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JPH07192605A - 電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子源及び画像形成装置

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Publication number
JPH07192605A
JPH07192605A JP34699193A JP34699193A JPH07192605A JP H07192605 A JPH07192605 A JP H07192605A JP 34699193 A JP34699193 A JP 34699193A JP 34699193 A JP34699193 A JP 34699193A JP H07192605 A JPH07192605 A JP H07192605A
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JP
Japan
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electron
wiring
electrode
substrate
electron source
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JP34699193A
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Nobuaki Oguri
宣明 大栗
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
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Canon Inc
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Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面伝導型放出素子を用いて構成した電子源
を有し、高精細大画面を可能とした画像形成装置を提供
する。 【構成】 絶縁性基板11に形成した凹部状溝にX方向
配線電極12を埋め込み、この上に積層した絶縁体層1
3に形成した凹部状溝にY方向配線電極14を埋め込
み、これらで構成されたXYマトリクス配線に接続され
る多数の表面伝導型放出素子を一体化形成した電子源を
具備する画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源及びその応用で
ある表示装置等の画像形成装置にかかわり、特に表面伝
導型放出素子を多数個備える電子源およびその応用であ
る表示装置等の画像形成装置の新規な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下FE型と略す)、金属/絶縁層/金属
型(以下MIM型と略す)や表面伝導型放出素子(以下
SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例としてはW.P.Dyke&
W.W.Dolan,”Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics,8,89(1956)あるいはC.A.S
pindt,”PHYSICALProperties
of thin−film field emiss
ion Cathodes with moly bd
enium cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等が知られている。
【0004】MIM型の例としてはC.A.Mea
d,”The tunnel−emission am
plifier”,J.Appl.Phys.,32,
646(1961)等が知られている。
【0005】SCE型の例としては、M.I.Elin
son,Radio Eng.Electron Ph
ys.,10,(1965)等がある。
【0006】SCE型は基板上に形成された小面積の薄
膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が
生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型放出
素子としては、前記エリンソン等によるSnO2薄膜を
用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dittme
r:”Thin Solid Films”,9,31
7(1972)]、In23/SnO2薄膜によるもの
[M.Hartwelland C.G.Fonsta
d:”IEEE Trans.ED Conf.”,5
19(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]
等が報告されている。これらの表面伝導型放出素子の典
型的な素子構成として前述のM.ハートウェルの伝子構
成を図5に示す。同図において1は絶縁性基板である。
2は電子放出部形成用薄膜で、H型形状のパターンに、
スパッタで形成された金属酸化物薄膜等からなり、後述
のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部3
が形成される。4は電子放出部を含む薄膜と呼ぶことに
する。尚、図中のL1は0.5〜1mm、Wは0.1m
mで設定されている。
【0007】従来、これらの表面伝導型放出素子におい
ては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2を予
めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部
3を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミング
とは前記電子放出部形成用薄膜2の両端に電圧を印加通
電し、電子放出部形成用薄膜2を局所的に破壊、変形も
しくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放
出部3を形成することである。尚、電子放出部3は電子
放出部形成用薄膜2の一部に亀裂が発生しその亀裂付近
から電子放出が行われる。以下フォーミングにより形成
した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜2を電子放
出部を含む薄膜4と呼ぶ。前記フォーミング処理をした
表面伝導型放出素子は、上述電子放出部を含む薄膜4に
電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、上述電子
放出部3により電子を放出せしめるものである。しかし
ながら、これら従来の表面伝導型放出素子においては、
実用化にあたっては、様々の問題があったが、本出願人
等は、後述する様な様々な改善を鋭意検討し、実用化上
の様々な問題点を解決してきた。
【0008】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であることから、大面積にわたり多数素子
を配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生か
せるようないろいろな応用が研究されている。例えば、
荷電ビーム源、表示装置等があげられる。多数の表面伝
導型放出素子を配列形成した例としては、並列に表面伝
導型放出素子を配列し、個々の素子の両端を配線にてそ
れぞれ結線した行を多数行配列した電子源があげられる
(例えば、本出願人の特開平1−031332)。ま
た、特に表示装置等の画像形成装置においては、近年、
液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに替わって普及
してきたが、自発光型でないため、バックライト等を持
たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示
装置の開発が望まれてきた。表面伝導型放出素子を多数
配置した電子源と電子源より放出された電子によって、
可視光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた表示装置
である画像形成装置は、大画面の装置でも比較的容易に
製造でき、かつ表示部位の優れた自発光型表示装置であ
る(例えば、本出願人のUSP5066883)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】表面伝導型放出素子を
複数配置した電子源を用いて構成される表示装置の画面
を大面積化して電気的に駆動する場合、画面内に配置さ
れる駆動配線の長さが長くなり、電圧印加した配線電極
端と反対の配線電極端間では配線長さ分の配線抵抗が増
大する。これにより以下の問題点が発生する。
【0010】(1)印加した電圧に対する電圧降下が生
じ、配線両端の接続素子間で与えられる電圧が異なるた
め表示輝度の差となって画像のむらが生じる。
【0011】(2)印加した素子駆動信号の時間的遅延
が生じ、これが配線両端の接続素子間で与えられる駆動
信号の時間的ずれとなって画像の乱れが生じる。
【0012】このような問題を解消するために、配線幅
を広げて配線抵抗を小さくしようとすると、対応する画
面内一素子の面積が大きくなり高精細画像表示ができな
くなる。一方、配線のたかさを高くして配線抵抗を小さ
くする場合には、配線の幅に対する高さの比、すなわち
アスペクト比を大きくする必要がある。この高アスペク
ト比配線の製造方法としてはメッキレジストを用いたパ
ターンメッキ法が有効な方法であるが、メッキ法によっ
て得られた配線は一般的に緻密であり、膜厚が厚くなる
程、成長途中でメッキ膜の内部応力が大きくなり基板か
ら剥離する可能性が高くなる。また、薄膜配線や印刷配
線においても膜厚が厚くなる程基板から剥離したり、配
線自体に亀裂が入る可能性が高くなる。
【0013】更に、高アスペクト比配線を実現できて
も、多層配線構造とした場合に生ずる段差が、平面型画
像表示装置の大面積化に際し、電子光学系の設計自由度
の障害となっていた。
【0014】本発明は、かかる従来の問題を鑑みて、簡
易な構成でかつ容易に、多数素子からなる電子源より任
意の素子を選択し、放出電子量を制御する電子源及び該
電子源と対向した位置に蛍光体等の画像形成部材を配置
した表示装置等の画像形成装置において、特に配線用電
極の抵抗を低減し、より高品位な画像を得られるように
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために成された本発明は、絶縁性基板もしくは該基
板上の絶縁体層に設けられた凹部状溝に電極層が埋め込
まれている構造を有する基体に、表面伝導型放出素子を
一体化形成してなる構成を特徴とする電子源であり、更
には、該電子源を具備する画像形成装置である。
【0016】特に本発明によれば、後に詳細に説明する
ように、配線用電極が前記基体に埋め込まれる構造のた
め、配線用電極を容易に厚くすることができ、低抵抗の
配線が実現できるものである。
【0017】以下に特に、本出願人による本発明に関わ
る表面伝導型放出素子の基本的な構成と製造方法及びそ
の特徴(例えば、特開平2−56822等を参考にし
て)について概説する。
【0018】本発明に係わる表面伝導型放出素子の構
成、及び製法の特徴は、次の様なものがあげられる。
【0019】1)フォーミングとよばれる通電処理前の
電子放出部形成用薄膜は、微粒子分散体を分散し形成さ
れた微粒子からなる薄膜、あるいは、有機金属等を加熱
焼成し形成された微粒子からなる薄膜等、基本的には、
微粒子より構成される。
【0020】2)フォーミングとよばれる通電処理後の
電子放出部を含む薄膜は、電子放出部、電子放出部を含
む薄膜とも基本的には、微粒子より構成される。
【0021】図6(a),(b)は、それぞれ、本発明
にかかわる基本的な表面伝導型放出素子の構成を示す平
面図及び断面図である。図6を用いて、本発明に関わる
素子の基本的な構成を説明するが、本発明の電子源及び
画像形成装置では後述するように、この表面伝導型放出
素子を多数個、同一基体上に配線電極と共に形成してい
るものである。
【0022】図6において1は絶縁性基板、5と6は素
子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部で
ある。
【0023】絶縁性基板1としては、石英ガラス,Na
等の不純物含有量を減少したガラス,青板ガラス,青板
ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2(絶縁体
層)を積層したガラス基板等及びアルミナ等のセラミッ
ク等が、あげられる。
【0024】対向する素子電極5,6の材料としては導
電性を有するものであればどのようなものであっても構
わないが、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,Pt,
Ti,Al,Cu,Pd等の金属或は合金及びPd,A
g,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属或は金属酸化
物とガラス等から構成される印刷導体、In23−Sn
2等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体材料等
が挙げられる。素子電極間隔L1は、数百オングストロ
ームより数百マイクロメートルであり、素子電極の製法
の基本となるフォトリソグラフィー技術、即ち、露光機
の性能とエッチング方法等、及び、素子電極間に印加す
る電圧と電子放出し得る電界強度等により設定される
が、好ましくは、1マイクロメートルより十マイクロメ
ートルである。素子電極長さW1,素子電極5,6の膜
厚dは、電極の抵抗値,前述したX,Y配線との結線、
多数配置された電子源の配置上の問題より適宜設計さ
れ、通常は、素子電極長さW1は、数マイクロメートル
より数百マイクロメートルであり、素子電極5,6の膜
厚dは、好ましくは、数百オングストロームより数マイ
クロメートルである。
【0025】絶縁性基板1上に設けられた対向する素子
電極5と素子電極6間及び素子電極5,6上に設置され
た電子放出部を含む薄膜4は、電子放出部3を含むが、
図6(b)に示された場合だけでなく、素子電極5,6
上には設置されない場合もある。即ち、絶縁性基板1上
に、先述した電子放出部形成用薄膜、対向する素子電極
5,6の電極順に積層構成した場合である。また、対向
する素子電極5と素子電極6間全てが、製法によって
は、電子放出部として機能する場合もある。この電子放
出部を含む薄膜4の膜厚は、数オングストロームより数
千オングストロームであり、好ましくは10オングスト
ロームより200オングストロームであり、素子電極
5,6へのステップカバレージ、電子放出部3と素子電
極5,6間の抵抗値及び電子放出部3の導電性微粒子の
粒径、後述する通電処理条件等によって、適宜設定され
る。その抵抗値は、10の3乗より10の7乗オーム/
□のシート抵抗値を示す。電子放出部を含む薄膜4を構
成する材料の具体例を挙げるならばPd,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb等の金属、PdO,SnO2,In23
PbO,Sb23等の酸化物、HfB2,ZrB2,La
6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiC,Z
rC,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、Ti
N,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導
体、カーボン,AgMg,NiCu,Pb,Sn等であ
り、微粒子膜からなる。
【0026】なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さす。
【0027】電子放出部3は、数オングストロームより
数千オングストロームの粒径の導電性微粒子多数個から
なり、好ましくは10オングストロームから200オン
グストロームである。電子放出部を含む薄膜4の膜厚及
び後述する通電処理条件等の製法に依存しており、適宜
設定される。電子放出部3を構成する材料は、電子放出
部を含む薄膜4を構成する材料の元素の一部あるいは全
てと同様の物である。
【0028】電子放出部3を有する電子放出素子の製造
方法としては様々な方法が考えられるが、その一例を図
7に示す。2は電子放出部形成用薄膜で例えば微粒子膜
が挙げられる。
【0029】以下、順を追って製造方法の説明を図6及
び図7に基づいて説明する。
【0030】1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有機
溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等に
より素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技術
により該絶縁性基板1の面上に素子電極5,6を形成す
る(図7(a))。
【0031】2)絶縁性基板1上に設けられた素子電極
5と素子電極6との間に、素子電極5と6を形成した絶
縁性基板上に有機金属溶液を塗布して放置することによ
り、有機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液と
は、前記Pd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,
Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属を主
元素とする有機化合物の溶液である。この後、有機金属
薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等によ
りパターニングし、電子放出部形成用薄膜2を形成する
(図7(b))。尚、ここでは、有機金属溶液の塗布法
により説明したが、これに限る物でなく、真空蒸着法,
スパッタ法,化学的気相堆積法,分散塗布法,ディッピ
ング法,スピナー法等によって形成される場合もある。
【0032】3)つづいて、フォーミングと呼ばれる通
電処理を、素子電極5,6間に不図示の電源によりパル
ス状電圧を印加して行うと、電子放出部形成用薄膜2の
部位に構造の変化した電子放出部3が形成される(図7
(c))。この通電処理により電子放出部形成用薄膜2
を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、構造の変化
した部位を電子放出部3と呼ぶ。先に説明したように、
電子放出部3は導電性微粒子で構成されていることを本
出願人らは観察している。
【0033】上記フォーミング処理の電圧波形の一例を
図8に示す。
【0034】図8中、T1及びT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、T1を1マイクロ秒〜10ミリ
秒、T2を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波
の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は4V〜10
V程度とし、フォーミング処理は真空雰囲気下で数十秒
間程度で適宜設定した。
【0035】以上説明した電子放出部を形成する際に、
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
てもよく、その波高値及びパルス幅・パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されれば所望の値を選択することが出来る。
【0036】図9は、図6で示した構成を有する本発明
にかかわる電子放出素子の電子放出特性を測定するため
の測定評価装置の概略構成図である。図9において、1
は絶縁性基体、5及び6は素子電極、4は電子放出部を
含む薄膜、3は電子放出部を示す。また、91は素子に
素子電圧Vfを印加するための電源、90は素子電極5
・6間の電子放出部を含む薄膜4を流れる素子電流If
を測定するための電流計、94は素子の電子放出部より
放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電
極、93はアノード電極94に電圧を印加するための高
圧電源、92は素子の電子放出部3より放出される放出
電流Ieを測定するための電流計である。電子放出素子
の上記素子電流If、放出電流Ieの測定にあたって
は、素子電極5,6に電源91と電流計90とを接続
し、該電子放出素子の上方に電源94と電流計92とを
接続したアノード電極94を配置している。また、本電
子放出素子及びアノード電極94は真空装置内に設置さ
れ、その真空装置には不図示の排気ポンプ及び真空計等
の真空装置に必要な機器が具備されており、所望の真空
下で本素子の測定評価を行えるようになっている。
【0037】なお、アノード電極の電圧は1kV〜10
kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3mm
〜8mmの範囲で測定した。
【0038】なお、表面伝導型放出素子においては、前
記の基本的な素子構成の基本的な製造方法のうち一部を
変更してもよい。
【0039】次に、本発明の電子源及び画像形成装置に
ついて、図10を用いて説明する。111は絶縁性基
板、112はX方向配線、113はY方向配線、114
は表面伝導型放出素子、115は結線である。
【0040】同図において、絶縁性基板111は、前述
したガラス基板等であり、その大きさ及びその厚みは、
絶縁性基板111に設置される表面伝導型放出素子の個
数及び個々の素子の設計上の形状、及び電子源の使用時
に容器の一部を構成する場合には、その容器を真空に保
持するための条件等に依存して適宜設定される。m本の
X方向配線112は、DX1,DX2,・・DXmからな
り、絶縁性基板111上に、真空蒸着法,印刷法,スパ
ッタ法等で形成し、所望のパターンとした導電性金属等
からなり、多数の表面伝導型放出素子にできるだけほぼ
均等な電圧が供給される様に、材料,膜厚,配線巾が設
定される。Y方向配線113は、DY1,DY2・・DY
nのn本の配線よりなり、X方向配線112と同様に真
空蒸着法,印刷法,スパッタ法等で形成し、所望のパタ
ーンとした導電性金属等からなり、多数の表面伝導型放
出素子にほぼ均等な電圧が供給される様に、材料,膜
厚,配線巾等が設定される。これらm本のX方向配線1
12とn本のY方向配線113間には、不図示の層間絶
縁層が設置され、電気的に分離されて、マトリックス配
線を構成する。尚、このm,nは、共に正の整数であ
る。不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法,印刷法,スパ
ッタ法等で形成されたSiO2等であり、X方向配線1
12を形成した絶縁性基板111の全面或は一部に所望
の形状で形成され、特に、X方向配線112とY方向配
線113の交差部の電位差に耐え得る様に、膜厚,材
料,製法が、適宜設定される。また、X方向配線112
とY方向配線113は、それぞれ外部端子として引き出
されている。
【0041】尚、m本のX方向配線112の上にn本の
Y方向配線113を、層間絶縁層を介して設置した例で
説明したが、n本のY方向配線113の上にm本のX方
向配線142を、層間絶縁層を介して設置する場合もあ
る。
【0042】更に、前述と同様にして、表面伝導型放出
素子114の対向する素子電極(不図示)が、m本のX
方向配線DX1,DX2,・・DXmのm本とX方向配線
112と、DY1,DY2,・・DYnのn本のY方向配
線113と、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等で形成
された導電性金属等からなる結線115によって電気的
に接続されているものである。
【0043】尚、m本のX方向配線112とn本のY方
向配線113と結線115と素子電極の導電性金属は、
その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、ま
たそれぞれ異なってもよく、Ni,Cr,Au,Mo,
W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或は合金及
びPd,Ag,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属或
は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In
23−SnO2等の透明導体及びポリシリコン等の半導
体材料等より適宜選択される。また表面伝導型放出素子
は、絶縁性基板111あるいは、不図示の層間絶縁層上
どちらに形成してもよい。
【0044】また、前記X方向配線112には、X方向
に配列する表面伝導型放出素子114の行を任意に走査
するための走査信号を印加するための不図示の走査信号
発生手段と電気的に接続されている。
【0045】一方、Y方向配線113には、Y方向に配
列する表面伝導型放出素子114の列の各列を任意に変
調するための変調信号を印加するための不図示の変調信
号発生手段と電気的に接続されている。
【0046】更に、各表面伝導型放出素子に印加される
駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号
の差電圧として供給されるものである。
【0047】つぎに、以上のようにして作成した電子源
を用いた表示等にもちいる画像形成装置について図3と
図4を用いて説明する。図3は画像形成装置の基本構成
図であり、図4は該画像形成装置に用いられる蛍光膜の
パターンである。31は上述のようにして電子放出素子
を作製した電子源基板、32は電子源基板31を固定し
たリアプレート、40はガラス基板37の内面の蛍光膜
38とメタルバック39等が形成されたフェースプレー
ト、33は支持枠であり、リアプレート32及びフェー
スプレート40をフリットガラス等で封着して、外囲器
41を構成する。
【0048】外囲器41は上述の如く、フェースプレー
ト40、支持枠33、リアプレート32で構成したが、
リアプレート32は主に基板31の強度を補強する目的
で設けられるため、基板31自体で十分な強度を持つ場
合は別体のリアプレート32は不要であり、基板31に
直接支持枠33を封着し、フェースプレート40、支持
枠33、基板31にて外囲器41を構成しても良い。
【0049】蛍光膜38は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、図4に示
されるように蛍光体の配列によりブラックストライプあ
るいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材4
2と蛍光体43とで構成される。ブラックストライプ、
ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の
場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体43間の塗り
分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすること
と、蛍光膜38における外光反射によるコントラストの
低下を抑制することである。ブラックストライプの材料
としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分とする
材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少
ない材料であればこれに限るものではない。
【0050】ガラス基板37に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用い
られる。
【0051】また、蛍光膜38の内面側には通常メタル
バック39が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート40側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で
堆積することで作製できる。フェースプレート40に
は、更に蛍光膜38の導電性を高めるため、蛍光膜38
の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0052】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なう必要がある。
【0053】外囲器41は、不図示の排気管に通じ、1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空度にされ、外
囲器41の封止をおこなわれる。
【0054】尚、容器外端子Dx1〜DxmとDy1〜D
ynを通じ対向する素子電極間に電圧を印加し、上述の
フォーミングを行い、電子放出部を形成し電子放出素子
を作製する。また、外囲器41の封止後の真空度を維持
するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、
外囲器41の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器41内
の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba
等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえ
ば1×10マイナス5乗ないしは1×10マイナス7乗
[Torr]の真空度を維持するものである。
【0055】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1
Dxm,Dy1〜Dynを通じ、電圧を印加することに
より、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバッ
ク39、あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の高
圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜38に衝突さ
せ、励起・発光させることで画像を表示するものであ
る。
【0056】以上述べた構成は、画像表示等に用いられ
る好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に
限られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよ
う適宜選択する。
【0057】また、本発明の思想によれば、画像表示に
用いられる好適な画像形成装置に限るものでなく、感光
性ドラムと発光ダイオード等で構成された光プリンター
の発光ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像
形成装置を用いることもできる。またこの際、上述のm
本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択するこ
とで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源と
しても応用できる。
【0058】次に、本発明の特徴である凹部状溝に電極
層(配線電極)が埋め込まれている構造を有する基体上
に、先述した様な特性を有する表面伝導型放出素子を一
体化形成する例を説明する。
【0059】図1は、本発明の電子源に係る基体の一実
施態様を示しており、図1(a)は部分平面図、図1
(b)は図1(a)のA−A’の断面図、図1(c)は
図1(a)のB−B’の断面図である。
【0060】本実施態様は、多数個の表面伝導型放出素
子を行列状にマトリクス配線したものである。これは、
先ず絶縁性基板11にX方向配線電極を形成するための
凹部状溝を直接形成する。
【0061】次に、配線電極材料を該凹部に充填し、絶
縁性基板11中にX方向配線電極12を得る。
【0062】次に、絶縁体層13を基板上全面に形成す
る。
【0063】続いて、X方向配線電極12上の絶縁体層
13に素子電極5と接続するためのコンタクトホール1
5’を開ける。
【0064】更に、Y方向配線電極14を形成するため
の凹部状溝を絶縁体層13に形成する。
【0065】更に、配線電極材料を絶縁体層13に形成
したコンタクトホール15’及びY方向配線電極形成用
凹部状溝に充填し、絶縁体層13中に結線15及びY方
向配線電極14を得る。
【0066】以上の様にしてX方向及びY方向配線電極
が埋め込まれた基体上に、表面伝導型放出素子の素子電
極5及び6を各々Y方向配線電極14及び結線15に接
続されるようにして、先述した素子の作成方法により表
面伝導型放出素子を一体化形成する。
【0067】本発明において、上記凹部状溝の深さは基
本的に制限はないが、一般に薄膜で成膜する厚み以上す
なわち約10μm以上の深さであれば薄膜法に比べて配
線の厚みを厚くすることができ、低抵抗配線としての効
果を生じる。
【0068】また液晶表示装置(LCD)のような配線
では、TN液晶のセル厚が7μm位となるため、一般に
は基板上に10μm厚の配線が存在することができな
い。すなわち、セル厚の制御ができない等の問題を生じ
る。本発明による配線は基板に埋め込まれているため、
これらの表示装置に用いる場合にも充分に低抵抗配線と
して形成できるため有効である。
【0069】上記凹部状溝の加工方法は特に限定するも
のではないが、例えば一般的に良く知られるダイシング
ソーによる機械的切削法やその他の機械的切削法、ある
いは型を用いたプレスによる圧縮法等を用いることがで
きる。
【0070】また、上記配線電極の形成方法としては、
メッキ膜を形成するメッキ法や導電性ペーストを用いた
ブレードコート法等を用いることができる。配線電極材
料として導電性ペーストを用いた場合、導電性ペースト
の焼成温度は、基板をガラス材とした場合550℃〜6
00℃の範囲で推奨される。
【0071】また、絶縁体層は、電気駆動上、充分に絶
縁されれば、その寸法,厚みは特に限定されない。絶縁
体層として例えば絶縁性ガラスペーストを用いる場合に
は、スクリーン印刷あるいはディップ塗布法を用いて形
成することができる。
【0072】以上の様な構成を有する本発明の電子源及
び該電子源を具備する画像形成装置は、埋め込み構造の
ため各配線用電極を厚くすることができ、低抵抗配線が
実現できる。また、凹部状溝加工精度により、配線形状
が制御できるため、各配線の寸法精度が向上する利点を
有している。一般的にはスクリーン印刷などでは、スク
リーンの伸び、ペーストの流動などにより印刷配線の絶
対寸法精度を精密に制御することは困難であった。
【0073】更に、各配線,絶縁体層が平坦な状態で形
成されるため、多層配線構造において下部電極のエッジ
の部分で絶縁層が薄く形成されてその部分で絶縁破壊を
生じるという問題がなくなる。また、積層される膜面に
段差を生じないため、段切れ等の問題も生じなくなる等
の利点を有している。更には、基体表面上の構造が簡素
化されるため、大面積化した際に生じる種々の障害物が
なく、電子光学系の設計自由度が拡大する。
【0074】また、本発明の構成によれば容易にXYマ
トリクス状に多数の素子を配置することができ、大画面
の画像表示装置を提供できる。なお、図1においてX方
向配線電極12,Y方向配線電極14を凹部状溝に充填
したが、これに限らず、一方の配線電極のみを凹部状溝
に充填するだけでも良い。
【0075】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0076】実施例1 本実施例は図1に示したような構成を有する電子源基板
を作成し、これを用いて画像形成装置を作成したもので
ある。
【0077】先ず初めに、40cm 角,厚さ3mm程度
の青板ガラスからなる絶縁性基板11を十分洗浄した
後、X方向配線電極12を形成するための凹部状溝を絶
縁性基板11に直接形成した。溝の形成は一般的に良く
知られるダイシングソー(商品名ディスコカッタ:ディ
スコ社製)により行った。本実施例では、このX方向配
線電極形成用凹部は、幅100μm,深さ100μmと
した。
【0078】次に配線電極材料である銀ペーストを、ブ
レードコータを使用して絶縁性基板11に形成した凹部
に充填する。更に、580℃程度で15分焼成して絶縁
性基板11中にX方向配線電極12を得た。
【0079】次に、スクリーン印刷によって絶縁性ガラ
スペーストを基板上全面に印刷し、580℃程度で15
分間焼成して絶縁体層13とした。この時の絶縁体層1
3の厚さは80μmとした。
【0080】続いて、X方向配線電極12上の絶縁体層
13に素子電極6と接続するためのコンタクトホール1
5’を開け、更に、X方向配線電極と交差する方向にY
方向配線電極14を形成するための凹部状溝を絶縁体層
13にダイシングソーにより形成した。Y方向配線電極
形成用凹部は幅100μm,深さ60μmとした。
【0081】更に、配線電極材料である銀ペーストをブ
レードコータを使用して、絶縁体層13に形成したコン
タクトホール及びY方向配線電極形成用凹部状溝に同時
充填した。更に、580℃程度で15分焼成して絶縁体
層13中に結線15及びY方向配線電極14を得た。
【0082】このように形成されたX,Yマトリクス状
の埋め込み配線電極は、連続且つ平坦な膜となり、その
抵抗率は膜厚100μmで約1mΩ/□以下と、充分低
抵抗とすることができた。また、埋め込み状態も良好で
あった。
【0083】更に、本実施例において電極の形成法にメ
ッキ法による金メッキ膜を用いた場合には、先ずはじめ
に凹部状溝を形成した基板上全面に真空成膜によりNi
膜を全面形成し、凹部状溝以外の不要なNi膜はフォト
リソグラフィ,エッチングにより除去した。続いてNi
を電極として電解メッキを行ないAu電極を形成した。
【0084】このように形成されたメッキ法による埋め
込み電極も、その抵抗率は膜厚100μmで約1mΩ/
□以下と充分低抵抗とすることができた。
【0085】続いて、フォトリソグラフィ技術とエッチ
ング技術により図6に示したような表面伝導型放出素子
を形成する。
【0086】先ず、素子電極5,6と素子電極間ギャッ
プと成るべきパターンをホトレジスト(RD−2000
N−41 日立化成社製)形成し、真空蒸着法により、
厚さ50ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順次堆積し
た。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/
Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L1は3ミク
ロンとし、素子電極の幅W1を300ミクロン、を有す
る素子電極5,6を形成した。
【0087】次に、図11に示されるような、素子電極
間ギャップL1及びこの近傍に開口を有するマスクによ
り膜厚1000ÅのCr膜を真空蒸着により堆積・パタ
ーニングし、そのうえに有機パラジウム(ccp423
0奥野製薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、
300℃で10分間の加熱焼成処理をした。また、こう
して形成された主元素としてパラジウムよりなる微粒子
からなる電子放出部形成用薄膜2の膜厚は100Å、シ
ート抵抗値は5×10の4乗Ω/□であった。なおここ
で述べる微粒子膜とは、上述したように、複数の微粒子
が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個
々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣
接、あるいは、重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さし、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な
微粒子についての径をいう。
【0088】続いて、Cr膜および焼成後の電子放出部
形成用薄膜2を酸エッチャントによりエッチングして所
望のパターンを形成した。
【0089】つぎに、以上のようにして作成した電子源
基板を用いて画像形成装置を構成した例を、図3と図4
を用いて説明する。
【0090】以上のようにして多数の表面伝導型放出素
子を作成した電子源基板31をリアプレート32上に固
定した後、基板31の5mm上方に、フェースプレート
40(ガラス基板37の内面に蛍光膜38とメタルバッ
ク39が形成されて構成される)を支持枠33を介し配
置し、フェースプレート40、支持枠33、リアプレー
ト32の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中ある
いは窒素雰囲気中で400℃ないし500℃で10分以
上焼成することで封着した(図3参照)。またリアプレ
ート32への基板31の固定もフリットガラスで行っ
た。
【0091】図3において、34は電子放出素子、3
5,36はそれぞれX方向及びY方向の配線である。
【0092】蛍光膜38は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図4参照)を採用し、先にブラックストライプを形
成し、その間隙部に各蛍光体を塗布し、蛍光膜38を作
製した。ブラックストライプの材料として通常良く用い
られている黒鉛を主成分とする材料を用いた。
【0093】ガラス基板37に蛍光体を塗布する方法は
スラリー法を用いた。
【0094】また、蛍光膜38の内面側には通常メタル
バック39が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0095】フェースプレート40には、更に蛍光膜3
8の導電性を高めるため、蛍光膜38の外面側に透明電
極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省
略した。
【0096】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0097】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子DX1〜DXm
Y1〜DYnを通じ電子放出素子34の素子電極間に電圧
を印加し、電子放出部形成用薄膜2を通電処理(フォー
ミング処理)することにより電子放出部3を作成した。
フォーミング処理の電圧波形を図8に示す。
【0098】図8中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅
とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、T2
を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング時の
ピーク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は約1×1
0マイナス6乗torrの真空雰囲気下で60秒間行っ
た。
【0099】このように作成された電子放出部3は、パ
ラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状
態となり、その微粒子の平均粒径は30Åであった。
【0100】次に、10のマイナス6乗[Torr]程
度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱する
ことで溶着し外囲器の封止を行った。
【0101】最後に封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行った。これは封止を行う直前に、高周
波加熱等の加熱法により、画像形成装置内の所定の位置
(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形
成する処理した。ゲッターはBaを主成分とした。
【0102】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子DX1〜D
Xm,DY1〜DYnを通じ、走査信号及び変調信号を不図示
の信号発生手段によりそれぞれ、印加することにより電
子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック39に
数kV以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光
膜38に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示
した。
【0103】以上説明したように本実施例による埋め込
み電極で構成される電子源によれば、埋め込み構造にす
ることで各配線用電極を厚くすることができ、低抵抗配
線を実現できた。また、凹部状溝加工精度により、配線
形状が制御でき、各配線の寸法精度が向上した。
【0104】更に、各配線,絶縁層が平坦な状態で形成
されるため、多層配線構造で問題となっていた下部電極
のエッジの部分での絶縁破壊を生じない。また、積層さ
れる膜面に段差を生じないため、段切れ等の問題をも生
じなかった。更に、本発明による本実施例の電子源及び
画像形成装置では、電子源基板の表面形状が簡素化さ
れ、大面積化した際に生じる種々の障害物がなく、電子
光学系の計設自由度が拡大する。
【0105】また、本実施例の構成によれば、容易に
X,Yマトリクス状に多数の表面伝導型放出素子を配置
することができ、大画面の画像形成装置の作成に適して
いる。
【0106】実施例2 本実施例は図2に示すような構成を有する電子源基板を
作成し、これを用いて画像形成装置を作成したものであ
る。
【0107】尚、図2(a)は該電子源基板の部分平面
図であり、図2(b)は図2(a)A−A’の断面図で
ある。
【0108】先ず初めに、40cm 角,厚さ3mm程度
の青板ガラスからなる絶縁性基板21を十分洗浄した
後、ライン配線電極22を形成するための凹部状溝を絶
縁性基板21に直接形成した。溝の形成は実施例1の方
法で行なった。
【0109】次に、配線電極材料である銀ペーストをブ
レードコータを使用して絶縁性基板21に形成した凹部
状溝に充填する。更に、580℃程度で15分焼成し
て、絶縁性基板21中にライン配線電極22を得た。
【0110】このように形成されたライン配線の埋め込
み電極は、実施例1と同様充分低抵抗とすることができ
た。
【0111】また、電極形成法にメッキ法による金メッ
キ膜を用いた場合も、実施例1と同様に充分低抵抗とす
ることができた。
【0112】続いて、フォトリソグラフィ技術とエッチ
ング技術により、図6に示したような表面伝導型放出素
子を、素子電極5及び6がライン配線電極22に接続さ
れるように、実施例1と同様にして形成した。
【0113】つぎに、以上のようにして作成した電子源
基板に対して、実施例1と同様にしてフォーミング処理
を行った。
【0114】本構成の電子源において、電子放出部を複
数の短冊配線を面状に配置し、この配線と直交して、電
子放出部上部に開口を有する複数の短冊状グリッド電極
を配置させ、電子放出素子配線とグリッド電極に印加す
る駆動電圧を制御して、任意の電子放出素子より電子放
出させることができる。
【0115】更に実施例1と同様に、本実施例の電子源
を真空容器内に複数配置し、フェースプレートを対向さ
せて、電子放出素子より放出された電子線を蛍光体に選
択的に照射することによって蛍光体を発光させることに
より画像形成装置とすることができた。
【0116】以上説明した様に本実施例による埋め込み
電極で構成される電子源によれば、埋め込み構造とする
ことでライン配線用電極を厚くすることができ、低抵抗
配線を実現できた。また、凹部状溝加工精度により、各
配線の寸法精度が決定され、各配線の寸法精度が向上し
た。
【0117】更に本実施例では、絶縁基板中にライン配
線電極を埋め込んでいるため絶縁層を設ける必要がな
く、また、段差がないために平坦性に優れている。
【0118】加えて、本実施例の電子源及び画像形成装
置では、電子源基板の表面形状が簡素化され、大面積化
した際に生じる種々の障害物がなく、電子光学系の設計
自由度が拡大する。また、容易にライン状に多数の表面
伝導型放出素子を配置することができ、大画面の画像形
成装置の作製に適している。
【0119】更に本発明の応用として、上記実施例1及
び実施例2の電子源の形成方法により、長さ40cmの
アレイ状発光素子を作製し、感光性ドラム上に配置する
ことにより、電子写真記録装置を構成することができ
た。
【0120】さらには、電子写真記録装置にアレイ状発
光素子を作製した場合においても同様の効果を得ること
ができる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。
【0122】(1)配線用電極を精度良く容易に厚く形
成でき、低抵抗配線を実現できたことにより、画像形成
装置等の大面積化の際に問題とされていた配線抵抗の増
大による画像むらの発生を防止でき、高精細大画面の画
像形成装置が得られる。
【0123】(2)電子源基体表面の構造が簡素化され
平坦化されると共に、多層配線構造において問題とされ
ていた絶縁破壊等を解消できるため、電子光学系の設計
自由度が拡大し、高信頼度の大画面画像形成装置を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において、XYマトリクス配
線して形成した電子源基板の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例2において、ライン配線して形
成した電子源基板の概略構成図である。
【図3】本発明による画像形成装置の構成例を示す一部
切り欠き斜視図である。
【図4】本発明による画像形成装置における蛍光膜の構
成例を示す図である。
【図5】表面伝導型放出素子の一例を示す構成図であ
る。
【図6】本発明に係る表面伝導型放出素子の実施態様例
を示す概略構成図である。
【図7】本発明に係る表面伝導型放出素子の製造方法の
一例を示す概略的な断面図である。
【図8】表面伝導型放出素子の通電フォーミングの電圧
波形の一例である。
【図9】表面伝導型放出素子の電子放出特性の測定評価
装置を示す概略構成図である。
【図10】多数の表面伝導型放出素子を単純マトリクス
配線して構成した電子源基板の概略図である。
【図11】本発明の電子源の製造工程にかかわる素子平
面図である。
【符号の説明】
11 絶縁性基板 12 X方向配線電極 13 絶縁体層 14 Y方向配線電極 15 結線 15’ コンタクトホール 21 絶縁性基板 22 ライン配線電極 31 電子源基板 32 リアプレート 33 支持枠 34 電子放出素子 35 行方向配線 36 列方向配線 37 ガラス基板 38 蛍光膜 39 メタルバック 40 フェースプレート 41 外囲器 42 黒色導電材 43 蛍光体 1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5 素子電極 6 素子電極 90 電流計 91 電源 92 電流計 93 高圧電源 94 アノード電極 111 絶縁性基板 112 X方向配線 113 Y方向配線 114 表面伝導型放出素子 115 結線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板もしくは該基板上の絶縁体層
    に設けられた凹部状溝に電極層が埋め込まれている構造
    を有する基体に、表面伝導型放出素子を一体化形成して
    なる構成を特徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 前記凹部状溝が、機械的切削または圧縮
    法を用いて形成されたことを特徴とする請求項1に記載
    の電子源。
  3. 【請求項3】 前記電極材料が、メッキ膜または導電性
    ペーストであることを特徴とする請求項1に記載の電子
    源。
  4. 【請求項4】 前記電極層が、メッキ法またはブレード
    コート法を用いて形成されたことを特徴とする請求項1
    に記載の電子源。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の電子源を
    具備する画像形成装置。
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