JPH07323215A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
排気ガス浄化装置Info
- Publication number
- JPH07323215A JPH07323215A JP6115795A JP11579594A JPH07323215A JP H07323215 A JPH07323215 A JP H07323215A JP 6115795 A JP6115795 A JP 6115795A JP 11579594 A JP11579594 A JP 11579594A JP H07323215 A JPH07323215 A JP H07323215A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- adsorbent
- catalyst
- reforming
- hydrocarbons
- Prior art date
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- Pending
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- Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】排気ガスのHCを効率良く吸着できるようにす
る。 【構成】エンジン1の排気通路2に排気ガス中の脂肪族
炭化水素を芳香族炭化水素に改質する改質触媒3と、該
改質触媒3によって改質された炭化水素を吸着する吸着
触媒4とを配設する。
る。 【構成】エンジン1の排気通路2に排気ガス中の脂肪族
炭化水素を芳香族炭化水素に改質する改質触媒3と、該
改質触媒3によって改質された炭化水素を吸着する吸着
触媒4とを配設する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス浄化装置に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンの排気ガスの浄化のた
めに、該エンジンの排気通路に三元触媒を設けることは
一般に知られている。しかし、この三元触媒は排気ガス
温度が所定温度以上になって始めてその機能が発揮され
るものであるところ、エンジンの始動直後には排気ガス
温度が低く、排気ガス中のHC(炭化水素)が当該触媒
によって分解されない、という問題がある。
めに、該エンジンの排気通路に三元触媒を設けることは
一般に知られている。しかし、この三元触媒は排気ガス
温度が所定温度以上になって始めてその機能が発揮され
るものであるところ、エンジンの始動直後には排気ガス
温度が低く、排気ガス中のHC(炭化水素)が当該触媒
によって分解されない、という問題がある。
【0003】これに対して、上記排気通路における上記
三元触媒よりも上流側にY型ゼオライトをHC吸着材と
して配設するという技術が知られている(特開平2−7
5327号公報参照)。このものは、排気ガス温度が低
いときに排気ガス中のHCを上記吸着材によって吸着
し、排気ガス温度が高くなったときに該吸着材からHC
を放出させて上記三元触媒によって分解させようとする
ものである。また、Y型ゼオライトがHC吸着材として
用いられているのは、X型ゼオライトよりもC3H6 吸
着能が高く且つ耐熱性が高いため、ということである。
三元触媒よりも上流側にY型ゼオライトをHC吸着材と
して配設するという技術が知られている(特開平2−7
5327号公報参照)。このものは、排気ガス温度が低
いときに排気ガス中のHCを上記吸着材によって吸着
し、排気ガス温度が高くなったときに該吸着材からHC
を放出させて上記三元触媒によって分解させようとする
ものである。また、Y型ゼオライトがHC吸着材として
用いられているのは、X型ゼオライトよりもC3H6 吸
着能が高く且つ耐熱性が高いため、ということである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Y型ゼオ
ライトは、確かに耐熱性の点からHC吸着材として適す
るものの、本発明者の検討によれば、C2 〜C4 の低炭
素数の脂肪族炭化水素に対する吸着能はそれほど高くな
く、このような炭化水素に対する吸着能はどちらかとい
うとZSM5のようなMFI型構造を有する金属含有シ
リケートよりも劣っていた。また、HC吸着材には排気
ガス中の水蒸気が多いとHC吸着能が低下するという一
般的な問題がある。従って、上記Y型ゼオライトをHC
吸着材として用いても、排気ガス中に水蒸気が含まれて
いる場合には、所期のHC浄化を望めなくなることがわ
かった。
ライトは、確かに耐熱性の点からHC吸着材として適す
るものの、本発明者の検討によれば、C2 〜C4 の低炭
素数の脂肪族炭化水素に対する吸着能はそれほど高くな
く、このような炭化水素に対する吸着能はどちらかとい
うとZSM5のようなMFI型構造を有する金属含有シ
リケートよりも劣っていた。また、HC吸着材には排気
ガス中の水蒸気が多いとHC吸着能が低下するという一
般的な問題がある。従って、上記Y型ゼオライトをHC
吸着材として用いても、排気ガス中に水蒸気が含まれて
いる場合には、所期のHC浄化を望めなくなることがわ
かった。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明者
は、上記課題に対して、上記Y型ゼオライト等のミクロ
の細孔を有する各種の金属含有シリケート結晶のHC吸
着能について詳細に実験・研究を行なったところ、上記
Y型ゼオライトの上記低炭素数の脂肪族炭化水素に対す
る吸着能が低いのは、このY型ゼオライトはFAU型構
造を有しその細孔径が上記MFI型に比べて大きいこと
が原因になっている、当該FAU型構造を有する金属含
有シリケートは比較的大きな分子の炭化水素をよく吸着
する、そして、排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香族炭
化水素に改質させれば、水蒸気存在下においても比較的
多量の炭化水素を吸着する、という事実を見出だし、本
発明を完成するに至ったものである。
は、上記課題に対して、上記Y型ゼオライト等のミクロ
の細孔を有する各種の金属含有シリケート結晶のHC吸
着能について詳細に実験・研究を行なったところ、上記
Y型ゼオライトの上記低炭素数の脂肪族炭化水素に対す
る吸着能が低いのは、このY型ゼオライトはFAU型構
造を有しその細孔径が上記MFI型に比べて大きいこと
が原因になっている、当該FAU型構造を有する金属含
有シリケートは比較的大きな分子の炭化水素をよく吸着
する、そして、排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香族炭
化水素に改質させれば、水蒸気存在下においても比較的
多量の炭化水素を吸着する、という事実を見出だし、本
発明を完成するに至ったものである。
【0006】以下、上記課題を解決するための請求項1
〜6の各発明について具体的に説明する。
〜6の各発明について具体的に説明する。
【0007】<請求項1に係る発明>この発明は、脂肪
族炭化水素を含有する排気ガスを浄化する排気ガス浄化
装置であって、上記排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香
族炭化水素に改質する改質材と、該改質材に接触した炭
化水素を吸着する吸着材とを備えていることを特徴とす
る。
族炭化水素を含有する排気ガスを浄化する排気ガス浄化
装置であって、上記排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香
族炭化水素に改質する改質材と、該改質材に接触した炭
化水素を吸着する吸着材とを備えていることを特徴とす
る。
【0008】当該発明においては、排気ガス中に低炭素
数の脂肪族炭化水素が含まれていても、これが改質材に
よって芳香族炭化水素に改質されるから、炭化水素分子
の大きさのバラツキが少なくなり、吸着材による炭化水
素の吸着に有利になる。
数の脂肪族炭化水素が含まれていても、これが改質材に
よって芳香族炭化水素に改質されるから、炭化水素分子
の大きさのバラツキが少なくなり、吸着材による炭化水
素の吸着に有利になる。
【0009】上記改質材と吸着材とは排気通路におい
て、上流側と下流側とに分離配置することができるが、
互いに混合して一か所に配置するようにすることもでき
る。
て、上流側と下流側とに分離配置することができるが、
互いに混合して一か所に配置するようにすることもでき
る。
【0010】改質材の種類については、特に限定するも
のではないが、後述するガリウムシリケートが好適であ
り、またその他の芳香族化触媒を用いることもできる。
吸着材についても、炭化水素を吸着する性質があればそ
の種類を問わないが、上記改質材によって脂肪族炭化水
素が芳香族炭化水素に改質されることから、上述のY型
ゼオライトのような芳香族炭化水素の吸着能に優れたも
のが好適である。
のではないが、後述するガリウムシリケートが好適であ
り、またその他の芳香族化触媒を用いることもできる。
吸着材についても、炭化水素を吸着する性質があればそ
の種類を問わないが、上記改質材によって脂肪族炭化水
素が芳香族炭化水素に改質されることから、上述のY型
ゼオライトのような芳香族炭化水素の吸着能に優れたも
のが好適である。
【0011】<請求項2に係る発明>この発明は、上記
請求項1に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記改質材と吸着材とが上記排気ガスが流れる排気通路
において上流側と下流側とに分かれて配設されているこ
とを特徴とする。
請求項1に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記改質材と吸着材とが上記排気ガスが流れる排気通路
において上流側と下流側とに分かれて配設されているこ
とを特徴とする。
【0012】当該発明の場合、排気ガスは改質材によっ
て炭化水素が芳香族化された後に吸着材を通過すること
になる。
て炭化水素が芳香族化された後に吸着材を通過すること
になる。
【0013】<請求項3に係る発明>この発明は、自動
車のエンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置で
あって、上記エンジンの排気通路に、排気ガス中の脂肪
族炭化水素を芳香族炭化水素に改質する改質材が配設さ
れているとともに、該改質材よりも下流側には脂肪族炭
化水素を吸着する吸着能よりも芳香族炭化水素を吸着す
る吸着能の方が高い吸着材が配設されていることを特徴
とする。
車のエンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置で
あって、上記エンジンの排気通路に、排気ガス中の脂肪
族炭化水素を芳香族炭化水素に改質する改質材が配設さ
れているとともに、該改質材よりも下流側には脂肪族炭
化水素を吸着する吸着能よりも芳香族炭化水素を吸着す
る吸着能の方が高い吸着材が配設されていることを特徴
とする。
【0014】エンジンの排気ガスには炭化水素、窒素酸
化物、一酸化炭素等が含まれ、その炭化水素にはC2 〜
C4 の低炭素数の脂肪族炭化水素も比較的多く含まれて
いるが、当該発明においては、そのような脂肪族炭化水
素が芳香族炭化水素に改質された後に吸着材を通過する
ことになる。そして、該吸着材は芳香族炭化水素に対す
る吸着能が高いものであるから、上記改質材によって芳
香族炭化水素に改質された炭化水素を確実に吸着するこ
とができる。
化物、一酸化炭素等が含まれ、その炭化水素にはC2 〜
C4 の低炭素数の脂肪族炭化水素も比較的多く含まれて
いるが、当該発明においては、そのような脂肪族炭化水
素が芳香族炭化水素に改質された後に吸着材を通過する
ことになる。そして、該吸着材は芳香族炭化水素に対す
る吸着能が高いものであるから、上記改質材によって芳
香族炭化水素に改質された炭化水素を確実に吸着するこ
とができる。
【0015】脂肪族炭化水素を吸着する吸着能よりも芳
香族炭化水素を吸着する吸着能の方が高い吸着材として
は、上述のY型ゼオライトのような細孔径が比較的大き
いFAU型構造を有する金属含有シリケートが好適であ
る。
香族炭化水素を吸着する吸着能の方が高い吸着材として
は、上述のY型ゼオライトのような細孔径が比較的大き
いFAU型構造を有する金属含有シリケートが好適であ
る。
【0016】<請求項4に係る発明>この発明は、上記
請求項1、請求項2又は請求項3に記載されている排気
ガス浄化装置において、上記改質材が、結晶格子の一部
がGaによって構成されているガリウムシリケートであ
り、上記吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴と
する。
請求項1、請求項2又は請求項3に記載されている排気
ガス浄化装置において、上記改質材が、結晶格子の一部
がGaによって構成されているガリウムシリケートであ
り、上記吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴と
する。
【0017】当該発明においては、改質材はガリウムシ
リケートであるから脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素に
よく改質し、吸着材はY型ゼオライトであるから当該芳
香族炭化水素をよく吸着する。ここに、上記ガリウムシ
リケートによって上記改質が行なわれるのは、該ガリウ
ムシリケートが脂肪族炭化水素に対する吸着能を有する
こと、そして、結晶格子の一部を構成するGaが芳香族
化触媒としての機能を高めることによる、と考えられ
る。従って、当該ガリウムシリケートは低炭素数の脂肪
族炭化水素の吸着性を高いものにするためにMFI型と
することが好適である。
リケートであるから脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素に
よく改質し、吸着材はY型ゼオライトであるから当該芳
香族炭化水素をよく吸着する。ここに、上記ガリウムシ
リケートによって上記改質が行なわれるのは、該ガリウ
ムシリケートが脂肪族炭化水素に対する吸着能を有する
こと、そして、結晶格子の一部を構成するGaが芳香族
化触媒としての機能を高めることによる、と考えられ
る。従って、当該ガリウムシリケートは低炭素数の脂肪
族炭化水素の吸着性を高いものにするためにMFI型と
することが好適である。
【0018】<請求項5に係る発明>この発明は、上記
請求項2又は請求項3に記載されている排気ガス浄化装
置において、上記改質材と吸着材との間に三元触媒が配
置されていて、上記改質材が、結晶格子の一部がGaに
よって構成されているガリウムシリケートであり、上記
吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴とする。
請求項2又は請求項3に記載されている排気ガス浄化装
置において、上記改質材と吸着材との間に三元触媒が配
置されていて、上記改質材が、結晶格子の一部がGaに
よって構成されているガリウムシリケートであり、上記
吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴とする。
【0019】当該発明において、三元触媒を吸着材の下
流に配置せずに改質材と吸着材との間に配置しているの
は、排気ガスが排出されるときには三元触媒に対して炭
化水素が常に供給されるようにし、該三元触媒が活性温
度に達した場合には直ちにその触媒機能が発揮されるよ
うにするためである。
流に配置せずに改質材と吸着材との間に配置しているの
は、排気ガスが排出されるときには三元触媒に対して炭
化水素が常に供給されるようにし、該三元触媒が活性温
度に達した場合には直ちにその触媒機能が発揮されるよ
うにするためである。
【0020】すなわち、三元触媒が活性化する温度と吸
着材が炭化水素を放出するようになる温度とは必ずしも
一致しない。従って、仮に吸着材よりも下流側に三元触
媒を配置した場合には、該三元触媒は活性温度に達して
も、吸着材からの炭化水素の放出が遅れると炭化水素が
供給されないことによって触媒機能を発揮することがで
きないことになる。また逆に、吸着材からの炭化水素の
放出開始に遅れて三元触媒が活性温度に達する場合に
は、該三元触媒が働かないため炭化水素がそのまま排出
されてしまうことになる。このような事態を防止するた
めに、上述の配置構成を当該発明では採用しているもの
である。
着材が炭化水素を放出するようになる温度とは必ずしも
一致しない。従って、仮に吸着材よりも下流側に三元触
媒を配置した場合には、該三元触媒は活性温度に達して
も、吸着材からの炭化水素の放出が遅れると炭化水素が
供給されないことによって触媒機能を発揮することがで
きないことになる。また逆に、吸着材からの炭化水素の
放出開始に遅れて三元触媒が活性温度に達する場合に
は、該三元触媒が働かないため炭化水素がそのまま排出
されてしまうことになる。このような事態を防止するた
めに、上述の配置構成を当該発明では採用しているもの
である。
【0021】<請求項6に係る発明>この発明は、上記
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化装置において、上記吸着材に、炭化水素の分
解反応を促進する貴金属活性種が担持されていることを
特徴とする。
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載されている排
気ガス浄化装置において、上記吸着材に、炭化水素の分
解反応を促進する貴金属活性種が担持されていることを
特徴とする。
【0022】当該発明の場合は、上記吸着材がその吸着
した炭化水素を放出する温度に達しても、吸着材に担持
されている貴金属活性種によって当該炭化水素が分解さ
れるから、炭化水素が分解されないまま排出されること
が防止される。この場合の貴金属活性種としてはPd、
Pt等が好適である。
した炭化水素を放出する温度に達しても、吸着材に担持
されている貴金属活性種によって当該炭化水素が分解さ
れるから、炭化水素が分解されないまま排出されること
が防止される。この場合の貴金属活性種としてはPd、
Pt等が好適である。
【0023】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、脂肪族炭
化水素を芳香族炭化水素に改質する改質材と、該改質材
に接触した炭化水素を吸着する吸着材とを備えているか
ら、排気ガス中に低炭素数の脂肪族炭化水素が含まれて
いても、上記改質によって炭化水素分子の大きさのバラ
ツキを少なくすることができ、吸着材として例えば細孔
径が異なる多種類のものを組み合わせることなく、単独
の吸着材であっても且つ水蒸気の存在下であっても比較
的高い炭化水素吸着率を得て該炭化水素の排出を防止す
ることができる。
化水素を芳香族炭化水素に改質する改質材と、該改質材
に接触した炭化水素を吸着する吸着材とを備えているか
ら、排気ガス中に低炭素数の脂肪族炭化水素が含まれて
いても、上記改質によって炭化水素分子の大きさのバラ
ツキを少なくすることができ、吸着材として例えば細孔
径が異なる多種類のものを組み合わせることなく、単独
の吸着材であっても且つ水蒸気の存在下であっても比較
的高い炭化水素吸着率を得て該炭化水素の排出を防止す
ることができる。
【0024】請求項2に係る発明によれば、上記改質材
と吸着材とが上記排気ガスが流れる排気通路において上
流側と下流側とに分かれて配設されているから、排気ガ
ス中の脂肪族炭化水素を改質材によって芳香族炭化水素
に改質させた後に吸着材に接触させることができ、該吸
着材による炭化水素の吸着に有利になる。
と吸着材とが上記排気ガスが流れる排気通路において上
流側と下流側とに分かれて配設されているから、排気ガ
ス中の脂肪族炭化水素を改質材によって芳香族炭化水素
に改質させた後に吸着材に接触させることができ、該吸
着材による炭化水素の吸着に有利になる。
【0025】請求項3に係る発明によれば、自動車のエ
ンジンの排気通路に上記改質材が配設されているととも
に、該改質材よりも下流側に炭化水素吸着材が配設され
ているから、エンジンの排気ガス中の炭化水素が多量に
排出されてしまうことを防止することができ、特に、上
記吸着材は芳香族炭化水素に対する吸着能が高いもので
あるから、上記炭化水素の排出防止に有利になる。
ンジンの排気通路に上記改質材が配設されているととも
に、該改質材よりも下流側に炭化水素吸着材が配設され
ているから、エンジンの排気ガス中の炭化水素が多量に
排出されてしまうことを防止することができ、特に、上
記吸着材は芳香族炭化水素に対する吸着能が高いもので
あるから、上記炭化水素の排出防止に有利になる。
【0026】請求項4に係る発明によれば、上記改質材
が、結晶格子の一部がGaによって構成されているガリ
ウムシリケートであり、上記吸着材がY型ゼオライトで
あるから、排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香族炭化水
素に効率良く改質し、これを吸着材に確実に吸着させる
ことができ、上記請求項1乃至請求項3の各発明を実施
し所期の効果を上げる上で有利になる。
が、結晶格子の一部がGaによって構成されているガリ
ウムシリケートであり、上記吸着材がY型ゼオライトで
あるから、排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香族炭化水
素に効率良く改質し、これを吸着材に確実に吸着させる
ことができ、上記請求項1乃至請求項3の各発明を実施
し所期の効果を上げる上で有利になる。
【0027】請求項5に係る発明によれば、上記改質材
と吸着材との間に三元触媒が配置されていて、上記改質
材が、結晶格子の一部がGaによって構成されているガ
リウムシリケートであり、上記吸着材がY型ゼオライト
であるから、排気ガス中の炭化水素の放出を防止しなが
ら、三元触媒を無駄なく利用して排気ガスの浄化を行な
うことができる。
と吸着材との間に三元触媒が配置されていて、上記改質
材が、結晶格子の一部がGaによって構成されているガ
リウムシリケートであり、上記吸着材がY型ゼオライト
であるから、排気ガス中の炭化水素の放出を防止しなが
ら、三元触媒を無駄なく利用して排気ガスの浄化を行な
うことができる。
【0028】請求項6に係る発明によれば、上記吸着材
に炭化水素の分解反応を促進する貴金属活性種が担持さ
れているから、該吸着材が炭化水素放出温度に達した後
に該炭化水素がそのまま放出されてしまうことを防止す
ることができる。
に炭化水素の分解反応を促進する貴金属活性種が担持さ
れているから、該吸着材が炭化水素放出温度に達した後
に該炭化水素がそのまま放出されてしまうことを防止す
ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0030】−排気ガス浄化装置の構成− 図1は排気ガス浄化装置の各要素の配置構成を示す。同
図において、1は自動車のエンジン、2は該エンジン1
の排気通路であり、この排気通路2に改質触媒(改質
材)3、三元触媒4及び吸着触媒(吸着材)5が上流側
から順に配置されている。改質触媒3は吸着材としての
MFI型構造のガリウムシリケートをモノリス担体(コ
ージェライト製)にウォッシュコートしてなるものであ
り、三元触媒4はγ−アルミナにPt、Pd、Rh、セ
リア等を担持させてなる触媒粉をモノリス担体にウォッ
シュコートしてなるものであり、吸着触媒5はFAU型
構造のY型ゼオライトをモノリス担体にウォッシュコー
トし、さらにPdを含浸によって担持させてなるもので
ある。
図において、1は自動車のエンジン、2は該エンジン1
の排気通路であり、この排気通路2に改質触媒(改質
材)3、三元触媒4及び吸着触媒(吸着材)5が上流側
から順に配置されている。改質触媒3は吸着材としての
MFI型構造のガリウムシリケートをモノリス担体(コ
ージェライト製)にウォッシュコートしてなるものであ
り、三元触媒4はγ−アルミナにPt、Pd、Rh、セ
リア等を担持させてなる触媒粉をモノリス担体にウォッ
シュコートしてなるものであり、吸着触媒5はFAU型
構造のY型ゼオライトをモノリス担体にウォッシュコー
トし、さらにPdを含浸によって担持させてなるもので
ある。
【0031】−改質材(ガリウムシリケート)の調製− NaCl(26.3g)、臭化テトラプロピルアンモニ
ウム(7.5g)、イオン交換水(208ml)、Na
OH(2.4g)及び硫酸(2.85g)よりなるA液
を氷冷しつつ激しく撹拌しながら、これに硫酸ガリウム
(所定量)、イオン交換水(60ml)及び硫酸(6.
2g)よりなるB液と、水ガラス3号(所定量)及びイ
オン交換水(45ml)よりなるC液とを6分間かけて
滴下していった。その際、混合液にそのpHが9〜11
に保たれるようNaOH水溶液又は硫酸水溶液を適宜添
加した。滴下終了後も2分間程撹拌を続けた。
ウム(7.5g)、イオン交換水(208ml)、Na
OH(2.4g)及び硫酸(2.85g)よりなるA液
を氷冷しつつ激しく撹拌しながら、これに硫酸ガリウム
(所定量)、イオン交換水(60ml)及び硫酸(6.
2g)よりなるB液と、水ガラス3号(所定量)及びイ
オン交換水(45ml)よりなるC液とを6分間かけて
滴下していった。その際、混合液にそのpHが9〜11
に保たれるようNaOH水溶液又は硫酸水溶液を適宜添
加した。滴下終了後も2分間程撹拌を続けた。
【0032】以上のようにして得られた水和ゲルをオー
トクレーブに仕込み、窒素置換を行ない(窒素分圧4k
gf/cm2 )、該ゲルを撹拌しながら炉内温度を16
0℃まで160分間で上昇させ、引き続き200℃まで
800分間で上昇させることにより、当該ゲルの水熱合
成を行なった。しかる後、室温まで自然冷却させ、生成
物を取り出して純水によって洗浄し、540〜600℃
×3時間の焼成を行なうことにより、Na型のガリウム
シリケートを得た。
トクレーブに仕込み、窒素置換を行ない(窒素分圧4k
gf/cm2 )、該ゲルを撹拌しながら炉内温度を16
0℃まで160分間で上昇させ、引き続き200℃まで
800分間で上昇させることにより、当該ゲルの水熱合
成を行なった。しかる後、室温まで自然冷却させ、生成
物を取り出して純水によって洗浄し、540〜600℃
×3時間の焼成を行なうことにより、Na型のガリウム
シリケートを得た。
【0033】次に上記Na型のガリウムシリケート14
gに硝酸アンモニウム11.4g及び水700mlを加
えて50℃で8時間の撹拌を行なうことによって、Na
+ →H+ のイオン交換を行ない、室温に冷却した後、瀘
過及び洗浄を行ない、さらに600℃×3時間の焼成を
行なって、求める改質材としてのH型(プロトン型)の
ガリウムシリケート(ケイバン比30)を得た。
gに硝酸アンモニウム11.4g及び水700mlを加
えて50℃で8時間の撹拌を行なうことによって、Na
+ →H+ のイオン交換を行ない、室温に冷却した後、瀘
過及び洗浄を行ない、さらに600℃×3時間の焼成を
行なって、求める改質材としてのH型(プロトン型)の
ガリウムシリケート(ケイバン比30)を得た。
【0034】−上記H型ガリウムシリケートの改質機能
− 上記H型ガリウムシリケートに種々の温度で次の組成の
模擬排気ガスをSV=60000h-1にて流し、C3 H
6 のベンゼンへの転化率を調べた。結果は図2に示され
ている。
− 上記H型ガリウムシリケートに種々の温度で次の組成の
模擬排気ガスをSV=60000h-1にて流し、C3 H
6 のベンゼンへの転化率を調べた。結果は図2に示され
ている。
【0035】(模擬排気ガスの組成) NOx;0.5%,CO;0.6%,C3 H6 ;0.0
55%C,CO2 ;3.0%,O2 ;0.6%,残部N
2
55%C,CO2 ;3.0%,O2 ;0.6%,残部N
2
【0036】図2によれば、当該ガリウムシリケートに
脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素に改質する芳香族化触
媒としての機能があること、200℃という比較的低い
温度から当該機能が発現すること、また、その改質機能
が比較的高いということがわかる。ここに、ガリウムシ
リケートをH型にするのは耐熱性及び改質性能の点で有
利になるからである。
脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素に改質する芳香族化触
媒としての機能があること、200℃という比較的低い
温度から当該機能が発現すること、また、その改質機能
が比較的高いということがわかる。ここに、ガリウムシ
リケートをH型にするのは耐熱性及び改質性能の点で有
利になるからである。
【0037】−吸着材(Y型ゼオライト)の炭化水素吸
着能− ケイバン比6のY型ゼオライトとケイバン比30のZS
M5とを準備し、水蒸気存在下でのY型ゼオライトのベ
ンゼン吸着量とZSM5のC3 H6 吸着量を調べた。結
果は図3に示されている。
着能− ケイバン比6のY型ゼオライトとケイバン比30のZS
M5とを準備し、水蒸気存在下でのY型ゼオライトのベ
ンゼン吸着量とZSM5のC3 H6 吸着量を調べた。結
果は図3に示されている。
【0038】同図によれば、Y型ゼオライトのベンゼン
吸着量はZSM5のC3 H6 吸着量よりも多い。Y型ゼ
オライトがC3 H6 を吸着しないこと、及びZSM5が
ベンゼンを吸着しないことを考慮すると、図3の結果か
ら、排気ガス中の脂肪族炭化水素を改質することなくZ
SM5に吸着させるよりも、これを芳香族炭化水素に改
質させてY型ゼオライトに吸着させる方が、炭化水素の
排出防止に格段と有利になることがわかる。
吸着量はZSM5のC3 H6 吸着量よりも多い。Y型ゼ
オライトがC3 H6 を吸着しないこと、及びZSM5が
ベンゼンを吸着しないことを考慮すると、図3の結果か
ら、排気ガス中の脂肪族炭化水素を改質することなくZ
SM5に吸着させるよりも、これを芳香族炭化水素に改
質させてY型ゼオライトに吸着させる方が、炭化水素の
排出防止に格段と有利になることがわかる。
【0039】−排気ガス浄化テスト− 先に説明した図1の構成において、Y1モード(0〜6
0秒まで)でのエンジン1の排気ガス中のHC浄化率を
測定したところ、74.3%であった。
0秒まで)でのエンジン1の排気ガス中のHC浄化率を
測定したところ、74.3%であった。
【0040】これに対して、図4に示すように改質触媒
を設けずに、三元触媒4と吸着触媒6のみとし、該吸着
触媒6を、Y型ゼオライトとZSM5とを混合してモノ
リス担体に担持させた混合タイプ(Pd担持有)とした
比較例1の装置(他は図1のものと同じ構成)につい
て、同様の条件でHC浄化率を測定したところ、63.
4%であった。このことから、図1に示す改質材として
のガリウムシリケートと、吸着材としてのY型ゼオライ
トとの組み合わせがHC浄化率の向上に格別の効を奏す
ることがわかる。
を設けずに、三元触媒4と吸着触媒6のみとし、該吸着
触媒6を、Y型ゼオライトとZSM5とを混合してモノ
リス担体に担持させた混合タイプ(Pd担持有)とした
比較例1の装置(他は図1のものと同じ構成)につい
て、同様の条件でHC浄化率を測定したところ、63.
4%であった。このことから、図1に示す改質材として
のガリウムシリケートと、吸着材としてのY型ゼオライ
トとの組み合わせがHC浄化率の向上に格別の効を奏す
ることがわかる。
【0041】また、図5に示すように吸着触媒7がZS
M5をモノリス担体に担持させたものである第2実施例
の装置(他は図1のものと同じ構成)について、同様の
条件でHC浄化率を測定したところ、53.1%であっ
た。このことから、吸着材賭してY型ゼオライトが好適
であることがわかる。なお、図5の構成において、改質
触媒3を省いて同様の浄化テストを行なったところ、H
C浄化率は51.0%であった。
M5をモノリス担体に担持させたものである第2実施例
の装置(他は図1のものと同じ構成)について、同様の
条件でHC浄化率を測定したところ、53.1%であっ
た。このことから、吸着材賭してY型ゼオライトが好適
であることがわかる。なお、図5の構成において、改質
触媒3を省いて同様の浄化テストを行なったところ、H
C浄化率は51.0%であった。
【0042】さらに、図6に示すように吸着触媒を設け
ずに、改質触媒3と三元触媒4のみとした比較例2の装
置(他の構成は図1のものと同じ)について、同様の条
件でHC浄化率を測定したところ、43.6%であっ
た。このことから、三元触媒4は吸着触媒として働か
ず、上記Y型ゼオライトを用いたような吸着触媒5が必
要であることがわかる。
ずに、改質触媒3と三元触媒4のみとした比較例2の装
置(他の構成は図1のものと同じ)について、同様の条
件でHC浄化率を測定したところ、43.6%であっ
た。このことから、三元触媒4は吸着触媒として働か
ず、上記Y型ゼオライトを用いたような吸着触媒5が必
要であることがわかる。
【0043】なお、図7に示すように三元触媒4のみを
用いた比較例3の装置ではHC浄化率が40.1%であ
った。従って、図6及び図7の各装置におけるHC浄化
率の比較から、ガリウムシリケート自体にはHC吸着能
がほとんどなく、吸着材との組み合わせが必要になるこ
とがわかる。
用いた比較例3の装置ではHC浄化率が40.1%であ
った。従って、図6及び図7の各装置におけるHC浄化
率の比較から、ガリウムシリケート自体にはHC吸着能
がほとんどなく、吸着材との組み合わせが必要になるこ
とがわかる。
【0044】<その他1>以下では水蒸気存在下におい
てHC浄化率を高めるための、また、先の実施例と組み
合わせて用いてHC浄化率を高めるための好適な水蒸気
除去方法及びそのための装置の発明を説明する。
てHC浄化率を高めるための、また、先の実施例と組み
合わせて用いてHC浄化率を高めるための好適な水蒸気
除去方法及びそのための装置の発明を説明する。
【0045】−従来の問題点− エンジンの排気ガスには10%程度の水蒸気が含まれて
いるのが通常であり、この水蒸気が排気ガス浄化用触媒
の性能及び耐久性に悪影響を及ぼしている。例えば、Y
型ゼオライト等を用いたHC吸着材は水蒸気を実質的に
含まない排気ガスの場合には所期のHC吸着性能が得ら
れても、水蒸気量が多くなるにつれてその吸着能が低下
する。これに対して、エンジンの排気通路におけるHC
吸着材よりも上流側に活性炭を配置して排気ガス中の水
分を除去するという考え方はあるが、長時間の使用には
耐えることができず、別途再生処理あるいは交換を必要
とする。
いるのが通常であり、この水蒸気が排気ガス浄化用触媒
の性能及び耐久性に悪影響を及ぼしている。例えば、Y
型ゼオライト等を用いたHC吸着材は水蒸気を実質的に
含まない排気ガスの場合には所期のHC吸着性能が得ら
れても、水蒸気量が多くなるにつれてその吸着能が低下
する。これに対して、エンジンの排気通路におけるHC
吸着材よりも上流側に活性炭を配置して排気ガス中の水
分を除去するという考え方はあるが、長時間の使用には
耐えることができず、別途再生処理あるいは交換を必要
とする。
【0046】−発明の構成及び効果− 上記問題を解決する第1の手段は、炭化水素又はアルコ
ールを排気ガス中に供給し、該炭化水素又はアルコール
と排気ガス中の水蒸気とを水蒸気改質触媒の存在下で反
応させることにより二酸化炭素又は一酸化炭素と水素と
を生成させることを特徴とする排気ガス中の水蒸気除去
方法である。
ールを排気ガス中に供給し、該炭化水素又はアルコール
と排気ガス中の水蒸気とを水蒸気改質触媒の存在下で反
応させることにより二酸化炭素又は一酸化炭素と水素と
を生成させることを特徴とする排気ガス中の水蒸気除去
方法である。
【0047】この第1の手段によれば、排気ガス中の水
蒸気が上記反応によって除去され、水分の少ない排気ガ
スを得ることが可能になる。
蒸気が上記反応によって除去され、水分の少ない排気ガ
スを得ることが可能になる。
【0048】上記炭化水素又はアルコールとしては、メ
タノール、エタノール、ガソリン、軽油、メタノール・
ガソリン混合燃料(M85)等の液体燃料や、天然ガス
等の気体燃料が好適である。また、上記水蒸気改質触媒
としては、CuとZnとを混合してなる金属触媒、Pt
又はPd等の貴金属をアルミナに担持させてなる貴金属
/アルミナ触媒、あるいはその他に炭化水素水蒸気改質
触媒等を用いることができ、これらは耐熱性担体、例え
ばコージェライト製モノリス担体に担持させて使用する
ことができる。
タノール、エタノール、ガソリン、軽油、メタノール・
ガソリン混合燃料(M85)等の液体燃料や、天然ガス
等の気体燃料が好適である。また、上記水蒸気改質触媒
としては、CuとZnとを混合してなる金属触媒、Pt
又はPd等の貴金属をアルミナに担持させてなる貴金属
/アルミナ触媒、あるいはその他に炭化水素水蒸気改質
触媒等を用いることができ、これらは耐熱性担体、例え
ばコージェライト製モノリス担体に担持させて使用する
ことができる。
【0049】上記問題を解決する第2の手段は、上記第
1の手段において、上記アルコールとしてメタノールを
用いたことを特徴とする。
1の手段において、上記アルコールとしてメタノールを
用いたことを特徴とする。
【0050】この第2の手段の場合、メタノールがメタ
ンないしはナフサのような炭化水素に比べて取り扱い易
く、且つ上記転化反応が進み易いことから、上記第1の
手段を実施する上で好適である。
ンないしはナフサのような炭化水素に比べて取り扱い易
く、且つ上記転化反応が進み易いことから、上記第1の
手段を実施する上で好適である。
【0051】上記問題を解決する第3の手段は、上記第
1の手段の方法を実施するための排気ガス中の水蒸気除
去装置であって、エンジンの排気通路に接続され、該排
気通路内に炭化水素又はアルコールを供給する供給手段
と、上記排気通路における上記供給手段接続部位の下流
側に設けられ、上記炭化水素又はアルコールと排気ガス
中の水蒸気とを反応させて二酸化炭素又は一酸化炭素と
水素とを生成させる水蒸気改質触媒とを備えていること
を特徴とする。
1の手段の方法を実施するための排気ガス中の水蒸気除
去装置であって、エンジンの排気通路に接続され、該排
気通路内に炭化水素又はアルコールを供給する供給手段
と、上記排気通路における上記供給手段接続部位の下流
側に設けられ、上記炭化水素又はアルコールと排気ガス
中の水蒸気とを反応させて二酸化炭素又は一酸化炭素と
水素とを生成させる水蒸気改質触媒とを備えていること
を特徴とする。
【0052】上記問題を解決する第4の手段は、上記第
3の手段において、上記供給手段が、炭化水素又はアル
コールを蓄えるタンクと、該タンクの炭化水素又はアル
コールを排気通路に供給する供給装置(ポンプ)と、該
供給装置の作動を制御する供給量制御手段とによって構
成され、上記供給量制御手段が、エンジンの運転状態を
検出する手段(エンジン回転数センサ、エンジン水温セ
ンサ、エンジン負荷センサ等)と、排気ガスの性状を検
出する手段(空燃比センサ、排気ガス温度センサ等)
と、この両検出手段の出力に基づいて排気ガス中の水蒸
気量を演算し該水蒸気量を転化するのに相当する両の炭
化水素又はアルコールを上記排気通路に供給するよう上
記供給装置に作動信号を出力するコンピュータユニット
とからなることを特徴とする。
3の手段において、上記供給手段が、炭化水素又はアル
コールを蓄えるタンクと、該タンクの炭化水素又はアル
コールを排気通路に供給する供給装置(ポンプ)と、該
供給装置の作動を制御する供給量制御手段とによって構
成され、上記供給量制御手段が、エンジンの運転状態を
検出する手段(エンジン回転数センサ、エンジン水温セ
ンサ、エンジン負荷センサ等)と、排気ガスの性状を検
出する手段(空燃比センサ、排気ガス温度センサ等)
と、この両検出手段の出力に基づいて排気ガス中の水蒸
気量を演算し該水蒸気量を転化するのに相当する両の炭
化水素又はアルコールを上記排気通路に供給するよう上
記供給装置に作動信号を出力するコンピュータユニット
とからなることを特徴とする。
【0053】この第4の手段によれば、排気ガス中の水
蒸気量に応じて炭化水素又はアルコールを過不足なく供
給することができるため、大気中に放出される排気ガス
の性状の悪化を招くことなく、排気ガス中の水蒸気を効
率良く除去することが可能になる。
蒸気量に応じて炭化水素又はアルコールを過不足なく供
給することができるため、大気中に放出される排気ガス
の性状の悪化を招くことなく、排気ガス中の水蒸気を効
率良く除去することが可能になる。
【0054】上記問題を解決する第5の手段は、上記第
3の手段又は第4の手段において、上記水蒸気改質触媒
よりも下流側の排気通路に排気ガス中の炭化水素を吸着
するHC吸着材が配設されていることを特徴とする。
3の手段又は第4の手段において、上記水蒸気改質触媒
よりも下流側の排気通路に排気ガス中の炭化水素を吸着
するHC吸着材が配設されていることを特徴とする。
【0055】この第5の手段によれば、水蒸気が除去さ
れた排気ガスをHC吸着材に送ることができ、該HC吸
着材の炭化水素吸着効率を高めることができる。
れた排気ガスをHC吸着材に送ることができ、該HC吸
着材の炭化水素吸着効率を高めることができる。
【0056】上記問題を解決する第6の手段は、上記第
5の手段において、上記HC吸着材よりも下流側の排気
通路に配設され、排気ガス中の有害成分の浄化反応を起
させる排気ガス浄化用触媒と、上記水蒸気改質触媒の下
流から上記HC吸着材をバイパスして上記排気ガス浄化
用触媒に排気ガスを流すバイパス通路と、上記バイパス
通路に設けられ、該バイパス通路を開閉する開閉弁と、
上記開閉弁を、エンジン温度(排気ガス温度でもよい)
に基づいて、エンジン温度が所定値以下の冷間時に上記
バイパス通路が閉じられ該エンジン温度が所定値を越え
るときに該バイパス通路が開かれるように作動させる開
閉弁制御手段とを備えていることを特徴とする。
5の手段において、上記HC吸着材よりも下流側の排気
通路に配設され、排気ガス中の有害成分の浄化反応を起
させる排気ガス浄化用触媒と、上記水蒸気改質触媒の下
流から上記HC吸着材をバイパスして上記排気ガス浄化
用触媒に排気ガスを流すバイパス通路と、上記バイパス
通路に設けられ、該バイパス通路を開閉する開閉弁と、
上記開閉弁を、エンジン温度(排気ガス温度でもよい)
に基づいて、エンジン温度が所定値以下の冷間時に上記
バイパス通路が閉じられ該エンジン温度が所定値を越え
るときに該バイパス通路が開かれるように作動させる開
閉弁制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0057】この第6の手段によれば、エンジン冷間時
(排気ガス浄化用触媒が活性温度に達していない時)に
排気ガス中の炭化水素をHC吸着材に吸着させてその排
出を防止しながら、エンジン暖機後は上記排気ガス浄化
用触媒を用いて排気ガスを浄化させて排出することがで
きる。
(排気ガス浄化用触媒が活性温度に達していない時)に
排気ガス中の炭化水素をHC吸着材に吸着させてその排
出を防止しながら、エンジン暖機後は上記排気ガス浄化
用触媒を用いて排気ガスを浄化させて排出することがで
きる。
【0058】上記問題を解決する第7の手段は、水の分
子を通過させアルコールの分子を通過させない多孔質壁
によって隔てられた一方の側に排気ガスを満たし、他方
の側にアルコールを満たすことを特徴とする排気ガス中
の水蒸気除去方法である。
子を通過させアルコールの分子を通過させない多孔質壁
によって隔てられた一方の側に排気ガスを満たし、他方
の側にアルコールを満たすことを特徴とする排気ガス中
の水蒸気除去方法である。
【0059】この方法によれば、上記排気ガス中の水蒸
気は、上記多孔質壁の細孔を拡散して上記アルコール側
に移動し該アルコールに捕捉され、その結果、排気ガス
中の水蒸気が減少することになる。
気は、上記多孔質壁の細孔を拡散して上記アルコール側
に移動し該アルコールに捕捉され、その結果、排気ガス
中の水蒸気が減少することになる。
【0060】上記問題を解決する第8の手段は、上記第
7の手段の方法を実施するための排気ガス中の水蒸気除
去装置であって、水の分子を通過させアルコールの分子
を通過させない多孔質壁を隔ててその一方に排気ガスを
流れる排気通路部が形成され、他方にアルコールが流れ
るアルコール通路部が形成されてなる二重通路と、上記
アルコール通路部にその一端から液体アルコールを流入
させて、該アルコール通路部の他端から流出させるアル
コール供給手段とを備えていることを特徴とする。
7の手段の方法を実施するための排気ガス中の水蒸気除
去装置であって、水の分子を通過させアルコールの分子
を通過させない多孔質壁を隔ててその一方に排気ガスを
流れる排気通路部が形成され、他方にアルコールが流れ
るアルコール通路部が形成されてなる二重通路と、上記
アルコール通路部にその一端から液体アルコールを流入
させて、該アルコール通路部の他端から流出させるアル
コール供給手段とを備えていることを特徴とする。
【0061】この手段によれば、上記排気通路部にその
一端から排気ガスを流すと、排気ガス中の水蒸気が上記
多孔質壁を拡散してアルコール通路部に移動し、該アル
コール通路部のアルコールに捕捉され、水蒸気量が少な
くなった排気ガスを上記排気通路部の他端から排出する
ことができる。
一端から排気ガスを流すと、排気ガス中の水蒸気が上記
多孔質壁を拡散してアルコール通路部に移動し、該アル
コール通路部のアルコールに捕捉され、水蒸気量が少な
くなった排気ガスを上記排気通路部の他端から排出する
ことができる。
【0062】ここに、上記二重通路は、上記多孔質材に
よって形成された内管と、水分子を通さない材料によっ
て形成された外管とよりなる二重管構造とすることによ
って形成することができる。この場合、内管の内側をア
ルコール通路部としその外側を排気通路部とすることが
でき、また、逆に内管の内側を排気通路部とし外側をア
ルコール通路部とすることもできる。さらに、アルコー
ル通路部と排気通路部とを互いに隣接して並行するよう
に設け、該両通路部の境界を上記多孔質壁によって形成
するようにしてもよい。
よって形成された内管と、水分子を通さない材料によっ
て形成された外管とよりなる二重管構造とすることによ
って形成することができる。この場合、内管の内側をア
ルコール通路部としその外側を排気通路部とすることが
でき、また、逆に内管の内側を排気通路部とし外側をア
ルコール通路部とすることもできる。さらに、アルコー
ル通路部と排気通路部とを互いに隣接して並行するよう
に設け、該両通路部の境界を上記多孔質壁によって形成
するようにしてもよい。
【0063】上記問題を解決する第9の手段は、上記第
8の手段において、上記アルコール供給手段が、上記ア
ルコール通路部の下流端から流出する液体アルコール及
び水の混合液を反応させて二酸化炭素と水素とを生成さ
せる改質触媒反応槽と、該改質触媒反応槽によって得ら
れた生成物中の気体アルコールを液化させ残りの二酸化
炭素及び水素を除去する冷却器と、該冷却器によって得
られた液体アルコールに無水アルコールを補給して上記
アルコール通路部にその上流端から供給するポンプとを
備えていることを特徴とする。
8の手段において、上記アルコール供給手段が、上記ア
ルコール通路部の下流端から流出する液体アルコール及
び水の混合液を反応させて二酸化炭素と水素とを生成さ
せる改質触媒反応槽と、該改質触媒反応槽によって得ら
れた生成物中の気体アルコールを液化させ残りの二酸化
炭素及び水素を除去する冷却器と、該冷却器によって得
られた液体アルコールに無水アルコールを補給して上記
アルコール通路部にその上流端から供給するポンプとを
備えていることを特徴とする。
【0064】この手段によれば、排気ガス中の水蒸気を
除去するためのアルコールを再生しながら循環使用する
ことができ、しかもアルコールを実質的に無水の状態に
してアルコール通路部に供給することができるため、排
気ガス中の水蒸気の除去効率が高くなる。
除去するためのアルコールを再生しながら循環使用する
ことができ、しかもアルコールを実質的に無水の状態に
してアルコール通路部に供給することができるため、排
気ガス中の水蒸気の除去効率が高くなる。
【0065】上記問題を解決する第10の手段は、上記
第8の手段又は上記第9の手段において、上記多孔質材
が、細孔径2〜4オングストロームの多孔質金属含有シ
リケート結晶によって形成され上記アルコール通路部の
壁面を構成する第1壁と、該第1壁よりも細孔径が大き
な多孔質アルミナによって形成され上記排気通路部の壁
面を構成する第2壁とによって形成されていることを特
徴とする。
第8の手段又は上記第9の手段において、上記多孔質材
が、細孔径2〜4オングストロームの多孔質金属含有シ
リケート結晶によって形成され上記アルコール通路部の
壁面を構成する第1壁と、該第1壁よりも細孔径が大き
な多孔質アルミナによって形成され上記排気通路部の壁
面を構成する第2壁とによって形成されていることを特
徴とする。
【0066】この手段によれば、排気通路部からアルコ
ール通路部への水蒸気の拡散を許容しながら、アルコー
ル通路部から排気通路部へのアルコールの移動を阻止す
ることができる。
ール通路部への水蒸気の拡散を許容しながら、アルコー
ル通路部から排気通路部へのアルコールの移動を阻止す
ることができる。
【0067】ここに、上記第1壁としては、トムソナイ
ト(細孔径2.3〜3.9,2.2〜4.0程度、以上
の数値はオングストローム)やナトロライト(細孔径
2.6〜3.9オングストローム程度)が好適である。
なお、水の分子径は1.54、メタノールの分子径は
3.00、メタンの分子径は1.78である(以上の数
値はオングストローム)。
ト(細孔径2.3〜3.9,2.2〜4.0程度、以上
の数値はオングストローム)やナトロライト(細孔径
2.6〜3.9オングストローム程度)が好適である。
なお、水の分子径は1.54、メタノールの分子径は
3.00、メタンの分子径は1.78である(以上の数
値はオングストローム)。
【0068】−具体例1− 以下、上記第1乃至第6の手段の具体例を説明する。
【0069】図8に排気ガス中の水蒸気除去装置の好適
な構成が示されている。同図において、11は自動車の
エンジン、12は該エンジンの排気通路である。この排
気通路12には、水蒸気改質触媒13、HC吸着材14
及び排気ガス浄化用触媒15が上流側から順に配設され
ているとともに、上記HC吸着材14をバイパスして上
記水蒸気改質触媒13と排気ガス浄化用触媒15とを結
ぶバイパス通路16が設けられ、該バイパス通路16に
は該通路を開閉する開閉弁17が設けられている。さら
に、上記排気通路12における上記水蒸気改質触媒13
よりも上流部には、メタノールを貯溜した燃料タンク1
9より延設された燃料供給通路20が接続されていて、
この燃料供給通路20には燃料供給装置(ポンプ)21
が設けられている。
な構成が示されている。同図において、11は自動車の
エンジン、12は該エンジンの排気通路である。この排
気通路12には、水蒸気改質触媒13、HC吸着材14
及び排気ガス浄化用触媒15が上流側から順に配設され
ているとともに、上記HC吸着材14をバイパスして上
記水蒸気改質触媒13と排気ガス浄化用触媒15とを結
ぶバイパス通路16が設けられ、該バイパス通路16に
は該通路を開閉する開閉弁17が設けられている。さら
に、上記排気通路12における上記水蒸気改質触媒13
よりも上流部には、メタノールを貯溜した燃料タンク1
9より延設された燃料供給通路20が接続されていて、
この燃料供給通路20には燃料供給装置(ポンプ)21
が設けられている。
【0070】また、同図において、22は上記開閉弁1
7及び燃料供給装置21の作動を制御するコントロール
ユニットであり、エンジン回転数、エンジン水温、排気
ガスの空燃比及び排気ガス温度に基づいて当該制御を行
なう。なお、これらセンサ類の図示は省略している。こ
の場合、コンピュータユニット22は、エンジン水温に
基づいて、該温度が所定値以下のエンジン冷間時に上記
バイパス通路16が閉じられ、該温度が所定値を越える
ときにバイパス通路16が開かれるよう上記開閉弁17
に作動信号を出力し、また、エンジン回転数、エンジン
水温、空燃比及び排気ガス温度に基づいて排気ガス中の
水蒸気量を演算し該水蒸気量を転化するのに相当する量
のメタノールを上記排気通路12に供給するよう上記燃
料供給装置21に作動信号を出力する。
7及び燃料供給装置21の作動を制御するコントロール
ユニットであり、エンジン回転数、エンジン水温、排気
ガスの空燃比及び排気ガス温度に基づいて当該制御を行
なう。なお、これらセンサ類の図示は省略している。こ
の場合、コンピュータユニット22は、エンジン水温に
基づいて、該温度が所定値以下のエンジン冷間時に上記
バイパス通路16が閉じられ、該温度が所定値を越える
ときにバイパス通路16が開かれるよう上記開閉弁17
に作動信号を出力し、また、エンジン回転数、エンジン
水温、空燃比及び排気ガス温度に基づいて排気ガス中の
水蒸気量を演算し該水蒸気量を転化するのに相当する量
のメタノールを上記排気通路12に供給するよう上記燃
料供給装置21に作動信号を出力する。
【0071】上記水蒸気改質触媒13はコージェライト
製モノリス担体にCu−Znを担持させてなるものであ
る。上記HC吸着材14はY型ゼオライトとZSM5と
の混合物を同様のモノリス担体に担持させたものであ
り、排気ガス浄化用触媒15は三元触媒を同様のモノリ
ス担体に担持させたものである。
製モノリス担体にCu−Znを担持させてなるものであ
る。上記HC吸着材14はY型ゼオライトとZSM5と
の混合物を同様のモノリス担体に担持させたものであ
り、排気ガス浄化用触媒15は三元触媒を同様のモノリ
ス担体に担持させたものである。
【0072】上記水蒸気改質触媒13による水蒸気改質
反応は次の通りであり、この反応により排気ガス中の水
蒸気が除去される。 MeOH+H2 O → 3H2 +CO2 …… なお、MeOHはCH3 OHの略である。
反応は次の通りであり、この反応により排気ガス中の水
蒸気が除去される。 MeOH+H2 O → 3H2 +CO2 …… なお、MeOHはCH3 OHの略である。
【0073】図9は上記水蒸気改質触媒(Cu,Zn)
を用い固定流通式反応装置にて上記反応を生じさせたと
きの反応温度と触媒出口ガス(生成物)組成との関係を
示す。同図によれば、300℃程度の比較的低い温度で
も水蒸気(H2 O)の除去効果があり、且つ、高温にな
るに従って水蒸気除去効果が高くなり、400℃程度の
排気ガス温度になると排気ガス中の水蒸気がほとんどな
くなることがわかる。
を用い固定流通式反応装置にて上記反応を生じさせたと
きの反応温度と触媒出口ガス(生成物)組成との関係を
示す。同図によれば、300℃程度の比較的低い温度で
も水蒸気(H2 O)の除去効果があり、且つ、高温にな
るに従って水蒸気除去効果が高くなり、400℃程度の
排気ガス温度になると排気ガス中の水蒸気がほとんどな
くなることがわかる。
【0074】この場合のモデルガスは、10%H2 O,
10%MeOH,残部N2 とし、SV=10000h-1
とした。この点は次に説明する図10〜図12の各デー
タも同じである。
10%MeOH,残部N2 とし、SV=10000h-1
とした。この点は次に説明する図10〜図12の各デー
タも同じである。
【0075】図10はPtをγ−アルミナに担持させて
なるPt/Al2 O3 を水蒸気改質触媒とした場合の例
であり、図11はPdをγ−アルミナに担持させてなる
Pd/Al2 O3 を水蒸気改質触媒とした場合の例であ
る。これらの場合でも上記Cu,Zn系触媒と同様に水
蒸気除去効果が認められるが、その効果が図9のものよ
りも低くなっている。これに対して、PtをMgOに担
持させてなるPt/MgOを水蒸気改質触媒とした場合
は、図12に示すように水蒸気除去効果が認められる
が、その効果はかなり低いものになっている。以上か
ら、上記Cu,Zn系触媒を用いることが、水蒸気除去
効果が高く且つメタンの生成もなく、好適である、とい
うことができる。
なるPt/Al2 O3 を水蒸気改質触媒とした場合の例
であり、図11はPdをγ−アルミナに担持させてなる
Pd/Al2 O3 を水蒸気改質触媒とした場合の例であ
る。これらの場合でも上記Cu,Zn系触媒と同様に水
蒸気除去効果が認められるが、その効果が図9のものよ
りも低くなっている。これに対して、PtをMgOに担
持させてなるPt/MgOを水蒸気改質触媒とした場合
は、図12に示すように水蒸気除去効果が認められる
が、その効果はかなり低いものになっている。以上か
ら、上記Cu,Zn系触媒を用いることが、水蒸気除去
効果が高く且つメタンの生成もなく、好適である、とい
うことができる。
【0076】次に上記Cu,Zn系触媒のSV依存性に
ついてテストしたところ、次のような結果が得られた。
すなわち、Cu,Zn系触媒をペレット状に成形し、触
媒容量を2リットルとして、固定流通式反応装置にてS
V値を6000h-1、10000h-1、15000h-1
の3種類に変えてメタノールの転化率を調べた。結果は
図13に示されている。同図から、SV=10000h
-1以下、さらには6000h-1が好適であることがわか
る。SV=6000h-1での反応装置出口ガス(生成
物)組成は図14に示されている。同図から、SV=6
000h-1において好結果が得られることがわかる。
ついてテストしたところ、次のような結果が得られた。
すなわち、Cu,Zn系触媒をペレット状に成形し、触
媒容量を2リットルとして、固定流通式反応装置にてS
V値を6000h-1、10000h-1、15000h-1
の3種類に変えてメタノールの転化率を調べた。結果は
図13に示されている。同図から、SV=10000h
-1以下、さらには6000h-1が好適であることがわか
る。SV=6000h-1での反応装置出口ガス(生成
物)組成は図14に示されている。同図から、SV=6
000h-1において好結果が得られることがわかる。
【0077】次に実際に自動車のエンジンの排気通路に
上記水蒸気改質触媒(Cu,Zn)をエンジンから1〜
1.5m離して装備し(触媒容量は2リットルとし
た)、λ=1で定常運転した際の排気ガス中のH2 O量
を調べたところ、当該触媒を設けない場合のH2 O量は
10容量%あったが、それが3容量%に低下していた。
上記水蒸気改質触媒(Cu,Zn)をエンジンから1〜
1.5m離して装備し(触媒容量は2リットルとし
た)、λ=1で定常運転した際の排気ガス中のH2 O量
を調べたところ、当該触媒を設けない場合のH2 O量は
10容量%あったが、それが3容量%に低下していた。
【0078】また、Y1モードでのHC浄化率を調べた
ところ、当該触媒を設けないものでは65%であった
が、それが70%になった。
ところ、当該触媒を設けないものでは65%であった
が、それが70%になった。
【0079】−具体例2− 次に上記第7の手段乃至第10の手段の具体例を説明す
る。
る。
【0080】図15に排気ガス中の水蒸気除去装置の好
適な構成が示されている。同図において、31は自動車
のエンジンの金属製排気管であり、その途中に多孔質管
32が挿入されて内側のアルコール通路部33と外側の
排気通路部34とが多孔質管32によって隔てられてな
る二重通路35が形成されている。上記アルコール通路
部33の上流端と下流端とは循環用通路36によって連
絡されていて、該循環用通路36には、改質触媒反応槽
37と冷却器38とアルコール補給口39とアルコール
供給ポンプ40とが上記下流端側から上流端側へと順に
配設されている。
適な構成が示されている。同図において、31は自動車
のエンジンの金属製排気管であり、その途中に多孔質管
32が挿入されて内側のアルコール通路部33と外側の
排気通路部34とが多孔質管32によって隔てられてな
る二重通路35が形成されている。上記アルコール通路
部33の上流端と下流端とは循環用通路36によって連
絡されていて、該循環用通路36には、改質触媒反応槽
37と冷却器38とアルコール補給口39とアルコール
供給ポンプ40とが上記下流端側から上流端側へと順に
配設されている。
【0081】上記改質触媒反応槽37は、アルコール通
路部33の下流端から流出する液体アルコール及び水の
混合液を反応させて二酸化炭素と水素とを生成させる改
質触媒をコージェライト製モノリス担体に担持させてな
るものである。この改質触媒反応槽37の外側には当該
反応温度を400℃前後にコントロールするための加熱
装置41が設けられている。上記改質触媒はCu,Zn
系の水蒸気改質触媒である。
路部33の下流端から流出する液体アルコール及び水の
混合液を反応させて二酸化炭素と水素とを生成させる改
質触媒をコージェライト製モノリス担体に担持させてな
るものである。この改質触媒反応槽37の外側には当該
反応温度を400℃前後にコントロールするための加熱
装置41が設けられている。上記改質触媒はCu,Zn
系の水蒸気改質触媒である。
【0082】上記冷却器38は、上記改質触媒反応槽3
7によって得られた生成物中の気体アルコールを液化さ
せ、常温では液化しない残りの改質ガス(一酸化炭素、
二酸化炭素、水素)を除去するものであり、改質ガス流
出口38aを備えている。この改質ガス流出口38aは
エンジンの吸気系に接続され、改質ガスをエンジンの燃
焼室に供給するようになっている。
7によって得られた生成物中の気体アルコールを液化さ
せ、常温では液化しない残りの改質ガス(一酸化炭素、
二酸化炭素、水素)を除去するものであり、改質ガス流
出口38aを備えている。この改質ガス流出口38aは
エンジンの吸気系に接続され、改質ガスをエンジンの燃
焼室に供給するようになっている。
【0083】上記アルコール補給口39は、無水アルコ
ールを蓄えたタンク(図示省略)に接続されていて、無
水アルコールを循環用通路36に供給させるようになっ
ている。この無水アルコールの補給量は、上記改質触媒
反応によって消費されるアルコール量に等しい。上記ポ
ンプ40は、上記冷却器38によって得られた液体アル
コールと補給された無水アルコールとを上記アルコール
通路部33に供給するものである。この場合、改質触
媒;Cu,Zn系、SV=60000h-1、H2O;1
0%、気化温度;150℃の条件では、メタノールを上
記ポンプ40によって120ml/min以上供給する
ようにすればよい。
ールを蓄えたタンク(図示省略)に接続されていて、無
水アルコールを循環用通路36に供給させるようになっ
ている。この無水アルコールの補給量は、上記改質触媒
反応によって消費されるアルコール量に等しい。上記ポ
ンプ40は、上記冷却器38によって得られた液体アル
コールと補給された無水アルコールとを上記アルコール
通路部33に供給するものである。この場合、改質触
媒;Cu,Zn系、SV=60000h-1、H2O;1
0%、気化温度;150℃の条件では、メタノールを上
記ポンプ40によって120ml/min以上供給する
ようにすればよい。
【0084】上記多孔質管32は、図16に示すよう
に、内側多孔質壁32a、中間多孔質壁32b及び外側
多孔質壁32cの三層構造に形成されている。内側多孔
質壁32aはトムソナイトによって形成されている。中
間多孔質壁32b及び外側多孔質壁32cは多孔質アル
ミナによって形成されていて、いずれも内側多孔質壁3
2aよりも細孔径が大きく且つ外側多孔質壁32cの方
が中間多孔質壁32bよりも細孔径が大きい。
に、内側多孔質壁32a、中間多孔質壁32b及び外側
多孔質壁32cの三層構造に形成されている。内側多孔
質壁32aはトムソナイトによって形成されている。中
間多孔質壁32b及び外側多孔質壁32cは多孔質アル
ミナによって形成されていて、いずれも内側多孔質壁3
2aよりも細孔径が大きく且つ外側多孔質壁32cの方
が中間多孔質壁32bよりも細孔径が大きい。
【0085】従って、上記具体例においては、水蒸気を
含む排気ガスが排気管31を流れて上記排気通路部34
に至ると、図16に示すように排気ガス中の水分子は外
側多孔質壁32c、中間多孔質壁32b及び内側多孔質
壁32aを順に拡散移動してアルコール通路部33に侵
入する一方、排気ガス中の比較的大きな分子は多孔質管
32の外側多孔質壁32cに妨げられて上記拡散をする
ことができない。このため、排気ガスは水分が少なくな
った乾燥排気ガスになって排出されていく。
含む排気ガスが排気管31を流れて上記排気通路部34
に至ると、図16に示すように排気ガス中の水分子は外
側多孔質壁32c、中間多孔質壁32b及び内側多孔質
壁32aを順に拡散移動してアルコール通路部33に侵
入する一方、排気ガス中の比較的大きな分子は多孔質管
32の外側多孔質壁32cに妨げられて上記拡散をする
ことができない。このため、排気ガスは水分が少なくな
った乾燥排気ガスになって排出されていく。
【0086】上記排気通路部34からアルコール通路部
33に入った水分子は、メタノールと共に改質触媒反応
槽37に送られる。そして、そこでは気化したメタノー
ルと水蒸気との間で先に説明した式の反応を生じて改
質ガス(二酸化炭素と水素)とが生成する。なお、一部
では(MeOH→2H2 +CO)の反応を生ずると考え
られる。
33に入った水分子は、メタノールと共に改質触媒反応
槽37に送られる。そして、そこでは気化したメタノー
ルと水蒸気との間で先に説明した式の反応を生じて改
質ガス(二酸化炭素と水素)とが生成する。なお、一部
では(MeOH→2H2 +CO)の反応を生ずると考え
られる。
【0087】そうして、上記反応に関与しなかったメタ
ノールガスと改質ガスとは冷却器38に送られ、メタノ
ールガスは液化してポンプ40に流れる一方、液化しな
かった改質ガスはエンジンの吸気系に送られて燃料と共
にエンジン燃焼室に供給される。上記液化したメタノー
ルは補給された無水アルコールと共に再びアルコール通
路部33へ供給される。
ノールガスと改質ガスとは冷却器38に送られ、メタノ
ールガスは液化してポンプ40に流れる一方、液化しな
かった改質ガスはエンジンの吸気系に送られて燃料と共
にエンジン燃焼室に供給される。上記液化したメタノー
ルは補給された無水アルコールと共に再びアルコール通
路部33へ供給される。
【0088】図17は上記排気通路部34の入口及び出
口のモデルガスの組成を示すものである(上側が入口の
ガス組成、下側が出口のガス組成を示し、数値はいずれ
も流量(mi/min)を示す)。同図によれば水蒸気
量は全ガス量の約9%から約1.4%に減少しており、
水蒸気が除去されていることがわかる。
口のモデルガスの組成を示すものである(上側が入口の
ガス組成、下側が出口のガス組成を示し、数値はいずれ
も流量(mi/min)を示す)。同図によれば水蒸気
量は全ガス量の約9%から約1.4%に減少しており、
水蒸気が除去されていることがわかる。
【0089】そこで、図15に示す装置の下流側にY型
ゼオライトを25ml担持させた吸着材を配置し、モデ
ルガス(図17の上側のものと同様の組成)を流してH
C吸着能を評価したところ、当該吸着材のプロピレン吸
着量は、上記水蒸気除去装置を設けない場合に10mg
であったものが126mgに急増した。さらに、実際の
自動車においてY型ゼオライトによる吸着材をエンジン
の排気通路に設けて、Y1モードでのHC浄化率を調べ
たところ、上記水蒸気除去装置を設けないものでは65
%であったものが上記水蒸気除去装置を設けたものでは
HC浄化率が74%になった。これは水蒸気が除去され
て吸着材の吸着性が高まったためである。
ゼオライトを25ml担持させた吸着材を配置し、モデ
ルガス(図17の上側のものと同様の組成)を流してH
C吸着能を評価したところ、当該吸着材のプロピレン吸
着量は、上記水蒸気除去装置を設けない場合に10mg
であったものが126mgに急増した。さらに、実際の
自動車においてY型ゼオライトによる吸着材をエンジン
の排気通路に設けて、Y1モードでのHC浄化率を調べ
たところ、上記水蒸気除去装置を設けないものでは65
%であったものが上記水蒸気除去装置を設けたものでは
HC浄化率が74%になった。これは水蒸気が除去され
て吸着材の吸着性が高まったためである。
【0090】<その他2>次に、水蒸気存在下において
も排気ガス中のHCをよく吸着しその排出を防止する手
段について説明する。
も排気ガス中のHCをよく吸着しその排出を防止する手
段について説明する。
【0091】(課題)図18に示すように、エンジン1
の排気系2において自動車のアンダーフロア位置(車体
フロア下)に配置した触媒コンバータの内部を前後に二
分割し、前段に三元触媒4、後段にHC吸着触媒(HC
吸着剤と別の触媒とを混合したもの)51をそれぞれ収
容した場合、HCの排出を防止することができる。しか
し、HC吸着剤は排気ガス中に水蒸気が存在すると、そ
の機能が大きく低下するため、上記システムでも不充分
となる。
の排気系2において自動車のアンダーフロア位置(車体
フロア下)に配置した触媒コンバータの内部を前後に二
分割し、前段に三元触媒4、後段にHC吸着触媒(HC
吸着剤と別の触媒とを混合したもの)51をそれぞれ収
容した場合、HCの排出を防止することができる。しか
し、HC吸着剤は排気ガス中に水蒸気が存在すると、そ
の機能が大きく低下するため、上記システムでも不充分
となる。
【0092】(解決手段)本案では、上記の問題点を解
決するため、次のいずれかの手段を設ける。
決するため、次のいずれかの手段を設ける。
【0093】i)水蒸気存在下でもHC吸着能を持つ元
素(Fe,Co,Ni,Mn)をゼオライトのイオン交
換サイトまたは骨格構造に加えたものをHC吸着剤とし
て用い、HC吸着浄化システムを構築する。
素(Fe,Co,Ni,Mn)をゼオライトのイオン交
換サイトまたは骨格構造に加えたものをHC吸着剤とし
て用い、HC吸着浄化システムを構築する。
【0094】ii)HC吸着剤層が悪影響を受けないよう
に、水蒸気を除去する手段をシステム中に受ける(例え
ば、吸湿剤とHC吸着剤を混合する。あるいは、吸着剤
層手前に凝縮トラップを設ける)。
に、水蒸気を除去する手段をシステム中に受ける(例え
ば、吸湿剤とHC吸着剤を混合する。あるいは、吸着剤
層手前に凝縮トラップを設ける)。
【0095】(解決手段iについて)現在市販されてい
るゼオライトは、交換イオンがNa+ またはH+ のもの
がほとんどである。そこで、これら以外の各種イオンを
交換したMFI型ゼオライト(ZSMS)を試作し、H
C吸着特性を評価した。
るゼオライトは、交換イオンがNa+ またはH+ のもの
がほとんどである。そこで、これら以外の各種イオンを
交換したMFI型ゼオライト(ZSMS)を試作し、H
C吸着特性を評価した。
【0096】
【表1】
【0097】このように、本案1〜4では、比較1,2
に対して水蒸気存在下でのHC吸着量が大きく向上して
いることがわかった。これは、交換イオン自体にある程
度水蒸気存在下でのHC吸着能力があるためと考えられ
る。
に対して水蒸気存在下でのHC吸着量が大きく向上して
いることがわかった。これは、交換イオン自体にある程
度水蒸気存在下でのHC吸着能力があるためと考えられ
る。
【0098】続いて、ゼオライトの骨格中への添加を試
みた。
みた。
【0099】MFI型ゼオライトを水熱合成する前の合
成反応液中に金属塩を溶解させておくことにより、骨格
構造中にFe,Co,Ni,Mnを含むMFI型のメタ
ロシリケート(金属含有シリケートと同意)をそれぞれ
合成した。これらをH+ 交換することにより、H+ 交換
メタロシリケートを作製した。そして同様にC3 H6の
吸着特性を評価した。
成反応液中に金属塩を溶解させておくことにより、骨格
構造中にFe,Co,Ni,Mnを含むMFI型のメタ
ロシリケート(金属含有シリケートと同意)をそれぞれ
合成した。これらをH+ 交換することにより、H+ 交換
メタロシリケートを作製した。そして同様にC3 H6の
吸着特性を評価した。
【0100】
【表2】
【0101】このように、本案5〜8によれば、やはり
比較2に対して、C3 H6 吸着量が向上していることが
確認できた。これは、骨格構造中に添加された金属が、
C3H6 を吸着すると共に、シリケート全体の酸強度を
弱めてH2 Oを吸引する力を弱めたため、H2 Oの阻害
する力が低下したためと考えられる。
比較2に対して、C3 H6 吸着量が向上していることが
確認できた。これは、骨格構造中に添加された金属が、
C3H6 を吸着すると共に、シリケート全体の酸強度を
弱めてH2 Oを吸引する力を弱めたため、H2 Oの阻害
する力が低下したためと考えられる。
【0102】以上の中から、Fe3+−MFIゼオライト
とH+ −Si/Al/Feメタロシリケートの2種を取
り上げ、実車評価を行った。実車システム構成は図1と
全く同様とした。
とH+ −Si/Al/Feメタロシリケートの2種を取
り上げ、実車評価を行った。実車システム構成は図1と
全く同様とした。
【0103】・実験条件 V6 2500ccエンジン車 F
TPモード実車走行評価 ・触媒コンバータ構成 前段:Pt-Rh 系三元触媒 900℃×50h 大気熱処理品
1.0 ■ 後段:吸着剤は本案吸着剤と H+ −FAU (ケイバン比8
0)を等量混合 吸着剤をハニカムにコーティング後、 CeO2 及びPdを担
持 CeO2 担持量 50g/■ Pd担持量 8g/■ 吸着剤担持量 150g/■ ハニカム容量 1.3
■
TPモード実車走行評価 ・触媒コンバータ構成 前段:Pt-Rh 系三元触媒 900℃×50h 大気熱処理品
1.0 ■ 後段:吸着剤は本案吸着剤と H+ −FAU (ケイバン比8
0)を等量混合 吸着剤をハニカムにコーティング後、 CeO2 及びPdを担
持 CeO2 担持量 50g/■ Pd担持量 8g/■ 吸着剤担持量 150g/■ ハニカム容量 1.3
■
【表3】
【0104】このように、本案を用いれば、実車におけ
るHC浄化率を向上させることができる。
るHC浄化率を向上させることができる。
【0105】他に、ゼオライト構造として、MOR,F
ERを用いても同様の効果が得られる。
ERを用いても同様の効果が得られる。
【0106】(解決手段iiについて)本案例を図19,
20により示す。アンダーフロア位置の触媒コンバータ
(三元触媒4,HC吸着触媒51)の手前に凝縮トラッ
プ52を置き、かつコンバータの後部には絞り弁53を
設けている。エンジン冷間時に始動した場合、100秒
間は絞り弁53を絞っておき、その後は完全に開放す
る。
20により示す。アンダーフロア位置の触媒コンバータ
(三元触媒4,HC吸着触媒51)の手前に凝縮トラッ
プ52を置き、かつコンバータの後部には絞り弁53を
設けている。エンジン冷間時に始動した場合、100秒
間は絞り弁53を絞っておき、その後は完全に開放す
る。
【0107】この始動後の100秒間は、トラップ52
は十分冷えているため、排ガス中の水蒸気はここで凝縮
しトラップされる。このときさらに絞り弁53を絞って
水蒸気分圧を上げているため、なおさら凝縮は促進され
る。従って、触媒コンバータ4,51には水蒸気の少な
い排ガスが流れ込む。またこの排ガス中のHC分圧も上
昇している。このため、水蒸気濃度低下とHC分圧上昇
の相乗効果でHC吸着効率は向上することになる。
は十分冷えているため、排ガス中の水蒸気はここで凝縮
しトラップされる。このときさらに絞り弁53を絞って
水蒸気分圧を上げているため、なおさら凝縮は促進され
る。従って、触媒コンバータ4,51には水蒸気の少な
い排ガスが流れ込む。またこの排ガス中のHC分圧も上
昇している。このため、水蒸気濃度低下とHC分圧上昇
の相乗効果でHC吸着効率は向上することになる。
【0108】このシステムを実車両に組み込み、評価し
た結果を示す。
た結果を示す。
【0109】・実験条件 V6 2500ccエンジン車 F
TPモード実車走行評価 ・触媒コンバータ構成 前段:Pt-Rh 系三元触媒 900℃×50h 大気熱処理品
1.0 ■ 後段:吸着剤は H+ −MFI (ケイバン比30)とH+ −F
AU (ケイバン比80)とを等重量混合したもの 担
持量 150g/■ 吸着剤をハニカムにコーティング後、 CeO2 及びPdを担
持 CeO2 担持量 50g/■ Pd担持量 8g/■ ハニカム容量 1.3 ■
TPモード実車走行評価 ・触媒コンバータ構成 前段:Pt-Rh 系三元触媒 900℃×50h 大気熱処理品
1.0 ■ 後段:吸着剤は H+ −MFI (ケイバン比30)とH+ −F
AU (ケイバン比80)とを等重量混合したもの 担
持量 150g/■ 吸着剤をハニカムにコーティング後、 CeO2 及びPdを担
持 CeO2 担持量 50g/■ Pd担持量 8g/■ ハニカム容量 1.3 ■
【表4】
【0110】このように、本案の場合もやはりHC浄化
率は向上する。
率は向上する。
【0111】他にも、凝縮トラップの変わりにCaO,
CaCl2 など吸湿剤をコンバータ上流に配置するか、
あるいは吸着剤層に吸湿剤を混合しても同様の効果が得
られる。
CaCl2 など吸湿剤をコンバータ上流に配置するか、
あるいは吸着剤層に吸湿剤を混合しても同様の効果が得
られる。
【図1】実施例の排気ガス浄化装置の各要素の配置構成
を示す図
を示す図
【図2】水蒸気改質触媒によるプロピレンのベンゼン転
化率を示すグラフ図
化率を示すグラフ図
【図3】ZSM5及びY型ゼオライトのHC吸着量を示
すグラフ図
すグラフ図
【図4】比較例1の排気ガス浄化装置の各要素の配置構
成を示す図
成を示す図
【図5】第2実施例の排気ガス浄化装置の各要素の配置
構成を示す図
構成を示す図
【図6】比較例2の排気ガス浄化装置の各要素の配置構
成を示す図
成を示す図
【図7】比較例3の排気ガス浄化装置の各要素の配置構
成を示す図
成を示す図
【図8】排気ガス中の水蒸気除去装置の一例を示す構成
図
図
【図9】Cu,Zn系改質触媒による改質反応温度とガ
ス組成との関係を示すグラフ図
ス組成との関係を示すグラフ図
【図10】Pt/Al2 O3 系改質触媒による改質反応
温度とガス組成との関係を示すグラフ図
温度とガス組成との関係を示すグラフ図
【図11】Pd/Al2 O3 系改質触媒による改質反応
温度とガス組成との関係を示すグラフ図
温度とガス組成との関係を示すグラフ図
【図12】Pt/MgO系改質触媒による改質反応温度
とガス組成との関係を示すグラフ図
とガス組成との関係を示すグラフ図
【図13】Cu,Zn系改質触媒のSV依存性を示すグ
ラフ図
ラフ図
【図14】SV=6000h-1での図9と同様の図
【図15】排気ガス中の水蒸気除去装置の他の例を示す
構成図
構成図
【図16】多孔質隔壁と各種の分子との関係を示す図
【図17】排気通路部の入口と出口とでのモデルガスの
組成変化を示すグラフ図
組成変化を示すグラフ図
【図18】排気浄化システムを示すブロック図
【図19】排気浄化システムの他の例を示すブロック図
【図20】凝縮トラップを示す概略段面図
1,11 エンジン 2,12 排気通路 3 改質触媒 4 三元触媒 5 吸着触媒 13 水蒸気改質触媒 14 HC吸着材 15 排気ガス浄化用触媒 16 バイパス通路 17 開閉弁 19 燃料タンク 20 燃料供給通路 21 燃料供給装置 22 コントロールユニット 31 排気管 32 多孔質管 32a 内側多孔質壁 32b 中間多孔質壁 32c 外側多孔質壁 33 アルコール通路部 34 排気通路部 35 二重通路 36 循環用通路 37 改質触媒反応槽 38 冷却器 39 アルコール補給口 40 供給ポンプ 41 加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/86 ZAB B01J 29/87 A B01D 53/36 ZAB (72)発明者 黒川 貴弘 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 重津 雅彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 岩国 秀治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 脂肪族炭化水素を含有する排気ガスを浄
化する排気ガス浄化装置であって、 上記排気ガス中の脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素に改
質する改質材と、該改質材に接触した炭化水素を吸着す
る吸着材とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化
装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
装置において、 上記改質材と吸着材とが上記排気ガスが流れる排気通路
において上流側と下流側とに分かれて配設されているこ
とを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 【請求項3】 自動車のエンジンの排気ガスを浄化する
排気ガス浄化装置であって、 上記エンジンの排気通路に、排気ガス中の脂肪族炭化水
素を芳香族炭化水素に改質する改質材が配設されている
とともに、該改質材よりも下流側には脂肪族炭化水素を
吸着する吸着能よりも芳香族炭化水素を吸着する吸着能
の方が高い吸着材が配設されていることを特徴とする排
気ガス浄化装置。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
されている排気ガス浄化装置において、 上記改質材が、結晶格子の一部がGaによって構成され
ているガリウムシリケートであり、 上記吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴とする
排気ガス浄化装置。 - 【請求項5】 請求項2又は請求項3に記載されている
排気ガス浄化装置において、 上記改質材と吸着材との間に三元触媒が配置されてい
て、 上記改質材が、結晶格子の一部がGaによって構成され
ているガリウムシリケートであり、 上記吸着材が、Y型ゼオライトであることを特徴とする
排気ガス浄化装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
載されている排気ガス浄化装置において、 上記吸着材に、炭化水素の分解反応を促進する貴金属活
性種が担持されていることを特徴とする排気ガス浄化装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115795A JPH07323215A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 排気ガス浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115795A JPH07323215A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 排気ガス浄化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07323215A true JPH07323215A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14671269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6115795A Pending JPH07323215A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 排気ガス浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07323215A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1021116C2 (nl) * | 2002-07-19 | 2004-01-20 | Stichting Energie | Werkwijze voor het verwijderen van NOx en katalysator daarvoor. |
KR20190107160A (ko) * | 2017-02-08 | 2019-09-18 | 바스프 코포레이션 | 촉매 조성물 |
JP2020510519A (ja) * | 2017-02-08 | 2020-04-09 | ビーエーエスエフ コーポレーション | 触媒製品 |
-
1994
- 1994-05-30 JP JP6115795A patent/JPH07323215A/ja active Pending
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US7459135B2 (en) * | 2002-07-19 | 2008-12-02 | Stichting Energieonderzoek Centrum Nederland | Method for the removal of NOx and catalyst therefor |
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JP2020510519A (ja) * | 2017-02-08 | 2020-04-09 | ビーエーエスエフ コーポレーション | 触媒製品 |
US11471863B2 (en) | 2017-02-08 | 2022-10-18 | Basf Corporation | Catalytic articles |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040106 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040615 |