JPH07267960A - ピロロ[3,2−eピラゾロ[1,5−aピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 - Google Patents
ピロロ[3,2−eピラゾロ[1,5−aピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤Info
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- JPH07267960A JPH07267960A JP7931994A JP7931994A JPH07267960A JP H07267960 A JPH07267960 A JP H07267960A JP 7931994 A JP7931994 A JP 7931994A JP 7931994 A JP7931994 A JP 7931994A JP H07267960 A JPH07267960 A JP H07267960A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた血管拡張作用、降圧作用、抗高脂血症
作用及び血小板凝集抑制作用を有する新規なピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1、5−a]ピリミジン誘導
体またはその塩、並びにこれを有効成分とする循環器系
疾患治療剤の提供。 【構成】 式(I): 【化1】 式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表す、で示さ
れる8−置換−3−シアノ−6,7−ジヒドロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
作用及び血小板凝集抑制作用を有する新規なピロロ
[3,2−e]ピラゾロ[1、5−a]ピリミジン誘導
体またはその塩、並びにこれを有効成分とする循環器系
疾患治療剤の提供。 【構成】 式(I): 【化1】 式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表す、で示さ
れる8−置換−3−シアノ−6,7−ジヒドロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン誘導体又はその薬理学的に許容される塩。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた血管拡張作用、降
圧作用、抗高脂血症作用及び血小板凝集抑制作用を有す
る新規なピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン誘導体又はその塩、並びにこれを有効成分と
する循環器系疾患治療剤に関する。
圧作用、抗高脂血症作用及び血小板凝集抑制作用を有す
る新規なピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]
ピリミジン誘導体又はその塩、並びにこれを有効成分と
する循環器系疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国の人口の老齢化に伴い、その死因
は循環器系疾患が増加し、悪性腫瘍と共に大きな割合を
占めていることは周知の事実である。循環器系疾患治療
薬として血管拡張により血圧を降下させ且つ血流の改善
作用を行うことは極めて有効な方法であり、また血小板
凝集作用を抑制することは動脈血栓の発生を防止する有
用な手段である。またCa++ブロッカ−作用を有する化
合物は抗不整脈作用を有する場合が多く、これらの疾患
は相互に関連がある。したがって、これらの循環器系疾
患に対し総合的に有効な薬剤の開発が望まれている。
は循環器系疾患が増加し、悪性腫瘍と共に大きな割合を
占めていることは周知の事実である。循環器系疾患治療
薬として血管拡張により血圧を降下させ且つ血流の改善
作用を行うことは極めて有効な方法であり、また血小板
凝集作用を抑制することは動脈血栓の発生を防止する有
用な手段である。またCa++ブロッカ−作用を有する化
合物は抗不整脈作用を有する場合が多く、これらの疾患
は相互に関連がある。したがって、これらの循環器系疾
患に対し総合的に有効な薬剤の開発が望まれている。
【0003】かかる観点に立脚し、本発明者らは先に下
記一般式(A):
記一般式(A):
【0004】
【化2】
【0005】で表わされるピロロ[3,2−e]ピラゾ
ロ[1,5−a]ピリミジン誘導体が優れた循環器系疾
患に対する治療効果を有することを見出し、特許出願し
た(特開平2−275882号公報)。しかしながら、
この化合物(A)はin vitroでは優れた効果を
示すが、in vivoにおいてはピロリン環部分が容
易に酸化的代謝を受け不活性化が起こってしまい、効果
が持続しないという欠点を有していた。
ロ[1,5−a]ピリミジン誘導体が優れた循環器系疾
患に対する治療効果を有することを見出し、特許出願し
た(特開平2−275882号公報)。しかしながら、
この化合物(A)はin vitroでは優れた効果を
示すが、in vivoにおいてはピロリン環部分が容
易に酸化的代謝を受け不活性化が起こってしまい、効果
が持続しないという欠点を有していた。
【0006】続いて本発明者らは、下記一般式(B):
【0007】
【化3】
【0008】で表される化合物が生体内で不活性化し難
く、薬効の持続が良好であることを見出し、上記式
(A)の化合物の欠点を克服する薬剤となることを期待
して特許出願した(特開平5−255377号公報)。
く、薬効の持続が良好であることを見出し、上記式
(A)の化合物の欠点を克服する薬剤となることを期待
して特許出願した(特開平5−255377号公報)。
【0009】ところが、上記式(B)の化合物は、ピロ
リン環部分への酸化的代謝を避けるべくアルキル基等の
置換基を導入しているために種々の立体異性体が存在す
る。このため、式(B)の化合物を医薬品として製品化
する場合にはこれらの立体異性体を分離する必要があ
り、製造コストが高くなってしまうという問題があっ
た。
リン環部分への酸化的代謝を避けるべくアルキル基等の
置換基を導入しているために種々の立体異性体が存在す
る。このため、式(B)の化合物を医薬品として製品化
する場合にはこれらの立体異性体を分離する必要があ
り、製造コストが高くなってしまうという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、循環器
系に対する優れた薬理活性を有する化合物が見出されな
がら、生体内での不活性化や製造コストが問題となり、
未だ、優れた循環器系疾患治療剤として現実に製品化し
得る化合物が得られていないのが実情である。
系に対する優れた薬理活性を有する化合物が見出されな
がら、生体内での不活性化や製造コストが問題となり、
未だ、優れた循環器系疾患治療剤として現実に製品化し
得る化合物が得られていないのが実情である。
【0011】
【課題を解決する為の手段】かかる実情に鑑み鋭意検討
を行った結果、本発明者らは、後記式(I)で表わされ
る化合物が循環器系に対する極めて優れた薬理活性を有
することを見出し、その薬効の持続性が良好であるばか
りでなく、その比較的簡単な構造のため製造工程で立体
異性体を生じないため製造コストを低く抑えることが可
能であることを確認して本発明を完成した。
を行った結果、本発明者らは、後記式(I)で表わされ
る化合物が循環器系に対する極めて優れた薬理活性を有
することを見出し、その薬効の持続性が良好であるばか
りでなく、その比較的簡単な構造のため製造工程で立体
異性体を生じないため製造コストを低く抑えることが可
能であることを確認して本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は次の式(I)
【0013】
【化4】
【0014】式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を
表す、で示される8−置換−3−シアノ−6,7−ジヒ
ドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩、
およびこれらの化合物を有効成分とする循環器系疾患治
療剤を提供するものである。
表す、で示される8−置換−3−シアノ−6,7−ジヒ
ドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−
a]ピリミジン誘導体又はその薬学的に許容される塩、
およびこれらの化合物を有効成分とする循環器系疾患治
療剤を提供するものである。
【0015】本発明が提供する化合物は、薬効の持続化
及び製造コストの面で前記式(A)並びに(B)で表さ
れる化合物の各問題点を克服し得るものであり、優れた
循環器系疾患治療剤として現実の製品化が期待されるも
のである。
及び製造コストの面で前記式(A)並びに(B)で表さ
れる化合物の各問題点を克服し得るものであり、優れた
循環器系疾患治療剤として現実の製品化が期待されるも
のである。
【0016】以下に本発明の化合物について詳細に説明
するが、本明細書中において、「低級」なる語はこの語
が付された基または化合物の炭素原子数が1〜7個、好
ましくは1〜4個であることを意味する。
するが、本明細書中において、「低級」なる語はこの語
が付された基または化合物の炭素原子数が1〜7個、好
ましくは1〜4個であることを意味する。
【0017】また、「低級アルキル基」は直鎖状または
分岐鎖状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチ
ル、イソヘプチル等が挙げられるが、好ましくはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルで
あり、特に好ましくはtert−ブチルである。
分岐鎖状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチ
ル、イソヘプチル等が挙げられるが、好ましくはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルで
あり、特に好ましくはtert−ブチルである。
【0018】さらに、「ハロゲン原子」とは、塩素、フ
ッ素、臭素、ヨウ素等である。
ッ素、臭素、ヨウ素等である。
【0019】本発明化合物(I)は、例えば模式的に示
した下記反応式の各工程に従い製造することができる。
した下記反応式の各工程に従い製造することができる。
【0020】
【化5】
【0021】(式中、R’はヒドロキシ基の保護基を表
し、Xはハロゲン原子を表し、Rは前記定義と同様の意
味を表す。)
し、Xはハロゲン原子を表し、Rは前記定義と同様の意
味を表す。)
【0022】すなわち、工程(a)は、エチルブロモヒ
ドリン(II)のヒドロキシ基を保護して式(III)
で示される化合物を得る工程である。ここで、ヒドロキ
シ基の保護基としては、例えばアセチル、ベンゾイル等
の脂肪族あるいは芳香族アシル基;ベンジル、トリフェ
ニルメチル等のアラルキル基;ベンジルオキシカルボニ
ル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メトキ
シベンジルオキシカルボニル等の置換若しくは非置換ベ
ンジルオキシカルボニル基;tert−ブチルジメチル
シリル、tert−ブチルジフェニルシリル、フェニル
イソプロピルジメチルシリル等の置換シリル基;テトラ
ヒドロピラニル基等を例示することができるが、好まし
くは、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチ
ルシリル基又はテトラヒドロピラニル基が用いられる。
ドリン(II)のヒドロキシ基を保護して式(III)
で示される化合物を得る工程である。ここで、ヒドロキ
シ基の保護基としては、例えばアセチル、ベンゾイル等
の脂肪族あるいは芳香族アシル基;ベンジル、トリフェ
ニルメチル等のアラルキル基;ベンジルオキシカルボニ
ル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メトキ
シベンジルオキシカルボニル等の置換若しくは非置換ベ
ンジルオキシカルボニル基;tert−ブチルジメチル
シリル、tert−ブチルジフェニルシリル、フェニル
イソプロピルジメチルシリル等の置換シリル基;テトラ
ヒドロピラニル基等を例示することができるが、好まし
くは、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチ
ルシリル基又はテトラヒドロピラニル基が用いられる。
【0023】反応は、それ自体不活性な溶媒、例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘ
キサン、ジクロルメタン、クロロホルム、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t
ert−ブタノール等の適当な溶媒中で、好ましくは例
えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−
ジイソプロピル−N−エチルアミン、ピリジン、イミダ
ゾール、ピコリン、ルチジン、N,N−ジメチルピリジ
ン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の
有機塩基の存在下、上記で保護基として例示した基がハ
ロゲン化された化合物、例えばトリフェニルメチルクロ
リド、tert−ブチルジメチルシリルクロリドと式
(II)の化合物とを約0〜約60℃程度の温度で数分
〜約2時間攪拌することによって行うことができる。ま
た、トシル酸、トシル酸ピリジンもしくは酸性基を有す
るイオン交換樹脂の存在下にジヒドロピランと式(I
I)の化合物とを約0〜約60℃程度の温度で数分〜約
2時間攪拌することによっても行うことができる。
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘ
キサン、ジクロルメタン、クロロホルム、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t
ert−ブタノール等の適当な溶媒中で、好ましくは例
えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−
ジイソプロピル−N−エチルアミン、ピリジン、イミダ
ゾール、ピコリン、ルチジン、N,N−ジメチルピリジ
ン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の
有機塩基の存在下、上記で保護基として例示した基がハ
ロゲン化された化合物、例えばトリフェニルメチルクロ
リド、tert−ブチルジメチルシリルクロリドと式
(II)の化合物とを約0〜約60℃程度の温度で数分
〜約2時間攪拌することによって行うことができる。ま
た、トシル酸、トシル酸ピリジンもしくは酸性基を有す
るイオン交換樹脂の存在下にジヒドロピランと式(I
I)の化合物とを約0〜約60℃程度の温度で数分〜約
2時間攪拌することによっても行うことができる。
【0024】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガ
ス、アルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
ス、アルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
【0025】上記の反応により式(III)の化合物が
得られ、反応液はそのまま次の工程で用いることができ
るが、必要に応じて、反応液を通常行われる精製手段、
例えばろ過、デカンテーション、抽出、洗浄、溶媒留
去、カラム又は薄層クロマトグラフィー、再結晶、蒸
留、昇華等に付すことにより、式(III)の化合物を
単離精製することもできる。
得られ、反応液はそのまま次の工程で用いることができ
るが、必要に応じて、反応液を通常行われる精製手段、
例えばろ過、デカンテーション、抽出、洗浄、溶媒留
去、カラム又は薄層クロマトグラフィー、再結晶、蒸
留、昇華等に付すことにより、式(III)の化合物を
単離精製することもできる。
【0026】工程(b)は、上記工程で得られる式(I
II)の化合物に例えばマロン酸ジエチル等のマロン酸
ジ低級アルキルエステルを反応させて式(IV)で示さ
れる化合物に変換する工程である。反応は前記で例示し
た中から選択される溶媒中で、前記した有機塩基または
無機塩基、例えばナトリウム等の塩基の存在下に、式
(III)の化合物とマロン酸ジエチルとを、溶媒の沸
点程度の比較的高温で約2〜約24時間攪拌することに
より行うことができる。
II)の化合物に例えばマロン酸ジエチル等のマロン酸
ジ低級アルキルエステルを反応させて式(IV)で示さ
れる化合物に変換する工程である。反応は前記で例示し
た中から選択される溶媒中で、前記した有機塩基または
無機塩基、例えばナトリウム等の塩基の存在下に、式
(III)の化合物とマロン酸ジエチルとを、溶媒の沸
点程度の比較的高温で約2〜約24時間攪拌することに
より行うことができる。
【0027】上記の反応で得られる式(IV)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0028】次の工程(c)は上記工程で得られる式
(IV)の化合物に3−アミノ−4−シアノピラゾール
を反応させて、式(V)で示される化合物を得る工程で
ある。反応は、前記した中から適宜選択される溶媒中
で、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の
塩基の存在下、両化合物を溶媒の沸点程度の比較的高温
で約2時間〜約一日攪拌することによって行うことがで
きる。
(IV)の化合物に3−アミノ−4−シアノピラゾール
を反応させて、式(V)で示される化合物を得る工程で
ある。反応は、前記した中から適宜選択される溶媒中
で、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の
塩基の存在下、両化合物を溶媒の沸点程度の比較的高温
で約2時間〜約一日攪拌することによって行うことがで
きる。
【0029】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガス
又はアルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
又はアルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
【0030】上記の反応で得られる式(V)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0031】次の工程(d)は、上記工程で得られる式
(V)の化合物をハロゲン化し、式(VI)で示される
化合物を得る工程である。反応は、無溶媒又は前記した
中から適宜選択される溶媒中で、好ましくは前記例示し
た有機塩基、より好ましくはトリエチルアミンの存在下
に、式(V)の化合物と、例えば五塩化リン、チオニル
クロリド、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤とを、溶媒
の沸点程度の比較的高温で約30分〜約5時間攪拌する
ことにより行うことができる。
(V)の化合物をハロゲン化し、式(VI)で示される
化合物を得る工程である。反応は、無溶媒又は前記した
中から適宜選択される溶媒中で、好ましくは前記例示し
た有機塩基、より好ましくはトリエチルアミンの存在下
に、式(V)の化合物と、例えば五塩化リン、チオニル
クロリド、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤とを、溶媒
の沸点程度の比較的高温で約30分〜約5時間攪拌する
ことにより行うことができる。
【0032】上記の反応で得られる式(VI)の化合物
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、必
要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製す
ることもできる。
【0033】次の工程(e)は上記工程で得られる式
(VI)の化合物にアンモニア又は低級アルキルアミン
を反応させて、式(VII)で示される化合物を得る工
程である。ここで、原料として用いられる低級アルキル
アミンとしては、前記定義した低級アルキル基でモノ置
換されたアミンが挙げられるが、具体的にはメチルアミ
ン、エチルアミン、tert−ブチルアミン等が例示で
き、特にtert−ブチルアミンが好ましい。反応は、
前記した中から適宜選択される溶媒中で、好ましくは前
記例示した有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下
に、式(VI)の化合物とアンモニア又は低級アルキル
アミンとを、溶媒の沸点程度の比較的高温で約30分〜
5時間攪拌することにより行うことができる。
(VI)の化合物にアンモニア又は低級アルキルアミン
を反応させて、式(VII)で示される化合物を得る工
程である。ここで、原料として用いられる低級アルキル
アミンとしては、前記定義した低級アルキル基でモノ置
換されたアミンが挙げられるが、具体的にはメチルアミ
ン、エチルアミン、tert−ブチルアミン等が例示で
き、特にtert−ブチルアミンが好ましい。反応は、
前記した中から適宜選択される溶媒中で、好ましくは前
記例示した有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下
に、式(VI)の化合物とアンモニア又は低級アルキル
アミンとを、溶媒の沸点程度の比較的高温で約30分〜
5時間攪拌することにより行うことができる。
【0034】なお、反応は不活性ガス、例えば窒素ガス
又はアルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
又はアルゴンガス気流中で行うことが好ましい。
【0035】上記の反応で得られる式(VII)の化合
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
物は、反応液のまま次の工程に用いることができるが、
必要に応じて、前記した通常の精製手段により単離精製
することもできる。
【0036】工程(f)は上記工程で得られる式(VI
I)の化合物を脱ハロゲン化して、本発明の式(I)で
示される化合物を合成する工程である。脱ハロゲン化の
ためには、芳香族ハロゲン化合物を脱ハロゲン化するた
めに通常行われる還元反応を用いることができるが、式
(VII)の化合物の3位シアノ基が還元されない程度
の緩和な条件下で行うことが好ましい。このような反応
を具体的に例示すれば、前記した中から適宜選択される
溶媒中で、塩化パラジウム存在下、式(VII)の化合
物と水素化ホウ素ナトリウムを攪拌することによって、
目的とする本発明の化合物(I)を合成することができ
る。
I)の化合物を脱ハロゲン化して、本発明の式(I)で
示される化合物を合成する工程である。脱ハロゲン化の
ためには、芳香族ハロゲン化合物を脱ハロゲン化するた
めに通常行われる還元反応を用いることができるが、式
(VII)の化合物の3位シアノ基が還元されない程度
の緩和な条件下で行うことが好ましい。このような反応
を具体的に例示すれば、前記した中から適宜選択される
溶媒中で、塩化パラジウム存在下、式(VII)の化合
物と水素化ホウ素ナトリウムを攪拌することによって、
目的とする本発明の化合物(I)を合成することができ
る。
【0037】以上の方法で本発明の化合物を合成するこ
とができるが、式(I)の化合物は必要に応じて有機酸
又は無機酸で処理することにより任意の酸付加塩とする
こともできる。ここで用いられる有機酸としては、例え
ばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香酸、p−ニ
トロ安息香酸等の置換又は未置換の安息香酸;メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の(ハロ)
低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−ニ
トロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−トリイソプロピ
ルベンゼンスルホン酸等の置換又は未置換のアリールス
ルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン酸を挙げるこ
とができ、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水
素酸、ヨウ化水素酸、ホウフッ化水素酸、過塩素酸、亜
硝酸等が挙げられる。
とができるが、式(I)の化合物は必要に応じて有機酸
又は無機酸で処理することにより任意の酸付加塩とする
こともできる。ここで用いられる有機酸としては、例え
ばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香酸、p−ニ
トロ安息香酸等の置換又は未置換の安息香酸;メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の(ハロ)
低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−ニ
トロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−トリイソプロピ
ルベンゼンスルホン酸等の置換又は未置換のアリールス
ルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン酸を挙げるこ
とができ、無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水
素酸、ヨウ化水素酸、ホウフッ化水素酸、過塩素酸、亜
硝酸等が挙げられる。
【0038】以上のとおり、本発明の化合物はその構造
式中に不斉炭素原子を有しないため製造過程で立体異性
体が生ぜず、低コストで量産が可能である。かかる本発
明の化合物の優れた薬理効果については後述する。
式中に不斉炭素原子を有しないため製造過程で立体異性
体が生ぜず、低コストで量産が可能である。かかる本発
明の化合物の優れた薬理効果については後述する。
【0039】本発明化合物(I)は医薬としてヒトに投
与する場合、年齢及び症状等によっても異なるがその有
効量、例えば、通常1日に10〜100mgを1〜3回に
分けて経口投与するのが好ましい。本発明の循環器系疾
患治療剤は種々の剤型、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、トロ−チ剤、液剤等の経口投与剤とすることができ
る。上記製剤化は、それ自体公知の方法によってなし得
る。すなわち、本発明化合物(I)をデンプン、マンニ
ト−ル、乳糖等の賦形剤;カルボキシメチルセルロ−ス
ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロ−ス等の結合
剤;結晶セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカル
シウム等の崩壊剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム
等の滑沢剤;軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜
組み合せて処方することにより錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤又はトロ−チ剤を製造することができる。か
かる経口投与剤をヒトに投与する場合、年齢及び症状等
によっても異なるがその有効量、例えば、通常1日に1
0〜100mgを1〜3回に分けて経口投与するのが好ま
しい。
与する場合、年齢及び症状等によっても異なるがその有
効量、例えば、通常1日に10〜100mgを1〜3回に
分けて経口投与するのが好ましい。本発明の循環器系疾
患治療剤は種々の剤型、例えば錠剤、カプセル剤、散
剤、トロ−チ剤、液剤等の経口投与剤とすることができ
る。上記製剤化は、それ自体公知の方法によってなし得
る。すなわち、本発明化合物(I)をデンプン、マンニ
ト−ル、乳糖等の賦形剤;カルボキシメチルセルロ−ス
ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロ−ス等の結合
剤;結晶セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカル
シウム等の崩壊剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム
等の滑沢剤;軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜
組み合せて処方することにより錠剤、カプセル剤、散
剤、顆粒剤又はトロ−チ剤を製造することができる。か
かる経口投与剤をヒトに投与する場合、年齢及び症状等
によっても異なるがその有効量、例えば、通常1日に1
0〜100mgを1〜3回に分けて経口投与するのが好ま
しい。
【0040】また、本発明の循環器系疾患治療剤は注射
剤とすることもできる。この製剤化は、例えば、界面活
性剤や分散剤等により予め生理食塩水等の水性担体に分
散又は可溶化しておいてもよいし、あるいはまた、必要
時にその都度分散又は可溶化し得るよう注射用結晶製剤
又は凍結乾燥製剤としてもよい。上記水性担体には前述
の成分以外にpH調整剤や安定化剤を任意成分として加
えてもよい。かかる注射剤の投与量及び投与経路は特に
限定されず、病状や患者の特性に合わせて静脈内、動脈
内、皮下又は腹腔内に安全かつ必要な量を投与すること
ができる。これらの投与は一気に投与してもよいし点滴
等により徐々に投与してもよい。
剤とすることもできる。この製剤化は、例えば、界面活
性剤や分散剤等により予め生理食塩水等の水性担体に分
散又は可溶化しておいてもよいし、あるいはまた、必要
時にその都度分散又は可溶化し得るよう注射用結晶製剤
又は凍結乾燥製剤としてもよい。上記水性担体には前述
の成分以外にpH調整剤や安定化剤を任意成分として加
えてもよい。かかる注射剤の投与量及び投与経路は特に
限定されず、病状や患者の特性に合わせて静脈内、動脈
内、皮下又は腹腔内に安全かつ必要な量を投与すること
ができる。これらの投与は一気に投与してもよいし点滴
等により徐々に投与してもよい。
【0041】以下に本発明の化合物の薬理試験及び毒性
試験の結果を説明する。 [薬理試験]本発明化合物(I)の無麻酔自然発症高血
圧ラット(SHR)における降圧作用を、tail−c
uff法により評価した。被験薬物としては、後記実施
例6で製造された化合物(7)を用いた。また、対照化
合物としては前記化合物(A)[Ra=C(CH3 )
3 ;特開平2−275882号公報参照]を用いた。被
験薬物及び対照化合物を、5mg/kgをそれぞれ0.
5%CMC生理食塩水に懸濁して1群4匹のラットに経
口投与した。降圧作用は、薬物投与後の血圧の変化を正
常時血圧を100%とした降圧率(%)で表わし、最大
反応時の降圧率(%)を求めて評価した。また、投与後
3時間、5時間及び8時間の降圧率(%)の経時変化を
プロットして血圧降下率曲線を求め、この曲線下の面積
(降圧面積)から降圧作用の持続性を評価した。結果を
表1に示した。
試験の結果を説明する。 [薬理試験]本発明化合物(I)の無麻酔自然発症高血
圧ラット(SHR)における降圧作用を、tail−c
uff法により評価した。被験薬物としては、後記実施
例6で製造された化合物(7)を用いた。また、対照化
合物としては前記化合物(A)[Ra=C(CH3 )
3 ;特開平2−275882号公報参照]を用いた。被
験薬物及び対照化合物を、5mg/kgをそれぞれ0.
5%CMC生理食塩水に懸濁して1群4匹のラットに経
口投与した。降圧作用は、薬物投与後の血圧の変化を正
常時血圧を100%とした降圧率(%)で表わし、最大
反応時の降圧率(%)を求めて評価した。また、投与後
3時間、5時間及び8時間の降圧率(%)の経時変化を
プロットして血圧降下率曲線を求め、この曲線下の面積
(降圧面積)から降圧作用の持続性を評価した。結果を
表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】上記の結果から明らかなように、対照化合
物(A)と比較して本発明の化合物(7)の著しい降圧
作用及び持続性が認められた。
物(A)と比較して本発明の化合物(7)の著しい降圧
作用及び持続性が認められた。
【0044】また、他の薬理試験結果から、本発明の化
合物にはK+ チャンネルオープナーとしての作用、NO
遊離作用、およびホスホジエステラーゼ阻害作用がある
ことが判明した。
合物にはK+ チャンネルオープナーとしての作用、NO
遊離作用、およびホスホジエステラーゼ阻害作用がある
ことが判明した。
【0045】[毒性試験]本発明の化合物の急性毒性試
験を下記の方法で行った。ICR系雄性マウスを4週齢
で購入し、約10日間の予備飼育の後実験に供した。被
験薬物は、マウス体重10g当り0.1mlになるように
1%セルメチルセルロ−ス液に懸濁し金属製胃ゾンデを
用いて強制経口投与した。尚、マウスは実験の前日から
16時間絶食とした。投与後の観察期間を14日間と
し、14日後の生存率からリッチフィ−ルド・ウィルコ
クソン法によってLD50値を求めた。その結果、化合物
(7)のLD50値は2g/kg以上であった。
験を下記の方法で行った。ICR系雄性マウスを4週齢
で購入し、約10日間の予備飼育の後実験に供した。被
験薬物は、マウス体重10g当り0.1mlになるように
1%セルメチルセルロ−ス液に懸濁し金属製胃ゾンデを
用いて強制経口投与した。尚、マウスは実験の前日から
16時間絶食とした。投与後の観察期間を14日間と
し、14日後の生存率からリッチフィ−ルド・ウィルコ
クソン法によってLD50値を求めた。その結果、化合物
(7)のLD50値は2g/kg以上であった。
【0046】
【実施例】以下に本発明の化合物の実施例及び製剤例を
挙げて本発明を更に詳細に説明するが、かかる記載によ
って本発明が何ら限定されるものでないことはいうまで
もない。
挙げて本発明を更に詳細に説明するが、かかる記載によ
って本発明が何ら限定されるものでないことはいうまで
もない。
【0047】なお、以下の記載において用いる略号は、
それぞれ下記の意味を有する。 Et :エチル t−Bu:tert−ブチル
それぞれ下記の意味を有する。 Et :エチル t−Bu:tert−ブチル
【0048】実施例1
【0049】
【化6】
【0050】t−ブチルジメチルシリルクロライド1
5.05g及びイミダゾール17.02gを無水アセト
ニトリル200mlに溶解し、窒素ガス気流中、室温に
て10分間攪拌する。この溶液にエチルブロモヒドリン
(1)13.2gを加えて、窒素ガス気流中、室温にて
18時間攪拌する。反応液から溶媒を減圧下留去して得
られる残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、1規定
塩酸及び水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
する。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)
に付して、化合物(2)を無色液体として17.75g
(収率:74.2%)得た。1H−NMR(CDCl
3 )δ:0.08(s、6H)、0.90(s、9
H)、3.39(t、J=6.6Hz、2H)、3.8
9(t、J=6.6Hz、2H)
5.05g及びイミダゾール17.02gを無水アセト
ニトリル200mlに溶解し、窒素ガス気流中、室温に
て10分間攪拌する。この溶液にエチルブロモヒドリン
(1)13.2gを加えて、窒素ガス気流中、室温にて
18時間攪拌する。反応液から溶媒を減圧下留去して得
られる残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重曹水、1規定
塩酸及び水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥
する。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン)
に付して、化合物(2)を無色液体として17.75g
(収率:74.2%)得た。1H−NMR(CDCl
3 )δ:0.08(s、6H)、0.90(s、9
H)、3.39(t、J=6.6Hz、2H)、3.8
9(t、J=6.6Hz、2H)
【0051】実施例2
【0052】
【化7】
【0053】ナトリウム1.59gを、窒素ガス気流中
室温にて無水エタノール150mlに溶解し、この溶液
にマロン酸ジエチル9.6g及び上記実施例1で得られ
た化合物(2)16.5gを加えて、窒素ガス気流中1
6時間加熱還流する。反応終了後、溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣を酢酸エチルに溶解して水で洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、化
合物(3)を無色液体として15.1g(収率:79.
1%)得た。1H−NMR(CDCl3 )δ:0.03
(s、6H)、0.88(s、9H)、1.26(t、
J=7.0Hz、6H)、2.07〜2.14(m、2
H)、3.58(t、J=7.2Hz、1H)、3.6
5(t、J=5.9Hz、2H)、4.13〜4.24
(m、4H)
室温にて無水エタノール150mlに溶解し、この溶液
にマロン酸ジエチル9.6g及び上記実施例1で得られ
た化合物(2)16.5gを加えて、窒素ガス気流中1
6時間加熱還流する。反応終了後、溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣を酢酸エチルに溶解して水で洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒:n−ヘキサン−酢酸エチル)に付して、化
合物(3)を無色液体として15.1g(収率:79.
1%)得た。1H−NMR(CDCl3 )δ:0.03
(s、6H)、0.88(s、9H)、1.26(t、
J=7.0Hz、6H)、2.07〜2.14(m、2
H)、3.58(t、J=7.2Hz、1H)、3.6
5(t、J=5.9Hz、2H)、4.13〜4.24
(m、4H)
【0054】実施例3
【0055】
【化8】
【0056】ナトリウム0.92gを、窒素ガス気流中
室温にて無水エタノール100mlに溶解し、この溶液
に上記実施例2で得られた化合物(3)6.36g及び
3−アミノ−4−シアノピラゾール2.16gを加え
て、窒素ガス気流中21時間加熱還流する。反応終了
後、析出物を濾取してエタノールで洗浄し減圧下乾燥す
る。得られる固体を水に溶解し、氷冷下、1規定塩酸で
pHを4に調整した後食塩で塩析する。析出物を濾取し
て水で洗浄し減圧下乾燥して、化合物(4)を淡赤色固
体として3.33g(収率:49.9%)得た。1H−
NMR(DMSO−d6 )δ:−0.04(s、6
H)、0.84(s、9H)、2.59〜2.71
(m、2H)、3.53(t、J=6.4Hz、2
H)、3.96〜5.00(m、2H)、8.24
(s、1H)
室温にて無水エタノール100mlに溶解し、この溶液
に上記実施例2で得られた化合物(3)6.36g及び
3−アミノ−4−シアノピラゾール2.16gを加え
て、窒素ガス気流中21時間加熱還流する。反応終了
後、析出物を濾取してエタノールで洗浄し減圧下乾燥す
る。得られる固体を水に溶解し、氷冷下、1規定塩酸で
pHを4に調整した後食塩で塩析する。析出物を濾取し
て水で洗浄し減圧下乾燥して、化合物(4)を淡赤色固
体として3.33g(収率:49.9%)得た。1H−
NMR(DMSO−d6 )δ:−0.04(s、6
H)、0.84(s、9H)、2.59〜2.71
(m、2H)、3.53(t、J=6.4Hz、2
H)、3.96〜5.00(m、2H)、8.24
(s、1H)
【0057】実施例4
【0058】
【化9】
【0059】実施例3で得られた化合物(4)3.34
gにオキシ塩化リン10.7gを加え、氷冷下、トリエ
チルアミン1.01gを加える。この混合物を120℃
にて2時間加熱攪拌した後室温に戻し、氷水中に投入す
る。この水溶液のpHを炭酸カリウムでアルカリ性に調
整した後クロロホルムで抽出し、得られた有機層を炭酸
カリウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
n−ヘキサン−酢酸エチル−クロロホルム)に付して、
化合物(5)を白色結晶として1.56g(収率:5
6.6%)得た。1H−NMR(CDCl3 )δ:3.
51(t、J=6.9Hz、2H)、3.86(t、J
=6.9Hz、2H)、8.45(s、1H)
gにオキシ塩化リン10.7gを加え、氷冷下、トリエ
チルアミン1.01gを加える。この混合物を120℃
にて2時間加熱攪拌した後室温に戻し、氷水中に投入す
る。この水溶液のpHを炭酸カリウムでアルカリ性に調
整した後クロロホルムで抽出し、得られた有機層を炭酸
カリウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
n−ヘキサン−酢酸エチル−クロロホルム)に付して、
化合物(5)を白色結晶として1.56g(収率:5
6.6%)得た。1H−NMR(CDCl3 )δ:3.
51(t、J=6.9Hz、2H)、3.86(t、J
=6.9Hz、2H)、8.45(s、1H)
【0060】実施例5
【0061】
【化10】
【0062】実施例4で得られた化合物(5)0.74
gを無水ジメチルホルムアミド7.5mlに溶解し、こ
の溶液にt−ブチルアミン0.197g及びトリエチル
アミン0.545gを加えて、窒素ガス気流中、90℃
にて2時間加熱攪拌する。反応終了後、室温まで冷却し
て析出する固体を濾取し、エタノールで洗浄した後減圧
下乾燥して、化合物(6)を無色結晶として0.63g
(収率:85.1%)得た。1H−NMR(CDCl
3 )δ:1.71(s、9H)、3.10(t、J=
9.2Hz、2H)、4.09(t、J=9.2Hz、
2H)、8.16(s、1H)
gを無水ジメチルホルムアミド7.5mlに溶解し、こ
の溶液にt−ブチルアミン0.197g及びトリエチル
アミン0.545gを加えて、窒素ガス気流中、90℃
にて2時間加熱攪拌する。反応終了後、室温まで冷却し
て析出する固体を濾取し、エタノールで洗浄した後減圧
下乾燥して、化合物(6)を無色結晶として0.63g
(収率:85.1%)得た。1H−NMR(CDCl
3 )δ:1.71(s、9H)、3.10(t、J=
9.2Hz、2H)、4.09(t、J=9.2Hz、
2H)、8.16(s、1H)
【0063】実施例6
【0064】
【化11】
【0065】実施例5で得られた化合物(6)330.
6mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、さらに
メタノール10mlを加えて窒素ガス気流中で氷冷す
る。この溶液に塩化パラジウム106.3mgを加えた
後、さらに水素化ホウ素ナトリウム227mgを徐々に
加えて、窒素ガス気流中同温度にて30分間攪拌する。
反応液に塩化パラジウム212.8mg及び水素化ホウ
素ナトリウム454mgを追加して同様に30分間攪拌
した後、室温まで戻しさらに1時間攪拌する。反応液か
ら不溶物を濾去して得られる濾液の溶媒を減圧下留去す
る。得られた残渣に水を加えてクロロホルムで抽出し、
得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥する。さらに
この溶液に活性炭0.1gを加えて室温で1時間攪拌し
た後、セライト濾過して得られる濾液の溶媒を減圧下留
去する。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出溶媒:クロロホルム−アセトン)に付し、
本発明の8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7−
ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−
[1,5−a]ピリミジン(8)を白色結晶として16
0mg(収率:55.3%)得た。1H−NMR(CD
Cl3 )δ:1.71(s、9H)、3.11(t、J
=9.2Hz、2H)、4.05(t、J=9.2H
z、2H)、8.03(s、1H)、8.18(s、1
H)
6mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、さらに
メタノール10mlを加えて窒素ガス気流中で氷冷す
る。この溶液に塩化パラジウム106.3mgを加えた
後、さらに水素化ホウ素ナトリウム227mgを徐々に
加えて、窒素ガス気流中同温度にて30分間攪拌する。
反応液に塩化パラジウム212.8mg及び水素化ホウ
素ナトリウム454mgを追加して同様に30分間攪拌
した後、室温まで戻しさらに1時間攪拌する。反応液か
ら不溶物を濾去して得られる濾液の溶媒を減圧下留去す
る。得られた残渣に水を加えてクロロホルムで抽出し、
得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥する。さらに
この溶液に活性炭0.1gを加えて室温で1時間攪拌し
た後、セライト濾過して得られる濾液の溶媒を減圧下留
去する。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出溶媒:クロロホルム−アセトン)に付し、
本発明の8−tert−ブチル−3−シアノ−6,7−
ジヒドロ−8H−ピロロ[3,2−e]ピラゾロ−
[1,5−a]ピリミジン(8)を白色結晶として16
0mg(収率:55.3%)得た。1H−NMR(CD
Cl3 )δ:1.71(s、9H)、3.11(t、J
=9.2Hz、2H)、4.05(t、J=9.2H
z、2H)、8.03(s、1H)、8.18(s、1
H)
【0066】製剤例1 (錠剤) 組成:化合物(7) 25g 乳糖 130g 結晶セルロ−ス 20g とうもろこし澱粉 20g 3%ヒドロキシプロピルセルロ−ス水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 製法:化合物7、乳糖、結晶セルロ−ス及びとうもろこ
し澱粉を、60メッシュふるいで篩過し均一に混合した
のち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセルロ−ス
水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュふるい
で篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、16メ
ッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸マグネ
シウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200mgの錠
剤にした。
し澱粉を、60メッシュふるいで篩過し均一に混合した
のち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセルロ−ス
水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュふるい
で篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、16メ
ッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸マグネ
シウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200mgの錠
剤にした。
【0067】製剤例2 (カプセル剤) 組成:化合物(7) 25g 乳糖 125g コ−ンスタ−チ 48.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g 製法:上記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になる
よう十分攪拌したのち、これを0.2gずつゼラチンカ
プセルに充填し、経口投与用のカプセル剤を得た。
よう十分攪拌したのち、これを0.2gずつゼラチンカ
プセルに充填し、経口投与用のカプセル剤を得た。
【0068】製剤例3 (錠剤) 組成:化合物(7) 25g 乳糖 130g 結晶セルロ−ス 20g とうもろこし澱粉 20g 3%ヒドロコシプロピルセルロ−ス水溶液 100ml ステアリン酸マグネシウム 2g 製法:化合物(7)に乳糖、結晶セルロ−ス及びとうも
ろこし澱粉を60メッシュふるいで篩過し、均一に混合
したのち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセルロ
−ス水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュふ
るいで篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、1
6メッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸マ
グネシウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200mg
の錠剤にした。
ろこし澱粉を60メッシュふるいで篩過し、均一に混合
したのち練合機にいれ、3%ヒドロキシプロピルセルロ
−ス水溶液を注加して練合した。次いで16メッシュふ
るいで篩過造粒し、50℃で送風乾燥した。乾燥後、1
6メッシュふるいを通して整粒を行い、ステアリン酸マ
グネシウムを混合し、打錠機で直径8mm、重量200mg
の錠剤にした。
【0069】製剤例4(注射剤) 1バイアル中に化合物(7)の塩酸塩50mgを粉末の
まま充填する。用時、蒸留水約3〜4mlを添加して注
射剤とする。
まま充填する。用時、蒸留水約3〜4mlを添加して注
射剤とする。
【0070】 上記の成分を混合して散剤とする。
【0071】
【発明の効果】本発明の化合物(I)は、製造工程で立
体異性体を生じることがないので異性体の分離操作によ
る損失がなく、同様の薬効を示す類似化合物より製造コ
ストが低い。そのため、現実の臨床の場で用いられる医
薬品として開発する場合に有利である。また、当該化合
物を含有する本発明の循環器系疾患治療剤は、優れた血
管拡張作用、冠血流量増加作用、抗高脂血症作用、血小
板凝集抑制作用、降圧作用などを有し、効果の持続性及
び安全性も高い。そのため、虚血性心疾患、例えば狭心
症、心筋梗塞など、脳を含む循環不全に伴う疾患、高血
圧症、動脈硬化症、血栓などの予防及び治療剤として有
用である。
体異性体を生じることがないので異性体の分離操作によ
る損失がなく、同様の薬効を示す類似化合物より製造コ
ストが低い。そのため、現実の臨床の場で用いられる医
薬品として開発する場合に有利である。また、当該化合
物を含有する本発明の循環器系疾患治療剤は、優れた血
管拡張作用、冠血流量増加作用、抗高脂血症作用、血小
板凝集抑制作用、降圧作用などを有し、効果の持続性及
び安全性も高い。そのため、虚血性心疾患、例えば狭心
症、心筋梗塞など、脳を含む循環不全に伴う疾患、高血
圧症、動脈硬化症、血栓などの予防及び治療剤として有
用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/505 ADN
Claims (2)
- 【請求項1】 次の式(I) 【化1】 式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を表す、で示さ
れる8−置換−3−シアノ−6,7−ジヒドロ−8H−
ピロロ[3,2−e]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジ
ン誘導体又はその薬学的に許容される塩。 - 【請求項2】 請求項1記載のピロロ[3,2−e]ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体又はその薬学的
に許容される塩を有効成分とする循環器系疾患治療剤。
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JP7931994A JPH07267960A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | ピロロ[3,2−eピラゾロ[1,5−aピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 |
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JP7931994A JPH07267960A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | ピロロ[3,2−eピラゾロ[1,5−aピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 |
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JPH07267960A true JPH07267960A (ja) | 1995-10-17 |
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ID=13686558
Family Applications (1)
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JP7931994A Pending JPH07267960A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | ピロロ[3,2−eピラゾロ[1,5−aピリミジン誘導体及びこれを含有する循環器系疾患治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07267960A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998035968A1 (fr) * | 1997-02-14 | 1998-08-20 | Pola Chemical Industries, Inc. | Produits therapeutiques/prophylactiques des maladies respiratoires |
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WO2003091256A1 (fr) * | 2002-04-23 | 2003-11-06 | Shionogi & Co., Ltd. | Derive de pyrazolo[1,5-a]pyrimidine et inhibiteur de la nad(p)h oxydase contenant ledit derive |
-
1994
- 1994-03-28 JP JP7931994A patent/JPH07267960A/ja active Pending
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