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JPH0696563B2 - アシルアミノ酸誘導体、その製法並びに用途 - Google Patents

アシルアミノ酸誘導体、その製法並びに用途

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JPH0696563B2
JPH0696563B2 JP61022756A JP2275686A JPH0696563B2 JP H0696563 B2 JPH0696563 B2 JP H0696563B2 JP 61022756 A JP61022756 A JP 61022756A JP 2275686 A JP2275686 A JP 2275686A JP H0696563 B2 JPH0696563 B2 JP H0696563B2
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hydrogen atom
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saturated
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雅之 ▲齋▼藤
昌樹 橋本
治一 深見
隆治 田中
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Suntory Ltd
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Suntory Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は一般式(1) (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R1は炭素
原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪酸残基を表わし、
R2は水素原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜
5の分岐アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル
基、アルアルキルオキシフエニル基、インドリル基、イ
ミダゾリル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3
はいつしよになつて炭素・窒素間の結合を表わす)を有
する新規アシルアミノ酸誘導体、その製造法およびその
用途に関する。
さらに詳しく述べれば、本発明の前記一般式(1)を有
する新規な化合物はプロリルエンドペプチダーゼ(EC,
3.4.21.26,Prolyl−endopeptidase)に対し、酵素阻害
活性を示すのみならず、脳内における器質性障害にもと
ずく症状の改善・治療に有効な化合物である。
ここで「脳内の器質性障害」とは脳梗塞後遺症、脳出血
後遺症、脳動脈硬化後遺症などの脳虚血性障害に由来す
る諸症状および老年痴呆、初老期痴呆、健忘症、頭部外
傷後遺症、脳手術後遺症などに由来する各種器質的障害
を意味する。
(従来技術) プロリルエンドペプチダーゼは、神経伝達物質とされて
いる、サブスタンスP、TRH(甲状腺刺激ホルモン)及
びノイロテンシンや記憶と関係があると考えられてい
る、バソプレシンに作用し、これらを不活性化すること
が知られている。一方長崎大学薬学部の鶴、芳本両氏
は、プロリルエンドペプチダーゼ活性を阻害する化合物
がラツトのスコポラミンによる実験的健忘症を予防する
ことを見出し、記憶の固定にプロリルエンドペプチダー
ゼ インヒビターが関与すると推論した。またこの結果
プロリルエンドペプチダーゼ インヒビターが健忘症の
予防および治療に利用できる可能性を示唆している。
事実、本発明の前記一般式(1)で表わされる新規アシ
ルアミノ酸誘導体は実験動物を用いた実験により、その
健忘症に対する効果が確認された。
脳細胞は、その周囲の環境(細胞外液)と全くかけ離れ
た細胞内環境を保持し、その差を維持し乍ら生きている
が、そのためには絶えずエネルギーを産生し供給し続け
なければならない。脳の神経細胞が必要とするエネルギ
ーの大部分は酸素とブドウ糖により供給されており、こ
れらのエネルギー源は脳内にはほとんど貯蔵されていな
いため、常時血液から補給されている。
仮りに脳に障害が起こり、酸素とブドウ糖の供給が杜絶
したとすると、一般的にはエネルギー代謝障害が段階的
に進行し、時間の経過とともに細胞は機能を失い、やが
て器質的にも崩壊し、その機能を正常に営むことができ
なくなる。
このため、脳組織のエネルギー源を安定供給し、脳神経
細胞の外部環境を一定に保つために、脳血管自身の脳血
流を調整する機構がよく発達している。
脳血管障害を内科的に治療する場合、これまで各種の脳
循環改善剤、脳血管拡張剤、脳代謝改善剤などが使用さ
れてきた。しかしながら、これらの薬剤は自覚症状の改
善は認められるものの、神経症状の改善はほとんど認め
られないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、前記の脳内の各種障害に起因する症状の
改善・治療に対して密接に関与していると考えられるプ
ロリルエンドペプチダーゼ阻害活性および抗健忘症活性
を有する化合物を見出すべく鋭意研究を重ねてきた。さ
らに、毒性の充分低い新規な化合物を見出すべく、天然
化合物として安全性の高い脂肪酸さらにはアミノ酸、ペ
プチド系化合物の組合せにより天然物に近似した化合物
を合成し、前記一般式(1)で表わされる抗プロリルエ
ンドペプチダーゼ活性を有する事を見出した。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は鋭意研究の結果、前記一般式(1)で表わさ
れる新規アシルアミノ酸誘導体が抗プロリルエンドペプ
チダーゼ活性を有し、またこの新規アシルアミノ酸誘導
体が実験モデル動物に対し抗健忘症作用も併せ持つとい
う全く新しい知見を得、本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明の式(1)で表わされる新規アシルア
ミノ酸誘導体は脳内の器質性障害に起因する精神機能症
状の改善・治療に有効であり、特に健忘症に対し有効な
化合物である。
本発明の式(1)の化合物は、アミノ酸残基、及び脂肪
酸残基を含む点で、従来よく知られているピラセタム誘
導体系の抗健忘症剤とは大きく異なつており、さらにア
ミノ酸又は脂肪酸誘導体であるため、生体に対する毒性
も極めて低いものである。
式(1)の化合物のうち、抗プロリルエンドペプチダー
ゼ活性が大きい点で好ましい化合物は次のものである。
なお、以下これらの化合物をかつこ内の番号で呼ぶこと
がある。
本発明化合物は、一般的なペプチドの合成法により合成
することができるが、以下に説明する本発明の合成法に
よれば都合よく合成される。なお略記号は次の意味を表
わす。
L-Pro:L-プロリン残基 L-Val:L-バリン残基 L-Phe:L-フエニルアラニン残基 L-Tyr:L-チロシン残基 L-Leu:L-ロイシン残基 L-Tyr(OBzl):L-チロシン-O-ベンジルエーテル残基 L-nLeu:L-ノルロイシン残基 WSCD:N-エチル-N,N′-ジメチルアミノプロピルカルボジ
イミド Z:ベンジルオキシカルボニル基 Boc:三級ブチルオキシカルボニル基 TEA:トリエチルアミン 本発明の前記一般式(1)の化合物は、以下のようにし
て合成することができる。
即ち、一般式(2a)または(2b) (式中、R1は炭素原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪
酸残基を表わし、Aは水酸基またはハロゲン原子を表わ
す) を有するカルボン酸、酸ハライドまたは酸無水物と一般
式(3) (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R2は水素
原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜5の分岐
アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル基、アル
アルキルオキシフエニル基、インドリル基、イミダゾリ
ル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3はいつし
よになつて炭素・窒素間の結合を表わす) を有するアミノ酸アミド誘導体を塩基存在下で反応させ
ることにより得られる。
この合成法は一般に用いられているアミノ基のアシル化
反応であり、式(2a)または(2b)を有する出発成分が
カルボン酸、酸ハライドまたは酸無水物のいずれである
かにより、用いられる塩基等の試薬は異なる。例えば酸
ハライドを用いる場合、塩基としてトリエチルアミンな
どのトリアルキルアミンが好ましいが、アルカリ金属の
水酸化物の水溶液、アルカリ金属の炭酸塩、さらにピリ
ジンなどでもよい。
酸無水物を用いる場合、前述のアルカリ金属の水酸化物
の水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
ど又はアルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどがあげられる。
又カルボン酸を用いる場合、反応に関与しない有機溶媒
中で縮合剤、例えばWSCD、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミドなどが用いられる。
この反応で反応温度は室温以下が好ましく、溶媒は上記
の塩基をとかすものであればよい。
本合成法において式(3)の出発物質のR3がヒドロキシ
フエニル基である場合、その水酸基の保護・脱保護の工
程は常法により行なう。
本発明化合物の製造法は他にも多くあるが、一般的には
例えば一般式(4) (式中R1,R2およびR3は前記定義の通りである)を有す
るN−アシルカルボン酸と式(5) のピロリジンを縮合剤を用い縮合させることによつても
本発明化合物は得られる。
縮合剤としてはペプチド合成において一般に用いられて
いる試薬、例えばN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、WSCD等があげられるが、他の方法、例えば酸クロ
リド法、混合酸無水物法、活性エステル法などの一般に
常用されている方法でもよい。
次に実施例および参考例に基づいて、本発明をさらに詳
しく説明する。
参考例:式(3)で表わされる出発物質の合成 (a)H-L-Phe-ピロリジンの合成 Z-Phe-OH(1当量)およびピロリジン(1当量)を乾
燥塩化メチレンに溶解し、氷冷下にWSCD(1当量)を加
えた。室温で20時間攪拌したのち、反応液を1N塩酸、
水、飽和重曹水、水、及び飽和食塩水で洗い、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる
残渣を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフイー
で精製した。得られたZ-L-Phe-ピロリジンを(1当
量)エタノールに溶解し、三フツ化ホウ素−エーテル錯
体(1当量)とパラジウムカーボン(少量)を加えて接
触還元によりZ基を除去し、溶媒を減圧留去して目的物
を得た。
(a)のZ-L-Phe-OHの代りにZ-L-Val-OHを用いるこ
とにより、 (b)H-L-Val-ピロリジンを得た。
また同様にして、 (c)H-L-nLeu-ピロリジン、および (d)H-L-Leu-ピロリジン、 を得た。
(e)H-L-Pro-ピロリジンの合成 Z-L−Pro−OH(1当量)及びピロリジン(1当量)を
乾燥塩化メチレンに溶解し、氷冷下にWSCD(1当量)を
加え、室温で20時間攪拌したのち、反応液を1N塩酸、
水、飽和重曹水、水、及び飽和食塩水で洗い、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる
残渣をシリカゲルを用いた中圧カラムクロマトグラフイ
ーで精製した。得られたZ-L-Pro-ピロリジンを(1当
量)エタノールに溶解し、三フツ化ホウ素-エーテル錯
体(1当量)とパラジウムカーボン(少量)を加えて水
素雰囲気下接触還元によりZ基を除去し、溶媒を減圧留
去して目的物を油状化合物として得た。目的の化合物は
いずれもオイル状で取得できる。
(f)H-L-Tyr(OBzL)-ピロリジン・トリフルオロ酢
酸塩の合成 Boc-L-Tyr(OBzL)-OH(1当量)とピロリジン(1当
量)を乾燥塩化メチレンに溶解し、氷冷下にWSCD(1当
量)を加えた。室温で20時間攪拌したのち、反応液を1N
塩酸、水、飽和重曹水、水、及び飽和食塩水で洗い、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得
られる残渣を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラ
フイーで精製した。得られたBoc-L-Tyr(OBzl)-ピロ
リジン(1当量)を乾燥塩化メチレンに溶解し、過剰の
トリフルオロ酢酸を加えて攪拌し(約6時間)、溶媒を
減圧留去して目的物を得た。(油状化合物) 本発明化合物のプロリルエンドペプチダーゼによる分解
を阻止する効力について調べた結果、後述の試験例に示
されるごとく大へん強い抗プロリルエンドペプチダーゼ
活性を示し、パパイン、ブロメライン、トリプシン、キ
モトリプシン、サーモライシン、ペプシン等のプロテイ
ナーゼには全く阻害活性を示さなかつた。
また、このようにして得た本化合物は新規であり、実施
例で示すように抗健忘症作用を有する。
実施例1 (a)N−オレオイル−L−フエニルアラニルピロリジ
ン(SUAM1283) H-L-Phe-ピロリジン(1当量)とTEA(1当量)を乾
燥テトラヒドロフランに溶解し、氷冷下オレイン酸クロ
リド(1当量)を滴下した。室温で6時間攪拌し、析出
したTEAの塩酸塩を過除去した。溶媒を減圧留去し、
少量のエーテルに溶解して1N塩酸、飽和食塩水、飽和重
曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。減圧濃縮したのちジアゾメタンのエーテル溶液
を加え(過剰)未反応のオレイン酸をメチルエステル化
した。溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲルを用い
た中圧カラムクロマトグラフイーで精製して目的化合物
を得た。(油状化合物) 上記(a)に於いてH-L-Phe-ピロリジンの代りに、 H-L-Val-ピロリジンを用いることにより、 (b)N−オレオイル−L−バリルピロリジン(SUAM12
82)が、 H-L-nLeu-ピロリジンを用いることにより、 (c)N−オレオイル−L−ノルロイシルピロリジン
(SUAM1284)が、 H-L-Leu-ピロリジンを用いることにより、 (d)N−オレオイル−L−ロイシルピロリジン(SUAM
1276)が得られた。
実施例2 (a)N−オレオイル−L−プロリルピロリジン(SUAM
1280) H-L-−Pro-ピロリジン(1当量)とTEA(1当量)を
乾燥テトラヒドロフランに溶解し、氷冷下オレイン酸ク
ロリド(1当量)を滴下した。室温で6時間攪拌し、析
出したTEAの塩酸塩を過除去した。溶媒を減圧留去
し、少量のエーテルに溶解して1N塩酸、飽和食塩水、飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。減圧濃縮したのち、ジアゾメタンのエーテル
溶液を加えて(過剰)未反応のオレイン酸をメチルエス
テル化した。溶媒を減圧留去して得た残渣をシリカゲル
を用いた中圧カラムクロマトグラフイーにより精製して
目的化合物を得た。(油状化合物) 前記(a)においてオレイン酸クロリドの代りに、 パルミチン酸クロリドを用いることにより、 (b)N−パルミトイル−L−プロリルピロリジン(SU
AM1391)が、 ラウリン酸クロリドを用いることにより、 (c)N−ラウロイル−L−プロリルピロリジン(SUAM
1392)が、 リノール酸クロリドを用いることにより、 (d)N−リノレオイル−L−プロリルピロリジン(SU
AM1393)が得られた。
実施例3 N−オレオイル−L−(O−ベンジル)チロシルピロリ
ジン(SUAM1275) H-L-Tyr(OBzL)-ピロリジン・トリフルオロ酢酸塩
(1当量)およびTEA(2当量)を乾燥テトラヒドロフ
ランに溶解し、氷冷下オレイン酸クロリド(1当量)を
滴下した。室温で6時間攪拌し、析出したTEAの塩酸塩
を過除去した。溶媒を減圧留去し、少量のエーテルに
溶解して1N塩酸、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮
したのちジアゾメタンのエーテル溶液を加え(過剰)未
反応のオレイン酸をメチルエステル化した。溶媒を減圧
留去して得た残渣をシリカゲルを用いた中圧カラムクロ
マトグラフイーで精製して目的化合物を得た。(油状化
合物) 実施例4 N−ステアロイル−L−チロシルピロリジン(SUAM128
6) 実施例3の化合物(SUAM1275)の1当量をエタノールに
とかし、パラジウム・炭素(触媒量)を加え、常圧で水
素気流下接触還元した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリ
カゲルを用いたカラムクロマトグラフイーに付し標記化
合物を得た。
実施例1〜4で得られた化合物の物性を表1に示す。
実施例 抗プロリルエンドペプチダーゼ活性の測定 抗プロリルエンドペプチダーゼ活性の測定は、芳本(T.
YoshimotoおよびD.Tsuru,Agr.Biol.Chem.42,2417,197
8)等の方法で行つた。即ち、0.0025M Z−グリシル−
プロリン−β−ナフチルアミド0.25ml、0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)0.99mlおよび本発明の抗プロリルエンドペ
プチダーゼ化合物の溶液0.01mlを含む混合液を試験管中
で37℃、3分間加温した後、プロリルエンドペプチダー
ゼ溶液(0.2単位/ml)を0.1ml加え、35℃で10分間反応
させた。その後、1M酢酸緩衝液(pH4.0)中のトリトン
X−100(TritonX−100)溶液2.0mlを界面活性剤の最終
濃度が10%となるように加え、室温に15分間放置したの
ち、410nmにおける吸光度(a)を測定した。
同時に抗プロリルペプチダーゼ化合物の溶液の代りに緩
衝液のみを用いた盲検の吸光度(b)を測定し、プロリ
ルエンドペプチダーゼ阻害率を、次式: 〔(b−a)/b〕×100 により計算し、50%阻害に必要な量〔IC50〕を求めた。
試験結果を表2に示す。
実施例 ラツトを用いたスコポラミンによる実験的健忘症の予防
効果の測定(腹腔内投与) 本発明の抗プロリルエンドペプチダーゼ化合物につい
て、スコポラミンによる長期記憶固定阻害を防止する効
果を検討した。即ち、本発明の化合物20mg/kg、1mg/kg
を含有する生理食塩水を、夫々ウイスター(Wister)系
雄性ラツト(100〜120g)の腹腔に1回投与し、投与1
時間後に電気シヨツクによる受動的回避学習を行ない、
直後にスコポラミン3mg/kgを腹腔内投与した。
効果の判定は、24時間後の受動的回避テストで、供試化
合物を投与しないでスコポラミン及び生理食塩水を腹腔
内投与した対照動物群と、供試化合物の投与及びスコポ
ラミンの投与を共に行つた動物群の各々につき、健忘症
ラツト、非健忘症ラツトの数を対比する事により行なつ
た。試験結果を表3に示す。
実施例 マウスによる急性毒性試験 CDF−1系雄性マウス(体重27.2〜30.1g)(アワズ実験
動物より購入)を用い、本発明化合物の急性毒性を検討
した。
薬液は、各化合物をDMSOに溶解し、マウス1匹あたり0.
1mlを腹腔内投与した。各投与群に5匹のマウスを使用
し、投与後24時間および48時間の時点で観察した。各化
合物の平均投与量を表4に示す。
表4 化 合 物 平均投与量mg/kg No.1 SUAM1282 615.4 No.2 SUAM1284 557.7 No.3 SUAM1280 334.4 この結果、上記投与量では、24および48時間後に、各
群、いずれも健全で毒性は何ら認められなかつた。
本発明はまた脳内における器質性障害にもとずく症状の
改善・治療に有効な本発明化合物および製薬上許容され
る補助剤を含有する医薬組成物を包含する。
これら活性成分および医薬組成物は、カプセル、錠剤お
よび粉末のような固形投薬形態に、またはエリキシー
ル、シロツプおよび懸濁液のような液体投薬形態で経口
投与される。又非経口的に、例えば注射剤および坐薬と
しても用いられる。
医薬用組成物に含まれる固形投薬としての補助剤は、例
えば固形粉末状の担体、ラクトース、サツカロース、デ
キストロース、マンニツト、ソルビツト、セルロース、
グリシンなどが挙げられる。
又滑沢剤としては二酸化珪素、タルク、ステアリン酸マ
グネシウム、ポリエチレングリコール、結合剤として澱
粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリ
ウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ンなどが例示される。崩壊剤としては澱粉、寒天などが
ある。
本発明の化合物の投与量は成人に対して1日当り、普通
10〜4000mg、好ましくは100〜1000mgの服用量で経口投
与を行なうか、あるいは1〜2000mg、好ましくは50〜50
0mgの服用量で非経口投与する。投与量は、投与される
疾患の種類・患者の年令、体重、症状の程度、投与形態
によつても異なることは明らかである。
製 剤 例 1. 活性物質 10部 乳糖 75部 重質酸化マグネシウム 15部 を均一に混合し、錠剤、カプセル剤とした。
製 剤 例 2. 活性物質 45部 澱粉 15部 乳糖 40部 を均一に混合し、散剤、顆粒剤とした。
製 剤 例 3. 活性物質 1部 界面活性剤 5部 生理食塩水 94部 を加温混合、滅菌して注射剤とした。
(発明の効果) 以上に示した様に本発明による化合物は顕著な抗エンド
プロリルペプチダーゼ活性及び抗健忘症作用を示す。
又、急性毒性試験の結果から、500mg/kg/マウスでも毒
性のない事が示され、安全域も充分広く、健忘症の予防
および治療のための医薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深見 治一 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社応用微生物研究所内 (72)発明者 田中 隆治 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社応用微生物研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R1は炭素
    原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪酸残基を表わし、
    R2は水素原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜
    5の分岐アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル
    基、アルアルキルオキシフエニル基、インドリル基、イ
    ミダゾリル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3
    はいつしよになつて炭素・窒素間の結合を表わす)を有
    するアシルアミノ酸誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R1は炭素
    原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪酸残基を表わし、
    R3は水素原子、炭素原子数3〜5の分岐アルキル基、フ
    エニル基、ヒドロキシフエニル基、ベンジルオキシフエ
    ニル基、インドリル基、イミダゾリル基またはメチルチ
    オ基を表わす) を有する特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R1は炭素原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪
    酸残基を表わす) を有する特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  4. 【請求項4】一般式 R1−AまたはR1−O−R1 (式中、R1は炭素原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪
    酸残基を表わし、Aは水酸基またはハロゲン原子を表わ
    す) を有するカルボン酸、酸ハライドまたは酸無水物と一般
    (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R2は水素
    原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜5の分岐
    アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル基、アル
    アルキルオキシフエニル基、インドリル基、イミダゾリ
    ル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3はいつし
    よになつて炭素・窒素間の結合を表わす) を有するアミノ酸アミド誘導体を塩基存在下で反応させ
    ることを特徴とする、 一般式 (式中、n,R1,R2およびR3は前記定義通りである) を有するアシルアミノ酸誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】塩基がトリアルキルアミンまたはピリジン
    系塩基である特許請求の範囲第4項記載の製造法。
  6. 【請求項6】一般式 (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R1は炭素
    原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪酸残基を表わし、
    R2は水素原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜
    5の分岐アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル
    基、アルアルキルオキシフエニル基、インドリル基、イ
    ミダゾリル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3
    はいつしよになつて炭素・窒素間の結合を表わす)を有
    するアシルアミノ酸誘導体を有効成分として含むプロリ
    ルエンドペプチダーゼ活性阻害剤。
  7. 【請求項7】一般式 (式中、nは0または1〜6の整数を表わし、R1は炭素
    原子数5〜25の飽和または不飽和脂肪酸残基を表わし、
    R2は水素原子を表わし、R3は水素原子、炭素原子数3〜
    5の分岐アルキル基、フエニル基、ヒドロキシフエニル
    基、アルアルキルオキシフエニル基、インドリル基、イ
    ミダゾリル基、メチルチオ基を表わすか又はR2およびR3
    はいつしよになつて炭素・窒素間の結合を表わす)を有
    するアシルアミノ酸誘導体を有効成分として含有する脳
    機能改善剤。
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