JPH069028Y2 - 紡績装置 - Google Patents
紡績装置Info
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- JPH069028Y2 JPH069028Y2 JP10000790U JP10000790U JPH069028Y2 JP H069028 Y2 JPH069028 Y2 JP H069028Y2 JP 10000790 U JP10000790 U JP 10000790U JP 10000790 U JP10000790 U JP 10000790U JP H069028 Y2 JPH069028 Y2 JP H069028Y2
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- Japan
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- spindle
- inlet
- fiber bundle
- guide member
- yarn
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Description
【考案の詳細な説明】 イ.考案の目的 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ドラフト装置によってドラフトされた無撚
の短繊維束に旋回気流を作用させて加撚することにより
紡績糸を製造する装置に関するものである。
の短繊維束に旋回気流を作用させて加撚することにより
紡績糸を製造する装置に関するものである。
従来の空気式紡績装置として、以下に述べる紡績装置が
知られている(特開昭63−85123号公報参照)。
知られている(特開昭63−85123号公報参照)。
この装置は、ドラフト装置のフロントローラから出た繊
維束を通す通路を有し回転するスピンドルと、スピンド
ルの入口近傍に旋回空気流を作用させて繊維束から繊維
端部を分離させる空気噴射ノズルとからなり、その繊維
端部を繊維束の周囲に巻回させるものである。
維束を通す通路を有し回転するスピンドルと、スピンド
ルの入口近傍に旋回空気流を作用させて繊維束から繊維
端部を分離させる空気噴射ノズルとからなり、その繊維
端部を繊維束の周囲に巻回させるものである。
上記した従来の紡績装置によって製造される糸は、無撚
又は甘撚の芯繊維の周囲に他の繊維がらせん状に巻きつ
いた性状をしており、ほとんどの繊維が撚られた状態に
あるリング糸に比べ、外観も異なるし、糸強力も落ちる
ものである。
又は甘撚の芯繊維の周囲に他の繊維がらせん状に巻きつ
いた性状をしており、ほとんどの繊維が撚られた状態に
あるリング糸に比べ、外観も異なるし、糸強力も落ちる
ものである。
この考案は、このような空気式紡績装置においてリング
糸と変わらない特性を有する糸を製造することができる
装置を提供することを目的としている。
糸と変わらない特性を有する糸を製造することができる
装置を提供することを目的としている。
ロ.考案の構成 〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、この考案の紡績装置は、ド
ラフト装置を出た繊維束に旋回気流を作用させるノズル
ブロック内に、回転又は静止するスピンドルの入口へ先
端を臨ませてガイド部材を設置し、ノズルブロックの下
流に環状ブッシュを当設し、スピンドルの先端の外径
D、その内径d、スピンドル入口からブッシュの入口側
端面までの距離δ(スピンドル入口がブッシュの入口側
端面より上流にある場合をプラスとする)及びノズルブ
ロックの内径rとの関係を r/D=1〜3 D/d=1.5〜3 −2<δ<2(mm) としたものである。
ラフト装置を出た繊維束に旋回気流を作用させるノズル
ブロック内に、回転又は静止するスピンドルの入口へ先
端を臨ませてガイド部材を設置し、ノズルブロックの下
流に環状ブッシュを当設し、スピンドルの先端の外径
D、その内径d、スピンドル入口からブッシュの入口側
端面までの距離δ(スピンドル入口がブッシュの入口側
端面より上流にある場合をプラスとする)及びノズルブ
ロックの内径rとの関係を r/D=1〜3 D/d=1.5〜3 −2<δ<2(mm) としたものである。
上記のように構成された紡績装置においては、ドラフト
装置を出た繊維束は、ノズルブロック内に吸引され、ス
ピンドルの入口近傍において旋回気流にさらされ、少し
仮撚される。このとき繊維束の全ての繊維は、ガイド部
材の周囲に位置し、空気流に直接さらされ、繊維束から
分離する力を受けるが、スピンドルの入口位置にある繊
維の先端は、仮撚をうけているため、容易に分離しな
い。分離した繊維後端は、空気流の作用によりスピンド
ルの外周に巻き付きついて外側へ延びる。その繊維は、
繊維束の走行に伴い、繊維束の周囲を旋回しながら徐々
に引き出され、ほとんどの繊維がらせん状に巻き付き、
実撚状の紡績糸となる。
装置を出た繊維束は、ノズルブロック内に吸引され、ス
ピンドルの入口近傍において旋回気流にさらされ、少し
仮撚される。このとき繊維束の全ての繊維は、ガイド部
材の周囲に位置し、空気流に直接さらされ、繊維束から
分離する力を受けるが、スピンドルの入口位置にある繊
維の先端は、仮撚をうけているため、容易に分離しな
い。分離した繊維後端は、空気流の作用によりスピンド
ルの外周に巻き付きついて外側へ延びる。その繊維は、
繊維束の走行に伴い、繊維束の周囲を旋回しながら徐々
に引き出され、ほとんどの繊維がらせん状に巻き付き、
実撚状の紡績糸となる。
図面を参照して、この考案の紡績装置の実施例を説明す
る。
る。
この紡績装置Aは、第1図に示すようにスライバ投入ガ
イド25に続いて配置された、バックローラ対26、エ
プロン29を有するミドルローラ対28、フロントロー
ラ対20とからなくドラフトパートの次に配置されてい
る。なお、同図中の左右に延びる線は、繊維束S又は糸
Yの走行路であり、27は、スライバ巾規制ガイドであ
る。
イド25に続いて配置された、バックローラ対26、エ
プロン29を有するミドルローラ対28、フロントロー
ラ対20とからなくドラフトパートの次に配置されてい
る。なお、同図中の左右に延びる線は、繊維束S又は糸
Yの走行路であり、27は、スライバ巾規制ガイドであ
る。
第2図により、紡績装置Aの詳細を説明する。
1は、フレームに固定された支持プレートであり、これ
には、中空円筒状の軸受2と、ノズルブロック23、そ
れに続くブッシュ31、スピンドル6及び回転体9のケ
ーシング3が固定されている。このケーシング3は、前
後一対の分割型から構成され、ネジ止めされている。
には、中空円筒状の軸受2と、ノズルブロック23、そ
れに続くブッシュ31、スピンドル6及び回転体9のケ
ーシング3が固定されている。このケーシング3は、前
後一対の分割型から構成され、ネジ止めされている。
軸受2の内部には、ベアリング4、5を介してスピンド
ル6が回転自在に支持されており、スピンドル6の外周
には中空のプーリ7が挿着されている。
ル6が回転自在に支持されており、スピンドル6の外周
には中空のプーリ7が挿着されている。
8は、プーリ7の外周に接触してユニットに沿って懸回
され、スピンドル6を高速回転するための無端状の駆動
ベルトである。スピンドル6のベアリング5前方位置に
は、一体に回転体9を設けている。
され、スピンドル6を高速回転するための無端状の駆動
ベルトである。スピンドル6のベアリング5前方位置に
は、一体に回転体9を設けている。
スピンドル6の中心には繊維束通路10が貫通形成して
あり、この通路10の中心とケーシング3の各中心は、
共に繊維束Sの走行路と一致する同一直線上に位置して
いる。スピンドル6の入口6aの外径は充分に小さく、
入口6aに続く部分は、外径が回転体9に向けて増大す
る円錐状部6bに形成している。ケーシング3のスピン
ドル6及び回転体9を覆う部分は、スピンドル6の入口
6a近傍をブッシュ31により小径円筒状の中空室11
としており、この中空室11に続く部分を、大きな角度
で開いた円錐状の中空室12としている。
あり、この通路10の中心とケーシング3の各中心は、
共に繊維束Sの走行路と一致する同一直線上に位置して
いる。スピンドル6の入口6aの外径は充分に小さく、
入口6aに続く部分は、外径が回転体9に向けて増大す
る円錐状部6bに形成している。ケーシング3のスピン
ドル6及び回転体9を覆う部分は、スピンドル6の入口
6a近傍をブッシュ31により小径円筒状の中空室11
としており、この中空室11に続く部分を、大きな角度
で開いた円錐状の中空室12としている。
小径の中空室11より前方は、ノズルブロック23によ
って、スピンドル6の先端径よりも僅かに大径の円筒状
にしてあり、その円筒状部は繊維束Sのガイド通路とな
るものである。円錐状の中空室12の手前には、環状の
中空室14と、それに続く接線方向の空気逃し孔15が
形成してある。この空気逃し孔15には空気吸引パイプ
が連結されている。
って、スピンドル6の先端径よりも僅かに大径の円筒状
にしてあり、その円筒状部は繊維束Sのガイド通路とな
るものである。円錐状の中空室12の手前には、環状の
中空室14と、それに続く接線方向の空気逃し孔15が
形成してある。この空気逃し孔15には空気吸引パイプ
が連結されている。
ケーシング3の内部には、ノズルブロック23との間に
中空の空気溜16を形成している。ノズルブロック23
には、空気室16からスピンドル6の入口6a方向へと
向き、かつ中空室11に対して接線方向を向いた4つの
空気噴射ノズル17が形成してあり、空気溜16には、
孔18を介してエアホース19が接続してある。ノズル
17の向きは、スピンドル6の回転方向と同一に設定し
てある。
中空の空気溜16を形成している。ノズルブロック23
には、空気室16からスピンドル6の入口6a方向へと
向き、かつ中空室11に対して接線方向を向いた4つの
空気噴射ノズル17が形成してあり、空気溜16には、
孔18を介してエアホース19が接続してある。ノズル
17の向きは、スピンドル6の回転方向と同一に設定し
てある。
ホース19から供給される圧縮空気は、空気溜16に流
入した後、ノズル17から中空室11内に噴出し、スピ
ンドル入口6aの近傍に高速の旋回空気流を生じさせ
る。
入した後、ノズル17から中空室11内に噴出し、スピ
ンドル入口6aの近傍に高速の旋回空気流を生じさせ
る。
この空気流は、中空室11内部で旋回した後、円錐状中
空室12内をゆるく旋回しながら外方へ拡散し、逃し孔
15方向へと導かれ、排出される。また同時に、この空
気流は、フロントローラ20のニップ点Nからケーシン
グ3の中空部内へと流入する吸引空気流を発生させる。
空室12内をゆるく旋回しながら外方へ拡散し、逃し孔
15方向へと導かれ、排出される。また同時に、この空
気流は、フロントローラ20のニップ点Nからケーシン
グ3の中空部内へと流入する吸引空気流を発生させる。
21は、軸受2の後端に嵌着したキャップである。
更に、ノズルブロック23の内壁には、ガイド部材支持
体13を固定している。ガイド部材支持体13は、一端
が円錐状に突出した円柱状をしており、その一側を切り
欠いてノズルブロック23との間に間隙24を形成し、
その間隙24を繊維束Sのガイド通路としている。この
ようにガイド部材支持体13の一端を円錐状に突出させ
ることにより、間隙から供給される繊維束Sの繊維が巻
き付きにくくなり、例え巻き付いても、それは極わずか
であるため解けやすい。また、ガイド部材支持体13の
長手方向には、スピンドル6通路10の中心線に合致す
る孔を穿設し、その孔にピン状のガイド部材22を挿通
している。ガイド部材22は、ガイド部材支持体13の
孔から突出して先端をフリー状態とし、スピンドル6の
入口6aに臨ませている。このガイド部材22もガイド
部材支持体13と同様に円錐状にすると効果的である。
このようなガイド部材22の設置方法によると、装置の
入口側をガイド部材22で塞がないので、繊維束Sの進
入を邪魔することはない。
体13を固定している。ガイド部材支持体13は、一端
が円錐状に突出した円柱状をしており、その一側を切り
欠いてノズルブロック23との間に間隙24を形成し、
その間隙24を繊維束Sのガイド通路としている。この
ようにガイド部材支持体13の一端を円錐状に突出させ
ることにより、間隙から供給される繊維束Sの繊維が巻
き付きにくくなり、例え巻き付いても、それは極わずか
であるため解けやすい。また、ガイド部材支持体13の
長手方向には、スピンドル6通路10の中心線に合致す
る孔を穿設し、その孔にピン状のガイド部材22を挿通
している。ガイド部材22は、ガイド部材支持体13の
孔から突出して先端をフリー状態とし、スピンドル6の
入口6aに臨ませている。このガイド部材22もガイド
部材支持体13と同様に円錐状にすると効果的である。
このようなガイド部材22の設置方法によると、装置の
入口側をガイド部材22で塞がないので、繊維束Sの進
入を邪魔することはない。
ガイド部材22は、スピンドル6の入口6aの通路直径
よりも小さい直径のものであり、先端を滑らかな曲線で
形成している。
よりも小さい直径のものであり、先端を滑らかな曲線で
形成している。
ガイド部材22の先端は、第2、3図では、スピンドル
6の入口6aから通路10内部へ若干入った位置にある
場合を示しているが、入口6a端面から離反した位置を
とることも可能であり、各条件に従って適切な位置に設
定することが可能である。
6の入口6aから通路10内部へ若干入った位置にある
場合を示しているが、入口6a端面から離反した位置を
とることも可能であり、各条件に従って適切な位置に設
定することが可能である。
ガイド部材22は、後述する糸形成過程における撚の伝
播の阻止し、あるいは中心繊維束の代わりを一時的に果
たす、いわゆる疑似芯の働きをなし、従来の空気式結束
紡績糸に顕著に現れる無撚の芯繊維束の形成を阻止して
事実上巻付繊維のみによって糸を形成する働きをなすも
のである。
播の阻止し、あるいは中心繊維束の代わりを一時的に果
たす、いわゆる疑似芯の働きをなし、従来の空気式結束
紡績糸に顕著に現れる無撚の芯繊維束の形成を阻止して
事実上巻付繊維のみによって糸を形成する働きをなすも
のである。
以上説明した紡績装置において、スピンドル6の先端の
外径D、その内径d、スピンドル入口6aからブッシュ
31の入口側端面までの距離δ(スピンドル入口6aが
ブッシュ31の入口側端面より上流にある場合をプラス
とし、その逆をマイナスとする)及びノズルブロック2
3の内径rを色々と変え、28ゲレンの綿コーマを用
い、ドラフト装置の総ドラフトを82、スピンドル6の
回点数を60800rpm、ノズル17の径を0.8mm、
ノズル17からの噴射空気圧を4kg/cm2、糸速を10
0m/minとして紡績糸を製造してみた。
外径D、その内径d、スピンドル入口6aからブッシュ
31の入口側端面までの距離δ(スピンドル入口6aが
ブッシュ31の入口側端面より上流にある場合をプラス
とし、その逆をマイナスとする)及びノズルブロック2
3の内径rを色々と変え、28ゲレンの綿コーマを用
い、ドラフト装置の総ドラフトを82、スピンドル6の
回点数を60800rpm、ノズル17の径を0.8mm、
ノズル17からの噴射空気圧を4kg/cm2、糸速を10
0m/minとして紡績糸を製造してみた。
その結果を整理すると、 r/D=1〜3 D/d=1.5〜3 −2<δ<2(mm) の条件を満たす場合に、糸の強伸度特性、糸むら特性と
も満足のできる実撚の紡績糸を製造することができるこ
とが判明した。
も満足のできる実撚の紡績糸を製造することができるこ
とが判明した。
なお、r=5(mm)、D=3(mm)、d=1.8(m
m)、δ=−0.5(mm)のときが、最も強度が強く均
整な実撚の紡績糸を製造することができた。
m)、δ=−0.5(mm)のときが、最も強度が強く均
整な実撚の紡績糸を製造することができた。
次に、この実撚風糸製造装置Aによる糸の製造過程を説
明する。
明する。
ドラフト装置Dでドラフトされ、フロントローラ20か
ら送り出された繊維束Sは、ガイド部材支持体13とノ
ズルブロック23との間の間隙2から吸引される空気流
によって装置内に引き込まれるが、このフロントローラ
20からの繊維束Sの送出に先立って、図示しないサク
ションパイプ先端がキャップ21の出口30に当接さ
れ、スピンドル6内へ吸引する空気流が生じる。従っ
て、この空気流により、間隙24を進入してくる繊維束
Sは、円滑にスピンドル6内へ吸引される。
ら送り出された繊維束Sは、ガイド部材支持体13とノ
ズルブロック23との間の間隙2から吸引される空気流
によって装置内に引き込まれるが、このフロントローラ
20からの繊維束Sの送出に先立って、図示しないサク
ションパイプ先端がキャップ21の出口30に当接さ
れ、スピンドル6内へ吸引する空気流が生じる。従っ
て、この空気流により、間隙24を進入してくる繊維束
Sは、円滑にスピンドル6内へ吸引される。
スピンドル6内を通ってサクションパイプ内へ吸引され
た糸は、サクションパイプの移動によって糸継ぎ装置へ
と導入され、同様にサクションマウスによって導入され
ているパッケージ側の糸と糸継ぎされる。
た糸は、サクションパイプの移動によって糸継ぎ装置へ
と導入され、同様にサクションマウスによって導入され
ているパッケージ側の糸と糸継ぎされる。
キャップ21の出口30下流側に設けてあるデリベリロ
ーラの周速は、フロントローラ20の周速よりも僅かに
大に設定してあり、紡績中にこの装置Aの中を通る繊維
束Sに対して、常時テンションが掛かるようにしてい
る。
ーラの周速は、フロントローラ20の周速よりも僅かに
大に設定してあり、紡績中にこの装置Aの中を通る繊維
束Sに対して、常時テンションが掛かるようにしてい
る。
繊維束Sは、スピンドル6の入口6a近傍において旋回
する圧縮空気流の作用を受け、同方向に少し仮撚され
る。このとき繊維束Sは、ガイド部材22が存在するこ
とによって、このガイド部材22の占める空間内に位置
することが不可能である。従って、全ての繊維f1がガイ
ド部材22の周囲に位置することになり、空気流に直接
さらされ、繊維束Sから分離する力を受ける。しかしな
がら、繊維f1の先端がスピンドル6の入口6a位置にあ
るとき、その先端は上記したように仮撚をうけているた
め、容易に分離しない。また、その繊維の後端f1aは、
第3図に示すようにフロントローラ20にニップされて
いるか又はノズル17から遠い位置にあって空気の作用
をあまり受けないため、未だ分離していない。
する圧縮空気流の作用を受け、同方向に少し仮撚され
る。このとき繊維束Sは、ガイド部材22が存在するこ
とによって、このガイド部材22の占める空間内に位置
することが不可能である。従って、全ての繊維f1がガイ
ド部材22の周囲に位置することになり、空気流に直接
さらされ、繊維束Sから分離する力を受ける。しかしな
がら、繊維f1の先端がスピンドル6の入口6a位置にあ
るとき、その先端は上記したように仮撚をうけているた
め、容易に分離しない。また、その繊維の後端f1aは、
第3図に示すようにフロントローラ20にニップされて
いるか又はノズル17から遠い位置にあって空気の作用
をあまり受けないため、未だ分離していない。
繊維の後端f1aがフロントローラ20から離脱してノズ
ル17からの空気流を強く受ける位置にやってくると、
その繊維f1は、繊維束Sから分離する。このとき繊維f1
の先端は、部分的に仮撚を受けていることにより、また
空気の作用の少ないスピンドル6中に挿入されているた
め分離せず、仮撚作用をほとんど受けない繊維後端f1a
のみが繊維束Sから分離する。分離された繊維後端f1a
は、空気流の作用によりスピンドル6の入口6a部に1
回又は複数回巻き付き、続いてスピンドル6の円錐状部
6bに少し巻きついた後、回転体9に案内されて外側へ
延びる。
ル17からの空気流を強く受ける位置にやってくると、
その繊維f1は、繊維束Sから分離する。このとき繊維f1
の先端は、部分的に仮撚を受けていることにより、また
空気の作用の少ないスピンドル6中に挿入されているた
め分離せず、仮撚作用をほとんど受けない繊維後端f1a
のみが繊維束Sから分離する。分離された繊維後端f1a
は、空気流の作用によりスピンドル6の入口6a部に1
回又は複数回巻き付き、続いてスピンドル6の円錐状部
6bに少し巻きついた後、回転体9に案内されて外側へ
延びる。
繊維束Sは図の左方へと走行し続け、一方、スピンドル
6が回転しているため、繊維後端f1aは、繊維束Sの周
囲を旋回しながら徐々に引き出される。
6が回転しているため、繊維後端f1aは、繊維束Sの周
囲を旋回しながら徐々に引き出される。
この結果、繊維f1は繊維束Sの周囲にらせん状に巻き付
き、繊維束Sは紡績糸Yとなって繊維束通路10を通過
する。
き、繊維束Sは紡績糸Yとなって繊維束通路10を通過
する。
この糸Yの製造過程において、繊維f1は繊維束Sの全外
周のいたる所から分離され、その内側に位置する繊維も
空気流にさらされて分離されるため、更に、繊維がガイ
ド部材22の外周に位置することとなるため、多数の繊
維が連続的に分離される。分離されたこれらの繊維は、
スピンドル6の円錐状部6bに均等に分配され、芯とな
る繊維がほとんど存在せず、ほとんどの繊維が撚り掛け
られて巻き付けられ、実撚状の糸となる。これらの巻付
繊維f1の巻付方向は、ノズル17の方向及びスピンドル
6の回転方向によって定まる。ノズル17による空気流
の旋回方向は、巻付繊維f1の巻付方向を乱さず、また繊
維先端が分離することのないよう、スピンドル6の回転
方向と同一方向に設定することが好ましい。
周のいたる所から分離され、その内側に位置する繊維も
空気流にさらされて分離されるため、更に、繊維がガイ
ド部材22の外周に位置することとなるため、多数の繊
維が連続的に分離される。分離されたこれらの繊維は、
スピンドル6の円錐状部6bに均等に分配され、芯とな
る繊維がほとんど存在せず、ほとんどの繊維が撚り掛け
られて巻き付けられ、実撚状の糸となる。これらの巻付
繊維f1の巻付方向は、ノズル17の方向及びスピンドル
6の回転方向によって定まる。ノズル17による空気流
の旋回方向は、巻付繊維f1の巻付方向を乱さず、また繊
維先端が分離することのないよう、スピンドル6の回転
方向と同一方向に設定することが好ましい。
上述のごとく、本実施例の装置によれば、スピンドル6
からフロントローラ20側へ伝播しようとする仮撚が、
ガイド部材22によってその伝播を阻止され、フロント
ローラ20を出た繊維束Sが仮撚によって撚りこまれる
ということもなく、ほとんどの繊維が巻付き繊維とな
る。このことは、ガイド部材22を設置しない場合に、
フロントローラ20から送り出される偏平状繊維束のロ
ーラ巾方向中央付近に走行方向の筋状部分が生じること
によって確認することができる。
からフロントローラ20側へ伝播しようとする仮撚が、
ガイド部材22によってその伝播を阻止され、フロント
ローラ20を出た繊維束Sが仮撚によって撚りこまれる
ということもなく、ほとんどの繊維が巻付き繊維とな
る。このことは、ガイド部材22を設置しない場合に、
フロントローラ20から送り出される偏平状繊維束のロ
ーラ巾方向中央付近に走行方向の筋状部分が生じること
によって確認することができる。
ガイド部材22の先端は、スピンドル6の通路内に少し
進入している程度が最も好ましい。この状態で製造され
る糸は、最もリング糸に近い外観を呈しているが、他の
条件のものでもリング糸に近い外観を有する糸を製造す
ることができる。これらの糸は、強力特性においてもリ
ング糸と比べて遜色がない。
進入している程度が最も好ましい。この状態で製造され
る糸は、最もリング糸に近い外観を呈しているが、他の
条件のものでもリング糸に近い外観を有する糸を製造す
ることができる。これらの糸は、強力特性においてもリ
ング糸と比べて遜色がない。
なお、この実施例では、スピンドルにより撚りを掛ける
タイプの装置について説明したが、他の紡績装置、例え
ば、2ノズルタイプの結束紡績糸製造装置の第1ノズル
入口にガイド部材を設けたり、ノズルとニップ式ツイス
ターによる紡績装置、1ノズルタイプの紡績装置への適
用も条件によっては可能である。また、スピンドル6は
糸に撚を掛ける補助をするものであって、これが回転し
なくても糸によっては製造可能であるので、スピンドル
6は必ずしも回転するものである必要はない。
タイプの装置について説明したが、他の紡績装置、例え
ば、2ノズルタイプの結束紡績糸製造装置の第1ノズル
入口にガイド部材を設けたり、ノズルとニップ式ツイス
ターによる紡績装置、1ノズルタイプの紡績装置への適
用も条件によっては可能である。また、スピンドル6は
糸に撚を掛ける補助をするものであって、これが回転し
なくても糸によっては製造可能であるので、スピンドル
6は必ずしも回転するものである必要はない。
ハ.考案の効果 この考案は、以上説明したように構成されているので、
以下に記載するような効果を奏する。
以下に記載するような効果を奏する。
即ち、巻付繊維量が極めて多く、外観、強力特性共にリ
ング糸に遜色のない実撚の糸を製造することができる。
ング糸に遜色のない実撚の糸を製造することができる。
第1図はこの考案の装置を適用した紡績装置の実施例を
示す概略図、第2図はこの考案の装置の断面図、第3図
は同装置による紡績状態を示す模式図である。 6……スピンドル、6a……スピンドル入口、13……
ガイド部材支持体、17……ノズル、22……ガイド部
材、23……ノズルブロック、31……ブッシュ、S…
…繊維束、D……スピンドル入口の外径、d……スピン
ドル入口の内径、δ……スピンドル入口からブッシュの
入口側端面までの距離、r……ノズルブロックの内径
示す概略図、第2図はこの考案の装置の断面図、第3図
は同装置による紡績状態を示す模式図である。 6……スピンドル、6a……スピンドル入口、13……
ガイド部材支持体、17……ノズル、22……ガイド部
材、23……ノズルブロック、31……ブッシュ、S…
…繊維束、D……スピンドル入口の外径、d……スピン
ドル入口の内径、δ……スピンドル入口からブッシュの
入口側端面までの距離、r……ノズルブロックの内径
Claims (1)
- 【請求項1】ドラフト装置を出た繊維束に旋回気流を作
用させるノズルブロック内に、回転又は静止するスピン
ドルの入口へ先端を臨ませてガイド部材を設置し、ノズ
ルブロックの下流に環状ブッシュを当設し、スピンドル
の先端の外径D、その内径d、スピンドル入口からブッ
シュの入口側端面までの距離δ(スピンドル入口がブッ
シュの入口側端面より上流にある場合をプラスとする)
及びノズルブロックの内径rとの関係を次の各式で規定
した紡績装置。 r/D=1〜3 D/d=1.5〜3 −2<δ<2(mm)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10000790U JPH069028Y2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | 紡績装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10000790U JPH069028Y2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | 紡績装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0456775U JPH0456775U (ja) | 1992-05-15 |
JPH069028Y2 true JPH069028Y2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=31842339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10000790U Expired - Lifetime JPH069028Y2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | 紡績装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069028Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008006379A1 (de) * | 2008-01-29 | 2009-07-30 | Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg | Luftspinnvorrichtung |
CH705221A1 (de) * | 2011-07-01 | 2013-01-15 | Rieter Ag Maschf | Vorspinnmaschine zur Herstellung eines Vorgarns sowie Verfahren zum Anspinnen eines Faserverbands. |
-
1990
- 1990-09-25 JP JP10000790U patent/JPH069028Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0456775U (ja) | 1992-05-15 |
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