心法に付して血清を得る。得られた血清に
臭化カリウム、臭化ナトリウムのような比重調整剤を添
加し、低温で高回転数の条件下で一定時間、超高速遠心
操作に付す。そして血清の下層のLDLと高密度リポた
んぱく質(以下、「HDL」という。)を分取する。次
に、得られたLDLとHDLを臭化カリウム、臭化ナト
リウムのような比重調整剤で再度、比重を調整する。次
いで低温で高回転数の条件下で一定時間、超高速遠心操
作に付し、得られた血清の上層のLDLを分取する。次
いで、例えばエチレンジアミン・二ナトリウム塩(EDTA
・2Na)のようなキレート剤およびペニシリン、ストレプ
トマイシンのような抗生物質を含む生理食塩水からなる
透析液に対し一定時間透析して実験用ヒトLDL試料を
作成する。次に、被検薬物の低濃度溶液を調製し、次い
で蒸発乾固し、フィルム状薬物層を作成する。これに前
述の実験用ヒトLDL試料を添加し、超音波洗浄器を用
いて被検薬物をLDLに可溶化する。これを Cu2+ 、Fe
3+ などの酸化剤を用いた酸化反応に付し、反応後のT
BARS(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を蛍光
法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )で
測定する。更に、高速液体クロマトグラフ(High Perfo
rmance Liquid Chromatograph )を装着したヘムを触媒
とする化学発光測定装置により過酸化脂質値を定量する
(岩岡ら、過酸化脂質研究、16巻、1 号、23頁(1992
年))。被検薬物がLDLに取り込まれていることは、
例えば薬物をクロロホルムなどの有機溶剤で抽出して高
速液体クロマトグラフ法により確認する。また、例えば
薬物可溶化操作によりLDLが変性しないことは電気泳
動法(F.T.Hatch ら、Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968
年))、ゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、Ad
v.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))などにより確認す
る。
【0029】ウサギLDLの調製は、前述のヒトLDL
の調製に準じて行われ、実験用ウサギLDL試料を作成
する。次に、被検薬物の各種濃度溶液を調製し、これを
WHHLウサギLDL試料に添加する。これに Cu2+ 、
Fe3+ などの酸化剤を用いた酸化反応に付し、反応後の
TBARS(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を蛍
光法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )
で測定する。
の調製に準じて行われ、実験用ウサギLDL試料を作成
する。次に、被検薬物の各種濃度溶液を調製し、これを
WHHLウサギLDL試料に添加する。これに Cu2+ 、
Fe3+ などの酸化剤を用いた酸化反応に付し、反応後の
TBARS(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を蛍
光法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )
で測定する。
【0030】次に、マクロファージの泡沫化を抑制する
作用は下記の方法により測定する。即ち、ddyマウス
より腹腔内マクロファージを採取し(Edelson ら、In V
itroMethods in Cell-Mediated & Tumor Immunity, ed
s. Bloon,B.R. & David,J.R.(Academic , New York), 3
33頁(1976 年) ))、酸化変性を受けたLDLおよび14
C −オレイン酸を添加して、細胞内における 14C −コ
レステリルエステルの生成量を測定する。
作用は下記の方法により測定する。即ち、ddyマウス
より腹腔内マクロファージを採取し(Edelson ら、In V
itroMethods in Cell-Mediated & Tumor Immunity, ed
s. Bloon,B.R. & David,J.R.(Academic , New York), 3
33頁(1976 年) ))、酸化変性を受けたLDLおよび14
C −オレイン酸を添加して、細胞内における 14C −コ
レステリルエステルの生成量を測定する。
【0031】次に、動物試験においては、例えば Y.Wat
anabe らの方法(Biochimica et Biophysica Acta 、96
0 巻、294-302 頁 (1988年) )に準じて測定することが
できる。即ち、例えばWHHL兎を任意に対象群と投与
群とに分け、対象群には標準飼料を、投与群には薬物を
含む混合飼料を一定期間投与する。一定期間経過後に、
対象群および投与群の動物を屠殺し、弓部より腹部にか
けての大動脈を取り、対象群および投与群における動脈
硬化総面積比を求め、抗動脈作用を見ることができる。
anabe らの方法(Biochimica et Biophysica Acta 、96
0 巻、294-302 頁 (1988年) )に準じて測定することが
できる。即ち、例えばWHHL兎を任意に対象群と投与
群とに分け、対象群には標準飼料を、投与群には薬物を
含む混合飼料を一定期間投与する。一定期間経過後に、
対象群および投与群の動物を屠殺し、弓部より腹部にか
けての大動脈を取り、対象群および投与群における動脈
硬化総面積比を求め、抗動脈作用を見ることができる。
【0032】
【作用】本発明の前記一般式(I) を有する化合物または
その薬理上許容される塩は、動脈硬化症、特にアテロー
ム性動脈硬化症、の予防薬および/または治療薬として
有用である。
その薬理上許容される塩は、動脈硬化症、特にアテロー
ム性動脈硬化症、の予防薬および/または治療薬として
有用である。
【0033】本発明の前記一般式(I) を有する化合物ま
たはその薬理上許容される塩は種々の形態で投与され
る。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆
粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与または注射剤
(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、坐剤等による非経
口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常
法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯
味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医
薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤
を用いて製剤化することができる。その使用量は症状、
年令、体重、投与方法および剤型等によって異なるが通
常は成人に対して 1 日 50 mg 乃至 5000mg を投与す
ることができる。
たはその薬理上許容される塩は種々の形態で投与され
る。その投与形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆
粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与または注射剤
(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、坐剤等による非経
口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常
法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯
味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医
薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤
を用いて製剤化することができる。その使用量は症状、
年令、体重、投与方法および剤型等によって異なるが通
常は成人に対して 1 日 50 mg 乃至 5000mg を投与す
ることができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例、試験例および製剤例をあげて
本発明を更に具体的に説明する。 実施例1.ヒトLDLの酸化/過酸化を抑制する作用 ヒトLDLの調製は、常法である J.L.Goldstein らの
超遠心法により分取した(J.L.Goldstein ら、Methods
in Enzymology, 98 巻, 241 頁(1983 年) )。即ち、ヒ
ト血液 180 mlを 2 時間静置した後、4 ℃、3000 rpm
で 15 分間の遠心操作に付して血清を得た。得られた
血清に臭化カリウムを添加して比重1.019 に調整した
後、4 ℃、 39、000 rpm で 20 時間の超遠心操作に付し
た。超遠心操作の終了後、得られた血清の下層のLDL
およびHDLを分取した。得られたLDLおよびHDL
に再び臭化カリウムを添加して比重 1.063 に調整した
後、 4 ℃、39、000 rpmで 24 時間の超高速遠心操作に
付した。次いで、得られた血清の上層のLDLを分取し
た。次いで、エチレンジアミン・二ナトリウム塩(EDTA
・2Na)並びにペニシリンおよびストレプトマイシンを含
む生理食塩水からなる透析液を用いて 24 時間透析して
実験用ヒトLDL試料を作成した。次に、被検薬物を最
終薬物濃度 0.3 mM になるように調製されたアセトニ
トリル溶液(例示化合物番号1.の化合物(=CS-045)
の場合は 123.8μl 、シグリタゾン(ciglitazone)1) の
場合は 102.0μl )を窒素気流下で蒸発乾固し、フィル
ム状薬物層を作成した。実験用ヒトLDL試料 1.0 ml
を前述のフィルム状薬物層に添加し、水槽型超音波洗浄
器(Bransonic 220 、(株)大和科学社製)を用いて20
℃、10 分間の超音波分散により被検薬物を前述のL
DL試料に可溶化した。次いで、得られた可溶化物に硫
酸銅(CuSO4) の 10 mM 濃度溶液 1.0 ml を添加して C
u2+ による酸化反応に付し、反応後のTBARS(チオ
バルビツール酸反応陽性物質)値を八木らの蛍光法(八
木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968年) )により測
定した。更に、高速液体クロマトグラフ(High Perform
ance Liquid Chromatograph )を装着したヘムを触媒と
する化学発光測定装置(825-CL、(株)日本分光社製)
により過酸化脂質値を岩岡らの方法(岩岡ら、過酸化脂
質研究、16巻、1 号、23頁(1992年))に従って測定し
た。即ち、、逆相高速液体クロマトグラフ(分離カラ
ム:オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、溶離液:
メタノール/ブタノール(1:1) 、流速:1 ml/分)およ
び順相高速液体クロマトグラフ(分離カラム:シリカゲ
ル、溶離液:メタノール/アセトニトリル/水(45:50:
5) 、流速:1 ml/分)に付して定量した。被検薬物が
LDLに取り込まれていることは、最初にLDLをF.T.
Hatch らのゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、
Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))により単離し
た。即ち、ゲル濾過クロマトグラフ法(ゲル濾過カラ
ム:スーパーローズ6、溶離液:0.01%エチレンジアミ
ン・二ナトリウム塩および 0.02 %ナトリウムアジド
を含む 0.15 規定の塩化ナトリウム水溶液)に付して単
離した。次いで、得られたLDLからクロロホルムを用
いて薬物を抽出し高速液体クロマトグラフ法により確認
した。即ち、逆相高速液体クロマトグラフ法(分離カラ
ム:オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、溶離液:
メタノール、流速:1 ml/分))に付して薬物を検出し
た。また、LDLが薬物可溶化操作により変性していな
いことはF.T.Hatchらの電気泳動法(F.T.Hatch ら、Ad
v.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))に付して確認し
た。即ち、アガロースゲルを基材とするアガロースゲル
電気泳動法により単一のバンドを確認した。更に、F.T.
Hatch らのゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、
Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))によっても確認
した。即ち、ゲル濾過クロマトグラフ法(ゲル濾過カラ
ム:スーパーローズ6、溶離液:0.01%エチレンジアミ
ン・二ナトリウム塩および 0.02 %ナトリウムアジド
を含む 0.15 規定の塩化ナトリウム水溶液)に付して単
一ピークを確認した。
本発明を更に具体的に説明する。 実施例1.ヒトLDLの酸化/過酸化を抑制する作用 ヒトLDLの調製は、常法である J.L.Goldstein らの
超遠心法により分取した(J.L.Goldstein ら、Methods
in Enzymology, 98 巻, 241 頁(1983 年) )。即ち、ヒ
ト血液 180 mlを 2 時間静置した後、4 ℃、3000 rpm
で 15 分間の遠心操作に付して血清を得た。得られた
血清に臭化カリウムを添加して比重1.019 に調整した
後、4 ℃、 39、000 rpm で 20 時間の超遠心操作に付し
た。超遠心操作の終了後、得られた血清の下層のLDL
およびHDLを分取した。得られたLDLおよびHDL
に再び臭化カリウムを添加して比重 1.063 に調整した
後、 4 ℃、39、000 rpmで 24 時間の超高速遠心操作に
付した。次いで、得られた血清の上層のLDLを分取し
た。次いで、エチレンジアミン・二ナトリウム塩(EDTA
・2Na)並びにペニシリンおよびストレプトマイシンを含
む生理食塩水からなる透析液を用いて 24 時間透析して
実験用ヒトLDL試料を作成した。次に、被検薬物を最
終薬物濃度 0.3 mM になるように調製されたアセトニ
トリル溶液(例示化合物番号1.の化合物(=CS-045)
の場合は 123.8μl 、シグリタゾン(ciglitazone)1) の
場合は 102.0μl )を窒素気流下で蒸発乾固し、フィル
ム状薬物層を作成した。実験用ヒトLDL試料 1.0 ml
を前述のフィルム状薬物層に添加し、水槽型超音波洗浄
器(Bransonic 220 、(株)大和科学社製)を用いて20
℃、10 分間の超音波分散により被検薬物を前述のL
DL試料に可溶化した。次いで、得られた可溶化物に硫
酸銅(CuSO4) の 10 mM 濃度溶液 1.0 ml を添加して C
u2+ による酸化反応に付し、反応後のTBARS(チオ
バルビツール酸反応陽性物質)値を八木らの蛍光法(八
木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968年) )により測
定した。更に、高速液体クロマトグラフ(High Perform
ance Liquid Chromatograph )を装着したヘムを触媒と
する化学発光測定装置(825-CL、(株)日本分光社製)
により過酸化脂質値を岩岡らの方法(岩岡ら、過酸化脂
質研究、16巻、1 号、23頁(1992年))に従って測定し
た。即ち、、逆相高速液体クロマトグラフ(分離カラ
ム:オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、溶離液:
メタノール/ブタノール(1:1) 、流速:1 ml/分)およ
び順相高速液体クロマトグラフ(分離カラム:シリカゲ
ル、溶離液:メタノール/アセトニトリル/水(45:50:
5) 、流速:1 ml/分)に付して定量した。被検薬物が
LDLに取り込まれていることは、最初にLDLをF.T.
Hatch らのゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、
Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))により単離し
た。即ち、ゲル濾過クロマトグラフ法(ゲル濾過カラ
ム:スーパーローズ6、溶離液:0.01%エチレンジアミ
ン・二ナトリウム塩および 0.02 %ナトリウムアジド
を含む 0.15 規定の塩化ナトリウム水溶液)に付して単
離した。次いで、得られたLDLからクロロホルムを用
いて薬物を抽出し高速液体クロマトグラフ法により確認
した。即ち、逆相高速液体クロマトグラフ法(分離カラ
ム:オクタデシルシリル化シリカゲル(ODS)、溶離液:
メタノール、流速:1 ml/分))に付して薬物を検出し
た。また、LDLが薬物可溶化操作により変性していな
いことはF.T.Hatchらの電気泳動法(F.T.Hatch ら、Ad
v.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))に付して確認し
た。即ち、アガロースゲルを基材とするアガロースゲル
電気泳動法により単一のバンドを確認した。更に、F.T.
Hatch らのゲル濾過クロマトグラフ法(F.T.Hatch ら、
Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁(1968年))によっても確認
した。即ち、ゲル濾過クロマトグラフ法(ゲル濾過カラ
ム:スーパーローズ6、溶離液:0.01%エチレンジアミ
ン・二ナトリウム塩および 0.02 %ナトリウムアジド
を含む 0.15 規定の塩化ナトリウム水溶液)に付して単
一ピークを確認した。
【0035】なお、TBARS値はLDLの酸化指標、
また過酸化脂質値はLDL脂質の過酸化指標である(内
藤、動脈硬化、18巻, 1 号, 33頁(1990 年) )。
また過酸化脂質値はLDL脂質の過酸化指標である(内
藤、動脈硬化、18巻, 1 号, 33頁(1990 年) )。
【0036】LDL酸化/過酸化の抑制作用の結果を表
2に示す。
2に示す。
【0037】表中、TBARS値による抑制率(%)お
よび過酸化脂質値による抑制率(%)は、それぞれ次の
式から算出した。
よび過酸化脂質値による抑制率(%)は、それぞれ次の
式から算出した。
【0038】TBARS値による抑制率(%)={(薬
物非共存下でのTBARS値−薬物共存下でのTBAR
S値)/薬物非共存下でのTBARS値}×100 過酸化脂質値による抑制率(%)={(薬物非共存下で
の過酸化脂質値−薬物共存下での過酸化脂質値)/薬物
非共存下での過酸化脂質値}×100
物非共存下でのTBARS値−薬物共存下でのTBAR
S値)/薬物非共存下でのTBARS値}×100 過酸化脂質値による抑制率(%)={(薬物非共存下で
の過酸化脂質値−薬物共存下での過酸化脂質値)/薬物
非共存下での過酸化脂質値}×100
【0039】
【表2】 ヒトLDL酸化/過酸化の抑制作用 ─────────────────────────────────── TBARS値に 過酸化脂質値に よる抑制率(%) よる抑制率(%) ─────────────────────────────────── 例示化合物番号1.の化合物(=CS-045) 100 100 シグリタゾン(ciglitazone)1) 0 0 ─────────────────────────────────── 1)吉岡ら、J.Med.Chem., 32 巻, 421 頁 (1989年) 参照 表2から明かの如く、例示化合物番号1.の化合物(=
CS-045)は Cu2+ により誘起される酸化/過酸化を 100
% 抑制し、酸化LDLの生成を阻害した。そして、
Cu2+ 無添加のLDLと同一の状態にまで回復させた。
しかし、シグリタゾンは Cu2+ により誘起される酸化/
過酸化を全く抑制せず、酸化LDLを生成した。
CS-045)は Cu2+ により誘起される酸化/過酸化を 100
% 抑制し、酸化LDLの生成を阻害した。そして、
Cu2+ 無添加のLDLと同一の状態にまで回復させた。
しかし、シグリタゾンは Cu2+ により誘起される酸化/
過酸化を全く抑制せず、酸化LDLを生成した。
【0040】実施例2.薬物によるヒトLDLの酸化反
応の抑制率 ヒトLDLの調製は、常法である J.L.Goldstein らの
超遠心法により分取した(J.L.Goldstein ら、Methods
in Enzymology, 98 巻, 241 頁(1983 年) )。即ち、実
施例1.と同様にして調製、作成した。
応の抑制率 ヒトLDLの調製は、常法である J.L.Goldstein らの
超遠心法により分取した(J.L.Goldstein ら、Methods
in Enzymology, 98 巻, 241 頁(1983 年) )。即ち、実
施例1.と同様にして調製、作成した。
【0041】次に、被検薬物を最終薬物濃度 0.03、
0.1、 0.3、 1.0、 3.0、10.0、30.0、 100.0、 300.0
μM になるように調製したアセトニトリル溶液または
エタノール溶液を窒素気流下で蒸発乾固し、器壁にフィ
ルム状の薬物層を作った。エタノール(最終含量1%)
にて浸潤後、0.9 %食塩水(大塚製薬(株)社製)200
μl を加えて振とうし、器壁に薬物層の存在しないこと
を確認した。これに、0.5 mg protein/mlのヒトLDL
400μl を加え、20℃前後で、10 分間超音波処理を行
って薬物をLDLに可溶化させた。次に、薬物を可溶化
したヒトLDL 600μl に 37.5 μM 硫酸銅水溶液 400
μl を加え、37℃で、2 時間インキュベーションして酸
化した。この試料を用いてTBA反応(内藤法、Japane
se Journal of Geriatrics, 15巻、187-191頁(1978 年)
)によりTBARS値を求めた。TBARSの生成を
50 %抑制する濃度は常法により求めた。
0.1、 0.3、 1.0、 3.0、10.0、30.0、 100.0、 300.0
μM になるように調製したアセトニトリル溶液または
エタノール溶液を窒素気流下で蒸発乾固し、器壁にフィ
ルム状の薬物層を作った。エタノール(最終含量1%)
にて浸潤後、0.9 %食塩水(大塚製薬(株)社製)200
μl を加えて振とうし、器壁に薬物層の存在しないこと
を確認した。これに、0.5 mg protein/mlのヒトLDL
400μl を加え、20℃前後で、10 分間超音波処理を行
って薬物をLDLに可溶化させた。次に、薬物を可溶化
したヒトLDL 600μl に 37.5 μM 硫酸銅水溶液 400
μl を加え、37℃で、2 時間インキュベーションして酸
化した。この試料を用いてTBA反応(内藤法、Japane
se Journal of Geriatrics, 15巻、187-191頁(1978 年)
)によりTBARS値を求めた。TBARSの生成を
50 %抑制する濃度は常法により求めた。
【0042】なお、TBARS値はLDLの酸化指標、
また過酸化脂質値はLDL脂質の過酸化指標である(内
藤、動脈硬化、18巻, 1 号, 33頁(1990 年) )。
また過酸化脂質値はLDL脂質の過酸化指標である(内
藤、動脈硬化、18巻, 1 号, 33頁(1990 年) )。
【0043】LDL酸化/過酸化の抑制作用の結果を表
3に示す。
3に示す。
【0044】
【表3】 ヒトLDL酸化/過酸化の抑制作用 ─────────────────────────────────── TBARSの生成を 50 %抑制する濃度(μM ) ─────────────────────────────────── 例示化合物番号1.の化合物(=CS-045) 2.0 ビタミンE 23.6 エングリタゾン(englitazone) 2)・ナトリウム塩 > > 300 ピオグリタゾン(pioglitazone)3) 156 ─────────────────────────────────── 2)David A. Clark ら、 J.Med.Chem., 34巻, 319 頁 (1989年) 参照 3)T.Sohda ら、Arzneimittel-Forschung Drug Research, 40巻、 37頁参照 表3から明かの如く、例示化合物番号1.の化合物(=
CS-045)は他の薬物に比べて優れた酸化抑制効果を示し
た。
CS-045)は他の薬物に比べて優れた酸化抑制効果を示し
た。
【0045】実施例3.ウサギLDLの酸化/過酸化を
抑制する作用 WHHLウサギLDLの調製は、F.T.Hatch らの方法に
より行った(F.T.Hatch ら、Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁
(1968年))。即ち、抗凝固剤として最終濃度5 mM の
EDTA を用いて WHHLウサギより採血し、血漿を
得た。得られた血漿に臭化ナトリウム溶液を添加して比
重 1.019 に調整した後、10 ℃、39,000rpm で 20
時間の超遠心操作に付した。超遠心操作終了後、下層の
LDLおよびHDL画分を分取した。これに臭化ナトリ
ウム溶液を添加して比重 1.063 に調整した後、10
℃、 39,000rpm で 24 時間の超遠心操作に付した。超
遠心操作の終了後、上層のLDL画分を分取した。次い
で、 150 mM の塩化ナトリウムを含む 10 mM リン酸緩
衝液(pH 7.5)を用いて 4 ℃において透析を行い、実
験用WHHLウサギLDL試料を作成した。
抑制する作用 WHHLウサギLDLの調製は、F.T.Hatch らの方法に
より行った(F.T.Hatch ら、Adv.Lip.Res.、6 巻、1 頁
(1968年))。即ち、抗凝固剤として最終濃度5 mM の
EDTA を用いて WHHLウサギより採血し、血漿を
得た。得られた血漿に臭化ナトリウム溶液を添加して比
重 1.019 に調整した後、10 ℃、39,000rpm で 20
時間の超遠心操作に付した。超遠心操作終了後、下層の
LDLおよびHDL画分を分取した。これに臭化ナトリ
ウム溶液を添加して比重 1.063 に調整した後、10
℃、 39,000rpm で 24 時間の超遠心操作に付した。超
遠心操作の終了後、上層のLDL画分を分取した。次い
で、 150 mM の塩化ナトリウムを含む 10 mM リン酸緩
衝液(pH 7.5)を用いて 4 ℃において透析を行い、実
験用WHHLウサギLDL試料を作成した。
【0046】次に、被検薬物を種々の最終薬物濃度にな
るようにエタノールに溶解した。次いで、WHHLウサ
ギLDL 2 mg 、エタノールに溶解した被検薬物および
最終濃度が 0.5 μM または 5 μM の硫酸銅を 1 m
l PBS(-)(リン酸緩衝生理食塩水:日水製薬(株)製)
に溶解し、CO2 /O2 インキュベーターにより37 ℃
で 24 時間インキュベーションした。次いで、 Cu2+ に
より誘起される酸化反応に付し、反応後のTBARS
(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を八木らの蛍光
法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )に
より測定した。
るようにエタノールに溶解した。次いで、WHHLウサ
ギLDL 2 mg 、エタノールに溶解した被検薬物および
最終濃度が 0.5 μM または 5 μM の硫酸銅を 1 m
l PBS(-)(リン酸緩衝生理食塩水:日水製薬(株)製)
に溶解し、CO2 /O2 インキュベーターにより37 ℃
で 24 時間インキュベーションした。次いで、 Cu2+ に
より誘起される酸化反応に付し、反応後のTBARS
(チオバルビツール酸反応陽性物質)値を八木らの蛍光
法(八木ら、ビタミン、 37 巻、 105 頁(1968 年) )に
より測定した。
【0047】TBARSの生成を 50 %抑制する濃度は
常法により求めた。なお、TBARS値は前述の如くL
DLの酸化指標である(内藤、動脈硬化、18巻, 1 号,
33頁(1990 年) )。LDL酸化の抑制作用の結果を表4
に示す。
常法により求めた。なお、TBARS値は前述の如くL
DLの酸化指標である(内藤、動脈硬化、18巻, 1 号,
33頁(1990 年) )。LDL酸化の抑制作用の結果を表4
に示す。
【0048】
【表4】 WHHLウサギLDL酸化の抑制作用 ─────────────────────────────────── TBARSの生成を 50 %抑制する濃度(μM ) Cu2+濃度 0.5 μM 5 μM ─────────────────────────────────── 例示化合物番号1.の化合物(=CS-045) 2.9 17.7 プロブコール(Probucol)4) 6.3 > 100 ─────────────────────────────────── 4)吉岡ら、J.Med.Chem., 32 巻, 421 頁 (1989年) 参照 表4から明かの如く、例示化合物番号1.の化合物(=
CS-045)は 0.5 μMおよび 5 μM の Cu2+ により
LDLに誘起される酸化を用量依存的に抑制した。その
作用は、プロブコールより強かった。
CS-045)は 0.5 μMおよび 5 μM の Cu2+ により
LDLに誘起される酸化を用量依存的に抑制した。その
作用は、プロブコールより強かった。
【0049】実施例4.マクロファージの泡沫化を抑制
する作用 マクロファージの採取は Edelson らの方法により行っ
た(In Vitro Methodsin Cell-Mediated & Tumor Immun
ity, eds. Bloon,B.R. & David,J.R.(Academic , New Y
ork), 333 頁(1976 年) )。即ち、雌のddyマウス
の腹腔に、最終濃度が 1μ/ml となるように溶解したヘ
パリンを含む生理食塩水を約 10 ml 投与し、腹腔内マ
クロファージと共に回収した。20〜40 匹のマウスより
得られたマクロファージを含む生理食塩水をプールした
後、400xg 、4 ℃ で 10 分間遠心分離した。これ
を、最終濃度 10 % Fetal Calf Serum(FCS) および
100μ/ml のペニシリンおよびストレプトマイシンを
含む Dulbece's modified Eagle's medium (DMEM) に
懸濁した。次いで、35×10 mm シャーレ 1 well あた
り 3 ×106 個の細胞数になるように添加した CO2
インキュベーターにより 37 ℃で 2 時間培養し
た。培養後、これを10 % FCS を含まない DMEM に
より 2 回洗浄し、次いで、10 % FCS を含む DMEM
を添加して CO2 インキュベーターにより 37 ℃
で 18 時間培養した。培養後、これに10%リポタンパ
ク質欠損血清を含む DMEM を添加して実験に使用し
た。
する作用 マクロファージの採取は Edelson らの方法により行っ
た(In Vitro Methodsin Cell-Mediated & Tumor Immun
ity, eds. Bloon,B.R. & David,J.R.(Academic , New Y
ork), 333 頁(1976 年) )。即ち、雌のddyマウス
の腹腔に、最終濃度が 1μ/ml となるように溶解したヘ
パリンを含む生理食塩水を約 10 ml 投与し、腹腔内マ
クロファージと共に回収した。20〜40 匹のマウスより
得られたマクロファージを含む生理食塩水をプールした
後、400xg 、4 ℃ で 10 分間遠心分離した。これ
を、最終濃度 10 % Fetal Calf Serum(FCS) および
100μ/ml のペニシリンおよびストレプトマイシンを
含む Dulbece's modified Eagle's medium (DMEM) に
懸濁した。次いで、35×10 mm シャーレ 1 well あた
り 3 ×106 個の細胞数になるように添加した CO2
インキュベーターにより 37 ℃で 2 時間培養し
た。培養後、これを10 % FCS を含まない DMEM に
より 2 回洗浄し、次いで、10 % FCS を含む DMEM
を添加して CO2 インキュベーターにより 37 ℃
で 18 時間培養した。培養後、これに10%リポタンパ
ク質欠損血清を含む DMEM を添加して実験に使用し
た。
【0050】マクロファージの泡沫化を抑制する効果は
Kita らの方法(Kita ら、Proc.Natl. Sci. USA、 84
巻、 5928 頁(1987 年) )を改良した方法により測定
した。即ち、シャーレ当たり酸化LDLを 100 μg 、
最終濃度で 0.2 mM の14C −オレイン酸および最終濃度
で 2.4 mg/mlのウシ血清アルブミンを添加し、CO2 イ
ンキュベーターにより 37 ℃で 6 時間培養した。細
胞を PBS により 3回洗浄後、ヘキサン:イソプロピル
アルコール= 3:2 の溶剤により細胞内の脂質を抽出し
た。抽出後、窒素気流下でこれを蒸発乾固した。蒸発乾
固物を少量のクロロホルムで溶解後、ヘキサン:ジエチ
ルエーテル:酢酸= 85 : 15 :1 の展開溶剤により
薄層クロマトグラフに付し、14C −コレステリルエステ
ル(14C − CE )画分を分離した。マクロファージの泡
沫化の抑制作用の結果を表4に示す。
Kita らの方法(Kita ら、Proc.Natl. Sci. USA、 84
巻、 5928 頁(1987 年) )を改良した方法により測定
した。即ち、シャーレ当たり酸化LDLを 100 μg 、
最終濃度で 0.2 mM の14C −オレイン酸および最終濃度
で 2.4 mg/mlのウシ血清アルブミンを添加し、CO2 イ
ンキュベーターにより 37 ℃で 6 時間培養した。細
胞を PBS により 3回洗浄後、ヘキサン:イソプロピル
アルコール= 3:2 の溶剤により細胞内の脂質を抽出し
た。抽出後、窒素気流下でこれを蒸発乾固した。蒸発乾
固物を少量のクロロホルムで溶解後、ヘキサン:ジエチ
ルエーテル:酢酸= 85 : 15 :1 の展開溶剤により
薄層クロマトグラフに付し、14C −コレステリルエステ
ル(14C − CE )画分を分離した。マクロファージの泡
沫化の抑制作用の結果を表4に示す。
【0051】表中、マクロファージの泡沫化の抑制率
(%)は、次の式から算出した。
(%)は、次の式から算出した。
【0052】マクロファージの泡沫化の抑制率(%)=
{(薬物非共存下での 14C − CE生成量−薬物共存下
での 14C − CE 生成量)/薬物非共存下での 14C −
CE生成量}
{(薬物非共存下での 14C − CE生成量−薬物共存下
での 14C − CE 生成量)/薬物非共存下での 14C −
CE生成量}
【0053】
【表5】 マクロファージの泡沫化の抑制作用 ─────────────────────────────────── 泡沫化の抑制率(%) Cu2+濃度 0.5 μM 5 μM ─────────────────────────────────── 例示化合物番号1.の化合物(=CS-045) 85.9 71.5 (添加量:30 μM ) プロブコール(Probucol) 74.1 1.1 (添加量:30 μM ) ─────────────────────────────────── 表5から明かの如く、 30 μM の例示化合物番号1.
の化合物(=CS-045)を添加することにより 0.5 μM
および 5 μM の Cu2+ により誘起される酸化変性が抑
制されたLDLは、マクロファージ内における 14C −
CE の生成を抑制した。その作用は 30μM のプロブコ
ールより強かった。
の化合物(=CS-045)を添加することにより 0.5 μM
および 5 μM の Cu2+ により誘起される酸化変性が抑
制されたLDLは、マクロファージ内における 14C −
CE の生成を抑制した。その作用は 30μM のプロブコ
ールより強かった。
【0054】実施例5.WHHL兎を用いての動脈硬化
を抑制する作用 WHHL兎を用いての動脈硬化を抑制する作用は Y.Wat
anabe らの方法(Biochimica et Biophysica Acta 、96
0 巻、294-302 頁 (1988年) )に従って行った。即ち、
13 羽の兎(雌、11ケ月令)を任意に対象群 6 羽と投
与群 7 羽に分け、対象群には標準飼料(Standard Die
t RC4 、オリエンタル酵母工業(株)社製) のみを、投
与群には例示化合物番号1.の化合物(=CS-045)を
0.2 %含有する同一飼料を各 80 mg 毎日投与した。
投与 6 カ月後に全例屠殺し、大動脈を摘出した。各例
について、大動脈弓部より腹部大動脈にかけて、大動脈
を 10 個の切片に分けた。アテロームが主として存在す
る内膜面積および中膜面積を測定し、それらの比、即
ち、動脈硬化巣面積比を求めた。
を抑制する作用 WHHL兎を用いての動脈硬化を抑制する作用は Y.Wat
anabe らの方法(Biochimica et Biophysica Acta 、96
0 巻、294-302 頁 (1988年) )に従って行った。即ち、
13 羽の兎(雌、11ケ月令)を任意に対象群 6 羽と投
与群 7 羽に分け、対象群には標準飼料(Standard Die
t RC4 、オリエンタル酵母工業(株)社製) のみを、投
与群には例示化合物番号1.の化合物(=CS-045)を
0.2 %含有する同一飼料を各 80 mg 毎日投与した。
投与 6 カ月後に全例屠殺し、大動脈を摘出した。各例
について、大動脈弓部より腹部大動脈にかけて、大動脈
を 10 個の切片に分けた。アテロームが主として存在す
る内膜面積および中膜面積を測定し、それらの比、即
ち、動脈硬化巣面積比を求めた。
【0055】その結果、全切片の平均として、例示化合
物番号1.の化合物(=CS-045)を含有する飼料を投与
した投与群の内膜面積は、対象群に比較して 10.4 %の
有意の減少を示した。また、求められた内膜・中膜面積
比(対象群の[内膜面積/中膜面積]と例示化合物番号
1.の化合物(=CS-045)を含有する飼料を投与した投
与群の[内膜面積/中膜面積]との比)では、 11.1 %
の有意の減少を示した。
物番号1.の化合物(=CS-045)を含有する飼料を投与
した投与群の内膜面積は、対象群に比較して 10.4 %の
有意の減少を示した。また、求められた内膜・中膜面積
比(対象群の[内膜面積/中膜面積]と例示化合物番号
1.の化合物(=CS-045)を含有する飼料を投与した投
与群の[内膜面積/中膜面積]との比)では、 11.1 %
の有意の減少を示した。
【0056】試験例1.急性毒性 急性毒性を常法に従って測定した。即ち、ddyマウス
(雄)3 匹を用いた。これらに例示化合物番号 1.の化
合物を 300 mg/kg量経口投与して 5 日間観察したが、
いずれも生存した。
(雄)3 匹を用いた。これらに例示化合物番号 1.の化
合物を 300 mg/kg量経口投与して 5 日間観察したが、
いずれも生存した。
【0057】同様に、例えば例示化合物番号 2、3 、4
、10 の化合物の急性毒性は経口投与でいずれも 300
mg/kg 以上であった。
、10 の化合物の急性毒性は経口投与でいずれも 300
mg/kg 以上であった。
【0058】製剤例1.カプセル剤 例示化合物番号1.の化合物 100 mg 乳 糖 168.3 mg トウモロコシ澱粉 70 mg ステアリン酸マグネシウム 1.7 mg ──────────────────────────────── 全 量 340.0 mg 上記処方の粉末を混合し、20 メッシュのふるいを通し
た後、この粉末 340mgを 2 号ゼラチンカプセルに入
れ、カプセル剤とした。
た後、この粉末 340mgを 2 号ゼラチンカプセルに入
れ、カプセル剤とした。
【0059】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I) を有する化合物
またはその薬理上許容される塩は、優れたLDLの酸化
および/または過酸化を抑制する作用を示し、動物試験
においても実際に抗動脈硬化作用を示した。しかも毒性
の低い化合物である。
またはその薬理上許容される塩は、優れたLDLの酸化
および/または過酸化を抑制する作用を示し、動物試験
においても実際に抗動脈硬化作用を示した。しかも毒性
の低い化合物である。
【0060】従って、本発明の前記一般式(I) を有する
化合物またはその薬理上許容される塩は、動脈硬化症、
特にアテローム性動脈硬化症、の予防薬および/または
治療薬として有用である。
化合物またはその薬理上許容される塩は、動脈硬化症、
特にアテローム性動脈硬化症、の予防薬および/または
治療薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 貞一郎 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 朔 啓二郎 福岡県筑紫郡那珂川町片縄581−17
Claims (8)
- 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R1 、R2 、R4 およびR5 は同一または異な
って水素原子または低級アルキル基を示す。R3 は水素
原子、脂肪族アシル基、置換分を有していてもよい芳香
族アシル基または低級アルコキシカルボニル基を示
す。)を有するチアゾリジン誘導体またはその薬理上許
容される塩を有効成分とする動脈硬化症予防剤および/
または治療剤。 - 【請求項2】請求項1記載の化合物において、 R1 が直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有
する低級アルキル基を示し;R2 が水素原子または直鎖
状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有する低級ア
ルキル基を示し;R3 が水素原子、直鎖状もしくは分枝
鎖状の炭素数1乃至4個を有する脂肪族アシル基、置換
分を有しない炭素数7乃至11個を有する芳香族アシル
基または直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数2乃至4個を
有する低級アルコキシカルボニル基を示し;R4 が直鎖
状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有する低級ア
ルキル基を示し;R5 が水素原子または直鎖状もしくは
分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有する低級アルキル基を
示す;チアゾリジン誘導体またはその薬理上許容される
塩を有効成分とする動脈硬化症予防剤および/または治
療剤。 - 【請求項3】請求項1記載の化合物において、 R1 が直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有
する低級アルキル基を示し;R2 が水素原子または直鎖
状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有する低級ア
ルキル基を示し;R3 が水素原子、アセチル基、ベンゾ
イル基またはエトキシカルボニル基を示し;R4 が直鎖
状もしくは分枝鎖状の炭素数1乃至4個を有する低級ア
ルキル基を示し;R5 が水素原子または直鎖状もしくは
分枝鎖状の炭素数1乃至3個を有する低級アルキル基を
示す;チアゾリジン誘導体またはその薬理上許容される
塩を有効成分とする動脈硬化症予防剤および/または治
療剤。 - 【請求項4】請求項1記載の化合物において、 R1 がメチル基を示し;R2 が水素原子またはメチル基
を示し;R3 が水素原子、アセチル基またはエトキシカ
ルボニル基を示し;R4 がメチル基またはt−ブチル基
を示し;R5 が水素原子またはメチル基を示す;チアゾ
リジン誘導体またはその薬理上許容される塩を有効成分
とする動脈硬化症予防剤および/または治療剤。 - 【請求項5】請求項1記載の化合物において、 1)5−[4−(6−ヒドロキシ−2、5、7、8−テ
トラメチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]チアゾ
リジン−2、4−ジオン、 2)5−[4−(6−ヒドロキシ−2−メチル−7−タ
ーシャリーブチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]
チアゾリジン−2、4−ジオン、 3)5−[4−(6−ヒドロキシ−2−エチル−5、
7、8−トリメチルクロマン−2−メトキシ)ベンジ
ル]チアゾリジン−2、4−ジオン、 4)5−[4−(6−ヒドロキシ−2−イソブチル−
5、7、8−トリメチルクロマン−2−メトキシ)ベン
ジル]チアゾリジン−2、4−ジオン、 5)5−[4−(6−アセトキシ−2、5、7、8−テ
トラメチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]チアゾ
リジン−2、4−ジオン、 6)5−[4−(6−エトキシカルボニルオキシ−2、
5、7、8−テトラメチルクロマン−2−メトキシ)ベ
ンジル]チアゾリジン−2、4−ジオン、 またはその薬理上許容される塩を有効成分とする動脈硬
化症予防剤および/または治療剤。 - 【請求項6】請求項1記載の化合物において、 1)5−[4−(6−ヒドロキシ−2、5、7、8−テ
トラメチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]チアゾ
リジン−2、4−ジオン、 2)5−[4−(6−ヒドロキシ−2−メチル−7−タ
ーシャリーブチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]
チアゾリジン−2、4−ジオン、 3)5−[4−(6−エトキシカルボニルオキシ−2、
5、7、8−テトラメチルクロマン−2−メトキシ)ベ
ンジル]チアゾリジン−2、4−ジオン、 またはその薬理上許容される塩を有効成分とする動脈硬
化症予防剤および/または治療剤。 - 【請求項7】請求項1記載の化合物において、 1)5−[4−(6−ヒドロキシ−2、5、7、8−テ
トラメチルクロマン−2−メトキシ)ベンジル]チアゾ
リジン−2、4−ジオン、 またはその薬理上許容される塩を有効成分とする動脈硬
化症予防剤および/または治療剤。 - 【請求項8】請求項1ないし7において、動脈硬化症が
アテローム性動脈硬化症である予防剤および/または治
療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2418494A JPH0741423A (ja) | 1993-02-24 | 1994-02-22 | 動脈硬化症治療剤 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3496393 | 1993-02-24 | ||
JP5-34963 | 1993-05-24 | ||
JP5-121055 | 1993-05-24 | ||
JP12105593 | 1993-05-24 | ||
JP2418494A JPH0741423A (ja) | 1993-02-24 | 1994-02-22 | 動脈硬化症治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0741423A true JPH0741423A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=27284546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2418494A Pending JPH0741423A (ja) | 1993-02-24 | 1994-02-22 | 動脈硬化症治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0741423A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5798375A (en) * | 1995-07-03 | 1998-08-25 | Sankyo Company, Limited | Treatment of arteriosclerosis and xanthoma |
JP2002543118A (ja) * | 1999-04-29 | 2002-12-17 | シティ・オブ・ホープ | ペントキシフィリン、ピオグリタゾンおよびメトフォルミンは、後期糖化最終生成物(age)の形成の阻害剤である |
US6610682B2 (en) | 1996-07-15 | 2003-08-26 | Sankyo Company, Limited | Pharmaceutical compositions and methods for the treatment of arteriosclerosis |
JP2008094852A (ja) * | 1996-07-15 | 2008-04-24 | Daiichi Sankyo Co Ltd | 医薬 |
-
1994
- 1994-02-22 JP JP2418494A patent/JPH0741423A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5798375A (en) * | 1995-07-03 | 1998-08-25 | Sankyo Company, Limited | Treatment of arteriosclerosis and xanthoma |
US6159997A (en) * | 1995-07-03 | 2000-12-12 | Sankyo Company, Limited | Treatment of arteriosclerosis and xanthoma |
US6610682B2 (en) | 1996-07-15 | 2003-08-26 | Sankyo Company, Limited | Pharmaceutical compositions and methods for the treatment of arteriosclerosis |
JP2008094852A (ja) * | 1996-07-15 | 2008-04-24 | Daiichi Sankyo Co Ltd | 医薬 |
JP2002543118A (ja) * | 1999-04-29 | 2002-12-17 | シティ・オブ・ホープ | ペントキシフィリン、ピオグリタゾンおよびメトフォルミンは、後期糖化最終生成物(age)の形成の阻害剤である |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2811210B2 (ja) | ビス(3,5―ジー第三ブチル―4―ヒドロキシフェニルチオ)メタンの血液コレステロール低下及び抗アテローム性動脈硬化症剤としての用途 | |
JP4256679B2 (ja) | 再狭窄の治療方法 | |
JP3071820B2 (ja) | アナフィラキシーの遅反応性物質に対する拮抗薬としてのリポキシンa▲下4▼およびその誘導体の使用 | |
JPH09188658A (ja) | リポタンパク質およびクロトンアミドを含有する組成物 | |
JPH0840901A (ja) | 過増殖性の血管疾患を予防するための医薬組成物 | |
JPWO2007049553A1 (ja) | 循環不全治療剤 | |
TW213919B (ja) | ||
JPH0741423A (ja) | 動脈硬化症治療剤 | |
JPH1067656A (ja) | 細胞接着抑制剤 | |
WO1997045141A1 (fr) | Remede pour maladies auto-immunes | |
US5194445A (en) | Ascorbic acid derivative | |
EP0132994A1 (en) | Compounds for lowering lipid levels | |
Yoshida et al. | Inhibitory effect of a novel water-soluble vitamin E derivative on atherosclerosis in rabbits | |
WO1994019347A1 (en) | Arteriosclerosis remedy | |
JP4545463B2 (ja) | 新規転写因子の製造法及び用途 | |
KR900000293B1 (ko) | 피리미도 [2, 1-b] 벤조티아졸 유도체로된 동맥경화 치료의약 | |
JPH0368845B2 (ja) | ||
JP2838282B2 (ja) | 血管攣縮治療剤 | |
JP2798005B2 (ja) | 平滑筋細胞増殖に起因する疾患の治療・予防剤 | |
US20050119301A1 (en) | Treatment of restenosis | |
JPS58164507A (ja) | ジベンゾシクロヘプテニリデン類による免疫変化剤 | |
JPH0680582A (ja) | 脂質代謝改善剤 | |
JP2005232005A (ja) | 新規脂肪族化合物、合成方法、利用方法 | |
JP2756941B2 (ja) | 2−クロロ−3−アリールアミノ−1,4−ナフトキノン誘導体の血小板凝集抑制剤としての用途 | |
JP3074043B2 (ja) | 動脈硬化治療・予防剤 |