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JPH07316144A - ジフェニルメチルピペラジン誘導体 - Google Patents

ジフェニルメチルピペラジン誘導体

Info

Publication number
JPH07316144A
JPH07316144A JP7067249A JP6724995A JPH07316144A JP H07316144 A JPH07316144 A JP H07316144A JP 7067249 A JP7067249 A JP 7067249A JP 6724995 A JP6724995 A JP 6724995A JP H07316144 A JPH07316144 A JP H07316144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
och
compound
derivative
acid
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7067249A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Fukumi
宏 福見
Hidenori Shimozu
秀則 下津
Teiichiro Koga
貞一郎 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP7067249A priority Critical patent/JPH07316144A/ja
Publication of JPH07316144A publication Critical patent/JPH07316144A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 [式中 R1 、R2 、R3 およびR4 は水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示
し、mは0乃至2を示し、nは2乃至4を示し、pは1
乃至2を示す。]を有するジフェニルメチルピペラジン
誘導体に関する。 【効果】本発明の化合物は優れた抗高コレステロ−ル血
症作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂質代謝障害による高コ
レステロ−ル血症などの高脂血症の治療とアテロ−ム性
動脈硬化症の予防に有用な、優れたジフェニルメチルピ
ペラジン誘導体またはその薬理上許容される塩に関す
る。
【0002】
【従来の技術】動脈硬化症は、体内におけるコレステロ
−ルの蓄積が原因の一つであることが知られている。ま
た、動脈硬化症のほとんどはアテロ−ム性動脈硬化症で
あり、この疾患ではコレステロールが動脈壁に蓄積して
アテローム斑点を作り、この蓄積したコレステロ−ル
は、血中に含まれている低密度リポタンパク質(LD
L)と呼ばれる粒子に由来しているとされている。従っ
て、血中のLDL濃度が高いほど、アテロ−ム性動脈硬
化症は早く進行する。
【0003】ヒトLDL受容体遺伝子を導入したトラン
スジェニックマウスが作製され、人為的にLDL受容体
遺伝子の発現を上昇させることにより血中のLDLが、
著明に低下したと報告されている[Science, 250, 1273
(1990)]。
【0004】血中LDLを低下させる薬剤としては、内
因性コレステロ−ルの生合成経路上の律速酵素である3
−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル コエンザイムA
リダクタ−ゼ(3-hydroxy-3-methyglutaryl-Co A reduc
tase) [HMG−CoAリダクタ−ゼ]を特異的に阻害
する物質、例えば現在市販されているメバロチン(登録
商標、一般名:プラバスタチン ナトリウム)およびメ
バコ−ル(登録商標、一般名:ロバスタチン)があげら
れる。この物質は、肝臓におけるコレステロ−ルの生合
成を阻害する事によって、間接的にLDL受容体の数の
上昇をもたらし、それによって、血中のLDL濃度を低
下させる。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明者らは、LDL
受容体遺伝子の発現を直接亢進させ、血中のLDLを特
異的に低下させる作用を有する物質として新規なジフェ
ニルメチルピペラジン誘導体またはその薬理上許容され
る塩が優れたLDL受容体遺伝子発現増強作用を有し脂
質代謝障害による高コレステロ−ル血症などの高脂血症
の治療とアテロ−ム性動脈硬化症の予防に有効なことを
見出して本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同
一もしくは異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アル
キル基または低級アルコキシ基を示し、mは0乃至2を
示し、nは2乃至4を示し、pは1乃至2を示す。]を
有するジフェニルメチルピペラジン誘導体またはその薬
理上許容される塩である。
【0009】前記一般式(I)を有するジフェニルメチ
ルピペラジン誘導体またはその薬理上許容される塩にお
いて、R1 、R2 、R3 およびR4 がハロゲン原子を示
す場合、該ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素ま
たは臭素原子などが挙げられる。
【0010】R1 、R2 、R3 およびR4 が低級アルキ
ル基を示す場合、該低級アルキル基としては炭素数1乃
至4個を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ルまたはt−ブチルなどが挙げられる。
【0011】R1 、R2 、R3 およびR4 が低級アルコ
キシ基を示す場合、該低級アルコキシ基としては炭素数
1乃至4個を有するアルコキシ基、例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシなどが挙げ
られる。
【0012】前記一般式(I)を有するジフェニルメチ
ルピペラジン誘導体において、好適には、R1 、R2
3 およびR4 が同一もしくは異なって水素原子、フッ
素原子、塩素原子、メチルまたはメトキシを示し、mが
1または2を示し、nが2または3を示し、pが1また
は2を示す化合物を挙げることができる。
【0013】本発明の代表的な化合物としては、例えば
次表1に記載する化合物を例示することができる。
【0014】
【化3】
【0015】
【表1】 ──────────────────────────────────── 例示化合物 番号 R1234 m n p ─────────────────────────────────── 1 H H H H 1 2 1 2 H H H H 1 3 1 3 H H H H 1 2 2 4 H H H H 1 3 2 5 H H H H 2 2 1 6 H H H H 2 3 1 7 H H H H 2 4 1 8 H H H H 2 2 2 9 H H H H 2 3 2 10 H H 4−F 4−F 1 2 1 11 H H 4−F 4−F 1 3 1 12 H H 4−F 4−F 1 2 2 13 H H 4−F 4−F 1 3 2 14 H H 4−F 4−F 2 2 1 15 H H 4−F 4−F 2 3 1 16 H H 4−F 4−F 2 4 1 17 H H 4−F 4−F 2 2 2 18 H H 4−F 4−F 2 3 2 19 H H 4−F H 1 2 1 20 H H 4−F H 1 3 1 21 H H 4−F H 2 2 1 22 H H 4−F H 2 3 1 23 H H 4−F H 2 4 1 24 H H 4−Cl H 1 2 1 25 H H 4−Cl H 1 3 1 26 H H 3−Cl H 2 2 1 27 H H 2−Cl H 2 3 1 28 H H 4−Cl H 2 4 1 29 H H 4−Cl 4−Cl 1 2 1 30 H H 4−Cl 4−Cl 1 3 1 31 H H 4−Cl H 2 2 1 32 H H 4−Cl H 2 3 1 33 H H 4−Cl H 2 4 1 34 H H 4−CH3 H 1 2 1 35 H H 4−CH3 H 2 2 1 36 H H 3−CH3 H 2 3 1 37 H H 4−CH3 H 2 4 1 38 H H 4−CH3 4−CH3 1 2 1 39 H H 4−CH3 4−CH3 1 3 1 40 H H 4−CH3 4−CH3 1 2 2 41 H H 4−CH3 4−CH3 1 3 2 42 H H 4−CH3 4−CH3 2 2 1 43 H H 4−CH3 4−CH3 2 3 1 44 H H 2−CH3 2−CH3 2 4 1 45 H H 4−OCH3 H 1 2 1 46 H H 4−OCH3 H 2 2 1 47 H H 4−OCH3 H 2 3 1 48 H H 4−OCH3 H 2 4 1 49 H H 4−OCH3 4−OCH3 1 2 1 50 H H 4−OCH3 4−OCH3 1 3 1 51 H H 4−OCH3 4−OCH3 1 2 2 52 H H 4−OCH3 4−OCH3 1 3 2 53 H H 4−OCH3 4−OCH3 2 2 1 54 H H 4−OCH3 4−OCH3 2 3 1 55 H H 4−OCH3 4−OCH3 2 4 1 56 F F H H 1 2 1 57 4−F 4−F H H 1 3 1 58 4−F 4−F H H 1 2 2 59 4−F 4−F H H 1 3 2 60 4−F 4−F H H 2 2 1 61 4−F 4−F H H 2 3 1 62 4−F 4−F H H 2 4 1 63 4−F 4−F H H 2 2 2 64 2−F 4−F H H 2 3 2 65 4−F H H H 1 2 1 66 4−F H H H 1 3 1 67 4−F H H H 2 2 1 68 4−F H H H 2 3 1 69 4−F H H H 2 4 1 70 4−Cl 4−Cl H H 1 2 1 71 4−Cl 4−Cl H H 1 3 1 72 4−Cl 4−Cl H H 1 2 2 73 4−Cl 4−Cl H H 1 3 2 74 4−Cl 4−Cl H H 2 2 1 75 4−Cl 4−Cl H H 2 3 1 76 4−Cl 4−Cl H H 2 4 1 77 4−Cl 4−Cl H H 2 2 2 78 4−Cl 4−Cl H H 2 3 2 79 4−Cl H H H 1 2 1 80 4−Cl H H H 1 3 1 81 4−Cl H H H 2 2 1 82 4−Cl H H H 2 3 1 83 4−Cl H H H 2 4 1 84 4−CH3 4−CH3 H H 1 2 1 85 4−CH3 4−CH3 H H 1 3 1 86 4−CH3 4−CH3 H H 2 2 1 87 4−CH3 4−CH3 H H 2 3 1 88 2−CH3 4−CH3 H H 2 4 1 89 4−CH3 H H H 1 2 1 90 4−CH3 H H H 1 3 1 91 4−CH3 H H H 2 2 1 92 4−CH3 H H H 2 3 1 93 4−CH3 H H H 2 4 1 94 4−OCH3 4−OCH3 H H 1 2 1 95 4−OCH3 4−OCH3 H H 1 3 1 96 4−OCH3 4−OCH3 H H 2 2 1 97 4−OCH3 4−OCH3 H H 2 3 1 98 4−OCH3 4−OCH3 H H 2 4 1 99 4−OCH3 H H H 1 2 1 100 4−OCH3 H H H 1 3 1 101 4−OCH3 H H H 2 2 1 102 4−OCH3 H H H 2 3 1 103 4−OCH3 H H H 2 4 1 104 4−F 4−F 4−F 4−F 1 2 1 105 4−F 4−F 4−F 4−F 1 3 1 106 4−F 4−F 4−F 4−F 1 2 2 107 4−F 4−F 4−F 4−F 1 3 2 108 4−F 4−F 4−F 4−F 2 2 1 109 4−F 4−F 4−F 4−F 2 3 1 110 4−F 4−F 4−F 4−F 2 4 1 111 4−F 4−F 4−F 4−F 2 2 2 112 4−F 4−F 4−F 4−F 2 3 2 113 4−F 4−F 4−F 4−H 1 2 1 114 4−F 4−F 4−F H 1 3 1 115 4−F 4−F 4−F H 2 2 1 116 4−F 4−F 3−F H 2 3 1 117 4−F 4−F 4−Cl H 1 2 1 118 4−F 4−F 4−Cl H 2 2 1 119 4−F 4−F 4−CH3 H 1 2 1 120 4−F 4−F 4−CH3 H 2 2 1 121 4−F 4−F 4−Cl 4−Cl 1 2 1 122 4−F 4−F 4−Cl 4−Cl 2 2 1 123 4−F 4−F 4−Cl H 1 2 1 124 4−F 4−F 4−Cl H 2 2 1 125 4−F 4−F 4−OCH3 H 1 2 1 126 4−F 4−F 4−OCH3 4−OCH3 1 2 1 127 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 1 3 1 128 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 1 2 2 129 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 1 3 2 130 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 2 2 1 131 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 1 2 1 132 4−Cl H 4−F 4−F 1 2 1 133 4−Cl H 4−F 4−F 1 3 1 134 4−Cl H 4−F 4−F 2 2 1 135 4−Cl H 4−F 4−F 2 3 1 136 4−Cl H 4−F 4−F 2 4 1 137 2−F H 4−F 4−F 1 2 1 138 3−F H 4−F 4−F 2 2 1 139 4−CH3 H 4−F 4−F 1 2 1 140 4−CH3 H 4−F 4−F 2 2 1 141 4−OCH3 H 4−F 4−F 1 2 1 142 3−OCH3 H 4−F 4−F 2 2 1 143 4−F H 4−F H 1 2 1 144 4−F H 4−F H 2 2 1 145 4−CH3 H 4−F H 1 2 1 146 4−CH3 H 4−F H 2 2 1 147 4−Cl H 4−F H 1 2 1 148 4−Cl H 4−F H 2 2 1 149 4−F H 4−CH3 H 1 2 1 150 4−F H 4−CH3 H 2 2 1 151 4−CH3 H 4−CH3 H 1 2 1 152 4−CH3 H 4−CH3 H 2 2 1 153 4−Cl H 4−CH3 H 1 2 1 154 4−Cl H 4−CH3 H 2 2 1 155 2−OCH3 H 4−CH3 H 1 2 1 156 3−OCH3 H 4−CH3 H 2 2 1 157 H H H H 0 2 1 158 H H H H 0 3 1 159 H H H H 0 4 1 160 4−F 4−F H H 0 2 1 161 4−F 4−F H H 0 3 1 162 4−F 4−F 4−F 4−F 0 2 1 163 4−F 4−F 4−F 4−F 0 3 1 164 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 0 2 1 165 4−Cl 4−Cl 4−F 4−F 0 3 1 166 4−Cl H 4−F 4−F 0 2 1 167 4−Cl H 4−F 4−F 0 3 1 168 4−CH3 H 4−F 4−F 0 2 1 169 2−CH3 H 4−F 4−F 0 3 1 170 4−Cl H H H 0 2 1 171 4−Cl H H H 0 3 1 172 4−CH3 H H H 0 2 1 173 4−CH3 H H H 0 3 1 174 4−F H H H 0 2 1 175 4−F H H H 0 3 1 176 4−F 4−F 4−Cl H 0 2 1 177 4−F 4−F 4−Cl H 0 3 1 178 4−F 4−F 4−CH3 H 0 2 1 179 4−F 4−F 2−CH3 H 0 3 1 180 4−F 4−F 3−OCH3 H 0 2 1 181 4−F 4−F 4−OCH3 H 0 3 1 182 4−F 4−F 4−F H 0 2 1 183 4−F 4−F 4−F H 0 3 1 184 4−Cl 4−Cl 4−F H 0 2 1 185 4−Cl 4−Cl 4−CH3 H 0 2 1 186 4−Cl 4−Cl 4−Cl H 0 2 1 187 H H 4−F 4−F 0 2 1 ──────────────────────────────────── 本発明の前記一般式(I)を有するジフェニルメチルピ
ペラジン誘導体は、以下の方法に従って製造される。
【0016】
【化4】
【0017】[式中、R1 、R2 、R3 、R4 、m、n
およびpは前述したものと同意義を示す。] 即ち、本発明の前記一般式(I)を有するジフェニルメ
チルピペラジン誘導体は、前記一般式(II)を有する
カルボン酸誘導体またはその反応性誘導体と前記一般式
(III)を有するアミン誘導体とを反応させることに
よって得られる。
【0018】前記一般式(II)を有するカルボン酸と
前記一般式(III)を有するアミン誘導体との反応
は、塩基の存在下または不存在下で、好適には溶剤中、
縮合剤の存在下で行われる。
【0019】本反応に使用される縮合剤としては、カル
ボン酸とアミンからアミド結合を製造するものであれば
特に限定はなく、好適には、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC・HC
l)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)、カルボニル
ジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド(DPP
A)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−ジシクロヘ
キシルカルボジイミドまたはジエチルアゾジカルボキシ
レート−トリフェニルホスフィンなどを挙げることがで
きる。更に好適には、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩またはシアノ
リン酸ジエチルである。
【0020】反応は、塩基の存在下または不存在下で行
われる。反応を塩基の存在下で行う場合、使用される塩
基としては反応に関与しなければ特に限定はなく、好適
には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、4−ジ
メチルアミノピリジンのような有機アミンであり、特に
好適には、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリ
ンである。
【0021】使用される溶剤としては、反応に関与しな
ければ特に限定はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化
水素類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンの
ようなエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピルのような
有機酸エステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのような
アミド類;またはアセトニトリルのようなニトリル類;
を挙げることができる。好適にはエーテル類(特にテト
ラヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素類(特にジクロ
ロメタン)、アミド類(特にジメチルホルムアミド)、
有機酸エステル類(特に酢酸エチル)である。
【0022】反応温度は通常、−10℃乃至50℃(好
適には、0℃乃至30℃)である。反応に要する時間
は、反応温度等によって異なるが、通常、30分間乃至
24時間(好適には、1時間乃至15時間)である。
【0023】次に、前記一般式(II)を有するカルボ
ン酸の反応性誘導体と前記一般式(III)を有するア
ミン誘導体とを反応させて、前記一般式(I)を有する
ジフェニルメチルピペラジン誘導体を製造する反応は、
前記一般式(II)を有するカルボン酸を反応性誘導体
とした後に、前記一般式(III)を有するアミン誘導
体と反応させることによって製造される。
【0024】前記一般式(II)を有するカルボン酸の
反応性誘導体としては、例えば、酸クロリド、酸ブロミ
ドのような酸ハライド;モノメチルぎ酸エステル、モノ
エチルぎ酸エステル、モノイソブチルぎ酸エステルのよ
うなモノ−C1 〜C4 アルキルぎ酸エステル、またはモ
ノフェニルぎ酸エステルのようなモノアリールぎ酸エス
テルとの混合酸無水物;を挙げることができる。好適に
は酸ハライドである。そして、酸ハライドのようなカル
ボン酸の反応性誘導体は、常法、例えば前記一般式(I
I)を有するカルボン酸を不活性溶剤中(例えばジクロ
ロメタン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン
等)、必要に応じて塩基の存在下(例えばピリジン、ト
リエチルアミン、ジメチルアニリン等)、相当するハロ
ゲン化剤(例えば塩化チオニル、臭化チオニル等)と1
0℃乃至100℃、10分間乃至20時間反応させるこ
とによって得られる。
【0025】また、ぎ酸エステルとの混合酸無水物は、
前記一般式(II)を有するカルボン酸を不活性溶剤中
(例えばジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、テトラ
ヒドロフラン等)、必要に応じて塩基の存在下(例えば
ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン等)、
クロロぎ酸エステル(クロロぎ酸メチル、クロロぎ酸エ
チル、クロロぎ酸イソブチル、クロロぎ酸フェニル等)
と0℃乃至50℃で1分間乃至2時間反応させることに
よって得られる。
【0026】前記一般式(II)を有するカルボン酸の
反応性誘導体と前記一般式(III)を有するアミン誘
導体との反応は、塩基の存在下または不存在下で行われ
る。反応を塩基の存在下で行う場合、使用される塩基と
しては反応に関与しなければ特に限定はなく、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチ
ルアニリン、N−メチルモルホリン、4−ジメチルアミ
ノピリジンのような有機アミンであり、好適にはトリエ
チルアミン、N−メチルモルホリンである。使用される
溶剤としては、反応に関与しなければ特に限定はなく、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムのよう
なハロゲン化炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸エチル、
酢酸プロピルのような有機酸エステル類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ま
たはアセトニトリルのようなニトリル類;を挙げること
ができる。好適にはエーテル類、ハロゲン化炭化水素
類、有機酸エステル類である。
【0027】反応温度は、通常、−10℃乃至50℃
(好適には、0℃乃至30℃)である。反応に要する時
間は、反応温度によって異なるが通常、1分間乃至24
時間(好適には、10分間乃至10時間)である。
【0028】原料化合物である前記一般式(II)を有
するカルボン酸誘導体またはその反応性誘導体および前
記一般式(III)を有するアミン誘導体は、公知[J.
Med. Chem., 32, 583 (1989) ; Chem.Pharm. Bull., 3
7, 100 (1989) ; J. Med.Chem., 32, 1820 (1989)]
であるか、公知の方法若しくはそれらに類似した方法に
従って製造される。
【0029】前記一般式(I)を有するジフェニルメチ
ルピペラジン誘導体は、必要に応じて薬理上許容し得る
塩にすることができる。そのような塩としては、例えば
フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸
塩のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩;過塩素酸塩;
燐酸塩;炭酸塩;等の無機酸塩:メタンスルホン酸塩、
トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩
のような低級アルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスル
ホン酸塩;フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒
石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩のような有機カルボン酸
塩;等の有機酸塩:およびグルタミン酸塩、アスパラギ
ン酸塩のようなアミノ酸塩;等の有機酸の酸付加塩:を
挙げることができる。
【0030】なお、前記一般式(I)を有するジフェニ
ルメチルピペラジン誘導体において、二重結合に基くシ
スおよびトランス体等の異性体あるいは不斉炭素原子に
基く光学異性体が存在する場合があるが、本発明はかか
る異性体のひとつおよびその混合物をも包含するもので
ある。
【0031】更に、前記一般式(I)を有するジフェニ
ルメチルピペラジン誘導体が、溶剤和物(例えば水和
物)を形成する場合には、これらもすべて含むものであ
る。
【0032】
【作用】本発明の化合物は、LDL受容体遺伝子の発現
を直接亢進させ、血中のLDLを特異的に低下させる結
果、脂質代謝障害による高コレステロ−ル血症などの高
脂血症の治療剤及びアテローム性動脈硬化症の予防剤と
して有効である。
【0033】本発明の前記一般式(I)を有するジフェ
ニルメチルピペラジン誘導体またはその薬理上許容され
る塩の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆
粒剤、散剤もしくはシロップ剤等による経口投与または
注射剤等による非経口投与を挙げることができる。これ
らの製剤は、賦形剤(例えば乳糖、マンニット、トウモ
ロコシデンプン、結晶セルロース等)、結合剤(例えば
セルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン等)、崩壊
剤(例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム
等)、滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸マグネシウ
ム等)、安定剤、矯味矯臭剤、注射剤用溶剤(例えば
水、エタノール、グリセリン等)等の添加剤を用いて周
知の方法で製造される。その使用量は症状、年齢等によ
り異なるが、1日1mg〜1000mg(好適には、1
0mg〜200mg)を成人に対して、1日1回または
数回に分けて投与することができる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例および試験例をあげて本発明
を更に具体的に説明する。
【0035】実施例1N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]エチル]−5,5−ジフェニル−
2,4−ペンタジエン酸アミド(例示化合物番号 1
0) (a)テトラヒドロフラン15ml中に5,5−ジフェ
ニル−2,4−ペンタジエン酸 0.500g, 4−ビ
ス(4−フルオロフェニル)メチル−1−(2−アミノ
エチル)ピペラジン 0.662g, シアノリン酸ジエ
チル 0.330gおよびトリエチルアミン 0.20
0gを氷冷却下で加え1時間攪拌後、室温で16時間攪
拌した。反応混合物を氷水中にあけ酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を硫酸マグネシウムで脱水後、抽出液より溶
剤を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、エタノール−酢酸エチル(1:
20)で溶出して目的化合物を結晶として 0.530
g(収率48%)得た。 1)融点:145−149℃ 2)NMRスペクトル δ ppm (CDCl3):2.23-2.60(10
H,m), 3.38(2H,br q,J=5.9Hz), 4.22(1H,s),5.96-6.12
(1H,br), 6.04(1H,d,J=15.2Hz), 6.76(1H,d,J=11.2Hz),
6.89-7.04(4H,m), 7.15-7.45(15H,m) 3)IRスペクトル νmax cm-1(CHCl3) :3425, 300
0, 2840, 1660, 1610, 1508, 1152。
【0036】上記で得た目的化合物を酢酸エチルに溶解
し、等モルの4N−塩酸−酢酸エチルを加え、目的化合
物の塩酸塩を得た。 1)融点:220−222℃(分解)。 (b)ジクロロメタン 30ml中に5,5−ジフェニ
ル−2,4−ペンタジエン酸 3.00g、4−ビス
(4−フルオロフェニル)メチル−1−(2−アミノエ
チル)ピペラジン 4.370gおよび1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩
酸塩(WSC・HCl) 2.760gを加え3時間攪
拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。
抽出液を硫酸マグネシウムで脱水後、抽出液より溶剤を
留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、メタノール−ジクロロメタン(1:
20)で溶出して目的化合物を結晶として 5.820
g(収率76%)得た。
【0037】1)融点:145−149℃。
【0038】実施例2N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]エチル]−7,7−ジフェニル−
2,4,6−ヘプタトリエン酸アミド(例示化合物番号
14) 7,7−ジフェニル−2,4,6−ヘプタトリエン酸
500mgと4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−(2−アミノエチル)ピペラジン600mgを用
いて実施例1(a)と同様に処理して目的化合物を結晶
として600mg(収率62%)得た。 1)融点:145−148℃ 2)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.28-2.56(10
H, m), 3.39(2H, br q, J=5.3Hz), 4.22(1H, s),5.86(1
H, d, J=15.2Hz), 6.01(1H, br t, J=4.6Hz),6.45(1H,
dd, J=14.5Hz, J=10.6Hz), 6.63(1H, dd, J=14.5Hz, J=
11.2Hz),6.78(1H, d, J=11.2Hz), 6.90-7.03(4H, m),
7.11-7.47(15H, m) 3)IRスペクトル νmax cm-1(CHCl3) :3440, 302
5, 2840, 1660, 1610, 1510, 1155。
【0039】上記で得た目的化合物を酢酸エチルに溶解
し、過剰の4N−塩酸−酢酸エチルを加え濃縮後、イソ
プロピルエ−テルを加え結晶化させて、目的化合物の塩
酸塩を得た。 1)融点:159−162℃。
【0040】実施例3N−[2−[4−ビス(フルオロフェニル)メチル−1
−ピペラジニル]エチル]−3,3−ジフェニル−プロ
ペン酸アミド(例示化合物番号 187) 3,3−ジフェニルプロペン酸 500mgと4−ビス
(4−フルオロフェニル)メチル−1−(2−アミノエ
チル)ピペラジン 640mgを用いて、実施例1
(a)と同様に処理して目的化合物を泡状物として 6
90mg(収率63%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.13-2.46(10
H, m), 3.23(2H, br.q, J=5.4Hz), 4.20(1H, s),5.68-
5.95(1H, br.), 6.28(1H, s), 6.90-7.08(8H, m), 7.14
-7.43(8H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1(CHCl3) :3020, 298
0, 2820, 1650, 1620, 1530, 1300, 1150。
【0041】上記で得た目的化合物を実施例2後段と同
様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:152−155℃(分解)。
【0042】実施例4N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]エチル]−3,3−ビス(4−フ
ルオロフェニル)プロペン酸アミド(例示化合物番号
162) 3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロペン酸 5
00mgと4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−
1−(2−アミノエチル)ピペラジン 739mgを用
いて、実施例1(a)と同様に処理して目的化合物を泡
状物として500mg(収率39%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.09-2.42(10
H, m), 3.19(2H, br q, J=5.4Hz), 4.18(1H, s),5.66-
5.77(1H, br), 6.37(1H, s), 6.89-7.04(4H, m), 7.18-
7.40(14H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3425, 300
0, 2825, 1675, 1605, 1505, 1440, 1150。
【0043】上記で得た目的化合物を実施例2後段と同
様に処理して目的化合物物の塩酸塩を得た。 1)融点:149−151℃(分解)。
【0044】実施例5N−[2−(4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニ
ル)エチル]−5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジ
エン酸アミド(例示化合物番号 1) 5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸 500
mgと4−ジフェニルメチル−1−(2−アミノエチ
ル)ピペラジン 650mgを用いて実施例1(b)と
同様に処理して目的化合物を泡状物として 870mg
(収率83%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.20-2.65(10
H, m), 3.37(2H, br q, J=5.6Hz), 4.21(1H, s),6.04(1
H, d, J=15.0Hz), 6.08(1H, br t, J=4.5Hz),6.76(1H,
d, J=11.5Hz), 7.14-7.48(21H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3420, 300
0, 2820, 1655, 1610, 1500, 1450, 1152。
【0045】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:140−144℃。
【0046】実施例6N−[2−(4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニ
ル)エチル]−7,7−ジフェニル−2,4,6−ヘプ
タトリエン酸アミド(例示化合物番号 5) 7,7−ジフェニル−2,4,6−ヘプタトリエン酸
276mgと4−ジフェニルメチル−1−(2−アミノ
エチル)ピペラジン 325mgを用いて、実施例1
(b)と同様に処理して目的化合物を泡状物として 3
80mg(収率69%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.22-2.64(10
H, m), 3.41(2H, br q, J=5.5Hz), 4.23(1H, s),5.87(1
H, d, J=14.6Hz), 6.04(1H, br t, J=4.4Hz),6.46(1H,
dd, J=14.6Hz, J=11.2Hz), 6.62(1H, dd, J=14.6Hz, J=
11.2Hz),6.78(1H, d, J=11.2Hz), 7.30-7.50(21H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3400, 300
0, 2810, 1650, 1615, 1600, 1495, 1450, 1245, 115
0。
【0047】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:125−132℃(分解)。
【0048】実施例7N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]エチル]−5,5−ビス(4−ク
ロロフェニル)−2,4−ペンタジエン酸アミ ド(例示
化合物番号 131) 5,5−ビス(4−クロロフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸 200mgと4−ビス(4−フルオロフェニ
ル)メチル−1−(2−アミノエチル)ピペラジン 2
28mgを用いて、実施例1(b)と同様に処理して目
的化合物を泡状物として 200mg(収率73%)得
た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.27-2.57(10
H, m), 3.33-3.45(2H, m), 4.23(1H, s),6.01-6.18(1H,
br), 6.06(1H, d, J=15.2Hz), 6.73(1H, d, J=11.2H
z),6.90-7.03(4H, m), 7.08-7.44(17H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3400, 300
0, 2950, 2820, 1655, 1603, 1505, 1152。
【0049】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:142−145℃。
【0050】実施例8N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]エチル]−5−(4−クロロフェ
ニル)−5−フェニル−2,4−ペンタジエン酸アミド
(例示化合物番号 132) 5−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−2,4−
ペンタジエン酸200mgと4−ビス(4−フルオロフ
ェニル)メチル−1−(2−アミノエチル)ピペラジン
256mgを用いて、実施例1(b)と同様に処理し
て目的化合物を泡状物として 260mg(定量的収
率)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.24-2.60(10
H, m), 3.69-3.46(2H, m), 4.22(1H, s),5.96-6.13(1H,
br), 6.04(1H, d, J=14.5Hz),6.74(2H, dd, J=14.5Hz,
J=11.2Hz), 6.92-7.03(4H, m),7.08-7.45(18H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3400, 300
0, 2820, 1655, 1605, 1505, 1155。
【0051】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:149−152℃。
【0052】実施例9N−[2−(4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニ
ル)エチル]−5,5−ビス(4−クロロフェニル)−
2,4−ペンタジエン酸アミド(例示化合物番号70) 5,5−ビス(4−クロロフェニル)−2,4−ペンタ
ジエン酸 200mgと4−ジフェニルメチル−1−
(2−アミノエチル)ピペラジン 203mgを用い
て、実施例1(b)と同様に処理して目的化合物を結晶
として 330mg(収率88%)得た。 1)融点:184−189℃ 2)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.30-2.57(10
H, m), 3.38(2H, br q, J=5.9Hz), 4.24(1H, s),6.05-
6.19(1H, br), 6.06(1H, d, J=14.5Hz), 6.73(1H, d, J
=11.2Hz),7.06-7.47(19H, m) 3)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3400, 300
0, 2950, 2820, 1655, 1610, 1590, 1490, 1450, 1150,
1090。
【0053】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的化合物の塩酸塩を得た。 1)融点:135−138℃。
【0054】実施例10N−[2−(4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニ
ル)エチル]−5−(4−クロロフェニル)−5−フェ
ニル−2,4−ペンタジエン酸アミド(例示化合物番号
79) 5−(4−クロロフェニル)−5−フェニル−2,4−
ペンタジエン酸200mgと4−ジフェニルメチル−1
−(2−アミノエチル)ピペラジン228mgを用い
て、実施例1(b)と同様に処理して目的化合物を泡状
物として 370mg(収率94%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):2.27-2.61(10
H, m), 3.31-3.46(2H, m), 4.23(1H, s),6.05(1H, d, J
=15.2Hz), 6.05-6.18(1H, br),6.75(1H, dd, J=14.5Hz,
J=11.2Hz), 6.75(1H, dd, J=14.5Hz, J=11.2Hz),7.09-
7.46(20H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3420, 330
0, 2950, 2820, 1655, 1610, 1490, 1450, 1152。
【0055】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的物の塩酸塩を得た。 1)融点:123−125℃。
【0056】実施例11N−[3−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]プロピル]−5,5−ジフェニル
−2,4−ペンタジエン酸アミド(例示化合物番号 1
1) 5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン酸アミド
200mgと4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−(3−アミノプロピル)ピペラジン304mgを
用いて、実施例1(b)と同様に処理して目的化合物を
泡状物として 410mg(収率89%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):1.54-1.74(2
H, m), 2.26-2.57(10H, m), 3.38(2H, br q, J=5.9Hz),
4.22(1H. s), 5.79(1H, d, J=14.5Hz), 6.75(1H, d, J=
11.2Hz),6.91-7.01(4H, m), 7.01-7.12(1H, br), 7.11-
7.43(15H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3450, 327
5, 3000, 2950, 2820, 1660, 1605, 1505, 1442, 115
2。
【0057】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的物の塩酸塩を得た。 1)融点:239−241℃。
【0058】実施例12N−[3−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−ピペラジニル]プロピル]−7,7−ジフェニル
−2,4,6−ヘプタトリエン酸アミド(例示化合物番
号 15) 7,7−ジフェニル−2,4,6−ヘプタトリエン酸
243mgと4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−1−(3−アミノプロピル)ピペラジン304mgを
用いて、実施例1(b)と同様に処理して目的物を泡状
物として470mg(収率98%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):1.55-1.74(2
H, m), 2.30-2.56(8H, m), 3.39(2H, br q, J=5.9Hz),
4.25(1H, s), 5.78(1H, d, J=15.2Hz),6.45(1H, dd, J=
14.5Hz, J=11.2Hz), 6.63(1H, dd, J=14.5Hz, J=11.2H
z),6.83(1H, d, J=11.2Hz), 6.42-7.04(4H, m), 7.07-
7.45(16H, m) 2)IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):3450, 325
0, 3000, 2950, 2800, 1650, 1600, 1500, 1440, 115
0。
【0059】上記で得た目的化合物を実施例1(a)後
段と同様に処理して目的物の塩酸塩を得た。 1)融点:145−150℃。
【0060】実施例13N−[2−[4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル
−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−1,
4−ジアゼピン−1−イル]エチル]−5,5−ジフェ
ニル−2,4−ペンタジエン酸アミド(例示化合物番号
12) 5,5−ジフェニル−2,4−ペンタン酸 186mg
と4−ビス(4−フルオロフェニル)メチル−1−(2
−アミノエチル)ホモピペラジン 270mgを用いて
実施例1(b)と同様に処理して、目的化合物を泡状物
として 390mg(収率91%)得た。 1)NMRスペクトル δ ppm(CDCl3):1.67-1.82(2
H, m), 2.52-2.74(8H, m), 2.80(2H, t, J=5.3Hz),3.37
(2H, br q, J=5.3Hz), 4.58(1H, s), 6.06(1H, d, J=1
4.5Hz),6.14-6.40(1H, br), 6.77(1H, d, J=11.2Hz),
6.89-7.03(4H, m),7.14-7.46(15H, m) 。
【0061】試験例1 LDL受容体遺伝子増強活性
(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼを
用いたアッセイ法) LDL受容体遺伝子の発現量の定量は、基本的にはSudh
off 等の方法(Cell、48, 1061-1069 (1987) )を用い
た。すなわち、LDLレセプター遺伝子のプロモーター
領域に存在する、SRE(Sterol Responsive Element)
と呼ばれるDNA領域をDNA合成機(アプライドバイ
オシステムズ社製)を用いて、化学的に合成し、細菌の
クロラムフェニコール耐性遺伝子を持つプラスミドへと
挿入した。次に、作成した組み換えプラスミドをチャイ
ニーズ・ハムスター卵巣細胞へ遺伝子導入装置((株)
島津製作所製)を用いて導入した。この細胞のLDL受
容体遺伝子のレベルはクロラムフェニコール アセチル
トランスフェラーゼ(CAT)の活性を測ることで定量
できる。この方法は、一般にレポーターアッセイ法と呼
ばれる方法であり、ゴーマンらによって報告された(Mo
lecular and Cellular Biology、2 、1044-1051 (198
2) )。LDL受容体遺伝子とCAT遺伝子を染色体上
に有する細胞の抽出液の調製法とクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼの測定法は、上記のゴー
マンらの方法に従った。また、この細胞の培養は、以下
のように行った。即ち、4穴プレートに適当な数の細胞
を植え込み、24時間後に培養液(90% α−MEM
(Minimum Essential Medium)+10%牛胎児血清(FC
S))を除き、適当な量のサンプルを添加した培養液
(95%α−MEM +5 % FCS )でさらに24時間培養し
た。細胞培養は、37℃に保温した5%炭酸ガスインキ
ュベーター中で行った。被検化合物を培養液に添加し、
24時間後に細胞抽出液を調製して、クロラムフェニコ
ール アセチルトランスフェラーゼの活性を測定した結
果、サンプル無添加のコントロールと比較してクロラム
フェニコール アセチルトランスフェラーゼ(CAT)
の活性の上昇が見られた。従って、LDLの受容体遺伝
子の発現を上昇させている事が示された。実施例2の化
合物は特に優れたLDL受容体遺伝子増強活性を示し、
0.3μg/mlの濃度で培養液に添加すると、無添加
のコントロールに比べて約2倍のCAT活性の上昇が見
られた。
【0062】試験例2 LDL受容体遺伝子増強活性
(ルシフェラーゼ・アッセイ) ルシフェラーゼ・アッセイ法は、上記の試験例1で述べ
たレポーターアッセイ法の一種であり、クロラムフェニ
コール アセチルトランスフェラーゼ遺伝子のかわり
に、蛍由来のルシフェラーゼ遺伝子を用いる方法である
(J. R. de WetらMolecular and Cellular Biology、
7、 725-737 (1987))。上記の試験例1で述べた化学合
成したLDL受容体遺伝子のプロモーター領域に、蛍ル
シフェラーゼ遺伝子を結合したプラスミドを作成して、
チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)へ同様な
方法で導入した。この細胞のLDL受容体遺伝子のレベ
ルはルシフェラーゼの活性を測ることで定量できる。
【0063】ルシフェラーゼ酵素のアッセイ用試薬とし
ては、ピッカジーン ルシフェラーゼアッセイシステム
(東洋インキ(株)社製)を使用した。ケミルミネッセ
ンス測定装置(ルミノメーター)としては、ラボシステ
ムズ社のルミノスキャンを用いた。細胞の培養と破砕法
は、以下の方法で行った。即ち、LDL受容体遺伝子プ
ロモーターとルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだCHO
細胞を12穴プレートに適当量植え込み、約24時間後
に培養液(90 % α−MEM +10 % FCS)を除き、被検化
合物を添加した培養液(95 % α−MEM +5 % FCS )と
交換した。さらに、24時間培養後、培養液を除き、緩
衝液(137 mM NaCl, 2.7 mM KCl, 4.3mM Na2HPO4, 1.4
mM KH2PO4 )で細胞を2回洗い、90μl の細胞溶解液
(25mM Tris-phosphate, pH 7.8 、2 mM DTT、 2 mM 1,2
-diaminocyclohexane-N,N,N',N'-tetraacetic acid、10
% Glycerol, 1 % Triton X-100 )を加えた後、低速遠
心機で遠心した上清を細胞粗抽出液として、ルシフェラ
ーゼアッセイに用いた。細胞抽出液の蛋白質濃度は、B
io−Rad社製のProteinAssay Kit
を用いて測定した。ルシフェラーゼアッセイ用96穴プ
レートに細胞粗抽出液20μl を入れ、プレートをルミ
ノスキャンにセットした後、発光基質液(20 mM Tricin
e、 33.3 mM DTT、1.07 mM (MgCO3)4 Mg(OH)2/5H2O、270
μM Coenzyme A、 2.67 mM MgSO4、 470μM luciferin、
0.1 mM EDTA、 530μM ATP )を100μl ずつ分注して
室温で反応を開始させた。反応開始後、5秒間の発光量
の積分値(単位:rlu)を読み取り、蛋白質量(単
位:mg)で割った値(rlu/mg)を計算した。そ
の結果、無添加のコントロールに比べて、本発明の化合
物はルシフェラーゼ活性を上昇させる活性があった。
【0064】実施例2の化合物は特に優れたLDL受容
体遺伝子増強活性を示し、0.3μg/mlの濃度で培
養液に添加すると、無添加のコントロールに比べて約3
倍のルシフェラーゼ活性の上昇が見られた。
【0065】試験例3 LDL受容体増強活性(放射性
ヨード標識 LDL BINDINGASSAY) LDL受容体遺伝子発現増強作用が、実際にLDL受容
体蛋白質の上昇につながるかどうかを確認するために、
LDL受容体にヨードで放射標識したLDL([125
I]- LDL)を結合させて、LDL受容体の上昇を直
接確認する実験を行った。ヒト新鮮血140mlより、
Goldstein らの方法(Method in Enzymology、 98、241-
260 (1983) )に従って、コレステロ−ルを除いたヒト
血清(LPDS)およびヒトLDLを調製した。LDL
のヨード標識と細胞への結合実験もGoldsteinらの方法
に従った。ヒト繊維芽細胞NHDFの培養は、適当量の
培養液(90 % E-MEM+ESSENTIAL AMINO ACIDS(GIBCO)+
L-GLUTAMINE(SIGMA)+SODIUMBICARBONATE (SIGMA)+PEN
ICILLIN /STREPTOMYCIN (SIGMA)+10 % FCS)を用いて
行った。24穴のプレートに適当な数の細胞を植え込
み、血清濃度を5%に落として、被検化合物を添加し
た。24時間後に、培地を除き、200μl の培養液
(90 % E-MEM+10 % LPDS )に[125 I]- LDL(10
μg/ml)を添加した。37℃で2時間放置後、1mlの
Buffer B (150 mM NaCl, 50 mM Tris, 2mg/mlBSA ( Bo
vine Serum Albumin ; 生化学工業 Fraction V) ) で
3回洗浄し、さらに Buffer A ( Buffer B without BSA
)で1回洗浄した。0.5mlの0.1M NaOHを
添加して細胞を溶解し、懸濁液をチューブに移してガン
マカウンターで放射性ヨードを測定した。上記の培養液
に、非標識LDL(500 μg/ml)を加えた場合のカウン
トを非特異的結合として最終的に差し引いた。細胞破砕
液の一部を蛋白質の定量に用いた。ガンマカウンターに
よって測定した放射活性より、取り込まれた[125 I]
−LDL量を計算し、細胞の蛋白質量で割って、ngL
DL/mg Proteinで活性を表した。その結
果、本発明の化合物は[125 I]−LDLのヒト繊維芽
細胞への結合と細胞内への取り込みをコントロールに比
べ上昇させた。
【0066】実施例2の化合物は特に優れたLDL受容
体遺伝子増強活性を示し、0.3μg/mlの濃度で培
養液に添加すると、無添加のコントロールに比べて約6
倍のLDL結合活性の上昇が見られた。
【0067】試験例4 コレステロ−ル低下作用 正常食を与えた雄性ゴールデンハムスター(体重130
g)を一群4匹用いた。1% tween 80 で懸濁した被検
化合物を1日1回7日間経口投与した。最終投与後17
時間絶食し、ハムスターをエーテル深麻酔し、心臓より
採血した。血液を30分間室温で放置後2000×gで
10分間4℃にて遠心分離し血清を得た。分離した血清
のコレステロ−ルを酵素的測定法にて測定した。
【0068】実施例2の化合物はコントロール群と比べ
て優れたコレステロール低下活性を示し、コントロール
群に比べて総コレステロールを25%低下させた。
【0069】
【発明の効果】本発明の新規化合物ジフェニルメチルピ
ペラジン誘導体またはその薬理上許容される塩は優れた
LDL受容体遺伝子発現増強作用を有し脂質代謝障害に
よる高コレステロ−ル血症などの高脂血症、アテロ−ム
性動脈硬化症の予防薬、治療薬として使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一もしくは異
    なって水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または
    低級アルコキシ基を示し、mは0乃至2を示し、nは2
    乃至4を示し、pは1乃至2を示す。]を有するジフェ
    ニルメチルピペラジン誘導体またはその薬理上許容され
    る塩。
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