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JPH07106300B2 - 燃焼排ガス中の窒素酸化物除去法 - Google Patents

燃焼排ガス中の窒素酸化物除去法

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JPH07106300B2
JPH07106300B2 JP1319228A JP31922889A JPH07106300B2 JP H07106300 B2 JPH07106300 B2 JP H07106300B2 JP 1319228 A JP1319228 A JP 1319228A JP 31922889 A JP31922889 A JP 31922889A JP H07106300 B2 JPH07106300 B2 JP H07106300B2
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exhaust gas
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幹郎 熊谷
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、燃焼排ガスのうち、特にディーゼルエンジン
排ガス中のように窒素酸化物(以下「NOx」と呼ぶ)の
ほかに過剰な酸素および水分を含有しているガスを有機
化合物の共存下で触媒に接触させ、排ガス中のNOxの大
部分を無害の窒素ガスに変換する方法に関する。
【従来技術とその問題点】
従来の排ガス中のNOx除去法としては、ボイラー排ガス
に対してはV2O5−TiO2触媒と還元剤としてのアンモニア
ガスを用いる選択的還元性が実用化されており、またガ
ソリンエンジンの排ガスに対しては空気/燃料比の調節
により酸素濃度を制御し、三元触媒を用いてNOx,一酸化
炭素および炭化水素を同時に除去する方法が実用化され
ている(船曵,山田.「自動車排ガス触媒」実用触媒の
学理的基礎研究会 要旨集、触媒学会P15〜20,1989)。
しかしながら前者においては、酸素過剰下の排ガスでも
有効である長所はあるが、還元剤としてアンモニアガス
が必須であり、特殊の用途には有効であるが一般的な用
途には使用しにくい。特に、圧縮点火方式のディーゼル
エンジンを搭載する自動車や一般の定置式小型ボイラー
等には実用しにくい。また、後者の三元触媒方式は酸素
過剰下では無効であり、ディーゼルエンジンの排ガス等
には実用化できない。 そのために、たとえば昭和63年特許願第299622号に記載
されているように、水素化モルデナイトや水素化クリノ
プチロライトにニッケル,銅,クロム,マンガン,鉄,
コバルト,ロージウム,パラジウム,白金,バナジウム
またはモリブデン等の金属元素を担持した触媒と排ガス
を有機化合物の共存下で接触させることを特徴とするNO
x除去法が提案されている。このNOx除去法は、過剰な酸
素が共存する排ガスにも適用可能であり、しかも還元剤
として燃料炭化水素を使用し得るという大きな特徴を有
する。しかし、ここで触媒として用いられているゼオラ
イトの大部分は天然産のものに限られているため、成型
加工が困難であり、組成が必ずしも均一ではない、など
の不都合な点があった。
【発明の概要】
本発明の目的は、これらの不都合な点を克服し、自在な
成型加工が可能で、組成が均一であり、しかもより高い
脱硝率を示し得るNOx除去法を提案することである。 本発明のこうした目的は、触媒として水素化されたゼオ
ライトそのものか、またはそれを担体としてニッケル,
マンガン,クロム,コバルト,鉄,亜鉛およびバナジウ
ムのうち一種類または二種類の金属元素を担持した触媒
を用いることにより達成される。すなわち、本発明の要
点は、触媒または触媒担体として水素化したゼオライト
ならばゼオライトの種類を問わず何れのものでも使用で
きることを発見した点にあり、これによって種々の性質
を持つ合成ゼオライトの使用が可能となり、自在な成型
加工が可能で均一な組成の触媒を合成できるようになっ
た。そして、この触媒を有機化合物の共存下に窒素化合
物を含む排ガスと接触させることにより、たとえ排ガス
が多量の酸素を含有していても窒素酸化物を選択的に除
去することができる。
【発明の構成】
ゼオライトの水素化の方法としては、ゼオライトをくり
返し鉱酸で洗い、ゼオライト中の交換可能な陽イオンを
水素イオンで置き換える方法、またはゼオライトをアン
モニウムイオン含有水でくり返し洗い、ゼオライト中の
陽イオンをアンモニウムイオンで置換した後、加熱焼成
によりアンモニアを揮散させ水素化する方法があるが、
本発明ではいずれの方法でも有効である。 本発明では、水素化したゼオライトを用いることが最も
重要な特徴の一つであり、後述の実施例1と対照例1の
比較から明らかなように、ゼオライトを水素化しない場
合にはNOxの除去はほとんど起こらない。本発明に用い
るゼオライトとしては、水素化したゼオライトならばゼ
オライトの種類を問わず何れのものでも用いることがで
きる。しかしながら、一般にゼオライトの耐酸性はゼオ
ライトの組成の指標であるシリカ/アルミナ比に依存
し、この値の小さいゼオライトは耐酸性が劣ると言われ
ており、また水素化したゼオライトには、固体酸性,疎
水性などの性質があるが、これらの性質はシリカ/アル
ミナ比に依存することが知られている(触媒講座10,触
媒各論,触媒学会編,講談社 1986年)。したがって、
これらを担持とする触媒の性質はシリカ/アルミナ比に
よって大きく変わると予想された。本発明者らは、多数
のゼオライトを試験した結果、実施例1および実施例2
に示すように、シリカ/アルミナ比が概ね5以上のゼオ
ライトを水素化したものは本発明の触媒として好ましい
ことを見出した。さらに、同実施例に明らかなように、
シリカ/アルミナ比が概ね10以上のゼオライトを用いれ
ば活性をさらに高めることができる。 水素化ゼオライト触媒として、たとえばY型,L型,オフ
レタイト・エリオナイト混晶型,モルデナイト型,フェ
リエライト型,ZSM−5型などの合成ゼオライトを水素化
したものを用いることができるが、本発明の対象はこれ
らに限定されるわけではない。本発明によれば、触媒と
して種々の合成ゼオライトが使用できるので、天然ゼオ
ライトに比べて自由な形状に成型することが容易であ
る。また、本発明の方法によれば、三元触媒の場合と異
なり排ガス中の酸素濃度の大小にかかわらず、窒素酸化
物を選択的に除去し得ることは実施例で明かである。還
元剤として用いる有機化合物としては炭化水素類,アル
コール,ケトン,エーテル等のすべてが有効であり、ア
ンモニアによる既知の選択還元方法にくらべてはるかに
広範囲に使用可能である。 金属元素の担持は、たとえば、それらの塩類の水溶液に
上記の方法で水素化したゼオライトを、固体/液体の体
積比1:3の割合で加えて2時間攪拌し、液を分離して乾
燥,焼成することにより行うことができる。このように
して調整した触媒の金属担持量は平均6%程度である。
【実施例】
以下の実施例においては、Y型,L型,オフレタイト・エ
リアナイト混晶型,モルデナイト型,フェリエライト
型,ZSM−5型の各々の合成ゼオライトは東ソー(株)製
のTSMシリーズの合成ゼオライトを使用した。これらの
ゼオライトを4N塩酸中に100℃で4時間浸漬後十分に水
洗,乾燥し、水素化した。 触媒活性試験は水素化ゼオライトまたはこれに金属元素
を担持した触媒を加圧成型した上で粉砕し、ふるいで10
〜20メッシュの粒径範囲に揃えたもの5cm3を内径10mmの
ステンレス製反応管に充填して行った。模擬排ガスとし
ては、容積比N0 0.15%,酸素10%、および水分7.3%
を含み、アルゴンガスをバランスガスとした混合ガスを
用いた。また、還元剤としての有機化合物はプロパンを
使用し、NOx濃度の4〜5倍(モル比)になるように添
加した。模擬ガス中のNOxの測定は化学発光法によって
行った。NOxの除去率は、触媒層出口ガス中のNOx濃度の
値を入口ガス中の値で割ったパーセント値を100%から
引いたものとした。 以下、実施例と対照例を示す。 実施例1:水素化ゼオライト触媒によるNOx除去(表−
1) 水素化ゼオライト触媒のNOx除去率を表−1に示す。触
媒温度は400℃、模擬排ガス流量は毎分210cc(ガス空間
速度 SV=2500hr-1)である。ゼオライトのシリカ/ア
ルミナ比が10以下では、NOx除去率は低いが、シリカ/
アルミナ比が12以上では、その除去率は30%以上であ
る。この結果から、水素化したゼオライトのみでもシリ
カ/アルミナ比が概ね10以上であれば還元剤としての有
機化合物を添加することにより過剰な酸素を含む排ガス
中のNOxを除去し得ることがわかる。 実施例2:金属担持水素化ゼオライト触媒によるNOx除去
(表−2) 水素化したゼオライトにニッケル,マンガン,クロム,
コバルト,亜鉛,鉄およびバナジウムのうち一種類また
は二種類の元素を担持した金属担持触媒のNOx除去率を
表−2に示す。試験条件は実施例1と同様である。 水素化したゼオライトに金属元素を担持することによ
り、シリカ/アルミナ比が10以下でも亜鉛担持触媒を除
いて、NOxの除去率は20%以上であり、また、シリカ/
アルミナ比が10以上の場合には、クロムおよび亜鉛の担
持触媒を除いて、60%以上のNOx除去率が得られてい
る。このことから、水素化したゼオライトに金属元素を
担持することにより、著しくNOx除去率が向上すること
がわかる。 実施例3:脱硝反応生成物の確認(表−2) 除去されたNOxの反応後の化学形態として窒素,亜酸化
窒素(N2O)および硝酸が考えられるので、これらの分
析を行った。模擬ガスはアルゴンをバランスガスとして
いるので、窒素生成量の測定値からNOxの窒素への転換
率を求めることができる。窒素および亜酸化窒素の測定
はガスクロマトグラフにより行い、その確認は、アルゴ
ンをバランスガスとした純窒素および純亜酸化窒素の標
準ガスを用いて同定した。また、硝酸は触媒層出口ガス
を冷却し、回収した水溶液を水酸化ナトリウムで適定し
て求めた。その結果、亜酸化窒素および硝酸は検出下限
以下であり、これらの物質の生成は認められず、そのほ
とんどは窒素ガスであった。 NOxの窒素ガスへの転換率は、除去されたNOx濃度2モル
から1モルの窒素ガスが生成されると仮定し、窒素の測
定値の2倍量を除去されたNOx量で割った値のパーセン
ト値とした。求めた結果は表−2に示した通りで、本発
明の金属担持触媒は除去したNOxのほぼ100%を無害の窒
素ガスに変換する。 対照例1 水素化しないゼオライトによるNOx除去(表
−3) 実施例1と同一の種類のゼオライトを水素化せず、直接
そのものを加圧成型し、10〜20メッシュに整粒したもの
を用いた。試験条件は実施例1と同様である。得られた
除去率は表−4に示す通りで、NOxの除去はほとんだ起
こらなかった。 対照例2 有機化合物を添加しないときの水素化ゼオラ
イト触媒によるNOx除去(表−3) 実施例1と同一の種類の水素化したゼオライトを用い、
還元剤としての有機化合物を添加せず、他の条件は実施
例1と同一の試験を行った。このときのNOx除去率は表
−3に示す通りで、NOx除去はほとんど起こらなかっ
た。 対照例3 有機化合物を添加しないときの金属担持水素
化ゼオライト触媒によるNOx除去(表−3) 実施例2に用いた金属担持触媒を用いて対照例2と同様
に還元剤としての有機化合物を添加しない試験を行った
結果、すべての触媒のNOx除去率は10%以下であった。
そのうちニッケル担持触媒の例を表−3に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 29/69 29/78

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素および水分を含有する燃焼排ガスを、
    水素化したゼオライト触媒、またはこの水素化したゼオ
    ライト触媒に亜鉛,バナジウム,クロム,マンガン,
    鉄,コバルトおよびニッケルからなる群から選択された
    金属の1種または2種以上を担持した触媒に、有機化合
    物の共存下で接触させることを特徴とする燃焼排ガス中
    の窒素酸化物除去法。
  2. 【請求項2】前記ゼオライト触媒は、シリカ/アルミナ
    比が5以上の組成のゼオライトからなる請求項1記載の
    燃焼排ガス中の窒素酸化物除去法。
  3. 【請求項3】前記ゼオライト触媒は、Y型ゼオライト,L
    型ゼオライト,オフレタイト・エリオナイト混晶型ゼオ
    ライト,フェリエライト型ゼオライトまたはZSM−5型
    ゼオライトからなる請求項1または2記載の燃焼排ガス
    中の窒素酸化物除去法。
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