JPH0722881U - ベビーカーの日除け用幌の高さ調節構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 日除け用幌のホルダーが座席の側面に沿って
昇降摺動できるよう構成する。 【構成】 座席の両側に日除け幌のホルダーを摺動させ
る昇降摺動部を形成し、この昇降摺動部に日除け用幌の
ホルダーを摺動自在に取付ける。また、ホルダーの一部
に突出形成した係止用凹溝を座席の一部に選択的に嵌合
係止させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はベビーカーに取り付ける日除け用幌の高さ調節構造、特に二人乗り用 ベビーカーに適用する日除け用幌の高さ調節構造に関する。

【０００２】

【考案の背景】

一人乗り用のベビーカーに取付ける日除け用幌は、折り畳み自在に構成した幌 躯体（数本の幌骨の両端部を一か所に取りまとめたもの）の両端部を、座席後方 の両側適宜位置に形成した装着部に着脱自在に取付けるよう構成することが一般 的であり、ベビーカーを折り畳む場合も、日除け用幌だけを事前に折り畳む等の 予備的操作を行う必要はなく、ベビーカー本体を折り畳むと日除け用幌も同時に コンパクトに折り畳める構造となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら二人乗り用ベビーカーの場合、特に、図１例示のように幼児用の 座席が前後二列に配列された構造の場合、図２、図３例示のようにベビーカー本 体を折り畳むと、後部座席に取付けた日除け用幌の上端部は、手押し杆の上端部 よりも下方に位置するためベビーカーを取り扱う際に特に問題とならないが、前 部座席に取付けた日除け用幌は、座席の取付け部がベビーカー本体の前半部に位 置している関係上、ベビーカー本体を折り畳んだ際に日除け用幌の上端部が手押 し杆の上端部より上方に露出してしまい、折り畳まれたベビーカーを携帯しよう とする時、手押し杆の上端部よりも上方に突出した日除け用幌が操作の邪魔にな り手押し杆の取扱いが不便となる等の欠点があった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は上記した問題に対応しようとするものであり、ベビーカー本体を折り 畳んだ時に手押し杆の上方に突出した前部座席用の日除け用幌を、前部座席に沿 って簡単に下降させ、手押し杆の上端部位置よりも下方に移動できるよう構成し たベビーカーの日除け用幌の高さ調節構造を提供することを目的としている。

【０００５】 また本考案の他の目的は、押し下げられた日除け用幌がワンタッチで上昇操作 できるよう構成し、しかも上昇させられた日除け用幌は所定位置で正確に停止で きるよう構成したベビーカーの日除け用幌の高さ調節構造を提供せんとするもの である。

【０００６】

【考案の要点】

本考案は、幼児用座席の両側部に、日除け用幌の両端部を着脱自在に嵌挿させ る日除け用幌のホルダーを昇降自在に取付け、日除け用幌のホルダーの一部に突 設した係止突起が、日除け用幌のホルダーの背面に位置する座席板に形成した嵌 合部に嵌合係止できるよう構成してなるベビーカーの日除け用幌の高さ調節構造 を考案の要点としている。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００８】 総括的にＡで示すベビーカーは、折り畳み可能な二人乗りベビーカーとして公 知のものであり、対向する一対の前脚杆１，１と、一対の後脚杆２，２及び一対 の肘掛け杆３，３をそれぞれ幅方向に連結するとともに、一対の前脚杆１，１及 び後脚杆２，２並びに一対の肘掛け杆３，３に囲まれる内側位置に前部座席４及 び後部座席５をそれぞれ取付け、後脚杆２，２の中間部から手押し杆６を起立さ せた構造としている。

【０００９】 前部座席４の後端部には背当て部７が、また後部座席５の後端部には背当て部 ８が、それぞれリクライニング操作を可能として取付けられており、二つの背当 て部７及び８の上端部には日除け用幌９及び10が折り畳み可能に取付けられてい る。

【００１０】 日除け用幌９及び10の構造は公知のものであり、コ字状に折り曲げ形成した数 本の幌骨（図示しない）の両端部を一か所に取りまとめて扇状に、且つ拡開自在 に形成するとともに、展開された数本の幌骨に日除け用布帛Ｃを貼付けた構造と している。

【００１１】 後部座席５の背当て部８に取付ける日除け用幌10は肘掛け杆３の上端部に形成 した装着部（図示しない）に日除け用幌10の両端部を着脱自在に嵌合する公知の 構造であるのでこれに関する詳細な説明は省略する。

【００１２】 前部座席の背当て部７は、断面形状が円形を呈する枠杆71をコ字状に折り曲げ 形成し、コ字状に形成した枠杆71の両端部分を前部座席４の後部両側に形成した 支承部41，41に起伏自在に枢着している。

【００１３】 コ字状に形成した枠杆71に囲まれる内側全面には背当て板72が貼り付けられて いる。

【００１４】 11は前部座席４に取り付ける日除け用幌９のホルダーであり、コ字状に形成し た枠杆71の両側起立部に昇降自在に取付け、日除け用幌９の両端部を着脱自在に 装着できるよう構成している。

【００１５】 日除け用幌９のホルダー11は、前部座席４を形成するコ字状の枠杆71に摺動自 在に取付けるものであり、枠杆71を摺動自在に嵌挿させるため円形の透孔を形成 した枠杆嵌合部12と、日除け用幌９の幌骨基端部を着脱自在に嵌合させる幌嵌合 部13とで構成し、枠杆71の嵌合部12の背面には、背当て板72の両側位置に取付け た細長い板状のストッパー73の上下両端部近くに切欠形成した係止突起74，74に 嵌合する係止用凹溝14を一体的に形成している。

【００１６】 なお、実施例において前部座席４の囲枠となるコ字状の枠杆71を断面円形の杆 体で構成し、枠杆71で囲まれる内側に背当て板72を貼り付けた構造を例示したが これに限定される必要はなく、例えば、前部座席４全体を硬質合成樹脂板のよう な板状体で形成し、板状体の両側部に日除け用幌９のホルダー11を摺動自在に取 付けることも可能である。

【００１７】 図５に例示するように、板状のストッパー73に形成した係止突起74の両側部分 には縦長の溝状切欠部75，75を形成することが望ましく、このように形成すれば 係止突起74を形成した先端部分が弾性を持って上方に浮き上がる力を付勢される ので、ホルダー11の係止用凹溝14との嵌合を一層強固に維持できる。

【００１８】 また、実施例では日除け用幌９のホルダー11の裏面に係止凹溝14を形成し、板 状ののストッパー73側にこれと嵌合する係止突起74，74を突設した構造を例示し たが、これと逆にホルダー11の裏面に係止突起を突設し、ストッパー73側に嵌合 用凹溝又は嵌合用切欠部を形成することも可能である。

【００１９】 また、実施例における細長い板状のストッパー73を単独の物品として構成せず 背当て板72の両側部をストッパーとして利用することも可能である。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は上記のように日除け用幌９のホルダー11を、前部座席４の両側部に対 し昇降摺動を可能とするよう取付ける構造としたので、図２、図３例示のように ベビーカー本体を折り畳んだ際に手押し杆６の上端部よりも上方に前部座席４に 取付けた日除け用幌９の上端部が露出した場合に（図３実線部分参照）、日除け 用幌９の上端部を強制的に押し下げれば、日除け用幌９の両端部を取付けたホル ダー11，11が枠杆71，71に沿って速やかに下降し、手押し杆６の上端部より下方 位置に下げることが可能となる効果がある。（図３二点鎖線部分参照）

【００２１】 また、日除け用幌９のホルダー11の背面に係止用凹溝14，14を形成し、この係 止用凹溝14，14が、枠杆71背面に取付けたストッパー73に形成した係止突起74， 74に嵌合するよう構成したので、日除け用幌９を希望する所定位置に移動させる と、係止用凹溝15にストッパー73の上方部位に形成した係止突起74が嵌合して濫 に下降摺動若しくは上昇摺動をすることがなく、常に安定した位置を保持できる 特徴がある。

【００２２】 特に、ストッパー73に形成する係止突起74を形成した部分の両側に縦長の溝状 切欠部75，75を形成した時は、係止突起74を形成した先端部分に強い弾撥性が付 与されるので、ホルダー11に形成した係止用凹溝14と係止突起74との係止が一層 強固に維持できる優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 日除け用幌を装着したベビーカーの斜視図

【図２】 ベビーカーを折り畳んだ状態を示す斜視図

【図３】 図２で上方に突出した日除け用幌の移動状況
を示す側面図

【図４】 二人乗りベビーカーの前部座席のみを取り出
して示す斜視図

【図５】 日除け用幌のホルダーが枠杆の下方に停止し
た状態を示す要部の拡大斜視図

【図６】 日除け用幌のホルダーが枠杆の上方に停止し
た状態を示す要部の拡大斜視図

【符号の説明】

Ａ ベビーカー １ 前脚杆 ２ 後脚杆 ３ 肘掛け杆 ４ 前部座席 41 枠杆の支承部 ５ 後部座席 ６ 手押し杆 ７ 前部座席の背当て部 71 枠杆 72 背当て板 73 ストッパー 74 係止突起 75 溝状切欠部 ８ 後部座席の背当て部 ９ 前部座席の日除け用幌 10 後部座席の日除け用幌 11 日除け用幌のホルダー 12 枠杆嵌合部 13 幌嵌合部 14 係止用凹溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中村 仁 東京都新宿区若葉町１−21 有限会社ニド インダストリアルデザイン事務所内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】幼児用座席の両側部に、日除け用幌の両端
   部を着脱自在に嵌挿させる日除け用幌のホルダーを昇降
   自在に取付け、日除け用幌のホルダーの一部に突設した
   係止突起若しくは係止用凹溝が、日除け用幌のホルダー
   の背面に位置する座席板に形成した係止用凹溝若しくは
   係止突起に嵌合係止できるよう構成してなるベビーカー
   の日除け用幌の高さ調節構造。
2. 【請求項２】幼児用座席が、コ字状に折り曲げ形成した
   枠杆と、この枠杆に囲まれる内側に張り渡す背当て板と
   によって構成され、日除け用幌のホルダーが幼児用座席
   を構成する枠杆の両側部に昇降自在に取付けられている
   請求項１記載のベビーカーの日除け用幌の高さ調節構
   造。
3. 【請求項３】日除け用幌を装着する幼児用座席が二人乗
   り用ベビーカーの前部座席である請求項１又は請求項２
   記載のベビーカーの日除け用幌の高さ調節構造。