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JPH0698347B2 - 浮上分離サイクロン装置 - Google Patents

浮上分離サイクロン装置

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Publication number
JPH0698347B2
JPH0698347B2 JP29018490A JP29018490A JPH0698347B2 JP H0698347 B2 JPH0698347 B2 JP H0698347B2 JP 29018490 A JP29018490 A JP 29018490A JP 29018490 A JP29018490 A JP 29018490A JP H0698347 B2 JPH0698347 B2 JP H0698347B2
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foam
liquid
cyclone
scum
raw water
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JP29018490A
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一豊 杉原
安秀 木野田
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一豊 杉原
安秀 木野田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は廃水液中の溶存物質、懸濁性物質、沈降性物質
などを浮上分離させる浮上分離サイクロン装置に関す
る。
〈従来技術〉 従来、廃水中の溶存物質、懸濁性物質、沈降性物質等の
分離除去方法としては、濾過、凝集、沈澱、電解、加圧
浮上などの各種の方法があるが、それぞれ技術的、経済
的、処理能力的、あるいは立地条件的に問題が多い。
この対策として先に本発明者は、廃水又は前処理された
廃水を界面活性剤のような気泡性のあるものの存在下
で、多量の低圧空気と薬剤とを混合撹拌し、発生する接
着性に富む泡沫により廃水中の各種フロック、懸濁物質
を捕捉し、これに特殊薬を添加し、強固な泡沫スカムと
して浮上分離させる低圧浮上分離法(特願昭54-2781)
を提案した。
さらに、本発明者はこの低圧浮上分離方法を発展させ
て、浮上分離工程における処理能力の飛躍的向上と、分
離スカムの脱水性改善に伴なう機械的脱水工程の不要化
と、装置の小型化、コストダウン、設置面積の縮小化と
を図るために、特願昭57-127235号において、浮上分離
サイクロン装置を用いた浄化装置を提案した。
(イ)まず原水槽内の原水に、条件付与槽において条件
付与系薬剤を注入し、撹拌装置で撹拌して重金属化合物
を析出させるか、あるいはエマルジョンを破壊してフロ
ックを生じさせる。
(ロ)このようにした後、第5図に示すように原水に浮
上分離サイクロン装置1のサイクロン本体2への流過経
路3において、エアーポンプ4で低圧のエアーを注入し
て、ポンプ5で混合撹拌してサイクロン本体2に達する
流過経路3において微細な気泡(泡沫)を発生させ、こ
の泡沫の周囲にフロックが接着した破壊されにくい強固
な泡沫スカムを多量に形成させる。なお、ポンプ5の直
前あるいは直後に浮上分離系薬剤を注入してこの泡沫ス
カムの発生を促進させる。
(ハ)そして、このように大量の泡沫スカムが形成され
た状態の原水を、第5図に示す浮上分離サイクロン装置
1のサイクロン本体2の外周に取付けたらせんパイプ6
へ送り、サイクロン本体2内へ貫入したらせん管6の先
端部6aによって、円周方向に、泡沫が破壊されない程度
の低速で送り込む。大量の泡沫スカムAが発生した状態
の原水は、サイクロン本体2内を円運動で回遊する。
(ニ)この円運動における遠心分離作用によって、液体
は比重が重いので半径方向外側に、泡沫スカムAは比重
が軽いので中心部に集まり、泡沫スカムAは互いに付着
して塊りとなり、浮力によって泡沫スカムAの塊りは上
部へと浮上する。
そして、泡沫スカムAは、後続して送り込まれてくる泡
沫スカムAの浮力で、順次上法へ押し上げられて、液面
より上方へ突出した状態となり、このため自然脱水が進
行し、次第に含水率の低い泡沫スカムとなる。そして、
さらに後続して液面より上方へ押し上げられる泡沫スカ
ムによって、先の泡沫スカムは、さらに筒体2の開口部
2aの上端より順次上方へ押し上げられ、このため、泡沫
スカムに付着した液体が流下して、さらに含水率の低い
泡沫スカムとなって次第に圧密される。
そして、この開口部2aより上方への押し上げられた泡沫
スカムは、スキマー(かき落とし機)によって開口部2a
の外周のシュート7にかき落とされ、このシュート7か
らスカム脱水装置(図示せず)へ排出されて、スカム脱
水装置でさらに液体が分離され脱水される。このように
して原水中の除去すべき物質は排除される。
浮上分離サイクロン装置1のサイクロン本体2の下部か
らは、泡沫スカムと分離されて浄化された液体が、矢印
Bのようにそのまま排出されるか、あるいは第2の浮上
分離サイクロンへ送られて、泡沫スカムとの分離により
さらに浄化された後、排出される。
〈本発明が解決しようとする問題点〉 このように特願昭57-127235号の浮上分離サイクロン装
置1を用いると、迅速な汚水の大量処理が実現される
が、次の問題点があった。
(a)前記浮上分離サイクロン装置1では、原水に泡沫
スカムを発生させて浮上分離サイクロン装置1のサイク
ロン本体2内に導入しているが、原水の汚れがひどい
と、泡沫の発生力が弱い(これは原水中の汚濁物質が大
きく重量が大であると、泡沫に付着しても、すぐ泡沫が
壊れてしまうためである。)。
従って、原水の汚れがひどいほど、泡沫スカムの発生量
が逆に少なくなり、このため、汚濁物資が充分に分離さ
れず、浄化の効率が悪かった。このため、汚れのひどい
原水の場合、浮上分離サイクロン装置1を数段以上設け
なければならなかった。
(b)らせんパイプ6内で原水中の汚濁物質は泡沫に付
着して泡沫スカムとなって、サイクロン本体2内へ導入
されるが、サイクロン本体2内では泡沫はらせんパイプ
6の先端部6aからそのまま上部へ浮上してしまうので、
らせんパイプ6内で泡沫に付着しなかった汚濁物質はサ
イクロン本体2内で泡沫に出会わずにそのまま沈降して
しまうので、浄化の効率が悪かった。
(c)原水中には、各種薬剤による金属のマスキング
化、油のエマルション化されたものが多い。従って、こ
れ等の処理には、前処理としてpHの調整、各種ブレーカ
ー、凝集剤、吸着助剤などの試薬が使用される。従っ
て、浮上分離サイクロン装置1で浄化した液体内に、こ
れらの試薬が残存するため、浄化した液体でもそのまま
廃棄するのが不適当な場合があった。
(d)この浮上分離サイクロン装置で浄化しても、原水
の汚れがひどい場合には、においを発する物質やBOD
源、COD源が多く溶存している場合があり、そのまま直
接廃棄するには、不都合があった。このため、従来で
は、さらに曝気装置や、生物処理装置を設けて処理する
必要があり、浄化装置全体が大型化し、これらの装置の
ための設置面積が必要となっていた。
本発明はこのような問題点を解決し、簡単な手段を付加
するだけで浄化の効率を格段に向上させ、浄化した液体
中の残存試薬を少なくするようにし、さらに曝気装置や
生物処理装置を不要にした浮上分離サイクロン装置を提
供することを目的としている。
〈前記問題点を解決するための手段〉 前記問題点を解決するために本発明の浮上分離サイクロ
ン装置では、 泡沫スカムが分離した液体の一部を前記サイクロン本体
の下部から取り出し、該液体に気体を混合撹拌してサイ
クロン本体内に環流させるようにしたことを特徴として
いる。
〈作用〉 このようにしたために、サイクロン本体の下部からは、
泡沫スカムと分離されて浄化された液体の一部が取り出
される。この浄化された液体は、初めに導入される原水
の汚れがひどくても、サイクロン本体に初めに導入され
た状態より汚れが少なくなっているので、気体を混合撹
拌すると多量の泡沫を発生する。この泡沫が多量に発生
した液体がサイクロン本体内に環流される。
この環流した液体中の多量の泡沫は、サイクロン本体内
で、初めにサイクロン本体内に円周方向に導入された泡
沫スカムを上方へ浮力によって押し上げる働きをする。
そればかりでなく、初めに導入された泡沫に付着せずに
浮遊あるいは下方へ沈降しようとしている微細な汚濁物
質が、この環流された液体中の多量の泡沫に付着して、
新らたに多量の泡沫スカムとなって、円周方向に回遊し
て中央に集まって泡沫スカムの塊りとなって上昇する。
このため、サイクロン本体内に初めに円周方向に導入さ
れる液体の汚れがひどくて泡沫スカムの発生量が少なく
ても、サイクロン本体の下部から浄化水の一部を取り出
して、気体を混合撹拌して多量の泡沫を含んだ液体とし
て環流させ続けるので、初めに導入された泡沫に付着す
る機会を得ずに浄化水中に残存した汚濁物質は順次、泡
沫に付着して除去されることになり、浄化の効率は飛躍
的に向上する。
しかも、環流液体による泡沫は、液体中に残存する試薬
と相俟って、強固な泡沫スカムとなり、サイクロン本体
から廃棄される浄化水は、一般と浄化が進む。
また、サイクロン本体の下部からの液体の環流におい
て、注入空気と激しく撹拌、混合され、気泡の微細粒子
から成る泡沫が多量発生し、処理水と空気との接触が充
分に行なわれるため、浄化水の曝気作用も充分に行なわ
れる。
〈本発明の実施例〉 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の浮上分離サイクロン装置10の一実施例
を示している。
サイクロン本体12に到る流過経路のパイプ13には、液体
を撹拌しつつらせんパイプ16によってサイクロン本体12
側へ、泡沫スカムが破壊されない程度の低速で送出する
ための低圧のポンプ14が設けられている。
この流過経路のパイプ13には、ポンプ14の直前におい
て、低圧のエアーを送り込むためのエアーポンプ15が設
けられている。また、このパイプ13には、ポンプ14の直
前または直後に、泡沫発生を促進するための液剤が注入
される。
このため液体は、ポンプ14でエアーと共に激しく撹拌さ
れてパイプ13内で泡沫(微細な気泡)を生じ、らせんパ
イプ16内で送られている間に、泡沫に汚濁物質が付着し
て泡沫スカムが生成する。
サイクロン本体12の外周には、らせんパイプ16が巻付け
た状態に設けられ、その先端部16aは、サイクロン本体1
2内に円周方向に液体及び泡沫スカムAが導入されるよ
うに、貫入されている。
このらせんパイプ16の長さは、ポンプ14でエアーと共に
撹拌されて送り出されて、このらせんパイプ16の先端部
16aまでの間に、充分に泡沫スカムと液体とが充分に分
離するのに充分な長さに設定されている。
サイクロン本体12の下部には、サイクロン本体12内の液
体の一部を取り出して再びサイクロン本体12内に環流す
る循環パイプ17が、設けられている。
循環パイプ17には、液体を撹拌しつつサイクロン本体12
内へ送出するポンプ18が設けられていて、このポンプ18
によってサイクロン本体12内の液体は順次循環パイプ17
内に吸い込まれて再びサイクロン本体12内に環流する。
このポンプ18の直前において、循環パイプ17には、前記
エアーポンプ15からの気体が注入され、ポンプ18によっ
て混合撹拌されて多量の泡沫が発生する。
循環パイプ17の先端部17aは、前記らせんパイプ16の先
端部16aよりも下位に且つ連通管26より上位においてサ
イクロン本体12内に泡沫を多量に含んだ液体が円周方向
に導入されるように貫入されている。なお、19aは流量
調節バルブ、19bは電磁弁である。
サイクロン本体12の上部には、開口部12aからオーバー
フローするか又はかき落とされる泡沫スカムAを受けて
下方へ落下させるためのシュート20が、取付けられてい
る。
シュート20の上部の円筒部20aの上端には、直径方向に
水平板21が取付けられ、この水平板21の中央下面側にモ
ータ(図示せず)によって回転するスキマー22が、回動
自在に取付けられている。スキマー22は、回転してサイ
クロン本体12の開口部12aから上方へ押し上げられた泡
沫スカムAをシュート20にかき落すためのものである。
サイクロン本体12に並んで、液面調節用の上面が開口し
た筒体25が、設けられている。サイクロン本体12と筒体
25は、下部の連通管26によって連通している。
筒体25の上部には、排水管27が設けられている。即ち、
排水管27の上端部27aは、筒体25の上部側方から筒体25
内に貫入され、筒体25内の上部に位置している。
筒体25の上端内側には、外筒28が上下動自在に装着され
ていて、留め具28aによって高さを調整して筒体25に固
定する。排水管27の上端部27aの外周部に密着して上下
動自在に内筒29が装着されている。外筒28と内筒29とは
一体的に連結されている。筒体25内の液体は、内筒29の
上端部29aから、排水管27へ流れこんで外部へ排出され
る。従って、外筒28の高さを調節して筒体25に固定する
と、筒体25内の液体の液面及びサイクロン本体12内の液
体の液面の高さは、内筒29の上端部29aの位置に調節さ
れる。従って、サイクロン本体12の上端の開口部12aよ
りやや下に液面が来るように調節すると共に、サイクロ
ン本体12の上端開口部に浮上した泡沫スカムの量に応じ
て内筒29の高さを調節する。
このような構成であるから、薬剤が混入された原水は、
空気と共にポンプ14で撹拌混合されて多量の泡沫を生じ
て、パイプ13内から、らせんパイプ16を低圧でゆっくり
と送られる間に、泡沫にスカムが付着して泡沫スカムが
生成して、液体と分離する。
そして、この分離状態のまま、らせんパイプ16の先端部
16aからサイクロン本体12内に、泡沫スカムAと液体と
が円周方向に導入されて、サイクロン本体12内を円運動
で回遊する。
この円運動における遠心分離作用によって、液体は比重
が重いので半径方向外側に、泡沫スカムAは比重が軽い
ので中心部に集まり、泡沫スカムAは互いに集合付着し
て塊り(集合体)となり、浮力によって泡沫スカムAの
塊りは上部へと浮上する。
そして、泡沫スカムAは、後続して送り込まれてくる泡
沫スカムAの浮力で、順次上方へ押し上げられて液面よ
り上方へ突出した状態となり、このため自然脱水が進行
し、次第に圧密される。このようにして、サイクロン本
体12内では、上部に泡沫スカムAが集まり、下部は液体
のみの状態となる。
循環パイプ17内の液体には、エアーポンプ15から低圧の
気体が注入されて、ポンプ18で気体と混合撹拌され低圧
で送り出される。従って、サイクロン本体12の下部の液
体の一部は、循環パイプ17内に順次導入されて、ポンプ
18によって再びサイクロン本体12内へ戻される。
しかして、サイクロン本体12の下部の液体は、サイクロ
ン本体12にらせんパイプ16から初めに導入された状態よ
り汚れが少なくなっているので、そして、液体中には残
存試薬もあるので、より多量の泡沫を発生する。このよ
うに多量の泡沫が発生した液体は、前記らせんパイプ16
の先端部16aより下位において、サイクロン本体12内に
循環パイプ17の先端部17aから円周方向に環流される。
このように環流された多量の泡沫を含んだ液体は、サイ
クロン本体12内で、円周方向に回遊するが、多量の泡沫
は浮力にによってサイクロン本体12内の泡沫スカムAを
上方へ押し上げると共に、初めにサイクロン本体12内に
導入された泡沫に付着する機会を得ずに浮遊あるいは下
方へ沈降しようとしている汚濁物質の粒子が、この循環
パイプ17から導入された多量の泡沫に付着して、泡沫ス
カムAとなり、これらの泡沫スカムAが回遊しつつ中央
に次第に集まって互いに集合付着して、大きな泡沫スカ
ムの塊りとなって上昇する。この循環パイプ17による環
流は、継続的に行なわれる。
このようにして泡沫スカムから分離されたサイクロン本
体12内の液体は、連通管26を通り筒体25の上方の内筒29
の上端部29aから排水管27へ流れ込んで外部へ排出され
る。
第2図は、以上説明した本発明の浮上分離サイクロン装
置10を用いた浄化装置全体のシステムの一例が、例示さ
れている。
第2図中、30は浄化処理すべき廃水を貯める第1原水貯
槽、31はポンプ、32は撹拌装置、33は排水から自然分離
した油分などを回収するためのオーバーフロー装置、34
a、34bは仕切板である。
40は、ポンプ31によって第1原水貯槽から送られてくる
廃水及びスカム脱水装置90から送られてくる慮水を貯め
る第2原水貯槽である。41は原水槽内の原水を条件付与
槽50へ送出するポンプ、42はパイプ、43は原水槽1内の
原水の水位を検知してポンプ41の始動、停止のための信
号を送出する水位検知器、44が撹拌装置である。
50は条件付与槽で、仕切板51a、51b及び52a、52bによっ
て3つの槽第1の槽53、第2の槽54、第3の槽55に仕切
られ、各槽はそれぞれ仕切板51a、51b及び52a、52bの開
路によって連通されている。
第1の槽53には、水位が設定水位高を超すと原水槽40へ
原水を戻すオーバーフロー装置56が設けられている。5
8、59は撹拌装置、60、61はpH計、62は第3の槽55から
液体を送出するポンプである。
63は、撹拌装置58、59を囲むように取付け腕64によって
槽50の壁部あるいは仕切板52aに取付けられた上下が開
口した円筒状の筒体である。
この筒体63がないと、撹拌装置58、59で槽50内の液体を
撹拌しても、撹拌装置58、59の周辺の液体が撹拌される
だけで、例えば液面の上部に浮いた比重の小さい油など
は、そのまま上部にとどまって撹拌されない。しかし、
筒体63を設けると、撹拌装置58、59のプロペラ58a、59a
によって液体は筒体63の下側の開口部から下方へ流れ出
ると共に、筒体63の上側の開口部から上部の液体が流れ
込む対流が生じる。このため、この筒体63を設けると、
第2の槽54、第3の槽55内の液体全体がまんべんなく撹
拌される。
70は条件付与系薬剤供給装置で、例えばエマルジョン含
油廃水中のエマルジョンを破壊させるための薬剤(これ
をX剤と記す。)を貯溜した薬剤槽71と、分解遊離油を
吸着捕集するための薬剤(これをOH剤と記す。)を貯溜
した薬剤槽72とを備え、X剤はポンプ73によって第2の
槽54に注入され、OH剤はポンプ74によって第3の槽55に
注入される。75、76は撹拌装置である。
80は浮上分離系薬剤供給装置で、条件付与槽50内での各
種フロックをスカム化するための薬剤(これをZK剤、ZA
剤と記す。)をそれぞれ貯溜したZK剤槽81、ZA剤槽82と
を備え、ZK剤槽81内のZK剤はポンプ83により、パイプ13
の前記ポンプ14の吸込み直前に、ZA剤槽82内のZA剤はポ
ンプ84により、ポンプ14の吐出直前に注入される。85、
86は撹拌装置である。
なお、前記薬剤は、処理すべき原水の種類によって選択
され、例えば、原水がエマルジョン含油廃水(機械整備
工場廃水)の場合には、X剤は塩化第二鉄、OH剤は苛性
ソーダ、ZK剤はカチオン系高分子凝集剤、ZA剤はアニオ
ン系高分子凝集剤とする。
90は、浮上分離サイクロン装置10のシュート20から排出
された泡沫スカムから、脱水させるスカム脱水装置、91
は、スカム脱水装置90から排出される液体を第2原水貯
槽40へ戻すパイプである。
100は浮上分離サイクロン装置10の筒体25のアンダーフ
ローを第2原水貯槽40へ戻すパイプ、101は流量調節弁
である。
次に第2図に示した全体システムの作動を、エマルジョ
ン含油廃水の処理を例にとって説明する。
先ず原水槽40内の原水はポンプ41によって条件付与槽50
の第1の槽53へ送られる。
第1の槽53に貯溜された原水は、仕切板51から成る連通
路から第2の槽54へ流入し、薬剤槽71からX剤が注入さ
れ、撹拌装置58で撹拌される。このX剤により原水中の
エマルジョンは破壊される。破壊されたエマルジョン含
油廃水は、仕切板52a、52bから成る連通路から第3の槽
55へ流入し、ここで薬剤槽72からOH剤が注入され、撹拌
装置59で撹拌され、分解遊離された油等は、X剤とOH剤
とから生成されるコロイダルフロックに吸着される。
以上の処理をされた条件付与原水は、ポンプ62によっ
て、パイプ13を通って浮上分離サイクロン装置10へ送ら
れる。
浮上分離サイクロン装置10では、前記したようにポンプ
14の直前にエアポンプ15から低圧エアーが注入されるた
め、ポンプ14によってエアーが分解撹拌されて微細な気
泡が多量に液体中に生じる。
そして、これと共に、スカム化を促進するために、ポン
プ14の吸込み側に薬剤槽81からZK剤が注入され、吐出側
に薬剤槽82からZA剤が注入されるため、微細な気泡にフ
ロックが接着して、これによって、浮上し易く且つ壊れ
難い特殊組成をもつスカムが生成されつつ、らせんパイ
プ16で螺旋状に送られつつその先端部16aからサイクロ
ン本体12へと、生成した泡沫スカムが破壊されない程度
の低速で、円周方向に導入される。
サイクロン本体12内では、前記したように循環パイプ17
による泡沫の再発生の働きと相いまって、一層効率よ
く、泡沫スカムが多量に生成してサイクロン本体12の上
部の開口部12aへと泡沫スカムの塊りは上方に押し上げ
られ、前記したように液面より上方へ持ち上げられた状
態で維持されて、開口部12aから上方に押し上げられた
泡沫スカムは、自然に脱水され圧密されて、脱水性の極
めて良い状態となる。
このように脱水され圧密された泡沫スカムは、スキマー
22によって開口部12aから外周方向に掻き落されて、シ
ュート20に落下し、ここに滞留している間にさらに脱水
された後、スカム脱水装置90に落下し、さらに機械的に
圧迫脱水される。スカム脱水装置90の濾水はパイプ91に
よって第1原水貯槽40へ戻される。
このように泡沫スカムから分離されて浄化された液体
は、浮上分離サイクロン装置10の筒体25の排水管27から
外部へ排出される。
第3図は、ここで用いた原水は、機械研磨工場廃水で、
その日によって汚れの度合は異なっている。
第5図に示す従来装置と、第1図に示す本発明装置とで
行なった場合の、浄化後に排出する液体のCODとBODの測
定結果を示している。
第3図において横軸は日付を表わしている。図中(a)
の期間は第5図の従来装置、(b)の期間は第1図の循
環パイプを付加した本発明装置を用いた浄化装置による
測定結果である。この図から本発明装置によればCOD、B
OD値が低く安くすることがわかる。
即ち、(a)の期間では、浄化処理の日によってCOD、B
OD値に大きなバラツキがある。これは原水の汚れが大き
い場合には、第5図の従来装置では、浄化の効率が劣化
することがわかる。
一方、(b)の期間では、このバラツキが極めて小さく
なっており、このことから、本発明の装置では、原水の
汚れが大きくても浄化の効率が劣化しないことがわか
る。
表1は、第3図とは異なる原水(機械切削工場の総合廃
水)についての浄化処理による結果を示している。
である。除去率はAの処理水中からBOD、CODが除去され
た%を示している。このように本発明では、循環パイプ
によって浄化水の一部を取出して泡沫を発生させつつ環
流することによって、著しく浄化効率が向上することが
わかる。
第4図は、さらに汚染度の高い原水の浄化処理のため
に、浮上分離サイクロン装置10を2段設け、2つの浮上
分離サイクロン装置の間に第2の条件付与槽110を設
け、必要により条件付与系薬剤供給装置70及び浮上分離
系薬剤供給装置80の各薬剤層を各3個77〜79及び87〜89
ずつ設けた実施例を示している。
〈本発明の効果〉 本発明の浮上分離サイクロン装置では、以上説明したよ
うにサイクロン本体12の浄化水の一部を、循環パイプ17
から取り出して、再び空気と撹拌混合して泡沫を発生さ
せて再びサイクロン本体12内へ還気するようにしたた
め、 (イ)原水の汚れがひどく、初めにサイクロン本体12へ
導入されるらせんパイプ16の液体の泡沫スカムの発生量
が少ない場合でも、サイクロン本体12内の浄化水の一部
を循環パイプ17内に取出して空気と混合撹拌するので、
原水の汚れがひどくても多量の泡沫を発生し、この多量
の循環パイプ17からの泡沫に液体中の汚濁物質が付着し
て泡沫スカムを生じるから、原水の汚れがひどい場合で
も、浄化の効率は劣化しない。
(ロ)このように循環パイプ17から導入された多量の泡
沫に、らせんパイプ16内で泡沫に付着しないままサイク
ロン本体12内に導入されて液体中を浮遊あるいは沈降し
つつある汚濁物質が付着して、泡沫スカムとなって浮上
するため、浄化効率は飛躍的に向上する。
(ハ)らせんパイプ16から泡沫スカムを、この下方から
循環パイプ17から生じた多量の泡沫スカムの浮上力で押
し上げるから、サイクロン本体12の上端開口部の液面上
への泡沫スカムの押し上げ力が強大となり、泡沫スカム
の脱水圧密作用が促進され、浮上分離の効果が飛躍的に
向上する。
(ニ)循環パイプ17からの多量の泡沫に、サイクロン本
体12内の液体中に残存した試薬が、付着して泡沫スカム
として浮上分離されるから、サイクロン本体12から廃棄
される液体内の試薬の残存量が、著しく少なくなる。
(ホ)また、サイクロン本体の下部からの液体の再循環
において、一度処理された液体がさらに空気と激しく撹
拌、混合され、気泡の微細粒子から成る泡沫が多量発生
して、処理水と空気との接触が継続的に行なわれるた
め、曝気作用とが強力に行なわれることとなるから、従
来のように特別に曝気装置や生物処理装置を設けること
も少なくて済むから、廃水処理システム全体を小型化で
き、設置スペースを著しく縮小できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の浮上分離サイクロン装置の一実施例を
示す概略構成図、第2図及び第4図は本発明の浮上分離
サイクロン装置を用いた浄化装置システムの全体構成図
である。第3図は第5図に示す従来装置と第1図に示す
本発明装置との実測例を示すグラフである。 第5図は従来の浮上分離サイクロン装置を示す概略構成
図である。 10……浮上分離サイクロン装置、12……サイクロン本
体、12a……開口部、13……パイプ、14……ポンプ、15
……エアーポンプ、16……らせんパイプ、17……循環パ
イプ、18……ポンプ、20……シュート、22……スキマ
ー、25……筒体、26……連通管、27……排水管、30……
第1原水貯槽、40……第2原水貯槽、60……条件付与
槽、70……条件付与系薬剤供給装置、80……浮上分離系
薬剤供給装置、90……スカム脱水装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面に開口部が形成されたサイクロン本体
    を有し、泡沫スカムが生成された条件付与原水を、前記
    サイクロン本体内に円周方向に導入して円運動で回遊さ
    せて、比重差によって半径方向外方に液体を、中心部に
    泡沫スカムを集まらせて、互いに集合付着した泡沫スカ
    ムの塊りを生成浮上させ、後続して順次浮上してくる泡
    沫スカムの浮力によって、前に浮上した泡沫スカムの塊
    りを液面の上方へ順次押し上げて前記開口部上端から外
    方へ排出させると共に、前記サイクロン本体内の泡沫ス
    カムが分離した液体を外方へ排出する浮上分離サイクロ
    ン装置において、 泡沫スカムが分離した液体の一部を前記サイクロン本体
    の下部から取り出し、該液体に気体を混合撹拌して前記
    サイクロン本体内に環流させるようにしたことを特徴と
    する浮上分離サイクロン装置。
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