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JP3553158B2 - ピリダジノインドール誘導体 - Google Patents

ピリダジノインドール誘導体 Download PDF

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JP3553158B2
JP3553158B2 JP24946894A JP24946894A JP3553158B2 JP 3553158 B2 JP3553158 B2 JP 3553158B2 JP 24946894 A JP24946894 A JP 24946894A JP 24946894 A JP24946894 A JP 24946894A JP 3553158 B2 JP3553158 B2 JP 3553158B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ピリダジノインドール誘導体、ピリダジノインドール誘導体を有効成分として含有する血圧降下剤、更にこの血圧降下剤を含有する循環器用の医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、日本においては、その食生活の急激な変化や平均寿命が延びたことなどから、成人病の罹患者数が急激に増加している。中でも、食生活の西洋化による肉食傾向の影響と併せ、循環器に関する疾病の増加は目を見張るものがあり、社会生活の大きな問題となっている。
【0003】
斯かる状況から、循環器疾病の各種メカニズムについての究明がなされ、多種多様な新薬が開発されている。これらのうち、ヒドララジンに代表される血管拡張薬は、末梢血管を拡張し心臓への負担をやわらげるものであり、循環器疾患の治療において重要な役割を担っている。
【0004】
しかしながら、従来のヒドララジンに代表される血管拡張は、そのメカニズムが末梢血管を拡張し、血圧を下げるものであるため、血圧の急激な低下を伴うことがあり、長期間投与するのには問題があった。従って、ヒドララジンのような、血管を拡張する作用を有し、かつ副作用の少ない血圧降下剤の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、優れた血圧降下作用を有し、副作用の少ない新規化合物を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表わされる新規化合物が、優れた血管拡張作用を有し、しかも副作用が極めて低いことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0008】
【化5】
Figure 0003553158
【0009】
で表わされるピリダジノインドール誘導体又は生理的に許容されるその塩及びその合成中間体を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、(1)で表わされるピリダジノインドール誘導体又はその塩を有効成分として含有する血圧降下剤、更にこの血圧降下剤を含有する循環器用の医薬組成物を提供するものである。
【0011】
本発明のピリダジノインドール誘導体(1)の好ましいものとしては次のものが挙げられる。
【0012】
化合物(1−a):5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−1−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール
【0013】
【化6】
Figure 0003553158
【0014】
化合物(1−b):5−シクロヘキシル−1−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−4−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール
【0015】
【化7】
Figure 0003553158
【0016】
化合物(1−c):5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−1−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール
【0017】
【化8】
Figure 0003553158
【0018】
化合物(1−d):1,4−ビス(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール
【0019】
【化9】
Figure 0003553158
【0020】
本発明のピリダジノインドール誘導体(1)はフリー体のほかにその塩も含むものであり、その塩としては、生理的に許容されるものであればいずれのものでもよく、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸等の有機酸塩などを挙げることができる。
【0021】
本発明のピリダジノインドール誘導体(1)は、例えば、次の反応式によって示される方法によって製造される。
【0022】
【化10】
Figure 0003553158
【0023】
すなわち、インドール誘導体(2)にヒドラジンヒドラートを反応させてピリダジノインドールジオン誘導体(3)となし、次いでこれにオキシハロゲン化リンを反応させて1,4−ジハロゲノピリダジノインドール誘導体(5)となし、更にこれにヒドラジンヒドラート次いでアシルメチルアルキルケトンを反応させれば、(6)式で表わされる化合物、すなわち、1−アルキルアルキルピラゾリル−4−アルキルアルキルピラゾリルピリダジノインドール誘導体(R10,R11=ピラゾリル基)、1−ハロゲノ−4−アルキルアルキルピラゾリルピリダジノインドール誘導体(R10=ハロゲン、R11=ピラゾリル基)、及び4−ハロゲノ−1−アルキルアルキルピラゾリルピリダジノインドール誘導体(R10=ピラゾリル基、R11=ハロゲン)の混合物が得られる。このようにして得られる(6)式で表わされる化合物の混合物はカラムクロマトグラフィー等によって分離することができる。
【0024】
上記で得た1−ハロゲノ−4−アルキルアルキルピラゾリルピリダジノインドール誘導体又は4−ハロゲノ−1−アルキルアルキルピラゾリルピリダジノインドール誘導体にヒドラジンヒドラート又はアルコキシフェニルピペラジンを反応せしめれば、ハロゲン原子が当該基で置換された本発明化合物が得られる。
【0025】
また、上記方法の原料となるインドール誘導体(2)は、下記の反応式に従って、1−アルキルオキシカルボニル−2−アルキルカルボニルアセチレン(7)にアルキルアミン(8)を反応させて化合物(9)となし、これにルイス酸の存在下ベンゾキノンを縮合させて化合物(10)となし、更にこれをアルキル化することにより製造される。
【0026】
【化11】
Figure 0003553158
【0027】
〔式中、Jはハロゲン原子を示し、R、R、R及びRは前記と同じものを示す〕
【0028】
かくして得られた本発明のピリダジノインドール誘導体(1)を血圧降下剤として用いる場合、経口投与あるいは皮下投与、腹腔内投与、動脈投与などによって非経口投与することができる。投与量は性別、体重、身長、年齢、体調、症状、投与経路などにより異なるが、経口投与の場合には成人1人当たり1日に5〜500mgが、また非経口投与の場合には1〜100mgが適当である。
【0029】
本発明のピリダジノインドール誘導体(1)を有効成分とする血圧降下剤を製造するには、一般式(1)の化合物と製剤化のために一般に使用される任意成分を用いて、通常の方法によって製剤化すればよい。任意成分としては、賦形剤、増量剤、結合剤、被覆剤、糖衣剤、安定剤、崩壊剤、着色剤、滑沢剤、pH調整剤、可溶化剤、分散剤、増粘剤、等張剤などが使用される。
【0030】
【発明の効果】
本発明のピリダジノインドール誘導体(1)は優れた血管拡張作用を有していると共に、人体にとっても安全性が高く、血圧降下剤及びこれを含有する循環器用の医薬組成物として有用である。
【0031】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて更に詳しく本発明について説明するが、本発明がこれら実施例に何等限定を受けることはない。
【0032】
実施例1
5−メトキシ−1−シクロヘキシル−2,3−ジメトキシカルボニルインドール〔化合物(2−a)〕の合成
氷冷下、シクロヘキシルアミン7.61gのヘキサン100ml溶液に、ジメチルアセチレンジカルボキシレート11.02gのエーテル溶液100mlを1時間かけて滴下した。反応液を徐々に室温に戻しながら18時間攪拌をした後、TLC上で、原料スポットの消失を確認してから攪拌をやめて反応液を水洗し、水相をエーテルで抽出した。次いで有機相を併せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。この反応生成物にエーテル150ml及びパラベンゾキノン7.00gを加え、氷冷しながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体8.0gのエーテルN200ml溶液を1時間かけて滴下した。反応液は徐々に室温に戻しながら一晩攪拌した。溶媒をあらかた減圧留去した後、酢酸エチル及びヘキサンを適量加えて析出している結晶を濾別して乾燥させた。この反応生成物8.82gにテトラヒドロフラン100ml、水素化ナトリウム1.50g及びよう化メチル20.0gを加え、氷冷下に3時間攪拌した。溶媒をあらかた減圧留去した後、濃塩酸を2ml加えて酸性にし、更に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。クロロホルム相と共に、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶媒を減圧留去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を定量的に得た。
【0033】
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
7.62(d,1H,J=2.4Hz), 7.44(d,1H,J=9.2Hz), 6.94(d.d,1H,J=2.4Hz,9.2Hz), 4.12(m,1H), 4.01(s,3H), 3.89(s,3H), 3.88(s,3H), 1.75−2.38(m,4H),1.15−1.56(m,4H), 0.8−0.95(m,2H).
【0034】
実施例2 5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール−1,4−ジオン〔化合物(3−a)〕の合成実施例1で得た化合物(2−a)8.65gにヒドラジン1水和物100mlを加え、加熱還流下に4時間攪拌を行なった。反応終了後、余ったヒドラジンを減圧留去後、メタノール及び酢酸エチルを加えて析出した結晶を濾取し、標記化合物7.84gを得た(収率99.9%)。
【0035】
H−NMR(270MHz,DMSO)δ:
7.82(d,1H,J=9.2Hz), 7.65(d,1H,J=2.4Hz), 7.06(d.d,1H,J=9.2Hz,2.4Hz), 5.28(br,2H), 3.83(s,3H), 1.35−2.46(m,11H).
【0036】
実施例3
1,4−ジクロロ−5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(4−a)〕の合成
実施例2で得た化合物(3−a)5.89gにオキシ塩化リン60mlを加え、加熱還流下に4時間攪拌を行なった。反応終了後、過剰のオキシ塩化リンをあらかた減圧留去し、残渣を氷水の中に注ぎ入れた後にクロロホルムで抽出した。次いで有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、標記化合物4.60gを得た(収率76.4%)。
【0037】
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
8.02(d,1H,J=2.4Hz), 7.83(d,1H,J=9.2Hz), 7.33(d.d,1H,J=9.2Hz,2.4Hz), 5.83(m,1H), 3.97(s,3H), 2.34−2.47(m,2H), 1.23−2.15(m,8H).
【0038】
実施例4
1−クロロ−5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(4−b)〕、4−クロロ−5−シクロヘキシル−1−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(4−c)〕及び1,4−ビス(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(1−d)〕の合成
実施例3で得た化合物(4−a)3.00gにヒドラジン1水和物50mlを加え、加熱還流下に4時間攪拌した。反応終了後、加熱をやめて過剰のヒドラジンを減圧留去した。次いでこの残渣にアセチルアセトン30mlを加え、加熱還流下、2時間攪拌を行なった。過剰のアセチルアセトンを減圧留去し、標記化合物の混合反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=8:1→3:1)で分離精製し、化合物(4−c)670mg(収率19.0%)、化合物(4−b)390mg(収率11.0%)及び化合物(1−d)10mgを得た。尚、化合物(1−d)については、化合物(4−a)に無水ヒドラジンを作用させた後に上記反応を行なうことで収率が上昇した(収率10.9%)。
【0039】
化合物(4−b)(エタノールから再結晶したもの)
m.p.:235−237℃
IR(KBr):2930cm−1, 1579cm−1, 1469cm−1, 1230cm−1, 1200cm−1
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
8.07(d,1H,J=3.0Hz), 7.76(d,1H,J=9.5Hz), 7.31(d.d,1H,J=9.5Hz,3.0Hz), 6.19(s,1H), 3.98(s,3H), 3.23(m,1H), 2.36(s,3H), 2.28(s,3H), 2.22(m,1H), 1.62−1.90(m,6H), 1.04−1.25(m,3H).
【0040】
化合物(4−c)(エタノールから再結晶したもの)
m.p.:155℃
IR(KBr):2930cm−1, 1560cm−1, 1500cm−1, 1220cm−1
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
7.67(d,1H,J=9.2Hz), 7.24(d.d,1H,J=9.2Hz,2.4Hz), 7.12(d,1H,J=2.4Hz), 6.19(s,1H), 5.86(m,1H), 3.76(s,3H), 2.44(s,3H), 2.40(s,3H), 1.35−2.05(m,10H).
【0041】
化合物(1−d)(含水エタノール(エタノール:水=10:1)から再結晶したもの)
m.p.:181℃
IR(KBr):2930cm−1, 1560cm−1, 1440cm−1, 1230cm−1, 1070cm−1
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
7.71(d,1H,J=9.5Hz), 7.31(d.d,1H,J=9.5Hz,3.0Hz), 7.23(d,1H,J=3.0Hz), 6.21(s,2H), 3.79(s,3H), 3.28(m,1H), 2.52(s,3H), 2.45(s,3H), 2.37(s,3H), 2.28(s,3H), 1.62−2.26(m,8H), 1.01−1.30(m,2H).
【0042】
実施例5
5−シクロヘキシル−1−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−4−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(1−b)〕の合成
実施例4で得られた化合物(4−c)850mgに無水ヒドラジン10ml及びテトラヒドロフラン10mlを加え、60℃にて2.5時間攪拌を行なった。TLC上で原料のスポットの消失を確認し、攪拌を停止した。次いで、この反応物をテトラヒドロフランで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。ここにエーテルを加えて析出している結晶を濾集し、乾燥させた。得られた化合物をエタノール20mlに加熱溶解させた後に冷却し、エーテルを若干加えて析出した結晶を濾取し、乾燥させて標記化合物490mgを得た(収率58.3%)。
【0043】
m.p.:212−214℃(分解点)
IR(KBr):3100cm−1, 1450cm−1, 1400cm−1, 1220cm−1, 1050cm−1
H−NMR(270MHz,CDCOCD)δ:
7.89(d,1H,J=8.9Hz), 6.98(d.d,1H,J=8.9Hz,2.5Hz), 6.40(m,1H), 6.26(d,1H,J=2.5Hz), 6.15(s,1H), 3.65(s,3H), 2.32−2.38(m,2H),2.32(s,3H), 2.25(s,3H), 2.01−2.08(m,4H), 1.80(m,1H),
1.48−1.51(m,3H),NH検出されず。
【0044】
実施例6
5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−1−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(1−a)〕の合成
実施例4で得られた化合物(4−b)1.17gに無水ヒドラジン12mlを加え、加熱還流下に1時間攪拌した後、テトラヒドロフラン15mlを加え、更に加熱還流下で2時間攪拌した。次いで、これをテトラヒドロフランで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒をあらかた留去してエーテルを加え、析出した結晶を濾取し、乾燥させて標記化合物1.05gを得た(収率90.5%)。更にこれをエタノールから再結晶して精製した。
【0045】
m.p.:216−218℃(分解点)
IR(KBr):3400−3600cm−1, 3000cm−1, 1560cm−1, 1460cm−1, 1440cm−1
1270cm−1, 1100cm−1
H−NMR(270MHz,DMSO)δ:
8.47(br,1H), 7.98(d,1H,J=2.5Hz), 7.87(d,1H,J=9.5Hz), 7.17(d.d,1H,J=9.5Hz,2.5Hz), 6.25(s,1H), 4.78(br,2H), 3.93(s,3H),2.77−2.86(m,1H), 2.27(s,3H), 2.10−2.27(m,2H), 2.11(s,3H), 1.72−1.82(m,2H), 1.48−1.65(m,3H), 1.20−1.34(m,1H), 0.87−1.04(m,2H).
【0046】
実施例7
5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−1−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール〔化合物(1−c)〕の合成
実施例4で得られた化合物(4−b)660mgに1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン1.50gを加え、150℃にて2時間攪拌した。TLC上で、原料スポットの消失を確認した後、加熱を停止して反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:3)で精製し、標記化合物(1−c)710mgを得た(収率90.8%)。
【0047】
m.p.:227℃
IR(KBr):2050cm−1 ,1550cm−1, 1500cm−1, 1430cm−1, 1240cm−1, 750cm −1
H−NMR(270MHz,CDCl)δ:
7.72(d,1H,J=8.9Hz), 7.62(d,1H,J=2.7Hz), 7.22(d.d,1H,J=8.9Hz,2.7Hz),
6.90−7.10(m,4H), 6.16(s,1H), 3.94(s,3H), 3.90(s,3H), 3.84(m,4H),
3.45(m,4H), 3.17(m,1H), 2.42(s,3H), 2.30(s,3H), 2.14−2.30(m,2H),
1.78−2.00(m,4H), 1.65−1.70(m,1H), 1.21−1.28(m,1H),
1.00−1.18(m,2H).
【0048】
実施例8
安全性
本発明の血圧降下剤である本発明化合物(1−a)、(1−b)、(1−c)及び(1−d)について急性毒性を検討した。すなわち5週齢の雄性ICRマウス1群5匹を用い、本発明化合物を各々、0.5%CMC生理食塩水溶液中に10mg/mlの濃度になるように分散し、この試料を500mg/kgの量で投与した。投与後14日目に生死を判定したところ、各試料においても死亡例を認めなかった。
これより、本発明化合物は、急性毒性が500mg/kg以上であり、安全性に優れることが判る。
【0049】
実施例9
イン・ビトロの薬理効果
日本白色家兎を放血致死後、直ちに腎動脈を摘出し、幅約2mmのリング標本を作成した。標本は、約37℃に保温し、5%の炭酸ガスを含有する酸素ガスを通気したクレブス−ヘンゼライト溶液10mlを充填した器官浴中に懸垂した。初期張力2gを懸垂負荷し、反応は等尺性に記録した。標本が安定した後、60mM塩化カリウムを投与して収縮を確かめた。その後、ノルエピネフリン3×10−7Mを投与し、収縮が安定したところでアセチルコリン10−7Mを処置し、内皮依存性弛緩反応の有無を確認した後、ノルエピネフリンで収縮させた標本に、検体の各種濃度の10%DMSO生理食塩水溶液を低濃度側より累積投与し、反応を比較した。比較方法はノルエピネフリンによる最大収縮を0%とし、パパベリン10−4M投与による最大弛緩を100%とし、これより弛緩割合を求め、百分率(%)で表示した。これを検体の薬物濃度に対してプロットし、この容量反応曲線よりpIC50値を求めた。尚、薬物としては本発明化合物(1−a)、対象にはヒドララジンを用いた。その結果を表1に示す。
本発明化合物(1−a)は、ヒドララジンと同程度の血管弛緩作用を有しており、血圧降下作用が期待できることが明らかであった。
【0050】
【表1】
Figure 0003553158
【0051】
実施例10
イン・ビボでの薬理効果
雄性の5週齢のSDラットを用い、本発明の血圧降下剤の血圧降下作用を調べた。試験方法としては、前日から絶食したラットを背位に固定し、左大腿部を切開して大腿動脈を確保した。この大腿動脈に予めヘパリンの生理食塩水溶液を満たしたカニューレを挿入し糸で固定した。切開部を縫合した後、ボールマンケージ内に固定し、カニューレをトランスデゥサーに接続し血圧を記録した。血圧が安定したところで、検体25mg/kgを経口投与し、血圧の変化を経時的に観測した。尚、検体は本発明化合物(1−a)を用いた。その結果を図1に示す。
これより、本発明化合物(1−a)はイン・ビボでも血圧降下作用に優れていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化合物(1−a)を投与後のラットの血圧の経時変化を示す図である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003553158
    で表わされるピリダジノインドール誘導体又は生理的に許容されるその塩。
  2. 5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−1−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール、5−シクロヘキシル−1−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−4−ヒドラジノ−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール、5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−1−(4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル)−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール又は1,4−ビス(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドールのいずれかである請求項1記載のピリダジノインドール誘導体。
  3. 請求項1又は2記載のピリダジノインドール誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤。
  4. 請求項3記載の血圧降下剤を含有することを特徴とする循環器用の医薬組成物。
  5. 一般式(3)
    Figure 0003553158
    〔式中、R1 及びR2 は請求項1と同じものを示す〕で表わされるピリダジノインドールジオン誘導体。
  6. 5−シクロヘキシルピリダジノ〔4,5,b〕インドール−1,4−ジオンである請求項記載のピリダジノインドールジオン誘導体。
  7. 一般式(4)
    Figure 0003553158
    で表わされるピリダジノインドール誘導体。
  8. 1,4−ジクロロ−5−シクロヘキシル−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール、1−クロロ−5−シクロヘキシル−4−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドール又は4−クロロ−5−シクロヘキシル−1−(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−8−メトキシ−ピリダジノ〔4,5,b〕インドールのいずれかである請求項記載のピリダジノインドール誘導体。
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